JP2004113596A - 誘導加熱炊飯器 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング手段により加熱コイルに流れる高周波電流を制御して鍋を加熱する誘導加熱炊飯器において、整流平滑手段の出力電圧が低いときに、導通時間の設定を瞬時に長く変更することで、加熱コイルに供給する高周波電力を増やすことができる誘導加熱炊飯器を提供する。
【解決手段】鍋1に高周波電力を供給する加熱コイル2と共振コンデンサ3とで共振回路を構成し、加熱コイル2に流れる高周波電流をスイッチング手段4により制御し、加熱コイル2に電力を供給する交流電源5を整流平滑手段6により整流平滑し、スイッチング手段4の導通時間を導通時間設定手段12により設定する。導通時間設定手段12は、スイッチング手段4の両端電圧を設定する電圧設定手段10とスイッチング手段4の両端電圧の包絡線を検知する包絡線検知手段11の出力に応じて、導通時間を設定するよう構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】鍋1に高周波電力を供給する加熱コイル2と共振コンデンサ3とで共振回路を構成し、加熱コイル2に流れる高周波電流をスイッチング手段4により制御し、加熱コイル2に電力を供給する交流電源5を整流平滑手段6により整流平滑し、スイッチング手段4の導通時間を導通時間設定手段12により設定する。導通時間設定手段12は、スイッチング手段4の両端電圧を設定する電圧設定手段10とスイッチング手段4の両端電圧の包絡線を検知する包絡線検知手段11の出力に応じて、導通時間を設定するよう構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング手段により加熱コイルに流れる高周波電流を制御して鍋を加熱する誘導加熱炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の誘導加熱炊飯器は図7に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図7に示すように、鍋1は水や米を入れるもので、電気回路モデルで示しており、この鍋1は磁束を通す金属を複数用いた積層体で構成している。加熱コイル2は、複数の銅線を束ねたリッツ線で構成し、鍋1と加熱コイル2は電磁気的に結合している。
【0004】
つまり、加熱コイル2に電流が流れることにより、加熱コイル2に磁束が発生し、この磁束が鍋1の金属を通過することにより、鍋1の金属に電流が流れ、この電流と金属の抵抗により鍋1を加熱するようにしている。
【0005】
共振コンデンサ3は、加熱コイル2に並列接続しており、加熱コイル2と並列共振回路を構成している。スイッチング手段4は、MOSFETやIGBTなどの半導体素子と、この半導体素子に逆接続した逆接続ダイオードで構成している。
【0006】
交流電源5は100V60Hzで、整流平滑手段6は、ダイオードブリッジ7、チョークコイル8、コンデンサ9で構成し、交流電源5を整流している。このとき、コンデンサ9の容量は数μFと小さいので、加熱コイル2に高周波電流を流した場合、大きなリプルを発生し、交流電源5を整流した波形と同一となるが、20数kHzの高周波電圧を平滑することができる。
【0007】
ピーク電圧設定手段61は、2つ以上の抵抗からなる分圧回路で構成しており、スイッチング手段4の両端電圧の基準電圧を設定する。この基準電圧は700V付近になるように、トリミングやボリュームにて調整済みである。
【0008】
ピーク電圧検知手段62は、スイッチング手段4に印加される電圧を2つ以上の抵抗で分圧する分圧回路と、この分圧回路の出力ピーク値を保持するピークホールド回路で構成している。ここで、ピークホールド回路は、分圧回路の出力をベース端子に入力するトランジスタと、このトランジスタのエミッタ端子に接続した電解コンデンサと、この電解コンデンサに並列接続した放電抵抗で構成している。このとき、電解コンデンサと放電抵抗の時定数は、交流電源5の半周期よりも十分長い時間になるように設定している。
【0009】
AD変換器63は、マイクロコンピュータ内部に予め設けたものを使用している。このAD変換器63は、ピーク電圧検知手段62の出力電圧をAD変換し、その値を導通時間設定手段65に出力する。
【0010】
零電圧検知手段64は、交流電源5の両端にフォトカプラを接続することで構成している。フォトカプラは、交流電源5の両端電圧が所定値を越えるとハイを導通時間設定手段65に出力し、交流電源5の両端電圧が所定値以下ではローを導通時間設定手段65に出力する。
【0011】
導通時間設定手段65はマイクロコンピュータで構成しており、この導通時間設定手段65は、零電圧検知手段64の出力エッジを検知するごとに、ピーク電圧設定手段61とピーク電圧検知手段41の出力を比較して、スイッチング手段4の導通時間を設定し、駆動手段13に設定された導通時間、ハイを出力する。
【0012】
駆動手段13は、PNPトランジスタ、NPNトランジスタからなるプッシュプル回路で構成し、この駆動手段13は、導通時間設定手段65のハイ、ローの信号を受けて、スイッチング手段4を構成するIGBTのゲートに信号を出力する。IGBTは、この信号を受けてオンオフし、加熱コイル2に電流を流したり、遮断したりする。
【0013】
上記構成において動作を説明する。炊飯を開始すると、導通時間設定手段65を構成するマイクロコンピュータは、零電圧検知手段64の出力エッジを検知すると、ピーク電圧設定手段61とピーク電圧検知手段62の出力を比較して、ピーク電圧設定手段61の出力が大きければ、スイッチング手段4の導通時間を現在の設定よりも長くし、ピーク電圧設定手段61の出力が小さければ、スイッチング手段4の導通時間を現在の設定よりも短くする。そして導通時間設定手段65は設定された時間ハイを駆動手段13に出力する。
【0014】
駆動手段13は、スイッチング手段4をオンし、加熱コイル2に電流を流す。このときの導通時間をTd、整流平滑手段6の印加電圧をV、加熱コイル2のインダクタンスをLとすると、Td時に加熱コイル2に流れている電流ILは、
IL=V/L×Td
で表すことができる。
【0015】
つまり、加熱コイル2の電流ILは、導通時間や整流平滑手段の印加電圧に比例している。なお、このときに加熱コイル2にたまるエネルギをWLとすると、WLは、
WL=1/2×L×IL2
で表すことができる。
【0016】
この加熱コイル2のエネルギWLは共振コンデンサ3との共振エネルギになる。共振コンデンサ3にたまるエネルギをWC、共振コンデンサ3の両端電圧をVCとすると、WCは、
WC=1/2×C×VC2
で表すことができる。
【0017】
加熱コイル2のエネルギWLが共振コンデンサ3のエネルギWCに変換されるので、WL=WCとなる。なお、スイッチング手段4の両端電圧Vswは整流平滑手段6の出力電圧Vと共振コンデンサ1の両端電圧VCの和となる。
【0018】
以上の動作をまとめると、大きく2つのことがわかる。第1は、スイッチング手段4の導通時間を長くするほど、加熱コイル2に流れる電流が大きくなり、加熱コイル2にたまるエネルギも大きくなるが、共振コンデンサ3の両端電圧も高くなり、その結果、スイッチング手段4の両端電圧が高くなるということである。
【0019】
第2は、導通時間が同じでも、整流平滑手段6の印加電圧が変化すると加熱コイル2に流れる電流が変化するので、スイッチング手段4の両端電圧も変化するということである。
【0020】
図8は交流電源5の1周期における、主要部の動作波形を示している。図8(a)は交流電源5の電圧波形を示している。図8(b)は交流電源5の入力電流波形を示している。図8(c)は整流平滑手段6の出力電圧波形を示している。図8(d)はスイッチング手段4の両端電圧の包絡線を示している。図8(e)は加熱コイル2に供給される電流、すなわちスイッチング手段4を構成するIGBTが導通しているときの電流の包絡線を示している。
【0021】
図8に示すように、交流電源5の半周期の間は、導通時間が一定なため、加熱コイル2に供給される電流は整流平滑手段6の出力電圧に比例して変動している。つまり、整流平滑手段6の出力電圧は交流電源5の電圧に対応しているので、加熱コイル2に供給される電流は交流電源5の電圧に対応して変動していることとなる。
【0022】
以上のように、従来の誘導加熱炊飯器においては、交流電源5の半周期ごとにスイッチング手段4の両端電圧のピーク値と設定値を比較してスイッチング手段4の導通時間を設定し、スイッチング手段4の両端電圧を設定値に抑えるものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0023】
【特許文献1】
特開平5−114472号公報(第3−7頁、図1−図2)
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、交流電源5の半周期ごとにスイッチング手段4の導通時間を変更するので、加熱コイル2に流れる電流が整流平滑手段6の電圧に応じて変動する。そのため、加熱コイル2により大きな高周波電力を供給できるよう電流を増やそうとしても、整流平滑手段6の電圧がピークのときに、スイッチング手段4の両端電圧が最大定格を越えてしまうという問題があった。
