JP4717135B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

この発明は誘導加熱装置に関するものである。
従来の誘導加熱装置は、複数の加熱コイルを有する構成において、加熱コイルに供給する高周波電流を複数のインバータで発生しているが、そのインバータの駆動制御を時分割で交互に行っている。(たとえば、特許文献1参照。)
特許第3687028号公報(段落0015〜0026、図1、図2)
従来の誘導加熱装置における加熱コイルは、加熱負荷の鍋径によらず、高周波電流が流れるコイル径は一定であった。このため、加熱コイル径より径が小さい被加熱物(鍋)においては、鍋底径外のコイルに流れる電流が作る磁束は加熱に寄与せず、効率が低下するという問題があり、さらに、被加熱物に覆われていないコイル部分から磁束が洩れるという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、加熱負荷に応じた最適な駆動を行い効率よく加熱するとともに、洩れ磁束を最小限に抑制することができ、或いは、低損失駆動を可能にした誘導加熱装置を得るものである。
この発明に係る誘導加熱装置は、
加熱負荷が載置される耐熱性のトッププレートと、
前記トッププレートの下方に、略同心円状で且つ略同一平面上に配置された複数の加熱コイルと、
前記複数の加熱コイルに直列に接続されたコンデンサを組として備えた複数の共振回路と、
前記複数の共振回路に同一周波数の高周波電流を供給する高周波電源部と、
前記高周波電源部を制御する制御手段と、
前記加熱負荷の径を検出する検出手段と、
を備え、
前記高周波電源部は、少なくとも2個のスイッチング素子が直列に接続されたアームを3個備え、3個のアームのうち、1つのアームを共通アームとし、該共通アームのスイッチング素子間と他のアームのスイッチング素子間との間に各共振回路を接続し、
前記制御手段は、
前記高周波電源部の前記共通アームと前記他のアームにそれぞれ供給する駆動制御信号の相互の位相差を、内側の加熱コイルの駆動制御信号の位相差よりも外側の加熱コイルの駆動制御信号の位相差のほうが小さくなるように設定して、前記高周波電源部から前記複数の加熱コイルにそれぞれ供給される前記高周波電流の大きさを制御する第1の制御方法と、
前記共通アームの動作を停止させて、前記複数の共振回路が直列に接続された駆動回路を前記高周波電源部に形成する第2の制御方法と
を備え
前記加熱負荷の径が中程度以下の場合は前記第1の制御方法を選択し、
前記加熱負荷の径が大きい場合は前記第2の制御方法を選択する。
この発明は、上記の構成を採用したことにより、加熱負荷に応じた最適な駆動を行い効率よく加熱するとともに、洩れ磁束を最小限に抑制することができる。
この発明の実施の形態1における誘導加熱装置の回路構成図である。 この発明の実施の形態1を示す誘導加熱装置の加熱コイルの平面図である。 この発明の実施の形態1を示す誘導加熱装置の分割コイルと駆動回路の接続の状態図である。 この発明の実施の形態1を示す誘導加熱装置の加熱コイルと大鍋の載置状態図である。 この発明の実施の形態1における誘導加熱装置の加熱コイルと大鍋の載置状態の断面図である。 この発明の実施の形態1における誘導加熱装置の加熱コイルと小鍋の載置状態図である。 この発明の実施の形態1における誘導加熱装置の加熱コイルと小鍋の載置状態の断面図である。 この発明の実施の形態1における誘導加熱装置の位相制御波形図である。 この発明の実施の形態1における誘導加熱装置の位相制御波形図である。 この発明の実施の形態1における誘導加熱装置の位相差による各コイルに流れる高周波電流の大きさの説明図である。 この発明の実施の形態1における誘導加熱装置の位相制御波形図である。 この発明の実施の形態1における誘導加熱装置の位相制御時のコイル電流波形図である。 この発明の実施の形態1における誘導加熱装置の内コイルと外コイルの結合係数と最大火力の関係の一例を示す図である。 この発明の実施の形態2における誘導加熱装置の回路構成図である。 この発明の実施の形態2における誘導加熱装置の位相制御波形図である。 この発明の実施の形態2における誘導加熱装置の位相制御時のコイル電流波形図である。 この発明の実施の形態3における誘導加熱装置の回路構成図である。 この発明の実施の形態3における誘導加熱装置の位相制御波形図である。 この発明の実施の形態3における誘導加熱装置の位相制御時のコイル電流波形図である。 この発明の実施の形態4における誘導加熱装置の回路構成図である。 この発明の実施の形態4における誘導加熱装置の位相制御波形図である。 この発明の実施の形態4における誘導加熱装置の位相制御波形図である。 この発明の実施の形態4における誘導加熱装置の位相制御時のコイル電流波形図である。 この発明の実施の形態4における誘導加熱装置の位相制御時のコイル電流波形図である。 この発明の実施の形態5における誘導加熱装置の駆動信号波形図である。 この発明の実施の形態6における誘導加熱装置の駆動信号波形図である。 この発明の実施の形態7における誘導加熱装置の駆動信号波形図である。 この発明の実施の形態8における誘導加熱装置の駆動信号波形図である。 この発明の実施の形態9における誘導加熱装置のハーフブリッジ回路構成図である。 