JPH07261643A - ホログラム記録用材料およびホログラム記録用媒体 - Google Patents

ホログラム記録用材料およびホログラム記録用媒体

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JPH07261643A
JPH07261643A JP5544994A JP5544994A JPH07261643A JP H07261643 A JPH07261643 A JP H07261643A JP 5544994 A JP5544994 A JP 5544994A JP 5544994 A JP5544994 A JP 5544994A JP H07261643 A JPH07261643 A JP H07261643A
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JP
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polyester resin
hologram recording
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hologram
monomer
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JP5544994A
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Takeo Yamaguchi
岳男 山口
Yoshinori Kano
美紀 鹿野
Yasumasa Toba
泰正 鳥羽
Madoka Yasuike
円 安池
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】化学的安定性や耐環境特性に優れ、高感度、高
回折効率、高透明性および高解像度な特性を有するホロ
グラム記録用材料およびホログラム記録用媒体を提供す
る。 【構成】重量平均分子量が1000以上30000以下
であり、かつ、その少なくとも1重量%は、側鎖または
末端に(メタ)アクリル基を有するポリエステル樹脂
(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
1個以上有し、分子量が1000以下のモノマー
(B)、光増感色素(C)、および重合開始剤(D)か
らなるホログラム記録用材料と、該記録材料を基材上に
膜形成せしめるホログラム記録用媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学的安定性や耐環境
特性に優れ、かつ解像度、回折効率および透明性などの
ホログラム特性に優れたホログラム記録用材料およびホ
ログラム記録用媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ホログラム記録用材料として、漂
白処理銀塩および重クロム酸ゼラチン系の感光材料が一
般に使用されてきた。しかし、これらのホログラム記録
用媒体によるホログラムの製造は、いずれも感光板の製
作方法、ホログラム製造のための処理が煩雑であった
り、製造されたホログラムが耐環境特性、例えば、耐湿
性、耐候性に劣る、また解像度に限界があるなどの問題
点を有していた。かかる問題を解決するために、耐環境
特性に優れ、かつ高解像度、高回折効率などのホログラ
ムの有すべき特性を備えた体積位相型ホログラムの製造
方法として、光重合性のフォトポリマーを利用した例が
知られている。例えば、特公昭62−22152号公報
では、担体となるべき重合体に光重合性物質である2個
以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体を分
散せしめた感材を、輻射線の干渉パターンに露出する第
1の工程、該感材を第1の溶剤で処理し該感材を膨潤せ
しめる第2の工程、膨潤作用の乏しい第2の溶剤で処理
し該感材を収縮せしめる第3の工程とを具備してなるこ
とを特徴とする湿式現像方式によるホログラム製造方法
が開示されている。
【0003】しかし、上記技術では充分な回折効率を有
するホログラムを製造するためには、50mJ/cm2
以上の露光エネルギーを必要とし、ホログラムの大量複
製や大型ホログラムの製造において、一層の感度特性の
向上が望まれていた。また、感材を第1の溶剤で処理し
感材を膨潤せしめ、さらに、膨潤作用の乏しい第2の溶
剤で処理し該感材を収縮せしめる工程により、2個以上
のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体または担
体の抽出などによるボイドの生成や変形が原因と思われ
るホログラムの透明性の低下が問題となっていた。ま
た、使用される重合体が非架橋であるために、硬化膜の
強度に劣るという欠点があった。
【0004】一方、ホログラムの製造工程において湿式
現像処理工程を必要としない、唯一の処理工程として干
渉露光のみでホログラムを製造することが可能なフォト
ポリマーを使ったホログラム記録用材料および製造方法
が開示されている。例えば、特開平2−3081号公報
あるいは特開平2−3082号公報においては、ポリマ
ーあるいはモノマーのどちらか一方が芳香環あるいはハ
ロゲン原子を含む置換基を有することを特徴とする熱可
塑性ポリマー、液体エチレン性モノマーおよび光開始剤
からなるホログラム記録用光重合性組成物が開示されて
いる。この公知技術に従えば、高回折効率、高解像度、
耐環境性および透明性に優れたホログラムが製造される
が、例示のポリマーでは硬化膜の強度に劣り、例えば、
耐熱性を付与するためのモノマーが制約される問題点が
あった。
【0005】また、不飽和ポリエステルをバインダーと
するホログラムとしては、アプライド・オプティクス
(Appl.Opt.)、15巻、1261ページ(1
976年)に、プロピレングリコールとマレイン酸とフ
タル酸からなる不飽和ポリエステルと、スチレンの混合
物よりホログラムを作成した記載がある。しかし、この
公知技術では、高回折効率のホログラムは得られず、ま
た、使用された不飽和ポリエステルは、高温による脱水
縮合により得られるために、(メタ)アクリル基を有す
るような反応性の高いエチレン性不飽和結合を有する不
飽和ポリエステルにはなり得ない欠点を有していた。そ