【0025】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、整流平滑手段の出力電圧が低いときに、導通時間の設定を瞬時に長く変更することで、加熱コイルに供給する高周波電力を増やすことができる誘導加熱炊飯器を提供することを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、鍋に高周波電力を供給する加熱コイルと、共振コンデンサとで共振回路を構成し、加熱コイルに流れる高周波電流をスイッチング手段により制御し、加熱コイルに電力を供給する交流電源を整流平滑手段により整流平滑し、スイッチング手段の導通時間を導通時間設定手段により設定するよう構成し、導通時間設定手段は、スイッチング手段の両端電圧を設定する電圧設定手段とスイッチング手段の両端電圧の包絡線を検知する包絡線検知手段の出力に応じて、導通時間を設定するよう構成したものである。
【0027】
これにより、スイッチング手段の両端電圧が低くなるとき、すなわち整流平滑手段の電圧が低いときには、電圧設定手段の出力電圧と包絡線検知手段の出力が同じになるように、スイッチング手段の導通時間を長くして加熱コイルに流れる電流を大きくすることができるので、鍋に供給される高周波電力を大きくすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、鍋に高周波電力を供給する加熱コイルと、前記加熱コイルと共振回路を構成する共振コンデンサと、前記加熱コイルに流れる高周波電流を制御するスイッチング手段と、前記加熱コイルに電力を供給する交流電源と、前記交流電源を整流平滑する整流平滑手段と、前記スイッチング手段の両端電圧を設定する電圧設定手段と、前記スイッチング手段の両端電圧の包絡線を検知する包絡線検知手段と、前記スイッチング手段の導通時間を設定する導通時間設定手段とを備え、前記導通時間設定手段は前記電圧設定手段と前記包絡線検知手段の出力に応じて導通時間を設定するよう構成したものであり、スイッチング手段の両端電圧が低いとき、すなわち整流平滑手段の電圧が低いときには、導通時間設定手段が電圧設定手段の出力と包絡線検知手段の出力が同じになるように瞬時にスイッチング手段の導通時間を長くし、加熱コイルに供給する高周波電力を増やすことができる。
【0029】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、導通時間設定手段は導通時間の設定値に上限値を設けたものであり、加熱コイルに流れる高周波電流の周波数範囲を限定することとなり、加熱コイルに流れる高周波電流の周波数が人間の可聴周波数域に入るのを防止することができる。
【0030】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、交流電源の入力電流を設定する入力電流設定手段と、前記交流電源からの入力電流を検知する入力電流検知手段とを備え、電圧設定手段は前記入力電流設定手段と前記入力電流検知手段の出力に応じてスイッチング手段の両端電圧の設定値を変更し、導通時間設定手段は前記電圧設定手段と包絡線検知手段の出力に応じて導通時間を設定するよう構成したものであり、入力電流に応じてスイッチング手段の両端電圧を補正することとなり、加熱コイルに供給される電流を一定に制御できる。
【0031】
請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載の発明において、電圧設定手段はスイッチング手段の両端電圧の設定値に上限値を設けたものであり、スイッチング手段の両端電圧を制限することとなり、スイッチング手段の両端に最大定格を越える電圧がかかるのを防止することができる。
【0032】
請求項5に記載の発明は、上記請求項3または4に記載の発明において、入力電流検知手段は入力電流の平均値を検知するよう構成したものであり、入力電流波形の影響を受けにくくなり、入力電流を精度よく制御できる。
【0033】
請求項6に記載の発明は、上記請求項3または4に記載の発明において、入力電流検知手段は入力電流の実効値を検知するよう構成したものであり、入力電流波形の影響を受けにくくなり、入力電流を精度よく制御できる。
【0034】
請求項7に記載の発明は、上記請求項1〜6に記載の発明において、スイッチング手段の両端電圧が所定値を越えると、所定期間前記スイッチング手段をオフとする過電圧検知手段を備え、前記所定値は電圧検知手段が設定するスイッチング手段の両端電圧の設定値よりも大としたものであり、スイッチング手段の両端電圧の急峻な変化に対応できることとなり、スイッチング手段の両端電圧が急激に上昇しても、スイッチング手段の両端に最大定格を越える電圧がかかるのを防止することができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
(実施例1)
図1に示すように、鍋1は水や米を入れるもので、電気回路モデルで示しており、この鍋1は磁束を通す金属を複数用いた積層体で構成している。ただし、これは一例で、積層体で構成する必要はなく、金属めっき処理をした鍋や、同一の金属のみを材料とした鍋でも構わない。鍋1を積層体や同一金属のみで構成する場合は、金属の厚さを管理するのが容易である。鍋1を金属めっき処理した場合は、表面の金属のみを変更するだけで、様々な種類の鍋を作成できる。
【0037】
加熱コイル2は、複数の銅線を束ねたリッツ線をさらに20数本で撚った線で構成しており、高周波電流が流れたときの電流分布を均一にしている。特に図示していないが、加熱コイル2の上には鍋1が置かれており、鍋1と加熱コイル2は電磁気的に結合している。つまり、加熱コイル2に電流が流れることにより、加熱コイル2に磁束が発生し、この磁束が鍋1の金属を通過することにより、鍋1の金属に電流が流れ、この電流と金属の抵抗により鍋1が発熱するようにしている。
【0038】
共振コンデンサ3は、本実施例では高周波電流が流れても損失の少ないポリプロピレンコンデンサを使用している。共振コンデンサ3は、加熱コイル2に並列接続しており、加熱コイル2と並列共振回路を構成している。
【0039】
スイッチング手段4は、加熱コイル3に流れる高周波電流を制御するもので、MOSFETやIGBTなどの半導体素子と、この半導体素子に逆接続した逆接続ダイオードで構成している。MOSFETやIGBTは耐圧が高く、高周波のスイッチングが可能で、大電流を流すことができるという利点がある。
【0040】
整流平滑手段6は、交流電源5を整流平滑するもので、ダイオードブリッジ7、チョークコイル8、コンデンサ9で構成し、100V60Hzの交流電源5を整流している。このとき、コンデンサ9の容量は数μFと小さく、加熱コイル2に高周波電流を流した場合、リプルが生じる。本実施例では、このリプル電圧は、交流電源5の電圧と同じとなる。
【0041】
電圧設定手段10は、スイッチング手段4の両端電圧を設定するもので、マイクロコンピュータに内蔵されたDA変換器で構成している。本実施例の誘導加熱炊飯器には、炊飯、保温などの複数の動作モードがある。本実施例では、これらの動作モードそれぞれに対応して、スイッチング手段4の両端電圧値を設定できるようになっている。この両端電圧の設定値(以下、電圧設定値Vsという)はマイクロコンピュータ内のROMに記憶されている。つまり、電圧設定手段10は、ROMから、動作モードに対応して電圧設定値Vsを呼び出し、この電圧設定値VsをDA変換器を介してアナログ電圧V1に変換し、導通時間設定手段に12に出力している。
【0042】
包絡線検知手段11は、スイッチング手段4の両端電圧の包絡線を検知するもので、スイッチング手段4の両端電圧Vswの包絡線に相当する電圧V2を出力する。包絡線検知手段11は分圧回路とピークホールド回路で構成している。分圧回路は、スイッチング手段4の両端電圧Vswを検知するもので、少なくとも2つ以上の抵抗からなる直列回路をスイッチング手段4に並列接続して構成している。
【0043】
ピークホールド回路は分圧回路の出力電圧の包絡線を検知するもので、トランジスタとこのトランジスタのエミッタに接続したコンデンサとこのコンデンサに並列接続した抵抗で構成している。このとき、コンデンサは、前記分圧回路の出力を平滑する必要がないので、容量を小さくでき、部品を小型化することができる。ただし、これは一例で、ダイオードを用いた検波回路を使用しても構わない。
【0044】
導通時間設定手段12は、スイッチング手段4の導通時間を設定するもので、オペアンプなどを用いた増幅回路と、コンパレータなどを用いた発振回路で構成している。増幅回路は、電圧設定手段10の出力電圧V1と、包絡線検知手段11の出力電圧V2の出力が同じになるように、V1とV2を誤差増幅し、発振回路に出力する。
【0045】
なお、このときの出力電圧をV3とする。発振回路は増幅回路の出力電圧V3に応じてハイ信号の時間を変化させ、ロー信号の時間を一定にすることで発振周波数を変化させる。
【0046】
以上のように、導通時間設定手段12をアナログ回路で構成する場合は、演算スピードの遅いマイクロコンピュータを使用することができるので、低コスト化、マイコン消費電力の削減が可能である。
【0047】
ただし、これは一例であり、演算スピードの速いマイクロコンピュータを使用し、導通時間設定手段12をこのマイクロコンピュータで構成することもできる。例えば、最近のマイクロコンピュータにはAD変換器やPWM出力端子が内蔵されているので、包絡線検知手段11の出力電圧V2を前記AD変換器に入力し、AD変換器のデジタル出力と電圧設定手段10の電圧設定値Vsを比較して、導通時間を設定する。
【0048】