この発明の実施の形態9における誘導加熱装置の一石電圧共振回路図である。 この発明の実施の形態10における誘導加熱装置の内コイル駆動回路図である。 この発明の実施の形態10における誘導加熱装置の直列駆動回路図である。 この発明の実施の形態10及び各実施の形態における誘導加熱装置の駆動パターン説明図である。 この発明の実施の形態10における誘導加熱装置のハーフブリッジ回路へ変更するときの説明回路構成図である。 この発明の実施の形態10における誘導加熱装置のハーフブリッジ回路へ変更するときの説明回路構成図である。 この発明の実施の形態10における誘導加熱装置のハーフブリッジ回路へ変更するときの説明回路構成図である。 この発明の実施の形態11における誘導加熱装置の回路構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1を示す誘導加熱装置の回路構成図である。
図において、誘導加熱装置は、商用交流電源111、電源ヒューズ114、商用交流電源111に並列接続されたコンデンサ113、および整流回路112からなる電源供給部11と、フィルタ9と、直流電圧を平滑する平滑コンデンサ10と、2個のスイッチング素子51と52が、61と62が、また71と72が各々直列に接続された3つのアーム5、6、7でブリッジを構成する駆動回路を含む高周波電源部が設けられている。
また、アーム5−6間には小径の内コイル、共振コンデンサ3が、アーム5−7間には大径の外コイル2、共振コンデンサ4が各々直列に接続され、アーム5を共通とし、他のアーム6、7との間で各々共振回路を形成している。
また、アーム5、6および、アーム5、7を各々を駆動制御する制御手段である制御回路80が設けられている。また、使用者が装置を操作する操作部81と、装置の稼働状態を表示する表示部82が設けられている。
図2は、それぞれ径の異なる複数の分割されたコイル、たとえば小径の内コイル1と、大径の外コイル2を有し、両者がある距離をもって同心円上に配された加熱コイル8の平面図、図3は、一つの加熱コイル8を形成する複数のコイルと駆動回路の接続イメージを表した図である。
図4は加熱コイル8に、比較的鍋径の大きな鍋15(以下、「大鍋」という)が載置された状態を示しており、さらに、図5は、図3の断面A−A’におけるコイルと駆動回路の接続の状態を表したものであり、内コイル1には共振コンデンサ3とアーム5、6からなる駆動回路が、外コイル2には共振コンデンサ4とアーム5、7からなる駆動回路が接続されている。図5において、トッププレート17を通して加熱負荷である大鍋15が載置された状態で、内コイル1および外コイル2に通電されている状態を表している。
また、図6は加熱コイル8に、比較的鍋径の小さな鍋16(以下、「小鍋16」という)が載置された状態を示しており、さらに、図7は、図3の断面A−A’におけるコイルと駆動回路の接続の状態を表したものであり、内コイル1には共振コンデンサ3とアーム5、6からなる駆動回路が、外コイル2には共振コンデンサ4とアーム5、7からなる駆動回路が接続されている。図7において、トッププレート17を通して加熱負荷である小鍋16が載置された状態で、内コイル1にのみ通電されている。
次に、この発明の実施の形態1の動作について図1、図8〜図13により説明する。
本実施例では、アーム5を共通として、アーム6と7を同時に制御する動作について説明する。図1において、制御回路80とアーム5、6、7は、各々独立した制御信号53、54、63、64、73、74で接続されており、ここで、制御信号53、54はアーム5を、制御信号63、64はアーム6を、制御信号73、74はアーム7を制御する信号である。また、図8、図9は、各制御信号の様子を表す波形図であり、制御信号53、54と63、73について示している。なお、制御信号64と74については省略している。
このように構成された駆動回路において、制御回路80で生成される制御信号53、54、63、64、73、74により、各アームを構成するスイッチング素子51、52、61、62、71、72を駆動させる。各アームを構成するスイッチング素子51、52、61、62、71、72には、それぞれ独立した信号線が接続され、これらの信号により、各スイッチング素子は個別に制御が可能であり、アーム5、6間、およびアーム5、7間では、各々、一般的なフルブリッジ回路におけるスイッチング動作が可能である。
ここで、内コイル1と外コイル2に流れる高周波電流の大きさは、各々制御信号53と63、73、および制御信号54と64、74間の信号位相差(いわゆるアーム間の位相差)により制御され、鍋負荷への加熱量(火力の強弱)に反映される。図8において、制御信号53と63、および73の位相差が0°、つまり電流が流れない状態、図9は、たとえば位相差を90°与えている状態を表しており、位相差が発生している期間に応じた高周波電流がコイルに流れる。
制御信号53と54は、アーム間の短絡を防ぐため、直列に接続されたスイッチング素子が同時に導通しないように、つまり、同時にオン(たとえばハイレベル)となる期間がない様に、図9に示すように、あるデッドタイムが設けられた信号である。制御信号63と64、および73と74も同様であるが、ここでは制御信号64、74は省略してある。なお、制御信号53と54、63と64、73と74、は各々一対の信号で、両者の関係は一定であり、以降の動作は、制御信号53、63、および73で代表して説明する。
