JPH0521150A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

誘導加熱調理器

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JPH0521150A
JPH0521150A JP17233391A JP17233391A JPH0521150A JP H0521150 A JPH0521150 A JP H0521150A JP 17233391 A JP17233391 A JP 17233391A JP 17233391 A JP17233391 A JP 17233391A JP H0521150 A JPH0521150 A JP H0521150A
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current
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diode
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Hirobumi Noma
博文 野間
Hideki Omori
英樹 大森
Mitsuru Takechi
充 武智
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インバータ構成の誘導加熱調理器において、
インバータを構成するスイッチング素子の損失と、ノイ
ズの発生を低減する。 【構成】 加熱コイル5と直列に接続された第1の共振
コンデンサ6と、それに並列接続されたダイオード9
と、逆電流阻止形のスイッチング素子3と逆電流導通形
のスイッチング素子4と、このスイッチング素子4と並
列接続された第2の共振コンデンサ8とから構成したイ
ンバータ回路2を、一定の周波数で交互に導通させ、か
つ、導通比を変化させる制御回路7の駆動部7aによっ
てターンオンモードが現われないように、かつターンオ
フ時の電圧変化を小さくさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインバータ構成及びその
制御手段に特徴を有する発振周波数一定制御の誘導加熱
調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の誘導加熱調理器は発振周波数可変
制御により入力制御を行うのが一般的であった。しかし
ながら多バーナの誘導加熱調理器で発振周波数可変制御
を行うと発振周波数の違いによって負荷の干渉音が発生
するという問題を有していた。そこで、この問題を解決
するために発振周波数一定で入力制御する方法が検討さ
れ、特開平1−260785号に示すような構成ものが用いら
れている。以下、その誘導加熱調理器の構成について図
15ないし図17を参照しながら説明する。図15は誘導加熱
調理合の回路構成図であり、図15において、1は直流電
源、2は直流を高周波電流に変換するインバータ回路
で、逆電流阻止形の第1のスイッチング素子3、逆電流
導通形の第2のスイッチング素子4、加熱コイル5、共
振コンデンサ6等で構成されている。7はインバータ回
路2を制御する制御回路であり、前記第1のスイッチン
グ素子3と第2のスイッチング素子4を、同一周波数で
オン時間比を変えて交互に駆動する駆動部7a等により
構成されている。
【0003】図16、図17は以上のように構成された従来
の誘導加熱調理器の動作を説明する波形図で、図16は第
1のスイッチング素子3および第2のスイッチング素子
4の両端電圧(VCE),電流(IC)の各波形、図17は第1
のスイッチング素子3のオン時間T2と周期T1との比T
2/T1(以下これを導通比と呼ぶ)と、入力Pinの関係
を示しており、当然のことながら第2のスイッチング素
子4のオン時間T3はT1−T2となる。
【0004】図16において、同図(a)には導通比T2/T
1<0.5のとき(つまり入力が小さいとき)の動作波形を、
同図(b)には導通比T2/T1≒0.5のとき(つまり半分程
度のとき)の動作波形を、同図(c)にはターンオン(VCE
>0でスイッチング素子をオンさせること)、およびタ
ーンオフ(IC>0でスイッチング素子をオフさせるこ
と)の時の動作の拡大波形を示している。
【0005】図16および図17に示すように、駆動部7a
が第1のスイッチング素子3と第2のスイッチング素子
4を交互に駆動し、その導通比T2/T1を変えることに
よって入力(Pin)を制御している。
【0006】以上のように従来のインバータ構成および
