JPH06175559A - ホログラム記録媒体およびそれを用いた体積位相型ホログラムの製造方法 - Google Patents

ホログラム記録媒体およびそれを用いた体積位相型ホログラムの製造方法

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JPH06175559A
JPH06175559A JP35043792A JP35043792A JPH06175559A JP H06175559 A JPH06175559 A JP H06175559A JP 35043792 A JP35043792 A JP 35043792A JP 35043792 A JP35043792 A JP 35043792A JP H06175559 A JPH06175559 A JP H06175559A
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JP35043792A
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Takeo Yamaguchi
岳男 山口
Yasumasa Toba
泰正 鳥羽
Madoka Yasuike
円 安池
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学的安定性や耐環境特性に優れ、高感度、
高回折効率、高透明性および高解像度な特性を有するホ
ログラム記録媒体およびそれを用いた体積位相型ホログ
ラムの製造方法を提供する。 【構成】 (メタ)アクリル酸エステルの単一重合体、
または(メタ)アクリル酸エステルとビニルモノマーと
の2成分以上の共重合体である高分子化合物(A)、重
合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有
する化合物(B)、3−ケトクマリン類(C)およびジ
アリールヨードニウム有機ホウ素錯体(D)からなるホ
ログラム記録用感光材料が、光学的に透明な基材と、光
学的に透明な保護膜に挟まれて感光膜を形成しているこ
とを特徴とするホログラム記録媒体、および該記録媒体
を輻射線の干渉パターンに露出する第1の工程、該記録
媒体から未重合の物質を除去しかつ該記録媒体を膨潤せ
しめる溶媒にて処理する第2の工程、さらに該記録媒体
に対する溶解性および膨潤性に乏しい溶媒に、該記録媒
体を接触せしめる第3の工程とからなることを特徴とす
る体積位相型ホログラムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学的安定性や耐環境
特性に優れ、且つ感度特性、解像度、回折効率および透
明性に特に優れたホログラム記録媒体、および該記録媒
体を用いた体積位相型ホログラムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホログラム記録媒体として、漂白
処理銀塩および重クロム酸ゼラチン系の感光材料が一般
に使用されてきた。しかし、これらのホログラム記録媒
体によるホログラムの製造は、何れも感光板の作製方
法、ホログラム製造のための処理が煩雑であったり、製
造されたホログラムが耐環境特性、例えば耐湿性、耐候
性に劣る、また解像度に限界があるという問題点を有し
ていた。
【0003】かかる問題を解決するために、耐環境特性
に優れ、且つ高解像度、高回折効率などのホログラムの
有すべき特性を備えた体積位相型ホログラムの製造方法
として、フォトポリマーを利用した例が知られている。
例えば、特公昭62−22152号公報は、担体となる
べき重合体中に光重合性物質である2個以上のエチレン
性不飽和結合を有する多官能単量体を分散せしめた感材
を、輻射線の干渉パターンに露出する第1の工程、該感
材を第1の溶媒で処理し該感材を膨潤せしめる第2の工
程、膨潤作用の乏しい第2の溶媒で処理し該感材を収縮
せしめる第3の工程とを具備するホログラム製造方法を
開示している。しかしながら、この方法では、充分な回
折効率を有するホログラムを製造するためには50mJ
/cm2以上の露光エネルギーが必要とされ、ホログラ
ムの大量複製、即ち露光時間の短縮化において重要な特
性となる感度特性をより一層向上させることが望まれて
いた。
【0004】一方、3−ケトクマリン誘導体とジアリー
ルヨードニウム有機ホウ素錯体との組合せから成る光重
合開始剤を、特開平3−704号公報は提案している
が、この文献はホログラム記録のための具体的な例示あ
るいは作成法に関する記載がなく、該記載の光重合開始
剤の単なる利用では体積位相型ホログラムを作成するこ
とはできなかった。
【0005】また、高分子化合物と重合可能なエチレン
性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物を構成
成分とするホログラム記録用感光材料およびそれを用い
たホログラムの製造方法の内、高分子化合物にビニルカ
ルバゾールおよびその誘導体を用いた例がこれまでに開
示されている。例えば、特開平2−216180号公報
は、ポリビニルカルバゾールあるいはその誘導体、多官
能モノマー、クマリン誘導体および有機過酸化物からな
るホログラム記録用組成物を、特開平3−278082
号公報は、ポリビニルカルバゾール、重合可能なエチレ
ン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物、テ
トラベンゾポルフィリン誘導体および電子受容性ラジカ
ル発生剤からなるホログラム記録用組成物を、また特開
平4−13172号公報は、ポリビニルカルバゾール、
メタクリレート系化合物、ケトクマリン色素および鉄ア
レーン錯体からなるホログラム記録用組成物を開示して
いる。これらのホログラム記録用感光材料は、ポリビニ
ルカルバゾールあるいはその誘導体を主剤としているた
め、化学的に安定でかつ高い解像度、耐湿性、耐熱性、
耐候性を有しているものの、ポリビニルカルバゾール
は、ホログラム製造工程中の現像処理工程において結晶
