JPH1180973A - アルミニウムまたはアルミニウム合金用クロメート系表面処理剤および表面処理方法 - Google Patents

アルミニウムまたはアルミニウム合金用クロメート系表面処理剤および表面処理方法

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JPH1180973A
JPH1180973A JP23980397A JP23980397A JPH1180973A JP H1180973 A JPH1180973 A JP H1180973A JP 23980397 A JP23980397 A JP 23980397A JP 23980397 A JP23980397 A JP 23980397A JP H1180973 A JPH1180973 A JP H1180973A
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chromium
chromate
aluminum
weight
surface treatment
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Kazuya Tanaka
和也 田中
Mitsuru Nakamura
充 中村
Kazunari Hamamura
一成 浜村
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐食性、耐クロム溶出性、耐熱黄変性に優れた
クロメート系皮膜をアルミニウム、アルミニウム合金に
形成する。 【解決手段】固形分濃度として、6価の原子価を有する
クロム酸を5〜8重量%、3価の原子価を有するクロム
化合物を35〜65重量%、珪フッ素化合物を10〜2
0重量%と、水溶性有機高分子化合物25〜40重量%
を含む表面処理剤を用いる。3価の原子価を有するクロ
ム化合物としては、重リン酸クロム、硝酸クロム、フッ
化クロム、硫酸クロムおよび6価のクロム酸を還元した
3価クロムから選択することができる。水溶性有機高分
子化合物としては、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリウレタンから選択する事ができる。この表面処
理剤をアルミニウム、アルミニウム合金表面に接触させ
た後、加熱乾燥することにより、表面処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムまた
はアルミニウム合金用クロメート系表面処理剤およびそ
の表面処理方法に関するものである。更に詳しくは、本
発明は、自動車、家電、建材などの分野に適用し、耐食
性、耐クロム溶出性、且つ耐熱黄変性に優れるクロメー
ト皮膜を形成することができるアルミニウムまたはアル
ミニウム合金用クロメート系表面処理剤およびその表面
処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、アルミニウムの防錆方法とし
て、クロム酸、重クロム酸、またはクロム酸塩を含む処
理液を用いるクロメート処理が、自動車、家電そして建
材関係の広い分野で行われている。前記クロメート処理
は、金属表面に対して耐食性の向上や、上塗り塗料の塗
装性、接着性の向上を主目的として行われている。クロ
メート処理の方法としては反応型クロメート、塗布型ク
ロメート、そして電解クロメートの3種類に大別され
る。
【0003】反応型クロメート処理または電解クロメー
ト処理により形成された皮膜は、3価クロムが主成分で
あるため、耐クロム溶出性に優れているといわれている
が、逆に耐食性は不十分である。一方、塗布型クロメー
トは、クロメート処理液の廃水、更に液水洗による洗浄
が必要ないため、廃水による環境汚染問題がないという
特徴がある。
【0004】一般的に塗布型クロメートは、6価クロム
および3価クロムを含有している。6価クロムは高耐食
性を発現させるために必要であり、6価クロムの割合が
多くなるほど、その効果が大きくなる。ただし、3価ク
ロムは不溶性であるため皮膜中に固定されるが、6価ク
ロムは水によって皮膜から容易に溶解するという欠点が
ある。この6価クロムが固定化せずに溶解すると、環境
汚染の問題があり好ましくない。また、クロメート層の
上に塗装を行う場合に、形成される有機皮膜、無機皮膜
あるいは有機および無機複合皮膜の外観あるいは性能に
悪影響を与えてしまう。よって3価クロムと6価クロム
の割合を制御する必要があるが、クロムの固定化と耐食
性の両立は難しく、完全にクロム溶出を抑制することは
できない。
【0005】また、クロム溶出を低減する目的の1つと
して、有機高分子化合物を添加する方法もある。これは
