JPH0618279B2 - シヨツトキバリア半導体装置 - Google Patents

シヨツトキバリア半導体装置

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JPH0618279B2
JPH0618279B2 JP63075359A JP7535988A JPH0618279B2 JP H0618279 B2 JPH0618279 B2 JP H0618279B2 JP 63075359 A JP63075359 A JP 63075359A JP 7535988 A JP7535988 A JP 7535988A JP H0618279 B2 JPH0618279 B2 JP H0618279B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高耐圧シヨツトキバリア半導体装置に関する。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕
シヨツトキバリアダイオードは、高速応答性(高速スイ
ツチング特性)の良さ及び低損失である利点を生かし
て、高周波整流回路等に広く利用されている。しかし、
シヨツトキバリアダイオードは、周辺耐圧(シヨツトキ
バリアの周辺での耐圧)がバルク耐圧(シヨツトキバリ
アの中央部での耐圧)に比べて低下する現象が著しく、
高耐圧化が困難であるという問題を有する。
この問題を解決するための施策を以下に紹介する。第8
図はガードリング構造を有するシヨツトキバリアダイオ
ードである。半導体基板1としては低抵抗のn+形半導
体領域2の上面にこれより高抵抗のn形半導体領域3が
形成されたものが使用される。n形半導体領域3の上面
にはn形半導体領域3との界面にシヨツトキバリアを形
成する電極4が形成されている。n+形半導体領域2の
下面にはn+形半導体領域2とオーミツク接触(低抵抗
接触)した電極5が形成されている。電極4のうち、絶
縁膜6の上面に延在する部分はフイールドプレート7と
呼ばれ、後に説明するガードリングと共に周辺耐圧の向
上に寄与する。即ち、フイールドプレート7は逆電圧印
加時にその下部のn形半導体領域3の表面近傍に空乏層
を広げる作用を有する。その結果、シヨツトキバリア周
辺での電解集中が緩和され、周辺耐圧が向上する。シヨ
ツトキバリアの周縁に隣接して環状に形成された低抵抗
+形半導体領域がガードリング8として作用する領域
である。ガードリング構造ではシヨツトキバリアの周辺
耐圧をpn接合9が担うことになり、フイールドプレー
ト7の作用と相まつて十分とは言えないまでも高耐圧化
を実現する。しかし、順方向に大きな電流を流したとき
には、pn接合9からn形領域3への少数キヤリア(正
孔)の注入が増加する。このため、順方向動作から逆方
向動作に切換えても、この少数キヤリアが消滅するまで
は完全にスイツチオフしない。即ち、スイツチング応答
の遅れが生じて、高速応答性(高周波特性あるいは高速
スイツチング特性)が低下してしまう。
上記のスイツチング応答性の低下を解決するガードリン
グ構造として特開昭58−215079号公報に第9図
に示すような構造のシヨツトキバリアダイオードが開示
されている。即ち、シヨツトキバリアを形成する電極4
とガードリング8のオーミツク電極11とを絶縁膜6上
に形成された高いシート抵抗を有する半絶縁層10を介
して電気的に接続している。この構造によれば、順方向
電流は主として電極4とn形領域3との界面を通つて流
れ、電極4の周部からp+形領域へと流れる電流は半絶
縁層10にて制限される。このため、上記のn形領域3
への少数キヤリアの注入が抑制でき、結果としてスイツ
チング応答性の低下のほとんどないガードリングを有す
るシヨツトキバリアダイオードを提供できる。
しかし、高耐圧化においては十分とはいえなかつた。一
般にシート抵抗の大きく異なる2つの被層の境界部の下
