JPH06179978A - クロメート処理金属材 - Google Patents

クロメート処理金属材

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JPH06179978A
JPH06179978A JP35316492A JP35316492A JPH06179978A JP H06179978 A JPH06179978 A JP H06179978A JP 35316492 A JP35316492 A JP 35316492A JP 35316492 A JP35316492 A JP 35316492A JP H06179978 A JPH06179978 A JP H06179978A
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JP
Japan
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chromate
coating
chromium
film
corrosion resistance
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JP35316492A
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English (en)
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Yukihiro Yoshikawa
幸宏 吉川
Tomoaki Usuki
智亮 薄木
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/05Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
    • C23C22/06Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
    • C23C22/24Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing hexavalent chromium compounds
    • C23C22/30Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing hexavalent chromium compounds containing also trivalent chromium

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐食性および加工後の耐食性を高める。塗装
密着性を高める。 【構成】 6価クロムの還元剤として数平均分子量が1
50〜700のポリエチレングリコールを用いて部分還
元した処理液の塗布乾燥により、クロメート皮膜を形成
する。還元率のコントロールにより、皮膜の3価クロム
/全クロム比を0.2〜0.7とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車、家電製品、建材
などに使用されるクロメート処理金属材に関する。
【0002】
【従来の技術】クロメート処理は、亜鉛表面やアルミニ
ウム表面に対する耐食性の向上や、塗装性・接着性の向
上を目的として広く用いられている。このクロメート処
理は次の3種に大別される。すなわち、反応型クロメー
ト、電解型クロメート、そして塗布型クロメートであ
る。
【0003】これらのクロメート処理のうち、塗布型ク
ロメートは処理後に洗浄の必要がないため、排水汚染の
問題がないという他の処理にない特色を有する。他の特
色としては、処理皮膜が自己修復性を有することがあ
る。すなわち、処理皮膜に基材金属に達する疵がついて
も、皮膜中に含まれる6価クロムの効果により、皮膜を
修復し、防食性を維持するという効果である。
【0004】従来このような塗布型クロメートの性能を
向上させる目的で、種々の方法が提案されている。例え
ば、クロメート処理液を還元し、それに高分子を添加す
る方法は特開昭50−158535号公報に提示され、
クロメート処理液にリン酸、シリガゾル、フッ素化合物
などを添加する方法は特開昭63−103082号公報
に提示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法は、基本
的に3価クロムと6価クロムを含有するクロメート皮膜
に第3成分を添加し、その効果により、耐食性や塗装密
着性を向上させるものである。しかしながら、第3成分
による性能向上の効果は、近年要求されるようなレベル
の高い性能を満たすのには不十分である。特に、加工後
の耐食性を向上させるのは極めて困難である。なぜな
ら、通常のクロメート皮膜は硬くて脆く、皮膜自体の性
能を高めても加工によって容易に割れが生じ、自己修復
では補いきれない大きなダメージを受けるからである。
【0006】本発明の第1の目的は、塗装密着性に著し
く優れたクロメート処理金属材を提供することにある。
また、第2の目的は、優れた塗装密着性と合わせて高レ
ベルの耐食性および加工後耐食性を兼備するクロメート
処理金属材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】クロメート皮膜の耐食性
や塗装密着性はクロメート皮膜の構造そのものに大きく
影響を受ける。そのため、皮膜性能を向上させるために
は、皮膜構造の適正化が必要となる。
【0008】塗布型クロメート皮膜の構造は、一応3価