図8および図9では、制御信号63と73は同じタイミングでスイッチングを繰り返している波形を示しており、アーム6とアーム7は、アーム5に対し、ある位相差をもって、同期してスイッチングを繰り返す。このときの、各コイルに流れる高周波電流の大きさは、前述のように、制御信号53との位相差により決定されている。(制御信号64、74と54の関係も同様であるが、前述のとおり、ここでは省略している)
このように、制御回路80は、使用者が操作部81により任意に操作した設定状態に対応して、高周波電源部を駆動する複数の駆動制御信号の位相差を変えて、高周波電源部から供給される高周波電流の大きさを制御する。
ここで、位相差による各コイルに流れる高周波電流の大きさについて図10により説明する。図10は、位相差による各コイルに流れる高周波電流の大きさの説明図である。
図において、制御信号54と64、また、制御信号53と73、制御信号54と74の位相と電流の関係動作は同じなので、制御信号53と63で代表している。左半分は、制御信号53と63の位相差がAの場合の制御信号とコイル電流波形であり、右半分は制御信号53と63の位相差がBの場合の各波形である。図より、制御信号53と63との位相差の期間にコイルに電流が流れるため、位相差が大きいほど、コイル電流が流れる期間が長くなり、結果コイル電流ピークが大きくなる。図では、位相差A>位相差Bにより、内コイル1電流A>内コイル1電流Bとなっている。
次に、図11に制御信号53と63および73との位相差が90°の場合の位相制御波形を、図12に各々のコイルに流れる電流波形の例を示す。制御信号53と63、および73との位相差が同じ90°であり、内コイル1、外コイル2に流れる電流はほぼ同じである。
なお、電流がもっとも多く流れるのは二つの信号の位相差が180°の時である。たとえば、図11において、内コイル1に流れる電流が最大となるのは制御信号53と制御信号63の位相差(および制御信号54と64の位相差)が180°の時であり、外コイル2に流れる電流が最大となるのは制御信号53と制御信号73の位相差(および制御信号54と74の位相差)が180°の時である。すなわち、共通のアーム5のスイッチング素子51(または52)に対し、スイッチング素子61と71(またはスイッチング素子62と72)を駆動する信号が同一の位相差180°の信号である。
また、図11において、制御信号53と54のデッドタイムは、たとえば、2usである。
なお、このデッドタイムは、スイッチング素子の特性に依存して任意に設定される値である。
小径の内コイル1と大径の外コイル2を図2や図3に示すように同心円状で平面上に、接触することなく配置し電流を流すことで、コイル同士はトランスのように磁気的に結合するが、このときの結合の度合いを示す結合係数は、コイル間距離、コイルと載置された加熱負荷との距離(トッププレートを介した距離)、および載置された加熱負荷の材質、形状、などによって決定される。
本発明による複数のコイルを用いて加熱する場合、たとえば、内コイル1では小径負荷を加熱するのに必要な電力が得られればよく、一方、大径負荷時は、内コイル1と外コイル2の両者に通電することで大電力を得ることができるように、各々のコイルの特性(主にインピーダンス)を設定する。ただし、この電力はインピーダンスだけで決定されるものではなく、結合係数によっても載置された加熱負荷を加熱するための最大入力電力が変化する。
図13は、シミュレーションによって試算した、結合係数と最大火力の関係の一例を示す図である。結合係数Kによって、最大入力電力が変化し、結合がよい(係数が大きい)と加熱する電力が得にくく、逆に結合が悪い(係数が小さい)と大きな加熱電力が得られる。また、誘導電流による漏れ磁束も結合度に左右される。分割された複数のコイルの間隙調整等により、結合係数を任意に設定することで得られる最大電力を任意に設定できる。
また、加熱負荷の状態(径や材質など)を検出する手段を設け、この検出結果より、加熱負荷を分類するための閾値を設定し、閾値によって分類した結果に従って、コイルの駆動パターンを任意に変えてもよい。
この閾値を設定する場合の指標としては、たとえば、具体的な例として、種々の加熱負荷を加熱することで、実験によって得られた回路電流、または、電圧等である。これらを元に設定した閾値を参照して、通電するコイル(たとえば、内コイル1)を任意に選択する。
閾値は、制御回路にソフト(プログラム)的にあるいはハード(回路)的に組み込み、たとえば、図5や図7に示すようにトッププレート17を介して加熱負荷が載置されたときに、前述の電流であったり電圧であったりする電気信号を検出する手段、さらに、この検出結果と、制御回路に組み込まれた閾値とを比較する手段を設け、その結果より、載置された負荷に適した駆動を行う。
以上のように、複数に分割された内コイル1、外コイル2に、高周波電流を流すための複数のアーム5、6、7を持つので、内コイル1、外コイル2に対し、各々設けたアーム5、6、7により、内コイル1、外コイル2を略同時、あるいは選択的に、任意に駆動することが可能であって、種々の負荷を最適な電力で加熱することができる。
