JPH06181091A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

誘導加熱調理器

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Publication number
JPH06181091A
JPH06181091A JP33263392A JP33263392A JPH06181091A JP H06181091 A JPH06181091 A JP H06181091A JP 33263392 A JP33263392 A JP 33263392A JP 33263392 A JP33263392 A JP 33263392A JP H06181091 A JPH06181091 A JP H06181091A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transistor
switching means
circuit
resonance
voltage
Prior art date
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Pending
Application number
JP33263392A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Hattori
憲二 服部
Hirobumi Noma
博文 野間
Yoshihiro Yamashita
佳洋 山下
Yuji Fujii
裕二 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP33263392A priority Critical patent/JPH06181091A/ja
Publication of JPH06181091A publication Critical patent/JPH06181091A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スイッチング手段の損失の少なく、高周波雑
音の発生の少ない誘導加熱調理器を提供することを目的
とする。 【構成】 直流電源間に、トランジスタ14とその逆電
流阻止ダイオード15とトランジスタ16を直列的に接
続し、トランジスタ16に並列的に加熱コイル18と共
振コンデンサ19および共振コンデンサ20の共振回路
を接続し、ダイオード17をトランジスタ16に逆並列
に接続し、トランジスタ14とトランジスタ16を相互
に駆動し、トランジスタ14の駆動時間を可変して出力
を調節する制御回路21を設けることにより、トランジ
スタ14とトランジスタ16のスイッチング時に発生す
る損失が少なく、高周波雑音の少ない出力調節可能な誘
導加熱調理器が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流電源間に直列接続
されて交互に導通するスイッチング手段を有し、そのス
イッチング素子の駆動時間を可変して出力制御するイン
バータ回路を備えた誘導加熱調理器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、高周波磁界により負荷鍋底に渦電
流を誘起して加熱する誘導加熱調理器は、清潔で安全
で、加熱効率の高い調理器具として注目されており、さ
らに、200Vの電源利用により、高出力化が図られて
いる。
【0003】以下に従来の誘導加熱調理器について説明
する。図6は従来の誘導加熱調理器に使用されているプ
ッシュプルインバータを示すものである。図6において
直流電源1の正極にNPNトランジスタ(以下単にトラ
ンジスタと呼ぶ)2のコレクタが接続され、トランジス
タ2のエミッタとトランジスタ3のコレクタが接続さ
れ、トランジスタ3のエミッタは直流電源1の負極に接
続されている。ダイオード4がトランジスタ2と逆並列
に、またダイオード5がトランジスタ3と逆並列にそれ
ぞれ接続されている。加熱コイル6と共振コンデンサ7
の直列回路がトランジスタ3のコレクタと直流電源1の
負極との間に接続され、また共振コンデンサ8がトラン
ジスタ3のコレクタ−エミッタ間に接続されている。
【0004】以上のように構成された誘導加熱調理器に
ついて、以下その動作について図7の動作波形を用いて
説明する。図7(A)はトランジスタ2のコレクタ−エ
ミッタ間の電圧波形で、同図(B)はトランジスタ2と
ダイオード4に流れる電流波形で、同図(C)はトラン
ジスタ3のコレクタ−エミッタ間に印加する電圧波形
で、同図(D)はトランジスタ3とダイオード5に流れ
る電流波形であり、同図(E)はトランジスタ2のベー
ス電流波形で同図(F)はトランジスタ3のベース電流
波形である。
【0005】まず、ダイオード4に共振電流が流れてい
る時点t1でトランジスタ2のベースに図7(E)に示す
駆動パルスが印加され共振電流の流れる方向が変わりト
ランジスタ2が導通すると、トランジスタ3はオフして
いるので直流電源1が加熱コイル6と共振コンデンサ7
の直列共振回路に印加し、図7(B)の斜線部(a)で
示す共振電流が図6の(a)で示す回路ループに流れ
る。時点t1からT時間後の時点t2でトランジスタ2のベ
ース電流がオフし、トランジスタ2は蓄積電荷などによ
る少しの時間遅れの後遮断する。加熱コイル6に蓄えら
れたエネルギーにより、加熱コイル6を流れる電流は図
6の(b)で示す回路ループに流れ、ダイオード5には
図7の(b)で示す波形の電流が流れる。
【0006】時点t2から遅延時間Td後すなわちダイオー
ド5に電流が流れている時点t3においてトランジスタ3
のベースに図7(F)の駆動パルスが印加される。共振
電流の向きが変わると上記のようにトランジスタ3が駆
動されているので共振電流は図6の(c)で示す回路ル
ープに流れ、トランジスタ3に流れる電流は図7の斜線
部(c)で示す波形となる。時点t3からT時間後の時点
t4でトランジスタ3のベース電流がオフし、トランジス
