JPH06174984A

JPH06174984A - 光ケーブル

Info

Publication number: JPH06174984A
Application number: JP43A
Authority: JP
Inventors: Yoshinobu Kitayama; 佳延北山; Wataru Katsurajima; 渉桂島; Shigeru Tanaka; 茂田中; Shigeru Tomita; 茂冨田
Original assignee: Nippon Telegraph and Telephone Corp; Sumitomo Electric Industries Ltd
Current assignee: Nippon Telegraph and Telephone Corp; Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date: 1992-12-01
Filing date: 1992-12-01
Publication date: 1994-06-24

Abstract

(57)【要約】【目的】積層されたテープ心線の両端の光ファイバ
が、心線溝の内壁と接触しにい構造を採用することによ
り、側壁から側圧を受けることを抑制して、伝送損失の
少ない光ケーブルを提供する。【構成】螺旋溝付きスペーサ１の心線溝２にテープ心
線３を収容して光ユニット４が構成されている。この光
ユニットを抗張力体５に撚り合わせ、シース７を施して
光ケーブルが構成される。テープ心線３の上下に、それ
より幅広のテープ状部材７を積層する。光ケーブルに曲
げ等の外力が加えられて、テープ心線３が溝内で傾斜し
ても、テープ状部材があることによって、テープ心線３
の端部が心線溝の内壁に接触して側圧を受けることが防
止でき、マイクロベンドロスによる伝送特性の低下を防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、良好な伝送特性を有す
る光ケーブルの構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】多数の光ファイバを細径のケーブルに収
納する技術として、光ファイバを収納する心線溝を有す
るロッドを用いた光ケーブルが知られている。図４は、
その一例の断面図である。図中、１は螺旋溝付きスペー
サ、２は心線溝、３はテープ心線、４は光ユニット、５
は抗張力体、６はシースである。心線溝２に複数のテー
プ心線３を積層して収納した後、その複数本を撚り合わ
せてケーブルコアを形成し、シース６を施して光ケーブ
ルとしたものである。

【０００３】螺旋溝付きスペーサ１は、図５に示すよう
に、プラスチック材料からなる円柱状のロッドに、ロッ
ドの中心を含むように、単一の心線溝２を螺旋状に形成
したものである。心線溝２の側壁を挟んだ位置に１本ず
つ抗張力体８を配置することもできる。この例では、心
線溝２には、８心の光ファイバが一体化されたテープ心
線３が５枚収納されている。

【０００４】図６は、複数の心線溝を有する螺旋溝付き
スペーサを用いた例である。図中、図４と同様な部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。螺旋溝付きスペー
サ１は、中心部に抗張力体５を配置した合成樹脂の円柱
状のロッドであり、その表面に、複数の心線溝２、この
例では、４個の心線溝が形成されたものである。この心
線溝２は、長手方向に螺旋状に設けられており、各心線
溝に、複数のテープ心線３を積層して収納した後、その
複数本を、第２の抗張力体５の周りに撚り合わせてケー
ブルコアを形成し、シース６を施して光ケーブルとした
ものである。

【０００５】また、実公昭６０−３０７２９号公報に記
載されているように、複数のテープ心線を積層した状態
で、これをチューブ内に収納し、これを複数本撚り合わ
せてケーブルコアとする構造のケーブルも知られてい
る。

【０００６】このような光ケーブルにおいては、テープ
心線を積層して収容することからファイバの高密度性に
優れた構造であり、さらに、テープ心線がスペーサの心
線溝、あるいは、チューブの中に収容されていることか
ら、機械特性の点でも高い信頼性を実現する構造であ
る。

【０００７】しかしながら、テープ心線をチューブ内に
収納するタイプのケーブルにおいては、チューブ内で積
層されたテープ状光ファイバ心線の位置、向き等が制限
されていないので、チューブ内で局所的な曲がりを生じ
たり、テープ状光ファイバ心線の配列が乱れたりして、
光ファイバの伝送損失の増加を招くという問題があっ
た。

