JPH10176281A - 耐水二次密着性と電着塗装性に優れる有機複合被覆鋼板 - Google Patents

耐水二次密着性と電着塗装性に優れる有機複合被覆鋼板

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JPH10176281A
JPH10176281A JP33675596A JP33675596A JPH10176281A JP H10176281 A JPH10176281 A JP H10176281A JP 33675596 A JP33675596 A JP 33675596A JP 33675596 A JP33675596 A JP 33675596A JP H10176281 A JPH10176281 A JP H10176281A
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silica
chromate
steel sheet
layer
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JP33675596A
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Inventor
Shigeko Sujita
田 成 子 筋
Naomasa Nakakouji
尚 匡 中小路
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】主に自動車車体用鋼板としてプレス成形性、ス
ポット溶接性、電着塗装性、耐水二次密着性、耐食性に
優れた有機複合被覆鋼板の提供。 【解決手段】亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板表面上に (A)Cr6+量が全Crに対して25〜70wt% (B)シリカ重量比が全Crに対して0.5〜3 (C)りん酸重量比が全Crに対して0.25〜2.0 (D)フッ素化合物が全Crに対して0〜0.4 (E)Mo化合物が全Crに対して0.01〜1.0 (F)Cr付着量が10〜200mg/m2 であるシリカ添加クロメート被膜を有し、該クロメート
被膜の上層に主として樹脂とシリカからなる有機樹脂層
を有することを特徴とする耐水二次密着性と電着塗装性
に優れる有機複合被覆鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に自動車車体用
鋼板としてプレス成形性、スポット溶接性、電着塗装
性、耐水二次密着性、耐食性に優れた有機複合被覆鋼板
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体の高耐食性化に対する強い社
会的要請に応えて、冷延鋼板上に亜鉛または亜鉛系合金
めっきを施した表面処理鋼板の自動車車体への適用が拡
大してきた。
【0003】これら表面処理鋼板としては、溶融亜鉛め
っき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき
鋼板、および電気亜鉛系合金めっき鋼板などが挙げられ
る。しかしながら、車体組立後に行われる塗装が充分に
行き渡らない車体内板の袋構造部や曲げ加工部(ヘミン
グ部)ではさらに高度な耐食性が要求されてきた。
【0004】このような用途に対応する自動車用鋼板と
して、例えば特開昭57−108292号公報や特開昭58−2241
74号公報などでは、亜鉛および亜鉛合金めっき鋼板上に
クロメートおよび有機高分子樹脂層を有する有機複合被
覆鋼板が提案されている。これらはいずれも水溶性ある
いは水分散有機樹脂と水分散シリカゾルを含有した塗料
をクロメート処理した亜鉛系めっき鋼板の上層に塗布し
て、高耐食性を発現することを目的としているが、次の
ような問題点を有していた。 (1)水可溶性成分が成膜後も皮膜中に残存するため
に、耐クロム溶出性に劣り、化成処理時にクロムが溶出
して環境汚染の原因となる。 (2)アルカリ脱脂時に樹脂層の剥離を生じ、耐食性の
劣化を招く。 (3)腐食環境下において樹脂層内に水分が侵入し、可
溶性成分が溶解して高アルカリ性になるために、樹脂層
/クロメート間の密着性が劣化する。
