JPH0617637Y2 - 車両用収納体装置 - Google Patents

車両用収納体装置

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JPH0617637Y2
JPH0617637Y2 JP1988105311U JP10531188U JPH0617637Y2 JP H0617637 Y2 JPH0617637 Y2 JP H0617637Y2 JP 1988105311 U JP1988105311 U JP 1988105311U JP 10531188 U JP10531188 U JP 10531188U JP H0617637 Y2 JPH0617637 Y2 JP H0617637Y2
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retainer
ashtray
ashtray case
pinions
pinion
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均 石川
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Description

【考案の詳細な説明】 (技術分野) 本考案は車両用収納体装置に係り、特に所定の付勢手段
にて自動突出される収納体装置において、かかる突出作
動時における収納体のがたつきを可及的に低減せしめ得
る構造に関するものである。
(従来技術) 車両用の収納体装置、例えば車両のインストルメントパ
ネル等に組み込まれる灰皿装置は、通常、車体側に位置
固定に取り付けられるリテーナと、該リテーナに出し入
れ可能に保持される収納体たる灰皿ケースとを有してお
り、灰皿ケースをリテーナに対して摺動させることによ
って、かかる灰皿装置が開閉されるようになっている。
そして、このような灰皿装置の一種として、所定の付勢
手段(アクチュエータ)によって灰皿ケースを収納位置
から突出位置に自動的に突き出すようにした構造のもの
が知られている。
ところで、このような自動突出型の灰皿装置にあって
は、例えば、実公昭61−38476号公報等に示され
ている如く、リテーナに設けられたガイド溝によって保
持されて、出し入れ方向に案内される灰皿ケースの底面
上に、その出し入れ方向に延びる一本のラックが形成さ
れると共に、該ラックに噛合して、渦巻きばね等の所定
の付勢手段にて一回転方向に付勢されたピニオンが、リ
テーナ側に設けられる一方、それら灰皿ケースとリテー
ナとの間に、かかる灰皿ケースを収納状態に係止する解
除可能な係止機構が設けられ、そして灰皿ケースがリテ
ーナに収納された閉状態においては、係止機構の係止作
用により保持されるが、その係止を解除することによっ
て、灰皿ケースが付勢手段の付勢力に従って、突出位置
に自動的に突き出されるように構成されている。
(問題点) ところが、このような構造とされた灰皿装置にあって
は、灰皿ケースの両側部におけるリテーナのガイド溝と
の間の摺動抵抗の違いや、ピニオンのラックに対する動
力伝達時に灰皿ケースに及ぼされる突出方向以外の分
力、或いはかかるラックの形成位置が幅方向に偏倚して
いるために灰皿ケースに及ぼされる回転力などによっ
て、その突出作動時に灰皿ケースに対して左右の振れが
生じてがたつきが惹起され易く、スムーズな作動が得ら
れ難いといった問題点を有していたのであり、特に、か
かる自動突出型の灰皿装置にあっては、手動型の灰皿装
置の如く、その摺動部に板ばね等を介在させてがたつき
を防止することは、付勢手段の付勢力を増大させなけれ
ばならず、収納時に必要とされる押込力の増大、即ち操
作フィーリングの悪化に直接に繋がるために、決して有
効な解決手段となり得るものではなかったのである。
そして、このような問題は、灰皿装置のみならず収納型
のカップホルダーその他の車両用収納体装置においても
同様であり、特に、収納体の幅が大きいもの程、がたつ
きが生じ易く、突出不能に陥る虞もあったのである。
(解決手段) ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その特徴とするところは、前述