タ3は蓄積電荷などによる少しの時間遅れの後遮断す
る。加熱コイル6に蓄えられたエネルギーにより、加熱
コイル6を流れる電流は図6の(d)で示す回路ループ
に流れるようになり、ダイオード4には図7の(D)で
示す波形の電流が流れる。
【0007】そして時点t4から遅延時間Td後すなわちダ
イオード4に電流が流れている時点t5においてトランジ
スタ2のベースに図7(E)の駆動パルスが印加され
る。共振電流の向きが変わると上記のようにトランジス
タ2が駆動されているので共振電流は図6の(a)で示
す回路ループに再度流れ、上記の一連の動作を繰り返
す。
【0008】コンデンサ8はいわゆるスナバコンデンサ
で、トランジスタ3が遮断したとき、トランジスタ3の
コレクタ−エミッタ間に印加する電圧の立ち上がりが急
峻になるのを防止し、周囲の電子機器に高周波雑音によ
る妨害を与えないようにするとともに、トランジスタ2
およびトランジスタ3のオフ時のスイッチング損失を低
減するものである。そして出力はトランジスタ2とトラ
ンジスタ3の導通時間Tを変えて調節する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の構
成では、コンデンサ8の容量を小さくするとトランジス
タ3の遮断時にトランジスタ3に印加する電圧の立ち上
がり時の上昇率(dv/dt)が大きくなり、トランジ
スタ3のスイッチング損失が増大しあるいは高周波雑音
の発生量が増えまたダイオード4とダイオード5に流れ
る電流が増えその損失が増加するという課題がある。
【0010】逆にコンデンサ8の容量を大きくすると、
トランジスタ2が遮断した場合に加熱コイル6の電流は
コンデンサ8に蓄積された電荷が放電するまでコンデン
サ8に流れるのでトランジスタ2が遮断してから、ダイ
オード5に電流の流れる期間が減少するため、とりわけ
トランジスタ2の遮断する直前のコレクタ電流が少なく
なる負荷あるいは低出力状態では、図8(D)に示すよ
うにダイオード5に共振電流が流れる期間Td1 が短くな
る。一方図8(E)はトランジスタ2の駆動パルスを示
し、同図(F)はトランジスタ3の駆動パルスを示す
が、トランジスタ2とトランジスタ3が同時に導通する
と直流電源1を短絡してこれらの素子を破壊するので、
この同時導通を防止するために、図8(F)のTd2 で示
す遅延時間を設定している。上記のようにダイオード5
に共振電流の流れる期間Td1 が短くなるとトランジスタ
3の駆動開始以前にトランジスタ3に順バイアスが印加
することになり図8に示す時点t1から時点t2までの期間
トランジスタ3に高電圧が発生しトランジスタ3のスイ
ッチング損失が増大し、高周波雑音も増大するという課
題がある。
【0011】コンデンサ8の容量をさらに増加したり加
熱コイル6の電流を低下させると図9(B)および図9
(D)に示すようにダイオード4あるいはダイオード5
に電流が流れなくなり時点t1および時点t2でコンデンサ
8を短絡的に放電あるいは充電する電流が増大しトラン
ジスタ3およびトランジスタ2のターンオン損失が増大
するとともに高周波雑音がさらに増加するという課題が
あった。
【0012】本発明は上記課題を解決するもので、スイ
ッチング手段に発生するスイッチング損失が小さく、ま
た高周波雑音の発生量が少なく、容易に出力コントロー
ル可能なインバータを提供し、誘導加熱調理器を小型
化、低価格化することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】そして上記目的を達成す
るための第1の課題解決手段は、直流電源間に直列的に
接続され前記直流電源の正極側に接続される第1のスイ
ッチング手段と前記直流電源の負極側に接続される第2
のスイッチング手段と、前記第1のスイッチング手段に
直列的に接続された前記第1のスイッチング手段の逆電
流阻止手段と、前記第2のスイッチング手段に流れ込も
うとする逆電流をバイパスする第1のバイパス手段と、
前記第1のスイッチング手段あるいは前記第2のスイッ
チング手段のオンオフにより共振回路ループを変えて共
振する加熱コイルと第1の共振コンデンサからなる共振
回路と、前記第2のスイッチング手段のオフ時に、前記
加熱コイルと共振して前記第2のスイッチング手段に共
振電圧を印加する第2の共振コンデンサを備えたインバ
ータと、前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイ
ッチング手段を交互に駆動するとともに前記第1のスイ
ッチング手段の駆動時間を可変し、また前記第2のスイ
ッチング手段を所定の期間駆動して前記インバータの出
力を制御する出力制御手段を設けたものである。
【0014】また上記目的を達成するための第2の課題
解決手段は、上記第1の課題解決手段の構成とするとと
もに、前記出力制御手段は、前記第2のスイッチング手
段に流れる共振電流が最大値付近に達したことを検知す
る第1のタイミング回路を備え、前記第1のタイミング
回路の出力に基づき、前記第2のスイッチング手段の駆
動を停止する構成としたものである。
【0015】また上記目的を達成するための第3の課題
解決手段は、上記第1の課題解決手段の構成とするとと
もに、前記出力制御手段は、前記第2のスイッチング手
段のオフ後、前記第2のスイッチング手段に印加する共
振電圧がピーク付近に達したことを検知する第2のタイ
ミング回路を備え、前記第2のタイミング回路の検知結
果に基づいて、前記第1のスイッチング手段を駆動する
を設けたものである。
【0016】また上記目的を達成するための第4の課題
解決手段は、上記第1の課題解決手段の構成とするとと
もに、所定の電圧が印加すると前記第1の共振コンデン
サに流れ込もうとする電流をバイパスする第2のバイパ
ス手段を具備する構成としたものである。
【0017】
【作用】本発明の誘導加熱調理器は、上記第1の課題解
決手段の構成により、直流電源の正極電位側に設けられ
た第1のスイッチング手段が導通すると、負極電位側の
第2のスイッチング手段はオフしているので、第1のス