【0005】このような問題点を解決するために、有機
溶剤中でシリカ表面を有機置換した疎水性シリカとエポ
キシ樹脂などを配合した塗料組成物を用いる方法が特開
昭63− 22637号公報に提案されている。この場合、シリ
カゾルと有機樹脂との相溶性は確保され、また優れた塗
装後密着性が得られるものの、塗膜の可とう性が充分で
ないため、プレス加工などによる成形加工時に加工部塗
膜層に損傷が生じ、この部分の耐食性が劣化するという
問題が指摘されている。
【0006】こういった加工後に耐食性が劣るという問
題点については、Cr6+量が全Cr量に対して70%以
下でCr:5〜500mg/m2 のクロメート皮膜の上
層に付着量が乾燥重量にして0.1〜3g/m2 である
主として水分散シリカとアニオン系水性樹脂、ノニオン
系水性樹脂およびアニオン系水性ウレタン樹脂のうちの
1種を配合してなる樹脂層を有する方法が特開平6−23
4187号公報に提案されている。この方法によれば、自動
車車体用鋼板として優れたプレス成形性、スポット溶接
性、電着塗装性、耐水二次密着性、耐食性を有する。し
かしながら、この場合、電着塗装時に脱脂不良や電着塗
装液の劣化状況によって電着塗装後の外観が劣るという
問題があった。また、現在使用されている上塗り樹脂塗
料は有機溶剤系が主流であり、この芳香族炭化水素系溶
剤は大気汚染源であり、これを大幅に削減したいという
課題は地球規模の問題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の種々の問題点を解決しようとするもの
で、特に自動車用として電着塗装性に優れる有機複合被
覆鋼板を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は従来技術におけ
る問題点を解決すべくなされたもので、下地クロメート
被膜およびシリカと有機樹脂の組み合わせによる上塗り
塗料について詳細な検討を行い、特に電着塗装性につい
て検討し、本発明に到達したものである。本発明に従え
ば、特殊配合のシリカ添加クロメート下塗りとシリカ添
加上塗り塗料を使用して電着塗装性およびその他の品質
に優れる有機複合被覆鋼板を得ることができる。
【0009】すなわち、本発明は、亜鉛または亜鉛系合
金めっき鋼板表面上に (A)Cr6+量が全Crに対して25〜70wt% (B)シリカ重量比が全Crに対して0.5〜3 (C)りん酸重量比が全Crに対して0.25〜2.0 (D)フッ素化合物が全Crに対して0〜0.4 (E)Mo化合物が全Crに対して0.01〜1.0 (F)Cr付着量が10〜200mg/m2 であるシリカ添加クロメート被膜を有し、該クロメート
被膜の上層に主として樹脂とシリカからなる有機樹脂層
を有することを特徴とする耐水二次密着性と電着塗装性
に優れる有機複合被覆鋼板を提供することにある。また
クロメート層中のシリカが、一次粒子径0.005〜
0.1μmの親水性気相シリカであるのが好ましい。さ
らにクロメート層中のシリカが、0.005〜0.1μ
mの一次粒子が凝集し、凝集平均粒子径が0.1〜1.
0μmである凝集形態液相シリカであるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
Zn−Niめっき上にクロメート層と有機樹脂層を被覆
した有機複合被覆鋼板の電着塗装における外観不良は、
有機被覆層の塗れ性による水素ガスの離脱のしにくさあ
るいはZn系めっき皮膜表面に存在するZn酸化物や水
酸化物によるまたはクロメート層や有機樹脂層による表
面抵抗の不均一さにより電着膜の析出が不均一となるこ
とで生じると考えられる。本発明では表面抵抗の不均一
性に関連すると予想されるクロメートの組成に着目し、
詳細に電着塗装性を調査し、以下の知見を得た。
【0011】本発明の鋼板用の素材としては、亜鉛また
は亜鉛合金めっき鋼板を用いる。この鋼板に施されるめ
っきの種類としては、純亜鉛めっき、Zn−Ni合金め
っき、Zn−Fe合金めっき、Zn−Cr合金めっきな
どの二元系合金めっき、Zn−Ni−Cr合金めっき、
Zn−Co−Cr合金めっきなどの三元系合金めっきな
どを含み、またZn−SiO2 めっき、Zn−Co−C
r−Al2 3 めっきなどの複合分散めっきを広く包含
する。これらのめっきは電気めっき法、溶融めっき法、
