JP3257017B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
誘導加熱調理器Info
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Description
の制御手段に特徴を有する発振周波数一定制御の誘導加
熱調理器に関する。
制御により出力制御を行うのが一般的であった。しかし
ながら多バーナの誘導加熱調理器で発振周波数可変制御
を行うと発振周波数の違いによって負荷の干渉音が発生
するという問題を有していた。
波数一定で出力制御する方法を検討し、特開平1−26
0785号公報に示すような構成を用いていた。以下、
その構成について図12を参照しながら説明する。
回路2に接続し、インバータ回路2により直流電流を高
周波電流に変換する。インバータ回路2は、逆導通形の
第1のスイッチング素子3、第2のスイッチング素子
4、加熱コイル5、共振コンデンサ6などで構成されて
いる。制御回路7は、インバータ回路2を制御するもの
で、第1のスイッチング素子3と第2のスイッチング素
子4を同一周波数でオン時間比を変えて交互に駆動する
駆動部7aなどで構成されている。
照しながら動作を説明すると、制御回路7内の駆動部7
aが一定周期T1で第1のスイッチング素子3と第2の
スイッチング素子4を交互に駆動し、第1のスイッチン
グ素子3のオン時間T2と第2のスイッチング素子4の
オン時間T3の時間比率を変化させることで出力Pinを
変化させていた。当然のことながら、T1=T2+T3と
なる。図13に第1のスイッチング素子3および第2の
スイッチング素子4の両端電圧(VCE),電流(IC)
波形を示し、図14に第1のスイッチング素子3のオン
時間T2と周期T1 との比T2/T1(以下、これを導通
比という)と出力Pinの関係を示している。図13(a)
は一出力における2周期(2×T1)分の動作波形で、
図13(b)はターンオン(VCE>0でスイッチング素子
をオンさせること)およびターンオフ(IC>0でスイ
ッチング素子をオフさせること)の時の動作の拡大波形
である。以上のように従来のインバータ構成および制御
方式では、発振周波数一定(T1 一定)のままで出力
(Pin)制御を行えるものであった。
加熱調理器では、図13の動作波形から判るように、ス
イッチング動作にターンオンおよびターンオフが現れる
モードがあるため、スイッチング素子に高速半導体を用
いたとしても、ターンオンおよびターンオフ時のスイッ
チング損失(スイッチング素子の両端電圧VCE×電流I
C)が大きくなって、スイッチング素子の冷却コストが
高く、小型化が難しいという課題を有していた。また、
スイッチング素子の両端電圧の変化(dVCE/dt)が
非常に急峻であるために、ノイズが大きくテレビの画像
等に悪影響を及ぼすと言う課題を有していた。
電位側と低電位側のスイッチング素子を交互にオンオフ
し、加熱コイルと共振コンデンサからなる共振回路に、
高周波電流を発生するインバータ回路において、スイッ
チング素子の損失およびスイッチング損失のオンオフに
伴う高周波ノイズを低減することを第1の目的としてい
る。
イッチング素子の損失およびスイッチング素子のオンオ
フに伴う高周波ノイズの低減を、負荷に対応して精度良
く行うことを第2の目的としている。
を達成するために、加熱コイルと、前記加熱コイルを含
み直流電源を高周波電流に変換するインバータ回路と、
前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とからな
り、前記インバータ回路は、前記直流電源の高電位側と
低電位側間に第1のスイッチング素子と第2のスイッチ
ング素子が直列に接続され、前記第2のスイッチング素
子の一端が前記直流電源の高電位側または低電位側に接
続されると共に、前記第2のスイッチング素子の他端と
前記直流電源の高電位側または低電位側に接続された前
記加熱コイルと第1の共振コンデンサの直列回路と、前