また、アーム5、6、7に対して、独立した信号を制御することで、アーム5、6、7を選択的に駆動する場合に、切換え用の半導体スイッチやリレーなどの切換え手段が不要となり、回路の信頼性の向上を図ることができる。
また、加熱負荷径に対し任意に設定したコイル径の閾値に応じて、複数に分割された一つの加熱コイル8に対し、機械的な切換え手段を用いることなく、任意のコイルに任意の大きさの電流を通電することができ、鍋径に適切に対応することができ、また、洩れ磁束を低減することができる。
また、複数に分割された一つの加熱コイル8の各々のコイルに、回路の一部を共用して構成された複数の高周波電源部が各々接続されているので、従来は、複数の回路を駆動することによって発生する、駆動周波数の微妙なずれが原因で干渉音が発生するケースがあるのに対し、本発明によれば、駆動回路の一部を共有し、複数の加熱コイル8に同時に通電する場合、同一周波数で駆動することで、駆動周波数の干渉による異音が発生しないようにすることができる。
また、回路の共有化によって部品点数の削減ができ、従ってコスト削減ができる。また、故障対象部品点数が減ることによる信頼性の向上を図ることができる。
また、位相差で制御するので、同一周波数で駆動することで、周波数による干渉が生じなく、安定した制御ができる。
また、複数に分割された一つの加熱コイル8に接続される、回路の一部を共用して構成された複数の高周波電源部は、各々独立した制御信号で動作させることができるので形態の異なる信号で駆動することができ、コイルに流れる電流の大きさを任意に設定でき、あるいは、複数のコイルに選択的に電流を流すことで種々の駆動パターンで駆動できることから、均一加熱や漏れ磁束の低減等ができる。
また、回路の一部を共用して構成された複数の高周波電源部を同一の信号で駆動させることができ、分割された複数のコイルを同一信号(同一タイミング)で駆動することで、最大電力を得ることができる。
ただし、同一信号とは、共通のアーム5のスイッチング素子51(または52)に対し、スイッチング素子61と71(または、スイッチング素子62と72)を駆動する信号が同一信号であることを意味している。
また、加熱コイル8が複数のコイルに分割されている構成であっても、各コイルに同時に、同じような高周波電流を流すことができるため、トッププレートを介して載置された加熱負荷(鍋)を均一に加熱することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、アーム6とアーム7を同時に駆動するようにしたが、実施の形態2では、アーム6を選択的に駆動する実施例について説明する。
図14は、図1の回路構成において、共通のアーム5と内コイル1、共振コンデンサ3、およびアーム6で構成される共振回路aのみを駆動する状態を表した回路構成図である。図において、スイッチング素子71、72を制御する制御信号73、74は供給されず、アーム5を駆動する制御信号53、54、およびアーム6を駆動する制御信号63、64のみが供給されている。その状態を図15、および図16に示す。
図15は制御信号波形図であり、図においてアーム5の制御信号53、54と、アーム6の制御信号63、64(図中64は省略)のみが供給され、アーム7の制御信号73(図中74は省略)は停止(オフ、たとえばローレベル)している状態を示している。
図16は、各々のコイルに流れる電流波形図である。図において、コイル1電流は内コイル1に流れる電流を表す波形図、コイル2電流は外コイル2に流れる電流を表す波形図である。このように、アーム7の制御信号を停止することで、アーム5とアーム7間で構成される共振回路動作が停止され、内コイル1にのみ高周波電流を流すことができる。
このときの内コイル1に流れる高周波電流は、制御信号53と制御信号63(および、制御信号54と64)の位相差によって決定されている。
なお、図16では、駆動を停止している外コイル2は、内コイル1とある結合係数を持って結合しているため、内コイル1に流れる電流により誘導される誘導電流がわずかに外コイル2に流れている状態も示している。
以上のように、複数に分割された一つのコイルに接続される、回路の一部を共用して構成されたアーム5、6、7を異なる形態の信号で駆動させることで、複数に分割されたコイルからなる一つの加熱コイル8の各々のコイルに対し、選択的に、高周波電流を流す、または、停止することができる。
たとえば、外コイル2より鍋底径の小さな鍋負荷、いわゆる小鍋が載置された場合、加熱に寄与しない外コイル2に高周波電流を流すことなく、内コイル1のみで加熱動作が実現できるため、効率のよい加熱動作ができる。
さらに、リレー等追加部品による回路の切り替えなしで、内コイル1で構成される共振回路のみを駆動できるため、部品点数が削減できるとともに、鍋底より外周にある外コイル2のコイルに大きな高周波電流を流さない回路を構成できるため、磁束の発生が抑制され、洩れ磁束低減を図ることができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、アーム6を選択的に駆動するようにしたが、実施の形態3では、アーム7を選択的に駆動する実施例について説明する。
