JP2011243405A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力検知期間及び電力フィードバック期間のそれぞれの期間において、制御回路41は、通電状態(iv)、通電状態(v)そして通電状態(vi)の順に通電状態を切り替える。
【選択図】図6
Description
(誘導加熱調理器の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の上面図である。
図1で示されるように、鍋を載置するトッププレート1上に、右加熱口2、左加熱口3及び中央加熱口4の合計3口の加熱口が設置されている。このうち右加熱口2の下部には加熱コイル5が設置され、左加熱口3の下部には加熱コイル6が設置され、そして、中央加熱口4の下部には加熱コイル7が設置されている。各加熱口上部に対応するトッププレート1上に載置された鍋は、各加熱コイルから発生する高周波磁界によって誘導加熱される。また、トッププレート1上において使用者が通常存在する側(図1においてトッププレート1の下部)には操作・表示部8が設置されている。使用者がこの操作・表示部8を操作することによって、各加熱コイルによる火力の調整、及び使用する加熱口の選択等が実施される。この操作・表示部8には、表示パネル8aが備えられており、各加熱コイルの火力状態等が表示される。
図2で示されるように、加熱コイル5は、直径の異なる3種類のコイルによって構成されており、直径の最も小さい内コイル9、直径の最も大きい外コイル11、及び内コイル9及び外コイル11の中間の直径を有する中コイル10によって構成されている。この内コイル9、中コイル10及び外コイル11は、同心円上に配置され、後述するように高周波電流によって通電制御される。
なお、内コイル9、中コイル10及び外コイル11は、本発明の「コイル」に相当する。
図3で示されるように、交流電源21は、ダイオードブリッジ22の入力側に接続されており、このダイオードブリッジ22の出力正極側には、チョークコイル23が接続されており、そして、このチョークコイル23の他端とダイオードブリッジ22の出力負極側との間には平滑コンデンサー24が接続されている。少なくとも、上記のダイオードブリッジ22、チョークコイル23及び平滑コンデンサー24によって整流回路25が構成されている。
なお、図3で示されるように交流電源21は単相のものとしているが、これに限定されるものではなく、交流電源1は三相であってもよく、この場合、ダイオードブリッジ22も三相の交流電圧を整流するものとすればよい。
なお、高周波電源回路37〜高周波電源回路39を構成するスイッチング素子をIGBTとしているが、これに限定されるものではなく、MOSFET等のその他のスイッチング素子でもよい。
なお、上記において、入力電流検出手段26を、交流電源21とダイオードブリッジ22との間に設置し、整流回路25への入力電流値を検出させるものとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、整流回路25と高周波電源回路との間に設置し、整流回路25から出力され、高周波電源回路に入力される直流電流を入力電流値として検出する構成としてもよい。
また、上記において、制御回路41が記憶回路42を備える構成としたが、これに限定されるものではなく、制御回路41及び記憶回路42は別体として設置され、互いが電気的に接続されている構成としてもよい。
図4は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器における加熱コイル5に流れる電流の方向及び波形を示す図である。以下、本実施の形態に係る誘導加熱調理器の加熱動作について、図3及び図4を参照しながら説明する。
図5は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器における加熱コイル5の通電状態と制御回路41によって検出される入力電力値との関係を示す図であり、図6は、同誘導加熱調理器の電力フィードバック制御動作時における高周波電源回路37〜高周波電源回路39における駆動状態を示す図である。以下、本実施の形態に係る誘導加熱調理器における内コイル9、中コイル10及び外コイル11の各消費電力の検出動作について、図5及び図6を参照しながら説明する。
Pb+Pc=P5 (状態(v)−1) (2)
Pc+Pa=P6 (状態(vi)−1) (3)
P5=900[W] (5)
P6=1500[W] (6)
Pb=600[W] (8)
Pc=300[W] (9)
以上の構成及び動作のように、加熱コイルを構成する各コイルへの通電を時系列に一つずつ順次停止する電力検知期間を設けたことによって、二次側、すなわち各コイル側に電力検知回路を追加することなく各コイルでの消費電力を検出することができ、それによってコイル毎の電力フィードバック制御動作を実施することができ、そして、それぞれのコイルの電力を独立して調整することによって加熱ムラの無いきめ細かな加熱制御が可能となる。
また、加熱コイルを構成する各コイルの駆動周波数を全て同一にして駆動することによって、駆動周波数の差分がゼロとなるため、鍋鳴りの発生を抑制することができる。
また、加熱コイルを構成する各コイルの電流位相を全て同一にして駆動することによって、磁界の打ち消し作用によるインピーダンスの低下が少なくなるため、負荷電流を抑制することができ、各コイルで発生するジュール損失を抑制することができる。
さらに、各コイルのデューティー比の変更は、他のコイルと同時に実施しないため、電力フィードバック制御動作におけるハンチングの発生を抑制することができる。
本実施の形態に係る誘導加熱調理器について、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の構成及び動作と相違する点を中心に説明する。なお、本実施の形態に係る誘導加熱調理器の構成は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の構成と同様である。