イッチング手段を介して、加熱コイルと第1の共振コン
デンサの共振回路に共振電流が流れる。
【0018】前記の共振電流が流れている時、第1のス
イッチング手段がオフすると、加熱コイルに蓄積された
エネルギーにより加熱コイル電流を維持する方向に起電
力が発生する。前記加熱コイルに発生した起電力によ
り、加熱コイルと第1の共振コンデンサと第1のバイパ
ス手段で構成される回路ループに共振電流が発生する。
【0019】この共振電流が第1のバイパス手段に流れ
ている間に、第2のスイッチング手段が前もって駆動さ
れており共振電流の流れる方向が変わると、第1のバイ
パス手段はその電流を阻止するので、共振電流はスムー
ズに第2のスイッチング手段に流れ込む。
【0020】第2のスイッチング手段の駆動開始後、出
力設定手段は設定された所定の駆動時間が経過すると駆
動信号を停止するので、第2のスイッチング手段がオフ
し、第2のスイッチング手段の高電位側が正の電位とな
る極性の電圧が加熱コイルに発生する。この電圧は第2
の共振コンデンサを充電あるいは放電し第2の共振コン
デンサと加熱コイルの共振電圧が発生する。このとき第
2の共振コンデンサに印加する共振電圧により第2のス
イッチング手段の印加電圧も上昇し、直流電源電圧を越
えるが、第1のスイッチング手段の逆電流阻止手段が設
けられているので、印加電圧はそのまま上昇しピーク電
圧に達した後、再度直流電圧に戻る。したがって第2の
スイッチング手段の印加電圧が直流電源電圧を越えてか
ら再度その電圧まで戻るまでに所定の時間を設けること
が可能となる。この時間の間に、第1のスイッチング素
子を駆動すれば、第1のスイッチング手段ターンオン損
失(第1のスイッチング手段に順方向の電圧が印加した
状態でターンオンし第2の共振コンデンサを充電あるい
は放電するスパイク状の電流と印加電圧との積による損
失)が発生せずまた、ターンオン時の高周波雑音の発生
を防止することができる。
【0021】また、上記のように第2のスイッチング手
段がオフする際、この素子への印加電圧は、共振電圧と
なるので電圧の上昇率dv/dtは比較的小さく、オフ
時のスイッチング損失となる印加電流と印加電圧の積を
抑制することが可能で、当然のことながらdv/dtの
抑制効果による高周波雑音の低減も可能となる。
【0022】さらに、第1のスイッチング手段の駆動時
間を可変する駆動時間比制御手段を設けているので、加
熱コイル電流の大きさを変えることが可能で、負荷鍋に
対する誘導加熱出力を連続可変制御することができるも
のである。
【0023】また上記第2の課題解決手段の構成によ
り、第2のスイッチング手段に流れる共振電流が最大値
付近に達したことを検知する第1のタイミング回路を備
え、第1のタイミング回路の出力に基づき、第2のスイ
ッチング手段の駆動を停止するので、加熱コイル電流の
最大値(ピーク値)すなわち加熱コイルに蓄えられる電
磁エネルギーが最大の時点で第2のスイッチング手段を
オフすることができ、第2のスイッチング手段がオフし
た後に第2のスイッチング手段に印加する共振電圧を最
大にすることが可能となる。したがって、上述したよう
に第2のスイッチング手段のオフ後に第2のスイッチン
グ手段に印加する電圧が直流電源の正極電位を越える期
間を設け易くなり、越えない場合でも正極電位と第2の
スイッチング手段に印加する共振電圧のピーク値との差
を最小限にすることができ、また負荷が変わり加熱コイ
ルと第1の共振コンデンサの共振周波数が変動しても自
動的に応答するので、第1のスイッチング手段の駆動信
号を出力するタイミングの設定が容易となるとともに、
第1のスイッチング手段のターンオン損失および高周波
雑音の発生の防止あるいは低減化を図ることが可能とな
るものである。
【0024】また、上記第3の課題解決手段の構成によ
り、第2のスイッチング手段のオフ後、第2のスイッチ
ング手段に印加する共振電圧がピーク付近に達したこと
を検知する第2のタイミング回路を備え、出力制御手段
は前記第2のタイミング回路の検知結果に基づいて、前
記第1のスイッチング手段を駆動するので、第2のスイ
ッチング手段のオフ後第2のスイッチング手段に印加す
る電圧の最大値を追尾して第1のスイッチング手段を駆
動することが可能となり、第1のスイッチング手段に逆
電圧が印加している時点、もしくは第1のスイッチング
手段に印加する順バイアス電圧の最小となる時点付近で
出力制御手段が第1のスイッチング手段の駆動信号を出
力することができる。したがって負荷が変わり加熱コイ
ルと第2の共振コンデンサの共振周波数が変動しても自
動的に応答して、最適のタイミングで駆動開始して第1
のスイッチング手段のターンオン損失および高周波雑音
の発生の防止あるいは低減化を図ることができるもので
ある。
【0025】また、上記第4の課題解決手段の構成によ
り、所定の電圧が印加すると第1の共振コンデンサに流
れ込もうとする電流をバイパスする第2のバイパス手段
を備えているので、第2のスイッチング手段に共振電流
が流れ始めてから時間が経過し、その電流のdi/dt
が零となり減少に転ずると、加熱コイルの印加電圧が反
転する。加熱コイルの印加電圧が反転すると、第1の共
振コンデンサに印加する電圧が反転し第2のバイパス手
段に所定の電圧が印加するので、第2のバイパス手段が
導通状態となり電流は第1の共振コンデンサに流れず第
2のバイパス手段に流れる。すなわち、第1の共振コン
デンサが第2のバイパス手段によりバイパスされるの
で、加熱コイルに蓄積されたエネルギーによって加熱コ
イルが電流源となり、加熱コイルと第2のスイッチング
手段と第2のバイパス手段(場合によっては内部インピ
ーダンスの小さい直流電源も含まれる)で構成される閉
回路に振動のない一定方向の循環電流が流れる。
【0026】一方、第2のスイッチング手段が導通を開
始してからその電流値が最大になるまでの時間は加熱コ
イルと第2の共振コンデンサの共振周波数に依存する
が、加熱コイルのインピーダンスは負荷との合成インピ
ーダンスであるので負荷により変動する。したがって、
上記の第2のスイッチング手段の電流の最大となる時点
