JP2624283B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP2624283B2
JP2624283B2 JP63048021A JP4802188A JP2624283B2 JP 2624283 B2 JP2624283 B2 JP 2624283B2 JP 63048021 A JP63048021 A JP 63048021A JP 4802188 A JP4802188 A JP 4802188A JP 2624283 B2 JP2624283 B2 JP 2624283B2
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孝広 松本
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  • Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、誘電加熱により食品を加熱するところのい
わゆる電子レンジ等や、誘導加熱により鍋等の調理器具
を加熱して食品を加熱する誘導加熱調理器等に関し、さ
らに詳しく言えば、商用電源あるいはバッテリーなどよ
り電力を受け、高周波電力を発生する電力変換器を備え
た電子レンジや電磁調理器等の高周波加熱装置に関する
ものである。
従来の技術 このような方式の高周波加熱装置は、例えば、電子レ
ンジに関して述べると、その電源トランスの小型化、軽
量化、あるいは低コスト化の為に様々な構成のものが提
案されている。
第9図は、従来の高周波加熱装置の回路図である。図
に於て、商用電源1の電力はダイオードブリッジ2によ
り整流され、単方向電源が形成されている。3はインダ
クタ、4はコンデンサであってインバータの高周波スイ
ッチング動作に対するフィルタの役割を果すものであ
る。インバータは共振コンデンサ5、昇圧トランス6、
トランジスタ7、ダイオード8、及び駆動回路9により
構成されている。
トランジスタ7は駆動回路9より供給されるベース電
流によって所定の周期とデューティー(即ち、オンオフ
時間比)でスイッチング動作する。この結果、第10図
(a)のような電流Ic/d、即ち、トランジスタ7のコレ
クタ電流Icとダイオード8の電流Idが流れる。
一方、トランジスタ7のオフ時にはコンデンサ5と一
次巻線10との共振により第10図(b)のような電圧Vce
がトランジスタ7のコレクタ−エミッタ(C−E)間に
発生する。このため一次巻線10には高周波電力が発生す
る。従って、二次巻線11、及び三次巻線12には各々高周
波高圧電力及び高周波低圧電力が生じる。この高周波高
圧電力はコンデンサ13、及びダイオード14により整流さ
れマグネトロン15のアノードカソード間に供給され、一
方、高周波低圧電力はカソードヒータに供給される。従
ってマグネトロン15は発振し誘電加熱が可能となるもの
である。なお、マグネトロン15はマグネトロン本体15a
と、フィルタを構成するコンデンサ16,17,18、チョーク
コイル19,20とにより成るものである。また21は駆動回
路9の電源トランスである。
このような構成に於て、昇圧トランス6のコア断面積
は一次巻線10の両端に供給される電力の周波数が高い程
小さくなるので、例えばインバータを20KHz−100KHz程
度の周波数で動作させると商用電源周波数のままで昇圧
する場合に比べて昇圧トランスの重量、サイズを数分の
一から十数分の一にでき、電源部の低コスト化が可能で
あるという特長を有するものである。
トランジスタ7のベースに供給されるベース電流Ib
は、第10図(c)のように、正電流Ib+と負電流Ib-とよ
り成る。正電流Ib+は、第10図(a)に示すトランジス
タ7のコレクタ電流Icの最大値Icmに対してその電流増
幅率(hfe例えば30)分の一より大きいことが必要であ
る。また、負電流Ib-はトランジスタ7のスイッチング
スピードを速めスイッチング損失の増大を防止するため
に、トランジスタのベースエミッタ間を逆バイアスする
ことによって流れる電流である。正電流Ib+は第10図
(a),(c)より明らかなようにトランジスタ7の導
通期間の間のコレクタ電流Icの最大値Icm(例えば60A)
によって決まる値Ibm+(例えば2A)とすることが必要で
ある。また、負電流Ibm-もコレクタ電流Icの最大値Icm
に応じて決まり(例えば15A)、Icmが大きいほど大電力
が必要であった。さらに、コレクタ電流Icはいわゆる少
数キャリア蓄積効果によりベース電流Ib+が遮断されて
から一定時間toffだけ流れつづけるものであり、このto
ffはトランジスタ7の特性バラツキや温度などによって