記第2のスイッチング素子に逆並列に接続された第1の
整流手段と、前記第2のスイッチング素子のオフ時に前
記加熱コイルと共振して前記第2のスイッチング素子に
共振電圧を印加する第2の共振コンデンサを備え、前記
制御回路は、前記第1のスイッチング素子と前記第2の
スイッチング素子を交互に駆動すると共に、前記第1の
スイッチング素子のオフタイミングと前記第2のスイッ
チング素子のオンタイミング間に第1の遅延時間を設定
し、前記第2のスイッチング素子のオフタイミングと前
記第1のスイッチング素子のオンタイミング間に第2の
遅延時間を設定してその駆動時間比を変化させる駆動時
間比制御手段を具備し、前記第1の共振コンデンサに並
列に、あるいは前記加熱コイルと前記第1の共振コンデ
ンサの接続点と前記直流電源の高電位側または低電位側
間に接続する第2の整流手段を設けると共に、前記第2
の整流手段は、前記第2のスイッチング素子を前記第2
のスイッチング素子に電流が流れている状態でオフすべ
く、前記加熱コイル及び前記第2のスイッチング素子に
流れる電流が減少すると導通して前記第1の共振コンデ
ンサに共振電流が流れないように接続されてなることを
第1の課題解決手段としている。
制御回路はインバータ回路の各部電圧または電流に応じ
て第1の遅延時間または第2の遅延時間を可変とする遅
延時間可変手段とを備えたことを第2の課題解決手段と
している。
に、制御回路は第2のスイッチング素子の両端電圧を微
分する微分回路を備え、第2の遅延時間を前記微分回路
の出力に応じて決定する構成とすることを第3の課題解
決手段としている。
高電位側の第1のスイッチング素子がオンし、加熱コイ
ルと第1の共振コンデンサに共振電流が発生する。第1
のスイッチング素子のオフにより、加熱コイルに発生す
る電圧は第2の共振コンデンサに共振電圧を印加して、
第1のスイッチング素子のターンオフを共振型とするこ
とができる。この後第1の整流手段に電流が流れて加熱
コイルと第1の共振コンデンサの共振が継続する。この
共振により発生する共振電流は反転し、駆動状態で待機
する第2のスイッチング素子に流れる。第2のスイッチ
ング素子に流れる電流が増加から、減少に転じると、加
熱コイルの発生する電圧が反転し、第1の共振コンデン
サに印可する電圧が所定の電圧に達し、第2の整流手段
に順方向電流が流れ導通して、第1の共振コンデンサに
流れ込む電流をバイパスする。この結果第2のスイッチ
ング素子と加熱コイルと第2の整流手段で構成される閉
回路に循環電流が流れる。この循環電流は加熱コイルに
蓄積されたエネルギーが、起電力として働き、第1の共
振コンデンサをその閉回路に含まず流れる電流であるの
で、共振による電流の減少がなくなり、電流の減少率が
大幅に減少する。この作用により、第1のスイッチング
素子のオン時間が短く、第2のスイッチング素子のオン
時間が長くなった場合、すなわち、第1のスイッチング
素子と第2のスイッチング素子の駆動時間比を小さくし
て、インバータの出力を小さくした場合において、第2
のバイパス手段が無い場合に比して、第2のスイッチン
グ素子のオフ時の電流を大きくできる。この結果、第2
の共振コンデンサに加熱コイルによる共振電圧を印加し
て、第2のスイッチング素子のターンオフを共振型にす
ることができるとともに、第2のスイッチング素子のオ
フ時の加熱コイルに発生する電圧レベルを大きくでき、
引き続き起こる、第1のスイッチング素子のターンオン
時に第2の共振コンデンサを、共振回路を介さず充電あ
るいは放電するターンオン電流の発生するモードを無く
する、あるいはそのターンオン電流を大幅に小さくする
ことができる。また、第1のスイッチング素子のオフタ
イミングと第2のスイッチング素子のオンタイミング間
に第1の遅延時間を設定し、第2のスイッチング素子の
オフタイミングと第1のスイッチング素子のオンタイミ
ング間に第2の遅延時間を設定するので、第2の共振コ
ンデンサの印加電圧が所定の電圧に到達するのに必要な
時間に対応した、適切なタイミングで第1のスイッチン
