JP3730594B2 - 電磁誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる材質の被加熱物に対し所望の電力を効率良く供給し誘導加熱を行うインバータ方式の電磁誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、火を使わずに鍋などの被加熱物を加熱するインバータ方式の電磁誘導加熱装置が広く用いられるようになってきている。電磁誘導加熱装置は、加熱コイルに高周波電流を流し、コイルに近接して配置された鉄やステンレスなどの材質で作られた被加熱物に渦電流を発生させ、被加熱物自体の電気抵抗により発熱させる。
【0003】
この電磁誘導加熱装置は、被加熱物の温度制御が可能で安全性が高いことから、新しい熱源として認知されている。従来、システムキッチン等に組み込まれる電気調理器には、シーズヒータやプレートヒータ、ハロゲンヒータ等の抵抗体を熱源としたものが使われていたが、近年では、一部を誘導加熱調理器に置き換えたもの、あるいは2口以上を誘導加熱調理器にしたものに代わりつつある。
【0004】
このような電磁誘導加熱装置の従来例として、特開平2001−126853号公報(以下公知例1という)に開示されるような誘導加熱調理器がある。この公知例1は商用交流電源を整流平滑して直流電圧に変換し、ハーフブリッジ型のインバータにより加熱コイルに高周波電流を供給して、コイルに近接して配置された被加熱物を誘導加熱する。
【0005】
更に、特開2000−48945号公報(以下公知例2という)に開示されるような電磁調理器は、加熱コイルの巻数を切替えて共振回路の回路定数を変更する定数変更手段を設け被加熱物を定格入力で加熱する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知例1では、低抵抗の被加熱物に十分な電力を供給するには加熱コイルに大きな電流を流す必要があり、加熱コイルの発熱やスイッチング素子の損失増加を招き加熱効率が低下する。図20は、加熱コイル側からみたコイル及び磁気結合している被加熱物の等価インピーダンスを示しており、横軸は等価インダクタンス、縦軸は等価抵抗を表している。等価インピーダンスは被加熱物の材質によって大きく異なり、材質が鉄製の被加熱物は図中の(1)、ステンレス製の被加熱物は(2)、アルミ製の被加熱物は(3)のような特性を示す。一般的に(1)のような高抵抗の被加熱物が誘導加熱に適している。図21は図20に示した等価インピーダンスの特性を有する被加熱物(1)と(2)の入力電力と共振電流の関係を表している。このように前記公知例1では、目的とする入力電力を2kWとした場合、被加熱物(1)では約40Aの共振電流を加熱コイルに流すことによって出力は得られるが、被加熱物(2)では抵抗が小さい為に約55Aの電流を流す必要がある。
【0007】
また、前記公知例2では、リレーを使用し共振回路の回路定数を切替えるため、リレーの接点寿命の問題や電流容量の大きい高価で大型化のリレーを必要とする等の問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題に対処し、電流容量の大きい高価で大型化のリレーを用いることなく、異なる材質の被加熱物に対し所望の電力を効率良く供給することができ、リレーの接点寿命の問題や大電流の入.切による電圧変動の悪影響がないインバータ方式の電磁誘導加熱装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被加熱物を含む共振回路と、直流電圧を交流電圧に変換して前記共振回路に電力を供給するインバータとを備え、該インバータは直列に接続される少なくとも2個のスイッチング素子で構成される上下アームを有してなる電磁誘導加熱装置にあって、前記2個のスイッチング素子が互いに直列に接続されているところを出力端子と前記直流電源の何れか一方の極端との間に前記共振回路を構成する加熱コイルと共振キャパシタを接続し、前記出力端子と他の上下アームの出力端子との間に前記共振回路を構成する他の加熱コイルを接続し、各上下アームのスイッチング素子を駆動するドライブ回路と、これらのドライブ回路を制御する制御回路を備え、被加熱物の材質や所望する入力電力に応じて駆動するドライブ回路を選択することによって達成できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、図1、図2を引用して本発明の第1の実施例ついて説明する。
【0011】
図1は本発明の第1の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路構成図である。
【0012】
図1において、商用交流電源1は整流回路2に印加され全波整流された後、インダクタ3及びキャパシタ4で構成された平滑回路で直流電圧に変換される。この変換された直流電圧の直流電源は、キャパシタ4の正電極側をp点とし、負電極側をo点とする。このp点とo点間には、2つのスイッチング素子10a,10bで構成された上下アーム10と2つのスイッチング素子20a,20bで構成された上下アーム20及び2つのスイッチング素子30a,30bで構成された上下アーム30が接続されている。
【0013】
上下アーム10のスイッチング素子10a,10bの接続点、即ち出力端子をt点とすると、t点とo点間には第1の加熱コイル5とキャパシタ6で構成された共振回路60が接続されており、上下アーム20のスイッチング素子20a,20bの接続点をs点とすると、s点とt点間には第2の加熱コイル7が接続されている。
【0014】
また、上下アーム30のスイッチング素子30a,30bの接続点をa点とすると、a点とs点間には第3の加熱コイル9が接続されている。上下アーム10,20,30の各スイッチング素子はそれぞれドライブ回路61,62,63によって駆動され、直流電圧を高周波の交流電圧に変換する。
【0015】
電流検出素子71は、共振回路に流れる電流を検出し、共振電流検出回路72は、電流検出素子71の出力信号レベルを制御回路70の入力レベルに適した信号に変換する。また、電流検出素子73は、商用交流電源1から入力する電流を検出し、入力電流検出回路74は電流検出素子73の出力信号レベルを制御回路70の入力レベルに適した信号に変換する。入力電力設定部75は、使用者が入力電力を設定するためのインターフェースであり、設定された出力に応じて制御回路70に信号を送る。
【0016】
制御回路70は入力電流と共振電流の関係から被加熱物の材質や状態を判断し、加熱動作の開始又は停止を行う。更に、入力電力設定部75からの出力信号に応じてドライブ回路を選択しながら電力制御を行う。
【0017】
図2は加熱コイルの巻数と等価抵抗の関係を示しており、巻数を増やすと磁束が大きくなり、コイル側からみた被加熱物の等価抵抗は増加する。図2において、前述したように等価抵抗は被加熱物の材質によって大きく異なり、材質が鉄製の被加熱物は図中の(1)、ステンレス製の被加熱物は(2)、アルミ製の被加熱物は(3)のような特性を示す。被加熱物が(1)のような高抵抗の場合、加熱コイルの巻数は少なくても良いが、被加熱物が(3)のような低抵抗の場合、加熱効率を上げるためにはコイルの巻数を増やし等価抵抗を大きくすることが効果的である。
【0018】
図1において、被加熱物が加熱コイルに近接して配置され、使用者が加熱動作の操作を行うと、制御回路70は共振電流検出回路72と入力電流検出回路74からの信号を比較して被加熱物の材質を検知し、材質に応じて駆動するドライブ回路を選択して制御する。
【0019】
材質の検知は、過電流や過電圧の発生を防ぐために低電力かつ短時間で実施する必要がある。本発明において材質検知の初期段階では、加熱コイル5,7,9を用い最も巻数の多い条件で行う。これにより、共振回路のインピーダンスは大きくなり過電流及び過電圧の発生を抑制することができる。
【0020】
図1において、材質の検知を行った結果、主に鉄製の材質で作られた被加熱物と判断した場合について説明する。使用者が高出力加熱の設定を行うと、制御回路70はドライブ回路61を駆動して上下アーム10のスイッチング素子10a,10bを交互にオンオフし、加熱コイル5とキャパシタ6に高周波電流を供給する。
【0021】
このとき、上下アーム20及び上下アーム30の動作は停止させる。低出力加熱の場合には、制御回路70は設定出力に応じてドライブ回路62又は63を駆動して上下アーム20又は上下アーム30を制御する。上下アーム20が選択された時は、加熱コイル5,7に高周波電流が供給され、上下アーム30が選択された時は、加熱コイル5,7,9全てに高周波電流が供給される。このように、設定出力に応じて巻数を増やし等価抵抗の増加分を利用して電流を減らすことにより、コイルやスイッチング素子の損失を抑えることができる。これにより、効率の高い誘導加熱を実現することが可能となる。