この導通時間に応じて、マイクロコンピュータのPWM端子からハイまたはローの信号を出力することでスイッチング手段4をオンオフすることが可能となる。この場合には、オペアンプやコンパレータなどのアナログ回路分の実装面積を減らすことができる。また、電圧設定手段10と導通時間設定手段12がマイクロコンピュータで構成されるので、電圧設定手段10を構成するDA変換器を省略することができる。
【0049】
駆動手段13は、PNPトランジスタ、NPNトランジスタからなるプッシュプル回路で構成している。駆動手段13は、導通時間設定手段11のハイ、ローの信号を受けて、スイッチング手段4を構成するIGBTのゲートに信号を出力する。IGBTは、この信号を受けてオンオフし、加熱コイル2に電流を流したり、遮断したりする。
【0050】
上記構成において動作を説明する。まず、炊飯が開始されると、電圧設定手段10が動作モードごとに決められた電圧設定値Vsを設定し、それに対応したアナログ電圧V1を導通時間設定手段12に出力する。本実施例では、各動作モードごとに電圧設定値Vsがあるが、ここでは、一例として、Vs=700Vを設定する。この700Vはスイッチング手段4を構成するIGBTの最大定格電圧から100Vほど低い電圧となっている。
【0051】
交流電源5の電圧が低いときには、整流平滑手段6の出力電圧も低いので、加熱コイル2への印加電圧が低くなる。このため、同じ導通時間でも加熱コイル2に流れる電流は小さい。このときの導通時間をTd、整流平滑手段6の印加電圧をV、加熱コイル2のインダクタンスをLとすると、Td時に加熱コイル2に流れている電流ILは、
IL=V/L×Td・・・・・・(1)
で表すことができる。
【0052】
したがって、加熱コイル2のエネルギも小さくなる。このときに加熱コイル2にたまるエネルギをWLとすると、WLは、
WL=1/2×L×IL2・・・・(2)
で表すことができる。
【0053】
この加熱コイル2のエネルギは共振コンデンサ3との共振エネルギになる。共振コンデンサ3にたまるエネルギをWC、共振コンデンサ3の両端電圧をVCとすると、WCは、
WC=1/2×C×VC2・・・・(3)
で表すことができる。
【0054】
加熱コイル2と共振コンデンサ3の共振により、加熱コイル2のエネルギWLが共振コンデンサ3のエネルギWCに変換される。したがって、WL=WCとなるので、加熱コイル2に流れる電流が小さければ、共振コンデンサ3の両端電圧VCも小さくなる。
【0055】
スイッチング手段4の両端電圧Vswは整流平滑手段6の出力電圧Vと共振コンデンサ3の両端電圧VCの和なので、電圧設定値Vsより低くなる。したがって、包絡線検知手段11の出力電圧V2も小さくなる。
【0056】
そこで、導通時間設定手段12を構成する増幅回路は、電圧設定値Vsに対応したアナログ電圧V1と包絡線検知手段11の出力電圧V2が同じ値になるように誤差増幅し瞬時に出力電圧を大きくする。すると、導通時間設定手段12を構成する発振回路が、ハイ信号を長くするのでスイッチング手段4の導通時間が長くなる。この結果、加熱コイル2に流れる電流が増え、スイッチング手段4の両端電圧Vswが電圧設定値Vsに近づく。
【0057】
逆に、交流電源5の電圧がピーク値付近のときには、整流平滑手段6の出力もピーク値付近に上昇し、加熱コイル2への印加電圧が高くなるので、導通時間が同じでも、加熱コイル2に流れる電流が大きくなる。したがって、加熱コイル2と共振コンデンサ3の共振エネルギも大きくなり、スイッチング手段4の両端電圧Vswは電圧設定値Vsより高くなる。
【0058】
したがって、包絡線検知手段11の出力電圧V2が電圧設定値Vsに対応したアナログ電圧V1より大きくなるので、導通時間設定手段12を構成する増幅回路は出力電圧V3を小さくする。導通時間設定手段12を構成する発振回路はこの出力電圧に応じてハイ信号を短くするので、スイッチング手段4の導通時間が短くなり、スイッチング手段4の両端電圧Vswは電圧設定値Vsまで下がってくる。
【0059】
図2(a)は交流電源5の電圧波形を示している。図2(b)は交流電源5の入力電流波形を示している。図2(c)は整流平滑手段6の電圧波形を示している。図2(d)はスイッチング手段4の両端電圧Vswの包絡線を示している。図2(e)は加熱コイル2に流れる電流ILのうち整流平滑手段6より供給される電流の包絡線を示している。
【0060】
図2に示すように、交流電源5の電圧が0Vのときには、整流平滑手段6の出力電圧も0Vであるので、スイッチング手段4の両端電圧Vswは0Vとなり、加熱コイル2に流れる電流も0Aとなっているが、交流電源5の電圧が低いときに加熱コイル2に流れる電流は、交流電源5の電圧が高いときと同じくらいになっている。
【0061】
図3は導通時間設定手段12を構成する増幅回路の入出力波形を示している。図3(a)は電圧設定手段10の出力電圧V1、図3(b)は包絡線検知手段11の出力電圧V2、図3(c)は増幅回路の出力電圧V3、図3(d)は整流平滑手段6の出力電圧Vを示している。
【0062】
図3に示すように、電圧設定手段10の出力電圧V1は一定なので、包絡線検知手段11の出力電圧V2が小さいとき、すなわち、整流平滑手段6の出力電圧Vが小さいときには前記増幅回路の出力電圧V3は大きくなっている。したがって、導通時間設定手段12を構成する発振回路のハイ出力時間が長くなるので、スイッチング手段4の導通時間が長くなる。
【0063】
以上のように、整流平滑手段6の電圧が低いときでも、導通時間設定手段12がスイッチング手段4の両端電圧Vswが電圧設定値Vsになるまで瞬時にスイッチング手段4の導通時間を長くするので、加熱コイル2の高周波電流を増やすことができる。これにより、スイッチング手段4の導通時間を交流電源5の半周期ごとに制御していたときに比べ、交流電源5の半周期全体の電力量は増加する。したがって、鍋1に供給される高周波電力が増加するので、加熱時間を短縮することができる。
【0064】
また、本実施例で示した誘導加熱炊飯器では、スイッチング手段4の両端電圧を電圧設定値Vsで一定制御しようとするので、従来の誘導加熱炊飯器と入力電流を同じにすれば、スイッチング手段4の両端電圧Vswを低くすることができる。これにより、従来の誘導加熱炊飯器に比べ、スイッチング手段の電圧定格が低いものでも使用することができる。スイッチング手段にMOSFETを使用する場合には、電圧定格が低くなればオン抵抗も小さくなるので、損失を下げることができる。また、スイッチング手段の両端電圧Vswが低くなることで、200V電源の地域にも対応可能となる。
【0065】
(実施例2)
図4は、本発明の実施例2における誘導加熱炊飯器の導通時間設定手段の回路構成を示している。他の構成は上記実施例1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0066】
図4に示すように、増幅回路21は、オペアンプ22、抵抗23、24からなる反転増幅回路として構成している。増幅回路21は、電圧設定手段10が設定する電圧設定値Vsと瞬時電圧検知手段11が検知する検知電圧の差分を抵抗23、24の抵抗値の比率で誤差増幅している。
【0067】
リードラグフィルタ25は、2つの抵抗26、27と電解コンデンサ28の直列回路で構成している。導通時間制限回路29は、ツェナーダイオードで構成している。本実施例では、このツェナーダイオードのツェナー電圧で上限値を設定することにより、リードラグフィルタ25の出力値が所定値以下に制限されている。
【0068】
発振回路30は、複数のコンパレータで構成しており、この発振回路30は、リードラグフィルタ25の出力値に応じて、ハイの出力時間を変化させるとともにローの出力時間を一定にすることで、駆動手段13への出力信号の発振周波数を変化させる。
【0069】
上記構成において動作を説明する。整流平滑手段6の出力電圧が低いときには、上記(式1)から(式3)の結果から導通時間が同じでもスイッチング手段4の両端電圧Vswが電圧設定値Vsより非常に小さくなるので、増幅回路21の出力は非常に大きくなる。このため、リードラグフィルタ25の出力も大きくなるが、導通時間制限回路29を構成するツェナーダイオードが動作するので、一定電圧以上増加しなくなる。
【0070】
発振回路30は、この出力電圧に応じてハイ信号の出力時間を変えているので、ハイ信号は一定時間までしか増加しないことになる。本実施例では、発振回路30はハイ信号の出力時間を変化させるとともにロー信号の出力時間を一定にしているので、発振周波数は一定値以下には下がらないこととなる。
【0071】
以上のように、導通時間設定手段12が設定する導通時間に上限値を設ける構成にすることにより、加熱コイル2に流れる高周波電流の周波数に下限値を設けることができるので、加熱コイル2に流れる高周波電流の周波数が人間の可聴周波数範囲の上限値20kHzより下がらないようにすることができ、騒音の小さい誘導加熱炊飯器を実現できる。
【0072】
なお、本実施例における導通時間設定手段12の構成はこれに限るものではなく、例えば、マイクロコンピュータを利用しても構わない。
【0073】
(実施例3)
図5に示すように、入力電流設定手段41は、交流電源5の入力電流を設定するもので、マイクロコンピュータで構成している。本実施例の誘導加熱炊飯器には、炊飯、保温などの複数の動作モードがある。この動作モードごとに対応した入力電流の設定値(以下、電流設定値という)を設けている。この電流設定値はマイクロコンピュータ内のROMなどに記憶されている。つまり、入力電流設定手段41は、動作モードごとにROMデータから所定の電流設定値を呼び出している。