制御方式では、発振周波数一定のままで入力制御を行え
るものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のインバータ構成および制御方式では、図16の動作波
形からわかるように、スイッチング動作にターンオンお
よびターンオフが現れるモードがあるため、スイッチン
グ素子に高速半導体を用いたとしてもターンオンおよび
ターンオフ時のスイッチング損失(スイッチング素子の
両端電圧VCE×電流IC)が大きくなって、スイッチング
素子の冷却コストが高く小型化が難しいという課題を有
している。また、スイッチング素子の両端電圧の変化
(dVCE/dt)が非常に急峻であるために、ノイズが大
きくテレビの画像等に悪影響を及ぼすと言う課題を有し
ていた。
【0008】本発明はこのような点に鑑み、第1の目的
はスイッチング素子の損失およびノイズを低減する誘導
加熱調理器を提供すること、第2の目的は上記に加えて
スイッチング素子の損失を軽減、及び過電流保護を行う
こと、第3の目的は上記第1の目的に加えて低コスト回
路でスイッチング素子の損失を低減すること、また、第
4の目的は上記第3の目的に加えてさらに、スイッチン
グ素子の過電圧保護も行う誘導加熱調理器を提供するこ
とにある。
【0009】また、さらに第5の目的は上記第1の目的
に加えて、ナイフ、アルミ鍋等の不適性負荷を検知し、
加熱を停止する機能を加えること、さらに第6の目的は
上記第1の目的に加えて、スイッチング素子およびダイ
オードの損失を低減でき、非磁性負荷でも高出力とする
こと、第7の目的は第6の目的に加えてさらに、低コス
トの信頼性の高い回路でスイッチング素子およびダイオ
ードの損失を低減でき非磁性負荷でも高出力可能な誘導
加熱調理器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱コイル
と、それに直列接続した第1の共振コンデンサと、該第
1の共振コンデンサに並列接続したダイオードと、逆電
流阻止形の第1のスイッチング素子と逆電流導通形の第
2のスイッチング素子と、該第2のスイッチング素子に
並列に接続した第2の共振コンデンサとでなるインバー
タ回路と、一定の周波数で上記、第1、第2のスイッチ
ング素子を交互に導通させ、かつ、その導通比を可変可
能な駆動部を有する制御回路とにより構成したことを特
徴とする。さらに上記の構成に、(a)第1の共振コンデ
ンサに並列接続したダイオードの電流検知部を設け、
(b)第1の共振コンデンサの電圧検知部を設け、(c)第
2の共振コンデンサの電圧検知部を設け、(d)第2の
共振コンデンサの電圧検知部と入力を検知する入力検知
部及び不適性負荷判定部を設け、(e)第1の共振コンデ
ンサの容量を切り換えて変化させる構成とし、(f)ダイ
オードに流れる電流の電流検知部と第1の共振コンデン
サの容量を切り換える構成としたものである。
【0011】
【作用】本発明によれば、第1には、第1および第2の
スイッチング素子3、4のスイッチング動作において、
ターンオンモードが現れないようにできるとともにター
ンオフ時の電圧変化(dV/dt)が小さくなって、スイ
ッチング損失およびノイズを大幅に低減できる。
【0012】第2には、ダイオード電流検知部を設けダ
イオード電流を制限してスイッチング素子に流れる電流
を抑制でき、スイッチング素子が過電流から保護され、
同時にスイッチング素子のオン状態での損失(オン損失)
をさらに低減できるものである。
【0013】また、第3には、第1の共振コンデンサの
電圧検知部を設け第1の共振コンデンサの電圧を制限し
たので安価な回路で間接的にスイッチング素子に流れる
電流が抑制でき、スイッチング素子のオン損失を低減で
きるものである。
【0014】第4には、第2の共振のコンデンサの電圧
検知部を設けて第2の共振コンデンサの電圧を制限する
ことによって安価な回路で間接的にスイッチング素子に
流れる電流が抑制でき、スイッチング素子のオン損失が
低減されるとともに、スイッチング素子が過電圧から保
護される。
【0015】第5には、第2の共振コンデンサの電圧検
知部と入力検知部を設けて第2の共振コンデンサの電圧
と入力を比較することによって不適性負荷を検知でき
る。
【0016】また、第6には、第1の共振コンデンサの
容量を切り換え可能としたのでスイッチング素子、およ
びダイオードの損失が低減でき、非磁性負荷に対しても
高出力誘導加熱が可能になる。
【0017】第7には、ダイオード電流検知部を設けダ
イオード電流を検知して負荷の種類を判別するので、低
コストの信頼性の高い回路によりスイッチング素子およ