【0022】
次にステンレス製の材質で作られた被加熱物と判断した場合について説明する。使用者が高出力加熱の操作を行うと、制御回路70はドライブ回路62を駆動して上下アーム20のスイッチング素子20a,20bを交互にオンオフし、加熱コイル5,7とキャパシタ6に高周波電流を供給する。このとき、上下アーム10及び上下アーム30の動作は停止させる。低出力加熱の場合には、制御回路70はドライブ回路63を駆動して上下アーム30を制御する。上下アーム30が動作を開始すると高周波電流は加熱コイル5,7,9全てに供給される。
【0023】
次にアルミ製の材質で作られた被加熱物と判断した場合について説明する。制御回路70はドライブ回路63を駆動して上下アーム30のスイッチング素子30a,30bを交互にオンオフし、加熱コイル5,7,9とキャパシタ6に高周波電流を供給する。このとき、上下アーム10及び上下アーム20の動作は停止させる。
【0024】
このように被加熱物の材質や設定出力に応じて駆動するアームを選択することにより、加熱コイルの巻数を変え共振電流の増加を抑えて加熱効率を上げることができる。また、共振用のキャパシタ6は駆動するアームに関わらず共用できるため、部品数の増加を抑えることが可能である。また従来のような電流容量の大きい高価で大型化のリレーを用いることなく実現できるので、接点寿命の問題や大電流の入.切による電圧変動の悪影響がない電磁誘導加熱装置を提供できる。
【0025】
図1において、加熱コイル9は上下アーム20と上下アーム30の出力端子間に接続されているが、上下アーム10と上下アーム30の出力端子間に接続しても構わない。この場合、加熱コイル9の等価インピーダンスが加熱コイル7よりも大きくなるように巻数を設定することにより、上記同様の効果が得られる。また、図1の形態は3つの加熱コイル5,7,9を用いて、鉄、ステンレス、アルミ製の被加熱物及びこれらの材質を組み合わせて作られた被加熱物を加熱対象とした回路構成であるが、最も加熱し難い銅製の被加熱物を加熱するために、アーム及び加熱コイルを更に増やした構成でも構わない。
【0026】
第2の実施例について図3を引用して説明する。
【0027】
図3は本発明の第2の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路構成図であり、2つの加熱コイル5,7(第1の加熱コイル、第2の加熱コイル)を用いて主に鉄やステンレス製の被加熱物及びこれらの材質を組み合わせて作られた被加熱物を加熱対象とした回路構成である。図1と同一部分については同一符号を付しており説明は省略する。
【0028】
図3において、上下アーム10,20のスイッチング素子はパワー半導体スイッチング素子であるIGBTを用いており、上下アーム10は直列に接続されたIGBT11とIGBT13により構成され、上下アーム20は直列に接続されたIGBT21とIGBT23により構成されている。
【0029】
上下アーム10のIGBT11,13にはそれぞれダイオード12,14が逆並列に接続されている。同様に上下アーム20のIGBT21,23にはそれぞれダイオード22,24が逆並列に接続されている。
【0030】
一般にIGBTは逆方向の耐圧が低いため、逆並列にダイオードを設ける。上下アーム10の下アームには、キャパシタ17とIGBT18が直列に接続され、IGBT18にはダイオード19が逆並列に接続されている。
【0031】
同様に上下アーム20の下アームには、キャパシタ43とIGBT44が直列に接続され、IGBT44にはダイオード45が逆並列に接続されている。IGBT18,44はそれぞれドライブ回路64,65によって駆動され、キャパシタ17,43の通電を制御する。
【0032】
図4は図3の加熱コイル5,7の構成を示す平面図である。
【0033】
加熱コイル5は導線を渦巻状に巻いた構造であり、加熱コイル5の外側に加熱コイル7が巻かれ、加熱コイル5と加熱コイル7はb点で接続されている。加熱コイル5,7の下面には磁性体81が放射状に設けられており、コイルから発生する磁束がコイルの下側へ広がることを防いでいる。
【0034】
図5は図4に示す平面図のA−A’における加熱コイル部の断面図である。
【0035】
加熱コイル5,7はコイル支持ベース80の上面に設けられており、被加熱物90を載せるプレート82の下側に配置されている。加熱コイル5,7には図3で示した回路により高周波電流が供給され、コイルから発生した磁束が被加熱物に鎖交し渦電流が流れ、被加熱物自体の電気抵抗により発熱させる。前述したように加熱コイル5,7の下面にはコイル支持ベース80に接着された磁性体81が設けられている。
【0036】
次に図6に示すタイミングチャートを用いて図3の動作を説明する。
【0037】
図6は主に鉄製の材質で作られた被加熱物を高出力で加熱した場合の波形を示している。図3において、鉄製の被加熱物と判断されると制御回路70はドライブ回路61を駆動して上下アーム10を制御し主に加熱コイル5を用いて加熱動作を行う。ここで、上下アーム10を駆動する場合、上下アーム20のIGBT21,23,44はオフする。一方、上下アーム20を駆動する場合は上下アーム10のIGBT11,13,18をオフする。
【0038】
図3及び図6において、インバータの電源電圧、即ち直流電圧はVpとし、IGBT11,13のコレクタ−エミッタ間の電圧はそれぞれVa1,Vb1とする。また、IGBT11及びダイオード12に流れる電流はIa1、IGBT13及びダイオード14に流れる電流はIb1とする。加熱コイル5に流れる電流はIL5とし、図3のt点から加熱コイル5の方向を正と定義する。また、加熱コイル7に流れる電流はIL7とし、図3のs点から加熱コイル7の方向を正と定義する。
【0039】
図3において、IGBT11の駆動信号がオンになり加熱コイル5の蓄積エネルギーがゼロになると共振電流IL5の極性が負から正に変わり、IGBT11、加熱コイル5、キャパシタ6の経路で共振電流IL5が流れる。
【0040】
一方、加熱コイル7は加熱コイル5及び被加熱物と磁気的に結合しているため、加熱コイル7には誘導電圧が発生する。そのため、上下アーム20のダイオード22は順方向の電圧が印加され、加熱コイル7、ダイオード22、IGBT11の経路で誘導電流IL7が流れる。図4に示すように実線で表した共振電流IL5に対し誘導電流IL7は破線で示すように逆向きの電流となる。従って、上下アーム10のIGBT11には、正極性の共振電流IL5と負極性の誘導電流IL7が流れる。
【0041】
次にIGBT11の駆動信号がオフになると、共振電流IL5は正の極性、誘導電流IL7は負の極性を有しており、これらの電流は上下アーム10のダイオード19を介してキャパシタ17を流れ、キャパシタ17は放電される。
【0042】
従って、IGBT13のコレクタ−エミッタ間の電圧Vb1、即ち出力電圧は徐々に低下する。その後、ダイオード14に順方向の電圧が印加されると共振電流IL5は環流電流として加熱コイル5、キャパシタ6、ダイオード14の経路で流れ続ける。一方、誘導電流IL7はダイオード14、加熱コイル7、ダイオード22の経路で流れ、加熱コイル7の蓄積エネルギーは放電される。
【0043】
次にIGBT13の駆動信号がオンになり加熱コイル5の蓄積エネルギーがゼロになると共振電流IL5の極性が正から負に変わり、キャパシタ6、加熱コイル5、IGBT13の経路で共振電流IL5が流れる。一方、加熱コイル7には誘導電圧が発生し、上下アーム20のダイオード24は順方向の電圧が印加され、加熱コイル7、IGBT13、ダイオード24の経路で誘導電流IL7が流れる。従って、上下アーム10のIGBT13には、負極性の共振電流IL5と正極性の誘導電流IL7が流れる。
【0044】
次にIGBT13の駆動信号がオフになると、共振電流IL5は負の極性、誘導電流IL7は正の極性を有しており、これらの電流は上下アーム10のIGBT18を介してキャパシタ17を流れ、キャパシタ17は充電される。
【0045】
従って、IGBT13のコレクタ−エミッタ間の電圧Vb1、即ち出力電圧は徐々に高くなる。その後、ダイオード12に順方向の電圧が印加されると共振電流IL5は環流電流としてキャパシタ6、加熱コイル5、ダイオード12の経路で流れ続ける。
【0046】