の如き自動突出型の車両用収納体装置であって、(a)
車体側に取り付けられるリテーナと、(b)該リテーナ
に対して出し入れ可能に保持される収納体と、(c)該
収納体と前記リテーナを含む車体側の部材との何れか一
方に設けられ、該収納体の出し入れ方向に互いに平行に
連続して延びる2列の係合歯を備えたラックと、(d)
前記収納体とリテーナを含む車体側の部材との何れか他
方に設けられ、前記ラックの係合歯に対してそれぞれ噛
合されると共に、互いに直接に若しくは間接に噛合され
ていることにより、前記収納体の出し入れに従って同時
に回転させられる2個のピニオンと、(e)該2個のピ
ニオンのそれぞれに対して、前記収納体が突出される方
向の回転付勢力を及ぼす付勢手段と、(f)該付勢手段
による付勢力に抗して、前記収納体を収納位置に係止す
る解除可能な係止機構とを、含んで構成したことにあ
る。
(考案の効果) 従って、このような本考案に従う構造とされた車両用収
納体装置にあっては、収納体およびリテーナを含む車体
側の部材の何れか一方に設けられたラックに対して、収
納体の出し入れ方向に互いに平行に形成された2列の係
合歯が形成されると共に、それぞれの係合歯に噛合し
て、かかる収納体に対して突出力を及ぼす、2個のピニ
オンが、互いに噛合されていることから、それら2個の
ピニオンによってそれぞれの係合歯に及ぼされる周速度
(突出速度)が、同一と為され得るのであり、それによ
ってかかる収納体の突出時におけるリテーナに対する左
右の傾き(振れ)が有効に防止されることから、突出作
動時のがたつきが可及的に低減され、スムーズな突出作
動が実現され得ることとなるのである。
(実施例) 以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本考
案の一実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明
することとする。なお、本実施例にあっては、車両用収
納体装置としての車両用の灰皿装置に対して、本考案を
適用したものの一例について説明することとする。
先ず、第1図には、本考案に従う構造とされた灰皿装置
の全体図が示されている。かかる図において、10は、
車両のインストルメントパネル等に固定されて、灰皿ケ
ース12を保持するリテーナである。このリテーナ10
は、鋼板を曲げて形成された上側部材14と下側部材1
6とによって構成されており、それらの両側壁において
互いにスポット溶接されて、一体化されることによって
形成されている。また、かかるリテーナ10には、通例
に従い、その上壁部において、フィルタを備えた照明ケ
ース18が配設されていると共に、その両側壁の内側に
は、それぞれ、合成樹脂製のガイドレール20、20
が、互いに平行に配設されている。
一方、灰皿ケース12は、耐火性の樹脂で形成されてお
り、その両側部に形成された突条23、22が、前記リ
テーナ10のガイドレール20、20に対して、摺動可
能に嵌合されることによって、これら突条22、22と
ガイドレール20、20との作用によって、かかる灰皿
ケース12の引出し及び収納方向への案内が為されるよ
うになっている。また、かかる灰皿ケース12には、通
例に従い、その上部において、防火用のプロテクタ24
が回動可能に取り付けられ、且つ図示しないスプリング
によって上方に付勢されており、該プロテクタ24の上
面に突出形成された当接部28、28が、リテーナ10
の上壁部内面に取付固定された、図示しないプロテクタ
ガイドに当接されることによって、かかる灰皿ケース1
2の突出端位置が規定されるようになっている。
さらに、かかる灰皿ケース12には、第2図にも示され
ているように、その底面の中央部において、該灰皿ケー
ス12の出し入れ方向に延びる2つのラック30a、3
0bが、所定間隔を隔てて互いに平行に形成されてい
る。そして、これらのラック30a、30bには、それ
ぞれ、対向する内側面上において、互いに平行に連続し
て延びる係合歯が形成されている。
また一方、前記リテーナ10を構成する下側部材16に
