JP2020064719A - 電磁誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、電源脈動による鍋に発生する励振音を低減できる電磁誘導加熱装置を提供することである。【解決手段】 本発明の電磁誘導加熱装置は、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して出力する電源回路と、該電源回路から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して、前記加熱コイルに供給するインバータと、該インバータを制御する制御回路と、を具備し、前記インバータは、前記加熱コイルと共振コンデンサを直列接続した共振回路と、前記電源回路の出力端子間に接続され、二つのスイッチング素子を直列接続したインバータ回路と、前記共振回路に流れる共振電流を検出する共振電流検出回路と、前記共振回路に流れる共振電流の包絡線を検出する包絡線検出回路と、を備え、前記制御回路は、前記包絡線検出回路の出力値が略一定になるように、前記インバータ回路を制御する。【選択図】 図2

Description

本発明は、安価な構成で鍋の励振音を低減する電磁誘導加熱装置(IHクッキングヒータ)に関する。
近年、火を使わずに鍋などの被加熱物を加熱するインバータ方式のIHクッキングヒータ(以下、「電磁誘導加熱装置」とも称する)が広く用いられるようになってきている。IHクッキングヒータは、ガラス製のトッププレートの直下に配置した加熱コイルに高周波電流を流し、トッププレートに載置した金属鍋に渦電流を発生させ、鍋自体の電気抵抗により発熱させるものである。このように、IHクッキングヒータは、火を使わずに調理でき、安全性や調理環境の快適性が高いため、ガスレンジに代わって普及が急速に進んでいる。
従来のIHクッキングヒータでは、加熱コイルにはインバータから高周波電流を供給し、インバータには商用電源を全波整流した非平滑の直流電圧を印加していた。IHクッキングヒータは、電力を熱に変換する装置であり、熱時定数は長いため、上記の構成のように、インバータの電源電圧が非平滑で脈動しても加熱特性に大きな影響はなかった。
しかしながら、インバータの電源電圧が脈動すると、インバータの出力である高周波電流も脈動するため、加熱コイルから発生する電磁力も脈動してしまう。この電磁力の脈動に起因して、鍋の材質や構造によっては、鍋から励振音(鍋鳴り音)が発生する問題がある。
そこで、この問題を改善するため、特許文献1の電磁誘導加熱装置では、商用電源とインバータの間にコンバータを配置し、コンバータにより脈動のない一定の直流電圧に変換したものをインバータ電源電圧として、インバータに印加することで、鍋の励振音を抑制している。
特開2009−117378号公報
しかしながら、特許文献1では、同文献の図6等の直流電源の内部構造が示すように、インバータ電流の脈動を抑制するために、直流電源1が内蔵するコンバータの後段に大容量のコンデンサを接続する必要がある。大容量のコンデンサとしては、例えば、電解コンデンサ等が知られているが、これは大型かつ高額なコンデンサであるため、特許文献1の構成では、コンバータの追加自体により直流電源が大型化、高コスト化、制御複雑化する問題に加え、大容量のコンデンサの設置により直流電源が大型化、高コスト化する問題もある。
そこで、本発明は、インバータに直流電力を供給する電源回路内のコンデンサの容量を小さくし、電源回路の回路規模の小型化、低コスト化を実現した構成であっても、すなわち、インバータに供給される直流電圧に商用電源起因の脈動が残存する構成であっても、加熱コイルを含む共振回路に流れる共振電流の包絡線を略一定に制御し、加熱コイルからの電磁力の脈動を低減することで、鍋加熱時の励振音を低減できる電磁誘導加熱装置を提供することを目的とする。
本発明の電磁誘導加熱装置は、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して出力する電源回路と、該電源回路から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して、前記加熱コイルに供給するインバータと、該インバータを制御する制御回路と、を具備し、前記インバータは、前記加熱コイルと共振コンデンサを直列接続した共振回路と、前記電源回路の出力端子間に接続され、二つのスイッチング素子を直列接続したインバータ回路と、前記共振回路に流れる共振電流を検出する共振電流検出回路と、前記共振回路に流れる共振電流の包絡線を検出する包絡線検出回路と、を備え、前記制御回路は、前記包絡線検出回路の出力値が略一定になるように、前記インバータ回路を制御する。
また、本発明の他の電磁誘導加熱装置は、 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して出力する電源回路と、該電源回路から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して、前記加熱コイルに供給するインバータと、該インバータを制御する制御回路と、を具備し、前記インバータは、前記加熱コイルと共振コンデンサを並列接続した共振回路と、前記電源回路の出力端子間に接続され、スイッチング素子と前記共振回路を直列接続したインバータ回路と、前記共振回路に流れる共振電流を検出する共振電流検出回路と、前記共振回路に流れる共振電流の包絡線を検出する包絡線検出回路と、を備え、前記制御回路は、前記包絡線検出回路の出力値が略一定になるように、前記インバータ回路を制御する。