一方、誘導電流IL7はダイオード24、加熱コイル7、ダイオード12の経路で流れ、加熱コイル7の蓄積エネルギーは放電される。このように、高抵抗の被加熱物を高出力で加熱する場合は、上記の動作を繰り返すことによって、加熱コイルに高周波電流を供給することができる。図3において、上下アーム10のキャパシタ17、IGBT18、ダイオード19と上下アーム20のキャパシタ43、IGBT44、ダイオード45は上アームに接続しても、前述のような効果は得られる。
【0047】
前述したように、加熱コイル5と加熱コイル7は磁気的に結合している為、加熱コイル5に電流を流すと、加熱コイル7に誘導電圧が発生し上下アーム20のダイオード22,24を介して上下アーム10のIGBT11,13に誘導電流が重畳する。誘導電流を抑制するには、磁気的な結合を弱めることが有効である。
【0048】
第3の実施例3について図7を引用して説明する。
【0049】
図7は本発明の第3の実施形態である電磁誘導加熱装置の加熱コイル部の断面図である。
【0050】
図7において、加熱コイル5,7の下面には磁性体83,84がそれぞれ分離して設けられている。また、加熱コイル5と加熱コイル7の間には磁性体85が設けられており磁性体83に接している。これにより、加熱コイル5から発生する磁束は被加熱物90の方に導かれるため、加熱コイル7に鎖交する磁束は低減する。加熱コイル7の外側には磁性体86が設けられており磁性体84に接している。これは加熱コイル7から発生する磁束がコイルの外側へ広がることを防いでいる。
【0051】
図3において鉄製の被加熱物を低出力で加熱する場合には、制御回路70はドライブ回路62を駆動して上下アーム20を制御する。上下アーム20が動作を開始すると高周波電流は加熱コイル5,7に供給される。また、ステンレス製の被加熱物を加熱する場合においても、制御回路70はドライブ回路62を駆動して上下アーム20を制御し加熱コイル5と加熱コイル7を用いて加熱動作を行う。
【0052】
第4の実施例について図8を引用して説明する。
【0053】
図8は本発明の第4の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【0054】
整流回路及び平滑回路は省略しインバータ部のみ示す。また、図3と同一部分については同一符号を付しており説明は省略する。
【0055】
図8において、上下アーム20のダイオード22,24にはそれぞれ逆直列にダイオード26,28が接続され、ダイオード26,28にはそれぞれ逆並列にIGBT25,27が接続されている。また、上下アーム20のIGBT21,23にはそれぞれ並列にキャパシタ29,31が接続されている。
【0056】
これにより、IGBT21,23がターンオフした時にコレクタとエミッタ間に印加される電圧の変化は低減され、ターンオフ損失を低減することが可能となる。同様に上下アーム10のIGBT11,13にもそれぞれ並列にキャパシタ15,16が接続されており、コレクタとエミッタ間に印加される電圧変化は低減される。
【0057】
前述したように、加熱コイル5と加熱コイル7は磁気的に結合している為、上記図3においては、上下アーム10を駆動して加熱コイル5に電流を流すと、加熱コイル7に誘導電圧が発生し、誘導電流IL7が上下アーム20のダイオード22,24を介して上下アーム10のIGBT11,13に重畳する。図8においては、上下アーム10を駆動した場合、上下アーム20のIGBT25,27をオフすれば、誘導電流はダイオード26,28で遮断される。一方、上下アーム20を駆動した場合、上下アーム20のIGBT25,27をオンすれば、環流電流はキャパシタ6、加熱コイル5、加熱コイル7、ダイオード22、IGBT25の経路、又は加熱コイル7、加熱コイル5、キャパシタ6、ダイオード24、IGBT27の経路で流れる。
【0058】
ここで、加熱コイル7の電流は加熱コイル5と上下アーム10に設けたキャパシタ15及び16に分流するが、キャパシタ15,16の容量は小さくリアクタンスは大きいため、加熱コイル5に流れる電流のほうが両キャパシタに流れる電流よりも大きくなる。
【0059】
この第4の実施例は、二つの上下アーム10,20および二つの加熱コイル5,7を示されているが、被加熱物の材質の多様化に備え、上下アームおよび加熱コイルを更に追加する構成にすることも可能である。
【0060】
第5の実施例について図9を引用して説明する。
【0061】
図9は本発明の第5の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【0062】
整流回路及び平滑回路は省略しインバータ部のみ示す。また、図8と同一部分については同一符号を付しており説明は省略する。
【0063】
図9において、上下アーム10のt点とo点間には、キャパシタ17とIGBT18が直列に接続され、IGBT18にはダイオード19が逆並列に接続されている。上下アーム10を駆動し鉄製の被加熱物を高出力で加熱する場合、IGBT18をオンすることによりキャパシタ17は下アームに接続され、IGBT11,13がターンオフした時に両IGBTのコレクタとエミッタ間に印加される電圧の変化は低減される。一方、上下アーム20を駆動した場合、IGBT18をオフすることによりキャパシタ17は下アームより切り離されるため、加熱コイル7の電流がキャパシタ17に分流して流れることは避けられる。図9において、キャパシタ17とIGBT18及びダイオード19は上アームに接続しても、前述のような効果は得られる。
【0064】
この第5の実施例は、二つの上下アーム10,20および二つの加熱コイル5,7を示されているが、被加熱物の材質の多様化に備え、上下アームおよび加熱コイルを更に追加する構成にすることも可能である。
【0065】
第6の実施例について図10を引用して説明する。
【0066】
図10は本発明の第6の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【0067】
整流回路及び平滑回路は省略しインバータ部のみ示す。また、図9と同一部分については同一符号を付しており説明は省略する。
【0068】
前述の図8及び図9は誘導電流の経路を遮断するために上下アーム20にダイオード26及び28を設けており、上下アーム20を駆動した場合、ダイオード26,28の損失が発生する。図10は上下アーム20の上アームに、逆方向の耐圧を有する逆電流阻止形のIGBT32が接続されており、上記図8及び図9のダイオード26とIGBT21が1個のIGBTに置き換えられている。
【0069】
これにより、ダイオード26の損失分は低減するため変換効率は向上する。同様に、下アームにも逆電流阻止形のIGBT33が接続されており、上記図8及び図9のダイオード28とIGBT23が1個のIGBTに置き換えられている。また、上アームのIGBT32には逆並列に逆電流阻止形のIGBT34が接続されており、図8及び図9のダイオード22とIGBT25が1個のIGBTに置き換えられている。これにより、ダイオード22の損失分は低減される。
【0070】
一方、下アームにはダイオード37と38が逆直列に接続されており、ダイオード37には逆並列にIGBT36が接続されている。また、ダイオード38には並列にキャパシタ39が接続されている。
【0071】
図10において、上下アーム10を駆動した場合、上下アーム20のIGBT34,36をオフすれば、誘導電流はIGBT32,33で遮断される。一方、上下アーム20を駆動した場合、IGBT34,36をオンすれば、環流電流はキャパシタ6、加熱コイル5、加熱コイル7、IGBT34の経路、又は加熱コイル7、加熱コイル5、キャパシタ6、ダイオード38、IGBT36の経路で流れる。
【0072】
キャパシタ39はIGBT32又は33がターンオフした際、ダイオード37又はIGBT36を介して充放電される。これにより、上下アーム20のs点の電圧、即ち出力電圧の変化は低減される。図10において、上下アーム20の上下アームの構成を逆にしても、上記同様の動作を実現することができる。
【0073】
この第6の実施例は、二つの上下アーム10,20および二つの加熱コイル5,7を示されているが、被加熱物の材質の多様化に備え、上下アームおよび加熱コイルを更に追加する構成にすることも可能である。
【0074】
第7の実施例について図11を引用して説明する。
【0075】
図11は本発明の第7の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【0076】
整流回路及び平滑回路は省略しインバータ部のみ示す。また、図10と同一部分については同一符号を付しており説明は省略する。
【0077】