【0074】
入力電流検知手段42は、交流電源5からの入力電流を検知するもので、交流電源5と整流平滑手段6の間に設けた電流トランスと、この電流トランスの出力を整流平滑する整流平滑回路で構成している。整流平滑回路は整流ダイオードと電解コンデンサで構成しており、電流トランスの出力電圧の平均電圧を出力する。他の構成は上記実施例1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
上記構成において動作を説明する。まず、炊飯が開始されると、入力電流設定手段41が動作モードごとに決められた電流設定値Isを設定する。つぎに、電圧設定手段10が動作モードごとに決められた初期値を電圧設定値Vsとして設定する。本実施例の誘導加熱炊飯器では、電圧設定値Vsの初期値を650Vとしている。
【0076】
さらに、電圧設定手段10は電流設定値Isと入力電流検知手段9が検知した電流値Iinの差分に基づき、変動電圧値dVsを設定する。具体的には、電流設定値Isが検知電流値Iinより大きければ変動電圧値dVsをプラス値にし、電流設定値Isが検知電流値Iinより小さければ変動電圧値dVsをマイナス値にする。
【0077】
その後、電圧設定手段10は、(式4)に基づいて、電圧設定値Vsを変更し、電圧設定値Vsに対応したアナログ電圧V1をDA変換器を介して出力する。
【0078】
Vs=Vs+dVs・・・・・・・・(4)
なお、本実施例における電圧設定値Vsの更新タイミングは交流電源5の半周期につき1回である。
【0079】
導通時間設定手段12は、電圧設定手段10の出力電圧V1と包絡線検知手段11の検知電圧V2を比較して導通時間を設定する。
【0080】
整流平滑手段6の電圧が低いときには、加熱コイル2への印加電圧が低いので、同じ導通時間でも加熱コイル2に流れる電流は小さい。
【0081】
したがって、加熱コイル2と共振コンデンサ3の共振エネルギも小さいので、スイッチング手段4の両端電圧は、電圧設定手段10の設定値Vsより低くなる。そこで、導通時間設定手段12は導通時間を長くすることで、加熱コイル2に流れる電流を増やし、スイッチング手段4の両端電圧を設定値Vsまで上げようとする。
【0082】
逆に、整流平滑手段6の電圧がピーク値付近のときには、加熱コイル2への印加電圧が高くなるので、導通時間が同じでも、加熱コイル2に流れる電流が大きくなる。したがって、加熱コイル2と共振コンデンサ3の共振エネルギも大きくなり、スイッチング手段4の両端電圧は電圧設定手段10の設定値Vsより高くなる。そこで、導通時間設定手段12は導通時間を短くすることで、スイッチング手段4の両端電圧を設定値Vsまで下げようとする。
【0083】
図5に示した誘導加熱炊飯器の主要部の波形は図2と同様となるが、電圧設定手段10が入力電流設定手段41と入力電流検知手段42の出力に応じて、電圧設定値Vsを更新するので、入力電流の変動に対応することができ、入力電流のばらつきを抑えることができる。
【0084】
以上のように、入力電流設定手段41と入力電流検知手段42の出力を受けて電圧設定手段10がスイッチング手段4の両端電圧の設定を変更することで、加熱コイル2から鍋1に供給される電力のばらつきが小さく、加熱むらも小さい誘導加熱炊飯器を提供できる。
【0085】
なお、本実施例の電圧設定手段10が設定する電圧設定値Vsに上限値を設けることもできる。例えば、電圧設定手段10を構成するマイクロコンピュータのROMに予め電圧設定値の上限値を記憶しておき、この上限値と電圧設定手段10が設定した電圧設定値Vsとを比較する工程を追加する。この比較工程で、電圧設定値Vsが上限値より大きければ、電圧設定手段10は電圧設定値を上限値に変更する。
【0086】
このように、電圧設定手段10が設定する電圧設定値に上限値を設けることにより、スイッチング手段4の両端電圧に最大定格以上の電圧がかからないようにすることができる。したがって、故障の少ない、信頼性の高い誘導加熱炊飯器を提供できる。
【0087】
なお、本実施例では、入力電流検知手段42は入力電流の平均値を検知している。入力電流波形は、図2(d)に示したように、正弦波波形ではないが、平均値を検知することにより、入力電流波形が変化しても容易に入力電流値を推測することができる。
【0088】
また、入力電流検知手段42は入力電流の実効値を検知するようにしてもよい。この場合、入力電流検知手段42を構成する電流トランスの出力値の実効値を検知する実効値検知回路を設ける。実効値検知回路はオペアンプなどで構成することができる。入力電流の実効値を検知する場合も、平均値の検知と同様に、入力電流波形の変化に対応でき、容易に入力電流値を推測することができる。さらに、実効値を検知する場合は、交流電源の電圧を検知することで、入力電力を正確に把握することができるので、より電力供給の安定した誘導加熱炊飯器を提供できる。
【0089】
(実施例4)
図6に示すように、過電圧検知手段51は、スイッチング手段4の両端電圧が所定値を越えると、所定期間スイッチング手段4をオフとするもので、コンパレータとマイクロコンピュータで構成している。コンパレータは瞬時電圧検知手段11の出力が所定値を越えると、導通時間設定手段12の出力信号を強制的にローにするとともに、マイクロコンピュータにロー信号を出力する。マイクロコンピュータはロー信号を検知すると、マイクロコンピュータで構成している電圧設定手段10、入力電流設定手段41の設定値を所定時間ゼロとする。なお、前記所定値は、電圧設定手段10が設定する電圧設定値よりも高い値で、かつスイッチング手段4の最大定格電圧より充分低い値としている。
【0090】
以上のように、過電圧検知手段51を設けることで、スイッチング手段4に定格電圧を超える電圧が印加されるのを防止することができ、スイッチング手段4の故障を防止できる信頼性の高い誘導加熱炊飯器を提供できる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に記載の発明によれば、整流平滑手段の電圧が低いときに加熱コイルに流す電流を増加することができので、スイッチング手段の両端電圧が低いままで、加熱コイルから鍋への高周波電力の供給を増加することができる。
【0092】
また、請求項2に記載の発明によれば、加熱コイルに流れる高周波電流の周波数範囲を限定することとなり、加熱コイルに流れる高周波電流の周波数が人間の可聴周波数域に入るのを防止することができる。
【0093】
また、請求項3に記載の発明によれば、入力電流に応じてスイッチング手段の両端電圧を補正することとなり、加熱コイルに供給される電流を一定に制御できる。
【0094】
また、請求項4に記載の発明によれば、スイッチング手段の両端電圧を制限することとなり、スイッチング手段の両端に最大定格を越える電圧がかかるのを防止することができる。
【0095】
また、請求項5に記載の発明によれば、入力電流波形の影響を受けにくくなり、入力電流を精度よく制御できる。
【0096】
また、請求項6に記載の発明によれば、入力電流波形の影響を受けにくくなり、入力電流を精度よく制御できる。
【0097】
また、請求項7に記載の発明によれば、スイッチング手段の両端電圧の急峻な変化に対応できることとなり、スイッチング手段の両端電圧が急激に上昇しても、スイッチング手段の両端に最大定格を越える電圧がかかるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の誘導加熱炊飯器の一部ブロック化した回路図
【図2】同誘導加熱炊飯器の要部電圧電流波形図
【図3】同誘導加熱炊飯器の導通時間設定手段の要部電圧波形図
【図4】本発明の第2の実施例の誘導加熱炊飯器の導通時間設定手段の一部ブロック化した回路図
【図5】本発明の第3の実施例の誘導加熱炊飯器の一部ブロック化した回路図
【図6】本発明の第4の実施例の誘導加熱炊飯器の一部ブロック化した回路図
【図7】従来の誘導加熱炊飯器の一部ブロック化した回路図
【図8】同誘導加熱炊飯器の要部電圧電流波形図
【符号の説明】
1 鍋
2 加熱コイル
3 共振コンデンサ
4 スイッチング手段
5 交流電源
6 整流平滑手段
10 電圧設定手段
11 包絡線検知手段
12 導通時間設定手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング手段により加熱コイルに流れる高周波電流を制御して鍋を加熱する誘導加熱炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の誘導加熱炊飯器は図7に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図7に示すように、鍋1は水や米を入れるもので、電気回路モデルで示しており、この鍋1は磁束を通す金属を複数用いた積層体で構成している。加熱コイル2は、複数の銅線を束ねたリッツ線で構成し、鍋1と加熱コイル2は電磁気的に結合している。
【0004】
つまり、加熱コイル2に電流が流れることにより、加熱コイル2に磁束が発生し、この磁束が鍋1の金属を通過することにより、鍋1の金属に電流が流れ、この電流と金属の抵抗により鍋1を加熱するようにしている。
【0005】
共振コンデンサ3は、加熱コイル2に並列接続しており、加熱コイル2と並列共振回路を構成している。スイッチング手段4は、MOSFETやIGBTなどの半導体素子と、この半導体素子に逆接続した逆接続ダイオードで構成している。