化して白化しやすく、透明性の再現性が悪いという問題
点や、ポリビニルカルバゾールの剛直性のために、感度
特性において劣るという欠点があった。また、ポリビニ
ルカルバゾール以外の高分子化合物を使った例として、
特開平1−33104号公報は、ゼラチン系高分子化合
物、水溶性非揮発性エチレン系モノマー、少なくとも1
個の3級アミノ基を含有する化合物および色素増感剤か
らなるホログラム記録用組成物を、特開平2−2161
81号公報は、ポリビニルピロリドン、多官能モノマ
ー、クマリン色素および有機過酸化物とからなるホログ
ラム記録用組成物を開示している。しかしこれらの公知
材料は、高分子化合物が水膨潤性あるいは水溶性である
ために、耐湿性や耐水性などの耐環境特性に劣るという
欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学的安定
性や耐環境特性に優れ、且つ感度特性、解像度、回折効
率および透明性に特に優れたホログラム記録媒体、およ
び該記録媒体を用いた体積位相型ホログラムの製造方法
の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の諸
点を考慮し、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、
本発明に到達した。すなわち、本発明の第一の発明は、
アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単一
重合体、またはアクリル酸エステルまたはメタクリル酸
エステルとビニルモノマーとの2成分以上の共重合体で
ある高分子化合物(A)、重合可能なエチレン性不飽和
結合を少なくとも1個以上有する化合物(B)、3−ケ
トクマリン類(C)およびジアリールヨードニウム有機
ホウ素錯体(D)の組合せを含むことを特徴とするホロ
グラム記録用感光材料が、光学的に透明な基材と、光学
的に透明な保護膜に挟まれて感光膜を形成していること
を特徴とするホログラム記録媒体である。第二の発明
は、前記ホログラム記録媒体を輻射線の干渉パターンに
露出し、ホログラム記録用感光材料を重合、硬化する第
1の工程、該記録媒体から未重合の物質を除去しついで
該記録媒体中の高分子化合物(A)を膨潤せしめる溶媒
にて処理する第2の工程、さらに該記録媒体中の高分子
化合物(A)に対する溶解性および膨潤性に乏しい溶媒
に、該記録媒体を接触せしめる第3の工程を具備してな
ることを特徴とする体積位相型ホログラムの製造方法で
ある。
【0007】本発明で使用される高分子化合物(A)
は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの
単一重合体、またはアクリル酸エステルまたはメタクリ
ル酸エステルとその他のビニルモノマーとの2成分以上
の共重合体である。具体的なアクリル酸エステルまたは
メタクリル酸エステルの単一重合体としては、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec
−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシ
ル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2−エチル
ブチル、1,3−ジメチルブチル、2−エチルヘキシ
ル、2−メチルペンチル、シクロヘキシル、アダマンチ
ル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、テトラヒドロ
フルフリールなどの鎖状、分枝状および環状アルキルの
アクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマーの重合
体、フェニル、4−メトキシカルボニルフェニル、4−
エトキシカルボニルフェニル、4−ブトキシカルボニル
フェニル、4−tert−ブチルフェニル、ベンジル、
4−フェニルエチル、4−フェノキシジエチレングルコ
ール、4−フェノキシテトラエチレングリコール、4−
フェノキシヘキサエチレングリコール、4−ビフェニリ
ルなどの芳香環を含有するアクリル酸またはメタクリル
酸エステルモノマーの重合体、フェロセニルメチル、フ
ェロセニルエチルなどの鉄原子を含有するアクリル酸ま
たはメタクリル酸エステルモノマーの重合体、トリフル
オロエチル、テトラフルオロプロピル、ヘプタデカフル
オロデシル、オクタフルオロペンチル、2,3−ジブロ
モプロピルなどのハロゲン原子を含有するアクリル酸ま
たはメタクリル酸エステルモノマーの重合体、トリメト
キシシリルプロピルなどのケイ素原子を含有するアクリ
ル酸またはメタクリル酸エステルの重合体、グリシジル
アクリレートやグリシジルメタクリレートなどのエポキ
シ基を含有するアクリル酸またはメタクリル酸エステル
モノマーの重合体、N,N−ジメチルアミノエチル、
N,N−ジエチルアミノエチル、t−ブチルアミノエチ
ルなどのアミノ基を含有するアクリル酸またはメタクリ
ル酸エステルモノマーの重合体などが挙げられる。これ
らのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルモ
ノマーは、必要に応じて2成分以上の共重合体として使
用することが可能である。
【0008】前記したアクリル酸エステルまたはメタク
リル酸エステルモノマーとの2成分以上の共重合体とし
て使用できるビニルモノマーとしては、ブタジエン、イ
ソプレン、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリ
ル、スチレン、4−ブロモスチレン、パーフルオロスチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニル
ピロリジンなどが挙げられる。
【0009】本発明のホログラム記録媒体に供される重
合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有