は負荷の形状や材質などにより変動する。第2のスイッ
チング手段の駆動信号を例えば、第2のスイッチング手
段がオンしてから所定時間後にオフするように設定する
と、第2のスイッチング手段のオフする時点が固定され
るので、負荷の種類にかかわらず第2のスイッチング手
段のオフする時点を、第2のスイッチング手段の電流の
最大となる時点に合致させることが困難となる。共振電
流は振動するので、最大値となる時点前後で電流値は減
少し、特定の負荷以外では第2のスイッチング手段がオ
フするときの遮断電流は最大値からずれ、小さくなり場
合によっては負となり、第2のスイッチング手段の逆方
向に流れようとする電流をバイパスする第1のバイパス
手段に電流が流れる。
【0027】しかし本課題解決手段の構成では前述のよ
うにほぼ最大電流を保持する振動のない循環電流を第2
のスイッチング手段に発生させることができるので、全
ての負荷において第2のスイッチング手段に流れる電流
が最大値となる時点付近以降で第2のスイッチング手段
の駆動信号をオフするように設定すれば、第2のスイッ
チング手段のオフ時に流れる電流を最大値に略等しくす
ることができる。したがって、第2のスイッチング手段
のオフ後には、必ず高電位側が正の電位となる極性の電
圧が加熱コイルに発生する。この電圧は前述のように、
第2の共振コンデンサを充電あるいは放電し、第2の共
振コンデンサと加熱コイルの共振電圧を発生させ、第2
のスイッチング手段の印加電圧を上昇させ、直流電源電
圧を越えさせる。第1のスイッチング手段の逆電流阻止
手段が設けられているので、印加電圧はそのまま上昇し
ピーク電圧に達した後、再度直流電圧に戻る。したがっ
て第2のスイッチング手段の印加電圧が直流電源電圧を
越えてから再度その電圧まで戻るまでに所定の時間を設
けることが可能となる。この時間の間に、第1のスイッ
チング素子を駆動すれば、第1のスイッチング手段ター
ンオン損失が発生せずまた、ターンオン時の高周波雑音
の発生を防止することができる。また、第2のスイッチ
ング手段に印加する共振電圧が直流電源の正極電位に達
しなくても、直流電源の正極電位に最大限近付けられる
ので第1のスイッチング手段のターンオン電流を最小限
の値とし第1のスイッチング手段の損失や高周波雑音を
抑制することができるものである。
【0028】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0029】図1において、商用電源9を全波整流器1
0で整流し、その出力の脈流直流電圧がチョークコイル
11と電源コンデンサ12を介してインバータ回路13
に供給されている。インバータ回路13においては、入
力された直流の正極と負極間に、NPNトランジスタ
(以下単にトランジスタと呼ぶ)14とダイオード15
の直列接続体とNPNトランジスタ(以下単にトランジ
スタと呼ぶ)16が直列に接続されている。トランジス
タ16には逆並列にダイオード17が接続されている。
約50〜60μHのインダクタンスの加熱コイル18と
容量が約2.7μFの共振コンデンサ19の直列回路が
トランジスタ16のコレクタと直流の負極端子間に接続
されている。トランジスタ16には容量が約0.2μF
の共振コンデンサ20が並列に接続され、制御回路21
はマイクロコンピュータを含み、カレントトランス22
の出力信号とトランジスタ16のコレクタ−エミッタ電
圧を入力し、出力信号をトランジスタ14と、トランジ
スタ16のベースエミッタ間に駆動パルスを出力してい
る。
【0030】制御回路21は、カレントトランス22の
信号を検知する入力電流検知回路23と入力電力設定回
路24の出力を比較してその検知結果に応じた信号を出
力する比較回路25と、トランジスタ16のコレクタ電
圧を検知して内部の設定値と比較してその比較結果に応
じた信号を出力するコレクタ電圧検知回路26と、比較
回路25の出力信号あるいはコレクタ電圧検知回路26
の出力信号に応じてトランジスタ14の駆動時間T1を設
定する駆動時間幅設定回路27と、駆動時間幅設定回路
27の出力信号に応じてトランジスタ14を駆動する駆
動回路28と、トランジスタ14の駆動停止後トランジ
スタ16の駆動信号を出力するまでの遅延時間Td1 を設
定する遅延回路29と、遅延回路29の出力信号に応じ
てトランジスタ16の駆動を開始し内部で設定された所
定の時間幅で駆動する駆動信号を出力する駆動信号出力
回路30と、駆動信号出力回路30の出力信号に応じて
トランジスタ16を駆動する駆動回路31と、トランジ
スタ16の駆動停止後トランジスタ14の駆動を開始す
るまでの遅延時間Td2 を設定する遅延回路32とから構
成されている。
【0031】以上のように構成された誘導加熱調理器に
ついて、図2を用いてその動作を説明する。チョークコ
イル11と電源コンデンサ12はインバータ回路21で
発生する高周波と商用電源を分離するもので、電源コン
デンサ12は約10μF程度の容量を有し、高周波的に
みてインピーダンスが極めて小さくまたインバータ回路
の直流電源となるもので、インバータ回路で発生する高
周波大電流が流れる。
【0032】図2(A)はトランジスタ14のコレクタ
−エミッタ間電圧を示す波形で、同図(B)はトランジ
スタ14のコレクタ電流波形で、同図(C)はトランジ
スタ16のコレクタ−エミッタ間電圧波形で、同図
(D)はトランジスタ16のコレクタ電流とダイオード
17に流れる電流波形で、同図(E)は共振コンデンサ
20の電流波形で、同図(F)は駆動時間幅設定回路2
7の出力信号で、同図(G)は駆動信号出力回路30の
出力信号を示すものである。
【0033】さて、同図(F)において、トランジスタ
14に逆電圧が印加している時点t1で駆動時間幅設定回
路27から駆動信号が出力され、この信号に基づき駆動
回路28がトランジスタ14を駆動し時点t2で順方向電
圧が印加すると同時にトランジスタ14は導通状態にな
り、斜線部(a)で示すコレクタ電流が図1の破線
(a)で示す回路ループに流れる。駆動時間幅設定回路