グ素子と第2のスイッチング素子を駆動して第1の共振
コンデンサを共振回路を介さず充電あるいは放電するタ
ーンオンモードの発生を防止、もしくはターンオン時の
前記充電あるいは放電電流レベルを大幅に小さくするこ
とができる。
インバータ回路の各部電圧または電流に応じて第1の遅
延時間または第2の遅延時間を可変とする遅延時間可変
手段とを備えているので、第1および第2のスイッチン
グ素子を負荷に応じて最適なタイミングでオンさせるこ
とができ、第1および第2のスイッチング素子をターン
オンの発生しないモードで動作させることができる、も
しくはターンオン時の前記充電あるいは放電電流レベル
を大幅に小さくすることができる。
は第2のスイッチング素子の両端電圧を微分する微分回
路を備え、第2の遅延回路の遅延時間を微分回路の出力
に応じて決定する構成としたので、駆動時間比が最小の
場合、すなわち、微弱出力時での動作において負荷によ
らず、第2のスイッチング素子の両端電圧が極大値とな
るタイミングで第1のスイッチング素子をオンさせるこ
とができ、第2の共振コンデンサの第1のスイッチング
素子による短絡電圧を精度良く最小化することができ
る。
ながら説明する。
タ回路11に接続し、インバータ回路11により直流電
流を高周波電流に変換する。インバータ回路11は、第
1のスイッチング素子12(本実施例では第1のダイオ
ード13を内蔵している)と、第2のスイッチング素子
14(本実施例では第2のダイオード15を内蔵してい
る)と、加熱コイル16と、第1の共振コンデンサ17
と、第2の共振コンデンサ18と、第3のダイオード1
9とで構成している。制御回路20は、2個のスイッチ
ング素子12、14を一定周波数で交互に駆動する駆動
部20aと、第1のスイッチング素子12のオフから第
2のスイッチング素子14のオンに遅延時間を設ける第
1の遅延回路20bと、第2のスイッチング素子14の
オフから第1のスイッチング素子12のオンに遅延時間
を設ける第2の遅延回路20cと、第1の遅延回路20
bで遅延させる遅延時間(以降、第1の遅延時間とい
う)のタイミングを検知する第1の遅延時間可変手段
(本実施例では電圧比較回路なので、以降、第1の比較
回路という)20dと、第2の遅延回路20cで遅延さ
せる遅延時間(以降、第2の遅延時間という)のタイミ
ングを検知する第2の遅延時間可変手段(本実施例では
電圧比較回路なので、以降、第2の比較回路という)2
0eで構成している。
しながら動作を説明すると、図2には、第1のスイッチ
ング素子12および第2のスイッチング素子14の両端
電圧(VCE),電流(IC)などの動作波形を示し、図
3には、第1のスイッチング素 子12のオン時間T2と
周期T1との比T2/T1(以下、これを導通比という)
と入力Pinの関係を示している。
のスイッチング素子12と第2のスイッチング素子14
を交互に駆動し、その導通比T2/T1を変えることによ
って入力Pinを制御している。本実施例のインバータ回
路11は、加熱コイル16と第1の共振コンデンサ17
との共振モード、加熱コイル16と第2の共振コンデン
サ18の共振モードなど、複数の共振モードを有してい
る。第1のスイッチング素子12または第2のスイッチ
ング素子14に電流が流れているときには、加熱コイル
16と第1の共振コンデンサ17との共振モードとなり
(ただし、第3のダイオード19が導通している期間は
第3のダイオード19−加熱コイル16−第2のスイッ
チング素子14−第3のダイオード19の循環電流であ
る)、第1のスイッチング素子12または第2のスイッ
チング素子14がオフしてから他方のスイッチング素子
に電流が流れ始めるまでが、加熱コイル16と第2の共
振コンデンサ18または第1の共振コンデンサ17と加
熱コイル15と第2の共振コンデンサ18との共振モー
ドとなる。
1のスイッチング素子12と並列に第2の共振コンデン
サ18を設けたことによって、第1および第2のスイッ
チング素子12、14のターンオフ時の電圧変化(dV