する化合物(B)としては、1官能であるビニルモノマ
ーの他にオリゴマーを含むものであり、さらには高分子
量化合物であってもよく、またこれらの混合物であって
もよい。その様な化合物としては、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバ
ゾール等の高沸点ビニルモノマー、さらには、脂肪族ポ
リヒドロキシ化合物、例えば、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
10−デカンジオール、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビト
ール、マンニトールなどのジあるいはポリ(メタ)アク
リルエステル類、芳香族ポリヒドロキシ化合物、例え
ば、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロ
ール等のジあるいはポリ(メタ)アクリルエステル、イ
ソシアヌル酸のエチレンオキシド変性(メタ)アクリレ
ート、さらには、側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化メチ
ル基の如き反応活性を有する官能基を持つ重合体とアク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボ
ン酸との高分子反応によって得られるポリマーも好適に
使用しうる。このような高分子化合物としては、ポリビ
ニルアルコール、ビニルアルコールと酢酸ビニルとの共
重合体、ポリエピクロルヒドリン、フェノキシ樹脂、ポ
リクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ(メタ)アク
リレートと種々アクリレートモノマーとの共重合体、フ
ェノール樹脂などが挙げられる。さらには、(メタ)ア
クリル化されたエポキシ樹脂、ポリエステルアクリレー
トオリゴマー、(メタ)アクリル化ウレタンオリゴマ
ー、アクロレイン化ポリビニルアルコール等をあげるこ
とができる。
【0010】本発明で使用する3−ケトクマリン類
(C)としては、一般式(1) 一般式(1)
【化1】 (式中、R1、R2は、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
コシ基またはジアルキルアミノ基、アリール基あるいは
縮合されたベンゼン環を示し、R3は水素原子あるいは
シアノ基を示し、R4は低級アルキル基、アリール基、
複素環基またはスチリル基を示す)で表わされる3−ケ
トクマリン類または、一般式(2)
【0011】一般式(2)
【化2】 (式中、R5、R6、R7、R8は、水素原子、ハロゲン原
子、アルキコシ基またはジアルキルアミノ基、アリール
基あるいは縮合させたベンゼン環を示し、R9、R10
水素原子あるいはシアノ基を示す)で表わされる3位に
カルボニル置換されたビスケトクマリン類から選ばれた
少なくとも1種の化合物であり、クマリンのベンゼン核
にアルコキシ基またはジアルキルアミノ基が置換されて
いることが望ましい。
【0012】一般式(1)におけるR1、R2および一般
式(2)におけるR5、R6、R7およびR8において、ハ
ロゲン原子としては塩素、臭素、ヨウ素原子が、アルコ
キシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、
sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ベンジルオキシ基等
が、ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、
ジエチルアミノ基、ジュロリジル基等が、アリール基と
しては、フェニル基、p-トリル基、キシリル基、クメニ
ル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等
が、縮合させたベンゼン環としては、ナフタレン環、ア
ントラセン環等が挙げられる。また一般式(1)におけ
るR4において低級アルキル基としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基等が、アリール基としては、フェニ
ル基、p-トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル
基、アンスリル基、フェナントリル基等が、複素環とし
てはベンゾフラン環、ベンゾチオフラン環、イソインド
ール環等が、スチリル基としてはp-ジメチルアミノ基、
p-ジエチルアミノスチリル基、p-メトキシスチリル基等
が挙げられる。
【0013】具体的には、一般式(1)で表わされる化
合物の例としては、3−チエノイルクマリン、3−(4
−メトキシベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイルクマ
リン、3−(4−シアノベンゾイル)クマリン、3−チ
エノイル−7−メトキシクマリン、7−メトキシ−3−
(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル
−7−メトキシクマリン、3−(4−シアノベンゾイ
ル)−7−メトキシクマリン、5,7−ジメトキシ−3
−チエノイルクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(4
−メトキシベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−
5,7−ジメトキシクマリン、3−(4−シアノベンゾ
イル)−5,7−ジメトキシクマリン、7−ジエチルア
ミノ−3−チエノイルクマリン、7−ジエチルアミノ−
3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−ベンゾ
イル−7−ジエチルアミノクマリン、7−ジエチルアミ
ノ−3−(4−シアノベンゾイル)クマリン、7−ジエ