びダイオードの損失を低減でき、非磁性負荷でも高出力
誘導が可能になる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の第1の手段の一実施例につい
て図1ないし図2を参照しながら説明する。
【0019】図1は誘導加熱調理器の回路構成図を示
し、図1において、8は第2の共振コンデンサ、9はダ
イオードであり、その他は図15と同じ、または同一機能
のものを示している。なお、説明の便宜上、3を逆電流
阻止形の第1スイッチング素子、4を逆電流導通形の第
2スイッチング素子、6を第1の共振コンデンサとい
う。
【0020】図2は第1,第2のスイッチング素子3お
よび4の両端電圧(VCE),電流(IC)等の動作波形を、図
3は第1のスイッチング素子3のオン時間T2と周期T1
との導通比T2/T1と入力Pinの関係を示し、両端電
圧、電流の添字1,2は両第1、第2のスイッチング素
子に対応している。
【0021】図2(a)は導通比T2/T1<0.5のとき、図
2(b)は導通比T2/T1≒0.5のときの動作波形であり、
また、図2(c)はターンオフ時の拡大波形図である。
【0022】図2および図3に示すように、駆動部7a
が第1のスイッチング素子3と第2のスイッチング素子
4を交互に駆動し、その導通比T2/T1を変えることに
よって入力Pinを制御している。本実施例のインバータ
回路2は加熱コイル5と第1の共振コンデンサ6との共
振モードと、加熱コイル5と第2の共振コンデンサ8と
の共振モードとの2つの共振モードを有している。
【0023】第1のスイッチング素子3あるいは第2の
スイッチング素子4に電流が流れているときに、加熱コ
イル5と第1の共振コンデンサ6との共振モードとなり
(但し、ダイオード9が導通している期間はダイオード
9−加熱コイル5−第2のスイッチング素子4−ダイオ
ード9の循環電流となる。)、第1のスイッチング素子
3あるいは第2のスイッチング素子4がターンオフして
から他方のスイッチング素子に電流が流れはじめるまで
が加熱コイル5と第2の共振コンデンサ8との共振モー
ドとなる。
【0024】この動作は、動作波形(特に図2(c))から
わかるように第2のスイッチング素子4と並列に第2の
共振コンデンサ8を設けたことによって、ターンオフ時
の電圧変化(dVCE/dt)を小さくし、ターンオフ時の
損失、つまり電圧電流積(VCE×Ic)を大幅に小さくし
ている。
【0025】また、第1のスイッチング素子3はVCE1
<0Vの間に、第2のスイッチング素子4はVCE1=0
Vの間(第2のスイッチング素子4の逆導通ダイオード
9に電流が流れている間)にオン状態としているためタ
ーンオンは現れない。ダイオード9の働きおよび効果
は、IC2に必ずターンオフを発生させる→加熱コイル5
と第2の共振コンデンサ8が共振する→VCE2が上昇
し、VCE1=E−VCE2が負になる状態ができる→IC1
ターンオフが発生しない、というものである。
【0026】このように本実施例によれば第1および第
2の共振コンデンサ6,8を有し、ダイオード9を第1
の共振コンデンサ6に並列に接続することによって、第
1および第2のスイッチング素子3,4にターンオフは
発生せず、かつ、ターンオフ時のスイッチング損失も大
幅に低減することができる。また、第1および第2のス
イッチング素子3,4の両端電圧変化(dVCE/dt)が
緩やかになるため、ノイズも大幅に低減することができ
る。
【0027】なお、第1の共振コンデンサ6および第2
の共振コンデンサ8は図4(a)のように直流電源1の高
電位側に接続しても、図4(b)のように高電位側、低電
位側共に接続しても、また、それらの組合せでも動作は
同じである。ただし、図4(b)のように接続すれば、雷
サージ等の電流異常時で直流電源1の電圧が急峻に増加
したときに直流電源1の電圧をコンデンサ6,8に分割
でき、第1のスイッチング素子3および第2のスイッチ
ング素子4に偏って電圧が印加されず、過電圧保護が行
えるという効果がある。
【0028】次に、本発明の第2の手段の回路構成図を
図5に示す。
【0029】図5において第1の手段と異なるところは
制御回路7にダイオード9の電流を検知するダイオード
(以下、Dと略す)電流検知部7bを有している点であ
る。以下その動作を説明する。インバータ回路2は第1
の手段と同じであるからその動作は同じで、第2のスイ
ッチング素子4と並列に第2の共振コンデンサ8を設け
たことによってターンオフ時の電圧変化(dVCE/dt)
を小さくし、ターンオフ時の損失つまり電圧電流積(V