変化するものであった。そして、このtoffの変化によっ
て、インバータの出力が変化するという結果を生じるも
のであった。
このような条件下でトランジスタ7を駆動するため駆
動回路9は例えば第9図(b)のような構成を必要とし
た。すなわち電源トランス21より得られる直流電源22,2
3、発振回路24、トランジスタ25,26,27、抵抗器28〜3
6、およびダイオード37より構成されている。
第10図(c)のようなベース電流を供給するために
は、トランジスタ25,26としてかなり大容量のものを用
い、かつ、直流電源22,23も相当大容量であることが必
要であった。したがって、電源トランス21も大型の電源
トランスとする必要があり、例えば、20〜50W程度の容
量のものを用いねばならず、電源トランス21および駆動
回路9は全体としてコンパクトにすることができず、大
型で高価なものとなり、高周波加熱装置全体としてのコ
ンパクトさを阻害し、大型化高価化するものであった。
発明が解決しようとする課題 このような従来の高周波加熱装置は前述したように次
のような欠点があった。
従来の高周波加熱装置は昇圧トランス6をトランジス
タ7等より成るインバータにて付勢し、その電源装置の
小型、軽量、低コスト化を図るものであった。
しかしながら、トランジスタ7には第10図(a)およ
び(c)のようにコレクタ電流Icのピーク値Icmに相当
するベース電流Ibm+を供給することが必要であり、この
Ibm+を供給するための電力はかなり大きなものとなって
いた。例えばIcm=60Aとしトランジスタ7のhfeを30と
するとIbm+=2Aとなり、駆動回路9の消費電力は極めて
大きなものとなり、駆動回路9および電源トランス21、
したがって、電源装置全体が大型化高価格化することを
避けることが困難であった。
さらに、温度変化などによるトランジスタ7のストレ
ージタイム(第10図におけるtoffの主因)の変化や、マ
グネトロン15の温度変化や経時変化により生じるコレク
タ電流Icmの変化に対応するためにはこれに十分なベー
ス電流を供給することが必要であり、一層駆動回路9、
電源トランス21などの大型化高価格化を生じるばかりで
なく、高周波加熱装置の出力変動を大きくして不安定な
ものとし、かつ無駄なトランジスタ7等の損失を生じ、
電源効率や信頼性を低下させてしまうという欠点があっ
た。
特に、周波数をより高めて一層の小型化を図ろうとす
る場合、上述した傾向は極めて著しく、現状半導体技術
レベルでは実質上30〜40KHz程度以上の周波数で実用的
な性能を実現することが困難であり十分な小型化、低コ
スト化ができなかった。
課題を解決するための手段 本発明はこのような従来の欠点を一掃した高周波加熱
装置を提供せんとするものであり、以下に述べる構成に
より成る。
すなわち、出力端子間に第1のコンデンサを有する電
源部と、電圧共振回路および1つの絶縁ゲート型バイポ
ーラトランジスタ(IGBT)および前記IGBTに逆並列に接
続され回生電流を流し得るスイッチング特性のフライホ
イールダイオードを有する電力変換器と、前記電力変換
器の出力を高周波電力として出力し被加熱物を加熱する
高周波加熱手段と、前記IGBTを制御する制御部を有する
とともに、前記制御部の電源を前記電源部より抵抗器を
介して充電される第2のコンデンサにより構成し、か
つ、前記IGBTのゲートと前記制御部との間に前記フライ
ホイールダイオードと同等かあるいは速いスイッチング
スピードを有するダイオードと抵抗器の並列回路を設
け、前記ダイオードのアノードを前記ゲートに接続する
構成とした。
作用 上記構成により本発明は、電圧共振回路と電源部の第
1のコンデンサとの存在により起動時に発生する振動電
流に基づき絶縁ゲート型バイポーラトランジスタのゲー
トに発生するスイッチングサージ電圧を抑制し、かつ、
絶縁ゲート型バイポーラトランジスタのターンオフ損失
を抑制することを保証した上で、電力変換器の半導体ス
イッチを制御するための制御部の制御電力を著しく削減
せしめ、結果として、高周波加熱装置の小型化、低コス
ト化を著しく進展させるものである。
実施例 以下、本発明の一実施例について図面と共に説明す
る。
第1図は、本発明の一実施例を示す高周波加熱装置の
回路図であり、第9図と同符号のものは相当する構成要
素であり詳しい説明を省略する。なお第1のコンデンサ
4は従来例のコンデンサ4と同一機能を有するので同一
符号とした。
図において、電源部40は商用電源1等より成り従来の
高周波加熱装置と同様の構成である。電力変換器41は、
共振コンデンサ5と昇圧トランス6の一次巻線10より成
る共振回路と、電界効果作用を有するトランジスタ42お