【0006】
交流電源5は100V60Hzで、整流平滑手段6は、ダイオードブリッジ7、チョークコイル8、コンデンサ9で構成し、交流電源5を整流している。このとき、コンデンサ9の容量は数μFと小さいので、加熱コイル2に高周波電流を流した場合、大きなリプルを発生し、交流電源5を整流した波形と同一となるが、20数kHzの高周波電圧を平滑することができる。
【0007】
ピーク電圧設定手段61は、2つ以上の抵抗からなる分圧回路で構成しており、スイッチング手段4の両端電圧の基準電圧を設定する。この基準電圧は700V付近になるように、トリミングやボリュームにて調整済みである。
【0008】
ピーク電圧検知手段62は、スイッチング手段4に印加される電圧を2つ以上の抵抗で分圧する分圧回路と、この分圧回路の出力ピーク値を保持するピークホールド回路で構成している。ここで、ピークホールド回路は、分圧回路の出力をベース端子に入力するトランジスタと、このトランジスタのエミッタ端子に接続した電解コンデンサと、この電解コンデンサに並列接続した放電抵抗で構成している。このとき、電解コンデンサと放電抵抗の時定数は、交流電源5の半周期よりも十分長い時間になるように設定している。
【0009】
AD変換器63は、マイクロコンピュータ内部に予め設けたものを使用している。このAD変換器63は、ピーク電圧検知手段62の出力電圧をAD変換し、その値を導通時間設定手段65に出力する。
【0010】
零電圧検知手段64は、交流電源5の両端にフォトカプラを接続することで構成している。フォトカプラは、交流電源5の両端電圧が所定値を越えるとハイを導通時間設定手段65に出力し、交流電源5の両端電圧が所定値以下ではローを導通時間設定手段65に出力する。
【0011】
導通時間設定手段65はマイクロコンピュータで構成しており、この導通時間設定手段65は、零電圧検知手段64の出力エッジを検知するごとに、ピーク電圧設定手段61とピーク電圧検知手段41の出力を比較して、スイッチング手段4の導通時間を設定し、駆動手段13に設定された導通時間、ハイを出力する。
【0012】
駆動手段13は、PNPトランジスタ、NPNトランジスタからなるプッシュプル回路で構成し、この駆動手段13は、導通時間設定手段65のハイ、ローの信号を受けて、スイッチング手段4を構成するIGBTのゲートに信号を出力する。IGBTは、この信号を受けてオンオフし、加熱コイル2に電流を流したり、遮断したりする。
【0013】
上記構成において動作を説明する。炊飯を開始すると、導通時間設定手段65を構成するマイクロコンピュータは、零電圧検知手段64の出力エッジを検知すると、ピーク電圧設定手段61とピーク電圧検知手段62の出力を比較して、ピーク電圧設定手段61の出力が大きければ、スイッチング手段4の導通時間を現在の設定よりも長くし、ピーク電圧設定手段61の出力が小さければ、スイッチング手段4の導通時間を現在の設定よりも短くする。そして導通時間設定手段65は設定された時間ハイを駆動手段13に出力する。
【0014】
駆動手段13は、スイッチング手段4をオンし、加熱コイル2に電流を流す。このときの導通時間をTd、整流平滑手段6の印加電圧をV、加熱コイル2のインダクタンスをLとすると、Td時に加熱コイル2に流れている電流ILは、
IL=V/L×Td
で表すことができる。
【0015】
つまり、加熱コイル2の電流ILは、導通時間や整流平滑手段の印加電圧に比例している。なお、このときに加熱コイル2にたまるエネルギをWLとすると、WLは、
WL=1/2×L×IL2
で表すことができる。
【0016】
この加熱コイル2のエネルギWLは共振コンデンサ3との共振エネルギになる。共振コンデンサ3にたまるエネルギをWC、共振コンデンサ3の両端電圧をVCとすると、WCは、
WC=1/2×C×VC2
で表すことができる。
【0017】
加熱コイル2のエネルギWLが共振コンデンサ3のエネルギWCに変換されるので、WL=WCとなる。なお、スイッチング手段4の両端電圧Vswは整流平滑手段6の出力電圧Vと共振コンデンサ1の両端電圧VCの和となる。
【0018】
以上の動作をまとめると、大きく2つのことがわかる。第1は、スイッチング手段4の導通時間を長くするほど、加熱コイル2に流れる電流が大きくなり、加熱コイル2にたまるエネルギも大きくなるが、共振コンデンサ3の両端電圧も高くなり、その結果、スイッチング手段4の両端電圧が高くなるということである。
【0019】
第2は、導通時間が同じでも、整流平滑手段6の印加電圧が変化すると加熱コイル2に流れる電流が変化するので、スイッチング手段4の両端電圧も変化するということである。
【0020】
図8は交流電源5の1周期における、主要部の動作波形を示している。図8(a)は交流電源5の電圧波形を示している。図8(b)は交流電源5の入力電流波形を示している。図8(c)は整流平滑手段6の出力電圧波形を示している。図8(d)はスイッチング手段4の両端電圧の包絡線を示している。図8(e)は加熱コイル2に供給される電流、すなわちスイッチング手段4を構成するIGBTが導通しているときの電流の包絡線を示している。
【0021】
図8に示すように、交流電源5の半周期の間は、導通時間が一定なため、加熱コイル2に供給される電流は整流平滑手段6の出力電圧に比例して変動している。つまり、整流平滑手段6の出力電圧は交流電源5の電圧に対応しているので、加熱コイル2に供給される電流は交流電源5の電圧に対応して変動していることとなる。
【0022】
以上のように、従来の誘導加熱炊飯器においては、交流電源5の半周期ごとにスイッチング手段4の両端電圧のピーク値と設定値を比較してスイッチング手段4の導通時間を設定し、スイッチング手段4の両端電圧を設定値に抑えるものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0023】
【特許文献1】
特開平5−114472号公報(第3−7頁、図1−図2)
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、交流電源5の半周期ごとにスイッチング手段4の導通時間を変更するので、加熱コイル2に流れる電流が整流平滑手段6の電圧に応じて変動する。そのため、加熱コイル2により大きな高周波電力を供給できるよう電流を増やそうとしても、整流平滑手段6の電圧がピークのときに、スイッチング手段4の両端電圧が最大定格を越えてしまうという問題があった。
【0025】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、整流平滑手段の出力電圧が低いときに、導通時間の設定を瞬時に長く変更することで、加熱コイルに供給する高周波電力を増やすことができる誘導加熱炊飯器を提供することを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、鍋に高周波電力を供給する加熱コイルと、共振コンデンサとで共振回路を構成し、加熱コイルに流れる高周波電流をスイッチング手段により制御し、加熱コイルに電力を供給する交流電源を整流平滑手段により整流平滑し、スイッチング手段の導通時間を導通時間設定手段により設定するよう構成し、導通時間設定手段は、スイッチング手段の両端電圧を設定する電圧設定手段とスイッチング手段の両端電圧の包絡線を検知する包絡線検知手段の出力に応じて、導通時間を設定するよう構成したものである。
【0027】
これにより、スイッチング手段の両端電圧が低くなるとき、すなわち整流平滑手段の電圧が低いときには、電圧設定手段の出力電圧と包絡線検知手段の出力が同じになるように、スイッチング手段の導通時間を長くして加熱コイルに流れる電流を大きくすることができるので、鍋に供給される高周波電力を大きくすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、鍋に高周波電力を供給する加熱コイルと、前記加熱コイルと共振回路を構成する共振コンデンサと、前記加熱コイルに流れる高周波電流を制御するスイッチング手段と、前記加熱コイルに電力を供給する交流電源と、前記交流電源を整流平滑する整流平滑手段と、前記スイッチング手段の両端電圧を設定する電圧設定手段と、前記スイッチング手段の両端電圧の包絡線を検知する包絡線検知手段と、前記スイッチング手段の導通時間を設定する導通時間設定手段とを備え、前記導通時間設定手段は前記電圧設定手段と前記包絡線検知手段の出力に応じて導通時間を設定するよう構成したものであり、スイッチング手段の両端電圧が低いとき、すなわち整流平滑手段の電圧が低いときには、導通時間設定手段が電圧設定手段の出力と包絡線検知手段の出力が同じになるように瞬時にスイッチング手段の導通時間を長くし、加熱コイルに供給する高周波電力を増やすことができる。
【0029】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、導通時間設定手段は導通時間の設定値に上限値を設けたものであり、加熱コイルに流れる高周波電流の周波数範囲を限定することとなり、加熱コイルに流れる高周波電流の周波数が人間の可聴周波数域に入るのを防止することができる。