チルアミノ−3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)ク
マリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルア
ミノクマリン、3−シンナモイル−7−ジエチルアミノ
クマリン、4−シアノ−3−シンナモイル−7−ジエチ
ルアミノクマリン、3−(p−ジエチルアミノシンナモ
イル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−アセチル−
7−ジエチルアミノクマリン、3−カルボキシ−7−ジ
エチルアミノクマリン、3−(4−カルボキシベンゾイ
ル)−7−ジエチルアミノクマリンが挙げられる。ま
た、さらに、クマリンベンゼン環に芳香環が縮合されて
いてもよい。次に、一般式(2)で表わされる化合物と
しては、3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’
−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、5,7−
ジメトキシ−3,3’−カルボニルビスクマリン、5,
7,7’−トリメトキシ−3,3’−カルボニルビスク
マリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキ
シクマリン)、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ
エトキシクマリン)、7−ジエチルアミノ−3,3’−
カルボニルビスクマリン、7−ジエチルアミノ−5’,
7’−ジメトキシ−3,3’−カルボニルビスクマリ
ン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノク
マリン)、3,3’−カルボニルビス(ジュロリジノク
マリン)、3,3’−カルボニルビス(4−シアノ−7
−ジエチルアミノクマリン)等をあげることができる。
代表的な例として、化合物(a)ないし化合物(h)を
示す。
【0014】化合物(a)
【化3】
【0015】化合物(b)
【化4】
【0016】化合物(c)
【化5】
【0017】化合物(d)
【化6】
【0018】化合物(e)
【化7】
【0019】化合物(f)
【化8】
【0020】化合物(g)
【化9】
【0021】化合物(h)
【化10】
【0022】次に、本発明で使用するジアリールヨード
ニウム有機ホウ素錯体(D)は、一般式(3)
【化11】 (式中、R11、R12は水素原子、低級アルキル基、低級
アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基またはハロゲン原子
を表し、R13、R14、R15およびR16は、それおぞれ独
立に、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有し
ても良いアリール基、置換基を有しても良いアルケニル
基、置換基を有しても良いアルキニル基、置換基を有し
ても良い脂環基より選ばれる基を示し、R13、R14、R
15およびR16全てが同時に、置換基を有しても良いアリ
ール基となることはない。)で表されるジアリールヨー
ドニウム有機ホウ素錯体(D)を示す。
【0023】置換基R11およびR12は、水素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基などの低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブ
トキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基
などの低級アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、および
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子を表
す。次に、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独
立に、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有し
ても良いアリール基、置換基を有しても良いアルケニル
基、置換基を有しても良いアルキニル基、置換基を有し
ても良い脂環基より選ばれる基を示し、R13、R14、R
15およびR16全てが同時に置換基を有しても良いアリー
ル基になることはない。
【0024】置換基を有しても良いアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が、置換
基を有しても良いアリール基としては、フェニル基、p
−トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基等
が、置換基を有しても良いアルケニル基としては、ビニ
ル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテ
ニル基等が、置換基を有しても良いアルキニル基として
は、エチニル基、1−ヘキシニル基、1−プロピニル基
等が、置換基を有しても良い脂環基としては、シクロヘ
キシル基、シクロペンチル基、シクロヘキセニル基、ノ
ルボニル基、ボルニル基、メンチル基、ピナニル基、ア
ダマンチル基等が挙げられ、これらの基は水素原子、さ
らには他の置換基で置換されていても良く、その様な置
換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ
基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基、p−ト
リル基、p−メトキシフェニル基等のアリール基の他、
メシル基、p−トルエンスルホニル基、トリフルオロメ
チル基が挙げられる。
【0025】その様なジフェニルヨードニウム有機ホウ