図7は、本発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器における加熱コイル5の通電状態と最大投入可能電力との関係を示す図である。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器における電力フィードバック制御動作は、使用者によって操作・表示部8が操作されたタイミング、又は、加熱動作中に一定間隔毎等に実施されるものとしたが、本実施の形態に係る誘導加熱調理器においては、使用者が操作・表示部8に対して火力調節のための操作をして調理が開始されてから調理終了までの期間にわたって、制御回路41は電力フィードバック制御動作を実施する。本実施の形態においては、右加熱口2の最大投入可能電力を3.0[kW]、そして、内コイル9、中コイル10及び外コイル11それぞれの最大投入可能電力を1.5[kW]とする。
なお、各コイルの最大投入可能電力を1.5kWとしたが、これに限定されるものではなく、1.5kW以上としてもよい。すなわち、電力検知期間及び電力フィードバック期間にわたって駆動されるコイルは2つなので、各コイルの最大投入可能電力を右加熱口2の最大投入可能電力の半分の電力以上とすればよい。
以上の構成及び動作のように、調理期間中は、常時、各コイルの電力検知を実施し、設定火力となるように高周波電源回路のデューティー比を制御する電力フィードバック制御動作を実施するので、加熱ムラのない加熱を実施することができる。
また、調理期間中、常時、電力フィードバック制御動作を実施しても、加熱口の最大投入可能電力と等しい電力を投入することができるため、火力低下が無く、使用者の利便性を向上させることができる。
本実施の形態に係る誘導加熱調理器について、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の構成及び動作と相違する点を中心に説明する。なお、本実施の形態に係る誘導加熱調理器の構成は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の構成と同様である。
図8は、本発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器の電力フィードバック制御動作時における高周波電源回路37〜高周波電源回路39における駆動状態を示す図である。
図8で示される本実施の形態に係る誘導加熱調理器の電力フィードバック制御動作における電力検知期間の動作は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器と同様であり、制御回路41は、各コイルの消費電力Pa〜消費電力Pcを算出し、これらに対応するデューティー比Da〜デューティー比Dcを記憶回路42に記憶させる。ここで、制御回路41によって算出された消費電力Pa〜消費電力Pcは、実施の形態1における式(7)〜式(9)によって示されるものとする。
この時点で、各コイルの消費電力は、目標値となっていることになる。
以上の構成及び動作のように、実施の形態1における効果を有することに加え、電力フィードバック期間において、調整済みのデューティーを用いて、他の高周波電源回路のデューティー比を調整することによって、各コイルの干渉を含めた精度の高い調整が可能となり、さらに、加熱ムラの無いきめ細かな加熱制御が可能となる。
また、電力フィードバック期間における最後の通電状態としてすべてのコイルに通電させるものとすることによって、残りの1つのコイルの調整完了後、そのまま、加熱コイルの消費電力の目標値となるので、記憶回路から調整後のデューティー比を読み出す必要もなく、精度の高い調整が可能となる。
Claims (13)
- 交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、
同心円上に配設されて1つの加熱コイルを形成する複数(N個とする)のコイルと、
複数の該コイルとそれぞれ直列共振回路を構成する共振コンデンサーと、
スイッチング素子によって構成され、前記整流回路から出力された前記直流電圧を高周波電圧に変換し、前記各コイルに高周波電流を供給し、前記コイルと同数の高周波電源回路と、
前記交流電源から前記整流回路へ入力される交流電流を検出する入力電流検出手段と、
前記高周波電源回路を構成する前記スイッチング素子を駆動し、前記加熱コイルに加熱動作を実施させる制御回路と、
を備え、
該制御回路は、電力検知期間において、
N個の前記高周波電源回路から、任意の数の前記高周波電源回路の組み合わせをN組選択し、
この選択の際、N組の前記組み合わせには、N個の前記高周波電源回路すべてが含まれるようにし、
N組の前記高周波電源回路の前記各組み合わせを順に駆動させることによって、該組み合わせにおける前記高周波電源回路に接続された前記コイルを通電させ、
その通電時に、前記入力電流検出手段によって検出された前記交流電流に基づいて入力電力値を検出し、
N組の前記組み合わせの駆動によって算出されたN個の前記入力電力値に基づいて、前記各コイルの消費電力を算出する
ことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記入力電流検出手段は、前記交流電源から前記整流回路へ入力される交流電流を検出することに代えて、前記整流回路から出力され、前記高周波電源回路へ入力される直流電流を検出し、
前記制御回路は、前記コイルの通電時に、前記入力電流検出手段によって検出された前記交流電流に基づいて前記入力電力値を検出することに代えて、前記コイルの通電時に、前記入力電流検出手段によって検出された前記直流電流に基づいて前記入力電力値を検出する
ことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御回路は、前記電力検知期間終了後の電力フィードバック期間において、