【0030】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、交流電源の入力電流を設定する入力電流設定手段と、前記交流電源からの入力電流を検知する入力電流検知手段とを備え、電圧設定手段は前記入力電流設定手段と前記入力電流検知手段の出力に応じてスイッチング手段の両端電圧の設定値を変更し、導通時間設定手段は前記電圧設定手段と包絡線検知手段の出力に応じて導通時間を設定するよう構成したものであり、入力電流に応じてスイッチング手段の両端電圧を補正することとなり、加熱コイルに供給される電流を一定に制御できる。
【0031】
請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載の発明において、電圧設定手段はスイッチング手段の両端電圧の設定値に上限値を設けたものであり、スイッチング手段の両端電圧を制限することとなり、スイッチング手段の両端に最大定格を越える電圧がかかるのを防止することができる。
【0032】
請求項5に記載の発明は、上記請求項3または4に記載の発明において、入力電流検知手段は入力電流の平均値を検知するよう構成したものであり、入力電流波形の影響を受けにくくなり、入力電流を精度よく制御できる。
【0033】
請求項6に記載の発明は、上記請求項3または4に記載の発明において、入力電流検知手段は入力電流の実効値を検知するよう構成したものであり、入力電流波形の影響を受けにくくなり、入力電流を精度よく制御できる。
【0034】
請求項7に記載の発明は、上記請求項1〜6に記載の発明において、スイッチング手段の両端電圧が所定値を越えると、所定期間前記スイッチング手段をオフとする過電圧検知手段を備え、前記所定値は電圧検知手段が設定するスイッチング手段の両端電圧の設定値よりも大としたものであり、スイッチング手段の両端電圧の急峻な変化に対応できることとなり、スイッチング手段の両端電圧が急激に上昇しても、スイッチング手段の両端に最大定格を越える電圧がかかるのを防止することができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
(実施例1)
図1に示すように、鍋1は水や米を入れるもので、電気回路モデルで示しており、この鍋1は磁束を通す金属を複数用いた積層体で構成している。ただし、これは一例で、積層体で構成する必要はなく、金属めっき処理をした鍋や、同一の金属のみを材料とした鍋でも構わない。鍋1を積層体や同一金属のみで構成する場合は、金属の厚さを管理するのが容易である。鍋1を金属めっき処理した場合は、表面の金属のみを変更するだけで、様々な種類の鍋を作成できる。
【0037】
加熱コイル2は、複数の銅線を束ねたリッツ線をさらに20数本で撚った線で構成しており、高周波電流が流れたときの電流分布を均一にしている。特に図示していないが、加熱コイル2の上には鍋1が置かれており、鍋1と加熱コイル2は電磁気的に結合している。つまり、加熱コイル2に電流が流れることにより、加熱コイル2に磁束が発生し、この磁束が鍋1の金属を通過することにより、鍋1の金属に電流が流れ、この電流と金属の抵抗により鍋1が発熱するようにしている。
【0038】
共振コンデンサ3は、本実施例では高周波電流が流れても損失の少ないポリプロピレンコンデンサを使用している。共振コンデンサ3は、加熱コイル2に並列接続しており、加熱コイル2と並列共振回路を構成している。
【0039】
スイッチング手段4は、加熱コイル3に流れる高周波電流を制御するもので、MOSFETやIGBTなどの半導体素子と、この半導体素子に逆接続した逆接続ダイオードで構成している。MOSFETやIGBTは耐圧が高く、高周波のスイッチングが可能で、大電流を流すことができるという利点がある。
【0040】
整流平滑手段6は、交流電源5を整流平滑するもので、ダイオードブリッジ7、チョークコイル8、コンデンサ9で構成し、100V60Hzの交流電源5を整流している。このとき、コンデンサ9の容量は数μFと小さく、加熱コイル2に高周波電流を流した場合、リプルが生じる。本実施例では、このリプル電圧は、交流電源5の電圧と同じとなる。
【0041】
電圧設定手段10は、スイッチング手段4の両端電圧を設定するもので、マイクロコンピュータに内蔵されたDA変換器で構成している。本実施例の誘導加熱炊飯器には、炊飯、保温などの複数の動作モードがある。本実施例では、これらの動作モードそれぞれに対応して、スイッチング手段4の両端電圧値を設定できるようになっている。この両端電圧の設定値(以下、電圧設定値Vsという)はマイクロコンピュータ内のROMに記憶されている。つまり、電圧設定手段10は、ROMから、動作モードに対応して電圧設定値Vsを呼び出し、この電圧設定値VsをDA変換器を介してアナログ電圧V1に変換し、導通時間設定手段に12に出力している。
【0042】
包絡線検知手段11は、スイッチング手段4の両端電圧の包絡線を検知するもので、スイッチング手段4の両端電圧Vswの包絡線に相当する電圧V2を出力する。包絡線検知手段11は分圧回路とピークホールド回路で構成している。分圧回路は、スイッチング手段4の両端電圧Vswを検知するもので、少なくとも2つ以上の抵抗からなる直列回路をスイッチング手段4に並列接続して構成している。
【0043】
ピークホールド回路は分圧回路の出力電圧の包絡線を検知するもので、トランジスタとこのトランジスタのエミッタに接続したコンデンサとこのコンデンサに並列接続した抵抗で構成している。このとき、コンデンサは、前記分圧回路の出力を平滑する必要がないので、容量を小さくでき、部品を小型化することができる。ただし、これは一例で、ダイオードを用いた検波回路を使用しても構わない。
【0044】
導通時間設定手段12は、スイッチング手段4の導通時間を設定するもので、オペアンプなどを用いた増幅回路と、コンパレータなどを用いた発振回路で構成している。増幅回路は、電圧設定手段10の出力電圧V1と、包絡線検知手段11の出力電圧V2の出力が同じになるように、V1とV2を誤差増幅し、発振回路に出力する。
【0045】
なお、このときの出力電圧をV3とする。発振回路は増幅回路の出力電圧V3に応じてハイ信号の時間を変化させ、ロー信号の時間を一定にすることで発振周波数を変化させる。
【0046】
以上のように、導通時間設定手段12をアナログ回路で構成する場合は、演算スピードの遅いマイクロコンピュータを使用することができるので、低コスト化、マイコン消費電力の削減が可能である。
【0047】
ただし、これは一例であり、演算スピードの速いマイクロコンピュータを使用し、導通時間設定手段12をこのマイクロコンピュータで構成することもできる。例えば、最近のマイクロコンピュータにはAD変換器やPWM出力端子が内蔵されているので、包絡線検知手段11の出力電圧V2を前記AD変換器に入力し、AD変換器のデジタル出力と電圧設定手段10の電圧設定値Vsを比較して、導通時間を設定する。
【0048】
この導通時間に応じて、マイクロコンピュータのPWM端子からハイまたはローの信号を出力することでスイッチング手段4をオンオフすることが可能となる。この場合には、オペアンプやコンパレータなどのアナログ回路分の実装面積を減らすことができる。また、電圧設定手段10と導通時間設定手段12がマイクロコンピュータで構成されるので、電圧設定手段10を構成するDA変換器を省略することができる。
【0049】
駆動手段13は、PNPトランジスタ、NPNトランジスタからなるプッシュプル回路で構成している。駆動手段13は、導通時間設定手段11のハイ、ローの信号を受けて、スイッチング手段4を構成するIGBTのゲートに信号を出力する。IGBTは、この信号を受けてオンオフし、加熱コイル2に電流を流したり、遮断したりする。
【0050】
上記構成において動作を説明する。まず、炊飯が開始されると、電圧設定手段10が動作モードごとに決められた電圧設定値Vsを設定し、それに対応したアナログ電圧V1を導通時間設定手段12に出力する。本実施例では、各動作モードごとに電圧設定値Vsがあるが、ここでは、一例として、Vs=700Vを設定する。この700Vはスイッチング手段4を構成するIGBTの最大定格電圧から100Vほど低い電圧となっている。
【0051】
交流電源5の電圧が低いときには、整流平滑手段6の出力電圧も低いので、加熱コイル2への印加電圧が低くなる。このため、同じ導通時間でも加熱コイル2に流れる電流は小さい。このときの導通時間をTd、整流平滑手段6の印加電圧をV、加熱コイル2のインダクタンスをLとすると、Td時に加熱コイル2に流れている電流ILは、
IL=V/L×Td・・・・・・(1)
で表すことができる。
【0052】
したがって、加熱コイル2のエネルギも小さくなる。このときに加熱コイル2にたまるエネルギをWLとすると、WLは、
WL=1/2×L×IL2・・・・(2)
で表すことができる。
【0053】
この加熱コイル2のエネルギは共振コンデンサ3との共振エネルギになる。共振コンデンサ3にたまるエネルギをWC、共振コンデンサ3の両端電圧をVCとすると、WCは、
WC=1/2×C×VC2・・・・(3)
で表すことができる。
【0054】
加熱コイル2と共振コンデンサ3の共振により、加熱コイル2のエネルギWLが共振コンデンサ3のエネルギWCに変換される。したがって、WL=WCとなるので、加熱コイル2に流れる電流が小さければ、共振コンデンサ3の両端電圧VCも小さくなる。
【0055】
スイッチング手段4の両端電圧Vswは整流平滑手段6の出力電圧Vと共振コンデンサ3の両端電圧VCの和なので、電圧設定値Vsより低くなる。したがって、包絡線検知手段11の出力電圧V2も小さくなる。
【0056】