のために、耐熱性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、解像度、回
折効率、透明性、耐環境特性、化学的安定性に優れ、か
つ硬化膜の強度に優れたホログラム記録用材料およびホ
ログラム記録用媒体を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に至ったもので
ある。即ち、本発明は、重量平均分子量が1000以上
30000以下であり、かつ、その少なくとも1重量%
は、側鎖または末端に(メタ)アクリル基を有するポリ
エステル樹脂(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合
を少なくとも1個以上有し、分子量が1000以下のモ
ノマー(B)、光増感色素(C)、および重合開始剤
(D)からなるホログラム記録用材料に関する。更に本
発明は、ポリエステル樹脂(A)が、環状酸無水物およ
び(メタ)アクリル基含有エポキシドを少なくとも含有
するエポキシドを主たるモノマー成分として重合してな
る上記ホログラム記録用材料に関する。
【0008】更に本発明は、ポリエステル樹脂(A)
が、環状酸無水物とエポキシドを主たるモノマー成分と
し、さらに(メタ)アクリル基と水酸基とを共に有する
化合物を添加して重合してなるポリエステル樹脂である
上記ホログラム記録用材料に関する。更に本発明、モノ
マー(B)がハロゲン原子を含むモノマーである上記ホ
ログラム記録用材料に関する。更に本発明は、上記ホロ
グラム記録用材料を基材上に膜形成してなるホログラム
記録用媒体に関する。
【0009】以下、詳細にわたって本発明を説明する。
本発明において使用されるポリエステル樹脂(A)は、
環状酸無水物(ア)およびエポキシド(イ)を主原料と
して得られるポリエステル樹脂であり、例えば、特開昭
61−126128号公報記載の製造方法で、酢酸エチ
ル溶媒中での還流程度の比較的低温で製造される。本発
明におけるポリエステル樹脂(A)を得る際には、初期
反応の円滑な進行と生成するポリエステル樹脂(A)の
分子量の調整のために、水酸基または一級、二級、三級
アミノ基など、反応の起点となる官能基を有する化合物
を用いることが好ましい。この中でも、原料および生成
物の性状や反応時の管理のしやすさなどから、一般的に
は水酸基を有する化合物を用いるのが好ましい。
【0010】水酸基を有する化合物としてはメタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、
ヘキサノールなどの脂肪族飽和アルコール、アリルアル
コール、クロチルアルコール、プロパギルアルコールな
どの脂肪族不飽和アルコール、シクロペンタノール、シ
クロヘキサノールなどの脂環式アルコール、ベンジルア
ルコール、シンナミルアルコールなどの芳香族アルコー
ル、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルア
ルコールなどの複素環アルコール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコー
ル、ブテンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサ
ンジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール
などのジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン
などのトリオール、フェノール、o−クレゾール、m−
クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類などの
アルコール性またはフェノール性の水酸基を有する化合
物であればよい。
【0011】しかしこの中でも、前出のジオールや、2
−ヒドロキシ−n−酪酸、3−ヒドロキシ−n−酪酸、
p−ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシピバリン酸、サリ
チル酸、バニリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸な
どのカルボキシル基と水酸基を同時に有する化合物、あ
るいはエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノー
ル、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p
−アミノフェノールなどのアミノ基と水酸基を同時に有
する化合物、あるいは、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−
メチロールアクリルアミドなどのような、(メタ)アク
リル基と水酸基を同時に有する化合物など、2つ以上の
官能基を有する化合物が好ましい。本発明において環状
酸無水物(ア)としては多価カルボン酸の分子内無水物
であり、飽和または不飽和の脂肪族多価カルボン酸無水
物、脂環式多価カルボン酸無水物、芳香族多価カルボン
酸無水物など、あるいはこれらの一部が飽和または不飽
和の炭化水素基、芳香環基、ハロゲン原子、複素環基な
どで置換されたものがあり、これらの具体例としては、
無水こはく酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水ド
デセニルこはく酸、無水クロレンデック酸、無水ピロメ
リット酸、無水トリメリット酸、シクロペンタンテトラ
カルボン酸二無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチ
ルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレ
イン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル
酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロキシフリル)
−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸無水物、無水メチルナジック酸、無水ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、グリセロールトリス(アンヒドロ
トリメリテート)、エチレングリコールビス(アンヒド