は、第3図にも示されているように、底壁部の前方側端
縁部における幅方向中央部に位置して貫通穴34が形成
されており、該貫通穴34を外側から貫通して、リテー
ナ10の内部側に突出する状態で、互いに噛合された2
つのピニオン32a、32bが、灰皿ケース12の突出
方向に対して直角な方向に並列的に配設されている。そ
して、第4図に示されているように、リテーナ10に対
して、前記灰皿ケース12が挿入された時には、かかる
ピニオン32a、32bが、灰皿ケース12に設けられ
たラック30a、30bの対向面間に位置せしめられ
て、それぞれのラック30a、30bの係合歯に対して
噛合せしめられるようになっている。
ところで、これらのピニオン32a、32bは、第3図
乃至第5図に示されている如く、リテーナ10の底壁部
外側面上に取り付けられるハウジング36内に収容され
た状態で、該ハウジング36に突出形成された支持軸3
8、38によって、回転可能に支持されることにより、
互いに噛合状態下に配されている。
また、かかるハウジング36には、その内部にダンパ4
2が固設されており、そして該ダンパ42のダンパ軸4
4によって、駆動ピニオン40が、前記一方のピニオン
32aに対して噛合された状態で、相対回転不能に支持
されている。このダンパ42は、本願出願人が、先に、
特開昭59−179430号公報において明らかにした
如く、その内部に粘性流体が封入されており、該粘性流
体中において、ダンパ軸44に一体形成された羽根部が
回転させられることにより、その粘性流体の抵抗が、ダ
ンパ軸44、延いては該ダンパ軸44にて支持される駆
動ピニオン40に対して、回転抵抗力として及ぼされ得
る構造とされているのである。
更にまた、かかるダンパ軸44に支持された駆動ピニオ
ン40は、浅い容器状を為す円板型部材として形成され
ており、その内部には、渦巻バネ46が、ダンパ42の
廻りにおいて収容されている。そして、かかる渦巻バネ
46の外方端縁部が、駆動ピニオン40の内面に係止さ
れる一方、その内方端縁部が、前記ダンパ42の外周壁
部に係止されていることにより、かかる駆動ピニオン4
0が、渦巻バネ46の巻き方向に回転させられた際、渦
巻バネ46が巻き取られて、該渦巻バネ46に対して、
逆回転方向の付勢力(エネルギ)が蓄えられるようにな
っている。
なお、このようにピニオン32a、31b、駆動ピニオ
ン40及び渦巻バネ46が収容されたハウジング36
は、リテーナ10を構成する下側部材16の底部外面に
対して、そこに形成された凹陥部50内に位置するよう
に、その係止片51にて係止され、且つその耳部52に
おいてボルト54にて固定されることにより、前述の如
く、ピニオン32a、32bが、貫通穴34を貫通して
リテーナ10の内部に突出される状態で取り付けられて
いる。
すなわち、このような灰皿装置にあっては、灰皿ケース
12が、リテーナ10に対して押し込まれたときには、
該灰皿ケース12の底面に形成されたラック30a、3
0bの係合歯に対して、リテーナ10側に設けられたピ
ニオン32a、32bが、それぞれ噛合されることとな
り、そしてかかるピニオン32a、32bが回転される
ことによって、該ピニオン32aに噛合された駆動ピニ
オン40が、その内部に収容された渦巻バネ46に対し
て付勢力が貯えられる方向に回転せしめられることとな
るのである。そして、それによって灰皿ケース12がリ
テーナ10内に押し込まれた際には、かかる渦巻バネ4
6の付勢力が、駆動ピニオン40及びピニオン32a、
32bを介してラック30a、30bに及ぼされ、以て
該灰皿ケース12が突出方向に付勢されることとなるの
である。なお、このことから明らかなように、本実施例
においては、渦巻バネ46によって、ピニオン32a、
32bに回転付勢力を及ぼす付勢手段が構成されている
のである。
ところで、図面上に明示はされていないが、上述の説明
から明らかなように、前記灰皿ケース12に設けられた
2つのラック30a、30bにおける係合歯は、それぞ
れ、互いに噛合されたピニオン32a、32bに対して
噛合されるように、互いに半位相だけずれて形成されて
いることは勿論、特に、本実施例においては、駆動ピニ