N個の前記高周波電源回路の中から、消費電力が目標値となるようにそのデューティー比を調整するものとして1つの前記高周波電源回路(以下、調整対象回路という)を選択し、
その他の(N−1)個の前記高周波電源回路の中から、前記電力検知期間において算出された前記各コイルの消費電力に対応するデューティー比(以下、固定デューティー比という)によって駆動するものとして任意の数の前記高周波電源回路(以下、固定通電回路という)を選択し、
前記調整対象回路及び前記固定通電回路を駆動することによって、検出される前記入力電力値が、前記固定デューティー比によって駆動される前記固定通電回路に接続された前記コイルの消費電力の和と、前記調整対象回路に接続された前記コイルの消費電力目標値との和となるように、前記調整対象回路のデューティー比を調整し、
以上の手順をN個の前記高周波電源回路すべてについて実施する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の誘導加熱調理器。 - 記憶回路を備え、
前記制御回路は、
前記電力検知期間において、算出した前記各コイルの消費電力、及び該消費電力に対応する前記固定デューティー比を前記記憶回路に記憶させ、
前記電力フィードバック期間において、前記記憶回路から前記固定通電回路に対応する前記固定デューティー比を読み出し、該固定デューティー比によって前記固定通電回路を駆動させ、前記記憶回路から前記固定通電回路に接続された前記コイルの消費電力を読み出してその和を算出する
ことを特徴とする請求項3記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御回路は、
前記調整対象回路のデューティー比を調整した後、調整された該デューティー比を前記記憶回路に記憶させ、
前記電力フィードバック期間において、前記固定通電回路に対する調整された前記デューティー比が前記記憶回路に記憶されている場合、前記電力検知期間において算出された前記固定通電回路に対応するデューティー比を前記固定デューティー比とするのに代えて、前記記憶回路に記憶されている調整された前記デューティー比を前記固定デューティー比とし、該固定デューティー比によって前記固定通電回路を駆動させ、
前記電力フィードバック期間において、前記固定通電回路に対する調整された前記デューティー比が前記記憶回路に記憶されていない場合、前記記憶回路に記憶され、前記電力検知期間において算出された前記固定通電回路に対応するデューティー比を前記固定デューティー比とし、該固定デューティー比によって前記固定通電回路を駆動させる
ことを特徴とする請求項4記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御回路は、
前記電力フィードバック期間において、N個の前記高周波電源回路のうち最後のN個目の前記高周波電源回路を前記調整対象回路としてデューティー比を調整する場合、その他の(N−1)個の前記高周波電源回路の全てを前記固定通電回路として、調整済みの前記デューティー比によって駆動させる
ことを特徴とする請求項5記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御回路は、前記電力フィードバック期間終了後、前記電力フィードバック期間において調整したN個の前記高周波電源回路の各デューティー比によって、N個の前記各高周波電源回路を駆動させる
ことを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれかに記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御回路は、前記電力検知期間及び前記電力フィードバック期間における動作を前記加熱動作として繰り返し実施する
ことを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれかに記載の誘導加熱調理器。 - 前記電力検知期間及び前記電力フィードバック期間において、前記制御回路によって、同時に駆動される前記各高周波電源回路に接続された前記コイルの最大投入可能電力の和が、前記加熱コイルの最大投入可能電力以上である
ことを特徴とする請求項8記載の誘導加熱調理器。 - 前記高周波電源回路は3つであり、
前記加熱コイルは、3つの前記コイルによって構成され、
前記制御回路は、
前記電力検知期間において、3つの前記高周波電源回路から、2つの前記高周波電源回路による組み合わせを3組選択し、
前記電力フィードバック期間において、前記調整対象回路として、3つの前記高周波電源回路から1つの前記高周波電源回路を選択し、前記固定通電回路として、その他の2つの前記高周波電源回路から1つの前記高周波電源回路を選択し、3つの前記高周波電源回路すべてについてのデューティー比を調整する
ことを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれかに記載の誘導加熱調理器。 - 前記各高周波電源回路によって前記コイルに通電される高周波電流は、すべて同一周波数である
ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の誘導加熱調理器。 - 前記各高周波電源回路によって前記コイルに通電される高周波電流は、すべて同一位相である
ことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御回路は、前記電力フィードバック期間において、デューティー比の調整を複数の前記高周波電源回路について同時に実施しない
ことを特徴とする請求項3〜請求項12のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
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