よびフライホイールダイオード8より構成されている。
トランジスタ42は、伝導度変調機能を備え、バイポーラ
トランジスタに近い導通特性を有していて、いわゆる絶
縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)と呼ばれる
ものである。
また高周波加熱手段は、マグネトロン15で構成されて
おり、マグネトロン15の出力電波により食品や流体等を
加熱する構成となっている。
前記トランジスタ42は、抵抗器43とダイオード44より
成る並列回路45を介して、制御部46によりそのスイッチ
ング動作を制御される。制御部46の電力は抵抗器47を介
してダイオードブリッジ2の出力より供給されている。
コンデンサ48、抵抗器49はトランジスタ42のゲートを破
壊や誤動作から保護するためのものである。
第2図は、第1図の制御回路46のさらに詳しい一実施
例であり、第1図と同符号のものは相当する構成要素で
ある。
第2図の制御回路46は、共振コンデンサ5と昇圧トラ
ンス6の一次巻線10より成る共振回路の共振動作に同期
してトランジスタ42にゲートパルスを供給し、そのスイ
ッチング動作を制御する制御回路であり、第3図に示す
各部の動作波形を参照してその構成と動作を説明する。
第1図における電源スイッチ50を投入すると、第2図
における抵抗器47を介して制御回路46に電力が供給さ
れ、ツェナダイオード51、第2のコンデンサ52より成る
制御回路電源+Vが確立する。
この電源投入時、コンデンサ53の電圧Vaは零であり、
一方、可変基準電源54の電圧Vbは、パワー制御回路55に
より所定の電圧となるように制御されている。したがっ
て、コンパレータ56の出力はHighとなり、ロジック制御
回路57によりR/Sフリップフロップ(R/S−FF)60の出力
はHighとなる。この結果、コンデンサ53は、R/S−FF
の出力により抵抗器61を介して充電されはじめる。同
時にバッファ回路62の出力はHighとなり抵抗器43を介し
てトランジスタ42のゲートがHighとなってトランジスタ
42が導通し、コレクタ電流Icが流れる。第1回目のコン
レクタ電流は、共振コンデンサ5を通って流れるので第
3図(b)に示すようにかなり大きな短絡電流となる。
したがって、トランジスタ42に与えるゲートパルスのパ
ルス幅tonは同図(a)に示すように、できるだけ小さ
いパルス幅であることが、トランジスタ42の破壊防止の
ために必要である。このために、同図(d)に示すよう
に、可変基準電源54の電圧Vbは、電源投入時(t=0)
は、低い値に制御され、その後徐々に所定の出力が得ら
れる電圧まで上昇する。この電圧Vbの値は、前述したよ
うにパワー制御回路55により制御されて同図(d)に示
したような変化をする。
コンデンサ53の電圧Vaが電圧Vbに達すると、コンパレ
ータ56の出力は反転してR/S−FFの出力がLowになるの
で、コンデンサ53の電荷はダイオード63,64を介して放
電され同時にコンパレータ56の正入力電圧は、抵抗器6
5、ダイオード66により、ほぼ零電圧に制御される。し
たがって、コンデンサ53の電圧Vaは、電圧Vbの電圧値に
従って、同図(d)のようになる。
この結果、ゲートパルスVGのパルス幅tonは、同図
(a)に示したように、1回目のパルス幅が小さくおさ
えられ、その後徐々に大きくなって所定のパルス幅とな
る。
次に2回目以降のゲートパルスVGの発生タイミングに
ついて説明する。第3図において、t=t1でゲートパル
スVGがLowになるとトランジスタ42がオフとなってコレ
クタ電圧が零になる。したがって、トランス6の一次巻
線10と共振コンデンサ5とは共振し、コレクタ電圧VCE
は同図(c)のような共振電圧波形となる。このコレク
タ電圧が零となるとフライホイールダイオード8が導通
し、第1のコンデンサ4に回生電流を流す。フライホイ
ールダイオード8がIGBT42に逆並列に接続されていない
と、IGBT42のコレクタエミッタ間の電圧VCEは図4に示
すように破線部のような共振電圧波形をした逆電圧が印
加される。しかしながらIGBT42の逆耐圧は数十v程度で
あるためこのような電圧が印加されると破壊してしま
う。そこでフライホイールダイオード8によって逆方向
の電圧が印加されると、このフライホイールダイオード
8が導通して逆方向の電圧印加を抑制している。また、
この電圧波形は共振電圧波形であり、緩やかな傾きをし
ているので、フライホイールダイオード8はIGBT42の逆
耐圧以上の電圧が印加される前にターンオンする特性で
あればよい。このような特性のフライホイールダイオー
ド8をIGBT42に逆並列に接続することで回生電流を流