図11において、下アームのIGBT33には逆並列に逆電流阻止形のIGBT35が接続されており、図8及び図9のダイオード24とIGBT27又は図10のダイオード38とIGBT36が1個のIGBTに置き換えられた構成になっている。また、上下アーム20の下アームには、キャパシタ43とIGBT44が直列に接続され、IGBT44にはダイオード45が逆並列に接続されている。
【0078】
図11において、上下アーム10を駆動した場合、上下アーム20のIGBT34,35をオフすれば、誘導電流はIGBT32,33で遮断される。また、IGBT44をオフすることによりキャパシタ43は下アームより切り離されるため、誘導電流の流れる経路は遮断される。一方、上下アーム20を駆動した場合、IGBT34,35をオンすれば、環流電流はキャパシタ6、加熱コイル5、加熱コイル7、IGBT34の経路、又は加熱コイル7、加熱コイル5、キャパシタ6、IGBT35の経路で流れる。
【0079】
また、IGBT44をオンすることにより、キャパシタ43はIGBT32又は33がターンオフした際、IGBT44又はダイオード45を介して充放電される。これにより、上下アーム20のs点の電圧、即ち出力電圧の変化は低減される。図11において、キャパシタ43とIGBT44及びダイオード45は上下アーム20の上アームに接続しても、前述のような効果は得られる。
【0080】
この第7の実施例は、二つの上下アーム10,20および二つの加熱コイル5,7を示されているが、被加熱物の材質の多様化に備え、上下アームおよび加熱コイルを更に追加する構成にすることも可能である。
【0081】
第8の実施例について図12を引用して説明する。
【0082】
図12は本発明の第8の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【0083】
整流回路及び平滑回路は省略しインバータ部のみ示す。
【0084】
図12において、上下アーム20の上アームには逆電流阻止形のIGBT32が接続され、下アームには逆電流阻止形のIGBT33が接続されている。また、下アームにはキャパシタ43とIGBT44が直列に接続され、IGBT44にはダイオード45が逆並列に接続されている。
【0085】
次に図13を用いて図12の動作を説明する。図13は、上下アーム20を駆動した場合の波形を示している。ここで、上下アーム20を駆動する場合、上下アーム10のIGBT11,13,18はオフ状態となっており、加熱コイル5,7を用いた加熱動作となる。
【0086】
一方、上下アーム10を駆動する場合は上下アーム20のIGBT32,33,44をオフする。図12及び図13において、IGBT32,33に流れる電流はそれぞれIa2,Ib2とし、キャパシタ43に流れる電流はIsb2とする。また、上下アーム20のs点の出力電圧はVsとする。加熱コイル5,7に流れる共振電流はそれぞれIL5,IL7とし、図12の矢印の方向を正と定義する。
【0087】
図12において、IGBT32の駆動信号がオンになり加熱コイル5,7の蓄積エネルギーがゼロになると共振電流IL5,IL7の極性が負から正に変わる。このとき上下アーム20の出力電圧Vsがp点の電圧Vp、即ちインバータの電源電圧より高くなるようにキャパシタ43の値が設定されていれば、IGBT32には逆電圧が印加されるため電流は流れない。
【0088】
従って、共振電流IL5,IL7はキャパシタ43、加熱コイル7、加熱コイル5、キャパシタ6、ダイオード45の経路で流れる。出力電圧Vsがインバータの電源電圧Vp以下になると、IGBT32は導通状態となり、共振電流IL5,IL7はIGBT32、加熱コイル7、加熱コイル5、キャパシタ6の経路で流れる。
【0089】
次にIGBT32の駆動信号がオフになると、共振電流IL5,IL7は正の極性を有しており、加熱コイル7,加熱コイル5,キャパシタ6,ダイオード45,キャパシタ43の経路で流れ続ける。
【0090】
次にIGBT33の駆動信号がオンになり加熱コイル5,7の蓄積エネルギーがゼロになると共振電流IL5,IL7の極性が正から負に変わる。このとき上下アーム20の出力電圧Vsは、o点の電圧より低くなっており、IGBT33には逆電圧が印加されるため電流は流れない。そのため、共振電流IL5,IL7はキャパシタ6、加熱コイル5、加熱コイル7、キャパシタ43、IGBT44の経路で流れる。出力電圧Vsがo点の電圧より高くなると、IGBT33は導通状態となり、共振電流IL5,IL7はキャパシタ6、加熱コイル5、加熱コイル7、IGBT33の経路で流れる。
【0091】
次にIGBT33の駆動信号がオフになると、共振電流IL5,IL7は負の極性を有しており、加熱コイル5,加熱コイル7,キャパシタ43,IGBT44,キャパシタ6の経路で流れ続ける。このように、上記の動作を繰り返すことによって、加熱コイルに高周波電流を供給することができる。図12において、キャパシタ43とIGBT44及びダイオード45は上下アーム20の上アームに接続しても構わない。
【0092】
上記のように本実施例では、上下アーム20の各IGBTをオフすると、出力電圧がインバータの電源電圧以上になる。通常、電流共振型インバータの出力電圧は、インバータの電源電圧に制限されるため、所望とする最大電力によって等価抵抗の上限は決まる。本実施例は出力電圧を昇圧することにより、前記実施例の電流共振型インバータよりも等価抵抗の上限を高くすることができる。そのため、巻数を増やして等価抵抗を増加させ電流を減らして所望の入力電力を得ることが可能となる。これにより、使用部品の損失を低減することができ、加熱効率を上げることが可能となる。
【0093】
この第8の実施例は、二つの上下アーム10,20および二つの加熱コイル5,7を示されているが、被加熱物の材質の多様化に備え、上下アームおよび加熱コイルを更に追加する構成にすることも可能である。
【0094】
第9の実施例について図14を引用して説明する。
【0095】
図14は本発明の第9の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【0096】
図14において、上下アーム20の上アームはダイオード26とIGBT21が直列に接続されており、同様に下アームはダイオード28とIGBT23が直列に接続されている。IGBT21,23にはそれぞれダイオード22,24が逆並列に接続されており、IGBTに対して逆方向の電圧は印加されない。前記図12の実施例は逆耐圧特性を有するIGBTを用いたが、本実施例のように逆耐圧の無いIGBTを用いても構わない。
【0097】
この第9の実施例は、二つの上下アーム10,20および二つの加熱コイル5,7を示されているが、被加熱物の材質の多様化に備え、上下アームおよび加熱コイルを更に追加する構成にすることも可能である。
【0098】
第10の実施例10について図15を引用して説明する。
【0099】
図15は本発明の第10の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【0100】
整流回路及び平滑回路は省略しインバータ部のみ示す。また、図14と同一部分については同一符号を付しており説明は省略する。
【0101】
図14において、上下アーム20の上アームはダイオード26とIGBT21が直列に接続されており、同様に下アームはダイオード28とIGBT23が直列に接続されている。IGBT21,23にはそれぞれダイオード22,24が逆並列に接続されており、ダイオード26,28にはそれぞれキャパシタ48,49が並列に接続されている。また、下アームにはキャパシタ50が接続されている。
【0102】
図15において、被加熱物の材質が主に鉄製の場合、上下アーム10及び上下アーム20を同時に駆動し、被加熱物の材質が主にステンレス製の場合は上下アーム20を駆動する。次に図16を用いて図15の動作を説明する。図16は、上下アーム10及び上下アーム20を同時に駆動した場合の波形を示している。
【0103】
図15及び図16において、上下アーム10のIGBT11,13のコレクタ−エミッタ間の電圧はそれぞれVa1,Vb1とする。IGBT11及びダイオード12に流れる電流はIa1、IGBT13及びダイオード14に流れる電流はIb1とする。また、上下アーム20のIGBT21,23のコレクタ−エミッタ間の電圧はそれぞれVa2,Vb2とする。上アームのダイオード26に流れる電流はIa2、キャパシタ48に流れる電流はIsa2とし、下アームのダイオード28に流れる電流はIb2、キャパシタ49に流れる電流はIsb2とする。
【0104】
図16において、IGBT11、21の駆動信号がオンになり加熱コイル5の蓄積エネルギーがゼロになると共振電流IL5の極性が負から正に変わり、IGBT11、加熱コイル5、キャパシタ6の経路で共振電流IL5が流れる。