有機高分子化合物自身のバリアー効果や、3価クロムと
の架橋を期待するものである。しかし、形成されるクロ
メート皮膜には、例えば400℃以上の高温による部分
的な熱加工によって黄変、褐変する問題がある。
【0006】過去にクロム溶出の抑制に関する技術とし
て、例えば亜鉛系金属めっき鋼板用に、特開平8−21
8183号公報では有機リン酸、または有機リン酸と無
機リン酸の混合物を添加することにより、塗装性、耐ク
ロム溶出性、耐食性に優れるクロメート皮膜を形成する
表面処理鋼板を開示している。しかし、この技術ではク
ロメート皮膜上に有機皮膜を施すことを必須としてお
り、処理工程が2段処理となる。そこで有機被膜を除い
たクロメート皮膜をアルミニウム及びアルミニウム合金
に適用したが、耐クロム溶出性が不十分で、満足できる
レベルまで達していないのである。
【0007】また、特開平2−15180号公報には、
金属表面にクロメート皮膜を形成した後、х線、γ線ま
たは電子線といった放射線を照射することにより、クロ
ム溶出を防止する方法を開示している。ところが、この
方法はコスト的に不利になる上に、表面処理の分野にお
いて放射線を使うので、工業的には生産性がよくないの
である。
【0008】クロメート処理剤として、水溶性有機高分
子化合物、6価クロム、3価クロムおよびクロム以外の
元素を含有した無機化合物からなる組成、さらにそれを
用いて接触乾燥することにより得られる皮膜金属材につ
いていくつか開示されている。それらのなかで、特開平
4−358082号公報は、上記無機化合物が珪フッ化
物であり、亜鉛メッキ鋼板、アルミメッキ鋼板等の鋼材
を対象としている。しかし、アルミまたはアルミ合金に
適用した場合に、珪フッ素化合物の組成比が少ない等、
クロメートの組成比が好ましくないため、耐食性、耐ク
ロム溶出性が不十分である。また、特開平5−5135
5号公報は、クロム、ジルコニウムまたはチタンからな
る金属酸化物または金属塩等と、合成樹脂を組成とし
た、アルミニウム皮膜材を開示している。しかし、これ
らの処理液組成では耐食性、耐熱黄変性および耐クロム
溶出性の全てを満足すのは困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の有する問題点を解決するためのものであり、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金表面に耐食性、耐クロム
溶出性、且つ耐熱黄変性に優れる皮膜を形成するための
クロメート系表面処理剤、およびその表面処理方法を提
供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記問題を
解決するための手段について鋭意検討した結果、6価の
原子価を有するクロム酸と、3価の原子価を有するクロ
ム化合物と、珪フッ素化合物と、水溶性有機高分子化合
物を含有するクロメート系表面処理剤を、アルミニウム
またはアルミニウム合金表面に、接触した後、加熱乾燥
することにより、前記問題点を解決できるようなクロメ
ート皮膜を形成できることを新たに見い出した。
【0011】すなわち、本発明のアルミニウムまたはア
ルミニウム合金用クロメート系表面処理剤は固形分濃度
が、(a)Crとして2.6〜4.2%の範囲になる6
価の原子価を有するクロム酸5〜8重量%と、(b)C
rとして5.3〜48.3%となる3価の原子価を有す
るクロム化合物35〜65重量%と、(c)Fとして
8.7〜17.6%の範囲になる珪フッ素化合物10〜
20重量%と、(d)水溶性有機高分子化合物25〜4
0重量%とを含有することを特徴とするものである。ま
た、前記(b)のクロム化合物が重リン酸クロム、硝酸
クロム、フッ化クロム、硫酸クロムおよび6価の原子価
を有するクロム酸を還元した3価クロムから成る群から
選ばれた少なくとも1種が好ましい。 また、前記(d)の水溶性有機高分子化合物が、ポリア
クリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアミドおよびポリ
ウレタンから成る群から選ばれた少なくとも1種が好ま
しい。次に本発明の表面処理方法は、前記クロメ−ト系
表面処理剤をアルミニウムまたはアルミニウム合金表面
に接触させた後、加熱乾燥することを特徴とするもので
ある。
【0012】以下、本発明の構成を詳細に説明する。本
発明の表面処理剤の必須成分として含有する(a)6価
の原子価を有するクロム酸は、処理液の固形分に対して
5〜8重量%に配合する。6価の原子価を有するクロム
酸は耐食性の向上を目的として含有しているが、前記6
価クロム酸は可溶性成分であり、含有量が8重量%を超
えるとクロメート皮膜からのクロム溶出量が多くなり、