クロムと6価クロムの比によって決定されると考えられ
ているが、その化学構造についての確定した見識は得ら
れていない。例えば、クロメート皮膜は3価クロムと6
価クロムのオキシ、オキソ化合物であるという説や、3
価クロムのみが高分子化して皮膜骨格を形成し、6価ク
ロムはその骨格中に取り込まれているという説などがあ
る。
【0009】本発明者らは、アルコール系の還元剤で部
分還元した塗布型クロメート皮膜の化学構造を詳細に検
討する過程で、クロメート皮膜は3価と6価クロムのみ
を含む化合物ではなく、還元の副生物を含有する、いう
ならば無機−有機の複合体であるという結論を得ること
ができた。
【0010】すなわち、従来考えられていたクロメート
皮膜のモデルにおいては、還元剤の影響というものは、
還元率(3価クロム/6価クロム比)以外には考慮され
ていなかった。例えば、得られる処理液の還元率が同じ
であるならば、還元剤が何であろうと大差がないと考え
られてきた。従って、還元剤の種類を特別に限定するこ
とは行われていなかった。
【0011】本発明者らは、塗布型クロメート皮膜が無
機−有機の複合体であるという観点から、特に還元剤の
相違が皮膜構造に影響を及ぼすと推定し、その影響を調
査した結果、特定分子量のポリエチレングリコールを用
いて還元した処理液により得たクロメート処理皮膜は、
塗膜密着性に著しく優れ、更に限定された条件において
は高いレベルの加工性をも具有するということを見出し
た。
【0012】この理由は、まだ明確には解明されていな
いが、生成されるクロメート皮膜構造にあることは確か
なようである。すなわち、ポリエチレングリコールのよ
うに分子量が大きく、またフレキシブルな還元剤を用い
ると、還元後に皮膜に取り込まれる副生物もフレキシブ
ルな分子量の大きい化合物であることが予測される。こ
のため、通常は堅くて脆いクロメート皮膜が、比較的フ
レキシブルになり、塗膜剥離や加工に対しても強くなる
ものと考えられる。
【0013】本発明のクロメート処理金属材は上記知見
に基づいて開発されたものであり、6価クロムの還元剤
として数平均分子量が150以上700以下のポリエチ
レングリコールを用いて部分還元した処理液の塗布乾燥
により皮膜の3価クロム/全クロム比が0.2以上0.7以
下であるように形成されたクロメート処理皮膜を有する
点を特徴とする。
【0014】
【作用】以下に本発明のクロメート処理金属材の構成要
件を詳述し、その作用を明らかにする。
【0015】金属基材 本発明材の基材となる金属は、特に限定されるものでな
く、鉄鋼材料の他Al等の非鉄金属材でもよいが、クロ
メート処理金属材が自動車、家電製品、建材などに多用
されることを考えると、めっき鋼材、特に亜鉛系めっき
鋼材が好ましい。この亜鉛系めっき鋼材とは、電気めっ
き材と溶融めっき材の両方を含有し、その各々が合金め
っき鋼材であっても良い。
【0016】なお、以下の詳細な記載は鋼板上の利用形
態に関するものであるが、線材や管材にも適用可能であ
ることは言うまでもない。
【0017】クロメート処理液 本発明材に用いる塗布型クロメート処理液の基本組成
は、3酸化クロムと、還元剤としてのポリエチレングリ
コールとからなる。クロメート処理液中の3価クロムと
6価クロムの比は、還元剤の添加量によって制御され
る。
【0018】還元剤としてのポリエチレングリコール
は、特定分子量であることが必要である。この分子量は
数平均分子量で表わして150以上700以下であり、
望ましくは150以上500以下である。
【0019】エチレングリコールは分子量62で、2個
の炭素を有し、2個の水酸基を有している。これに対
し、例えば重合度3のポリエチレングリコールは、分子
量が150で4個の炭素と2個の水素基を有している。
また、重合度11のものは分子量が502で、12個の
炭素と2つの水素基を有する。つまり、重合度が大きく
なるに従って、単位水酸基あたりの炭素鎖長が長くなる
ということである。このことが、ポリエチレングリコー
ルの分子量を限定せねばならない理由となる。
【0020】すなわち、数平均分子量が150より少な
い場合では、前述の高分子量の化合物であるという特徴
が薄れ、エチレングリコールを還元剤として用いた場合
と性能面で大差ない結果を生む。また、分子量が700
より大きい場合は、還元剤の添加量を増しても、還元が
ほとんど進行しない。つまり、還元効率が低いというこ
とが問題となる。また、分子量の増大により部分還元し
た処理液が短時間でゲル化するという問題点もある。か
くして、ポリエチレングリコールの分子量の範囲は15
0以上700以下で、実用上は150以上500以下が
望ましい。
【0021】なお、分子量として数平均分子量を用いた
のは、実際に入手可能なポリエチレングリコールには分
子量分布があり、どこまでの長さの炭素鎖を有するポリ
エチレングリコールまでが適用可能かということが調査
できないからである。
【0022】ポリエチレングリコールの添加量は、その
分子量および狙いとする処理液の還元率によって変えな
ければならない。また、反応の温度や還元剤の分子量分
布の影響も受けるために、処理液の還元率を調査して、
調製をしなければならい。具体的には次のような方法で
添加量を決めることができる。
【0023】本発明材では処理液の6価クロムの部分還
元率が後述の皮膜中の3価クロム/全クロム比に等しく
なる。従って、皮膜中の3価クロム/全クロム比の狙い
とする比率をR、処理液の6価クロムのモル濃度をC(m
ole/l)、ポリエチレングリコールの数平均分子量をMと
するとき、ポリエチレングリコールの標準添加量は、0.