【0105】
一方、加熱コイル7に流れる共振電流IL7は負の極性を有しており、IL7はIGBT11、加熱コイル7、ダイオード22、キャパシタ48の経路で流れる。加熱コイル7の蓄積エネルギーがゼロになると共振電流IL7の極性が負から正に変わる。このとき、上下アーム20のダイオード26にはキャパシタ48の電圧、即ち逆方向の電圧が印加されるため導通せず、共振電流IL7はキャパシタ48、IGBT21、加熱コイル7、加熱コイル5、キャパシタ6の経路で流れる。キャパシタ48の電荷が無くなり、ダイオード26に順方向の電圧が印加されると、共振電流IL7はダイオード26、IGBT21、加熱コイル7、加熱コイル5、キャパシタ6の経路で流れる。
【0106】
次にIGBT11、21の駆動信号がオフになると、共振電流IL5は正の極性を有しており、IL5によってキャパシタ17及びキャパシタ50の電荷は放電され、その後、共振電流IL5は加熱コイル7、加熱コイル5、キャパシタ6、ダイオード24、キャパシタ49の経路で流れる。
【0107】
次にIGBT13、23の駆動信号がオンになり加熱コイル5の蓄積エネルギーがゼロになると共振電流IL5の極性が正から負に変わり、キャパシタ6、加熱コイル5、IGBT13の経路で共振電流IL5が流れる。
【0108】
一方、加熱コイル7に流れる共振電流IL7は正の極性を有しており、IL7は加熱コイル7、IGBT13、ダイオード24、キャパシタ49の経路で流れる。加熱コイル7の蓄積エネルギーがゼロになると共振電流IL7の極性が正から負に変わる。このとき、上下アーム20のダイオード28にはキャパシタ49の電圧、即ち逆方向の電圧が印加されるため導通せず、共振電流IL7はキャパシタ6、加熱コイル5、加熱コイル7、キャパシタ49、IGBT23の経路で流れる。キャパシタ49の電荷が無くなり、ダイオード28に順方向の電圧が印加されると、共振電流IL7はキャパシタ6、加熱コイル5、加熱コイル7、ダイオード28、IGBT23の経路で流れる。
【0109】
次にIGBT13、23の駆動信号がオフになると、共振電流IL5は負の極性を有しており、IL5によってキャパシタ17及びキャパシタ50は充電され、その後、共振電流IL5はキャパシタ6、加熱コイル5、加熱コイル7、ダイオード22、キャパシタ48の経路で流れる。
【0110】
このように、上記の動作を繰り返すことによって、加熱コイルに高周波電流を供給することができる。図15において、キャパシタ50は上下アーム10の上下アームに分割して接続しても構わない。また、キャパシタ19とIGBT18及びダイオード19は上下アーム10の上アームに接続しても構わない。
【0111】
図16において、上下アーム10のオンのタイミングは上下アーム20と同時刻であるが、オンのタイミングを上下アーム20より遅らせることやオフのタイミングを早めることによって、入力電力を調整することが可能である。
【0112】
本実施例は、前述のように高抵抗の被加熱物を高出力で加熱する場合においても、上下アーム10及び上下アーム20を駆動し加熱コイル5,7の両コイルにほぼ同相の電流を流して加熱するため、両コイルを有効に利用することができる。また、加熱コイル5に流れる共振電流IL5は各上下アームにそれぞれ分流して流れるため、各IGBTの負担も軽減する。
【0113】
この第10の実施例は、二つの上下アーム10,20および二つの加熱コイル5,7を示されているが、被加熱物の材質の多様化に備え、上下アームおよび加熱コイルを更に追加する構成にすることも可能である。
【0114】
第11の実施例11について図17を引用して説明する。
【0115】
図17は本発明の第11の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【0116】
整流回路及び平滑回路は省略しインバータ部のみ示す。また、図16と同一部分については同一符号を付しており説明は省略する。
【0117】
図17において、上下アーム20の上アームには逆電流阻止形のIGBT32が接続され、下アームには逆電流阻止形のIGBT33が接続されている。また、上アームにはキャパシタ40とIGBT41が直列に接続され、IGBT41にはダイオード42が逆並列に接続されている。下アームにはキャパシタ43とIGBT44が直列に接続され、IGBT44にはダイオード45が逆並列に接続されている。
【0118】
図17において、上下アーム20のIGBT32、IGBT41とIGBT33、IGBT44はそれぞれ同一の駆動信号によって制御される。本実施例は前記図15と同様の制御を行うことによって、高抵抗の被加熱物を高出力で加熱する場合においても、加熱コイル5,7の両コイルにほぼ同相の電流を流して加熱することができる。
【0119】
この第11の実施例は、二つの上下アーム10,20および二つの加熱コイル5,7を示されているが、被加熱物の材質の多様化に備え、上下アームおよび加熱コイルを更に追加する構成にすることも可能である。
【0120】
第12の実施例について図18を引用して説明する。
【0121】
図18は本発明の第12の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図の一部を示しており、図18は前記実施例のs点とt点に接続される。
【0122】
図18よりs点と加熱コイル7との間にはキャパシタ8が設けられており、前記実施例に接続されることによってキャパシタが直列接続となり共振回路の合成容量は小さくなる。
【0123】
従って、キャパシタ8が共振回路に接続されることによって共振周波数は高くなり、加熱コイルの巻数増加によって生じる共振周波数の低下を抑制することができる。前記図1の実施例においては、加熱コイル9と直列にキャパシタを設けることによって、同様の効果が得られる。このように、駆動するアームを切り替えることによって、加熱コイルの巻数とキャパシタの容量値を同時に切換えることが可能となる。
【0124】
第13の実施例について図19を引用して説明する。
【0125】
図19は本発明の第13の実施形態である電磁誘導加熱装置の加熱コイルの平面図である。
【0126】
図19において、加熱コイル5及び7はそれぞれ隣合わせの導線を渦巻状に巻いた構造になっている。前記図4では内側と外側に加熱コイル5,7が配置されているが、本実施例では、ほぼ同じ位置に加熱コイル5,7が配置されている。
【0127】
従って、加熱コイル5のみ使用して加熱を行った場合、被加熱物に流れる渦電流の経路長は図4よりも長くなり、被加熱物の加熱面積を広げることができるため、加熱効率を上げることが可能となる。
【0128】
以上述べた実施例において、入力電力はインバータの発振周波数を変化させる方法やスイッチング素子のオンオフ期間を制御するパルス幅変調、又はこれらの制御を組み合わせた方法によって調整することができる。
【0129】
【発明の効果】
本発明によれば、電流容量の大きい高価で大型化のリレーを用いることなく、異なる材質の被加熱物及び設定出力に応じて加熱コイルの巻数を簡易な構成で切換え、所望の電力を効率良く供給することができる電磁誘導加熱装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路構成図である。
【図2】図1の実施形態である電磁誘導加熱装置の加熱コイルの巻数と等価抵抗の関係を表すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路構成図である。
【図4】図3の実施形態である電磁誘導加熱装置の加熱コイルの平面図である。
【図5】図3の実施形態である電磁誘導加熱装置の加熱コイル部の断面図である。
【図6】図3の実施形態における動作説明図である。
【図7】本発明の第3の実施形態である電磁誘導加熱装置の加熱コイル部の構造断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【図9】本発明の第5の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【図10】本発明の第6の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【図11】本発明の第7の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【図12】本発明の第8の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【図13】図12の実施形態における動作説明図である。