CE/dt)が小さく、ターンオフ時の損失つまり電圧電
流積(VCE×IC) を大幅に小さくしている。また、第
1のスイッチング素子12の両端電圧VCE1 を第2の比
較回路20eで検知して、VCE1=0Vとなるタイミン
グで第2の遅延回路20cに信号を送っていて、第2の
遅延回路20cにて、駆動部20aからのオン信号(図
2のA信号)を受けた後、第2の比較回路20eからの
信号がくるまでの間を第2の遅延時間として第1のスイ
ッチング素子12のオンを遅延させている(図2のC信
号)。同様に、第2のスイッチング素子14の両端電圧
VCE2 を第1の比較回路20dで検知して、VCE2=0
Vとなるタイミングで第1の遅延回路20bに信号を送
っていて、第1の遅延回路20bにて、駆動部20aか
らのオン信号(図2のB信号)を受けた後、第1の比較
回路20dからの信号がくるまでの間を第1の遅延時間
として第2のスイッチング素子14のオンを遅延させて
いる(図2のD信号)。したがって、第1および第2の
スイッチング素子12、14はVCE1≦0Vの間にオン
状態としているためターンオンは現れない。以上の動作
は、第3のダイオード19を接続したことでIC2に必ず
ターンオフが発生する(図2のIC2波形参照)→加熱コ
イル16と第2の共振コンデンサ18が共振する→VCE
2が上昇し、VCE1(=EーVCE2)≦0Vとなる状態が
できる→IC1にターンオンが発生しない、という動作で
可能となっている。
ッチング素子12と並列に第2の共振コンデンサ18を
設けたことによって、第1および第2のスイッチング素
子12、14のターンオフ時の電圧変化(dVCE/d
t)を小さくでき、ターンオフ時の損失つまり電圧電流
積(VCE×IC)とノイズを大幅に低減することができ
る。また、第3のダイオード19を接続し、第1および
第2の遅延回路20b、20cを設けたことで、第1お
よび第2のスイッチング素子12、14のスイッチング
動作にターンオンが発生せず、大幅な損失低減が図れる
(ターンオン損失=0W)。
ッチング素子12、14は、第1および第2のダイオー
ド13、15を内蔵しているが、当然分離して接続して
もよい。また、本実施例では第1および第2の遅延時間
可変手段を第1および第2の比較回路20d、20eと
し、第1および第2のスイッチング素子12、14の両
端電圧を比較する構成としたが、その他インバータ回路
部品の電圧もしくは電流または電圧変化もしくは電流変
化などを検出する構成でもよい。
照しながら説明する。なお、上記実施例と同じ構成のも
のは同一符号を付して説明を省略する。
スイッチング素子12、14を一定周波数で交互に駆動
する駆動部21aと、第1のスイッチング素子12のオ
フから第2のスイッチング素子のオン14に遅延時間を
設ける第1の遅延回路21bと、第2のスイッチング素
子14のオフから第1のスイッチング素子のオン12に
遅延時間を設ける第2の遅延回路21cと、第1の遅延
回路21bで遅延させる遅延時間(以降、第1の遅延時
間という)のタイミングを検知する第1の比較回路21
dと、第2の遅延回路21cで遅延させる遅延時間(以
降、第2の遅延時間という)のタイミングを検知する微
分回路21fで構成している。
しながら動作を説明すると、図5には第1のスイッチン
グ素子12および第2のスイッチング素子14の両端電
圧(VCE),電流(IC)などの中出力(本実施例では
約400W以上)での動作波形を示し、図6には微弱出
力(300W以下)での動作波形を示している。
する。微分回路21f以外は上記第1の実施例と同様の
動作を行うもので、図5に示す動作波形からわかるよう
に第1のスイッチング素子12と並列に第2の共振コン
デンサ18を設けたことによって第1および第2のスイ
ッチング素子12、14のターンオフ時の電圧変化(d
VCE/dt)が小さく、ターンオフ時の損失つまり電圧
電流積(VCE×IC)を大幅に小さくしている。また、
第2のスイッチング素子14の両端電圧VCE2を第1の