さらに、本発明の他の電磁誘導加熱装置は、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して出力する電源回路と、該電源回路から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して、前記加熱コイルに供給するインバータと、該インバータを制御する制御回路と、を具備し、前記インバータは、前記電源回路の出力端子間に接続され、二つのスイッチング素子を直列接続した第一のインバータ回路と、前記電源回路の出力端子間に接続され、二つのスイッチング素子を直列接続した第二のインバータ回路と、両インバータの出力端子間に接続され、前記加熱コイルと共振コンデンサを直列接続した共振回路と、該共振回路に流れる電流を検出する電流検出回路と、該共振回路に流れる電流の包絡線を検出する包絡線検出回路と、を備え、前記制御回路は、前記包絡線検出回路の出力値が略一定になるように、前記第一のインバータ回路および前記第二のインバータ回路を制御する。
本発明の電磁誘導加熱装置によれば、インバータに供給される直流電圧に商用電源起因の脈動が残存する構成であっても、共振電流の包絡線が略一定となるようにインバータを制御することで、加熱コイルから発生する電磁力の変動を低減し、鍋加熱時の励振音を低減することができる。
実施例1の電磁誘導加熱装置のブロック図である。 実施例1の電源回路とインバータ回路の構成図である。 被加熱物の抵抗値と鉄を基準としたときの抵抗値比率を示す表である。 実施例1の電磁誘導加熱装置のインバータ動作波形である。 実施例1の電磁誘導加熱装置の入力電力の周波数特性である。 実施例1の電磁誘導加熱装置の入力電力のDuty特性である。 実施例1の包絡線検出回路の構成例である。 実施例1の包絡線検出回路の他の構成例である。 実施例1の励振音低減制御適用時の各種信号の動作波形図である。 包絡線検出回路の出力値のリップル率を定義する図である。 包絡線検出回路の出力値のリップル率と騒音の大きさの関係を示すグラフである。 実施例1の変形例の励振音低減制御適用時の各種信号の動作波形図である。 実施例2の電磁誘導加熱装置のインバータ回路構成図である。 実施例2の電磁誘導加熱装置のインバータ動作波形である。 実施例2の電磁誘導加熱装置の入力電力の周波数特性である。 実施例3の電磁誘導加熱装置のブロック図である。 実施例3の電磁誘導加熱装置のコンバータの動作波形である。 実施例3の電磁誘導加熱装置のコンバータの回路構成図である。 実施例4の電磁誘導加熱装置のインバータ回路構成図である。
以下、図面を用いながら本発明の電磁誘導加熱装置(IHクッキングヒータ)の実施例を説明する。
先ず、図1〜図10を用いて、本発明の実施例1の電磁誘導加熱装置を説明する。
図1は、実施例1の電磁誘導加熱装置のブロック図である。ここに示すように、本実施例の電磁誘導加熱装置は、直流電圧を出力する電源回路10と、この電源回路10を電源とする3つのインバータ(100a、100b、100c)と、各インバータを制御するドライブ回路61と、各インバータ内を流れる共振電流を検出する共振電流検出回路62と、その共振電流の包絡線を検出する包絡線検出回路64と、使用者が火力などを設定する際に用いる入力電力設定部71と、共振電流検出回路62と包絡線検出回路64と入力電力設定部71からの入力に基づき各インバータを制御する制御回路70を備えており、各インバータに対応する複数の加熱コイル5により、図示しないトッププレート上に載置された鍋などの被加熱物を加熱することができる。なお、各インバータの構成は同等であるので、以下では、インバータ100aを例に説明する。また、各インバータのコイル5は、トッププレートに載置した別々の被加熱物を加熱できるように分散して配置しても良いし、一つの被加熱物を加熱できるように一か所に纏めて、例えば、同心円状に配置しても良い。
インバータ100aは、インバータ回路20と、共振回路30と、電流検出器31によって構成されている。インバータ回路20は、電源回路10の正電極p点と負電極o点との間に接続されており、電源回路10から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して共振回路30に印加する。共振回路30は、加熱コイル5と共振コンデンサCrの直列回路であり、加熱コイル5にはインバータ回路20から高周波電力が供給される。電流検出器31は、共振回路30に流れる共振電流ILを検出する。
電流検出器31の出力値は、共振電流検出回路62と包絡線検出回路64で演算され、演算結果は制御回路70に送られる。入力電力設定部71は、使用者が入力電力(火力)を設定するタッチパネルなどのインターフェースであり、設定された火力に応じた信号を制御回路70に送る。制御回路70では、共振電流検出回路62からの演算結果と入力電力設定部71からの信号に応じた駆動信号を生成する。ドライブ回路61は駆動信号に基づいて、各インバータのインバータ回路20を制御するドライブ信号波形を生成する。
次に、インバータ100aの動作を説明する。一般に、電磁誘導加熱装置では、共振型インバータを用いる。共振型のインバータは、インバータ回路20の駆動周波数fs > 共振回路30の共振周波数frに設定し、共振負荷の特性を誘導性にすることで、共振回路30に流れる共振電流ILがインバータ回路20の出力電圧に対し遅れ位相になるように制御するインバータである。これにより、インバータ回路20での損失増加を抑制している。すなわち、図1では、共振回路30に流れる共振電流ILが、インバータ回路20と共振回路30の接続点である出力端子t点の電圧に対して遅れ位相になるように制御することでインバータ回路20の損失を抑制している。