【図14】本発明の第9の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【図15】本発明の第10の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【図16】図15の実施形態における動作説明図である。
【図17】本発明の第11の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図である。
【図18】本発明の第12の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路図の一部を示す図である。
【図19】本発明の第13の実施形態である電磁誘導加熱装置の加熱コイルの平面図である。
【図20】従来例における被加熱物の等価インピーダンスを表すグラフである。
【図21】従来例における入力電力と共振電流の関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1…商用交流電源、2…整流回路、3…インダクタ、4,6,8,15,16,17,29,31,39,40,43,48,49,50…キャパシタ、5,7,9…加熱コイル、10,20,30…上下アーム10a,10b,20a,20b,30a,30b…スイッチング素子、11,13,18,21,23,25,27,32,33,34,35,36,41,44…半導体スイッチング素子、12,14,19,22,24,26,28,37,38,42,45…ダイオード、60…共振回路、61,62,63,64,65…ドライブ回路、70…制御回路、71,73…電流検出素子、72…共振電流検出回路、74…入力電流検出回路、75…入力電力設定部、80…コイル支持ベース、81,83,84,85,86…磁性体、82…プレート、90…被加熱物、100…インバータ。

Claims (27)

  1. 被加熱物を加熱する加熱コイルを有する共振回路と、直流電圧を交流電圧に変換して前記共振回路に電力を供給するインバータとを備え、該インバータは直列に接続される少なくとも2個のパワー半導体スイッチング素子で構成される上下アームを有する電磁誘導加熱装置において、
    前記上下アームを少なくとも2つ以上備え、かつ上下各アームが前記直流電圧の直流電源の極端と負極端とに対して並列になるように接続し、
    前記2個のパワー半導体スイッチング素子が互いに直列に接続されているところを出力端子とし、
    一つの上下アームの出力端子tと前記直流電源の少なくとも一方の極端との間に前記共振回路を構成する加熱コイルと共振キャパシタを接続し、
    前記出力端子tと他の上下アームの出力端子sとの間に前記共振回路を構成する他の加熱コイルを接続し、
    前記各上下アームのパワー半導体スイッチング素子を駆動するドライブ回路と、これらのドライブ回路を制御する制御回路を備え
    前記制御回路が、被加熱物の材質と設定出力とに基づいて、駆動する上下アームを選択し、選択された上下アームのパワー半導体スイッチング素子を交互にオンオフ制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  2. 被加熱物を加熱する加熱コイルを有する共振回路と、直流電圧を交流電圧に変換して前記共振回路に電力を供給するインバータとを備え、該インバータは直列に接続される少なくとも2個のパワー半導体スイッチング素子で構成される上下アームを有する電磁誘導加熱装置において、
    前記上下アームを第1の上下アームおよび第2の上下アームの二つ備え、かつ第1および第2の上下アームが前記直流電圧の直流電源の極端と負極端とに対して並列になるように接続し、
    第1の上下アームの2個のパワー半導体スイッチング素子が互いに直列に接続されているところを出力端子tとし、第2上下アームの2個のパワー半導体スイッチング素子が互い直列に接続されているところを出力端子sとし、
    前記出力端子tと前記直流電源の少なくとも一方の極端との間に前記共振回路を構成する第1の加熱コイルと第1の共振キャパシタを接続し、
    前記出力端子tと前記出力端子sとの間に前記共振回路を構成する第2の加熱コイルを接続し、
    前記第1上下アームのスイッチング素子を駆動する第1のドライブ回路と、前記第2上下アームのスイッチング素子を駆動する第2のドライブ回路と、前記第1および第2のドライブ回路を制御する制御回路を備え
    前記制御回路が、被加熱物の材質と設定出力とに基づいて、駆動する上下アームを選択し、選択された上下アームのパワー半導体スイッチング素子を交互にオンオフ制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  3. 被加熱物を加熱する加熱コイルを有する共振回路と、直流電圧を交流電圧に変換して前記共振回路に電力を供給するインバータとを備え、該インバータは直列に接続される少なくとも2個のパワー半導体スイッチング素子で構成される上下アームを有する電磁誘導加熱装置において、
    前記上下アームを第1の上下アーム、第2の上下アームおよび第3の上下アームの三つ備え、かつ各前記第1、第2、第3の上下アームが前記直流電圧の直流電源の極端と負極端とに対して並列になるように接続し、
    第1上下アームの2個のパワー半導体スイッチング素子が互いに直列に接続されているところを出力端子tとし、第2上下アームの2個のパワー半導体スイッチング素子が互いに直列に接続されているところを出力端子sとし、第3上下アームの2個のパワー半導体スイッチング素子が互いに直列に接続されているところを出力端子aとし、
    前記出力端子tと前記直流電源の少なくとも一方の極端との間に前記共振回路を構成する第1の加熱コイルと第1の共振キャパシタを接続し、
    前記出力端子tと前記出力端子sとの間に前記共振回路を構成する第2の加熱コイルを接続し、
    前記出力端子sと前記出力端子aとの間に前記共振回路を構成する第3の加熱コイルを接続し、
    前記第1上下アームのパワー半導体スイッチング素子を駆動する第1のドライブ回路と、前記第2上下アームのパワー半導体スイッチング素子を駆動する第2のドライブ回路と、記第3上下アームのパワー半導体スイッチング素子を駆動する第3のドライブ回路と、前記第1、第2および第3のドライブ回路を制御する制御回路を備え
    前記制御回路が、被加熱物の材質と設定出力とに基づいて、駆動する上下アームを選択し、選択された上下アームのパワー半導体スイッチング素子を交互にオンオフ制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  4. 請求項1から3の何れか一つに記載された電磁誘導加熱装置において、
    前記共振回路に流れる電流を検出する第1の電流検出素子と、
    前記第1の電流検出素子の出力信号レベルを前記制御回路の入力レベルに適した信号に変換する共振電流検出回路と、
    前記各上下アームに供給する入力電流を検出する第2の電流検出素子と、
    前記第2の電流検出素子の出力信号レベルを前記制御回路の入力レベルに適した信号に変換する入力電流検出回路をそれぞれ備え、
    前記制御回路は前記共振電流検出回路および前記入力電流検出回路の出力信号に応じて、前記被加熱物の材質及び状態を判断し、駆動すべき前記ドライブ回路を少なくとも1つ選択して運転の制御をすることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  5. 請求項1から4の何れか一つに記載された電磁誘導加熱装置において、
    前記被加熱物に供給する電力を設定する入力電力設定部を備え、前記制御回路は、前記入力電力設定部からの出力信号に応じて、駆動すべき前記ドライブ回路を少なくとも1つ選択して運転を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  6. 請求項1から5の何れか一つに記載された電磁誘導加熱装置において、
    前記上下アームのパワー半導体スイッチング素子はGBTであり、
    前記パワー半導体スイッチング素子は逆並列にダイオードを備えることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  7. 請求項1に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記パワー半導体スイッチング素子は逆並列にダイオードを備え、
    前記出力端子sと前記直流電源の少なくとも一方の極端との間に直列接続した第2のキャパシタとパワー半導体スイッチング素子を備え、