ロトリメリテート)などがある。これらの中でも、架橋
構造を作らないジカルボン酸またはトリカルボン酸の無
水物を用いることが好ましい。
【0012】本発明において、エポキシド(イ)として
は、エピクロルヒドリン、フェニルグリシジルエーテ
ル、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、
ブテンオキサイド、グリシジル(メタ)アクリレート、
グリシジルシンナメート、アリルグリシジルエーテル、
ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、1,3−ブタ
ジエンモノエポキサイドなどがあり、これらは飽和もし
くは不飽和の炭化水素基、芳香環基、ハロゲン原子、複
素環基などで置換されていてもよい。上記水酸基を有す
る化合物、環状酸無水物(ア)およびエポキシド(イ)
の中のそれぞれ1種または2種以上を反応させて、ポリ
エステル樹脂(A)が得られる。反応は、適当な溶媒の
存在下あるいは非存在下、N,N−ジメチルベンジルア
ミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−
ジエチルアニリン、N,N−ジメチルアニリンなどの三
級アミンなどを必要に応じて触媒として用い、エチレン
性不飽和基を持つ化合物を用いる場合には、その保護の
ために、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル、tert−ブチルカテコール、p−ベンゾキノ
ンなどのラジカル重合禁止剤を添加した状態で行なうこ
とができる。
【0013】反応は、水酸基を有する化合物の水酸基
と、環状酸無水物(ア)の酸無水物基とが先ず優先的に
反応し、次いで、この反応により生じたカルボキシル基
とエポキシド(イ)のエポキシ基とが反応し、二級の水
酸基を生じる。さらに、生じた水酸基と環状酸無水物
(ア)の酸無水物基とが反応するというように、以下、
順次、上記と同様の反応を進行させることができる。こ
の反応において、水酸基を有する化合物モノマーの量に
対して反応させられる環状酸無水物(ア)およびエポキ
シド(イ)の量を調整することにより、水酸基を有する
化合物モノマーを末端とする、所望の長さのポリエステ
ル樹脂(A)をつくることができるそれぞれの化合物の
割合は、特に限定はないが、環状酸無水物(ア)がジカ
ルボン酸無水物である場合には, 水酸基を有する化合物
1モルに対して環状酸無水物(ア)10〜1000モ
ル、およびエポキシド(イ)10〜1000モルの割合
で、また、環状酸無水物(ア)とエポキシド(イ)とは
ほぼ等モルの割合で反応させることが好ましい。環状酸
無水物(ア)がトリカルボン酸である場合には、水酸基
を有する化合物1モルに対して環状酸無水物(ア)10
〜1000モルおよびエポキシド(イ)10〜2000
モルの割合で、また、環状酸無水物(ア)1モルに対し
てエポキシド(イ)をほぼ1〜2モルの割合で反応させ
ることが好ましい。
【0014】水酸基を有する化合物1モルに対して反応
させられる環状酸無水物(ア)またはエポキシド(イ)
の量が10モル未満の場合には、得られるポリエステル
樹脂(A)の分子量が低く、ホログラムの耐熱性が悪く
なる。逆に、環状酸無水物(ア)またはエポキシド
(イ)の量が2000モルを超える場合には、反応のコ
ントロールが難しくなり、所期の分子量のものは得られ
なくなる傾向がある。得られるポリエステル樹脂(A)
の重量平均分子量が1000未満であると、製造される
ホログラムの耐熱性が悪くなる。逆に、ポリエステル樹
脂(A)の重量平均分子量が20000、特に3000
0より大であるときは、モノマー(B)の拡散が妨げら
れて、ホログラム形成に充分な屈折率差が生じなくな
る。
【0015】ここで得られるポリエステル樹脂(A)は
前記のように、水酸基を有する化合物、環状酸無水物
(ア)、エポキシド(イ)についてそれぞれ多種の化合
物を原料として用いることができる上に、その割合を変
えることで比較的分子量の揃った任意の長さのものをつ
くることができる。また、それぞれの化合物について2
種以上のものを混ぜて用いることもできる。また、2種
以上のポリエステル樹脂を混ぜて用いることもできる。
また、ポリエステル樹脂(A)の少なくとも1重量%以
上は、側鎖または末端に(メタ)アクリル基を有するポ
リエステル樹脂である必要がある。側鎖または末端に
(メタ)アクリル基を有するポリエステル樹脂がポリエ
ステル樹脂(A)の1重量%未満である場合は、(メ
タ)アクリル基の架橋による耐熱性向上の効果が見られ
なくなる。
【0016】側鎖または末端に(メタ)アクリル基を有
するポリエステル樹脂は、例えば、前記、水酸基を有す
る化合物として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートのような水酸基と(メタ)アクリル基を同時に有
するような化合物を用いる。あるいは、環状酸無水物
(ア)として、無水トリメリット酸モノ(メタ)アクリ
レートのような、(メタ)アクリル基を有する環状酸無
水物を用いる。あるいは、エポキシド(イ)として、グ
リシジル(メタ)アクリレートのような、(メタ)アク
リル基を有するエポキシドを用いる方法が挙げられる。
次に、本発明において使用される重合可能なエチレン性
不飽和結合を少なくとも1個有し、分子量が1000以
下、好ましくは800以下であるモノマー(B)として
は、1官能であるビニルモノマー、例えば、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシル、2
−メチルブチル、3−メチルブチル、2−エチルブチ
ル、1,3−ジメチルブチル、2−エチルヘキシル、2
−メチルペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、イ
ソボルニル、ジシクロペンタニル、テトラヒドロフルフ
リールなどの鎖状、分岐状または環状アルキルのアクリ
ル酸またはメタクリル酸エステル、フェニル、4−メト
キシカルボニルフェニル、4−エトキシカルボニルフェ
ニル、4−ブトキシカルボニルフェニル、4−tert
−ブチルフェニル、ベンジル、4−フェニルエチル、4
−フェノキシジエチレングリコール、4−フェノキシテ
トラエチレングリコール、4−フェノキシヘキサエチレ
ングリコール、4−ビフェニリルなどの芳香環を含有す