部の半導体領域には、最大電界の生じる電界集中点が存
在することが知られている。第9図のシヨツトキバリア
ダイオードにおいては、電極4と絶縁膜6との境界部分
の下部のn形半導体領域3にこの電界集中点が生じるこ
ととなる。この電界集中点ではブレークダウンが起こり
易く、結果として耐圧が低下することとなる。
そこで、本発明は、高速応答性の低下が少なく、かつ高
耐圧が得られるガードリングを有するシヨツトキバリア
半導体装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本発明は、実施例を示す図面
の符号を参照して説明すると、第1の半導体領域23
と、ガードリングを得るために前記第1の半導体領域2
3の表面を環状に囲むように配置され且つ前記第1の半
導体領域23と反対の導電形を有している第2の半導体
領域24と、前記第1の半導体領域23の前記第2の半
導体領域24によって囲まれた表面の内の前記第2の半
導体領域24から離間した中央領域上に配設され且つ前
記第1の半導体領域23との間にショットキバリアを生
じさせるように形成された第1の電極29aと、前記第
1の電極29aを包囲するように前記第1及び第2の半
導体領域23、24上に配置され、前記第1の電極29
aよりも大きいシート抵抗を有し、前記第1の半導体領
域23との間にショットキバリアを生じさせるように形
成され、前記第1の電極29aと前記第2の半導体領域
24とに電気的に接続されている第2の電極29bとを
備えたショットキバリア半導体装置に係わるものであ
る。
[作用] 本発明においては、ガードリングとしての第2の半導体
領域24とショットキバリア電極としての第1の電極2
9aとの間に、第1の電極29aよりもシート抵抗が大
きく且つ第1の半導体領域23との間にショットキバリ
アを生じさせることができるように形成された第2の電
極29bが配置されている。このため、順方向バイアス
時に、第2の半導体領域24と第1の半導体領域23と
の間にpn接合を通って流れる電流がシート抵抗の高い
第2の電極29bによって制限され、順バイアスから逆
バイアスへの転換時における少数キャリアの残存が少な
くなり、高速応答が可能になる。なお、逆バイアス時に
は第2の電極29bと第1の半導体領域23との間にシ
ョットキバリアが生じるので、高耐圧性は確保される。
〔第1の実施例〕 本発明の第1の実施例に係わるシヨツトキバリアダイオ
ード及びその製造方法を第1図〜第4図に基づいて説明
する。
第1図に示すシヨツトキバリアダイオードを製造する時
には、まず、第2図(A)に示すように、GaAs(砒化ガリ
ウム)から成る半導体基板21を用意する。この半導体
基板21は、厚さ約300μm、不純物濃度1〜3×1
18cm-3のn+形領域22の上に、厚さ10〜20μ
m、不純物濃度1〜2×1015cm-3のn形領域23をエ
ピタキシヤル成長させたものである。
次に、第2図(B)に示すように、n形GaAsから成るn形
領域23中に選択的に、Zn(亜鉛)を拡散してp+形領
域から成るガードリング領域24を形成する。p+形領
域の深さ約2μm、表面不純物濃度は約5×1016cm-3
である。
次に、第2図(C)に示すように、n形領域23及びガー
ドリング領域24の上面全体にTi(チタン)の薄層25
即ちTi薄層を真空蒸着で形成し、更にその上面全体にAl
(アルミニウム)層26を連続して真空蒸着する。Ti薄
層25の厚さは50〜200Å(0.005〜0.02
μm)と極薄である。Al層26の厚さは約2μmで、Ti
薄層25の100倍以上の厚さである。更に、n+形領
域22の下面にAu(金)−Ge(ゲルマニウム)の合金か
ら成るオーミツク接触の電極27を真空蒸着により形成
し、その後、380℃、10秒間の熱処理を行う。
次に、第2図(D)に示すように、フオトエツチングによ
りAl層26の一部をエツチング除去し、主順電流通路と
なるシヨツトキバリアを形成すべき領域に対応させてAl