環境上あまり良くない。逆に、6価クロム酸の含有量が
少ない5%未満では耐食性が劣化する。なお、6価の原
子価を有するクロム酸としては、無水クロム酸や重クロ
ム酸が使用できる。
【0013】次に、本発明の表面処理剤の必須成分とし
て含有する、(b)3価の原子価を有するクロム化合物
は、処理液の固形分に対して35〜65重量%配合す
る。3価のクロム化合物としては特に限定しないが、重
リン酸クロム、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロ
ム、または6価のクロム酸を還元した3価クロムが好ま
しい。6価クロム酸を還元するのに必要となる還元剤と
しては、例えばアルコール類、多糖類等の水酸基を有す
る有機化合物が挙げられる。また、6価のクロム酸を還
元して3価クロムを得る還元方法、還元率に関しては特
に限定しない。前記クロム化合物は、有機高分子化合物
と架橋させる目的で含有させている。この3価クロム化
合物が35重量%未満では架橋密度が小さくなるため、
クロメート皮膜の耐水性が劣化し、クロムが溶出しやす
くなる。逆に、65重量%を超えると耐食性が劣化す
る。
【0014】次に本発明の表面処理剤の必須成分として
含有する珪フッ素化合物の配合量は10〜20重量%で
ある。これらの珪フッ素化合物は、アルミニウム材のエ
ッチング剤として添加しているが、耐食性の効果も期待
できる。珪フッ素化合物量が10重量%未満では耐食性
が劣化したりクロム溶出が多くなる。逆に、珪フッ素化
合物が20重量%を超えると、クロメート皮膜にもう一
層の皮膜を設ける場合に、密着性が劣化することがあ
る。
【0015】次に本発明の表面処理剤の必須成分として
含有する、(d)水溶性有機高分子化合物としては特に
限定しないが、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、
ポリアミドまたはポリウレタンより選ばれた少なくとも
1種を用いるのが好ましい。その配合量は固形分として
25〜40重量%である。水溶性有機高分子化合物の含
有量が40重量%を超えると、熱加工時に生じる黄変が
目立つためにあまり好ましくない。25重量%未満では
耐食性の効果がない。また上記ポリアクリル酸、ポリア
クリルアミド、ポリアミドまたはポリウレタンは共重合
物でもかまわないが、骨格内に芳香環を含有していない
方が好ましい。
【0016】本発明の表面処理剤の対象となる金属基材
はアルミニウムまたはアルミニウム合金である。アルミ
ニウム合金の種類は、特に限定されるものではない。例
えばアルミニウム−マンガン合金、アルミニウム−マグ
ネシウム合金等が挙げられるまた、金属基材の形状に関
しても、特に限定されるものでない。例えば、主として
板材に適用するものであるが、芯材等の形状物に対して
も適用可能である。
【0017】形成されるクロメート皮膜の付着量は、ク
ロム付着量で10〜50mg/m2範囲とする。付着量
が10mg/m2 未満であると耐食性が不十分となる。
一方、50mg/m2を超えると黄変が目立つこと、さ
らには経済的に不利になるが、最終的な用途により随時
調整すことが可能である。
【0018】本発明表面処理剤を用いて、アルミまたは
アルミ合金材料の表面に接触処理する方法としては、特
に限定はない。例えば、浸漬法、スプレー法、及びロー
ルコート等を適用することができる。また、処理温度、
処理時間についても特に限定はしないが、一般的に処理
温度は10〜40℃、処理時間は0.1〜数分であるこ
とが好ましい。また、表面処理後の加熱乾燥温度は、1
50℃〜250℃であることが好ましい。
【0019】また、本発明のクロメート皮膜を形成した
表面処理材上に、更に別の上塗り皮膜層を設けることが
可能である。例えば、機能的には高耐食有機皮膜、潤滑
有機皮膜層、親水性皮膜層、防黴防菌性皮膜等が挙げら
れ、有機皮膜、無機皮膜または有機無機複合皮膜の種類
は問わない。
【0020】
【作用】本発明のクロメート系表面処理剤より形成され
る、クロメート皮膜の効果に対するするメカニズムに関
しては、必ずしも明らかではないが、次のようなことが
推測される。珪フッ素化合物は金属基材表面をエッチン
グしてクロメート皮膜と基材の密着性を確保する。さら
に、珪フッ素化合物はアルミニウムの腐食を抑制する防
錆金属としての効果があり、防錆助剤的な役割も担って
いると考えられる。また、水溶性有機化合物は、クロム
化合物に起因する3価クロム及び還元して得られた3価
クロム酸との金属架橋反応により皮膜を形成し、微量な
6価クロム酸の溶出を防止する効果に加え、腐食環境か
ら侵入してくる酸素や水等の腐食因子に対するバリアー
効果があると考えられる。6価の原子価を有するクロム