比較回路21dで検知してVCE2=0Vとなるタイミン
グで第1の遅延回路21bに信号を送っていて、第1の
遅延回路21bにて、駆動部21aからのオン信号(図
5のB信号)を受けた後、第1の比較回路21dからの
信号がくるまでの間を第1の遅延時間として第2のスイ
ッチング素子14のオンを遅延させている(図5のD信
号)。
端電圧VCE2の微分値(dVCE2/dt)を微分回路21
fで検知して、dVCE2/dt=0となるタイミングで
第2の遅延回路21cに信号を送っていて、第2の遅延
回路21cにて、駆動部21aからのオン信号(図5の
A信号)を受けた後、微分回路21fからの信号がくる
までの間を第2の遅延時間として第1のスイッチング素
子12のオンを遅延させている(図5のE信号)。した
がって、第1および第2のスイッチング素子12、14
は、VCE1≦0Vの間にオン状態としているためターン
オンは現れない。以上の動作は、第3のダイオード19
を接続したことでIC2に必ずターンオフが発生する(図
5のIC2波形参照)→加熱コイル16と第2の共振コン
デンサ18が共振する→VCE2が上昇し、VCE1(=Eー
VCE2)≦0Vとなる状態ができる→IC1にターンオン
が発生しない、という動作で可能となっている。以上が
中出力での動作で上記第1の実施例と同様の効果が得ら
れる。
図6に示すように、微弱出力ではIC2のターンオフ時の
電流が小さいために、VCE2の上昇が小さく電源電圧E
を越えなくなって、第2の共振コンデンサ18に電圧V
Aが残った状態で第1のスイッチング素子12をオンさ
せなくてはならなくなる。この動作は、第2の共振コン
デンサ18を第1のスイッチング素子12で短絡した動
作となる。したがって、第2の共振コンデンサ18に残
っている電圧VAのエネルギー(第2の共振コンデンサ
18の容量×VA2)/2が第1のスイッチング素子12
の損失として消費されることになる。よって、第1のス
イッチング素子12の損失を最低限に抑制するために
は、VAを最低限に抑制すればよい。本実施例では微分
回路21fによってdVCE2/dt=0となるタイミン
グ、つまりVCE2の極大値=VAの極小値のタイミングで
第2の遅延回路21cに信号を送って第1のスイッチン
グ素子12をオンさせているので、第2の共振コンデン
サ18を短絡したときのエネルギーが最も小さく、第1
のスイッチング素子12の損失を最も小さくできる。
実施例と同様に、ターンオフ時の損失つまり電圧電流積
(VCE×IC)とノイズを大幅に低減することができ
る。また、第3のダイオード19を接続し、第1および
第2の遅延回路21b、21cを設けたことで、中出力
では第1および第2のスイッチング素子12、14のス
イッチング動作にターンオンが発生せず、大幅な損失低
減が図れる(ターンオン損失=0)。さらには、微分回
路21fを設けたことで、微弱出力においても第1のス
イッチング素子12の損失を最低限に抑制できる。
照しながら説明する。なお、上記実施例と同じ構成のも
のは同一符号を付して説明を省略する。
スイッチング素子12、14を一定周波数で交互に駆動
する駆動部22aと、第1のスイッチング素子12のオ
フから第2のスイッチング素子のオン14に一定の遅延
時間(以降、第1の遅延時間という)を設ける第1の一
定時間遅延回路22gと、第2のスイッチング素子14
のオフから第1のスイッチング素子12のオンに一定の
遅延時間(以降、第2の遅延時間という)を設ける第2
の一定時間遅延回路22hで構成している。
ながら動作を説明すると、図8には第1のスイッチング
素子12および第2のスイッチング素子14の両端電圧
(VCE),電流(IC)などの中出力(本実施例では約
400W以上)での動作波形を示し、図9〜11には微
弱出力(300W以下)での動作波形を示している。
する。第1の一定時間遅延回路22gと第2の一定時間
遅延回路22h以外は、上記第1の実施例と同様の動作
を行うもので、図8に示す動作波形からわかるように、
第1のスイッチング素子12と並列に第2の共振コンデ