層26aを残存させる。更にフオトエツチングにより素
子の周辺領域からTi薄層25を除去し、Al層26aの下
部にあるTi薄層25aとこれを隣接して包囲するTi薄層
25bを残存させる。Ti薄層25a、25bは、Ti自身
は導体であつても極薄の膜であるため、シート抵抗20
〜400Ω/□の抵抗層となつており、Al層26aに比
べて高い抵抗を有する。
次に、空気中で300℃、5〜30分間の熱処理を施
す。これにより、第2図(E)に示すように、Al層26a
で被覆されていないTi薄層25bは酸化されてチタンの
酸化物の薄層28となるが、Al層26aの下部のTi薄層
25aはAl層26aにマスクされているので酸化されな
い。
次に、フオトエツチングによりAl層26aの周辺を除去
し、第2図(F)のようにAl層26aの下部にある酸化さ
れていないTi薄層25cを露出させる。第3図に示すよ
うにTi薄層25cはAl層26aの外周を包囲するように
Al層26aに隣接して配置されており、更にTi薄層25
cを包囲するようにチタン酸化物薄層28がTi薄層25
cに隣接して配置されている。AlとTiの両方ともGaAsと
の間にシヨツトキバリアを形成する金属であるので、Al
層26bとAl層26bの下部に配置されたTi薄層25d
から成るシヨツトキバリア形成金属電極を第1のバリア
電極又は第1のバリア金属電極29aと呼び、また第1
のバリア電極29aを隣接して包囲するTi薄層25cか
ら成る薄層のシヨツトキバリア形成金属電極を第2のバ
リア電極又は第2のバリア金属電極29bと呼ぶことと
する。Ti薄層25bは極く薄く膜であるため、第1のバ
リア金属電極29aにおいて、Al層26bとTi薄層25
dがシヨツトキバリアの形成にそれぞれどのように関与
しているか必ずしも明らかではない。なお、Ti薄層25
dのシヨツトキバリアの形成以外の役割りとして、Ti薄
層25dはAl層26bとn形領域23との密着性の向上
に寄与する。また、第2のバリア金属電極29bを形成
するTi薄層25cは第1のバリア金属電極29aとチタ
ン酸化物薄層28との電気的な接続に寄与する。ここ
で、順電流の主たる電流通路となる第1のバリア金属電
極29aのシート抵抗は1Ω/□以下であることが望ま
しく、この実施例では約0.05Ω/□である。第2図
(F)及び第3図に示す第2のバリア金属電極29bを隣
接して包囲するようにリング状に設けられたチタン酸化
物薄層28は、Ti薄層25bの厚さより増大して概算で
75Å〜300Åであり、シート抵抗が50〜500M
Ω/□という半絶縁性の高抵抗層である。即ち、チタン
酸化物薄層28は完全な絶縁物と見なせるTiO2(2酸化
チタン)ではなく、TiO2よりも酸素が少ないいわゆる酸
素プアーなチタン酸化物TiOx(但し、xは2よりも小さ
い数値)となつているものと考えられる。また、本発明
に従うp+形領域から成るガードリング領域24はTi薄
層25cつまり第2のバリア金属電極29bとチタン酸
化物薄層28の境界部分の下部のn形領域23内に配置
されている。ガードリング領域24の表面はTi薄層25
c及びチタン酸化物薄層28の両方の下面に接してい
る。ガードリング領域24は第3図に示すように、第2
のバリア金属電極29bの周縁部に沿つて環状に形成さ
れている。
続いて、チタン酸化物薄層28及び第2のバリア金属電
極29bの上面を絶縁膜30で被覆してシヨツトキバリ
アを有する半導体チツプ即ち電力用シヨツトキバリアダ
イオードチツプを完成させる。なお、絶縁層30はプラ
ズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形
成したシリコン酸化膜から成る。絶縁層30は、プラズ
マCVD法又は光CVD法で形成したシリコン窒化膜や
塗布法により形成したポリイミド系樹脂膜等に置き換え
ることもできるが、プラズマCVD法又は光CVD法に