75×M・R・C(g/l)で与えられる。なお、0.7
5の意味は下記の通りである。
【0024】ポリエチレングリコールは、I分子の両端
に−OH基を各1個計2個有する構造である。Cr6価
がCr3価に還元されるに当たって、1.5倍のOH基が
酸化され、−CHO基(アルデヒド)となるから、−O
H基2個を有するポリエチレングリコールの場合、Cr
6価がCr3価に還元されるに当り、0.75倍のポリエ
チレングリコールが酸化される。反応としては化学式1
が生じるためである。
【0025】
【化1】
【0026】但し、前記化学反応は完全に化学量論的に
進行するわけではないので、適宜酸化還元滴定等の手段
により還元率を測定確認することが望ましい。添加量の
目安としては、狙いとする3価クロムのモル数の1.5倍
程度のモル数の水酸基量となるように添加すればよい。
【0027】かくしてポリエチレングリコールを還元剤
として添加したクロメート液で処理した皮膜には、主と
してポリエチレングリコールの両端部がアルデヒド化さ
れた構造の有機物を含有する皮膜が形成される。
【0028】本発明材に用いる塗布型クロメート処理液
には、塗装密着性・耐食性の更なる向上や耐指紋性など
の向上を目的として、第3成分が添加されても良い。こ
の添加物としては、コロイド状物質、高分子化合物、フ
ッ素化合物、金属イオン、酸類などを使用できる。
【0029】コロイド状物質としては、水性のシリカゾ
ル、気相シリカ、アルミナゾル、ジルコニアゾル、アン
チモンゾルなどが挙げられる。高分子化合物としては、
ポリアクリル酸等の水溶性高分子や、ポリエチレン、ア
クリル系樹脂などのエマルジョン樹脂等がある。フッ素
系化合物としては、ケイフッ化ナトリウムが代表的なも
のである。金属イオンとしてはコバルトイオン、ニッケ
ルイオン、亜鉛イオンなどがある。酸類の代表的なもの
はリン酸である。
【0030】塗布・乾燥 このような塗布型クロメート処理液の塗布・乾燥によっ
てクロメート皮膜が形成される。処理液の塗布方法とし
ては、板状の基材に対してはロールコートが最も適して
いる。そのほかの方法、例えば浸漬法、バーコート、刷
毛塗りなども用いることができる。
【0031】乾燥はオーブン、ドライヤなどで行われこ
とが多く、温度は通常80℃から200℃の間である。
乾燥時間は、温度にもよるが、通常、数十秒から数分の
間である。
【0032】クロメート皮膜の3価クロム率(3価クロ
ム/全クロム比) 一般的に、3価クロムを多く含有する皮膜の方が、塗装
密着性・接着性に優れている。これは、3価クロムを多
く含有する皮膜の方が、皮膜構造が緻密で凝集強度が高
いということによるものと推定される。他の理由として
は、3価クロム皮膜の表面の方が、6価クロムの皮膜の
表面よりも、表面エネルギーが高く、樹脂塗膜との親和
性が高いことが考えられる。また、緻密な3価クロムの
皮膜はその高いバリアー効果により耐食性にも寄与して
いる。
【0033】一方、6価クロムは塗装密着性にはほとん
ど寄与しないと推定されるが、耐食性、特に加工部およ
び疵部の耐食性向上には不可欠のものである。すなわ
ち、クロメート皮膜特有の自己修復作用のために必要な
のである。
【0034】本発明材におけるクロメート皮膜の3価ク
ロム/全クロム比は、上記を考慮して0.2以上0.7以下
とした。すなわち、この比が0.7を超えると、クロメー
ト皮膜の自己修復に必要な6価クロム量が不足し、この
傾向は0.6超で比較的に顕著に現れる。一方、この比が
0.2よりも小さいと、形成さるクロメート皮膜が緻密な
ものにならず、凝集強度が不足するために塗装密着性が
低下するのみならず、6価クロムの溶出が問題となる可
能性がある。耐食性および塗膜密着性の双方を高次元で
満足させるためには0.2〜0.6の範囲とする。
【0035】クロメート皮膜の付着量 クロメート皮膜の付着量は、要求される耐食性のレベル
に応じて変えなければならないが、一般的には30mg
/m2 以上150mg/m2 以下が望ましい。付着量が
30mg/m2 に満たないと、耐食性が不十分となり、
150mg/m2 を超えると、皮膜の凝集強度が低下す
るために塗装密着性が低下し、また、皮膜が割れ易くな
るために加工部の耐食性も低下する。
【0036】
【実施例】次に、本発明の実施例および比較例を述べ
る。
【0037】塗布型クロメート処理金属材の基材とし
て、電気亜鉛めっき鋼板(めっき付着量20g/m2
厚み0.8mm)を用いた。クロメート処理の前処理とし
て、弱アルカリ性の脱脂液を用いて脱脂を行った。
【0038】塗布型クロメート処理液は、無水クロム酸
に還元剤として種々の分子量のポリエチレングリコール
またはエチレングリコールを添加したもので、還元剤添
加後、24時間放置した後、クロメート処理に用いた。
そして、クロム酸の濃度を20g/lに固定し、還元剤
の添加量を変化させることにより、処理液の6価クロム
の部分還元率を変化させて、クロメート皮膜の3価クロ