27は駆動開始時点t1からT1時間後すなわち時点t3で駆
動信号を停止するので、トランジスタ14がトランジス
タ固有のわずかな遅延時間後オフする。すると、加熱コ
イル18に蓄積されたエネルギーにより加熱コイル18
と共振コンデンサ19の接続点が正、加熱コイル18と
ダイオード15のカソードとの接続点が負となる起電力
が加熱コイル18の両端に発生する。この起電力により
図1の一点鎖線(b)および(c)で示す回路ループに
図2の斜線部(b)および(c)で示す共振電流が流れ
る。
【0034】遅延回路29は、駆動時間幅設定回路27
の駆動信号がオフした時点t3よりわずかな遅延時間Td1
後、ダイオード17に順方向電流が流れている時に、す
なわち上記の共振電流の流れる方向が変わる前に出力信
号を出し、駆動信号出力回路30はこの出力信号に同期
し内部で設定されている時間幅T2の駆動パルスを駆動回
路31に出力する。そして駆動回路31はこれに応じて
トランジスタ16を駆動するので図1の回路ループ
(b)から回路ループ(c)に電流の流れる回路ループ
が切り替わるときに電流が連続して流れ、トランジスタ
16のエミッタコレクタ間に電圧が発生することがな
い。この遅延時間Td1 はまた、短くなり過ぎてトランジ
スタ14とトランジスタ16が同時に導通しないように
設定される。
【0035】時点t4で駆動信号出力回路30の駆動信号
が停止すると、トランジスタ16固有のわずかな遅延時
間後にトランジスタ16がオフし、加熱コイル18に蓄
積されたエネルギーにより加熱コイル18と共振コンデ
ンサ19の接続点が負、加熱コイル18とトランジスタ
16のコレクタとの接続点が正となる起電力が加熱コイ
ル18に発生し、共振コンデンサ20を充電して図2
(E)で示すような電流が図1(e)の回路ループに流
れる。それにともない、トランジスタ16のコレクタエ
ミッタ間には図2(C)のような共振電圧が印加し、そ
のコレクタ電位が上昇してピーク値Vcpに達した後下降
し、直流の正極電位Veに達する。
【0036】一方、駆動信号出力回路30の駆動信号が
オフした時点t4から遅延時間Td2 後に、遅延回路32が
出力信号を出力するので、駆動時間幅設定回路27はこ
の信号を受けて駆動パルスを出力し、駆動回路28がト
ランジスタ14を駆動するが、この時点ではダイオード
15に逆電圧が印加しているのでトランジスタ14のコ
レクタ電流は流れない。トランジスタ16のコレクタ電
位が直流の正極電位Veより低下するとダイオード15
と、トランジスタ14のコレクタ−エミッタ間に順方向
電圧が印加し、導通してコレクタ電流が流れ、同時に共
振コンデンサ20に流れていた電流が零となる。このコ
レクタ電流は、加熱コイル18と共振コンデンサ19の
直列共振回路を再度励起し、上記の動作を繰り返すこと
になる。
【0037】遅延回路32で設定される遅延時間Td2
は、ダイオード15とトランジスタ14の直列回路に逆
電圧が印加している間に、駆動時間幅設定回路27が駆
動パルスの出力を開始するように、トランジスタ16の
コレクタ電圧がピークに到達する時点付近にその駆動開
始点がくるように設定される。
【0038】以上のように本実施例によれば、直流電源
となる電源コンデンサ12の高電位側に接続されたトラ
ンジスタ14と、低電位側に接続されたトランジスタ1
6と、トランジスタ14に直列に接続されその逆電流を
阻止するダイオード15と、トランジスタ16に流れ込
もうとする逆電流をバイパスするダイオード17と、ト
ランジスタ14とトランジスタ16のオンオフにより電
流の流れるループを変えて共振する加熱コイル18と共
振コンデンサ19の共振回路と、トランジスタ16に並
列に接続された共振コンデンサ20と、トランジスタ1
4とトランジスタ16を交互に駆動するとともに、トラ
ンジスタ14の駆動時間を可変し、トランジスタ16を
所定期間駆動する制御回路21を備えているので、高周
波電流を加熱コイル18に通電し負荷を誘導加熱すると
ともにその加熱出力を可変することができる。また、コ
ンデンサ20を設けているので、トランジスタ16のオ
フ時に電圧の立ち上がり傾斜(dv/dt)の小さな共
振電圧を発生させることができ、トランジスタ16のオ
フ時のスイッチング損失を抑制し、電圧の上昇時の高周
波雑音の発生を防止できる。また、ダイオード15の作
用により、トランジスタ16のオフ後トランジスタ16
のコレクタ−エミッタ間に印加する共振電圧を直流電源
電圧より大きくすることができ、トランジスタ14とダ
イオード15の直列接続体に逆電圧が印加した状態を長
く保持することができる。したがって、トランジスタ1
4のコレクタ−エミッタ間に順バイアスが印加していな
い状態でトランジスタ14を駆動することがタイミング
的に容易となる。この状態でトランジスタ14を駆動す
れば、トランジスタ14はそのコレクタ−エミッタ間に
順バイアスが印加すると同時にスムーズに導通するの
で、そのコレクタエミッタ間の順電圧印加状態でターン
オンし共振コンデンサ20を充電するスパイク的なター
ンオン電流の発生するモードの起こるのを防止でき、ト
ランジスタ14のターンオン損失およびターンオン電流
による高周波雑音の発生を防止できるものである。
【0039】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0040】図3において商用電源9、全波整流器1
0、チョークコイル11、電源コンデンサ12、トラン
ジスタ14、ダイオード15、トランジスタ16、加熱
コイル18、共振コンデンサ19、カレントトランス2
2、入力電流検知回路23、入力電力設定回路24、比
較回路25、コレクタ電圧検知回路26、駆動時間幅設
定回路27、駆動回路28、遅延回路29、駆動回路3
1は図1で同符号を付した素子あるいは回路ブロックと
ほぼ同様の機能を有するものである。
【0041】図1の構成と異なるのは、まずインバータ
回路33の構成が図1のインバータ13と異なっている
ことである。図1のダイオード17のカソードがトラン
ジスタ16のコレクタに接続されているが、図3では対