より形成したシリコン酸化膜が好適であつた。図示では
省略しているが、Al層26aの上面に例えばTi層とAu層
とを順次に設け、これをリード部材に対する接続用電極
とするのが普通である。このとき、Ti層とAu層の外周側
を絶縁層30の上面に延在させて設けると、Ti層とAu層
にて絶縁層30の保護ができるし、フイールドプレート
を付加したことにもなる。
第3図の各部の寸法を例示すると次の通りである。第1
のバリア金属電極29aの幅aは約910μm、第2の
バリア金属電極29bの幅bは約20μm、チタン酸化
物薄層28の幅cは約140μmである。又、ガードリ
ング領域24の幅dは約30μmである。
このシヨツトキバリアダイオードにおいては、第1のバ
リア金属電極29aとn形領域23との間及び第2のバ
リア金属電極29bとn形領域23との間にそれぞれ第
1のシヨツトキバリア及び第2のシヨツトキバリアが生
じるのみでなく、チタン酸化物薄層28とn形領域23
との間にも第3のシヨツトキバリアが生じる。チタン酸
化物薄層28とn形領域23との間にシヨツトキバリア
が生じることはシヨツトキバリアダイオードの整流特
性、容量特性、飽和電流特性等によつて確認した。例え
ば、チタン酸化物薄層28の面積を零から増加すると、
飽和電流ISがチタン酸化物薄層28と第1及び第2の
バリア金属電極29a、29bの面積の和に略比例して
増加する。この比例関係はシヨツトキバリアダイオード
の種々の温度において得られることが確認されている。
チタン酸化物薄層28と第1及び第2のバリア金属電極
29a、29bの面積の和に対して飽和電流ISが略比
例的に変化するということは、第1及び第2のバリア金
属電極29a、29bと略同一の電流密度でチタン酸化
物薄層28に逆電流が流れることを意味する。この現象
は、チタン酸化物薄層28がバリア金属電極29a、2
9bと略同一のバリアハイトφBを持つシヨツトキバリ
アを形成していることを端的に示している。
第2のバリア金属電極29b及びチタン酸化物薄層28
はn形領域23に対してはシヨツトキバリアを形成して
いるが、p+形領域即ちガードリング領域24に対して
はやや非直線性を有する比較的低抵抗の接触をしている
と考えられるので逆電圧印加時には導通と見なせ、ガー
ドリング領域24に対してはシヨツトキバリアを形成し
てはいない。従つて、第1のバリア金属電極29aに基
づく第1のシヨツトキバリアと第2のバリア金属電極2
9bに基づく第2のシヨツトキバリアは直接に連続する
が、チタン酸化物薄層28に基づく第3のシヨツトキバ
リアと第2のシヨツトキバリアはガードリング領域24
を介してつながつており、直接には連続していない。ま
た、第2のシヨツトキバリアと第3のシヨツトキバリア
とはガードリング領域24とn形領域23との境界部
分、つまりpn接合31を介して連続しているとも見な
せる。
ガードリング領域24は従来例と同様にシヨツトキバリ
アの周辺耐圧向上に寄与する。ここで、第1のバリア金
属電極29aに比べて第2のバリア金属電極29bのシ
ート抵抗はかなり大きい値となつている。このため、第
1図のシヨツトキバリアダイオードでは順方向電圧印加
時にガードリング領域24を経てn形領域23へと流れ
る順電流は第2のバリア金属電極29bにより制限され
る。このため、ガードリング領域24からpn接合31
を経てn形領域23に注入される少数キヤリア(正孔)
が激減し、ガードリング領域24を設けたことによる高
速応答正の低下はほとんどない。つまり、第1図のシヨ
ツトキバリアダイオードの第2のバリア金属電極29b
はシヨツトキバリアを形成する電極であるとともに少数
キヤリアの注入を制限する。
チタン酸化物薄層28は、n形領域23との間にシヨツ
トキバリアを形成しており、高抵抗性のフイールドプレ
ートとして耐圧向上に大きく寄与している。即ち、逆電
圧印加時にチタン酸化物薄層28の内周縁と外周縁の間
に微少電流が流れてチタン酸化物薄層28の延在方向に