素錯体の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、ジ
トリルヨードニウム、フェニル(p−メトキシフェニ
ル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨード
ニウム、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウ
ム、ビス(p−シアノフェニル)ヨードニウム等のn−
ブチルトリフェニルボレート錯体、sec−ブチルトリ
フェニルボレート錯体、tert−ブチルトリフェニル
ボレート錯体、n−ブチルトリス(p−メトキシフェニ
ル)ボレート錯体、メチルトリフェニルボレート錯体、
n−ブチルトリス(p−フルオロフェニル)ボレート錯
体等が例示される。代表的な化合物として化合物(i)
ないし化合物(k)を示す。
【0026】化合物(i)
【化12】
【0027】化合物(j)
【化13】
【0028】化合物(k)
【化14】
【0029】本発明のホログラム記録媒体は、アクリル
酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単一重合体、
またはアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
とビニルモノマーとの2成分以上の共重合体である高分
子化合物(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少
なくとも1個有する化合物(B)、3−ケトクマリン類
(C)およびジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体
(D)を適当な溶媒中に溶解させ、得られた溶液を光学
的に透明な基材上、あるいは光学的に透明な保護膜上に
皮膜状に塗布して形成される。塗布される厚みは、乾燥
後の膜厚として1μmから20μmにすることが好まし
く、4μmから10μmの範囲がより好ましい。上記各
成分の配合比に特定の制限はないが、照射用レーザ光の
透過率が1%以上となるように3−ケトクマリン類
(C)の濃度を調製することが好ましい。さらに必要に
応じて、各種添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、熱重
合禁止剤等を添加してもよい。
【0030】高分子化合物(A)のホログラム記録材料
に占める量は、高回折効率、高解像度、高透明性を有す
る体積位相型ホログラムを製造するためには、10〜9
0重量%、好ましくは、30〜70重量%である。化合
物(B)の使用量は、高分子化合物(A)100重量部
に対し10〜200重量部、好ましくは40〜150重
量部である。上記範囲を逸脱すると高い回折効率の維持
および感度特性の向上が困難となるので好ましくない。
【0031】本発明のホログラム記録媒体で使用される
光重合開始剤のうち、3−ケトクマリン類(C)は、高
分子化合物(A)100重量部に対し、0.1〜30重
量部、好ましくは、0.5〜15重量部の範囲で使用さ
れる。使用量は、感光層膜厚と、該膜厚の光学密度によ
って制限を受ける。即ち、光学密度が2を越さない範囲
で使用することが好ましい。また、光重合開始剤のもう
一方の成分であるジアリールヨードニウム有機ホウ素錯
体(D)は、高分子化合物(A)100重量部に対し、
0.1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部の範囲
で使用される。
【0032】本発明におけるホログラム記録用感光材料
は、輻射線の干渉パターンに露出する前に、光学的に透
明な基材と光学的に透明な保護膜に挟まれた記録媒体と
して使用される。光学的に透明な基材としてはガラス
板、ポリカーボネ−ト板、ポリメチルメタクリレート板
またはポリエステルフィルムなどが挙げられる。また、
光学的に透明な保護膜としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンあるいはセロファン
フィルムなどが挙げられる。該ホログラム記録用感光材
料が前記した透明な基材上に形成されている場合は、前
記した光学的に透明な保護膜を、溶液状態での塗布、静
電的な密着、押し出し機を使った積層、あるいは予め粘
着剤を該保護膜に塗布したフィルムを貼り合わせること
によって、該感材上に積層することができる。一方、該
ホログラム記録用感光材料が前記した透明な保護膜上に
形成されている場合は、光学的に透明な基材に該感材面
側を密着せしめる方法にて貼り合わせることができる。
【0033】この様に、本発明におけるホログラム記録
用感光材料を、輻射線の干渉パターンに露出する前に、
光学的に透明な基材と光学的に透明な保護膜に挟まれた
記録媒体の形態にて使用することにより、該ホログラム
記録感材を様々な外的作用から保護すると共に、輻射線
の干渉露光において該記録感材中で生ずるラジカル重合
の酸素による阻害作用を抑制することが可能となる。
【0034】次に、本発明の体積位相型ホログラムの製
造方法について説明する。すなわち、前記したホログラ
ム記録媒体を、輻射線、特にHe−Cdレーザーおよび
Arイオンレーザーなどから発振される可視レーザー光
線の干渉パターンに露出する第1の工程に処する。次い
で該記録媒体を被覆している前記保護膜を該記録媒体か
ら剥離除去せしめた後に、該記録媒体から未重合の物質
を除去し、且つまた該記録媒体中の高分子化合物(A)
を膨潤せしめる作用を有する溶媒に浸漬する第2の工
程、いわゆる膨潤工程に処する。該工程に好適に用いら
れる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族系有機溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢
酸エステル系有機溶媒、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン系有機溶媒、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール
系有機溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環
状エーテル系有機溶媒、ジクロロメタン、クロロホル
ム、テトラクロロエタンなどの塩素系有機溶媒など一般
的に用いられる有機溶媒、あるいはこれらの混合溶媒を
適用することができる。その場合、該ホログラム記録媒
体中の高分子化合物(A)を、完全には溶解せず膨潤さ
せる作用を有することが必要で、使用する該高分子化合
物(A)の種類によって適宜選択する必要がある。該膨
潤工程を完遂するに必要な浸漬時間は、使用する溶媒の
膨潤効率および浸漬温度によって異なるが、室温の場
合、概ね30秒から5分の間にて完了する。
【0035】前記膨潤処理工程に次いで、さらに、該記
録媒体中の高分子化合物(A)に対する溶解性および膨
潤性に乏しい溶媒に、該記録媒体を接触せしめ、前記膨
潤処理工程にて膨潤した該記録媒体を収縮せしめる第3
の工程、いわゆる収縮処理工程に処する。該工程に好適
に用いられる溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、石油エーテルなどのn−アルカン系有機
溶媒が好適に用いられるが、該記録媒体を収縮せしめる
作用を有する溶媒であれば、前記した溶媒に限定される
ものではない。
【0036】さらに、本発明のホログラム用記録媒体を
用いた体積位相型ホログラムの製造において、該記録媒
体を輻射線の干渉パターンに露出する前に、該記録媒体
を紫外線、可視光線、または電子線などの活性線に露出
する、および/または加熱処理によって予備硬化せしめ
ることにより、本発明における体積位相型ホログラムの
製造をさらに効果的なものにすることが可能である。
【0037】前記した該予備処理のために用いられる活
性線源に特に限定はないが、紫外線源としては、低圧水
銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノ
ンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、
蛍光灯、タングステンランプなどが、また可視光線源と
しては、前記光線源の他に、He−Cd、Arイオンな
どの可視光レーザー光源、白色灯、蛍光灯などを使用す
ることが可能である。この場合、使用される活性光源か
ら発せられる活性線は、本発明のホログラム記録媒体に
使用される、3−ケトクマリン類(C)および(また
は)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体(D)によ
って効果的に吸収される必要がある。これら活性線に露
出する時間および露出量は活性線源によって異なるが、
該活性線源を使って該ホログラム記録媒体を硬化せしむ
るに当たり、ゲル化が開始されうる最低量のエネルギー
に露出することが望ましい。
【0038】また加熱処理用の熱源としては、一般的に
は熱循環式オーブンが好適に用いられるが、これに限定
されるものではない。加熱処理温度範囲は50℃から1
20℃の間が好ましく、より好ましくは60℃から90
℃の間である。
【0039】
【作用】本発明のホログラム記録媒体は、アクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステルの単一重合体、また
はアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとビ
ニルモノマーとの2成分以上の共重合体である高分子化
合物(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なく
とも1個以上有する化合物(B)、3−ケトクマリン類
(C)およびジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体
(D)とからなることを特徴とする。本発明において使
用される3−ケトクマリン類(C)は、Arイオンレー
ザーあるいはHe−Cdレーザーなどの可視レーザー光
源から発振される可視光を効率良く吸収し、その分光増
感作用によってジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体
(D)を効率良く分解する。その結果フリーラジカルが
発生し、ラジカル重合が効果的に誘起されることにな
る。特に本発明において使用されるジアリールヨードニ
ウム有機ホウ素錯体は、その分子内に2つのフリーラジ
カル発生源を有するために、効果的にフリーラジカルを
発生し、感度特性の格段の向上を図ることが可能になっ
たものと推察される。また、高分子化合物(A)を使用
することによって、化学的安定性や耐環境特性に優れ、
且つ透明性や感度特性に優れた体積位相型ホログラムを
製造することが可能になったと推量される。
【0040】また一方では、該ホログラム記録用媒体を
用いた体積位相型ホログラム記録において、該記録媒体
に輻射線の干渉パターン露出すると、該輻射線露出部位
中、干渉作用の強い部位においては、重合可能なエチレ
ン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物
(B)の重合反応が生じ、支持体としての高分子化合物
(A)と共に網目構造を形成し、次の膨潤処理工程にて
使用される溶媒に対し不溶となる。一方、輻射線露出部
位中、干渉作用の弱い部位においては、化合物(B)の
重合反応が生じないか、あるいは、重合度が低いため、
該膨潤処理用溶媒によって、化合物(B)が溶解し該記
録媒体中から除去されると共に、該記録媒体は膨潤す
る。これにより両部位における密度差が形成され、その
結果屈折率差を生じホログラム記録がおこなわれるもの
と推量される。この作用は、該記録媒体に対する溶解性
および膨潤性に乏しい第2の溶媒に接触せしめることに
よって顕著に増幅され、且つまた、該記録媒体の膜厚を
膨潤処理前の膜厚に戻す作用と相まって、高い回折効率