    前記第2のキャパシタに直列接続される前記パワー半導体スイッチング素子は逆並列にダイオードを備え、
    前記第2のキャパシタに直列接続される前記パワー半導体スイッチング素子を駆動する第4のドライブ回路を備え、
    前記制御回路は前記ドライブ回路と連動して前記第4のドライブ回路を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  8. 請求項1に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記上下アームは、少なくとも第1の上下アーム10と第2の上下アーム20を有し、
    第1の上下アーム10は直列に接続される第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13を有し、第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13はそれぞれ逆並列になる第1、第2のダイオード12,14を備え、
    第2の上下アーム20の上アームは、直列に接続した第3のダイオード26と第3のパワー半導体スイッチング素子21を備え、かつ前記第3のパワー半導体スイッチング素子21は逆並列に第4のダイオード22を備え、前記第3のダイオード26は逆並列に第4のパワー半導体スイッチング素子25を備え、
    前記第2の上下アーム20の下アームは、直列に接続した第5のダイオード28と第5のパワー半導体スイッチング素子23を備え、かつ前記第5のパワー半導体スイッチング素子23は逆並列に第6のダイオード24を備え、前記第5のダイオード28は逆並列に第6のパワー半導体スイッチング素子27を備え、
    前記第4および第6のパワー半導体スイッチング素子25,27を駆動する第5のドライブ回路を備え、前記制御回路70は前記第1から第3のドライブ回路と連動して前記第5のドライブ回路を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  9. 請求項8記載の電磁誘導加熱装置において、
    前記第3のパワー半導体スイッチング素子21は並列に第3のキャパシタ29を備え、前記第5のパワー半導体スイッチング素子23は並列に第4のキャパシタ31を備えることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  10. 請求項1に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記被加熱物に供給する電力を設定する入力電力設定部を備え、前記制御回路は、前記入力電力設定部からの出力信号に応じて、駆動すべき前記ドライブ回路を少なくとも1つ選択して運転を制御し、
    前記上下アームは、少なくとも第1の上下アーム10と第2の上下アーム20を有し、
    第1の上下アーム10は、直列に接続される第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13を有し、かつ第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13はそれぞれ逆並列になる第1、第2のダイオード12,14を備え、
    前記第2の上下アーム20は第1、第2の逆耐圧機能付きパワー半導体スイッチング素子32,33を有し、
    前記第2の上下アーム20は、上下アームの少なくとも一方に直列接続した第2のキャパシタ43とパワー半導体スイッチング素子44を有し、かつ前記パワー半導体スイッチング素子44は逆並列にダイオード45を備え、
    前記パワー半導体スイッチング素子44を駆動する第4のドライブ回路65を備え、前記制御回路70は前記ドライブ回路と連動して前記第4のドライブ回路65を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  11. 請求項1に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記被加熱物に供給する電力を設定する入力電力設定部を備え、前記制御回路は、前記入力電力設定部からの出力信号に応じて、駆動すべき前記ドライブ回路を少なくとも1つ選択して運転を制御し、
    前記上下アームは、少なくとも第1の上下アーム10と第2の上下アーム20を有し、
    前記第1の上下アーム10は、第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13を有し、かつ前記第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13は逆並列にそれぞれ第1、第2のダイオード12,14を備え、
    前記第2の上下アーム20は、第1、第2の逆耐圧機能付きパワー半導体スイッチング素子32,33を有し、かつ前記第1、第2の逆耐圧機能付きパワー半導体スイッチング素子は逆並列にそれぞれ第3、第4の逆耐圧機能付きパワー半導体スイッチング素子34,35を備え、
    前記第2の逆耐圧機能付きパワー半導体スイッチング素子33を駆動する第5のドライブ回路を備え、前記制御回路70は前記ドライブ回路と連動して前記第5のドライブ回路を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  12. 請求項11に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記第2の上下アーム20は、上下アームの少なくとも一方に直列接続した第2のキャパシタ43とパワー半導体スイッチング素子44を有し、かつ前記パワー半導体スイッチング素子44は逆並列にダイオード45を備え、
    前記パワー半導体スイッチング素子44を駆動する第4のドライブ回路65を備え、前記制御回路70は前記ドライブ回路と連動して前記第4のドライブ回路65を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  13. 請求項1に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記被加熱物に供給する電力を設定する入力電力設定部を備え、前記制御回路は、前記入力電力設定部からの出力信号に応じて、駆動すべき前記ドライブ回路を少なくとも1つ選択して運転を制御し、
    前記上下アームは、少なくとも第1の上下アーム10と第2の上下アーム20を有し、
    前記第1の上下アーム10は、第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13を有し、かつ前記第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13は逆並列にそれぞれ第1、第2のダイオード12,14を備え、
    前記第2の上下アーム20は、第1、第2の逆耐圧機能付きパワー半導体スイッチング素子32,33を有し、かつ前記第1、第2の逆耐圧機能付きパワー半導体スイッチング素子32,33のどちらか一方は逆並列に第5の逆耐圧機能付きパワー半導体スイッチング素子34を備え、
    前記第1、第2の逆耐圧機能付きパワー半導体スイッチング素子32,33の他方は逆直列に接続された第7のダイオード37と第8のダイオード38を備え、かつ前記第7のダイオード37は逆並列に第7のパワー半導体スイッチング素子36を備え、
    前記第8のダイオード38は並列に第5のキャパシタ39を備え、
    前記第5の逆耐圧機能付きパワー半導体スイッチング素子34と前記第7のパワー半導体スイッチング素子36を駆動する第5のドライブ回路を備え、前記制御回路70は前記ドライブ回路と連動して前記第5のドライブ回路を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  14. 請求項1に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記被加熱物に供給する電力を設定する入力電力設定部を備え、前記制御回路は、前記入力電力設定部からの出力信号に応じて、駆動すべき前記ドライブ回路を少なくとも1つ選択して運転を制御し、
    前記上下アームは、少なくとも第1の上下アーム10と第2の上下アーム20を有し、
    前記第1の上下アーム10は、第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13を有し、かつ前記第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13は逆並列にそれぞれ第1、第2のダイオード12,14を備え、