CE×IC)を大幅に小さくしているため、2個のスイッチ
ング素子3,4の損失はほとんどオン損失(オン状態で
のオン電圧VCE×電流IC)のみといえる。従って、2個
のスイッチング素子3,4に流れる電流を低減すればさ
らにスイッチング素子3,4の損失を低減することがで
きる。
【0030】大電流カレントトランスを用いて直接2個
のスイッチング素子3,4に流れる電流を検知して制限
をかければ良いが、大電流カレントトランスのコストが
高いため、本実施例では第2のスイッチング素子4に流
れる電流のピーク値とダイオード9に流れる電流のピー
ク値がほとんど等しいことに着目して、ダイオード9に
流れる電流をD電流検知部7bで検知して、その電流ピ
ーク値に制限をかけることで2個のスイッチング素子
3,4に流れる電流を制限している。
【0031】ダイオード9に流れる電流の実効値の方が
第2のスイッチング素子4に流れる電流の実効値よりも
はるかに小さいため、低コストのカレントトランスで検
知できる(カレントトランスのコストは電流の実効値で
決まる)。第1のスイッチング素子3に流れる電流を直
接制限をすることにはならないが、当然のことながら第
1のスイッチング素子3に流れる電流と、第2のスイッ
チング素子に流れる電流に相関があるため、間接的に第
1のスイッチング素子3にも電流制限をすることにな
る。
【0032】このように、本実施例によればダイオード
9に流れる電流を検知して電流制限をすることで、第1
の手段に加えてさらに2個のスイッチング素子3,4の
損失が低減できるとともに、2個のスイッチング素子
3,4の過電流保護が同時に行える。
【0033】図6は本発明の第3の手段の回路構成図を
示し、図6において第1の手段と異なるところは制御回
路7に第1の共振コンデンサ6の電圧を検知する第1の
共振コンデンサ(以下、C1と略す)の電圧検知部7cを
有している点にある。以下、その動作を説明する。
【0034】インバータ回路2は第1の手段と同じであ
るからその動作は同じで、第2のスイッチング素子4に
並列に第2の共振コンデンサ8を設けたことによってタ
ーンオフ時の電圧変化(dVCE/dt)を小さくし、ター
ンオフ時の損失、つまり電圧電流積(VCE×IC)を大幅
に小さくしているため、2個のスイッチング素子3,4
の損失はほとんどオン損失(オン状態でのオン電圧VCE
×電流IC)のみになる。従って、第2の手段と同様に2
個のスイッチング素子3,4に流れる電流を低減すれ
ば、さらに損失を低減することができる。インバータ回
路2の動作は2個のスイッチング素子3,4に電流を流
し、加熱コイル5を介して第1の共振コンデンサ6に充
放電を繰り返しているからダイオード9に電流が流れて
いる期間を除いて次式が成り立つ。
【0035】
【数1】IL=C1×(dVC1/dt) ここでILは加熱コイル5に流れる電流、つまり2個の
スイッチング素子3,4に流れる電流で、C1は第1の
共振コンデンサ6の容量であり、(dVC1/dt)は単位
時間当りの第1の共振コンデンサ6の電圧変化である。
このように第1の共振コンデンサ6の電圧は、充放電し
た電流分だけ変化することになる。よって第1の共振コ
ンデンサ6の振幅を検知すれば、2個のスイッチング素
子3,4に流れる電流の概略を検知することができる。
【0036】図6においてC1電圧検知部7cで第1の
共振コンデンサ6の電圧振幅を検知し、その電圧振幅値
を制限することで間接的に2個のスイッチング素子3,
4に流れる電流が制限され、その損失が低減される。電
圧検知は抵抗等で行えるためC1電圧検知部7cは非常
に安価に構成できる。
【0037】すなわち、第3の手段は第1の共振コンデ
ンサ6の電圧振幅を検知することで、安価な回路で第1
の手段に加えて2個のスイッチング素子3,4の損失
を、さらに低減できる。
【0038】次に、本発明の第4の手段の回路構成図を
図7に示し、図7において第1の手段と異なるところは
制御回路7に第2の共振コンデンサ8のピーク電圧を検
知するC2電圧検知部7dを有する点である。
【0039】インバータ回路2は第1の手段と同じであ
るからその動作は同じで、第2のスイッチング素子4と
並列に第2の共振コンデンサ8を設けたことによって、
ターンオフ時の電圧変化(dVC1/dt)を小さくし、
ターンオフ時の損失つまり電圧電流積(VCE×IC)を
大幅に小さくしているため、2個のスイッチング素子
3,4の損失はほとんどオン損失(オン状態でのオン電
圧VCE×電流IC)のみとなる。従って、第2の手段と
同様に2個のスイッチング素子3,4に流れる電流を低
減することによりさらに損失が低減される。鍋等の負荷
