JP3238033B2 - 多心光ファイバケーブル - Google Patents

多心光ファイバケーブル

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JP3238033B2
JP3238033B2 JP03944195A JP3944195A JP3238033B2 JP 3238033 B2 JP3238033 B2 JP 3238033B2 JP 03944195 A JP03944195 A JP 03944195A JP 3944195 A JP3944195 A JP 3944195A JP 3238033 B2 JP3238033 B2 JP 3238033B2
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明博 大竹
大輔 岩倉
秀行 岩田
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テープ状光ファイバ心
線を用いた多心光ファイバケーブルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】外周にSZ型の溝を形成した溝付きスペ
ーサを使用し、その溝内に光ファイバ心線を収納した光
ファイバケーブルは、接続や端末処理などの際に、溝か
ら光ファイバ心線を容易に取り出せるという利点があ
る。このタイプのケーブルで、光ファイバ心線としてテ
ープ状光ファイバ心線を使用したものとしては従来次の
ようなケーブルが公知である。 複数枚のテープ状光ファイバ心線を、溝の深さ方向
に積層して溝内に収納したケーブル(特開平2−835
07号公報、特開平5−203849号公報)。 複数枚のテープ状光ファイバ心線を、溝の幅方向に
積層して溝内に収納したケーブル(特開平4−5580
3号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】テープ状光ファイバ心
線は、複数本の光ファイバを同一平面に平行に並べ、共
通被覆を施してテープ状にしたものである。このためテ
ープ面を湾曲させる方向の曲げに対しては各光ファイバ
が一様に曲がり、伝送ロス増がほとんど発生しないが、
テープ面内でテープ側縁を湾曲させる方向の曲げ(エッ
ジワイズ曲げ)が加わると、曲げの内側になる方の光フ
ァイバには圧縮方向の歪が生じ、曲げの外側になる方の
光ファイバには引張方向の歪が生じることになり、大き
な伝送ロス増が発生する。
【0004】従来の光ファイバケーブルは、SZ型の溝
に、複数枚のテープ状光ファイバ心線が、溝の向きに対
して一定の方向に積層された状態で収納されているた
め、各テープ状光ファイバ心線に必ずテープ側縁を湾曲
させる方向の曲げが加わる部分が生じる。例えば前記
の、複数枚のテープ状光ファイバ心線が溝の深さ方向に
積層されているケーブルでは、各テープ状光ファイバ心
線は溝の反転部(らせん方向が反転する部分)で主とし
てテープ側縁を湾曲させる方向の曲げを受ける。また前
記の、複数枚のテープ状光ファイバ心線が溝の幅方向
に積層されているケーブルでは、溝の反転部間(1つの
反転部から次の反転部までの間)の中間部で主としてテ
ープ側縁を湾曲させる方向の曲げを受ける。
【0005】このように、SZ型の溝にテープ状光ファ
イバ心線を収納するタイプの光ファイバケーブルは、ど
うしてもテープ状光ファイバ心線に無理な曲げ応力が加
わるため、光ファイバの伝送ロス増が大きくなるだけで
なく、長期信頼性の点でも問題があり、実用化が難しい
とされていた。
【0006】本発明の目的は、以上のような問題点に鑑
み、テープ状光ファイバ心線をSZ型の溝に収納するタ
イプの多心光ファイバケーブルにおける、テープ状光フ
ァイバ心線の無理な曲げ歪みと、それに伴う光ファイバ
の伝送ロス増の問題を解決すると共に、多数のテープ状
光ファイバ心線を収納することが可能な多心光ファイバ
ケーブルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段とその作用】本発明の多心
光ファイバケーブルは、上記の目的を達成するため、外
周にらせん方向が1周以内で周期的に反転するSZ型の
溝を有する溝付きスペーサと、その溝付きスペーサの溝
の中に収納されたテープ状光ファイバ心線と、前記溝付
きスペーサのまわりに溝を外側に向けてらせん方向が1
周以内で周期的に反転するようにSZ撚りされたセグメ
ント型溝部材と、そのセグメント型溝部材の溝の中に収
納されたテープ状光ファイバ心線とを備え、前記溝付き
スペーサの溝内のテープ状光ファイバ心線およびセグメ
ント型溝部材の溝内のテープ状光ファイバ心線はそれぞ
れ、溝の反転部間中央部(溝の1つの反転部から次の反
転部までの間の中央部)ではテープ面を溝底に向けた状
態で、溝の反転部ではテープ面を溝底に向けたまま溝に
収納したと仮定したときに反転部の溝の曲がりの内側に
位置する方のテープ側縁を溝底に向けた状態で、溝に収
納されている、ことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】このような構成により前記目的が達成できるこ
とを以下に説明する。図1および図2は本発明の多心光
ファイバケーブルの基本構成を示す説明図である。図1
(A)は溝付きスペーサ11の断面を、(B)は溝付きス
ペーサ11の側面を模式的に示している。13′は溝付きス
ペーサ11の外周に形成されたSZ型の溝の軌跡である。
【0009】図2(a)〜(k)はそれぞれ図1(B)
のa−a線〜k−k線における断面図である。本発明の
ケーブルは、外周にSZ型の溝13を有する溝付きスペー
サ11と、その溝付きスペーサの溝13の中に収納されたテ
ープ状光ファイバ心線15とを備えている。溝13は多数本
形成されるが、ここでは分かりやすくするため、1本だ
けを示している。この例では溝13に3枚のテープ状光フ
ァイバ心線15が積層状態で収納されている。3枚のテー
プ状光ファイバ心線15の1枚1枚と、その向きを識別す
るため、外側2枚のテープ状光ファイバ心線15の片側に
○印と×印をつけてある。
【0010】溝13は図1(B)に示すように溝付きスペ
ーサ11の外周にらせん方向が周期的に反転するように形
成されている。符号17は溝のらせん方向の反転部、19は
溝の反転部間中央部(溝の1つの反転部17から次の反転
部17までの間の中央部)、Pは溝の反転ピッチ(1つの
反転部17から次の反転部17までの溝付きスペーサの中心
軸線距離)である。また図1(A)において、θは溝の
反転角(溝の1つの反転部17から次の反転部17までの溝
付きスペーサ周方向における回転角)である。この例で
はθ= 300°としてある。図2では(a)から(k)ま
での1反転ピッチだけが示されているが、これに続く次
の1反転ピッチでは逆に(k)から(a)までの状態と
なり、以下これが繰り返されることになる。
【0011】溝13の反転部間中央部19では、図2(f)
に示すようにテープ状光ファイバ心線15がテープ面を溝
底に向けた状態で溝13に収納されており、溝13の反転部
17では、図2(a)(k)に示すようにテープ状光ファ
イバ心線15がテープ側縁を溝底に向けた状態で(テープ
が溝の中で立つような状態で)溝13に収納されている。
ただし図2(a)と(k)では溝13の向きに対するテー
プ状光ファイバ心線15の向きが反対である。すなわち図
2(a)ではテープ状光ファイバ心線15の○印・×印と
反対側の側縁が溝底に向いているが、(k)ではテープ
状光ファイバ心線15の○印・×印側の側縁が溝底に向い
ている。この状態は、いずれの反転部でもテープ状光フ
ァイバ心線15が、テープ面を溝底に向けたまま溝に収納
したと仮定したときに「反転部の溝の曲がりの内側」に
位置する方のテープ側縁が溝底を向くように、配置され
ているということである。
【0012】なお「反転部の溝の曲がりの内側」とは図