応するダイオード34のカソードがダイオード15のア
ノードに接続され、また図1の共振コンデンサ20がト
ランジスタ16に並列に接続されているのに対し、図3
では対応する共振コンデンサ35が加熱コイル18に並
列に接続されている。また、制御回路36の構成も図1
の制御回路21と異なっており、トランジスタ16のコ
レクタ−エミッタ間電圧を分圧してその微分波形を出力
する微分回路37と、微分回路37の出力信号を入力し
てトランジスタ16のオフ後微分回路37の出力の極性
が正から負に切り替わったとき駆動時間幅設定回路27
に信号を出力するタイミング回路38と、加熱コイル1
8の両端の電圧を入力しその電圧の極性が反転すると所
定の信号を出力するタイミング回路39と、駆動パルス
を駆動回路31に送るに際し遅延回路29の出力信号に
基づきその駆動パルスの出力を開始しタイミング回路3
9の出力信号に応じて駆動パルスの出力を停止する駆動
信号出力回路40が設けられている。
【0042】以上のように構成された誘導加熱調理器に
ついて、以下その動作を説明する。ダイオード34のカ
ソードがダイオード15のアノードに接続されているの
でトランジスタ16がオフしてからトランジスタ16に
共振電圧が印加してトランジスタ16のコレクタ電圧が
直流電源電圧より大きくなっても、ダイオード15があ
るのでダイオード34には直流電源電圧以上の電圧が印
加されずダイオード15の電圧耐量を小さくすることが
でき、安価なものを使用することができる。一方ダイオ
ード34に流れる電流はダイオード15を経由して流れ
るが動作上はほとんど図1の場合と変わらない。
【0043】また、トランジスタ16がオフした後、加
熱コイル18に流れる電流が共振コンデンサ35に流れ
込むが、加熱コイル18と共振コンデンサ35が並列に
接続され閉回路を形成しているので、図1の場合とは異
なり加熱コイル18の電流の一部である共振コンデンサ
35を充放電する電流が共振コンデンサ19を流れず電
流値が減少し、発熱量が減少するので共振コンデンサ1
9を小型化することができる。
【0044】タイミング回路39は加熱コイル18の電
圧の極性が反転、すなわち加熱コイル18の電流の傾き
di/dtが反転すると所定の信号を出力し、それに基
づき駆動信号出力回路40がトランジスタ16の駆動パ
ルスを停止するので、図2(G)の時点t4をトランジス
タ16に流れる電流の最大となる時点と同期あるいは関
連づけて設定することができ、トランジスタ16のオフ
後に印加する共振電圧をほぼ最大とすることが可能で、
トランジスタ14とダイオード15の直列回路に逆電圧
の印加される期間を設けることあるいはターンオン時に
トランジスタ14に印加される順方向電圧が大きくなる
のを抑制することができ、トランジスタ14のターンオ
ン損失の発生、高周波雑音の発生を防止あるいはその増
大を抑制することができる。
【0045】また、微分回路37とタイミング回路38
により、トランジスタ16のオフ後にトランジスタ16
のコレクタ−エミッタ間に印加する電圧の最大値を検知
してその付近でトランジスタ14を駆動するように駆動
時間幅設定回路27に信号を出力するので、図2(F)
の時点t1をトランジスタ16に印加する電圧の最大とな
る時点と同期あるいは関連づけて設定することが可能と
なり、トランジスタ14に逆バイアスが印加されている
ときにあるいはトランジスタ14に印加される順バイア
ス電圧が最も少ないときにトランジスタ14を駆動する
ことができ、トランジスタ14のターンオン損失の発
生、高周波雑音の発生の防止あるいはその増大を抑制す
ることができる。
【0046】以上のように、本実施例によればトランジ
スタ16に流れる共振電流が最大付近に達したことを検
知するタイミング回路39を備え、タイミング回路39
の出力に基づきトランジスタ16の駆動を停止する駆動
信号出力回路40を設けているので、トランジスタ16
に印加する共振電圧を最大限にすることができ、トラン
ジスタ14のターンオン時のスパイク状のターンオン電
流の発生を防止あるいは最小限に抑制することができる
ものである。
【0047】また、トランジスタ16のオフ後、トラン
ジスタ16に印加する共振電圧がピーク付近に達したこ
とを検知する微分回路37とタイミング回路38を備
え、タイミング回路38の検知結果に基づいて、駆動時
間幅設定回路27がトランジスタ14の駆動パルスの出
力を開始するので、トランジスタ14の駆動タイミング
がずれて、トランジスタ14のターンオン時にスパイク
状のターンオン電流が発生するのを防止しでき、ターン
オン電流が発生するのが避けられない場合でもそれを最
小限の値になるよう駆動タイミングを合わせることがで
きるものである。
【0048】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0049】図4においてトランジスタ14、ダイオー
ド15、トランジスタ16、加熱コイル18、制御回路
21は図1で同符号を付した素子あるいは回路ブロック
とほぼ同様の機能を有する。
【0050】一方、インバータ回路45の構成におい
て、図1のインバータ13と異なっている。図1の共振
コンデンサ20がトランジスタ16に並列に接続されて
いるのに対し、図4では対応する共振コンデンサ42が
トランジスタ14とダイオード15の直列回路に並列に
接続されている。また、図1で共振コンデンサ19の一
端が直流電源の負極に接続されているが図4では対応す
る共振コンデンサ41の一端が直流電源44の正極に接
続されている。さらに、ダイオード43が設けられ、直
流電源44の負極にそのアノードが接続され、共振コン
デンサ43と加熱コイル18の接続点にそのカソードが
接続されている。
【0051】以上のように構成された誘導加熱調理器に
ついて、図5を用いて以下その動作を説明する。トラン
ジスタ16が導通すると、図5(D)に示すように時点
t4で図4の破線で示す回路ループ(c)に流れる共振電
流はピークに達し、波形のピーク付近でdi/dtが零
となり以降di/dtの符号が逆転すると、加熱コイル