へのエネルギーを無視すればエネルギー保存の法則によ
り第2のスイッチング素子4のターンオフ電流IC2TF
ピーク電圧VCE2Pには次式が成り立つ。
【0040】
【数2】L×(IC2TF)2=C2×(VCE2P)2 ただし、Lは加熱コイル5および鍋等の等価インダクタ
ンス、C2は第2の共振コンデンサ8の容量である。
【0041】また、第2のスイッチング素子4に流れる
電流のほぼピークからダイオード9に電流が流れ出し、
ダイオード9→加熱コイル5→第2のスイッチング素子
4の循環電流が始まるので、この循環電流の減衰は次式
のようになる。
【0042】
【数3】
【0043】ただし、Rは加熱コイル5および鍋等の等
価抵抗値である。また、IC2(t)は第2のスイッチング
素子4に流れる電流のピーク時からt時間後の電流値、
C2Pは第2のスイッチング素子4に流れるピーク値で
ある。従ってVCE2Pを検知し、電流のピーク時からの時
間tで補正すれば、第2のスイッチング素子4に流れる
電流を概略検知することができ、第2の手段の場合と同
様に第1のスイッチング素子3に流れる電流も概略検知
することができる。
【0044】本実施例では第2のスイッチング素子4の
ピーク時からターンオフまでの時間を検知する代わりに
導通比を用いて、この導通比T2/T1に対する第2の共
振コンデンサ8のピーク電圧VCE2Pとの関係を示した図
8のように、導通比で補正したVCE2Pに制限をかけてい
る。なぜならピーク時からターンオフまでの時間は、ほ
ぼ導通比で決まるからである。なお、磁性、非磁性等の
負荷の種類によって変わってはくるが、導通比が大きく
なれば必ずピーク時からターンオフまでの時間は短くな
ることは明らかである。
【0045】以上のように本実施例によれば、第2の共
振コンデンサ8のピーク電圧を検知し、導通比により補
正することで、第3の手段に加えてさらに2個のスイッ
チング素子3,4の過電圧保護も行えることになる。
【0046】次に、本発明の第5の手段の回路構成図を
図9に示し、図9において第1の手段と異なるところは
制御回路7に第2の共振コンデンサ8のピーク電圧を検
知するC2電圧検知部7dと、入力を検知する入力検知
部7eと、C2電圧検知部7dと入力検知部7eとの出
力を比較して、不適正負荷の加熱を停止させる信号を駆
動部7aに出力する不適正負荷判定部7fとを有してい
る点にある。以下にその動作を説明する。
【0047】インバータ回路2は第1の手段と同じであ
るからその動作は同じである。第4の手段の実施例で説
明したように鍋等の負荷へのエネルギーを無視すればエ
ネルギー保存の法則により第2のスイッチング素子4の
ターンオフ電流IC2TFとピーク電圧VCE2Pには次式が成
り立つ。
【0048】
【数4】L×(IC2TF)2=C2×(VCE2P)2 ただし、Lは加熱コイル5および鍋等の等価インダクタ
ンスである。
【0049】ここで負荷へのエネルギーPR1を考慮する
と上式は以下のようになる。
【0050】
【数5】L×(IC2TF)2=C2×(VCE2P)2+PR1 従って、同じターンオフ電流IC2TFでも負荷の等価抵抗
値が小さければエネルギーPR1が小さくなって、ピーク
電圧VCE2Pが大きくなることになる。
【0051】また、第2のスイッチング素子4に流れる
電流のほぼピークからダイオード9に電流が流れ出し、
ダイオード9−加熱コイル5−第2のスイッチング素子
4の循環電流が始まるから、この循環電流の減衰は次式
のようになる。
【0052】
【数6】
【0053】ただし、Rは加熱コイル5および鍋等の等
価抵抗値である。また、IC2(t)は第2のスイッチング
素子4に流れる電流のピーク時からt時間後の電流値
で、IC2Pは第2のスイッチング素子4に流れる電流の
ピーク値である。
【0054】従って、負荷の等価抵抗値Rが小さけれ
ば、当然ながら循環電流の減衰量
【0055】
【外1】
【0056】負荷の等価抵抗値Rが小さければIC2(t)
は大きくなることになる。よって負荷の等価抵抗値Rが
小さければVCE2Pが大きくなる。
【0057】次に、入力と加熱コイル5に流れる電流I
tの関係は、インバータ回路2等の損失を無視すれば、
入力Pinと負荷に供給したエネルギーPRとが等しくな
るから、次式が成り立つ。
【0058】
【数7】Pin=PR=R×IL(t)2の積分値 従って、同じ入力であれば負荷の等価抵抗値Rが小さい
ほど加熱コイル5に流れる電流It、つまりIC2Pは大き
くなる。
【0059】以上の特性から入力Pinと第2の共振コン
デンサ電圧(ピーク電圧)VCE2Pの関係は図10のようにな