酸は溶出せずに皮膜内に存在しているため、例え腐食因
子が侵入してきても、6価クロムの自己修復効果により
耐食性が維持できる。耐熱黄変性については、水溶性有
機高分子が骨格的に芳香環がないこと、さらに形成する
クロメート皮膜が薄いために、加熱による熱黄変が目立
たないと考えられる。
【0021】
【実施例】下記の実施例を比較例と共に挙げることによ
り本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら
実施例により特に限定されるものではない。
【0022】<供試材>アルミニウム材料として、厚さ
0.3mm、幅70mm、長さ150mmのJIS A
1000相当の純アルミニウム薄板市販品を使用した。
【0023】<供試材の洗浄方法>上記、アルミニウム
板の表面を、高アルカリ系脱脂剤の登録商標:ファイン
クリーナー4377(日本パーカライジング株式会社
製)を薬剤濃度:20g/Lで建浴し、処理温度:60
℃、処理時間:7秒の条件でスプレー処理した。これに
より、表面に付着しているゴミや油を除去した。さら
に、表面に残存しているアルカリ分を水道水により洗浄
後、80℃で乾燥した。
【0024】<クロメート系表面処理剤の組成>実施例
及び比較例で使用された、本発明のクロメート系表面処
理剤の組成と成分比率を表1に示した。なお、(a)の
6価の原子価を有するクロム酸としては無水クロム酸を
用い、何れのクロメート系表面処理剤においても7重量
%含有させた。なお、表1に記載の成分比率は、固形分
換算としての重量%で表記した。
【0025】<クロメート処理剤の調整方法>本発明の
クロメート系表面処理剤の調整方法について説明する。
【0026】
【表1】 クロメート表面処理剤の構成
【0027】
【実施例1】水溶性ポリアクリルアミド(数平均分子量
60000、10重量%)35gを脱イオン水200g
で希釈後、十分に攪拌する。次に珪フッ化水素酸(10
重量%)を15g添加し、十分に攪拌する。さらに、硫
酸クロム(10重量%)を43g、クロム酸(10重量
%)7g添加し、十分に攪拌する。クロメート系表面処
理剤として必要となる成分を全て添加した後に、固形分
が3%になるように脱イオン水を加えて処理液を調整し
た。
【0028】
【実施例2】から
【実施例3】実施例1に示した硫酸クロム(10重量
%)を、重リン酸クロムまたはフッ化クロムにした処理
剤を調整した。
【0029】
【実施例4】から
【実施例5】実施例1に示した水溶性ポリアクリルアミ
ド(数平均分子量60000、10重量%)を、水溶性
ポリアクリルアミド(数平均分子量20000、10重
量%)またはポリエーテルポリオール系水溶性ポリウレ
タン(数平均分子量10000、10重量%)にした処
理剤を調整した。
【0030】
【実施例6】実施例1に示した珪フッ化水素酸(10重
量%)を、珪フッ化アンモニウムにした処理剤を調整し
た。
【0031】
【実施例7】水溶性ポリアクリルアミド(数平均分子量
60000、10重量%)37gを脱イオン水200g
で希釈後、十分に攪拌する。次に珪フッ化水素酸(10
重量%)を10g添加し、十分に攪拌する。さらに、硫
酸クロム(10重量%)を46g、クロム酸(10重量
%)7g添加し、十分に攪拌する。クロメート系表面処
理剤として必要となる成分を全て添加した後に、固形分
が3%になるように脱イオン水を加えて処理液を調整し
た。
【0032】
【実施例8】水溶性ポリアクリルアミド(数平均分子量
60000、10重量%)25gを脱イオン水200g
で希釈後、十分に攪拌する。次に珪フッ化水素酸(10
重量%)を15g添加し、十分に攪拌する。さらに、硫
酸クロム(10重量%)を53g、クロム酸(10重量
%)7g添加し、十分に攪拌する。クロメート系表面処
理剤として必要となる成分を全て添加した後に、固形分
が3%になるように脱イオン水を加えて処理液を調整し
た。
【0033】比較例1から比較例5については、各成分
の配合量を変動、または必須成分中の1成分を削除した
クロメート系表面処理剤である。例えばクロム酸を削除
した比較例1について具体的に調整方法を説明する。
【0034】
【比較例1】水溶性ポリアクリルアミド(数平均分子量
60000、10重量%)38gを脱イオン水200g
で希釈後、十分に攪拌する。次に珪フッ化水素酸(10
重量%)を15g添加し、十分に攪拌する。さらに、硫
酸クロム(10重量%)を47g添加し、十分に攪拌す
る。クロメート系表面処理剤として必要となる成分を全
て添加した後に、固形分が3%になるように脱イオン水
を加えて処理液を調整した。
【0035】
【比較例2】から
【比較例5】比較例2から比較例5についても、各成分