しかしながら、インバータ回路20の駆動周波数fsを固定した状態で、インバータ回路20の導通期間を変化させ電力制御を行うと、インバータ回路20の導通期間に共振電流ILの極性が反転し、共振電流ILがインバータ回路20の出力電圧より進み位相になる進相モードへ移行する場合もある。進相モードはインバータ回路20の損失増加を招くので、共振型のインバータでは避けなければならないモードである。
図2は、本実施例の電磁誘導加熱装置の電源回路10とインバータ回路20の回路構成をより詳細に示したものであり、電源回路10を全波整流パッシブフィルタ型とし、インバータ回路20をハーブブリッジ型とした回路構成を例示している。
この全波整流パッシブフィルタ型の電源回路10は、商用電源1から入力された交流電圧を直流電圧に変換してインバータ100aに供給するものであり、交流電圧を整流する整流回路2と、インダクタ3と、フィルタコンデンサCfで構成された平滑回路からなる。そして、フィルタコンデンサCfの正電極p点と負電極o点との間に、インバータ100aのインバータ回路20が接続される。なお、ここで用いられるフィルタコンデンサCfは比較的小容量のコンデンサであるため、特許文献1のように電解コンデンサを用いた構成とは異なり、電源回路10が出力する電源電圧Vpには商用電源電圧の脈動に起因する脈動が残存することとなる。
インバータ100aのインバータ回路20は、IGBT等のパワー半導体スイッチング素子(以下、「スイッチング素子」と称する)SW1とSW2を直列に接続し、各スイッチング素子にダイオードD1、D2を逆並列接続したものである。すなわち、各スイッチング素子のコレクタ端子に各ダイオードのカソード端子が接続されており、各スイッチング素子のエミッタ端子に各ダイオードのアノード端子が接続されている。以下では、スイッチング素子SW1とダイオードD1で構成される回路を上アーム、スイッチング素子SW2とダイオードD2で構成される回路を下アーム、上アームと下アームを合わせたものを上下アームと称する。また、各スイッチング素子にはそれぞれ並列にスナバコンデンサCs1、Cs2が接続されている。スナバコンデンサCs1、Cs2は、各スイッチング素子のターンオフ時の遮断電流によって充電あるいは放電されるものである。スナバコンデンサCs1、Cs2の容量は、スイッチング素子SW1、SW2のコレクタとエミッタ間の出力容量より十分に大きいため、ターンオフ時に両スイッチング素子に印加される電圧の変化は低減され、ターンオフ損失は抑制される。
また、スイッチング素子SW1、SW2の接続点である出力端子t点と電源回路10の正電極p点および負電極o点には共振回路30が接続されている。本実施例の共振回路30は、加熱コイル5と共振コンデンサCr1、Cr2で構成される。以下では、インバータ回路20の出力端子t点から加熱コイル5に向かって流れる方向を共振電流ILの正方向とする。
電流検出器31は、共振回路30に流れる共振電流ILを検出する。共振電流検出回路62は、各インバータの電流検出器31の出力信号レベルを制御回路70の入力レベルに適した信号に変換する。電流検出器32は、商用電源1から入力されるAC電流を検出する。AC電流検出回路63は電流検出器31の出力信号レベルを制御回路70の入力レベルに適した信号に変換する。制御回路70はAC電流検出回路63で検出したAC電流と共振電流検出回路62で検出した共振電流ILの関係から被加熱物の材質や状態を判断し、加熱動作の開始又は停止を行う。被加熱物の判別は、磁性体と非磁性体とに区別する。区別する方法としては、加熱前に低電力(300W程度)で通電を行う。そのときの共振電流ILまたはスイッチング素子SW1、SW2の電流値を検出し、その電流値により、被加熱物の材質を判別する。電流値が小さい場合には鉄などの磁性体、電流値が大きい場合は、非磁性ステンレスやアルミニウム、銅といった非磁性体の被加熱物と判別する。図3に、インバータ回路20の駆動周波数が20kHzの場合の被加熱物の材質毎の抵抗値を示す。この表のように、非磁性ステンレスでは鉄の1/3、アルミニウム1/20、銅では約1/25の抵抗値となる。
また、制御回路70は、入力電力設定部75からの信号に応じてインバータ回路20のスイッチング素子SW1、SW2の導通期間を、ドライブ回路61を介して設定し入力電力を制御する。材質の検知は、過電流や過電圧の発生を防ぐために低電力かつ短時間で実施する必要がある。
ここで、インバータ回路20の上アームに流れる電流をIc1、下アームに流れる電流をIc2とし、上アームのスイッチング素子SW1のコレクタ・エミッタ間の電圧をVc1、下アームのスイッチング素子SW2のコレクタ・エミッタ間の電圧をVc2、共振コンデンサCr1の共振電圧をVcr1、共振コンデンサCr2の共振電圧をVcr2、インバータ100aの電源電圧をVpとする。
次に、図4を用いて、本実施例のインバータのモード1から4までの動作波形を説明する。なお、何れのモードにおいても、スイッチング素子SW1、SW2はデッドタイム期間を設け、相補に駆動する。ここに示すように、加熱コイル5には、正弦波状の共振電流ILが流れており、この共振周波数frは、式1により、加熱コイル5のインダクタンス値L、共振コンデンサCr1、Cr2の静電容量Cから決定される。
Figure 2020064719
以下で、モード1〜モード4における詳細な動作を説明する。
(モード1)