し、IGBT42の逆電圧印加を抑制することができる。ま
た、このコレクタ電圧VCEとラインl2の電圧Vl2は、第2
図のクロス検知回路67によってモニターされており、t
=t2における点Pが検出される。このクロス検知回路の
出力Vcは遅延回路68によりtdだけ遅れた信号Vdをt=t4
にて発生する。このVdを受けてロジック制御回路57はR/
S−FFに制御信号を与えるので、第3図(a)のような
ゲート信号VG(すなわち、R/S−FFの出力)が発生す
る。これらの信号のタイミング関係を第3図(e),
(f)および(g)に示す。
すなわち、ゲート信号VGは、第3図(b)に示すよう
に、フライホイールダイオード8に電流が流れているt
=t3からt=t5の間のt=t4においてHighとなり、コン
デンサ53の充電時間で決まるton時間後にLowとなるよう
制御され、共振回路の共振動作に同期したパルス幅制御
を行うことができる。
したがって図3(b)(c)のトランジスタ42の電流
電圧波形からわかるようにトランジスタ42はターンオン
時においては零電流零電圧でターンオンとなり、また、
ターンオフ時においてトランジスタ42のコレクタ電圧V
CEは共振電圧が緩やかに上昇を始めるため零電圧ターン
オフとなり、トランジスタ42の発生損失を極めて低くす
ることができる。
また、共振回路の作用によってMOSトランジスタに比
べスイッチングスピードは遅いが電流密度を高くとるこ
とのできるIGBTを用いることができるのでチップサイズ
を小さくでき、ゲートパルスの電力を省電力化すること
ができる。
このような構成の電力変換器を用いて高周波加熱装置
の電源回路を構成することにより、その制御部を極めて
コンパクトで低消費電力かつ低コストなものとすること
ができる。すなわち、第1図および第2図に示したよう
に、制御回路46の出力電圧、すなわち、ゲートパルスVG
は、トランジスタ42が電界効果作用によりスイッチング
するので、そのゲートエミッタ間の入力容量(1000〜50
00PF)を充放電するだけのエネルギーでよい。したがっ
て、バッファ62は例えばCMOSで構成することができ、低
消費電力で低コストなものでよい。したがって、抵抗器
47を介して制御回路46に供給される電流は、5〜10mA程
度にすることが可能であり、ツェナーダイオードの動作
電圧を15Vとすると、制御回路46の消費電力は高々0.2〜
0.3W程度となる。第9図に示した従来の構成では、20W
〜30W程度の制御電力を必要としたのに比べ、その1/100
程度の制御電力でよく、著しい省エネルギー化、コンパ
クト化、低コスト化を可能とするものである。
しかしながら、第1図に示すような共振回路を有する
電力変換器41を起動する場合、次に述べるような不都合
が生じ、ゲートエミッタ間が破壊されてしまう場合があ
る。
第3図(b)において、起動の第1回めのコレクタ電
流は前述したように極めて大きなものになる。このコレ
クタ電流Icは、共振コンデンサ5、およびトランジスタ
42とフライホイールダイオード8により成るスイッチ回
路とにより第1のコンデンサ4を短絡したとき流れる電
流である。そして、この電流路には配線のインダクタン
スおよび抵抗、第1のコンデンサ4および5の内部イン
ダクタンスおよび抵抗、トランジスタ42の内部抵抗等が
存在するので、実際のコレクタ電流Icは、第5図に示す
ような極めてピーク電流の大きい振動波形となる。すな
わち第5図(a)に示すように、VGがHighの間に同図
(b)のごとき振動電流が流れるのである。VGがHigh、
すなわち、トランジスタ42が導通状態にあるとき、逆方
向に電流が流れることにより、ゲートエミッタ間にスパ
イク電圧が発生する。
第6図は、このスパイク電圧発生のメカニズムを示す
トランジスタ42、フライホイールダイオード8の等価回
路である。フライホイールダイオード8は前述したよう
に第1のコンデンサ4に回生電流を流す働きをしてお
り、ゲート信号VGの周期に対してはこの役割を果たすこ
とができるが、起動時のゲート1回目に発生する突入電
流の振動のような短い周期に対しては導通するまでの遅
れ時間(ターンオン時間)を考慮して回路動作を考える
必要が出てくる。フライホイールダイオード8のターン
オン時間tDONだけ、フライホイールダイオード8に電流
が流れはじめるのが遅れるので、第7図(a)に示した
コレクタ電流の逆方向電流Id′は、トランジスタ42のエ
ミッタリード線を通って流れる電流Iとフライホイー
ルダイオード8に流れ電流Idとの合成電流となってい
る。すなわち、Idは、第7図(b)に示すように、Id′
が流れはじめてから、tDONだけおくれて流れはじめ、こ