【０００８】螺旋溝付きスペーサを用いた光ケーブルに
おいては、配列の乱れは生じにくい構造であるが、曲げ
等の外力を受けたときに、積層されたテープ心線の両端
部、特に、４隅の部分が、心線溝の内壁と接触するた
め、その部分に応力が集中し、側圧によって生ずるマイ
クロベンドによって、伝送損失が増加しやすいという問
題があった。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決するためになされたもので、積層されたテープ
心線の両端の光ファイバが、心線溝の内壁と接触しにく
い構造を採用することにより、側壁から側圧を受けるこ
とを抑制して、伝送損失の少ない光ケーブルを提供する
ことを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、複数本の光フ
ァイバを一列に配列して一括被覆したテープ心線を複数
枚積層したものを、長手方向に溝を有するスロットの溝
内に収容した構造を有する光ケーブルにおいて、前記溝
内に前記テープ心線より幅広のテープ状部材が前記テー
プ心線とともに積層されて収容されていることを特徴と
するものである。また、テープ状部材としてテープ心線
を用いることを特徴とするものである。

【００１１】

【作用】図３は、積層されたテープ心線３が、螺旋溝付
きスペーサ１の心線溝２内に収容された状況を示す一部
の断面図である。

【００１２】図３（Ａ），図３（Ｂ）は、従来の光ケー
ブルの場合を示す。ケーブルが真っ直ぐのときは、図３
（Ａ）に示すように、テープ心線３は、心線溝２内に正
しい状態で収まっている。テープ心線３が心線溝２の側
壁に接触したとしても、受ける側圧は、面接触であり、
大きいものではない。しかし、ケーブルを曲げたとき
は、図３（Ｂ）に示すように、隅部が心線溝内壁と線接
触しており、隅部に配置された光ファイバは、図３
（Ａ）の状態に比べて、より大きな側圧を受けることに
なる。

【００１３】一方、本発明の光ケーブルにおいては、テ
ープ心線より幅広のテープ状部材がテープ心線とともに
積層されている。テープ状部材は、適宜の位置に積層す
ることができる。図３（Ｃ）はテープ状部材７を上下に
配置した場合、図３（Ｄ）は中央部付近に配置した場合
であり、ケーブルが曲げられて、テープ心線３が傾斜さ
れた状態を示している。

【００１４】図３（Ｃ）の構造においては、積層したテ
ープ心線の上下にテープ心線よりも幅広のテープ状部材
７を収容することにより、テープ心線の両端部が心線溝
内壁と接触するのを防止している。また、図３（Ｄ）の
構造においては、テープ心線よりも幅広のテープ状部材
７を積層したテープ心線の中央付近に１枚収容した構造
であり、積層されたテープ心線の両端に光ファイバ、特
に、４隅の光ファイバが、心線溝の内壁と接触するのを
抑止し、その結果、光ファイバが側圧によって損失が増
加するのを防止することができる。

【００１５】

【実施例】図１は、本発明の光ケーブルの一実施例の断
面図である。図中、図４と同様な部分には同じ符号を付
して説明を省略する。７はテープ状部材である。この実
施例では、ロッドの中心線を含む位置に心線溝が形成さ
れた螺旋溝付きスペーサを用いたものである。図５で説
明したように、螺旋溝付きスペーサに抗張力体を設けて
もよい。テープ状部材７はテープ心線３の上下に積層さ
れている。

【００１６】テープ状部材７の材質としては、例えば、
ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン等のプラスチッ
クからなるテープを使用することができる。テープ状部
材７の幅は、テープ心線３の幅より大きく、心線溝２の
幅より小さければよい。

【００１７】また、テープ心線３より幅広のテープ心線
を用いてテープ状部材７としてもよい。この場合は、テ
ープ状部材７として用いた幅広のテープ心線の両端近傍
の光ファイバを除く中央部の光ファイバは、伝送用とし
て使用することができる。この幅広のテープ心線の全て
の光ファイバをダミーファイバとしてもよい。幅広のテ
ープ心線をテープ状部材として用いた場合は、テープ状
部材の線膨張係数、ヤング率を、テープ心線と同等にす
ることが容易であるため、伝送特性上も好ましいもので
ある。