あるいは気相めっき法によって施され、めっき付着量と
しては5〜70g/m2 であることが好ましい。
【0012】これらの亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板
の上に、後述の有機樹脂層との密着を向上させ、また耐
食性を付与するためにシリカ添加クロメート処理を行
う。クロメート付着量としてはCr換算で10〜200
mg/m2 、好ましくは20〜150mg/m2 の範囲
とする。Cr付着量が10mg/m2 未満では耐食性が
不十分であるばかりでなく、樹脂層との密着性も劣るの
で好ましくない。200mg/m2 を超えても、これ以
上の耐食性改善効果がなく、また絶縁被膜としての抵抗
が高まり、スポット溶接性および電着塗装性を損なうの
で好ましくない。
【0013】クロメート層のCr6+量は全Crに対し2
5〜70wt%でなければならない。Cr6+量が25%未
満であると、6価Crによる自己修復効果が望めず耐食
性に劣る。また、Cr6+量が70wt%を超えるとアルカ
リ脱脂時、耐クロム溶出性が劣化するので好ましくな
い。
【0014】クロメート層へ添加するシリカは液相シリ
カ、気相シリカのどちらでも好適に使用できる。液相シ
リカとはけい酸ソーダと酸との反応により合成されるも
の、アルコキシシランの加水分解によるもの、カルシウ
ムシリケートと酸との反応により合成されるものがあ
り、シリカ粒子の表面にはシラノール基およびOH-
オンが存在し、アルカリイオンにより電気二重層が形成
され、粒子間の反発により安定化されている。気相シリ
カはハゲロン化珪素の酸水素焔中での高温加水分解によ
り合成されるもの、石英から精製される電気アーク法に
より合成されるものがあり、液相シリカと同様に表面に
はシラノール基を有する。
【0015】クロメート層に添加されるシリカとして、
一次粒子径0.005〜0.1μmの親水性気相シリカ
を用いることが好ましい。気相シリカはクロメート層中
で三次元に凝集し、クロメート層の表面積を増大させる
ことにより、上層樹脂層との密着性を強化する。一次粒
子径が0.005μm未満であるとクロメート層中で凝
集しても、表面積増大の効果がなく、一方0.1μmを
超えるとCr付着量として50〜200mg/m2 のク
ロメート層ではシリカ粒子をクロメート層中に保持でき
なくなり、造膜性が劣り、耐水二次密着性が低下するの
で好ましくない。
【0016】また、同じくクロメート層に添加されるシ
リカとして、一次粒子径0.005〜0.1μmの一次
粒子が凝集し形成する凝集平均粒子径0.1〜1.0μ
mの液相シリカも好適に使用できる。この場合も、クロ
メート層中でシリカが大きい凝集した形態となって、ク
ロメート層の表面積を増大させ、上層との密着を強化
し、耐水性二次密着性を大きく改善できる。凝集平均粒
子径が0.1μ未満であると表面積増大の効果がなく、
一方1.0μmを超えるとクロメート層あるいは樹脂層
からシリカが裸出しスポット溶接性が劣化するので好ま
しくない。
【0017】クロメート層中のシリカ重量比はCrに対
して0.5〜3でなければならない。0.5〜2のシリ
カ重量比がより好ましい。シリカ重量比が0.5未満で
は耐水二次密着性が不十分であり、3を超えても、これ
以上の耐水二次密着性改善改効果がなく、絶縁物である
シリカによりスポット溶接性と電着塗装性を損なうので
好ましくない。
【0018】クロメート層中のりん酸重量比は全Crに
対して0.25〜2.0でなければならない。0.4〜
0.6のりん酸重量比がより好ましい。りん酸重量比が
0.25未満であると充分な亜鉛系めっきのエッチング
効果がなくめっきとの密着性に劣り、クロメート液の安
定性も劣る。一方、りん酸重量比が2.0を超えると、
耐クロム溶出性に劣るクロメート層となる。
【0019】また、クロメート層のめっきとの密着性を
向上させるために、フッ素化合物を添加したものも好適
に使用できる。フッ素化合物は、短時間で亜鉛系めっき
表面をエッチングし、めっき面との密着性を高める効果
を有する。フッ素化合物はCrに対する重量比として、
0.4以下添加されることが好ましい。フッ素化合物
は、H2 ZrF6 、H2 TiF6 、H2 SiF6 等が例
示され好適に使用できる。フッ素化合物が0.4を超え