電位勾配が生じる。チタン酸化物薄層28によつて形成
されているシヨツトキバリアから延びる空乏層の広がり
は、上記電位勾配によつてガードリング領域24側で大
きく、チタン酸化物薄層28の外周縁側に向うに従つて
小さくなる。逆電圧印加時には第1のバリア金属電極2
9a及び第2のバリア金属電極29bとn形領域23と
の間に形成される第1及び第2のシヨツトキバリア、p
n接合31、チタン酸化物薄層28とn形領域23との
間に形成される第3のシヨツトキバリアの四者のそれぞ
れから延びる空乏層が一体化し、第4図に模式的に示す
空乏層32がn形領域23の表面に連続して形成され
る。これらの結果、逆電圧印加時におけるシヨツトキバ
リアの周部での電界集中が緩和され、シヨツトキバリア
ダイオードの耐圧が大幅に向上する。なお、チタン酸化
物薄層28による高耐圧化構造については、本願発明者
等によつて発明され、本件特許出願人より特願昭62−
307196号として出願されている。
本実施例のシヨツトキバリアダイオードは、150V以
上の耐圧が高い歩留りで得られ、バルク耐圧と略等しい
と考えられる約250Vの耐圧を示すものさえあつた。
高耐圧化の策を施さない場合(チタン酸化物薄層28、
Ti薄層25c、p+形領域24を形成しない場合)には
60V程度の耐圧しか得られない。また、本実施例のシ
ヨツトキバリアダイオードを、スイツチング周波数50
0kHzの高周波数スイツチングレギユレータの整流ダイ
オードとして使用したところノイズ発生の極めて少ない
整流動作が確認された。
本実施例は次の利点を有する。
(1)n形領域23の表面のガードリングにて包囲された
領域には第1のバリア金属電極29a及び第2のバリア
金属電極29bに基づく第1のシヨツトキバリアと第2
のシヨツトキバリアが連続して形成される。このため、
逆電圧印加時には第1のシヨツトキバリアから延びる空
乏層と、第2のシヨツトキバリアから延びる空乏層と、
pn接合31からの空乏層が連続し、電界集中を緩和す
る良好な空乏層32が得られる。従来の絶縁物を介して
フイールドプレートを有する構造でもガードリングにて
包囲された領域にpn接合9から延びる空乏層と連続す
る空乏層が得られる。しかし、絶縁層6を介して空乏層
を形成するので、電界集中を緩和する良好な空乏層が得
られず、本実施例のような大きな耐圧向上は望めない。
(2)塾方向バイアス時にpn接合31を経てn形領域2
3へと流れる電流は第2のバリア金属電極29bにて制
限される。このため、高速応答性を損なうことなく高耐
圧化が実現できる。
(3)従来の絶縁層を介してフイールドプレートを有する
構造の欠点の1つである特性の熱的不安定はTi薄層25
c及びチタン酸化物薄層28の下部に絶縁層を介在して
いないことによつて解消されている。
(4)応力集中点と電界集中点とを分離できるため、耐圧
歩留りを向上することができた。即ち、第1のバリア金
属電極29aはそれよりも外周側に形成された被層より
も肉厚となつているため、第1のバリア金属電極29a
の外周端の下部に応力集中点が生じる。この応力集中点
では、n形領域23に歪が加つているため、臨界電界強
度(Ecrit)が低下しており、ここに電界集中が生じる
とブレークダウンが起り易い。本実施例では最大電界の
生じる電界集中点は、ガードリング領域24の外周部の
近傍に位置するため電界集中点を応力集中点から離間で
きる。これにより、規定耐圧以下の製品の生じる頻度が
減少し、耐圧歩留りが向上する。なお、従来の絶縁物を
介したフイールドプレートを有する構造では電界集中点
はバリア金属電極4と絶縁物6の境界の下部にあり、応
力集中点と実質的に一致する。このため、耐圧歩留りの
向上は望めない。
(5)Al層26bの直下に設けたTi薄層25dの延在部に
てTi薄層25c及びチタン酸化物薄層28が得られるの
で、目的とする第2のバリア金属電極29b及びチタン
酸化物薄層28が容易に得られる。また、第1のバリア