の配合量を変動、または必須成分中の1成分を削除した
クロメート系表面処理剤である。添加する前の各々の成
分の重量%を同一にし、添加方法、添加順序についても
同じとし、かつ固形分が3%になるように調整した。
【0036】<塗装方法>予め洗浄していたアルミニウ
ム板を、ロールコーターにより表面処理剤を接触させて
片面塗装を行った。塗装後、到達板温で200℃になる
ように加熱乾燥した。乾燥皮膜は、クロムの付着量が2
0mg/m2になるように形成させた。
【0037】
【表2】 実施例、比較例の性能結果
【0038】<性能評価試験方法>次に示す試験を実施
し、評価基準に従い判定を行った。 (1)クロム溶出試験 供試片の表面処理面積が、0.2m2 /Lになるように
脱イオン水に72時間浸漬し、クロム溶出率を測定し
た。浸漬試験後の溶出クロム量はプラズマ発光分析装置
(ICP)で定量した。クロム溶出率は次式により算出
した。 クロム溶出率(%)= 試験片から溶出した面積(m2
当たりのクロム量/試験前のクロム付着量×100 ・評価基準 ◎:クロム溶出率1%未満 ○:クロム溶出率1%以上〜5%未満 △:クロム溶出率5%以上〜10%未満 ×:クロム溶出率10%以上
【0039】(2)耐食性 塩水噴霧試験(JIS Z2371)により、供試片表
面の240時間後の白錆発生率を外観観察した。 ・評価基準 ◎:錆発生1%未満 ○:白錆発生率1%以上〜5%未満 △:白錆発生率5%以上〜10%未満 ×:白錆発生率10%以上
【0040】(3)耐熱黄変性 400℃に設定した加熱炉内に供試片を置き、30秒後
に取り出したの表面外観を観察した。 ・評価基準 ◎:外観の黄変が目立たない ○:外観が若干黄色 △:外観が黄色 ×:外観が茶色
【0041】
【発明の効果】本発明のクロメート系表面処理剤によ
り、耐クロム溶出性、耐食性、且つ耐熱黄変性に優れた
アルミニウムまたはアルミニウム合金材料を提供するこ
とができる。また、幅広い分野での適用が可能であるこ
とから実用上での効果が大きいことに加え、環境保全の
面でも極めて有効といえる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形分濃度として(a)Crとして2.
    6〜4.2%の範囲になる6価の原子価を有するクロム
    酸5〜8重量%と、(b)Crとして5.3〜48.3
    %となる3価の原子価を有するクロム化合物35〜65
    重量%と、(c)Fとして8.7〜17.6%の範囲に
    なる珪フッ素化合物10〜20重量%と、(d)水溶性
    有機高分子化合物25〜40重量%とを含有することを
    特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金用クロ
    メ−ト系表面処理剤。
  2. 【請求項2】 前記(b)のクロム化合物が重リン酸ク
    ロム、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロムおよび6
    価の原子価を有するクロム酸を還元した3価クロムから
    成る群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1に
    記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金用クロメー
    ト系表面処理剤。
  3. 【請求項3】 前記(d)の水溶性有機高分子化合物
    が、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアミド
    およびポリウレタンから成る群から選ばれた少なくとも
    1種である、請求項1に記載のアルミニウムまたはアル
    ミニウム合金用クロメート系表面処理剤。
  4. 【請求項4】 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載
    のクロメ−ト系表面処理剤をアルミニウムまたはアルミ
    ニウム合金表面に接触させた後、加熱乾燥することを特
    徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処
    理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006152435A (ja) * 2004-10-26 2006-06-15 Nippon Parkerizing Co Ltd 金属表面処理剤、金属材料の表面処理方法及び表面処理金属材料
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