そこで、導通時間設定手段12を構成する増幅回路は、電圧設定値Vsに対応したアナログ電圧V1と包絡線検知手段11の出力電圧V2が同じ値になるように誤差増幅し瞬時に出力電圧を大きくする。すると、導通時間設定手段12を構成する発振回路が、ハイ信号を長くするのでスイッチング手段4の導通時間が長くなる。この結果、加熱コイル2に流れる電流が増え、スイッチング手段4の両端電圧Vswが電圧設定値Vsに近づく。
【0057】
逆に、交流電源5の電圧がピーク値付近のときには、整流平滑手段6の出力もピーク値付近に上昇し、加熱コイル2への印加電圧が高くなるので、導通時間が同じでも、加熱コイル2に流れる電流が大きくなる。したがって、加熱コイル2と共振コンデンサ3の共振エネルギも大きくなり、スイッチング手段4の両端電圧Vswは電圧設定値Vsより高くなる。
【0058】
したがって、包絡線検知手段11の出力電圧V2が電圧設定値Vsに対応したアナログ電圧V1より大きくなるので、導通時間設定手段12を構成する増幅回路は出力電圧V3を小さくする。導通時間設定手段12を構成する発振回路はこの出力電圧に応じてハイ信号を短くするので、スイッチング手段4の導通時間が短くなり、スイッチング手段4の両端電圧Vswは電圧設定値Vsまで下がってくる。
【0059】
図2(a)は交流電源5の電圧波形を示している。図2(b)は交流電源5の入力電流波形を示している。図2(c)は整流平滑手段6の電圧波形を示している。図2(d)はスイッチング手段4の両端電圧Vswの包絡線を示している。図2(e)は加熱コイル2に流れる電流ILのうち整流平滑手段6より供給される電流の包絡線を示している。
【0060】
図2に示すように、交流電源5の電圧が0Vのときには、整流平滑手段6の出力電圧も0Vであるので、スイッチング手段4の両端電圧Vswは0Vとなり、加熱コイル2に流れる電流も0Aとなっているが、交流電源5の電圧が低いときに加熱コイル2に流れる電流は、交流電源5の電圧が高いときと同じくらいになっている。
【0061】
図3は導通時間設定手段12を構成する増幅回路の入出力波形を示している。図3(a)は電圧設定手段10の出力電圧V1、図3(b)は包絡線検知手段11の出力電圧V2、図3(c)は増幅回路の出力電圧V3、図3(d)は整流平滑手段6の出力電圧Vを示している。
【0062】
図3に示すように、電圧設定手段10の出力電圧V1は一定なので、包絡線検知手段11の出力電圧V2が小さいとき、すなわち、整流平滑手段6の出力電圧Vが小さいときには前記増幅回路の出力電圧V3は大きくなっている。したがって、導通時間設定手段12を構成する発振回路のハイ出力時間が長くなるので、スイッチング手段4の導通時間が長くなる。
【0063】
以上のように、整流平滑手段6の電圧が低いときでも、導通時間設定手段12がスイッチング手段4の両端電圧Vswが電圧設定値Vsになるまで瞬時にスイッチング手段4の導通時間を長くするので、加熱コイル2の高周波電流を増やすことができる。これにより、スイッチング手段4の導通時間を交流電源5の半周期ごとに制御していたときに比べ、交流電源5の半周期全体の電力量は増加する。したがって、鍋1に供給される高周波電力が増加するので、加熱時間を短縮することができる。
【0064】
また、本実施例で示した誘導加熱炊飯器では、スイッチング手段4の両端電圧を電圧設定値Vsで一定制御しようとするので、従来の誘導加熱炊飯器と入力電流を同じにすれば、スイッチング手段4の両端電圧Vswを低くすることができる。これにより、従来の誘導加熱炊飯器に比べ、スイッチング手段の電圧定格が低いものでも使用することができる。スイッチング手段にMOSFETを使用する場合には、電圧定格が低くなればオン抵抗も小さくなるので、損失を下げることができる。また、スイッチング手段の両端電圧Vswが低くなることで、200V電源の地域にも対応可能となる。
【0065】
(実施例2)
図4は、本発明の実施例2における誘導加熱炊飯器の導通時間設定手段の回路構成を示している。他の構成は上記実施例1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0066】
図4に示すように、増幅回路21は、オペアンプ22、抵抗23、24からなる反転増幅回路として構成している。増幅回路21は、電圧設定手段10が設定する電圧設定値Vsと瞬時電圧検知手段11が検知する検知電圧の差分を抵抗23、24の抵抗値の比率で誤差増幅している。
【0067】
リードラグフィルタ25は、2つの抵抗26、27と電解コンデンサ28の直列回路で構成している。導通時間制限回路29は、ツェナーダイオードで構成している。本実施例では、このツェナーダイオードのツェナー電圧で上限値を設定することにより、リードラグフィルタ25の出力値が所定値以下に制限されている。
【0068】
発振回路30は、複数のコンパレータで構成しており、この発振回路30は、リードラグフィルタ25の出力値に応じて、ハイの出力時間を変化させるとともにローの出力時間を一定にすることで、駆動手段13への出力信号の発振周波数を変化させる。
【0069】
上記構成において動作を説明する。整流平滑手段6の出力電圧が低いときには、上記(式1)から(式3)の結果から導通時間が同じでもスイッチング手段4の両端電圧Vswが電圧設定値Vsより非常に小さくなるので、増幅回路21の出力は非常に大きくなる。このため、リードラグフィルタ25の出力も大きくなるが、導通時間制限回路29を構成するツェナーダイオードが動作するので、一定電圧以上増加しなくなる。
【0070】
発振回路30は、この出力電圧に応じてハイ信号の出力時間を変えているので、ハイ信号は一定時間までしか増加しないことになる。本実施例では、発振回路30はハイ信号の出力時間を変化させるとともにロー信号の出力時間を一定にしているので、発振周波数は一定値以下には下がらないこととなる。
【0071】
以上のように、導通時間設定手段12が設定する導通時間に上限値を設ける構成にすることにより、加熱コイル2に流れる高周波電流の周波数に下限値を設けることができるので、加熱コイル2に流れる高周波電流の周波数が人間の可聴周波数範囲の上限値20kHzより下がらないようにすることができ、騒音の小さい誘導加熱炊飯器を実現できる。
【0072】
なお、本実施例における導通時間設定手段12の構成はこれに限るものではなく、例えば、マイクロコンピュータを利用しても構わない。
【0073】
(実施例3)
図5に示すように、入力電流設定手段41は、交流電源5の入力電流を設定するもので、マイクロコンピュータで構成している。本実施例の誘導加熱炊飯器には、炊飯、保温などの複数の動作モードがある。この動作モードごとに対応した入力電流の設定値(以下、電流設定値という)を設けている。この電流設定値はマイクロコンピュータ内のROMなどに記憶されている。つまり、入力電流設定手段41は、動作モードごとにROMデータから所定の電流設定値を呼び出している。
【0074】
入力電流検知手段42は、交流電源5からの入力電流を検知するもので、交流電源5と整流平滑手段6の間に設けた電流トランスと、この電流トランスの出力を整流平滑する整流平滑回路で構成している。整流平滑回路は整流ダイオードと電解コンデンサで構成しており、電流トランスの出力電圧の平均電圧を出力する。他の構成は上記実施例1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
上記構成において動作を説明する。まず、炊飯が開始されると、入力電流設定手段41が動作モードごとに決められた電流設定値Isを設定する。つぎに、電圧設定手段10が動作モードごとに決められた初期値を電圧設定値Vsとして設定する。本実施例の誘導加熱炊飯器では、電圧設定値Vsの初期値を650Vとしている。
【0076】
さらに、電圧設定手段10は電流設定値Isと入力電流検知手段9が検知した電流値Iinの差分に基づき、変動電圧値dVsを設定する。具体的には、電流設定値Isが検知電流値Iinより大きければ変動電圧値dVsをプラス値にし、電流設定値Isが検知電流値Iinより小さければ変動電圧値dVsをマイナス値にする。
【0077】
その後、電圧設定手段10は、(式4)に基づいて、電圧設定値Vsを変更し、電圧設定値Vsに対応したアナログ電圧V1をDA変換器を介して出力する。
【0078】
Vs=Vs+dVs・・・・・・・・(4)
なお、本実施例における電圧設定値Vsの更新タイミングは交流電源5の半周期につき1回である。
【0079】
導通時間設定手段12は、電圧設定手段10の出力電圧V1と包絡線検知手段11の検知電圧V2を比較して導通時間を設定する。
【0080】
整流平滑手段6の電圧が低いときには、加熱コイル2への印加電圧が低いので、同じ導通時間でも加熱コイル2に流れる電流は小さい。
【0081】
したがって、加熱コイル2と共振コンデンサ3の共振エネルギも小さいので、スイッチング手段4の両端電圧は、電圧設定手段10の設定値Vsより低くなる。そこで、導通時間設定手段12は導通時間を長くすることで、加熱コイル2に流れる電流を増やし、スイッチング手段4の両端電圧を設定値Vsまで上げようとする。
【0082】
逆に、整流平滑手段6の電圧がピーク値付近のときには、加熱コイル2への印加電圧が高くなるので、導通時間が同じでも、加熱コイル2に流れる電流が大きくなる。したがって、加熱コイル2と共振コンデンサ3の共振エネルギも大きくなり、スイッチング手段4の両端電圧は電圧設定手段10の設定値Vsより高くなる。そこで、導通時間設定手段12は導通時間を短くすることで、スイッチング手段4の両端電圧を設定値Vsまで下げようとする。