ると亜鉛系めっきのエッチング過多をおこし、耐水二次
密着性が低下するので好ましくない。
【0020】さらに、有機樹脂塗装後の電着塗装性を向
上させるためにクロメート層中にMo化合物を添加す
る。Mo化合物は耐食性を改善する効果も有する。Mo
化合物はCrに対する重量比として、0.01〜1.0
添加することが必要である。好ましくは0.1〜0.5
である。Mo化合物とは酸化モリブテン、硫化モリブテ
ン、塩化モリブテン、モリブテン酸塩などが好適に使用
できる。モリブテン化合物が0.01未満では電着塗装
性への効果がない。一方、1.0を超えると、電着塗装
性への効果が飽和してしまい、添加によるクロメート液
コストが増大する。
【0021】ここで、クロメート層に、分子中にカルボ
キシル基を多量に有するポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸又はそれらの共重合体の樹脂を1種又は2種以上を
添加してもよい。これらの有機樹脂は、カルボキシル基
により亜鉛系めっき表面の塗れ性を向上し、塗布性を向
上させるとともにめっき面との密着性を向上させる効果
を有する。また、後述する上層の有機樹脂層との密着性
をも向上させる効果を有する。カルボキシル基の少ない
アクリル樹脂、特にエマルジョン樹脂では充分な効果は
得られない。樹脂の重量平均分子量は 1,000〜500,000
が好ましく、分子量が 1,000未満であるとクロメート層
の造膜性が劣り耐水二次密着性が低下する。また分子量
が 500,000を超えると粘度が増大しすぎてクロメート液
の塗布作業性が低下するので好ましくない。
【0022】クロメート層中の樹脂重量比は全Crに対
し0.01〜0.4が好ましい。好ましくは0.05〜
0.2である。樹脂重量比が0.01未満であるとクロ
メート塗装後の外観が劣り、0.4を超えて加えてもそ
れ以上のクロメート塗装後の外観向上効果が望めない。
このようなクロメート処理は、ロールコーターなどを用
いる塗布型クロメート法、電解型クロメート法、反応型
クロメート法などのいずれの方法によってもよい。
【0023】このようなクロメート層の上層には、主と
して樹脂とシリカからなる有機樹脂層を有する。樹脂と
シリカは地球環境保全の観点から水性樹脂とシリカが水
に分解された水性塗料であることが好ましいが、有機溶
剤に樹脂とシリカが分散された有機溶剤系塗料であって
も好適に使用できる。また、本発明におけるシリカ添加
上塗り樹脂塗料には、製造の焼き付け条件に応じた架橋
剤が配合されてもよい。
【0024】以上のように配合してなる本発明の樹脂組
成物をめっき鋼板のクロメートの層の上層に被覆する方
法は、ロールコート、スプレー、シャワーコート、エア
ナイフ法などいずれであってもよく、また、乾燥のため
の加熱処理の板温としては90〜200℃、より好まし
くは100〜160℃が好適である。
【0025】シリカ含有上塗り塗料の焼き付け後の付着
量としては0.1〜3g/m2 であることが好ましい。
より好ましくは0.4〜1.5g/m2 である。0.1
g/m2 未満においては充分な耐食性が得られず、また
3g/m2 を超えると皮膜抵抗が高まりスポット溶接性
及び電着塗装性が劣化するためである。
【0026】クロメート層とその上層の有機樹脂層は、
その用途に応じて両面、あるいは片面のみの被覆であっ
てもよい。片面のみの被覆の場合は、非被覆面は、亜鉛
系めっき、亜鉛系めっきの上層にクロメート処理した
面、あるいは冷延面などである。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。各種の両面亜鉛系めっき鋼板(板厚0.8m
m)に脱脂後ロールコーターで各種塗布型クロメート処
理を施し、最高到達板温120℃で焼き付けた。次に種
々の水性樹脂と平均粒子径の異なる各種シリカを混合す
ることにより調整した塗料をロールコータで塗布した。
その後最高到達板温150℃で焼き付けた。
【0028】クロメート層に添加するシリカ種は次の通
りである。 A:親水性気相シリカ A−1:一次粒子径 0.007μm A−2:一次粒子径 0.03μm A−3:一次粒子径 0.15μm B:液相シリカ B−1:一次粒子径0.015μm 凝集二次粒子径