るアクリル酸またはメタクリル酸エステル、フェロセニ
ルメチル、フェロセニルエチルなどの鉄原子を含有する
アクリル酸またはメタクリル酸エステル、トリフルオロ
エチル、テトラフロオロプロピル、ヘプタデカフルオロ
デシル、オクタフルオロペンチル、2,3−ジブロモプ
ロピルなどのハロゲン原子を含有するアクリル酸または
メタクリル酸エステル、トリメトキシシリルプロピルな
どのケイ素原子を含有するアクリル酸またはメタクリル
酸エステル、グリシジルアクリレートやグリシジルメタ
クリレートなどのエポキシ基を含有するアクリル酸また
はメタクリル酸エステル、N,N−ジメチルアミノエチ
ル、N,N−ジエチルアミノエチル、N−tert−ブ
チルアミノエチルなどのアミノ基を含有するアクリル酸
またはメタクリル酸エステルなどが挙げられる。さらに
は、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,10−デカンジオール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、マンニトールなどのジあるいはポリ
(メタ)アクリル酸エステル類、芳香族ポリヒドロキシ
化合物、例えば、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコー
ル、ピロガロールなどのジあるいはポリ(メタ)アクリ
ルエステル、イソシアヌル酸のエチレンオキシド変性
(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0017】また、ブタジエン、イソプレン、アクリル
アミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、4−ブ
ロモスチレン、パーフルオロスチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバ
ゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリジン、無水マレ
イン酸、ジアリルフタレートなどの分子量が1000以
下、好ましくは800以下のビニルモノマーが挙げられ
る。分子量が800以上、特に1000以上であると、
モノマー(B)の拡散速度が減少して、ホログラム形成
に充分な屈折率差が生じなくなる。これらのモノマー
は、2種以上用いてもよい。
【0018】また、モノマー(B)の屈折率は、ポリエ
ステル樹脂(A)の屈折率と比べ、0.005以上の差
があることが好ましい。このような屈折率差を生じさせ
るための好ましい手段はポリエステル樹脂(A)を低屈
折率のモノマー成分で構成し、モノマー(B)をハロゲ
ン原子を含む高屈折率モノマーとすることである。ま
た、本発明で使用される光増感色素(C)の具体例とし
ては、カルコン誘導体やジベンザルアセトンなどに代表
される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノンな
どに代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘
導体、フルオレノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アン
トラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン
誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、ク
マリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、
メロシアニン誘導体、オキソノール誘導体、スチリル誘
導体、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導
体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘
導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポ
ルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導
体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン
誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナ
フタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリ
ウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、
スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオス
ピロピラン誘導体、有機ルテニウム錯体などが挙げられ
る。また、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(19
86年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化
学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、
「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載
の色素および増感剤など、照射する輻射線の波長に吸収
がある化合物が挙げられる。光増感色素(C)は、2種
以上用いてもよい。
【0019】また、本発明で使用される重合開始剤
(D)としては、以下に示す化合物が例示できる。例え
ば、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、
2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロ−3,4−
フラン酸(イミダゾールトリオン)などの環状シス−α
−ジカルボニル化合物、ベンゾフェノン、ジアセチル、
ベンジル、ミヒラーズケトン、ジエトキシアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのケト
ン類、ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチル
パーオキシドなどの過酸化物、アリールジアゾニウムな
どのジアゾニウム塩、N−フェニルグリシンなどの芳香
族カルボン酸、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジ
エチルチオキサンテンなどのキサンテン類、ジアリール
ヨードニウム塩、スルホニウム塩、トリフェニルアルキ
ルホウ酸塩、金属アレーン錯体、ビスイミダゾール類、
ポリハロゲン化合物、フェニルイソオキサゾロン、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなど
があげられる。重合開始剤(D)は、2種以上用いても
よい。
【0020】好ましい重合開始剤としては、英国特許1
388492号および特開昭53−133428号公報
記載のトリス(トリクロロメチル)ー2、4、6ートリ
アジンなどの2、4、6−置換トリアジン化合物、特開
昭59−189340号公報および特開昭60−765
03号公報記載の3,3’−4,4’−テトラ(ter
t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンなど
の有機過酸化物、特開平1−54440号、ヨーロッパ
特許第109851号、ヨーロッパ特許第126712
号および「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエン
ス(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(198
6年)記載の金属アレーン錯体、ジフェニルヨードニウ
ムヘキサフルオロホスフェート、ジ(p−トリル)ヨー
ドニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨー
ドニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのジアリー
ルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフ
ルオロホスフェート、ジフェニルフェナシルスルホニウ
ムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチルフェナシル
スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジル−
4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフル
オロアンチモネートなどのスルホニウム塩、テトラフェ
ニルオキソスルホニウムヘキサフルオロホスフェートな
どのオキソスルホニウム塩、特開平3−704号公報記
載のジフェニルヨードニウム(n−ブチル)トリフェニ
ルボレートなどのヨードニウム有機ホウ素錯体、特願平
4−89535号記載のジフェニルフェナシルスルホニ
ウム(n−ブチル)トリフェニルボレート、特願平4−
56831号記載のジメチルフェナシルスルホニウム
(n−ブチル)トリフェニルボレートなどのスルホニウ
ム有機ホウ素錯体などが挙げられる。
【0021】光増感色素(C)と重合開始剤(D)の組
合せの選択は、輻射線の波長と、光増感色素(C)の光
励起後の重合開始剤(D)との間での電子またはエネル
ギー移動の効率の良さに依存する。本発明のホログラム
記録用材料は、ポリエステル樹脂(A)、重合可能なエ
チレン性不飽和結合を少なくとも1個有し、分子量が1
000未満であるモノマー(B)、光増感色素(C)お
よび重合開始剤(D)からなるホログラム記録用材料を
適当な溶剤中に溶解させ、得られた感光液を光学的に透
明な基材上、あるいは光学的に透明な保護膜上に皮膜状
に塗布して形成される。塗布される厚みは、乾燥後の膜
厚は、3μmから100μmとすることが好ましく、7
μmから50μmの範囲がより好ましい。上記各成分比
に特定の制限はないが、輻射線の透過率が1%以上にす
るように、光増感色素(C)の濃度を調整することが好
ましい。さらに必要に応じて、各種の添加剤、例えば、
可塑剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤、光重合助剤、レベ
リング剤などを添加してもよい。
【0022】ポリエステル樹脂(A)の全感光材料中に
占める量は、高回折効率を有するホログラム記録を行な
うためには、10〜90重量%、好ましくは、30〜7
0重量%である。重合可能なエチレン性不飽和結合を少
なくとも1個有し、分子量が1000未満であるモノマ
ー(B)の使用量は、支持体であるポリエステル樹脂
(A)100重量部に対し10〜200重量部、好まし
くは40〜150重量部である。上記範囲を逸脱すると
高い回折効率の維持および感度特性の向上が困難となる
ので好ましくない。本発明で使用の光増感色素(C)
は、ポリエステル樹脂(A)100重量部に対し、0.
05〜30重量部、好ましくは、0.1〜15重量部の
範囲で使用される。使用量は、感光層膜厚と、該膜厚の
光学密度によって制限を受ける。即ち、光学密度が2を
越さない範囲で使用することが好ましい。
【0023】また、重合開始剤(D)は、ポリエステル
樹脂(A)100重量部に対し、0.1〜20重量部、
好ましくは1〜15重量部の範囲で使用される。本発明
のホログラム記録用材料は、粘度調整または感光膜表面
の粘着性の低下を目的として、充填剤を使用できる。こ
のような充填剤としては、ポリ酢酸ビニル、ポリメタル
クリル酸メチル、ポリスチレンなどの高分子重合体が好
ましい。これらの充填剤は、ポリエステル樹脂(A)1
00重量部に対して100重量部以下で使用すること好
ましい。更に、重合禁止剤、可塑剤、レベリング剤、紫
外線吸収剤、帯電防止剤などの添加剤と混合して使用し
ても良い。
【0024】また、ポリエステル樹脂(A)、モノマー
(B)の重合物、または、充填剤である高分子重合体な
どの活性水素と架橋反応をおこしうる、トルエンジイソ
シアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジ
イソシアノメチルノルボルナンなどの2官能のイソシア
ネート、コロネートLなどの多官能イソシアネート、多
官能ケテン、多官能エチレンイミン、多官能エチレンウ
レタン、多官能エポキシドなどの化合物を添加すると、
架橋剤の架橋による耐熱性の向上が見られ、さらに、好
ましい。また、さらに、多官能架橋剤の開環架橋反応を