18に誘起する電圧の極性が反転し、ダイオード43が
順方向にバイアスされるので、共振コンデンサ41はダ
イオード43によりバイパスされ図4の回路ループ
(d)に電流が流れる。この回路ループは、加熱コイル
18とトランジスタ16とダイオード43からなり、コ
ンデンサが含まれておらず共振しないので、加熱コイル
18に蓄積されたエネルギーを電流源として振幅の変化
の少ない一定方向の循環電流が流れる。すなわちトラン
ジスタ16のコレクタ電流は多少の減衰はあるが保持さ
れることになる。
【0052】そして、図5(F)の時点t3からTd1+T2時
間後すなわち時点t5で駆動パルスが停止して、同図
(D)のようにトランジスタ16固有のわずかな遅延時
間後トランジスタ16がオフし、以降の動作は図2に示
すものと同様の動作となる。
【0053】以上のように本実施例によれば、ダイオー
ド43の作用によりトランジスタ16に循環電流を流し
その駆動パルスがオフするまでトランジスタ16の電流
を保持することができるので、たとえば負荷が変わるな
どにより加熱コイル18の合成インピーダンスが変動し
て共振コンデンサ41との直列回路の共振周波数が変動
しトランジスタ16のオン後に流れる電流のピークの生
じる時期が変動して、トランジスタ16の駆動パルスの
停止時期がピークより遅れても、トランジスタ16のコ
レクタ電流のほぼ最大に近い値でトランジスタ16を遮
断できるので、トランジスタ16の遮断直後必ずトラン
ジスタ16のコレクタエミッタ間に、共振電圧を発生さ
せることができる。したがって、トランジスタ14とダ
イオード15の直列回路に逆電圧を印加させる期間を設
けることができ、あるいは逆電圧の印加する期間を設け
られなくともダイオード15のカソードと直流の正極電
位との差を少なくすることができるので、この共振電圧
のピーク付近でトランジスタ14の駆動を開始するよう
にすれば、トランジスタ14のコレクタエミッタ間の順
電圧印加状態でターンオンするモードの起こるのを防止
できるか、あるいはターンオンモードが発生するのを避
けられない場合でもターンオン電流の値を比較的少なく
することが可能となり、トランジスタ14のターンオン
損失およびターンオン電流による高周波雑音を抑制する
ことができる。
【0054】なお、第1の実施例では共振コンデンサ1
9を直流電源の負極と加熱コイル18の間に接続した
が、第3の実施例の図4の共振コンデンサ41のように
直流電源の正極と加熱コイル18との間に接続しても、
また2個に分割して直流電源間に直列に接続し、加熱コ
イル18をその分割点に接続しても同様の効果が得られ
る。
【0055】また、第1の実施例では共振コンデンサ2
0はトランジスタ16に並列に接続されているが第2の
実施例である図3に示す共振コンデンサ35のように加
熱コイル18に並列に接続してもよいし、図4の共振コ
ンデンサ42のようにトランジスタ16のコレクタと直
流電源の正極間に接続しても同様の効果が得られる。
【0056】また、第1の実施例では、ダイオード17
のカソードをトランジスタ16のコレクタに接続した
が、図3のようにダイオード15のアノードに接続して
もよく、この場合には、前記のようにダイオード22に
直流電源電圧を越える電圧が印加する恐れがなく逆電圧
耐量の高いものを必要としないという効果がある。
【0057】また、第2の実施例の図3において共振コ
ンデンサ19に並列に図4のダイオード43を接続して
も第3の実施例の図4と同様の効果があり、この場合に
は加熱コイル18と共振コンデンサ35の並列回路と、
共振コンデンサ19と図4のダイオード43の並列回路
が直列に接続されることになり、前者の並列回路がトラ
ンジスタ16のエミッタ側に、後者の並列回路が直流電
源の負極側に接続されることになるが、当然のことなが
ら両者の接続位置を変え、前者の並列回路を直流電源の
負極側に接続してもよい。
【0058】また、第1の実施例において図1ではトラ
ンジスタ14、ダイオード15、トランジスタ16、ダ
イオード17などの半導体素子が独立した素子として記
載されているが、これらの半導体素子を複数個任意に組
み合わせて、単一素子として使用してもよいし、同様の
機能を有する他の種類の素子に置き換えてもよい。例え
ば、トランジスタ14とダイオード15を同一半導体チ
ップに一体的に構成し逆阻止トランジスタとしたり、ト
ランジスタ16とダイオード17を同様に組み合わせ
て、逆導通ダイオードとして使用してもよいし、さらに
同一基板の上にチップを並べ電気絶縁部材で一体成形し
てもよい。また、任意の部品を複数個並列に接続して大
電流を分流させて使用するようにしてもよい。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明は、第1のスイッチ
ング手段に直列的に第1のスイッチング手段の逆電流阻
止手段を設け、第2のスイッチング手段のオフ時に、前
記加熱コイルと共振して第2のスイッチング手段に共振
電圧を印加する第2の共振コンデンサを設けたので、第
2のスイッチング手段の遮断直後、第2のスイッチング
手段に加わる電圧を立ち上がり傾斜の緩やかな共振波形
とすることができるとともに、第1のスイッチング手段
の駆動開始の時点で第1のスイッチング手段に順方向電
圧が印加しないように、もしくは順方向印加電圧を小さ
くすることが容易となるため、第1のスイッチング手段
あるいは第2のスイッチング手段のスイッチング損失と
高周波雑音の発生量を大幅に抑制することができる。
【0060】また本発明は、出力制御手段が第2のスイ
ッチング手段に流れる共振電流の最大値付近への到達時
期を検知する第1のタイミング回路を備え、第1のタイ
ミング回路の出力に基づき、第2のスイッチング手段の
駆動を停止する構成としたので、第2のスイッチング手
段のオフ後に印加する電圧を最大とすることができる。
【0061】その結果第1のスイッチング手段の駆動時
ターンオン電流が発生するのをなくすること、発生した
としてもその値を抑制することができるので、第1のス
イッチング手段のターンオン損失および高周波雑音の発