ム率(Cr3+/全Cr)をコントロールした。
【0039】処理液の塗布にはバーコーターを用いた。
塗布後、電気オーブンにて130℃で2分間の乾燥を行
った。
【0040】こうして得た各種クロメート処理金属材の
クロメート付着量およびクロメート皮膜の3価クロム/
全クロム比を測定した。測定結果を処理条件と共に表1
に示す。測定には下記の方法を用いた。
【0041】クロメート付着量の測定 蛍光X線法により測定し、金属クロムの量に換算して表
示した。
【0042】クロメート皮膜の3価クロム/全クロム比
の定量 X線光電子分光測定装置(VG Scientific社のESCALAB MK
2)を用いた。X線源はAlkα、フィラメントの電圧は
10kV、電流は34mAである。測定条件は、真空度
5×10-9Torr、光電子の放出角度45°、分光器のパ
スエネルギー20evである。帯電補正にはClsのメ
インピークを用いた。得られたCr2p3/2 ピークのコ
ンピュータを用いたフィッティングにより、3価クロム
と6価クロムの比を計算した。
【0043】また、前記各種クロメート処理金属材の塗
装密着性、耐食性および加工後耐食性を下記の試験によ
り評価した。結果を表2に示す。
【0044】塗装密着性試験 試験片の片面のクロメート皮膜上にアクリル系樹脂塗料
(神東塗料製、スーパーグリミン#1000)をバーコ
ートにより25μmから30μmの厚さに塗装し、15
0℃で焼き付けして塗膜を形成した後、一次密着性およ
び二次密着性を調査した。
【0045】一次密着性は、基盤目試験機を用いて、塗
装した試験片に1mm角の升目を金属素地に達するまで
100個けがき、それをエリクセン試験機で7mm張り
出し、その後、セロハンテープの密着と剥離を行い、残
存升目の数を数えて評価した。評価符号の意味は以下の
通りである。
【0046】◎ 剥離無し(全て残存) ○ ほとんど剥離しない(残存升目22〜24、合格レ
ベル) △ 一部剥離する(残存升目13〜21) × 大部分剥離する(残存升目12以下)
【0047】耐食性試験 平板で端面をシールした試験片に、JIS Z 237
1に準拠して塩水噴霧試験を行い、白錆の発生が面積率
にして10%に達するのに要する時間を調査した。24
0時間以上を合格レベルとした。
【0048】加工後耐食性試験 クロメート処理を施した試験片を深絞り試験機でカップ
上に成形し(絞り深さ24mm、ポンチ曲率半径3m
m)、カップ内側及び鋼板端面をシールした後、塩水噴
霧試験機にかけ、加工部における白錆の発生が面積率に
して10%に達する時間を調査した。白錆発生時間12
0時間以上を合格とした。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】本発明の実施例(No. 1〜15)は塗装密
着性に著しく優れる。そして、3価クロム/全クロム比
が比較的大きいNo. 5を除けば、耐食性および加工後耐
食性も非常に良好で、耐食性、加工後耐食性および塗装
密着性の全性能を高次元で満足させることができた。
【0052】これに対し、No.16はポリエチレングリ
コールの分子量が小さいために、加工後耐食性および塗
装密着性が充分でなく、エチレングリコールを用いたN
o. 20およびNo. 21と大差ない結果になった。ま
た、No. 17は皮膜の3価クロム/全クロム比が小さい
ために、主に塗装密着性が劣り、No. 18はこの比が過
大のために、6価クロムの不足による耐食性劣化を生じ
た。No. 19はポリエチレングリコールの分子量が過大
のため3価クロム/全クロム比が0.1と小さく、その結
果、主に塗装密着性が劣った。またこの場合、耐食性が
低下するのは、6価クロムの増加によりクロメート皮膜
が水に溶解しやすくなるためと考えられる。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のクロメート処理金属材は、6価クロムの還元剤として
特定分子量のポリエチレングリコールを用い、その副生
物を取り込んだクロメート処理皮膜を有することによ
り、塗装密着性に著しく優れ、特に3価クロム/全クロ
ム比を0.6以下に抑えたものは、優れた塗装密着性と合
わせて高レベルの耐食性および加工後耐食性を兼備す
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6価クロムの還元剤として数平均分子量
    が150以上700以下のポリエチレングリコールを用
    いて部分還元した処理液の塗布乾燥により皮膜の3価ク
    ロム/全クロム比が0.2以上0.7以下であるように形成
    されたクロメート処理皮膜を有するクロメート処理金属
    材。
JP35316492A 1992-12-11 1992-12-11 クロメート処理金属材 Pending JPH06179978A (ja)

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