助長すべく、アミン類などの架橋反応助剤を添加しても
よい。
【0025】本発明のホログラム記録用媒体は、上記の
ような組成比のホログラム記録用感光材料を適当な溶剤
に溶解させる、または、無溶剤のまま混合した感光液を
スピンコーター、ロールコーターまたはバーコーターな
どを用いることによって、光学的に透明な基材上に感光
膜を形成させて得る。光学的に透明な基材としては、ガ
ラス板、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレー
ト板またはポリエステルフィルムなどが挙げられる。さ
らに、感光膜上に、酸素遮断のための保護層を形成して
もよい。保護層は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールまたはポリ
エチレンテレフタレートなどプラスチックやガラスなど
の光学的透明なものを、静電的な密着法、押し出し機を
用いた積層、あるいは、溶液状態での塗工などで貼り合
わせる。また、光学的に透明な保護層の上に感光膜を形
成し、その後、光学的に透明な基材と積層させることに
より、光学的に透明な基材上に感光層を形成させてもよ
い。また、貼り合わせの時に保護層と感光膜の間また
は、基材と感光膜の間に、気密性を高めるために粘着剤
または液状物質を存在させてもよい。
【0026】また、第1図のような一光束の光学系で該
ホログラム記録用媒体を、輻射線の干渉パターンに露出
するときは、該ホログラム記録用媒体を、鏡あるいはマ
スターホログラムなどよりなる反射層に直接、張り合わ
せてもよい。また、感光膜に流動性がある場合には、流
動性を減少させるために、ホログラム露光の前に光また
は熱の処理を行なってもよい。次に、本発明のホログラ
ムの製造方法について説明する。すなわち、前記のホロ
グラム記録用媒体は、振動の影響を受けないようホルダ
ーなどに固定したのち、アルゴンイオンレーザ、ヘリウ
ムネオンレーザ、クリプトンイオンレーザ、ルビーレー
ザなどから発振される輻射線の干渉パターンを露出する
工程に処する。第2図に光学系の一例を示す。
【0027】ホログラム記録用媒体は、ホログラム媒体
の膜の硬度の調整、あるいは、撮影後の未露光部分また
は露光量の少ない部分の定着などを目的として、ホログ
ラム撮影の前または後に、熱による処理を行なっても良
い。熱は、40℃から160℃の間で加熱するのが好ま
しい。熱源に特に限定はないが、一般的には熱循環式オ
ーブンあるいは加熱ロールが好適に用いられる。また、
未反応の重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
1個有し、分子量が1000未満であるモノマー(B)
の定着のために、ホログラム記録後に、加熱処理の前ま
たは後に、紫外光または可視光による全面露光すること
が好ましい。光源に特に限定はなく、水銀ランプ、キセ
ノンランプ、蛍光灯、白熱灯、各種レーザなどが好適に
用いられる。
【0028】
【作用】本発明のホログラム記録用感光材料は、ポリエ
ステル樹脂(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を
少なくとも1個有し、分子量が1000未満であるモノ
マー(B)、光増感色素(C)および重合開始剤(D)
からなることを特徴とする。ホログラム記録用媒体を、
輻射線の干渉パターン中に露出した場合、該輻射線露出
部位中、干渉作用の強い部位においては、光増感色素
(C)と重合開始剤(D)の作用により、重合可能なエ
チレン性不飽和結合を少なくとも1個有し、分子量が1
000未満であるモノマー(B)の重合反応が生じ、ポ
リエステル樹脂(A)と共に網目構造を形成する。その
際に、干渉作用の弱い部位にある重合可能なエチレン性
不飽和結合を少なくとも1個有し、分子量が1000未
満であるモノマー(B)は、該輻射線の干渉作用の強い
部位へ拡散し重合する。従って、該輻射線の干渉の強い
部位では、干渉作用の弱い部位に比べ密度が向上し、そ
の結果両部位間に屈折率差が生じホログラムが記録され
る。この時に、ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子
量が1000以上30000以下であり、モノマー
(B)の分子量が1000未満である場合、感光膜が充
分な強度を保持し、かつ、効果的に、モノマー(B)が
ポリエステル樹脂(A)中を拡散するものと推量され
る。また、ポリエステル樹脂(A)の屈折率と、重合可
能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個有し、分子
量が1000未満であるモノマー(B)の屈折率との差
が0.005以上である場合、該輻射線の干渉作用の強
い部位と弱い部位の屈折率差が大きくなり、より高い回
折効率のホログラムが製造されると推量される。
【0029】
【実施例】以下実施例に基づき、本発明をより詳細に説
明する。以下の各例において、部は特に断わりのない限
り重量部を表わす。 ポリエステル樹脂(A)の合成 ポリエステル樹脂1 p−ヒドロキシ安息香酸 4.3部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 48.6部 グリシジルメタクリレート 4.5部 フェニルグリシジルエーテル 42.6部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.2部 酢酸エチル 25.0部 ポリエステル樹脂2 エチレングリコール 2.0部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 49.7部 グリシジルメタクリレート 0.5部 フェニルグリシジルエーテル 47.9部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.1部 酢酸エチル 25.0部 ポリエステル樹脂3 エチレングリコール 1.9部 4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 51.9部 グリシジルメタクリレート 4.4部 フェニルグリシジルエーテル 41.7部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.2部 酢酸エチル 25.0部 ポリエステル樹脂4 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 