スイッチング素子SW1の電流Ic1が0Aとなるタイミングからモード1が始まるものとする。モード1開始時にはスイッチング素子SW1に電流Ic1は流れていないが、スイッチング素子SW1はすでにオンしているため、モード1開始直後からスイッチング素子SW1に電流Ic1が流れ始める。このときスイッチング素子SW1の両端電圧(電圧Vc1)は0Vであるため、スイッチング素子SW1には損失が発生しないZVZCSターンオンとなる。
(モード2)
スイッチング素子SW1を遮断しモード2になると、共振電流ILは、電源回路10、スナバコンデンサCs1、加熱コイル5、共振コンデンサCr2の経路と、加熱コイル5、共振コンデンサCr1、スナバコンデンサCs1の経路と、加熱コイル5、共振コンデンサCr2、スナバコンデンサCs2の経路に流れる。このとき、スナバコンデンサCs1は充電され、スナバコンデンサCs2は放電される。これにより、スイッチング素子SW1の両端電圧は緩やかに上昇し、ZVSターンオフとなり、スイッチング損失を小さくできる。
スナバコンデンサCs1の電圧Vc1が電源電圧Vp以上になると、スナバコンデンサCs2の電圧Vc2は0Vとなり、ダイオードD2がオンし、共振電流ILが流れ続ける。ダイオードD2に電流が流れている期間にスイッチング素子SW2にオン信号を入力する。
(モード3)
スイッチング素子SW2の電流Ic2が0Aとなるタイミングからモード3が始まるものとする。モード3開始時にはスイッチング素子SW2に電流Ic2は流れていないが、スイッチング素子SW2はすでにオンしているため、モード3開始直後からスイッチング素子SW2に電流Ic2が流れ始める。このときスイッチング素子SW2の両端電圧(Vc2)は0Vであるため、スイッチング素子SW2には損失が発生しないZVZCSターンオンとなる。
(モード4)
スイッチング素子SW2を遮断しモード4になると、共振電流ILは、加熱コイル5、スナバコンデンサCs2、電源回路10、共振コンデンサCr1の経路と、加熱コイル5、スナバコンデンサCs2、共振コンデンサCr2の経路と、加熱コイル5、スナバコンデンサCs1、共振コンデンサCr1の経路に流れる。このとき、スナバコンデンサCs2は充電され、スナバコンデンサCs1は放電される。これにより、スイッチング素子SW2の両端電圧は緩やかに上昇し、ZVSターンオフとなり、スイッチング損失を小さくできる。
以上のモード1から4までの動作を繰り返し、加熱コイル5に高周波電流を流すことで、加熱コイル5から磁束を発生させることができ、その磁束により加熱コイル5の上方のトッププレート上に載置された鍋に渦電流が流れ、鍋自体が誘導加熱によって発熱する。
<被加熱物への入力電力の制御方法>
次に、本実施例の電磁誘導加熱装置における電力制御方法について詳細に説明する。図5は、インバータ回路20の駆動周波数fsと被加熱物への入力電力の関係の一例を示すグラフである。電磁誘導加熱装置は共振現象を利用して加熱コイルに高周波の大電流を流す。このため被加熱物への入力電力の周波数特性は、共振特性を示す。図3の表に示したように、被加熱物が鉄鍋等の磁性体の場合は、抵抗が大きいため共振Qが小さくなり、なだらかな共振特性を示す。一方、被加熱物がアルミ鍋や銅鍋の非磁性体の場合は、抵抗が小さいため共振Qが大きくなり、急峻な共振特性を示す。従って、共振Qが小さい鉄鍋などは、ゆるやかな共振特性を利用して、周波数制御により入力電力を細やかに制御することが可能である。また、図6は、スイッチング素子SW1のDutyと被加熱物への入力電力の関係を示すグラフである。ここに示す関係を利用することで、共振Qが小さい鉄鍋などではスイッチング素子SW1のDuty制御による電力制御も可能である。
一方、アルミなどのように、急峻な共振特性の場合は、上記した周波数制御やDuty制御では入力電力を制御することが難しいため、電源回路10が出力する電源電圧Vpを制御することで入力電力を制御する。
<包絡線検出回路64の一例>
ここで、包絡線検出回路64の具体構成の一例を説明する。包絡線検出回路64には、AMラジオの復調回路等で用いられる回路構成を利用することができ、その代表例を図7に例示する。
ここに例示する包絡線検出回路64は、共振電流ILを検出する電流検出器31の出力とグランド間に抵抗R1を接続し、電流検出器31の出力にダイオードD5を介して抵抗R2とコンデンサC1の並列回路をグランド間に接続する構成である。
このような構成の包絡線検出回路64においては、電流検出器31の出力電圧がコンデンサC1の電圧よりも高くなるとダイオードD5が導通してコンデンサC1を充電し、電流検出器31の出力電圧がコンデンサC1の電圧よりも低くなるとダイオードD5の電流が遮断され、コンデンサC1は抵抗R2より放電される。従って、抵抗R2とコンデンサC1の値で決まる時定数をインバータ回路20の駆動周波数fsに応じた値にすることで、図中ではVenvで示した共振電流ILの包絡線を検出することができる。
<包絡線検出回路64の他の一例>
次に、包絡線検出回路64の具体構成の他の一例を説明する。この包絡線検出回路64は、オペアンプで構成したピークホールド回路を利用したものであり、その代表例を図8に示す。
ここに例示する包絡線検出回路64は、共振電流ILを検出する電流検出器31の出力をオペアンプOP1の非反転入力に接続すると共に、グランド間に入力抵抗R3を接続し、オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子間にダイオードD6を接続する。また、オペアンプOP1の出力端子からダイオードD7を介してオペアンプOP2の非反転入力端子に接続すると共に、グランド間に抵抗R5とコンデンサC2の並列回路で構成されるホールド回路50が接続される。さらに、オペアンプOP1の反転入力端子とオペアンプOP2の反転入力端子間に抵抗R4を接続し、オペアンプOP2の反転入力端子と出力端子を接続した構成である。