ンサ18を設けたことによって、第1および第2のスイ
ッチング素子12、14のターンオフ時の電圧変化(d
VCE/dt)が小さく、ターンオフ時の損失つまり電圧
電流積(VCE×IC) を大幅に小さくしている。また、
特性(磁性、非磁性など)の異なる鍋などの負荷を用い
ても、かならずVCE2≦0Vで第2のスイッチング素子
14がオンするように第1の一定時間遅延回路22gに
て第1の遅延時間を設定し、VCE1≦0Vで第1の スイ
ッチング素子12がオンするように第2の一定時間遅延
回路22hにて第2の遅延時間を設定している(中出力
では、VCE2≦0VおよびVCE1≦0Vの期間が長く、特
性の異なる負荷を用いても一定の遅延時間で上述の設定
が可能となる。特に、第2の遅延時間は微弱出力での動
作で決定される)。したがって、第1および第2のスイ
ッチング素子12、14はVCE1≦0Vの間にオン状態
としているためターンオンは現れない。以上の動作は、
第3のダイオード19を接続したことでIC2に必ずター
ンオフが発生する(図8のIC2波形参照)→加熱コイル
16と第2の共振コンデンサ18が共振する→VCE2が
上昇し、VCE1(=EーVCE2)≦0Vとなる状態ができ
る→IC1にターンオンが発生しない、という動作で可能
となっている。以上が中出力での動作で第1の実施例と
同様の効果が得られる。
9に示すように、微弱出力ではIC2のターンオフ時の電
流が小さいために、VCE2の上昇が小さく電源電圧Eを
越えなくなって、第2の共振コンデンサ18に電圧VA
が残った状態で第1のスイッチン グ素子12をオンさ
せなくてはならなくなる。この動作は、第2の共振コン
デンサ18を第1のスイッチング素子12で短絡した動
作となる。したがって、第2の共振コンデンサ18に残
っている電圧VAのエネルギー(第2の共振コンデンサ
18の容量×VA2)/2が第1のスイッチング素子12
の損失として消費されることになる。よって、第1のス
イッチング素子12の損失を最低限に抑制するために
は、VAを最低限に抑制すればよい。本実施例では第2
の一定時間遅延回路22hで遅延させる第2の遅延時間
を、VCE2の極大値が最も小さくなる負荷(最も結合の
よい負荷、以降、負荷Aとする)でのVCE2の極大値の
タイミングとしているため、負荷AのVAが他の負荷の
VAよりも大きくなる。つまり、他の負荷ではVCE2の極
大値と第1のスイッチング素子12のオンするタイミン
グがずれてはいるが(たとえば、VCE2の極大値が第1
のスイッチング素子12のオン信号より早い負荷では図
10のように、VCE2の極大値が第1のスイッチング素
子12のオン信号より遅い負荷では図11のように)、
それぞれのVAは負荷AのVAよりも小さくなる。したが
って、第2の共振コンデンサ18を短絡したときのエネ
ルギーを負荷Aで最も小さくでき、第1のスイッチング
素子12の損失を最も小さくできる。つまり、負荷Aで
のVAを最小にしたことで、第1のスイッチング素子1
2の損失最大値( =負荷Aでの損失最大値)を最小と
できる。当然ながら、第1の一定時間遅延回路22gと
第2の一定時間遅延回路22hは、インバータ回路11
からの帰還信号なしで構成できるため、簡単かつ低コス
トな回路で構成できる。
実施例と同様に、ターンオフ時の損失つまり電圧電流積
(VCE×IC)とノイズを大幅に低減することができ
る。また、第3のダイオード19を接続し、第1および
第2の一定時間遅延回路22g、22hを設けたこと
で、中出力では第1および第2のスイッチング素子1
2、14のスイッチング動作にターンオンが発生せず、
大幅な損失低減が図れる(ターンオン損失=0W)。さ
らには、第2の一定時間遅延回路22gで遅延させる第
2の遅延時間をVCE2の極大値が最も小さくなる負荷に
合わせたことによって、微弱出力においても第1のスイ
ッチング素子12の損失最大値を最低限に抑制できる。
合わせて、第1および第2の遅延時間の一方を可変と
し、他方を一定としても効果が得られることはいうまで