3.9部 4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 50.8部 フェニルグリシジルエーテル 45.3部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.1部 酢酸エチル 25.0部 ポリエステル樹脂5 エチレングリコール 2.0部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 49.8部 フェニルグリシジルエーテル 43.6部 グリシジルメタクリレート 4.6部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.1部 酢酸エチル 25.0部 ポリエステル樹脂6 エチレングリコール 6.4部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 47.5部 フェニルグリシジルエーテル 41.7部 グリシジルメタクリレート 4.4部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.1部 酢酸エチル 25.0部 ポリエステル樹脂7 エチレングリコール 0.1部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 50.7部 フェニルグリシジルエーテル 44.5部 グリシジルメタクリレート 4.7部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.1部 ハイドロキノン 0.1部 酢酸エチル 25.0部 ポリエステル樹脂8 エチレングリコール 2.0部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 49.6部 フェニルグリシジルエーテル 48.4部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 酢酸エチル 25.0部 ポリエステル樹脂9 エチレングリコール 2.0部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 50.3部 グリシジルメタクリレート 23.2部 フェニルグリシジルエーテル 24.5部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 酢酸エチル 25.0部 上記組成物をそれぞれ混合し、空気雰囲気中、80℃で
10時間反応させ、冷却後、ジオキサン125部を加え
て、ポリエステル樹脂9種類の溶液(固形分40%)を
得た。 ポリエステル樹脂10 プロピレングリコール 39.5部 無水フタル酸 42.1部 無水マレイン酸 18.4部 上記組成物をそれぞれ混合し、空気雰囲気中、側管付き
フラスコで、200℃で10時間反応させ、ポリエステ
ル樹脂10とした。さらに、酢酸エチル25部、ジオキ
サン125部を加えて溶液とした。これらのポリエステ
ル樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量を第1表に示
す。 第1表 ─────────────────────────
── ポリエステル樹脂 重量平均分子量 ─────────────────────────
── ポリエステル樹脂1 1800 ポリエステル樹脂2 1980 ポリエステル樹脂3 17800 ポリエステル樹脂4 1650 ポリエステル樹脂5 2000 ポリエステル樹脂6 700 ポリエステル樹脂7 33000 ポリエステル樹脂8 2200 ポリエステル樹脂9 2000 ポリエステル樹脂10 1800 ─────────────────────────
── 実施例1 ポリエステル樹脂1溶液(固形分40%) 250部エ
トキシ化トリブロモフェノールアクリレート(商品名5
30−A、新中村化学(株)製) 90部 テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルジ
メタクリレート(大阪有機化学工業(株)製) 10部 化合物(a) 2部 (3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマ
リン))
【0030】
【化1】
【0031】ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホ
スフェート 5部 ヘキサメチレンジイソシアネート 0.02部 ジオキサン 750部 上記からなる感光液を100×125×3mmのガラス
板上に、感光液乾燥後の膜厚が20μmとなるように1
0ミルアプリケーターを用いて塗布し、ホログラム記録
用感光板を作成した。さらに、3ミルアプリケーターで
ポリビニルアルコールの5%水溶液を塗布し、100℃
の熱オーブンで60分加熱した。この感光板に、第2図
に示すホログラム作成用光学系でアルゴンイオンレーザ
488nmの光を用いて干渉パターンに露出した後、1
00℃の熱オーブンで60分加熱した。その結果、露光
量8mJ/cm2で回折効率70%のホログラムが作製
された。また、130℃100時間放置しても、ホログ
ラムに変化はなかった。回折効率は、日本分光工業
(株)製ART25C型分光光度計で測定した。該装置
は、幅3mmのスリットを有したフォトマルチメータ
を、試料を中心にした半径20cmの円周上に設置でき
る。幅0.3mmの単色光を試料に45度の角度で入射
し、試料からの回折光を検出した。正反射光以外で最も
大きな値と、試料を置かず直接入射光を受光したときの
値との比を回折効率とした。 実施例2〜7 実施例1におけるポリエステル樹脂1を第1表に示した
ポリエステル樹脂に変え、また、化合物(a)を、第2
表に示した化合物(b)〜(d)に変え、また、ジフェ
ニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートを、第2
表に示した化合物(e)〜(g)に変え、他は実施例1
と同様の方法で操作したときの回折効率を第3表に示し
た。実施例5では、アルゴンイオンレーザの514nm
を、また、実施例6および7では、ヘリウムネオンレー