このような構成の包絡線検出回路64においては、電流検出器31の出力電圧がオペアンプOP1の出力電圧より高くなるとオペアンプOP1は、電流検出器31と同レベルの電圧を出力する。これによりダイオードD7が導通し、ホールド回路50のコンデンサC2が充電される。そして、コンデンサC2が充電されオペアンプOP2の出力電圧以上になるとオペアンプOP2はホールド回路50と同レベルの電圧を出力する。
一方、電流検出器31の出力電圧がホールド回路50の出力電圧以下になるとダイオードD7がオフ状態となり、ホールド回路50の充電電流が遮断される。このため、オペアンプOP2はホールド回路50に充電された電圧を出力する。従って、ホールド回路50の抵抗R5とコンデンサC2の値で決まる時定数をインバータ回路20の駆動周波数fsに応じた値にすることで、図中ではVenvで示した包絡線を検出することができる。
<被加熱物の加熱時の励振音低減方法>
次に、本実施例の電磁誘導加熱装置における、鍋加熱時の鍋鳴り音(励振音)抑制のための共振電流ILの制御方法について説明する。
図9Aは、共振電流ILの包絡線が略一定となるようにインバータ回路20の駆動周波数fsを制御した場合の各種信号の動作波形図であり、上から順に、商用電源1からの入力電圧・入力電流、電源回路10が出力する電源電圧Vp、包絡線検出回路64の出力値、共振電流IL、インバータ回路20の駆動周波数fsの変動を示す。
同図から明らかなように、本実施例では、電源回路10の出力電圧が電圧指令値よりも小さい期間はインバータ回路20の駆動周波数fsを低く設定し、電源回路10の出力電圧が電圧指令値よりも大きい期間はインバータ回路20の駆動周波数を高く設定する。このようなインバータ回路20の制御により、共振電流ILの包絡線は略一定となるので、加熱コイル5に供給される共振電流IL中の商用周波数起因の脈動成分が低減され、電磁誘導加熱による電磁力の変動が小さくなり、鍋で発生する励振音を低減することができる。また、この時、電源回路10が出力する電源電圧Vpは、商用電源1からの入力電圧の商用周波数による変動と共振電流ILより大きく変動する。したがって、電源回路10が出力する電源電圧Vpよりも包絡線検出回路64の出力値の変動比が小さくなる。
ここで、図9Bと図9Cを用いて、共振電流ILの包絡線の振幅をどの程度とすれば、電磁誘導加熱装置の使用者にとって不快な励振音を抑制できるかを説明する。図9Bは、包絡線検出回路64の出力値とリップル率の関係を示す図である。ここに示すように、包絡線検出回路64の出力値の最大値をVmax、最小値をVmin、平均値をVaveとしたとき、リップル率を(Vmax − Vmin)/Vaveと定義する。また、図9Cは、リップル率と励振音の大きさの関係を示すグラフである。一般的に、30dB以下の音は聴感的には静かな音とされるので、共振電流ILの包絡線のリップル率が1.0以下となるように共振電流ILを制御し、励振音を30dB以下とすれば、使用者が気になるような励振音の発生を抑制できる。
<被加熱物の加熱時の励振音低減方法の変形例>
次に、図10に実施例1の共振電流ILの制御方法の変形例を示す。
図10は、共振電流ILの包絡線が略一定となるように下アーム(スイッチング素子SW2)のDutyを制御した場合の各種信号の動作波形図であり、上から順に、商用電源1からの入力電圧・入力電流、電源回路10が出力する電源電圧Vp、包絡線検出回路64の出力値、共振電流IL、下アーム(スイッチング素子SW2)のDutyの変動を示す。
同図から明らかなように、本変形例では、電源回路10の出力電圧が電圧指令値よりも小さい期間は下アームのDutyを大きく設定し、電源回路10の出力電圧が電圧指令値よりも大きい期間は下アームのDutyを小さく設定する。このようなインバータ回路20の制御によっても、共振電流ILの包絡線は略一定となるので、図7の制御と同様に、加熱コイル5に供給される共振電流IL中の商用周波数起因の脈動成分が低減され、電磁誘導加熱による電磁力の変動が小さくなり、鍋で発生する励振音を低減することができる。また、この時、電源回路10が出力する電源電圧Vpは、商用電源1からの入力電圧の商用周波数による変動と共振電流ILより大きく変動する。したがって、電源回路10が出力する電源電圧Vpよりも包絡線検出回路64の出力値の変動比が小さくなる。
以上で説明した本実施例の電磁誘導加熱装置によれば、電源回路の内蔵コンデンサを、大容量の電解コンデンサではなく、比較的容量の小さいフィルタコンデンサ等とし、電源回路が出力する電源電圧に商用電源の脈動に起因する脈動が残存する場合であっても、電源電圧の脈動に応じてインバータ回路を制御することで、共振電流の包絡線を略一定に維持することができ、この悔過、加熱コイルから発生する電磁力による鍋の励振音を低減できるため、騒音の小さい快適な調理環境を提供することができる。
次に、図11を用いて、本発明の実施例2の電磁誘導加熱装置を説明する。なお、上述した実施例との共通点は重複説明を省略する。
図11は、実施例2の電磁誘導加熱装置の回路構成である。本実施例のインバータ回路80(電圧共振インバータ)は、共振回路91とスイッチング素子SW2の直列回路である。共振回路91は、加熱コイル5と共振コンデンサCr1の並列回路である。また、スイッチング素子SW2にはダイオードD2が逆並列に接続されている。