生の防止あるいは低減化を図ることが可能となるもので
ある。
【0062】また本発明は、出力制御手段が第2のスイ
ッチング手段のオフ後、第2のスイッチング手段に印加
する共振電圧がピーク付近に達したことを検知する第2
のタイミング回路を具備し、第2のタイミング回路の検
知結果に基づいて、第1のスイッチング手段を駆動する
ので第1のスイッチング手段に逆電圧が印加している時
点、もしくは順バイアス電圧が最小となる時点付近で出
力制御手段が第1のスイッチング手段の駆動信号を出力
することが容易となり、負荷が変わり加熱コイルと第2
の共振コンデンサの共振周波数が変動しても自動的に第
1のスイッチング手段の最適駆動開始時期を検出して駆
動するので、第1のスイッチング手段のターンオン損失
および高周波雑音の発生の防止あるいは低減化を図るこ
とができるものである。
【0063】また本発明は、第1の共振コンデンサに所
定の電圧が印加すると第1の共振コンデンサに流れ込む
電流をバイパスする第2のバイパス手段を設けたので、
第2のスイッチング素子に流れる電流がピーク値に達し
た後の振動をなくし、電流値の減衰量を小さくできる。
その結果、負荷の材質にかかわらず常に第2のスイッチ
ング手段の順方向電流が流れている状態で第2のスイッ
チング手段を遮断することが可能となり、第2のスイッ
チング手段のオフ後に必ず共振電圧を発生させて、第2
のスイッチング手段の高電位側端子の電位を直流の高電
位より高くあるいは直流電位に近づけることができ、引
き続いて導通状態になる第1のスイッチング手段のター
ンオン時の第2の共振コンデンサを充電するスパイク状
のターンオン電流の発生を防止あるいはターンオン電流
の値が大きくならないように抑制することができ、その
際のスイッチング損失の発生あるいは増大を防止するこ
とができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における誘導加熱調理器
の回路ブロック図
【図2】本発明の第1の実施例における誘導加熱調理器
の動作説明図
【図3】本発明の第2の実施例における誘導加熱調理器
の回路ブロック図
【図4】本発明の第3の実施例における誘導加熱調理器
の回路ブロック図
【図5】本発明の第4の実施例における誘導加熱調理器
の回路ブロック図
【図6】従来の誘導加熱調理器の回路ブロック図
【図7】従来の誘導加熱調理器の動作説明図
【図8】従来の誘導加熱調理器の動作説明図
【図9】従来の誘導加熱調理器の動作説明図
【符号の説明】
13 インバータ回路 14 トランジスタ(第1のスイッチング手段) 15 ダイオード(第1のスイッチング手段の逆電流阻
止手段) 16 トランジスタ(第2のスイッチング手段) 17 ダイオード(第1のバイパス手段) 18 加熱コイル 19 共振コンデンサ(第1の共振コンデンサ) 20 共振コンデンサ(第2の共振コンデンサ) 21 制御回路(出力制御手段) 26 コレクタ電圧検知回路 27 駆動時間幅設定回路 30 駆動信号出力回路 32 遅延回路 33 インバータ回路 34 ダイオード(第1のバイパス手段) 35 共振コンデンサ(第2の共振コンデンサ) 36 制御回路(出力制御回路) 37 微分回路 38 タイミング回路(第2のタイミング回路) 39 タイミング回路(第1のタイミング回路) 40 駆動信号出力回路 41 共振コンデンサ(第1の共振コンデンサ) 42 共振コンデンサ(第2の共振コンデンサ) 43 ダイオード(第2のバイパス手段) 45 インバータ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 裕二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流電源間に直列的に接続され前記直流電
    源の正極側に接続される第1のスイッチング手段と前記
    直流電源の負極側に接続される第2のスイッチング手段
    と、前記第1のスイッチング手段に直列的に接続された
    前記第1のスイッチング手段の逆電流阻止手段と、前記
    第2のスイッチング手段に流れ込もうとする逆電流をバ
    イパスする第1のバイパス手段と、前記第1のスイッチ
    ング手段あるいは前記第2のスイッチング手段のオンオ
    フにより共振回路ループを変えて共振する加熱コイルと
    第1の共振コンデンサからなる共振回路と、前記第2の
    スイッチング手段のオフ時に、前記加熱コイルと共振し
    て前記第2のスイッチング手段に共振電圧を印加する第
    2の共振コンデンサを備えたインバータと、前記第1の
    スイッチング手段と前記第2のスイッチング手段を交互
    に駆動するとともに前記第1のスイッチング手段の駆動
    時間を可変し、また前記第2のスイッチング手段を所定
    の期間駆動して前記インバータの出力を制御する出力制
    御手段を備えた誘導加熱調理器。
  2. 【請求項2】出力制御手段は、第2のスイッチング手段
    に流れる共振電流が最大値付近に達したことを検知する
    第1のタイミング回路を備え、前記第1のタイミング回
    路の出力に基づき、前記第2のスイッチング手段の駆動
    を停止する請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 【請求項3】出力制御手段は、第2のスイッチング手段
    のオフ後、前記第2のスイッチング手段に印加する共振
    電圧がピーク付近に達したことを検知する第2のタイミ
    ング回路を備え、前記第2のタイミング回路の検知結果
    に基づいて、前記第1のスイッチング手段を駆動する請
    求項1記載の誘導加熱調理器。
  4. 【請求項4】所定の電圧が印加すると第1の共振コンデ
    ンサに流れ込もうとする電流をバイパスする第2のバイ
    パス手段を備えた請求項1記載の誘導加熱調理器。
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