金属電極29aと第2のバリア金属電極29bとチタン
酸化物薄層28との電気的接続を容易かつ確実に達成す
ることができる。
(6)チタン酸化物薄層28を設けたので一段と耐圧を向
上できる。即ち、上述のようにチタン酸化物薄層28を
設けたことにより、ガードリング領域24の外周側のn
形領域23にも電界集中を緩和する空乏層を良好に形成
することができる。このため、耐圧を大幅に向上させる
ことができた。
〔第2の実施例〕 第5図に示す本発明の第2の実施例に係わるシヨツトキ
バリアダイオードを説明する。但し、第5図及び後で説
明する第6図及び第7図において第1図〜第3図と実質
的に同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略
する。第5図のシヨツトキバリアダイオードはn形領域
23の表面にリング状のチタン酸化物薄層28aを有
し、更にこの上にリング状のチタン酸化物薄層28bを
有する。第1のバリア金属電極29aはAl層26bと2
層のTi薄層25e、25fから成る。第2のバリア金属
電極29bは2層のTi薄層25g、25hから成る。こ
の構造は第2図(C)〜(F)のような工程を2回繰り返すこ
とによつて形成できる。上側のチタン酸化物薄層28b
は第1図のシヨツトキバリアダイオードのチタン酸化物
薄層28と同じ厚さ及び酸化程度に形成されている。下
側のチタン酸化物薄層28aは上側のチタン酸化物薄層
28bとほぼ同一の厚さとなつているが酸化の程度を上
側のチタン酸化物薄層28bより強めているので、上側
のチタン酸化物薄層28bよりもシート抵抗が大きい。
従つて、上側のチタン酸化物薄層28bを通る電流の法
が下側のチタン酸化物薄層28aを通る電流よりも大き
くなり、電位勾配は主として上側の層によつて決定され
る。下側のチタン酸化物薄層28aは高いバリアハイト
φBを有するので飽和電流ISを減少することができる。
このため、逆電流レベルの小さいシヨツトキバリアダイ
オードを提供できる。
また、第2のバリア金属電極29bを肉厚とすることで
抵抗が減少するので、ブレークダウン時の電流が第2の
バリア金属電極29bの外周端側の複数箇所に分散して
良好に流れるため逆方向サージ耐量が向上する。但し、
第2のバリア金属電極29bのシート抵抗は順電圧印加
時にn形領域23への少数キヤリアの注入を抑制するこ
とができる抵抗値に設定する必要がある。
なお、第1の実施例と同様に、第1及び第2のバリア金
属電極29a、29bとp+形領域から成るガードリン
グ領域24との組み合せから成る耐圧向上効果も得られ
る。
〔第3の実施例〕 第6図に本発明の第3の実施例に係わるシヨツトキバリ
アダイオードを示す。第6図のシヨツトキバリアダイオ
ードは第2のバリア金属電極29bの外周端側に、第1
のチタン酸化物薄層28c、等電位化用Ti薄層25i、
第2のチタン酸化物薄層28dがリング状に順次隣接し
て配置され、これらが互いに電気的に接続されている。
等電位化用Ti薄層25iから成る環状領域は導電性が高
いので、等電位分布領域となり得る。この結果、n形領
域23の表面上における平面的に見た電位分布の不均一
性を修正して均一な空乏層を形成し、耐圧を向上するこ
とができる。また、チタン酸化物薄層28dの外周端は
Au(金)−Ge(ゲルマニウム)合金から成る接続領域3
4にてn形領域23と電気的に低抵抗接続されている。
従つて、チタン酸化物薄層28dの外周縁でブレークダ
ウンが生じないため、ノイズの発生の少ない小信号用高
耐圧シヨツトキバリアダイオードを提供できる。勿論、
第6図のシヨツトキバリアダイオードにおいても、第1
及び第2のバリア金属電極29a、29bとp+形領域
から成るガードリング領域24との組み合せによる耐圧
向上効果も得られる。
〔第4の実施例〕 第7図に示す第4の実施例のシヨツトキバリアダイオー
ドは第1のバリア金属電極29aの周縁部の下部にTi薄