オン40に噛合されている側のピニオン32aに対して
噛合される方のラック30aにおける係合歯が、他方ラ
ック30bよりも、灰皿ケース12の奥方にまで設けら
れており、それによってかかる灰皿ケース12がリテー
ナ10内に差し込まれた際、先にラック30aに対して
ピニオン32aが噛合された後、他方のラック30bに
対してピニオン32bが噛合されるようになっている。
すなわち、これら2つの互いに噛合されたピニオン32
a、32bは、その噛合において僅かながらの誤差(バ
ックラッシュ)が生じることとなり、そのために先にピ
ニオン32bがラック30bに噛合されると、他方のピ
ニオン32aは、駆動ピニオン40にて付勢されて、そ
の動きが規制されていることから、かかるバックラッシ
ュに対応することができず、灰皿ケース12が収納不能
となる恐れがあるのであり、それ故先ず付勢力が直接及
ぼされるピニオン32aをラック30aに噛合せしめた
後、他方のピニオン32bをラック30bに噛合させる
ことにより、かかるピニオン32bの自由度によって、
バックラッシュに対処し得るようにされているのであ
る。
また、ここにおいて、かかる灰皿装置いあっては、灰皿
ケース12がリテーナ10内に押し込まれた際に、該灰
皿ケース12に対して、常に、突出方向の付勢力が及ぼ
されることとなるが、本実施例においては、かかる付勢
力に抗して、該灰皿ケース12をリテーナ10に対する
収納位置に保持するための係止機構が設けられている。
かかる係止機構は、リテーナ10の底壁部からリテーナ
10内に突出される係止ピン58を備えた係止具60
と、灰皿ケース12の底部裏面においてラック30bの
外側部位に一体的に形成され、係止ピン58が係合され
て案内される溝状のカム面を形成するカム部56とによ
って構成されている。
より具体的には、かかる係止具60は、第6図に示され
ているように、全体として略長手板状をもって形成され
ており、その先端部62において係止ピン58は立設さ
れている一方、その基端部64には、二つの羽根状の摺
接部66、66が一体的に設けられている。そして、こ
の係止具60は、前記リテーナ10の底壁部における凹
陥部50内に形成された凸部68に対して、その周壁部
に所定幅をもって形成された貫通穴70を通じて、該凸
部68内に先端部62が挿入されて、係止ピン58がリ
テーナ10内に突出する状態で配置せしめられ、基端部
64において、リテーナ10の裏面に対してボルト72
によって取り付けられている。また、かかる取付状態下
においては、二つの摺接部66、66が、リテーナ10
の裏面に当接されるようになっており、それによってか
かる係止具60は、該摺接部66、66による摺動抵抗
の下に、ボルト72を回転中心として、或る程度の回動
抵抗をもって、前記貫通穴70による規制角度内で回転
可能とされているのである。
一方、前記カム部56は、第7図に示されているよう
に、その内周面がカム面とされた略U字状の外周壁部7
4と、該外周壁部74にて囲まれた中央部に突出形成さ
れた、その外周面がカム面とされた中央突部76とによ
って構成されており、それら外周壁部74と中央突部7
6との間に、灰皿ケース12のリテーナ10に対する前
後方向への移動に従い、前記係止具60における係止ピ
ン58が順次一方向に案内される、周壁面がカム面とさ
れた溝状の一つの閉じた経路が形成されている。
すなわち、このような係止機構にあっては、灰皿ケース
12の前後方向への移動に際して、係止具60が、その
係止ピン58のカム部56に対する当接にて回動される
こととなるのであり、それによってかかる係止ピン58
が、カム部56に対する係止位置と非係止位置とを順次
とるようになっているのである。具体的には、第7図に
示されている如く、灰皿ケース12を押し込むことによ
って、前記貫通穴70にて規制された範囲内の任意の回
動位置:aに位置する係止具60の係止ピン58が、カ
ム部56の溝部内に導かれて、かかる灰皿ケース12が
押込端まで押込まれた時には、最奥部:bに位置するこ
ととなり、そしてかかる状態から、灰皿ケース12に対
する押込力を解除することによって、前記渦巻バネ46