のtDONの間だけ、第7図(c)に示したIがトランジ
スタ42のエミッタリード線を通って流れる。
この電流Iは、トランジスタ42を構成する等価MOS
トランジスタ42aと等価ダイオード42bに逆方向に流れる
電流Iと、MOSトランジスタ42aのゲートエミッタ間容
量42cなどを通ってゲート側に流れる電流Iとの和で
ある。特にこのId′が流れる期間は、第5図より明らか
なようにVGがHighであるため、Iが流れやすい状態と
なっており、Iの流れる経路に電流制限要素がないと
極めて大きいスパイク電圧がゲートエミッタ間に発生す
る。
このスパイク電圧VGPは、第8図(a),(b)に示
すようにフライホイールダイオード8のターンオン時間
tDONだけ、Id′が流れはじめた時から遅れて発生する。
これは、フライホイールダイオード8のターンオンによ
りトランジスタ42のエミッタリード線やボンディングワ
イヤーなどのインダクタンス成分42dと、ゲートエミッ
タ間容量42c等によるスパイク電圧の共振現象により生
じると考えられる。
そこで、第1図および第2図に示したように、トラン
ジスタ42のゲートに直列に抵抗器43を設けることにより
このスパイク電圧VGPを小さく減衰させることができ
る。第8図(c)は、この抵抗器43の抵抗値R43とスパ
イク電圧VGPの値を実験により求めたものであり、R43
値を大きくする程VGPを小さく押えることができる。
このR43を大きくするとトランジスタ42のターンオフ
時間が長くなり、スイッチング(ターンオフ)損失が増
大し、トランジスタ42の信頼性の低下が生じたり、大き
な放熱フィンが必要になったりする。ダイオード44は、
これを防止するためのものである。ダイオード44はスパ
イク電圧VGPのような周波数が数MHzに及ぶような周波数
に対しては理想ダイオードとして作用せずにターンオン
時間だけ遅れを有する。このため、スパイク電圧VGP
対してはこれに並列に挿入された抵抗器43が作用し、ス
パイク電圧VGPを低減する働きをする。一方、ゲート信
号VGの周期である20kHz〜100kHzに対してはほぼ理想ダ
イオードとして振る舞うためトランジスタ42を高速にタ
ーンオフすることができる。したがって、このダイオー
ド44の挿入により、トランジスタのスイッチング損失を
増大することなく、抵抗器43を挿入してスパイク電圧V
GPを抑制して、トランジスタ42の高い信頼性を保証する
ことができる。
以上述べてきたように起動一回目に発生する短絡電流
は共振回路を有し、第1のコンデンサ4の充電後にIGBT
がターンオンするがゆえに発生する現象である。また、
この突入電流によってゲートにスパイク電圧を誘起する
ことになるが、ゲートに挿入した抵抗器によりスパイク
電圧を効果的に低減するとともに、抵抗器に並列に接続
されたダイオードの働きによってIGBTのターンオフ速度
を確保して不要な損失の増加を防止できる。
また、一方、共振回路を用いることでIGBTのオフ時に
共振回路の共振による電圧がIGBTのコレクタエミッタ間
に700vの高電圧が印加される。このためIGBTの耐圧は90
0v〜1000v以上でなくてはならない。このような高耐圧
のMOSトランジスタはオン時のドレーンソース間の抵抗
が大きくなる。したがって導通時のMOSトランジスタの
発生損失が非常に大きくなり、その冷却のために大きな
冷却フィンを必要とすることになってしまい、電力変換
器の小型化を阻害することになる。
そこで本件では出力端子間に第1のコンデンサを有す
る電源部と、電圧共振回路およびIGBTを有する電力変換
器と、前記電力変換器の出力を高周波出力として出力し
被加熱物を加熱する高周波加熱装置と、前記IGBTを制御
する制御部を有するとともに、前記第1のコンデンサが
充電された後に前記IGBTのスイッチング動作を開始する
よう前記制御部を構成し、かつ、前記IGBTのゲートと前
記制御部との間にダイオードと抵抗器の並列回路を設
け、前記ダイオードのアノードを前記ゲートに接続する
構成とすることにより、以下に示す特有の効果を有す
る。
すなわち、IGBTのゲートに高いゲートスパイク電圧が
生じたり、損失が増加することを防止して、電力変換器
の高い信頼性を保証することができる。したがって制御
部を極めてコンパクトかつ低消費電力なものとし、高周
波加熱装置全体をコンパクト、高効率かつ低コストなも
のとすることができるととも高い信頼性をも保証するこ
とができる。
以上に述べた実施例においては、高周波加熱手段とし
てマグネトロンを用い、電波により直接食品等を加熱す
る高周波加熱装置を示したが、本発明はこの実施例に限
定されるものではない。たとえば、高周波加熱手段とし
て、加熱コイルを用い、鍋などの調理器具を誘導加熱し