次に、図12を用いて、通常の加熱動作を説明する。ここで、加熱コイル5の電流の向きは、図11の矢印方向を正とする。
(モード1)
モード1は、スイッチング素子SW2のオフからスイッチング素子SW2のコレクタ電圧Vc1のピークまでの期間である。モード1において、スイッチング素子SW2をオフすると、スイッチング素子SW2に流れていた電流Ic1が遮断され、加熱コイル5に蓄えられていたエネルギーにより、加熱コイル5と共振コンデンサCr1の経路に電流が流れる。この時、スイッチング素子SW2のコレクタ電圧Vc1が正弦波状に上昇し、ゼロ電圧スイッチング(以下、ZVS)となる。
(モード2)
モード2は、スイッチング素子SW2のコレクタ電圧Vc1のピークから0Vになるまでの期間である。モード2において、スイッチング素子SW2のコレクタ電圧Vc1がピークになると、加熱コイル5の電流Ic1が正から負に切り替わり、電流の向きが反転し、共振コンデンサCr1、加熱コイル5の経路に電流が流れる。
(モード3)
モード3は、ダイオードD2の通電期間である。モード3において、共振コンデンサCr1が放電され、スイッチング素子SW2のコレクタ電圧が0Vになると、ダイオードD2がオンし、加熱コイル5、フィルタコンデンサCf、ダイオードD2の経路に電流が流れる。このダイオードD2の通電期間内にスイッチング素子SW2のゲートをオンする。
(モード4)
モード4は、スイッチング素子SW2の通電期間である。モード4において、加熱コイル5のエネルギーがなくなると、共振電流ILが負から正に切り替わる。このときスイッチング素子SW2はすでにゲートがオンしているため電流が流れ始める。このときスイッチング損失の発生しないZVSになる。電流はフィルタコンデンサCf、加熱コイル5、スイッチング素子SW2の経路と商用電源1、整流回路2、インダクタ3、加熱コイル5、スイッチング素子SW2、整流回路2の経路に流れる。
以上のモード1からモード4を繰り返し動作することで、加熱コイル5に高周波の交流電流が流れ、鍋を加熱する。
図13に、電圧共振型のインバータ回路80における、駆動周波数fsと入力電力の関係を示す。本実施例では、加熱コイル5と共振コンデンサCr1が並列に接続される並列共振回路となっている。したがって、図13に示す周波数特性は下に凸になる特性を示す。このように、並列共振においては共振点での電力が最低電力となり、周波数を下げることで電力を制御することができる。
以上で説明した本実施例の回路においても、実施例1の図9Aや図10で説明したインバータ回路20の制御により、包絡線検出回路の出力値を一定になるように共振電流ILを制御することで、加熱コイルから発生する電磁力の変動を低減でき、鍋から発生する励振音を低減することができる。
次に、図14を用いて、本発明の実施例3の電磁誘導加熱装置を説明する。なお、上述した実施例との共通点は重複説明を省略する。
図14は、実施例3の電磁誘導加熱装置の回路ブロック図を示す。実施例1、2では、整流回路2とインバータ回路20の間にコンバータを設けなかったが、本実施例では、整流回路2とインバータ回路20の間にコンバータ40を設け、整流回路2が出力する整流電圧をコンバータ40で一定の直流電圧に変換する。従って、本実施例の電磁誘導加熱装置は、コンバータ40が出力する一定の直流電圧をインバータ回路20で交流に変換し、共振回路30に供給するものである。
<コンバータ40>
ここで、図15を用いて、コンバータ40の具体的な回路構成の一例を説明する。図15は昇圧チョッパ回路を使ったコンバータであり、25はチョークコイル、SW3はスイッチング素子、D3はダイオード、Csmは平滑コンデンサである。整流回路2の正極端子bは、チョークコイル25を介して、スイッチング素子SW3のコレクタ端子とダイオードD3のアノード端子に接続されている。また、スイッチング素子SW3のエミッタ端子は、整流回路2の出力の負極端子f点に接続されている。さらに、ダイオードD3のカソード端子は平滑コンデンサCsmの正極端子に接続されている。平滑コンデンサCsmの負極端子は整流回路2の負極端子f点に接続される。なお、本実施例の電磁誘導加熱装置で使用されるコンバータの形態は図15に示したものに限られず、他の形態のコンバータを用いてもよい。
次に動作を説明する。スイッチング素子SW3をオンすると、整流回路2、チョークコイル25、スイッチング素子SW3の経路に電流が流れ、チョークコイル25にエネルギーを蓄積する。次にスイッチング素子SW3をオフするとチョークコイル25に蓄積されたエネルギーが、チョークコイル25、ダイオードD3、平滑コンデンサCsm、整流回路2の経路に流れ、平滑コンデンサCsmにエネルギーが蓄積される。以上の動作を繰り返すことで、商用電源1から供給されるエネルギーが平滑コンデンサCsmに蓄積され、平滑コンデンサCsmの後段に接続されるインバータ、負荷(図示せず)に入力電圧より高い電圧のエネルギーが伝達される。
<コンバータのPFC制御>
コンバータ40の制御方法としては、PFC制御と呼ばれる、入力電流を正弦波状に整形する制御方法が知られている。一般的に系統電力から供給される電力変換装置には、このPFC制御により高調波電流を抑制し、他の機器の動作障害や電力設備の焼損、異音などの防止を行っている。
PFC制御に必要な検出回路と制御回路について、図14を用いて説明する。商用電源1から入力される電力を検知するには、商用電源1から供給される交流電流を検出する必要がある。本実施例では、商用電源1から流れる交流電流を電流検出器33により電圧に変換した後、AC電流検出回路63により検出される。