の付勢力に従う灰皿ケース12の前方(開方向)への移
動に伴い、該係止ピン58が、カム部56における中央
突部76の係止位置:cに導かれて、かかる位置に係止
されることとなるのであり、これによって灰皿ケース1
2の前方への移動が阻止されて、該灰皿ケース12がそ
の閉位置に係止されることとなるのである。また一方、
この閉位置から灰皿ケース12を再び押し込めば、係止
ピン58がカム部56における溝部内の最奥部:dに導
かれて、その係止が解除されることから、灰皿ケース1
2は再び前方への移動を許容されることとなるのであ
り、またそのときかかる係止ピン58は、カム部56の
溝部内から離脱位置:e方向に離脱せしめられることと
なる。
従って、上述の如き構造とされた灰皿装置にあっては、
灰皿ケース12を、その開位置からリテーナ10内に押
し込むと、灰皿ケース12の後方への移動に従い、ラッ
ク30a、30bとピニオン32a、32bとの噛合に
基づいて、駆動ピニオン40が渦巻バネ46を巻き込む
方向に回転され、その結果該渦巻バネ46にピニオン3
2a、32bを逆方向へ回転させようとする付勢力が貯
えられるのであり、そして該灰皿ケース12が、閉位置
近くまで押し込まれると、係止機構を構成する係止ピン
58がカム部56に係合し、その後押込力を解除するこ
とによって、灰皿ケース12が、かかる係止ピン58の
カム部56に対する係止にて、閉状態に保持されること
となる。また一方、かかる閉状態から、灰皿ケース12
を僅かに後方に押し込むことによって、係止機構の係止
が解除され、以て渦巻バネ46の付勢力が、駆動ピニオ
ン40からピニオン32a、32bを介して、ラック3
0a、30bにそれぞれ及ぼされて、かかる灰皿ケース
12が、ダンパ42による速度制御のもとに、前記プロ
テクタ24の当接部28による突出規制端位置にまで、
自動的に突出されて開状態とされることとなるのであ
る。
そして、ここにおいて、灰皿ケース12のラック30
a、30bにそれぞれ噛合し、該灰皿ケース12に対し
て、渦巻バネ46による駆動ピニオン40の回転駆動力
を及ぼすピニオン32a、32bは、相互に噛合された
状態で配設されているところから、それぞれ同一の周速
度をもって回転せしめられることとなる。即ち、灰皿ケ
ース12において互いに所定間隔を隔てて形成されたラ
ック30a、30bが、それぞれ、同一の送り速度をも
って突出駆動せしめられるのであり、それによってかか
る灰皿ケース12の幅方向両側部における突出速度の均
一化が達成され得るところから、従来問題となってい
た、突出駆動時における灰皿ケース12の幅方向のがた
つきが、極めて効果的に解消され得るのであり、スムー
ズな突出作動が実現されることとなるのである。
また、本実施例における灰皿装置にあっては、ダンパ4
2によって、灰皿ケース12の突出作動がゆっくり為さ
れることとなるところから、その高級感が有利に向上さ
れ、また急激な突出作動による吸殻等の飛散が有効に防
止され得るのである。
さらに、本実施例における灰皿装置にあっては、付勢手
段としての渦巻バネ46が、駆動ピニオン40内に収容
された状態で配設されているところから、装置のコンパ
クト化が有利に図られ得るのである。
更にまた、本実施例における灰皿装置にあっては、灰皿
ケース12のラック30a、30bに噛合されるピニオ
ン32a、32bは、それ自体に付勢手段を備えるもの
ではないことから、その駆動力伝達機能を損なうことな
く、充分に小さな外径をもって形成することができるの
であり、従ってかかるピニオン32a、32bを、リテ
ーナ10の前方端部に配することにより、ラック30
a、30bに対する噛合位置の、リテーナ10の前方側
端縁部からの距離を小さく設定することができるのであ
る。そして、それによって灰皿ケース12の突出状態に
おいて、その保持のためにリテーナ10内に収納状態に
位置される必要長さが、有効に減少され得るのであり、
その突出状態下において、灰皿ケースの大きな開口量が
有利に確保されることから、灰皿装置の使用性の向上が
図られ得るといった効果をも有しているのである。
次に、上述の如き車両用灰皿装置において、ピニオン