図17は、図1の回路構成において、共通のアーム5と外コイル2、共振コンデンサ4、およびアーム7で構成される共振回路bのみを駆動する状態を表した回路構成図である。図において、スイッチング素子61、62を制御する制御信号63、64は供給されず、アーム5を駆動する制御信号53、54、およびアーム7を駆動する制御信号73、74のみが供給されている。その状態を図18に示す。
図18は制御波形図であり、アーム5の制御信号53、54と、アーム7の制御信号73、74(図中74は省略)のみが供給され、アーム6の制御信号63(図中64は省略)は停止(オフ、たとえばローレベル)している状態を示している。
図19は、各々のコイルに流れる電流波形図である。図において、コイル1電流は内コイル1に流れる電流を表す波形、コイル2電流は外コイル2に流れる電流を表す波形である。このように、アーム6の制御信号を停止することで、アーム5とアーム6間で構成される共振回路動作が停止され、外コイル2にのみ高周波電流を流すことができる。
このときの外コイル2に流れる高周波電流は、制御信号53と制御信号73(および、制御信号54と74)の位相差によって決定されている。
なお、駆動を停止している内コイル1は、外コイル2とある結合係数を持って結合しているため、外コイル2に流れる電流により誘導される誘導電流がわずかに内コイル1に流れている。
以上の実施の形態によれば、内コイル1、外コイル2に接続される、回路の一部を共用して構成された複数の高周波電源部を異なる形態の信号で駆動させることで、複数に分割された一つの加熱コイル8のうち、内コイル1、外コイル2に対し、選択的に、高周波電流を流す、または、停止することができる。
たとえば、外コイル2より鍋底径の小さな鍋負荷が載置された場合、鍋負荷との結合が弱くなり、外コイル2に想定外の高周波電流が流れるなどの現象が発生するので、負荷の状態を検知するなどの動作に利用できる。従って、負荷に応じた最適な加熱とするための内コイル1、外コイル2の選択を適切にすることができる。
実施の形態4.
以上の実施の形態では、アーム6、7を同時に、または選択的に駆動する実施例について述べたが、実施の形態4ではアーム6とアーム7を異なる位相差を持つ信号で駆動する実施例について説明する。
図20は実施の形態4を示す誘導加熱装置の回路構成図であり、図1において、実施例1と同様、アーム5を共通とし、アーム6、7とで各々共振回路a、bを構成している。
図において、スイッチング素子51、52、61、62、71、72に各々制御信号が接続されており、アーム5を駆動する制御信号53、54、アーム6を駆動する制御信号63、64、およびアーム7を駆動する制御信号73、74その状態を図21、および図22に示す。
図21は制御信号波形図であり、アーム5の制御信号53とアーム6の制御信号63との位相差が90°であり、また、アーム5の制御信号53とアーム7の制御信号73の位相差が180°であり、アーム5に対するアーム6とアーム7の位相が異なる例を示している。
このときの内コイル1に流れる高周波電流は、制御信号53と制御信号63(および、制御信号54と64)の位相差によって、また、外コイル2に流れる高周波電流は、制御信号53と制御信号73(および制御信号54と74)の位相差によって決定されている。
図22は制御信号波形図であり、アーム5の制御信号53とアーム6の制御信号63との位相差が、たとえば、180°であり、また、アーム5の制御信号53とアーム7の制御信号73との位相差が90°であり、アーム5に対するアーム6とアーム7の位相が異なる例を示している。なお図示はしないが、制御信号54と64、および54と74の関係も同様である。
このときの内コイル1に流れる高周波電流は、前述同様、制御信号53と制御信号63(および、制御信号54と64)の位相差によって、また、外コイル2に流れる高周波電流は、制御信号53と制御信号73(および、制御信号54と74)の位相差によって決定されている。
図23、図24は、各々のコイルに流れる電流波形図である。図において、コイル1電流は内コイル1に流れる電流を表す波形、コイル2電流は外コイル2に流れる電流を表す波形である。
図23では外コイル2の電流が、図24では内コイル1の電流がより多く流れていることがわかる。これは、図24では、外コイル2が接続されたアーム5とアーム7を制御する制御信号53と73の位相差が、また図24では、内コイル1が接続されたアーム5とアーム6を制御する制御信号53と63(および制御信号54と64)の位相差が大きくなるように制御した結果である。
以上の実施の形態によれば、内コイル1、外コイル2に接続される、回路の一部を共用して構成された複数の高周波電源部を異なる形態の信号で駆動させることで、内コイル1、外コイル2を異なる任意の位相差を持つ信号で駆動させることができる。
これにより、内コイル1の電流と外コイル2の電流の大きさが個別に任意に設定できるようにしたので、内コイル1と外コイル2に流す高周波電流の比を任意に設定可能であり、たとえば、鍋底径が大鍋と小鍋の中間程度の負荷、いわゆる中鍋を加熱する時は、内コイル1に一定の電流を流す一方、外コイル2には、内コイル1だけで加熱するには不十分な電力を補う程度の少量の電流を流すだけでよく、効率のよい加熱動作をすることができる。
さらに、外コイル2には大きな電流を流さないので、中鍋の鍋底径外にはみ出した外コイル2から発生する漏れ磁束量も最小限に抑制することができる。
実施の形態5.