もない。
に限らず、高周波的に等価なインバータ回路構成であれ
ばよいことはいうまでもない。たとえば、図1において
第1の共振コンデンサ17は第3のダイオード19に並
列接続してもよく、第2の共振コンデンサ18は第2の
スイッチング素子14に並列に接続してもよく、それら
の組合せでもよい。さらには、第3のダイオード19を
第1の共振コンデンサ17に並列接続し(カソードを高
電位側)、第1のスイッチング素子12と第2のスイッ
チング素子14を入れ換えるなどの構成でも高周波的に
等価であるので同様の効果が得られる。
によれば、第1のスイッチング素子と第2のスイッチン
グ素子の導通比を変化させる駆動部を有しているので、
周波数一定で出力を連続可変でき、また、前記第1およ
び前記第2のスイッチング素子のオフ時に、前記加熱コ
イルと共振して前記第1および前記第2のスイッチング
素子に共振電圧を印加する第2の共振コンデンサを備え
ているので、第1および第2のスイッチング素子のター
ンオフ時の立ち上がりを共振形にでき、電圧変化(dV
/dt)を小さくでき、かつ加熱コイル及び第2のスイ
ッチング素子に流れる電流が減少すると導通して第1の
共振コンデンサに共振電流が流れないように接続されて
なる第2の整流手段を有したことで、第2のスイッチン
グ素子の電流減少率を大幅に抑制して、第2のスイッチ
ング素子に電流が流れた状態で第2のスイッチング素子
をターンオフさせ共振型のターンオフ動作を行えるとと
もに、第1の遅延時間と第2の遅延時間とを設けたこと
で、第1のスイッチング素子あるいは第2のスイッチン
グ素子のオフ後、第1の共振コンデンサと加熱コイルと
の共振により、第1のスイッチング素子あるいは第2の
スイッチング素子に印可する共振電圧が所定のレベルに
到達するのを待って、第2のスイッチング素子あるいは
第1のスイッチング素子をオンできるので、第1および
第2のスイッチング素子をターンオンの発生しないモー
ドで動作させる、あるいはターンオン時の電圧を最小限
に抑制することができ、第1および第2のスイッチング
素子のスイッチング損失およびノイズを大幅に低減でき
る誘導加熱調理器を提供できる。
部電圧または電流に応じて前記第1の遅延時間または前
記第2の遅延時間を可変とする遅延時間可変手段とを備
えたことで、微弱出力時での動作において負荷によらず
第2のスイッチング素子の両端電圧が極大値となるタイ
ミングで第1のスイッチング素子をオンさせることがで
き、第2の共振コンデンサの短絡電圧を最も小さくで
き、出力値によらず第1および第2のスイッチング素子
のスイッチング損失およびノイズを大幅に低減できる誘
導加熱調理器を提供できる。
子の両端電圧を微分する微分回路を備え、前記第2の遅
延時間を前記微分回路の出力に応じて決定する構成した
ことで、簡単な回路で構成でき、微弱出力時での動作に
おいて特定負荷にて第2のスイッチング素子の両端電圧
が極大値となるタイミングで第1のスイッチング素子を
オンさせることができ、第2の共振コンデンサの短絡電
圧を最も小さくでき、出力値によらず第1および第2の
スイッチング素子のスイッチング損失およびノイズを大
幅に低減できる誘導加熱調理器を提供できる。
図
図
図
作波形図
の動作波形図
の動作波形図
導加熱調理器の動作波形拡大図
Claims (3)
- 【請求項1】 加熱コイルと、前記加熱コイルを含み直
流電源を高周波電流に変換するインバータ回路と、前記
インバータ回路の動作を制御する制御回路とからなり、
前記インバータ回路は、前記直流電源の高電位側と低電
位側間に第1のスイッチング素子と第2のスイッチング
素子が直列に接続され、前記第2のスイッチング素子の
一端が前記直流電源の高電位側または低電位側に接続さ
れると共に、前記第2のスイッチング素子の他端と前記
直流電源の高電位側または低電位側に接続された前記加
熱コイルと第1の共振コンデンサの直列回路と、前記第
2のスイッチング素子に逆並列に接続された第1の整流
手段と、前記第2のスイッチング素子のオフ時に前記加