    前記第2の上下アーム20の上アームは、直列接続した第3のダイオード26と第3のパワー半導体スイッチング素子21を備え、かつ前記第3のパワー半導体スイッチング素子21は逆並列に第4のダイオード22を備え、
    前記第2の上下アーム20の下アームは、直列接続した第5のダイオード28と第5のパワー半導体スイッチング素子23を備え、かつ前記第5のパワー半導体スイッチング素子23は逆並列に第6のダイオード24を備え、
    前記第2の上下アーム20は、上下アームの少なくとも一方に直列接続した第2のキャパシタ43とパワー半導体スイッチング素子44を備え、かつ前記パワー半導体スイッチング素子44は逆並列にダイオード45を備え、
    前記パワー半導体スイッチング素子44を駆動する第4のドライブ回路65を備え、前記制御回路70は前記ドライブ回路と連動して前記第4のドライブ回路65を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  15. 請求項1に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記被加熱物に供給する電力を設定する入力電力設定部を備え、前記制御回路は、前記入力電力設定部からの出力信号に応じて、駆動すべき前記ドライブ回路を少なくとも1つ選択して運転を制御し、
    前記上下アームは、少なくとも第1の上下アーム10と第2の上下アーム20を有し、
    前記第1の上下アーム10は、第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13を有し、かつ前記第1、第2パワー半導体スイッチング素子11,13は逆並列にそれぞれ第1、第2のダイオード12,14を備え、
    前記第2の上下アーム20の上アームは、直列接続した第3のダイオード26と第3のパワー半導体スイッチング素子21を備え、かつ前記第3のパワー半導体スイッチング素子21は逆並列に第4のダイオード22を備え、前記第3のダイオード26は並列に第6のキャパシタ48を備え、
    前記第2の上下アーム20の下アームは、直列接続した第5のダイオード28と第5のパワー半導体スイッチング素子23を備え、かつ前記第5のパワー半導体スイッチング素子23は逆並列に第6のダイオード24を備え、前記第5のダイオード28は並列に第7のキャパシタ49を備え、
    前記第2の上下アーム20は、少なくとも一方のアームに第8のキャパシタ50を備えることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  16. 請求項1に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記被加熱物に供給する電力を設定する入力電力設定部を備え、前記制御回路は、前記入力電力設定部からの出力信号に応じて、駆動すべき前記ドライブ回路を少なくとも1つ選択して運転を制御し、
    前記上下アームは、少なくとも第1の上下アーム10と第2の上下アーム20を有し、
    前記第1の上下アーム10は、第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13を有し、かつ前記第1、第2のパワー半導体スイッチング素子11,13は逆並列にそれぞれ第1、第2のダイオード12,14を備え、
    前記第2の上下アーム20は、第1、第2の逆耐圧機能付きパワー半導体スイッチング素子32,33を有し、かつ前記第2の上下アーム20は、直列接続したキャパシタ40,43とパワー半導体スイッチング素子41,44を備え、前記パワー半導体スイッチング素子41,44は逆並列にダイオード42,45を備え、
    前記第2の上下アーム20は、少なくとも一方のアームに第8のキャパシタ50を備え、
    前記パワー半導体スイッチング素子41を駆動する第5のドライブ回路を備え、前記制御回路70は前記のドライブ回路と連動して前記第5のドライブ回路を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  17. 請求項1に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記第1の上下アーム10は、少なくとも一方のアームに第9のキャパシタ15または16を備えることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  18. 請求項1に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記第1の上下アーム10は、少なくとも一方のアームに直列接続した第10のキャパシタ17とパワー半導体スイッチング素子18を備え、かつ前記パワー半導体スイッチング素子18は逆並列にダイオード19を備え、
    前記パワー半導体スイッチング素子18を駆動する第6のドライブ回路64を備え、前記制御回路70は前記第6のドライブ回路を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  19. 請求項1〜3の何れか一つに記載された電磁誘導加熱装置にあって、
    前記共振キャパシタの他に前記加熱コイルに直列接続される共振キャパシタ8を備えることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  20. 請求項3に記載された電磁誘導加熱装置において
    前記第1、第2、第3の加熱コイルは、渦巻状に巻く導線で形成され、かつ第1、第2、第3の順位が後になるに従い外周側なるように配置し、しかも前記被加熱物と近接するように設けたことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  21. 請求項20に記載された電磁誘導加熱装置において
    前記加熱コイルは、前記被加熱物とは反対面側に磁性体を備えることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  22. 請求項21に記載された電磁誘導加熱装置において
    前記磁性体は、第1、第2、第3の加熱コイルに対応して個々に分割されていることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  23. 請求項22に記載された電磁誘導加熱装置において
    前記第1、第2、第3の加熱コイルが隣接する内外周間に隔離用の磁性体を設け、該隔離用の磁性体は前記分割の磁性体の外周端側または内周端側と密接していることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  24. 請求項23に記載された電磁誘導加熱装置において
    最外周に配置された前記加熱コイルの外周に外側に隔離用の磁性体を備え、この隔離用の磁性体と前記分割の磁性体の外周端側とを密接させたことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  25. 請求項3に記載された電磁誘導加熱装置において
    前記第1、第2、第3の加熱コイルは、渦巻状に巻く導線で形成され、かつ加熱コイルの各導線は隣接して配置され、しかも前記被加熱物と近接するように設けたことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  26. 請求項3に記載された電磁誘導加熱装置において
    前記第1、第2、第3の加熱コイルは、前記被加熱物とは反対面側に磁性体を備えることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  27. 請求項1に記載した電磁誘導加熱装置において、
    前記被加熱物に供給する電力を設定する入力電力設定部を備え、前記制御回路は、前記入力電力設定部からの出力信号に応じて、駆動すべき前記ドライブ回路を少なくとも1つ選択して運転を制御し、
    前記上下アームは、少なくとも第1の上下アーム10と第2の上下アーム20を有し、
    前記第2の上下アーム20の出力電圧は、前記直流電源の直流電圧よりも高いことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
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