【００１８】具体例として、幅１．８ｍｍ、深さ３ｍｍ
の心線溝２を有する螺旋溝付きスペーサスを用いた。幅
１．１ｍｍ、厚さ０．４ｍｍのテープ心線３を３枚積層
して、その上下に、幅１．５ｍｍ、厚さ０．４ｍｍのテ
ープ状部材７を積層して、これを心線溝２内に収容して
光ユニット４を構成した。この光ユニット６本を抗張力
体５の周囲に撚り合わせ、その上にシース６を施した。

【００１９】試作した光ケーブルの曲げ実験を行なっ
た。また比較のため、図１の構造で、テープ状部材７の
代わりに、幅１．１ｍｍ、厚さ０．４ｍｍのテープ心線
を用いた光ケーブル、つまりテープ心線の５枚を積層し
たものを試作し、評価を行なった。いずれもケーブル外
径は１８ｍｍであり、光ファイバにはシングルモードフ
ァイバを用いた。試作した本発明による光ケーブルと、
比較のための従来構造の光ケーブルとを、それぞれ直径
２５０ｍｍのマンドレルに巻き付け、両端における波長
１．５５μｍでの損失変化を測定した。本発明による光
ケーブルでは損失増加が認められなかったのに対し、従
来構造の光ケーブルでは０．０５ｄＢの損失増加が認め
られた。

【００２０】図２は、本発明の光ケーブルの他の実施例
の断面図である。図中、図４と同様な部分には同じ符号
を付して説明を省略する。７はテープ状部材である。こ
の実施例では、複数の心線溝が形成された螺旋溝付きス
ペーサを用いた実施例である。この実施例では、テープ
状部材７は、４枚のテープ心線３の中央部に配置した構
造である。

【００２１】上述した実施例ではテープ状部材の数は、
１枚、あるいは、２枚であり、中央部または上下に配置
したが、数と位置については実施例に限られるものでは
ない。特に、テープ状部材として幅広のテープ心線を用
いた場合には、テープ状部材の光ファイバの一部を伝送
に用いることができるから、テープ状部材を用いたこと
による光ファイバの数の減少することを避けることがで
き、テープ状部材の数を増加させても高密度化に支障を
与えることはない。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
幅広のテープ状部材をテープ心線とともに積層すること
によって、下記の効果がある。光ケーブルが曲げ等の外力を受けたときに、テープ
心線の端部が心線溝の内壁に接触するのを抑止すること
ができ、テープ心線が心線溝内壁から側圧を受けて、マ
イクロベンドロスが生じ、伝送特性が低下するのを防止
できる。心線溝内でのテープ心線の入れ替わり等によって起
こる配列乱れを生じにくくすることができる。テープ状部材として幅広のテープ心線を用いた場合
には、テープ状部材とテープ心線のヤング率、線膨張係
数をほぼ同一にすることができるため、温度特性上もさ
らに良好なケーブルが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ケーブルの一実施例の断面図であ
る。

【図２】本発明の光ケーブルの他の実施例の断面図であ
る。

【図３】本発明の作用の説明図である。

【図４】従来の光ケーブルの一例の断面図である。

【図５】図４の螺旋溝付きスペーサの斜視図である。

【図６】従来の光ケーブルの他の例の断面図である。

【符号の説明】

１螺旋溝付きスペーサ２心線溝３テープ心線４光ユニット５抗張力体６シース７テープ状部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者田中茂神奈川県横浜市栄区田谷町１番地住友電気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者冨田茂東京都千代田区内幸町一丁目１番６号日本電信電話株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数本の光ファイバを一列に配列して一
括被覆したテープ心線を複数枚積層したものを、長手方
向に溝を有するスロットの溝内に収容した構造を有する
光ケーブルにおいて、前記溝内に前記テープ心線より幅
広のテープ状部材が前記テープ心線とともに積層されて
収容されていることを特徴とする光ケーブル。
【請求項２】テープ状部材としてテープ心線を用いる
ことを特徴とする請求項１に記載の光ケーブル。