0.6μm B−2:一次粒子径0.005μm 凝集二次粒子径
0.3μm B−3:一次粒子径0.015μm 凝集二次粒子径
1.5μm
【0029】クロメート層に添加する樹脂種は次の通り
である。 A:ポリアクリル酸 A−1:重量平均分子量 約 6,000 A−2:重量平均分子量 約 20,000 A−3:重量平均分子量 約360,000 A−4:重量平均分子量 約900,000 B:ポリメタクリル酸 重量平均分子量 約60,000 C:ポリアクリル酸とポリメタクリル酸の共重合体 重量平均分子量 約40,000
【0030】クロメート層に添加するフッ素化合物の種
類は次の通りである。 A:H2 ZrF6 B:H2 TiF6 C:H2 SiF6
【0031】クロメート層に添加するMo化合物の種類
は次の通りである。 A:モリブテン酸アンモニウム B:酸化モリブテン
【0032】上層有機樹脂層の樹脂種は次の通りであ
る。 A:カルボキシル基含有アニオン系ウレタン樹脂(酸価
50、重量平均分子量20,000)のジエチルアミン中和物 B:カルボキシル基含有アニオン系エポキシ樹脂(酸価
45、重量平均分子量12,500)のジエチルアミン中和物 C:カルボキシル基含有アニオン系ウレタン樹脂(酸価
48、重量平均分子量15,000)のトリエチルアミン中和
物 D:ノニオン系アクリル樹脂(重量平均分子量28,000、
ガラス転移温度18℃) E:ノニオン系アクリル変性エポキシ樹脂(重量平均分
子量35,000、ガラス転移温度42℃) F:カルボキシル基含有アニオン系ウレタン樹脂(酸価
48、重量平均分子量7,800)のトリエチルアミン中和物 G:カルボキシル基含有エポキシ変性ウレタン樹脂(酸
価60、重量平均分子量38,000) のジエチルアミン中和
物 H:カチオン系ウレタン樹脂(アミン価45、重量平均
分子量35,000) の酢酸中和物 I:ウレタン変性エポキシ樹脂のプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート分散体 J:エポキシ樹脂のキシレン分散体
【0033】上層樹脂層中のシリカ種は次の通りであ
る。 A:水分散液相均一シリカゾル(日産化学工業(株)
製) B:水分散液相凝集形態シリカゾル(日産化学工業
(株)製) C:水分散液相鎖状シリカゾル(日産化学工業(株)
製) D:親水性気相シリカ(日本アエロジル(株)製) E:気相シリカ(日本アエロジル(株)製) F:エチレングリコールモノnプロピルエーテル分散液
相均一シリカゾル(日産化学工業(株)製) G:エチレングリコールモノnプロピルエーテル分散液
相凝集シリカゾル(日産化学工業(株)製)
【0034】これらの有機複合被覆鋼板製品の性能評価
のために次のような試験を行った。 (電着塗装性)電着塗装性を評価するために、日本ペイ
ント(株)製サーフダインSD2500で化成処理を行
い、日本ペイント(株)製電着塗料パワートップU−2
600をZn−Niめっきで20μm電着する条件にて
処理し、160℃で10分の焼き付けを行った。焼き付
け後の電着塗膜のガスピン状の不具合を以下の基準で評
価した。 ○:不具合なし △:不具合面積率10%未満 ×:不具合面積率10%以上50%未満 ××:不具合面積率50%以上
【0035】(耐水二次密着性)耐水二次密着性は上記
電着塗装後、日本ペイント(株)製中塗り塗料OP−2
クロを約40μm厚みにスプレー塗装し140℃で20
分の焼き付けを行った。その後、日本ペイント製上塗り
塗料OS−30クロを約40μm厚みにスプレー塗装し
140℃で20分の焼き付けを行った。この塗装後のサ
ンプルを50℃の純水に10日間浸漬し、取り出してか
ら1時間後に2mm碁盤目クロスカット、セロテープ剥
離試験を行い、以下の評価基準に従って耐水二次密着性
を調査した。 ◎:剥離なし ○:剥離面積5%未満でかつ碁盤目の完全剥離がないこ
と △:剥離面積5%以上〜35%未満 ×:剥離面積35%以上
【0036】(平板耐食性)平板耐食性を評価するため
に5%NaCl水溶液噴霧(35℃)4時間、乾燥(6
0℃)2時間、湿潤環境(RH95%、50℃)2時間
を1サイクルとする複合サイクル腐食試験に供し、20
0サイクルでの試験片の赤錆発生状況を観察した。平板