【0083】
図5に示した誘導加熱炊飯器の主要部の波形は図2と同様となるが、電圧設定手段10が入力電流設定手段41と入力電流検知手段42の出力に応じて、電圧設定値Vsを更新するので、入力電流の変動に対応することができ、入力電流のばらつきを抑えることができる。
【0084】
以上のように、入力電流設定手段41と入力電流検知手段42の出力を受けて電圧設定手段10がスイッチング手段4の両端電圧の設定を変更することで、加熱コイル2から鍋1に供給される電力のばらつきが小さく、加熱むらも小さい誘導加熱炊飯器を提供できる。
【0085】
なお、本実施例の電圧設定手段10が設定する電圧設定値Vsに上限値を設けることもできる。例えば、電圧設定手段10を構成するマイクロコンピュータのROMに予め電圧設定値の上限値を記憶しておき、この上限値と電圧設定手段10が設定した電圧設定値Vsとを比較する工程を追加する。この比較工程で、電圧設定値Vsが上限値より大きければ、電圧設定手段10は電圧設定値を上限値に変更する。
【0086】
このように、電圧設定手段10が設定する電圧設定値に上限値を設けることにより、スイッチング手段4の両端電圧に最大定格以上の電圧がかからないようにすることができる。したがって、故障の少ない、信頼性の高い誘導加熱炊飯器を提供できる。
【0087】
なお、本実施例では、入力電流検知手段42は入力電流の平均値を検知している。入力電流波形は、図2(d)に示したように、正弦波波形ではないが、平均値を検知することにより、入力電流波形が変化しても容易に入力電流値を推測することができる。
【0088】
また、入力電流検知手段42は入力電流の実効値を検知するようにしてもよい。この場合、入力電流検知手段42を構成する電流トランスの出力値の実効値を検知する実効値検知回路を設ける。実効値検知回路はオペアンプなどで構成することができる。入力電流の実効値を検知する場合も、平均値の検知と同様に、入力電流波形の変化に対応でき、容易に入力電流値を推測することができる。さらに、実効値を検知する場合は、交流電源の電圧を検知することで、入力電力を正確に把握することができるので、より電力供給の安定した誘導加熱炊飯器を提供できる。
【0089】
(実施例4)
図6に示すように、過電圧検知手段51は、スイッチング手段4の両端電圧が所定値を越えると、所定期間スイッチング手段4をオフとするもので、コンパレータとマイクロコンピュータで構成している。コンパレータは瞬時電圧検知手段11の出力が所定値を越えると、導通時間設定手段12の出力信号を強制的にローにするとともに、マイクロコンピュータにロー信号を出力する。マイクロコンピュータはロー信号を検知すると、マイクロコンピュータで構成している電圧設定手段10、入力電流設定手段41の設定値を所定時間ゼロとする。なお、前記所定値は、電圧設定手段10が設定する電圧設定値よりも高い値で、かつスイッチング手段4の最大定格電圧より充分低い値としている。
【0090】
以上のように、過電圧検知手段51を設けることで、スイッチング手段4に定格電圧を超える電圧が印加されるのを防止することができ、スイッチング手段4の故障を防止できる信頼性の高い誘導加熱炊飯器を提供できる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に記載の発明によれば、整流平滑手段の電圧が低いときに加熱コイルに流す電流を増加することができので、スイッチング手段の両端電圧が低いままで、加熱コイルから鍋への高周波電力の供給を増加することができる。
【0092】
また、請求項2に記載の発明によれば、加熱コイルに流れる高周波電流の周波数範囲を限定することとなり、加熱コイルに流れる高周波電流の周波数が人間の可聴周波数域に入るのを防止することができる。
【0093】
また、請求項3に記載の発明によれば、入力電流に応じてスイッチング手段の両端電圧を補正することとなり、加熱コイルに供給される電流を一定に制御できる。
【0094】
また、請求項4に記載の発明によれば、スイッチング手段の両端電圧を制限することとなり、スイッチング手段の両端に最大定格を越える電圧がかかるのを防止することができる。
【0095】
また、請求項5に記載の発明によれば、入力電流波形の影響を受けにくくなり、入力電流を精度よく制御できる。
【0096】
また、請求項6に記載の発明によれば、入力電流波形の影響を受けにくくなり、入力電流を精度よく制御できる。
【0097】
また、請求項7に記載の発明によれば、スイッチング手段の両端電圧の急峻な変化に対応できることとなり、スイッチング手段の両端電圧が急激に上昇しても、スイッチング手段の両端に最大定格を越える電圧がかかるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の誘導加熱炊飯器の一部ブロック化した回路図
【図2】同誘導加熱炊飯器の要部電圧電流波形図
【図3】同誘導加熱炊飯器の導通時間設定手段の要部電圧波形図
【図4】本発明の第2の実施例の誘導加熱炊飯器の導通時間設定手段の一部ブロック化した回路図
【図5】本発明の第3の実施例の誘導加熱炊飯器の一部ブロック化した回路図
【図6】本発明の第4の実施例の誘導加熱炊飯器の一部ブロック化した回路図
【図7】従来の誘導加熱炊飯器の一部ブロック化した回路図
【図8】同誘導加熱炊飯器の要部電圧電流波形図
【符号の説明】
1 鍋
2 加熱コイル
3 共振コンデンサ
4 スイッチング手段
5 交流電源
6 整流平滑手段
10 電圧設定手段
11 包絡線検知手段
12 導通時間設定手段
Claims (7)
- 鍋に高周波電力を供給する加熱コイルと、前記加熱コイルと共振回路を構成する共振コンデンサと、前記加熱コイルに流れる高周波電流を制御するスイッチング手段と、前記加熱コイルに電力を供給する交流電源と、前記交流電源を整流平滑する整流平滑手段と、前記スイッチング手段の両端電圧を設定する電圧設定手段と、前記スイッチング手段の両端電圧の包絡線を検知する包絡線検知手段と、前記スイッチング手段の導通時間を設定する導通時間設定手段とを備え、前記導通時間設定手段は前記電圧設定手段と前記包絡線検知手段の出力に応じて導通時間を設定するよう構成した誘導加熱炊飯器。
- 導通時間設定手段は導通時間の設定値に上限値を設けた請求項1記載の誘導加熱炊飯器。
- 交流電源の入力電流を設定する入力電流設定手段と、前記交流電源からの入力電流を検知する入力電流検知手段とを備え、電圧設定手段は前記入力電流設定手段と前記入力電流検知手段の出力に応じてスイッチング手段の両端電圧の設定値を変更し、導通時間設定手段は前記電圧設定手段と包絡線検知手段の出力に応じて導通時間を設定するよう構成した請求項1または2記載の誘導加熱炊飯器。
- 電圧設定手段はスイッチング手段の両端電圧の設定値に上限値を設けた請求項3記載の誘導加熱炊飯器。
- 入力電流検知手段は入力電流の平均値を検知するよう構成した請求項3または4記載の誘導加熱炊飯器。
- 入力電流検知手段は入力電流の実効値を検知するよう構成した請求項3または4記載の誘導加熱炊飯器。
- スイッチング手段の両端電圧が所定値を越えると、所定期間前記スイッチング手段をオフとする過電圧検知手段を備え、前記所定値は電圧検知手段が設定するスイッチング手段の両端電圧の設定値よりも大とした請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘導加熱炊飯器。
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JP2002283184A JP2004113596A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 誘導加熱炊飯器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002283184A JP2004113596A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 誘導加熱炊飯器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008066013A (ja) * | 2006-09-05 | 2008-03-21 | Tiger Vacuum Bottle Co Ltd | 電気炊飯器 |
JP2020064719A (ja) * | 2018-10-15 | 2020-04-23 | 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 | 電磁誘導加熱装置 |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283184A patent/JP2004113596A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008066013A (ja) * | 2006-09-05 | 2008-03-21 | Tiger Vacuum Bottle Co Ltd | 電気炊飯器 |
JP2020064719A (ja) * | 2018-10-15 | 2020-04-23 | 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 | 電磁誘導加熱装置 |
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