熱コイルと共振して前記第2のスイッチング素子に共振
電圧を印加する第2の共振コンデンサを備え、前記制御
回路は、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイ
ッチング素子を交互に駆動すると共に、前記第1のスイ
ッチング素子のオフタイミングと前記第2のスイッチン
グ素子のオンタイミング間に第1の遅延時間を設定し、
前記第2のスイッチング素子のオフタイミングと前記第
1のスイッチング素子のオンタイミング間に第2の遅延
時間を設定してその駆動時間比を変化させる駆動時間比
制御手段を具備し、前記第1の共振コンデンサに並列
に、あるいは前記加熱コイルと前記第1の共振コンデン
サの接続点と前記直流電源の高電位側または低電位側間
に接続する第2の整流手段を設けると共に、前記第2の
整流手段は、前記第2のスイッチング素子を前記第2の
スイッチング素子に電流が流れている状態でオフすべ
く、前記加熱コイル及び前記第2のスイッチング素子に
流れる電流が減少すると導通して前記第1の共振コンデ
ンサに共振電流が流れないように接続されてなる誘導加
熱調理器。 - 【請求項2】 制御回路はインバータ回路の各部電圧ま
たは電流に応じて第1の遅延時間または第2の遅延時間
を可変とする遅延時間可変手段とを備えた前記請求項1
記載の誘導加熱調理器。 - 【請求項3】 制御回路は第2のスイッチング素子の両
端電圧を微分する微分回路を備え、第2の遅延時間を前
記微分回路の出力に応じて決定する構成とした前記請求
項1記載の誘導加熱調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5334992A JP3257017B2 (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 誘導加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5334992A JP3257017B2 (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 誘導加熱調理器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05258847A JPH05258847A (ja) | 1993-10-08 |
JP3257017B2 true JP3257017B2 (ja) | 2002-02-18 |
Family
ID=12940304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5334992A Expired - Lifetime JP3257017B2 (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 誘導加熱調理器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3257017B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100301463B1 (ko) * | 1994-12-31 | 2001-10-22 | 구자홍 | 공진형고주파가열장치의인버터출력제어회로 |
KR100495726B1 (ko) | 2000-01-13 | 2005-06-16 | 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 | 유도 가열 조리기 |
-
1992
- 1992-03-12 JP JP5334992A patent/JP3257017B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05258847A (ja) | 1993-10-08 |
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