実施の形態4では、アーム6とアーム7をアーム5を駆動する信号に対し異なる位相差を持つ信号で駆動したが、実施の形態5では、アーム6と7を複数の位相差を持つ制御信号で駆動する例について説明する。回路構成は実施の形態4の図20と同じであり説明を省略する。
図25は実施の形態5を示す駆動信号の波形図である。図25において、内コイル1と外コイル2に流れる高周波電流は、位相差量A>Bにより、このとき、期間1では内コイル1電流が、期間2では外コイル2電流が多い。ここでは、理解を容易にするため、位相差量はAとBを交互に入れ替える状態を示しているが、たとえば、期間1の位相関係はA、B、期間2の位相関係はC、D(図示せず)等任意に設定可能である。
以上のように、アーム5、6、7で位相設定の異なる信号による制御状態にあって、任意に交互に繰り返すことで、内コイル1と外コイル2の電流量の大小(火力の強弱)を任意に変化させることができるので、たとえば、調理物内部に対流を起こさせ、焦げ付きなどを防止することができる。
実施の形態6.
実施の形態4では、内コイル1と外コイル2の電流量を異なる位相に設定し、たとえば、中径の鍋の加熱時に外コイル2に流す電流を制限するために、アーム5とアーム7で構成される共振回路の駆動信号位相差を小さくすることで外コイル2に流れる高周波電流を抑制しているが、実施の形態6では、アーム6とアーム7を位相差と間欠動作を組み合わせた信号で駆動する実施例について説明する。
回路構成は実施の形態4の図20と同じであり説明を省略する。 図26は実施の形態6を示す駆動信号の波形図である。図26において、アーム5とアーム6で構成される共振回路aを定常駆動し、内コイル1に連続的に通電する一方、アーム7の駆動/停止を繰り返すことで、外コイル2に流れる高周波電流を抑制することができる。アーム5とアーム7、およびアーム6との関係についても同様の動作が可能であることはいうまでもない。
以上のように、内コイル1、外コイル2のように分割された複数のコイルからなる加熱コイル8の各々のコイルに対し、選択的に、間欠した高周波電流を流すので、効率のよい加熱動作をすることができ、また、外コイル2の電流を任意に制御できるようにしたので、中鍋の鍋底径外にはみ出した外コイル2から発生する漏れ磁束量も最小限に抑制することができる。
さらに、内コイル1と外コイル2の電流の強弱が任意に制御できるので、加熱負荷である鍋底を均一に加熱できる効果が得られる。
実施の形態7.
実施の形態7はアーム6、7の位相差を変化させながら通電する例について説明する。回路構成は実施の形態4の図20と同じであり説明を省略する。 図27は実施の形態7を示す駆動信号の波形図である。図において、コイルに流す電流量を決定する駆動信号の位相差を連続的に変化させる例を示している(位相差A→B→C→D→・・)。
なお、図27では、内コイル1に接続されるアーム6と外コイル2に接続されるアーム7を同一形態の信号(アーム5に対する位相差が同じ)で駆動制御する例を示しているが、図27の制御信号63と制御信号73は制御信号53に対して異なる位相を持つ信号であってもよい。
このように、位相差を小→大へ(いわゆる低火力から高火力)、任意の範囲内で連続的に可変させ、これを繰り返すことで、周期の長い火力制御が可能となる。逆(位相差を小→大へ)も同様である。
以上のように、複数に分割されたコイルからなる加熱コイル8のうち、内コイル1、外コイル2の各々のコイルに対し、連続的に位相差が変化する信号で駆動させるので(位相スイープ)火力に強弱をもたせた長時間加熱等をすることができる。たとえば、長時間の煮込み調理などで、火力の強弱による調理物の対流が発生し、焦げ付きを防ぐことができる。
なお、ここでは、外コイル2の電流量を制御する制御信号73(および74)について示しているが、制御信号63(および64)を同様に変化させてもよい。
実施の形態8.
実施の形態8は駆動を停止する期間を変化させる例である。図28は実施の形態8の動作を示す制御信号の波形図である。図において、外コイル2の電流量を制御する制御信号73の駆動を停止する期間を変化させている。
このように、複数に分割されたコイルからなる加熱コイル8の、内コイル1、外コイル2に接続される、回路の一部を共用して構成された複数の高周波電源部を異なる形態の信号で駆動させるので、火力に強弱をもたせた長時間加熱等をすることができ、長時間の煮込み調理などで、火力の強弱による調理物の対流が発生し、焦げ付きを防ぐことができる。
なお、図28では、外コイル2の電流量を制御する制御信号73(および74)について示しているが、制御信号63(および64)を同様に変化させてもよい。
実施の形態9.