およびプレイバック波長再現性に優れた体積位相型ホロ
グラムを提供するに至ったものと考えられる。
【0041】
【実施例】以下実施例に基づき、本発明をより詳細に説
明する。以下の各例において、部は特に断わりのない限
り重量部を表わす。 実施例1 ポリメタクリル酸メチル(アルドリッチ社製、重量平均
分子量71万)を100部、イソシアヌル酸エチレンオ
キサイド変性トリアクリレート(商品名“アロニックス
M−315”、東亜合成化学工業(株))を70部、
3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)(化合物a)を2.5部、ジフェニルヨードニウム
−n−ブチルトリフェニルボレート(化合物i)を5
部、ジオキサンを900部からなる感光液を100×1
25×3mmのガラス板上に、感光液乾燥後の膜厚が6
μmとなるように3ミルアプリケーターを用いて塗布
し、60℃オーブン中にて20分間乾燥させた。さら
に、ポリビニルアルコール(アルドリッチ社製、鹸化度
99%以上)水溶液をホログラム記録用感光膜の上に塗
布し、体積位相型ホログラム記録用媒体を作成した。
【0042】この媒体に、図1に示す体積位相型ホログ
ラム製造用光学系で、Arイオンレーザーの488nm
光を用いて体積位相型ホログラム記録を施した後、キシ
レンに1分間浸漬し感光層を現像および膨潤処理し、ヘ
プタンに30秒間浸漬し収縮処理させ、体積位相型型ホ
ログラムを製造した。回折効率は、日本分光工業(株)
製ART25C型分光光度計で測定した。該装置は、幅
3mmのスリットを有したフォトマルチメータを、試料
を中心にした半径20cmの円周上に設置できる。幅
0.3mmの単色光を試料に45度の角度で入射し、試
料からの回折光を検出した。正反射光以外で最も大きな
値と、試料を置かず直接入射光を受光したときの値との
比を回折効率とした。2mJ/cm2 の露光量にて、プ
レイバック波長が480nm、回折効率が70%、60
0nmにおける透過率が92%の体積位相型ホログラム
が製造された。この体積位相型ホログラムを25℃、6
0%RHの環境下に180日間放置しても回折効率の低
下は認められなかった。なお図1は、体積位相型ホログ
ラム製造用の二光束レーザー露光装置のブロック図であ
る。図中、1はレーザー光源、2はミラー、3はレン
ズ、4はスペーシャルフィルター、5は基材(ガラス
板)、6はホログラム感光膜、7は保護膜(ポリビニル
アルコール膜)を示す。
【0043】実施例2〜8 実施例1における3,3’−カルボニルビス(7−ジエ
チルアミノクマリン)を表1に示した化合物(b)〜
(h)のケトクマリン類に変えた他は実施例1と同様の
操作で体積位相型ホログラムの作製を行なった時の結果
を表1に示した。尚、実施例7、8では、ヘリウムカド
ミウムレーザ441nm光を用いた。得られたホログラ
ム特性を表1にまとめて示した。
【0044】実施例9 実施例1において、ジフェニルヨードニウム−n−ブチ
ルトリフェニルボレート(化合物i)をビス(p−te
rt−ブチルフェニル)ヨードニウム−n−ブチルトリ
フェニルボレート(化合物h)に変えた他は実施例1と
同様の方法で操作し、体積位相型ホログラムを作製し
た。得られたホログラム特性を表1に示した。
【0045】実施例10 実施例1において、ジフェニルヨードニウム−n−ブチ
ルトリフェニルボレート(化合物i)をビス(p−シア
ノフェニル)ヨードニウム−sec−ブチルトリフェニ
ルボレート(化合物k)に変えた他は実施例1と同様の
方法で操作し、体積位相型ホログラムを作製した。得ら
れたホログラム特性を表1に示した。
【0046】実施例11 実施例1におけるポリメタクリル酸メチルを、ポリメタ
クリル酸イソボルニルに変え、他は実施例1と同様の方
法で操作したときのホログラム特性結果を表1に示し
た。
【0047】実施例12 実施例1におけるポリメタクリル酸メチルを、ポリメタ
クリル酸フェロセニルメチルに変え、他は実施例1と同
様の方法で操作したときのホログラム特性結果を表1に
示した。尚、ポリメタクリル酸フェロセニルメチルは、
C.U.Pittmanらの「Macromolecu
les」誌の第3巻第746頁(1970年)に記載の
方法にて得る事ができる。
【0048】実施例13 実施例1におけるポリメタクリル酸メチルを、ポリメタ
クリル酸ベンジルに変え、他は実施例1と同様の方法で
操作したときのホログラム特性結果を表1に示した。
【0049】実施例14 実施例1におけるポリメタクリル酸メチルを、ポリアク
リル酸トリメトキシシリルプロピルに変え、他は実施例
1と同様の方法で操作したときのホログラム特性結果を
表1に示した。
【0050】実施例15 実施例1におけるポリメタクリル酸メチルを、ポリメタ
クリル酸メチルとスチレンの共重合体(モル比で7:
3)に変え、他は実施例1と同様の方法で操作したとき
のホログラム特性結果を表1に示した。
【0051】実施例16 実施例1において、Arイオンレーザー光による体積位
相型ホログラム記録を施す前に、該記録媒体を100℃
の熱風乾燥器中にて1時間予備硬化処理を施し、次いで
実施例1と同様の方法で操作した時に製造される体積位
相型ホログラムの600nmにおける透過率は96%
と、透明性がさらに向上した。その他のホログラム特性
を表1に示した。
【0052】実施例17 実施例16において、予備硬化処理方法として、該記録
媒体をXeランプから放射される白色光に3秒間露出す
る予備硬化処理をした後に、次いで実施例1と同様の方
法で操作した時に製造される体積位相型ホログラムの6
00nmにおける透過率は98%と、透明性がさらに向
上した。その他のホログラム特性結果を表1に示した。
【0053】比較例1 実施例1において、該記録媒体をArイオンレーザーの
干渉パターンに露出しただけでは体積位相型ホログラム
を製造することはできなかった。
【0054】比較例2 実施例1において、ジフェニルヨードニウム−n−ブチ
ルトリフェニルボレート錯体(化合物i)をジフェニル
ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートに変えた他は
実施例1と同様の操作によって体積位相型ホログラムの
製造を行うと、回折効率70%、プレイバック波長48
0nm、600nmにおける透過率92%および25
℃、60%RHにおける保存安定性が180日以上と、
ホログラム特性に優れた体積位相型ホログラムを製造す
ることができるが、感度特性は10mJ/cm2 と、実
施例1に比べ約1/3劣っていた。
【0055】比較例3 実施例1におけるメタクリル酸メチルをポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、また現像用膨潤溶媒をトルエンとキシ
レンの容量比で1対1の混合溶媒に変えた以外は実施例
1と同様に操作して、ホログラム記録を行なった。露光
量30mJ/cm2 で体積位相型ホログラムの製造は可
能であったが、その回折効率は10%であり、また透過
率が可視光領域全般において70%と、透明性に劣って
いた。
【0056】比較例4 実施例1におけるメタクリル酸メチルをポリ−N−ビニ
ルピロリドン、また現像用膨潤溶媒を酢酸エチルに変え
た以外は実施例1と同様に操作して、ホログラム記録を
行なった。露光量10mJ/cm2 で、回折効率60%
の体積位相型ホログラムの製造が可能であったが、ポリ
−N−ビニルピロリドンが水溶性であるために、一日放
置後、ホログラムの回折効率は10%に低下した。
【0057】比較例5 実施例1におけるポリメタクリル酸メチルをポリスチレ
ンに、また現像および膨潤溶媒をトルエンに変えた以外
は実施例1と同様に操作したが、膜は白化し、体積位相
型ホログラムの製造はできなかった。
【0058】 表1 実施例 記録波長 露光量 回折効率 (nm) (mJ/cm2 ) (%) 1 488 2 70 2 488 4 65 3 488 2 70 4 488 2 70 5 488 5 70 6 488 3 75 7 441 8 60 8 441 8 65 9 488 3 70 10 488 2 75 11 488 2 70 12 488 4 80 13 488 2 75 14 488 4 65 15 488 2 70 16 488 1 60 17 488 1 60
【0059】 表1(続) 実施例 プレイバック 透過率* 保存性** 波長(nm) (%) (日) 1 480 92 >180 2 480 92 >180 3 480 92 >180 4 490 92 >180 5 483 92 >180 6 480 92 >180 7 450 92 >180 8 445 92 >180 9 483 92 >180 10 490 92 >180 11 485 92 >180 12 490 92 >180 13 480 92 >180 14 490 92 >180 15 485 92 >180 16 490 96 >180 17 488 98 >180 * 600nmにおける透過率 **25℃、60%RH保存下における耐久性。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、10mJ/cm2 以下
の少ない露光エネルギーで、化学的安定性や耐環境特性
に優れ、かつ高解像度、高回折効率、高透明性を有する
体積位相型ホログラムを提供できるホログラム記録媒
体、および上記特性を有する体積位相型ホログラムの製
造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、体積位相型ホログラム製造用の二光束
レーザー露光装置のブロック図を示す。
【符号の説明】
1:レーザー光源 2:ミラー 3:レンズ 4:スペーシャルフィルター 5:基材(ガラス板) 6:ホログラム感光膜 7:保護膜(ポリビニルアルコール膜)
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/028 7/033 7/11 501 7/26 7124−2H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸エステルまたはメタクリル酸
    エステルの単一重合体、またはアクリル酸エステルもし
    くはメタクリル酸エステルとビニルモノマーとの2成分
    以上の共重合体である高分子化合物(A)、重合可能な
    エチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合
    物(B)、3−ケトクマリン類(C)およびジアリール
    ヨードニウム有機ホウ素錯体(D)からなるホログラム
    記録用感光材料が、光学的に透明な基材と、光学的に透
    明な保護膜に挟まれて感光膜を形成していることを特徴
    とするホログラム記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のホログラム記録媒体を輻
    射線の干渉パターンに露出し、ホログラム記録用感光材
    料を重合、硬化する第1の工程、該記録媒体から未重合
    の物質を除去し、かつ該記録媒体中の高分子化合物
    (A)を膨潤せしめる溶媒で処理する第2の工程、さら
    に該記録媒体中の高分子化合物(A)に対する溶解性お
    よび膨潤性に乏しい溶媒に、該記録媒体を接触せしめる
    第3の工程を具備してなることを特徴とする体積位相型
    ホログラムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ホログラム記録媒体を輻射線による
    干渉パターンに露出する前に、紫外線、可視光線、電子
    線などの活性線への露出、および/または加熱処理によ
    ってホログラム記録用感光材料を予備硬化することを特
    徴とする特許請求項2記載の体積位相型ホログラムの製
    造方法。
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