耐食性の評価基準は以下に示す。 ◎:赤錆発生なし ○:赤錆発生面積率10%未満 △:赤錆発生面積率10〜20%未満 ×:赤錆発生面積率20%以上
【0037】(加工後耐食性)加工後耐食性を評価する
ため円筒絞り試験(絞り比2.0、しわ押せえ圧100
0kg)を行った試験片を5%NaCl水溶液噴霧(3
5℃)4時間、乾燥(60℃)2時間、湿潤環境(RH
95%、50℃)2時間を1サイクルとする複合サイク
ル腐食試験に供し、200サイクルでの試験片側壁の赤
錆発生状況を観察した。加工後耐食性への評価基準は以
下に示す。 ◎:赤錆発生なし ○:赤錆発生面積率10%未満 △:赤錆発生面積率10〜20%未満 ×:赤錆発生面積率20%以上
【0038】(耐クロム溶出性)耐クロム溶出性を評価
するために、脱脂、水洗、表面調整、化成処理の4工程
を行い、処理前後のクロム付着量の変化を蛍光X線分析
により測定した。 ◎:1mg/m2 未満 ○:1以上〜2mg/m2 未満 △:2以上〜4.5mg/m2 未満 ×:4.5mg/m2 以上
【0039】(スポット溶接性)スポット溶接性を評価
するために、先端6mmφのAl2 3 分散銅合金製の
溶接チップを用い、加圧力200kgf,溶接電流9k
A、溶接時間0.2秒で連続溶接を行い、ナゲット径が
基準値を下回るまでの連続溶接打点数を測定した。評価
基準は以下に示す。 ◎:3000点以上 ○:2000〜3000点未満 △:1000〜2000点未満 ×:1000点未満 表にめっき層、クロメート層、樹脂層の条件、使用した
シリカの粒子径と試験結果をまとめた。
【0040】
【表1】
【0041】 *1:(E) 電気めっき、(C) 溶融めっき *2:全Cr量に対する重量比 *3:有機樹脂固形分 100重量部に対する添加重量部
【0042】
【0043】
【表2】
【0044】 *1:(E) 電気めっき、(C) 溶融めっき *2:全Cr量に対する重量比 *3:有機樹脂固形分 100重量部に対する添加重量部
【0045】
【0046】
【表3】
【0047】 *1:(E) 電気めっき、(C) 溶融めっき *2:全Cr量に対する重量比 *3:有機樹脂固形分 100重量部に対する添加重量部
【0048】
【0049】
【発明の効果】これまでに説明したように、本発明の有
機複合被覆綱板は優れた電着塗装性、耐水二次性密着
性、平板耐食性、加工後耐食性、耐クロム溶出性および
スポット溶接性を有し、自動車車体用をはじめとして、
同様の品質特性を期待される広範囲の用途に使用するこ
とができるので、工業的な価値は極めて高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板表面上に (A)Cr6+量が全Crに対して25〜70wt% (B)シリカ重量比が全Crに対して0.5〜3 (C)りん酸重量比が全Crに対して0.25〜2.0 (D)フッ素化合物が全Crに対して0〜0.4 (E)Mo化合物が全Crに対して0.01〜1.0 (F)Cr付着量が10〜200mg/m2 であるシリカ添加クロメート被膜を有し、該クロメート
    被膜の上層に主として樹脂とシリカからなる有機樹脂層
    を有することを特徴とする耐水二次密着性と電着塗装性
    に優れる有機複合被覆鋼板。
  2. 【請求項2】前記クロメート層中のシリカが、一次粒子
    径0.005〜0.1μmの親水性気相シリカである請
    求項1に記載の電着塗装性と耐水二次密着性に優れる有
    機複合被覆鋼板。
  3. 【請求項3】前記クロメート層中のシリカが、0.00
    5〜0.1μmの一次粒子が凝集し、凝集平均粒子径が
    0.1〜1.0μmである凝集形態液相シリカである請
    求項1に記載の耐水二次密着性と電着塗装性に優れる有
    機複合被覆鋼板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012531527A (ja) * 2009-07-03 2012-12-10 アトテツク・ドイチユラント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 亜鉛及び亜鉛合金の表面用の防食処理
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