(32)及びラック(30)を介して灰皿ケース(1
2)に駆動力を及ぼす機構として好適に用いられ得る、
駆動機能の別の具体例が、第8図に示されている。な
お、かかる具体例においては、前記実施例に採用されて
いる駆動機構と同様な構造とされた部材に対して、図
中、それぞれ、同一の符号を付することにより、その詳
細な説明は省略することとする。
すなわち、本実施例における駆動機構においては、ハウ
ジング36に設けられた支持軸80に対して、駆動ピニ
オン40が取り付けられており、かかる駆動ピニオン4
0が回転せしめられることによって、その内部に収容配
置された渦巻ばね46に、逆回転方向の付勢力が蓄えら
れるようになっている。また、かかるハウジング36に
は、支持軸38、38にて支持されることにより、互い
に噛合され且つ駆動ピニオン40と同時に回転せしめら
れる状態で、ピニオン32a、32bが配設されてお
り、渦巻ばね46の付勢力が、駆動ピニオン40を介し
て、それらのピニオン32a、32bに対して、回転駆
動力として及ぼされ得るようになっているのである。
なお、このような駆動機構は、図示はされていないが、
前記実施例と同様、リテーナ(10)に対して、ピニオ
ン32a、32bが、該リテーナ(10)内に挿入され
る灰皿ケース(12)のラック(30a、30b)に、
それぞれ噛合される状態で、取り付けられることとな
る。
ところで、この実施例における駆動機構にあっては、ハ
ウジング36におけるピニオン32a、32bの配設部
位に、それぞれダンパ42が設けられており、そしてそ
れらダンパ42、42のダンパ軸によって、かかるピニ
オン32a、32bが取り付けられる支持軸38、38
が、それぞれ構成され、それらの支持軸38、38に対
してピニオン32a、32bが相対回転不能に取り付け
られている。そして、駆動ピニオン40を介して伝達さ
れる渦巻ばね46の回転駆動力と、ダンパ42による回
転抵抗力とを、それぞれ、各ピニオン32a、32bに
対して及ぼしめ、以てそれらピニオン32a、32b
を、渦巻ばね46による付勢力に基づき、ダンパ42に
よる速度制御の下に回転駆動せしめ得るようになってい
るのである。
従って、このような構造とされた駆動機構にあっても、
前記実施例と同様な機構を有しているのであり、かかる
駆動機構を用いることによって、前記実施例と同様な効
果が、何れも有効い奏せしめられ得るのである。
また、かかる本実施例における駆動機構においては、ダ
ンパ42の配設スペースを、駆動ピニオン40の内部に
確保する必要がないことから、該駆動ピニオン40、延
いては駆動機構の小型化が有利に達成され得るのであ
り、以て灰皿装置の省スペース化が、より一層効果的に
図られ得るといった利点をも有しているのである。
以上、本考案の実施例について詳述してきたが、これは
文字通りの例示であって、本考案はかかる具体例にのみ
限定して解釈されるものではない。
例えば、前記実施例においては、ラック30a、30b
の係合歯に噛合するピニオン32a、32bが、互いに
直接噛合されていたが、それらの間に更にピニオンを介
装して間接的に噛合させるようにしても良く、或いは2
つのピニオン32a、32bを、それぞれ、駆動ピニオ
ン40に対して直接噛合させることも可能であり、更に
はかかる駆動ピニオン40を、一方のラック30に噛合
するピニオンとして用いることも可能である。
また、ラック30a、30bにおける係合歯の形成面
も、例示の如き、対向面に限定されるものではなく、ピ
ニオン32a、32bの回転方向に応じて、対向面乃至
は同側面、或いは反対面にそれぞれ設定されるものであ
り、特に係合歯が反対面に設定される場合には、両側面
に係合歯を備えた一つのラックとして形成することも可
能である。
さらに、前記実施例においては、ラック30a、30b
が灰皿ケース12に一体的に形成されていたが、かかる
ラックをリテーナ10乃至は車体側固定部材に設ける一
方、該ラックに噛合されるピニオンを、灰皿ケース12
側に配することも可能である。
更にまた、本考案に適用される付勢手段及び係止機構
は、前記実施例の如き構造に限定されるものではなく、
例えば、付勢手段としてモータ等が、また係止機構とし