以上の実施の形態では、複数のコイルからなる加熱コイル8を駆動する回路をフルブリッジ回路としたが、実施の形態9はハーフブリッジ回路や電圧共振回路の例を示す。
図29はハーフブリッジ回路構成図、図30は電圧共振回路である。
図29において、内コイル1と外コイル2は直列に接続され、コンデンサと共に電流共振回路を構成し、ハーフブリッジからなる高周波電源が接続されている。スイッチ素子SW1、SW2は、半導体スイッチ(たとえばFETなど)、あるいは機械的スイッチ(たとえばリレーなど)である。また、21はスイッチング素子211と212からなるアームである。径の大きな負荷を加熱する場合は、スイッチング素子211、内コイル1、外コイル2、スイッチ素子SW2、共振コンデンサ22、23、スイッチング素子212からなる共振回路を構成する。この時スイッチ素子SW1は外コイル2側に接続された状態である。この状態では、回路インピーダンスが増大し、回路電流が低減できるので、損失が改善され、効率の良い加熱動作が可能となる。
次に、内コイル1のみを駆動する場合、たとえば、径の小さな負荷を加熱する場合は、スイッチ素子SW2を開放し、一方スイッチ素子SW1を内コイル1側に短絡状態とすることで、スイッチング素子211、内コイル1、スイッチ素子SW1、共振コンデンサ22、スイッチング素子212からなる共振回路を構成する。
この状態では、小径鍋を加熱する電力が得られれば良く、その電力は径の大きな加熱負荷に比較して小さくてよい。よって、内コイル1のインピーダンスのみで十分な電力が得られ、外コイル2に無効な電流を流す必要が無いため、同様に効率化が図れる。
なお、スイッチ素子SW1、SW2は、機器を構成する制御部から送出される独立した信号によって制御されている。このように、負荷径に応じてコイル径を切換える構成となっているので、実施の形態2同様、加熱効率の向上、漏れ磁束低減などの効果が得られる。
次に図30について説明する。図30は一般的な電圧共振回路を内コイル1用、外コイル2用に個別に設けた例であり、図において、スイッチング素子211、内コイル1、共振コンデンサ3、コンデンサ101で構成される電圧共振回路aと、スイッチング素子212、外コイル2、共振コンデンサ4、コンデンサ102で構成される電圧共振回路bが電源供給部11 に共通に接続されている。
電圧共振回路a、bのスイッチング素子211、212には、各々、独立した制御信号G1、G2が接続されており、G1とG2を任意に制御することにより、内コイル1および外コイル2を任意の組み合わせで駆動可能であり、簡易な回路構成で、フルブリッジ回路の場合と同様な効果が得られる。
実施の形態10.
実施の形態10では、実施の形態1の図1に示す本発明の回路構成において、アーム5、6、7を制御する信号を用いて、回路構成を切換える方法について説明する。
図31で示す破線で囲んだ部分は、内コイル1のみ駆動させるときの回路構成図である。図31において、たとえば、制御信号73、74をオフとして共通のアーム5と内コイル1、共振コンデンサ3、およびアーム6で構成される共振回路のみを駆動させることで、小鍋加熱に対する回路構成に切換える。これは実施の形態2と同様の動作である。
次に、内コイル1と外コイル2を直列に接続して、大鍋加熱に対応する場合の回路構成を実現する手段について説明する。図32で示す一点鎖線で囲んだ部分は、内コイル1と外コイル2を直列駆動とするときの回路構成図である。図において、大鍋加熱時は、制御信号53、54をオフすることで、共通のアーム5の駆動を停止し、一方、アーム6、7は制御信号63、64、および73、74で駆動させる。これにより、アーム6とアーム7からなるフルブリッジ回路を構成できる。この状態で、内コイル1、外コイル2、共振コンデンサ3、共振コンデンサ4とアーム6、7からなる共振回路となり、内コイル1と外コイル2は回路に直列に挿入される構成となる。これによって、部品追加や切換え回路等の追加をすることなく、内コイル1と外コイル2を直列に接続して、コイルのインピーダンスを増加させることができるので、コイル電流が低減され損失が改善される。
次に、制御信号の組み合わせによって、実施の形態1の図1に示すフルブリッジの回路構成を、実施の形態9の図29に示したハーフブリッジの回路構成に変える例を図33〜36により説明する。
図33(a)はアーム5、6、7の組み合わせをパターンA〜Sに示し、このパターンに対応した各々の駆動状態、回路構成を示すフルブリッジ(FB)とハーフブリッジ(HB)の区分、動作、効果及び対応する実施の形態1〜10を示した表であり、図33(b)、(c)は、実施の形態1の図1を簡略化したものであり、図33(a)の各パターンの動作の参考図である。なお、図33(c)は「共通のアーム」の概念をわかりやすくするための図であり、図33(b)、(c)は等価回路である。図において(1)、(2)からなる共通アームが図1のアーム5に、(3)、(4)からなるアームAが図1のアーム6に、(5)、(6)らなるアームBが図1のアーム7に相当する。(1)、(2)が共通部で、アームA間に接続されたコイルが図1の内コイル1、アームB間に接続されるコイルが図1の外コイル2に相当する。図中の矢印は、共通アームからコイルに流れる電流を表す。図33(a)で初段の数字(1)〜(6)は、図33(b)、(c)の(1)〜(6)に対応している。
図34〜36は、図1の回路構成から、実施の形態9に示す図29のハーフブリッジの回路構成に切り換える方法を示した誘導加熱装置の回路構成図である。これらは、図33(a)のパターンN、P、Q、Rに相当する。