層25kより肉厚のTi薄層33が形成されている。Ti薄
層33の厚さは100〜400Åで、Al層26cと比べ
れば、極薄である。第7図のシヨツトキバリアダイオー
ドはn形領域23の上面に予めTi薄層33を形成してお
き、第2図(C)〜(F)のような工程にて製作できる。第7
図のシヨツトキバリアダイオードではAl層26cと、Ti
薄層25jと、Ti薄層33の一部から成る部分を第1の
バリア金属電極29a、Ti薄層25kと、Ti薄層33の
残部から成る部分を第2のバリア金属電極29bと呼ぶ
ことができる。第3の実施例と同様に第2のバリア金属
電極29bのシート抵抗が減少し逆方向サージ耐量の向
上したシヨツトキバリアダイオードを提供できる。ま
た、シヨツトキバリアのうち周辺のTi薄層33の部分は
バリアハイトφBが向上するのでシヨツトキバリアの周
辺耐圧が向上し、さらに高耐圧のシヨツトキバリアダイ
オードを提供できる。この場合も、第2のバリア金属電
極29bのシート抵抗は順方向電流を適度に制限できる
値に設定する必要がある。なお、この実施例によつて
も、第1及び第2のバリア金属電極29a、29bとガ
ードリング領域24との組み合せによる耐圧向上効果が
得られる。
〔変形例〕
本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、例え
ば次の変形が可能なものである。
(1)高耐圧が特に要求されない場合はチタン酸化物薄層
28を省いた構造としてもよい。
(2)チタン酸化物薄層28、28b〜28dのシート抵
抗は、半導体チツプ構造やサイズによつて効果的な範囲
が変わるが、10kΩ/□〜5000MΩ/□、望まし
くは10MΩ/□〜1000MΩ/□に選ぶべきであ
る。
(3)第2図(C)のTi薄層25の膜厚は、膜厚制御、酸化温
度、酸化時間等を勘案して20Å以上にすべきである。
上限については、上記所定のシート抵抗が得られるなら
ば制限はないが、Ti薄膜を熱酸化してチタン酸化物薄層
を形成するときには、酸化温度と酸化時間を勘案して3
00Å以下とすべきである。プラズマ酸化のような強力
な酸化を行うならば、この上限はさらに拡大できる。
(4)Ti薄層25を酸化してチタン酸化物薄層28を得る
時の酸化温度は500℃以下にすることが望ましく、Au
系の電極を用いる時は380℃以下とする。酸化温度の
下限値については、熱酸化法による時では200℃以上
とするが、プラズマ酸化による時では室温以下の低温と
することもできる。酸化時間はTi薄層25の厚さ、酸化
温度、酸化雰囲気によつて変わるが、5秒〜2時間の範
囲に収めることが望ましい。
(5)チタン酸化物薄層28、28a〜28dに対応する
ものをチタン酸化物の蒸着やスパツタリングで形成し、
Ti薄層25c、25h、25g、25iを導電性が比較
的高いチタン窒化物層に置き換えてもよい。チタン窒化
物層は、Al層をマスクとしてチタン酸化物層を窒化する
ことによつて形成し得る。
(6)シート抵抗が高く且つシヨツトキバリアを精製する
薄層としてチタン酸化物薄層が好適であるが、Ta(タン
タル)系材料の酸化物薄層等にすることもできる。ま
た、Ti薄層25及びチタン酸化物薄層28はInやSn等を
添加したものであつてもよい。
(7)GaAsの代りにInP(燐化インジウム)等のIII−V族
化合物やシリコンを使用するシヨツトキバリア半導体装
置にも適用可能である。
(8)集積回路中にシヨツトキバリア半導体装置を形成す
る場合には、n形領域23を島状に囲むようにn+形領
域22を設けてオーミツク電極27をn形領域23の表
面側に設けるプレーナ構造としてもよい。
(9)n形領域23、n+形領域22をp形領域と置き換え
ることができる。
(10)本発明に従う薄層としての第2のバリア金属電極2
9bのシート抵抗は、半導体チツプの構造等種々の条件
により、効果的な範囲は変わり、1Ω/□〜1MΩ/□
の範囲で本発明の効果が有効に得られる。但し、高水準