る。つまり、同じ入力Pinでもナイフやアルミ鍋等の等
価抵抗値の小さい不適正負荷では、第2の共振コンデン
サ電圧(ピーク電圧)VCE2Pが大きく、ホーロー鍋等の等
価抵抗値の大きい負荷では第2の共振コンデンサ電圧
(ピーク電圧)VCE2Pが小さくなる。そこで不適正負荷判
定部7fで、図10に示す破線よりも上側であれば不適正
負荷と、下側であれば適正負荷であると検知し、不適正
負荷の場合は加熱を停止させる信号を駆動部7aに出力
する。
【0060】このように本実施例によれば第2の共振コ
ンデンサ8のピーク電圧と入力とを検知し、不適正負荷
検知部7fで図10の破線レベルと比較することによって
不適正負荷を検知し、加熱停止を行えるものである。
【0061】次に、本発明の第6の手段の回路構成図を
図11に示し、図11において第1の手段と異なるところは
インバータ回路2に容量切り換え可能な第1の共振コン
デンサ6およびコンデンサ6aを有し、制御回路7にマ
グネットスイッチ等を用いて負荷の磁性・非磁性を検知
する負荷検知部7gと第1の共振コンデンサ6および6
aを切り換えるC1切り換え部7hとを有している点に
ある。以下その動作を説明する。
【0062】インバータ回路2の動作は、第1の共振コ
ンデンサ6および6aが切り換えられる以外は第1の手
段と同じである。本実施例では第1の共振コンデンサは
負荷が磁性の場合に一方の共振コンデンサ6を、非磁性
の場合には双方の共振コンデンサ6+6aを用いてい
る。図12は等価抵抗値のほぼ等しい非磁性負荷および磁
性負荷の動作波形を(a),(b)のそれぞれに示している。
(a)は、一方の第1の共振コンデンサ6が動作のとき
を、(b)は双方の共振コンデンサ6+6aが動作のとき
の場合である。入力に対する加熱コイル5に流れる電流
Lの関係は、第5の手段の実施例で説明したように、
インバータ回路2等の損失を無視すれば、入力Pinと負
荷に供給したエネルギーPRとが等しくなるから、次式
が成り立つ。
【0063】
【数8】Pin=PR=R×IL(t)2の積分値 従って、負荷の等価抵抗値Rが等しければ、加熱コイル
5に流れる電流IL(t)2の積分値、つまりIC2(t)2
積分値が等しいときに入力も等しくなる。
【0064】図12(a)はIC2(t)2の積分値がほぼ等しい
ときの波形である。しかしながら、非磁性負荷と磁性負
荷では加熱コイル5を含む等価インダクタンスLが異な
るため、第1の共振コンデンサ6との共振周期が異な
り、動作波形も異なってくる。動作の特徴としては、非
磁性負荷では第2のスイッチング素子4のほとんどトラ
ンジスタのみに電流が流れ、磁性負荷では第2のスイッ
チング素子4のトランジスタおよび逆導通ダイオードと
もに電流が流れる。
【0065】ここで問題となるのがオン電圧である。ト
ランジスタのオン電圧は逆導通ダイオードのオン電圧に
比べて大きいため、IC2(t)2の積分値がほぼ等しいに
もかかわらず、非磁性負荷では磁性負荷に比べて第2の
スイッチング素子4のオン損失が大きくなってしまう。
従って、スイッチング素子4の損失を抑制しようとする
と非磁性負荷への出力を抑制しなければならない。
【0066】そこで非磁性負荷の動作モードも図12(a)
の磁性負荷の動作モードと同様にし、スイッチング素子
の損失を抑制するため、負荷検知部7gで負荷の種類
(磁性・非磁性)を検知し、非磁性負荷である場合にはC
1切り換え部7hに信号を送り第1の共振コンデンサを
6+6aとし、第2のスイッチング素子4のトランジス
タの電流を低減させて、逆導通ダイオードの電流を増加
させる動作モードにすることによって、第2のスイッチ
ング素子4のオン損失を低減し、かつ、ダイオード9に
流れる電流も低減してそのオン損失も低減している。
【0067】第1の共振コンデンサが6+6aで、磁性
負荷を動作させた場合には、等価インダクタンスLと第
1の共振コンデンサ6+6aの共振周期から大きくずれ
てしまうため、第1のスイッチング素子3と第2のスイ
ッチング素子4の導通比T2/T1を0.5に近づけても(つ
まり入力最大にしても)所望の入力を得られない状態と
なる。従って、非磁性負荷のみ第1の共振コンデンサの
容量を切り換え、大きくする必要がある。
【0068】このように本実施例によれば第1の共振コ
ンデンサの容量を切り換え可能とし、負荷の種類(磁性
・非磁性)によって切り換えることで、第2のスイッチ
ング素子4およびダイオード9のオン損失を低減できる
動作モードにすることができ、非磁性負荷でも高出力を
可能とするものである。
【0069】次に、本発明の第7の手段の回路構成図を
図13に示し、図13において第6の手段と異なるところ