また、商用電源1の電圧Vacと同位相の正弦波電流Iacに整形を行うことにより力率を改善する制御には、入力電流波形の基準信号となる整流回路2の出力電圧、即ち、整流された直流電圧を入力電圧検出回路67で検出する。さらに、出力電圧を一定に制御するために、昇圧回路の出力電圧Ve、即ち、コンバータ40の両端電圧を直流電圧検出回路66で検出する。なお、部品削減を図るために、入力電圧を検出せずに制御回路70内部で基準信号を求め、商用電源1に流れる入力電流の波形整形を行うことも可能であり、その場合には入力電圧検出回路67を削除してもよい。
<制御方法>
次に、本実施例における制御方法について説明する。商用電源1の電圧に応じて入力電流の波形を商用電源1の電圧と同位相の正弦波電流に整形する力率改善制御を行う。
図16に商用電源1の1周期期間の入力電圧Vacの波形、コンバータ40の出力電圧Ve、入力電流Iacの波形、入力電圧検出値、出力電圧検出値、入力電流検出値、電流指令値と三角波、制御信号を示す。
先ず、図16において、VeをVacのピーク電圧より高い電圧に設定する。次に、入力電圧検出値と出力電圧検出値を乗算し、その結果を入力電流検出値との誤差を増幅することにより電流指令値を生成する。制御信号は電流指令値と三角波を比較演算することで生成される。具体的には、電流指令値が三角波よりも大きいときに制御信号をオフにし、小さいときにはオンにする。この制御信号がドライブ回路61を介して出力され、コンバータ40を動作する。
このようなPFC制御を行うことで入力電流を正弦波状に制御することができ、力率の改善や高調波の抑制が可能になる。さらに、包絡線検出回路を備え、その出力値とコンバータ出力電圧との比較結果より、包絡線検出回路の出力値を一定に制御することで、コンバータの出力電圧に商用電源の脈動が起因の脈動が残る場合であっても、その脈動よりも、包絡線検波回路の出力値の変動を小さくでき、すなわち、加熱コイルに流れる電流の包絡線を一定にできるため、電磁力の脈動を低減することができ、鍋の励振音を低減することができる。また、コンバータの出力に接続されるコンデンサの静電容量を低減でき低コストで回路を構成することが可能になる。
なお、本実施例の電磁誘導加熱装置において、包絡線を略一定に維持する場合には、実施例1の図9A、図10で説明した制御における電源電圧Vpを、コンバータ40の出力電圧Veと読み替えたインバータ回路20の制御を実行すれば良い。
次に、図17を用いて、本発明の実施例4の電磁誘導加熱装置を説明する。上述の実施例ではハーフブリッジインバータを用いたが、本実施例ではフルブリッジインバータを用いる。図2と同一の構成要素に同一符号が付し、重複説明は避ける。
本実施例で用いるフルブリッジインバータは、図17に示すように、コンバータ10の出力端子であるo−p間にインバータ回路20aとインバータ回路20bが接続され、両インバータ回路の中点のt−r間に加熱コイル5と共振コンデンサCr1の直列回路が接続された構成である。スイッチング素子SW1a、SW1b、SW2a、SW2bには逆並列にダイオードD1a、D1b、D2a、D2bが接続されており、スイッチング素子のコレクタ端子にダイオードのカソード端子、エミッタ端子にアノード端子が接続されている。スイッチング素子SW1aとSW2bに同じ駆動信号を与え、スイッチング素子SW2aとSW1bに同じ駆動信号を与えることで、スイッチング素子SW1aとSW2aが相補に駆動し、スイッチング素子SW1bとSW2bが相補に駆動する。
各スイッチング素子のソフトスイッチング動作については、ハーフブリッジと同様の動作となるため、説明は省略する。フルブリッジでは加熱コイル5と共振コンデンサCr1の直列回路に印加される電圧、すなわちインバータ出力電圧(t−r間電圧)がハーフブリッジの2倍の電圧を発生させることができる。このため、加熱コイル5の巻数を増やすことができるため、加熱効率の向上が可能になる。
電力制御方法についてはハーフブリッジインバータと同様の周波数またはDutyを用いることで制御することが可能であるため詳細は割愛する。
以上のようなフルブリッジインバータを用いた場合においても、図9Aや図10で説明したインバータ制御により、加熱コイルに流れる電流包絡線を一定になるようインバータ回路20a、20bの駆動周波数もしくDutyを制御することで、共振電流ILの脈動が低減し鍋から発生する励振音を低減することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
1 商用電源
2 整流回路
3 インダクタ
5 加熱コイル
10 電源回路
20、20a、20b インバータ回路
30 共振回路
31、32、33 電流検出器
46、53 オペアンプ
61 ドライブ回路
62 共振電流検出回路
63 AC電流検出回路
64 包絡線検出回路
65 入力電流検出回路
66 直流電圧検出回路
67 入力電圧検出回路
70 制御回路
71 入力電力設定部
100a、100b、100c インバータ
Cf フィルタコンデンサ
Cr1、Cr2 共振コンデンサ
Cs1、Cs2 スナバコンデンサ
Csm 平滑コンデンサ
C1、C2 コンデンサ
D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7 ダイオード
R1、R2、R3、R4、R5 抵抗
SW1、SW1a、SW1b、SW2、SW2a、SW2b、SW3、SW4 スイッチング素子

Claims (6)

  1. 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