ザの633nmの光を使用した。 第2表 ──────────────────────────────────── 実施例 ポリエステル 色素増感剤 重合開始剤 撮影波長 再生波長 樹脂(A) (C) (D) (nm) (nm) ──────────────────────────────────── 2 ポリエステル樹脂2 化合物(b) 化合物(h) 488 485 3 ポリエステル樹脂2 化合物(c) 化合物(i) 488 485 4 ポリエステル樹脂3 化合物(d) 化合物(j) 488 485 5 ポリエステル樹脂3 化合物(e) 化合物(k) 514 510 6 ポリエステル樹脂4 化合物(f) 化合物(l) 633 630 7 ポリエステル樹脂4 化合物(g) 化合物(m) 633 630 ──────────────────────────────────── 第3表 ─────────────────────────────── 実施例 露光量 回折効率 130℃100時間 (mJ/cm2) (%) 後の回折効率(%) ─────────────────────────────── 2 5 70 70 3 3 70 60 4 5 60 60 5 5 65 65 6 10 70 70 7 5 65 65 ───────────────────────────────
【0032】
【化2】
【0033】
【化3】
【0034】実施例8 実施例1におけるヘキサメチレンジイソシアネートを全
く使用しない以外は実施例1と同様に操作して、ホログ
ラム記録を行なった。露光量2mJ/cm2でホログラ
ム記録は可能であり、その回折効率は60%であった。
また、130℃100時間放置しても、ホログラムに変
化がなかった。実施例9 実施例1におけるポリエステル樹脂1溶液のかわりに、
ポリエステル樹脂1の40%溶液125部とポリ酢酸ビ
ニルの40%ジオキサン溶液125部の混合溶液を用
い、他は実施例1と同様に操作して、ホログラム記録行
なった。露光量8mJ/cm2でホログラム記録可能で
あり、その回折効率は75%であった。また、130℃
100時間放置しても、ホログラムの変化がなかった。 実施例10 実施例9におけるポリ酢酸ビニルの代わりに、ポリ酢酸
ビニルの10%鹸化ポリマを用い、他は実施例9と同様
に操作して、ホログラム記録を行なった。露光量8mJ
/cm2 でホログラム記録可能であり、その回折効率は
75%であった。また、130℃100時間放置して
も、ホログラムの変化はなかった。 実施例11および比較例1、2 実施例1におけるポリエステル樹脂1の代わりに、第4
表に示すポリエステル樹脂を用い、他は実施例1と同様
に操作して、ホログラム記録を行なった。結果を第4表
に示す。 第4表 ─────────────────────────────────── 実施例 ポリエステル 回折効率 130℃100時間 樹脂(A) (%) 後の回折効率(%) ─────────────────────────────────── 比較例1 ポリエステル樹脂5 1> 0 11 ポリエステル樹脂6 65 65 比較例2 ポリエステル樹脂7 15 15 ─────────────────────────────────── 実施例12 実施例1におけるポリエステル樹脂1溶液の代わりに、
ポリエステル樹脂8の40%溶液112.5部とポリエ
ステル樹脂9の40%溶液12.5部の混合溶液を用
い、他は、実施例1と同様の操作を行なった。露光量8
mJ/cm2 でホログラム記録可能であり、その回折効
率は65%であり、130℃100時間放置しても回折
効率に変化はなかった。 比較例3 実施例1におけるポリエステル樹脂1の代わりにポリエ
ステル樹脂10を用い、また、他は実施例1と同様に操
作して、ホログラム記録を行なった。露光量10mJ/
cm2 でホログラム記録可能であり、その回折効率は6
0%であったが、130℃100時間放置すると、ホロ
グラムは完全に消失した。
【0035】
【発明の効果】本発明により、高感度で、化学的に安定
であり、かつ高解像度、高回折効率、高透明性、かつ感
光膜の強度に優れたホログラムが製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラム作成用一光束露光装置のブロック図
を示す。
【図2】ホログラム作成用二光束露光装置のブロック図
を示す。
【符号の説明】
1:レーザ発振装置 2:ミラー 3:レンズ 4:スペイシャルフィルター 5:ガラス板 6:感光膜 7:マスターホログラム 8:ビームスプリッター 9:保護膜(ポリビニルアルコール膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/032 502 G03H 1/18 (72)発明者 安池 円 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が1000以上3000
    0以下であり、かつ、その少なくとも1重量%は、側鎖
    または末端に(メタ)アクリル基を有するポリエステル
    樹脂(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なく
    とも1個以上有し、分子量が1000以下のモノマー
    (B)、光増感色素(C)、および重合開始剤(D)か
    らなるホログラム記録用材料。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂(A)が、環状酸無水
    物および(メタ)アクリル基含有エポキシドを少なくと
    も含有するエポキシドを主たるモノマー成分として重合
    してなる請求項1記載のホログラム記録用材料。
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂(A)が、環状酸無水
    物とエポキシドを主たるモノマー成分とし、さらに(メ
    タ)アクリル基と水酸基とを共に有する化合物を添加し
    て重合してなるポリエステル樹脂である請求項1記載の
    ホログラム記録用材料。
  4. 【請求項4】 モノマー(B)がハロゲン原子を含むモ
    ノマーである請求項1記載のホログラム記録用材料。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4記載のホログラム記録
    用材料を基材上に膜形成してなるホログラム記録用媒
    体。
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