は、制御回路7にダイオード9の平均電流を検知するD
電流検知部7iを有しているところであって、以下その
動作を説明する。上述第6の手段の実施例では、負荷の
種類(磁性・非磁性)を検知する手段としてマグネットス
イッチ等を用いた負荷検知部7gを用いたが、第7の手
段では検知回路の低コスト化および高信頼性化のため、
電子回路で負荷の種類(磁性・非磁性)を検知するところ
に特徴を有しいてる。
【0070】第6の手段の実施例で説明したように、加
熱コイル5および負荷の等価インダクタンスLと第1の
共振コンデンサの共振周期の違いによって、非磁性負荷
と磁性負荷の動作波形は図12のように異なってくる。
【0071】図14は、入力Pinとダイオード9の平均電
流の関係図である。D電流検知部7iでは、ダイオード
9に流れる電流の平均値を検知して入力Pinで補正し、
図14に示す破線の上側であれば非磁性負荷、下側であれ
ば磁性負荷と判断して、非磁性負荷の場合にはC1切り
換え部7hに信号を送り、第1の共振コンデンサを6+
6aとし、第2のスイッチング素子4のトランジスタの
電流を低減させて、逆導通ダイオードの電流を増加させ
る動作モードにすることによって、第2のスイッチング
素子4のオン損失を低減させ、かつ、ダイオード9に流
れる電流も低減して、そのオン損失を低減させている。
【0072】このように本実施例によればダイオード9
に流れる電流の平均値をD電流検知部7iで測定し、入
力で補正して判定レベル(図14の破線)と比較することに
よって、第1の共振コンデンサを切り換え可能として、
第2のスイッチング素子4およびダイオード9のオン損
失を低減できる動作モードとするものである。
【0073】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の第1の誘
導加熱調理器は、加熱コイルと、それに直列接続した第
1の共振コンデンサと、そのコンデンサに並列接続した
ダイオードと、逆電流阻止形の第1のスイッチング素子
と逆電流導通形の第2のスイッチング素子と、及び前記
スイッチング素子に並列に接続した第2のコンデンサに
より構成したインバータ回路を、前記、第1、第2のス
イッチング素子を交互に一定の周波数で導通させ、か
つ、その導通比を可変にすることが可能な駆動部を設け
た制御回路によって制御するから、スイッチング素子に
はターンオン動作が現われないとともに、ターンオフす
る場合の電圧が小さくなってスイッチング素子のスイッ
チング損失、及びノイズが大幅に軽減される。
【0074】また、第2の誘導加熱調理器はダイオード
電流検知部を設けて、ダイオード電流を制限するから、
スイッチング素子に流れる電流が抑制され、スイッチン
グ素子が過電流から保護され、スイッチング素子のオン
状態での損失も軽減される。
【0075】さらに、第3の誘導加熱調理器は、電圧検
知部を設けて第1の共振コンデンサの電圧を制限する安
価な回路で間接的にスイッチング素子の電流を抑制で
き、そのオン損失を低減できる。
【0076】また、第4の誘導加熱調理器は、電圧検知
部を設けて第2の共振コンデンサの電圧を制限する安価
な回路で間接的にスイッチング素子の電流を抑制でき、
そのオン損失を低減できるとともに過電圧から保護され
る。
【0077】また、第5の誘導加熱調理器は第2の共振
コンデンサの電圧検知部と入力検知部とを設けて、第2
の共振コンデンサ電圧と入力を比較するから、誘導加熱
に不適な負荷を検知できる。
【0078】また、第6の誘導加熱調理器は第1の共振
コンデンサの容量を切り換え可能としたからスイッチン
グ素子及びダイオードの損失が低減され、非磁性体の負
荷でも高出力で加熱が可能である。
【0079】さらに第7の誘導加熱調理器によれば、ダ
イオード電流を検知して負荷の種類を判別し、低コスト
で信頼性の高い回路でスイッチング素子及びダイオード
の損失が低減でき、非磁性体の負荷でも高出力の加熱が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の手段による誘導加熱調理器の回
路構成図である。
【図2】図1の動作を説明する波形図である。
【図3】図1の導通比と入力との関係を示す。
【図4】図1の第1の手段による誘導加熱調理器の他の
回路構成図である。
【図5】本発明の第2手段による誘導加熱調理器の回路
構成図である。
【図6】本発明の第3手段による誘導加熱調理器の回路
構成図である。
【図7】本発明の第4手段による誘導加熱調理器の回路
構成図である。
【図8】図7の導通比と第2共振コンデンサ電圧(ピー
ク電圧)との関係を示す特性図である。