    商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して出力する電源回路と、
    該電源回路から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して、前記加熱コイルに供給するインバータと、
    該インバータを制御する制御回路と、を具備し、
    前記インバータは、
    前記加熱コイルと共振コンデンサを直列接続した共振回路と、
    前記電源回路の出力端子間に接続され、二つのスイッチング素子を直列接続したインバータ回路と、
    前記共振回路に流れる共振電流を検出する共振電流検出回路と、
    前記共振回路に流れる共振電流の包絡線を検出する包絡線検出回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記包絡線検出回路の出力値が略一定になるように、前記インバータ回路を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  2. 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
    商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して出力する電源回路と、
    該電源回路から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して、前記加熱コイルに供給するインバータと、
    該インバータを制御する制御回路と、を具備し、
    前記インバータは、
    前記加熱コイルと共振コンデンサを並列接続した共振回路と、
    前記電源回路の出力端子間に接続され、スイッチング素子と前記共振回路を直列接続したインバータ回路と、
    前記共振回路に流れる共振電流を検出する共振電流検出回路と、
    前記共振回路に流れる共振電流の包絡線を検出する包絡線検出回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記包絡線検出回路の出力値が略一定になるように、前記インバータ回路を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  3. 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
    商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して出力する電源回路と、
    該電源回路から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して、前記加熱コイルに供給するインバータと、
    該インバータを制御する制御回路と、を具備し、
    前記インバータは、
    前記電源回路の出力端子間に接続され、二つのスイッチング素子を直列接続した第一のインバータ回路と、
    前記電源回路の出力端子間に接続され、二つのスイッチング素子を直列接続した第二のインバータ回路と、
    両インバータ回路の出力端子間に接続され、前記加熱コイルと共振コンデンサを直列接続した共振回路と、
    該共振回路に流れる電流を検出する電流検出回路と、該共振回路に流れる電流の包絡線を検出する包絡線検出回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記包絡線検出回路の出力値が略一定になるように、前記第一のインバータ回路および前記第二のインバータ回路を制御することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の電磁誘導加熱装置において、
    前記制御回路は、
    前記電源回路が出力する直流電圧が電圧指令値よりも小さい期間は前記インバータ回路の駆動周波数を低く設定し、
    前記電源回路が出力する直流電圧が電圧指令値よりも大きい期間は前記インバータ回路の駆動周波数を高く設定することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  5. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の電磁誘導加熱装置において、
    前記制御回路は、
    前記電源回路が出力する直流電圧が電圧指令値よりも小さい期間は前記スイッチング素子のDutyを大きく設定し、
    前記電源回路が出力する直流電圧が電圧指令値よりも大きい期間は前記スイッチング素子のDutyを小さく設定することを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  6. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の電磁誘導加熱装置において、
    前記電源回路は、
    前記商用電源から供給される交流電圧を整流する整流回路と、
    該整流回路から供給される整流電圧を略一定の直流電圧に変換して出力するコンバータと、を備え、
    該コンバータが出力する直流電圧の変動よりも、前記包絡線検出回路の出力値の変動が小さいことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
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