パターンPの場合は、図33(b)(または(c))の(4)〜(6)の素子を駆動する。すなわち、図34において 図33(b)(または(c))の(4)〜(6)の素子に相当するスイッチング素子62、71、72のみを使って内コイル1と外コイル2に電流を流す。このとき、(3)を常時OFF状態、(4)を常時ON状態にしておくことで、図29相当の回路構成(大径負荷対応=スイッチング素子211、内コイル1、外コイル2、スイッチ素子SW2、共振コンデンサ23、スイッチング素子212で構成される回路)となる。この時、フルブリッジ回路構成と同様に、内コイル1と外コイル2は直列接続となるため、回路インピーダンスが増加し回路電流が低減できるので、損失が改善され効率の良い加熱動作ができる。なお、パターンNも同様にして(3)、(4)、(6)の素子を駆動する。なお、パターンNも同様にして(3)、(4)、(6)の素子を駆動する。
パターンQの場合は、図35において、図33(b)(または(c))の(1)、(2)、(4)の素子に相当するスイッチング素子51、52、62のみを使って内コイル1に電流を流す。このとき、(3)を常時OFF状態、(4)を常時ON状態にしておくことで、図29相当の回路構成(小径負荷対応=スイッチング素子211、内コイル1、スイッチ素子SW1、共振コンデンサ22、スイッチング素子212で構成される回路)となる。なお、パターンRも同様にして(1)、(2)、(6)の素子を駆動させる。
パターンSの場合は、図36において、図33(b)の(1)、(2)、(4)の素子に相当するスイッチング素子51、52、62がひとつのハーフブリッジ回路を構成し内コイル1に電流を流す一方、(1)、(2)、(6)に相当するスイッチング素子51、52、72で構成されるもうひとつのハーフブリッジが外コイル2に電流を流し、アーム5を共通として、両者を並列で動作させる様子を示している。
以上のように、フルブリッジ回路構成の場合と同様、部品や切換え回路等を追加することなく、制御信号による各アームの駆動制御だけで、容易に回路構成が変更できるため、種々の加熱負荷に対して最適な回路構成や駆動パターンでの加熱動作が実現できる。
なお、以上に示した実施の形態1〜10については、独立した制御信号で各々の回路を制御するようにしたので、信号の組み合わせ(駆動パターン)によって、種々の回路動作の効果が期待できる。
実施の形態11.
実施の形態1〜10の回路構成は、内コイル1には共振コンデンサ3とアーム5、6からなる駆動回路が、外コイル2には共振コンデンサ4とアーム5、7からなる駆動回路が接続され、共振コンデンサ3,4の2個用いたが、本実施の形態は共振コンデンサを1個にしたものである。
図37はこの発明の実施の形態11を示す誘導加熱装置の回路構成図である。図において、実施の形態1の図1と同一部分には同一の符号を付し説明を省略する。
共通のアーム5の中点に共振コンデンサ3を介して、内コイル1と外コイル2が接続されており、アーム5、共振コンデンサ3、内コイル1、アーム6で内コイル1駆動用のフルブリッジ回路を、アーム5、共振コンデンサ3、外コイル2、アーム7で外コイル2駆動用のフルブリッジ回路を構成している。
このように、共振コンデンサ3を共用した構成として、実施の形態1と同様な効果を得ることができる。
本発明の活用例として、IHクッキングヒータや電磁調理器などがある。
1 内コイル、2 外コイル、3、4 共振コンデンサ、5、6、7 アーム、8 加熱コイル、17 トッププレート、51、52、61、62、71、72 スイッチング素子、53、54、63、64、73、74 制御信号、80 制御回路、81 操作部、82 表示部。

Claims (1)

  1. 加熱負荷が載置される耐熱性のトッププレートと、
    前記トッププレートの下方に、略同心円状で且つ略同一平面上に配置された複数の加熱コイルと、
    前記複数の加熱コイルに直列に接続されたコンデンサを組として備えた複数の共振回路と、
    前記複数の共振回路に同一周波数の高周波電流を供給する高周波電源部と、
    前記高周波電源部を制御する制御手段と、
    前記加熱負荷の径を検出する検出手段と、
    を備え、
    前記高周波電源部は、少なくとも2個のスイッチング素子が直列に接続されたアームを3個備え、3個のアームのうち、1つのアームを共通アームとし、該共通アームのスイッチング素子間と他のアームのスイッチング素子間との間に各共振回路を接続し、
    前記制御手段は、
    前記高周波電源部の前記共通アームと前記他のアームにそれぞれ供給する駆動制御信号の相互の位相差を、内側の加熱コイルの駆動制御信号の位相差よりも外側の加熱コイルの駆動制御信号の位相差のほうが小さくなるように設定して、前記高周波電源部から前記複数の加熱コイルにそれぞれ供給される前記高周波電流の大きさを制御する第1の制御方法と、
    前記共通アームの動作を停止させて、前記複数の共振回路が直列に接続された駆動回路を前記高周波電源部に形成する第2の制御方法と
    を備え
    前記加熱負荷の径が中程度以下の場合は前記第1の制御方法を選択し、
    前記加熱負荷の径が大きい場合は前記第2の制御方法を選択する
    ことを特徴とする誘導加熱装置。
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