【図9】本発明の第5手段による誘導加熱調理器の回路
構成図である。
【図10】図9の入力に対する第2の共振コンデンサ電
圧(ピーク電圧)との関係を示す特性図である。
【図11】本発明の第6手段による誘導加熱調理器の回
路構成図である。
【図12】図11の動作を説明する波形図である。
【図13】本発明の第7手段による誘導加熱調理器の回
路構成図である。
【図14】図13の入力に対するダイオード電流(平均
値)の関係を示す特性図である。
【図15】従来の誘導加熱調理器の回路構成図である。
【図16】図15の動作を説明する波形図である。
【図17】図15の導通比と入力との関係を示す特性図
である。
【符号の説明】
2…インバータ回路、 3…逆電流阻止形の第1のスイ
ッチング素子、 4…逆電流導通形の第2のスイッチン
グ素子、 5…加熱コイル、 6,6a…第1の共振コ
ンデンサ、 7…制御回路、 8…第2の共振コンデン
サ、 9…ダイオード、 7a…駆動部、 7b…D電
流検知部、 7c…C1電圧検知部、7d…C2電圧検知
部、 7e…入力検知部、 7f…不適性負荷判定部、
7g…負荷検知部、 7h…C1切り換え部、 7i…
D電流検知部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱コイルと、それに直列接続した第1
    の共振コンデンサと、該第1の共振コンデンサに並列接
    続したダイオードと、逆電流阻止形の第1のスイッチン
    グ素子と逆電流導通形の第2のスイッチング素子と、該
    第2のスイッチング素子に並列に接続した第2の共振コ
    ンデンサとでなるインバータ回路と、一定の周波数で上
    記、第1、第2のスイッチング素子を交互に導通させ、
    かつ、その導通比を可変可能な駆動部を有する制御回路
    とにより構成したことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 【請求項2】 第1の共振コンデンサに並列接続したダ
    イオードに流れる電流を検知する、ダイオード電流検知
    部を設けたことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調
    理器。
  3. 【請求項3】 第1の共振コンデンサの電圧を検知す
    る、第1の共振コンデンサ電圧検知部を設けたことを特
    徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  4. 【請求項4】 第2の共振コンデンサの電圧を検知する
    第2の共振コンデンサの電圧検知部を設けたことを特徴
    とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  5. 【請求項5】 第2の共振コンデンサの電圧を検知する
    第2の共振コンデンサ電圧検知部と、入力を検知する入
    力検知部と、これら両検知部からの入力から不適性負荷
    を判定する判定部とを設けたことを特徴とする請求項1
    記載の誘導加熱調理器。
  6. 【請求項6】 第1の共振コンデンサの容量を切り換え
    可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の誘導加
    熱調理器。
  7. 【請求項7】 ダイオードに流れる電流を検知するダイ
    オード電流検知部を設け、該ダイオード電流検知部から
    の検知出力にもとづき第1の共振コンデンサの容量切り
    換えを行なう切り換え部を設けたことを特徴とする請求
    項1記載の誘導加熱調理器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5571438A (en) * 1994-03-14 1996-11-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Induction heating cooker operated at a constant oscillation frequency
KR100301463B1 (ko) * 1994-12-31 2001-10-22 구자홍 공진형고주파가열장치의인버터출력제어회로
JP2007097319A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 交直変換回路

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