て食品等を間接的に加熱する高周波加熱装置であっても
よいし、また、高周波加熱手段を電圧変換器が兼用し、
電力変換器の出力が直接アンテナから電波として取り出
され、食品などを加熱する構成としてもよい。
発明の効果 以上のように本発明の構成によれば、電源部の出力端
子に設けた第1のコンデンサが充電された後に電圧共振
回路を付勢するためのスイッチング動作を開始する構成
としたので、電界効果を有する半導体スイッチに高いス
パイク電圧が生じたり、損失が増加したりするのを防止
して、高い信頼性を保証して電力変換器を構成すること
ができる。したがって、制御部を極めてコンパクトで低
消費電力かつ低コストなものとし、高周波加熱装置全体
をコンパクト、高効率かつ低コストなものとすると共
に、高い信頼性を保証せしめるものであり、多大な工業
的価値を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の高周波加熱装置の一実施例を示す回路
図、第2図は同装置の制御回路のさらに詳しい回路図、
第3図は同回路の各部の動作波形図、第5図は同回路の
トランジスタの1回目の導通動作波形図、第6図は同ト
ランジスタの1回目の導通動作時の電流流路を説明する
等価回路図、第7図は同等価回路における各部電流の相
関を示す波形図、第8図は第1回目のトランジスタ導通
時に発生するスパイク電圧の発生タイミングおよびその
大きさとゲート挿入抵抗値との関係を説明する説明図、
第9図は従来の高周波加熱装置の回路図、第10図は同装
置の各部動作波形図である。 5,6……共振回路(5……共振コンデンサ、6……昇圧
トランス)、15……高周波加熱手段(マグネトロン)、
40……電源部、41……電力変換器、42……半導体スイッ
チ、45……並列回路(43……抵抗器、44……ダイオー
ド)、46……制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 和穂 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 丹羽 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 松本 孝広 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 別荘 大介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−143390(JP,A) 特開 昭60−43080(JP,A) 特開 昭62−123966(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】出力端子間に第1のコンデンサを有する電
    源部と、電圧共振回路および1つの絶縁ゲート型バイポ
    ーラトランジスタ(IGBT)および前記IGBTに逆並列に接
    続されるフライホイールダイオードを有する電力変換器
    と、前記電力変換器の出力を高周波電力として出力し被
    加熱物を加熱する高周波加熱手段と、前記IGBTを制御す
    る制御部とを有すると共に、前記制御部の電源を前記電
    源部より抵抗器を介して充電される第2のコンデンサに
    より供給するように構成し、かつ、前記IGBTのゲートと
    前記制御部との間に前記フライホイールダイオードのス
    イッチング遅れにもとづいて発生するスパイク電圧によ
    りゲートに生ずる共振電圧に対してはスイッチングを行
    わないスイッチングスピードを有するダイオードと抵抗
    器との並列回路を設け、前記ダイオードのアノードを前
    記ゲートに接続する構成とした高周波加熱装置。
  2. 【請求項2】高周波加熱手段をマグネトロンを含んで構
    成し、誘電加熱により被加熱物を加熱する構成とした請
    求項1記載の高周波加熱装置。
  3. 【請求項3】高周波加熱手段を誘導加熱コイルを含んで
    構成し、鍋などの調理器具を加熱して被加熱物を間接的
    に加熱する構成とした請求項1記載の高周波加熱装置。
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JPS62123966A (ja) * 1985-11-22 1987-06-05 Fanuc Ltd 複合化パワ−モジユ−ル素子
JPS62143390A (ja) * 1985-12-17 1987-06-26 松下電器産業株式会社 高周波加熱装置

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