てカム片と係止ピンとからなるものや、カム機構を備え
ずにレバー操作等によって係止が解除される単なる係止
機構等の公知のものが、何れも採用され得るものであ
る。
加えて、前記実施例においては、本考案を摺動式の灰皿
装置に適用した場合の一例を示したが、本考案は、その
他、グローブボックス、操作スイッチパネルが収納位置
から突き出される操作スイッチパネル装置、引出式のカ
ップホルダなどの種々なる収納体装置に対しても良好に
適用され得、前述の如き優れた効果を有効に奏し得るも
のであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本考案は当業者の知識に
基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様にお
いて実施され得るものであり、またそのような実施態様
が、本考案の趣旨を逸脱しない限り、何れも本考案の範
囲内に含まれるものであることは、言うまでもないとこ
ろである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例である車両用灰皿装置を示す
斜視図であり、第2図はかかる灰皿装置を構成する灰皿
ケースの底面図であり、第3図はかかる灰皿装置のリテ
ーナを構成する下側部材の平面図であり、第4図はかか
る灰皿装置においてリテーナに対する灰皿ケースの収納
操作を説明するための底面図であり、第5図はかかる灰
皿装置を構成するピニオンと付勢手段たる渦巻バネの組
付けを説明するための分解斜視図である。また、第6図
は係止機構を構成する係止具を示す拡大斜視図であり、
第7図は係止機構を構成するカム部の作用を説明するた
めの拡大平面図である。更に、第8図は、第1図に示さ
れている灰皿装置において好適に用いられ得る駆動機構
の別の具体例を示す、第5図に対応する分解斜視図であ
る。 10:リテーナ、12:灰皿ケース 30a、30b:ラック 32a、32b:ピニオン 40:駆動ピニオン、42:ダンパ 46:渦巻バネ、56:カム部 58:係止ピン

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体側に取り付けられるリテーナと、 該リテーナに対して出し入れ可能に保持される収納体
    と、 該収納体と前記リテーナを含む車体側の部材との何れか
    一方に設けられ、該収納体の出し入れ方向に互いに平行
    に連続して延びる2列の係合歯を備えたラックと、 前記収納体とリテーナを含む車体側の部材との何れか他
    方に設けられ、前記ラックの係合歯に対してそれぞれ噛
    合されると共に、互いに直接に若しくは間接に噛合され
    ていることにより、前記収納体の出し入れに従って同時
    に回転させられる2個のピニオンと、 該2個のピニオンのそれぞれに対して、前記収納体が突
    出される方向の回転付勢力を及ぼす付勢手段と、 該付勢手段による付勢力に抗して、前記収納体を収納位
    置に係止する解除可能な係止機構とを、含んで構成した
    ことを特徴とする車両用収納体装置。
JP1988105311U 1987-09-24 1988-08-09 車両用収納体装置 Expired - Lifetime JPH0617637Y2 (ja)

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JP4659300B2 (ja) 2000-09-13 2011-03-30 浜松ホトニクス株式会社 レーザ加工方法及び半導体チップの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS59209926A (ja) * 1983-05-13 1984-11-28 Kojima Press Co Ltd 車輌用収納箱装置
JPS6181245A (ja) * 1984-09-27 1986-04-24 Kojima Press Co Ltd 車両用収納体装置

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