な逆サージ耐量が要求される場合には5Ω/□〜500
Ω/□に設定するのが望ましい。
(11)本発明に従う薄層としての第2のバリア金属電極2
9bの厚さ、チタン酸化物薄層28の厚さ及びチタン酸
化物薄層28aと28bを合せた厚さは設計上種々の数
値をとり得るが、実質的に応力集中点の発生原因となら
ないように5000Å以下、望ましくは3000Å以下
とすべきである。
(12)第2のバリア金属電極29bの幅は応力集中点と電
界集中点とを離間するために2μm以上とすべきであ
る。ただし50μm以上としてもその効果は飽和しチツ
プの面積の増大を招くだけである。従つて2〜50μm
の範囲に設定するのがよい。
(13)チタン酸化物薄層28、28a、28b、28cと
28dの和の幅を約10μm以上とすることによつて耐
圧向上の効果が現われ、30μm以上にすることによつ
てその効果が顕著になる。しかし、所定の耐圧が得られ
る歩留りを高くするためには100μm以上に説明する
ことが一層望ましい。幅を500μm又はこれよりも大
きく設定しても耐圧向上効果を十分に得ることができ
る。従つて、幅の上限はないが、幅を500μm以上に
しても耐圧の比例的増大を期待することができないばか
りでなく、半導体チツプが大型化するといる問題が生じ
る。従つて、幅を30〜500μmの範囲にすることが
望ましい。
〔発明の効果〕
上述から明らかなように、本発明によれば、ガードリン
グとして働く第2の半導体領域を設けたにも拘らず、高
速応答性の低下が少ないシヨツトキバリア半導体装置を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例に係わるシヨツトキバリ
アダイオードを示す断面図、 第2図(A)〜(F)は第1図のシヨツトキバリアダイオード
を製造工程順に示す断面図、 第3図は第2図(F)の状態を示す平面図、 第4図は空乏層を模式的に示すシヨツトキバリアダイオ
ードの一部拡大断面図、 第5図は第2の実施例のシヨツトキバリアダイオードを
示す断面図、 第6図は第3の実施例のシヨツトキバリアダイオードを
示す断面図、 第7図は第4の実施例のシヨツトキバリアダイオードを
示す断面図、 第8図は従来のシヨツトキバリアダイオードを示す断面
図、 第9図は従来の別のシヨツトキバリアダイオードを示す
断面図である。 22……n+形領域、23……n形領域、24……ガー
ドリング領域、25c,25d……Ti薄層、26a……
Al層、27……オーミツク電極、28……チタン酸化物
薄層、29a……第1のバリア金属電極、29b……第
2のバリア金属電極。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の半導体領域(23)と、 ガードリングを得るために前記第1の半導体領域(2
    3)の表面を環状に囲むように配置され且つ前記第1の
    半導体領域(23)と反対の導電形を有している第2の
    半導体領域(24)と、 前記第1の半導体領域(23)の前記第2の半導体領域
    (24)によって囲まれた表面の内の前記第2の半導体
    領域(24)から離間した中央領域上に配設され且つ前
    記第1の半導体領域(23)との間にショットキバリア
    を生じさせるように形成された第1の電極(29a)
    と、 前記第1の電極(29a)を包囲するように前記第1及
    び第2の半導体領域(23)(24)上に配置され、前
    記第1の電極(29a)よりも大きいシート抵抗を有
    し、前記第1の半導体領域(23)との間にショットキ
    バリアを生じさせるように形成され、前記第1の電極
    (29a)と前記第2の半導体領域(24)とに電気的
    に接続されている第2の電極(29b)と を備えたショットキバリア半導体装置。
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