3の17aの部分である。図3は1本のSZらせん溝13を
有する溝付きスペーサ11の側面を示している。17は溝13
の反転部、17aは反転部17の溝の曲がりの内側、17bは
反転部17の溝の曲がりの外側、19は反転部間中央部であ
る。
【0013】溝13内に前記のように収納されたテープ状
光ファイバ心線15は、反転部17でも、反転部間中央部19
でも、主としてテープ面を湾曲させる方向に曲げられる
ことになる。したがってこの状態がテープ状光ファイバ
心線15の、テープ面内でテープ側縁を湾曲させる方向の
曲げが最も少ない状態である。
【0014】さらにこのような収納の仕方では、テープ
状光ファイバ心線15に加わる捻じりも少なくなる。図2
(a)〜(k)を一見すると、溝13の中でテープ状光フ
ァイバ心線15の積層体が回転して捻じられているように
見えるが、実際には(a)から(d)の区間と(h)か
ら(k)の区間では、溝13の向きが変化するだけで、テ
ープ状光ファイバ心線15の向きはほとんど変化しない。
【0015】ということは上記の区間ではテープ状光フ
ァイバ心線15に捻じりが加わらないことを意味する。テ
ープ状光ファイバ心線15に捻じりが加わるのは(d)か
ら(h)の区間だけ(反転角 300°のうち 120°だけ)
である。従来のケーブルでは1つの反転部から次の反転
部までの間のどの位置でもテープ状光ファイバ心線に捻
じりが加わっていたが、これに比べると本発明のケーブ
ルは、テープ状光ファイバ心線に加わる捻じりが大幅に
少ない(1反転ピッチで 180°少ない)ことになる。
【0016】以上のようにテープ状光ファイバ心線に加
わる、テープ側縁を湾曲させる方向の曲げと、捻じりが
少なくなることは、テープ状光ファイバ心線内の光ファ
イバの伝送ロス増を小さくすることに有効である。
【0017】次に溝付きスペーサの溝の反転角θについ
て説明する。テープ状光ファイバ心線15が、側縁を溝底
に向けている図2(a)の状態から、テープ面を溝底に
向ける(d)の状態になるまでには、溝13の向きが90°
回転する必要がある。同様に(h)の状態から(k)の
状態になるまでにも、溝13の向きが90°回転する必要が
ある。換言すれば、テープ状光ファイバ心線15が、溝の
反転部でテープ側縁を溝底に向け、溝の反転部間中央部
でテープ面を溝底に向ける状態を得るためには、反転部
の両側でそれぞれ溝の向きが溝付きスペーサ周方向に少
なくとも90°回転する必要がある。
【0018】したがって溝付きスペーサ11の溝13の反転
角θは 180°以上にする必要がある。ちなみにθ= 180
°はテープ状光ファイバ心線に捻じりが殆ど加わらない
状態である。溝13の反転角θの上限は 360°以下にする
ことが望ましい。溝の反転角が 360°以上になると、溝
からのテープ状光ファイバ心線の取り出し易さが損なわ
れる。溝からのテープ状光ファイバ心線の取り出し易さ
を考慮すれば、溝の反転角は 360°以下にすべきであ
る。したがって溝の反転角は通常 180°〜 360°の範囲
内の適当な値に設定される。溝の反転角の好ましい範囲
は 210°〜 330°、さらに好ましい範囲は 270°〜 300
°である。
【0019】図2(a)〜(k)に示した、溝13の向き
とテープ状光ファイバ心線15の向きとの関係は理想的な
状態である。実際にはテープ状光ファイバ心線15は溝13
内でフリーであるため、自身の弾性、剛性あるいは反転
部での曲げの力などにより、溝13内で最も安定な状態に
向きを変える。図4(a)〜(k)にその具体例を示
す。図4(a)〜(k)はそれぞれ図1(B)のa−a
線〜k−k線における断面図である。
【0020】溝13の反転部間中央部19では(f)に示す
ようにテープ状光ファイバ心線15がテープ面を溝底に向
けた状態で溝13に収納されている。この点は図2の場合
と同じである。図4の例では、(f)から溝13の向きが
90°回転したところ、すなわち(c)(i)でテープ状
光ファイバ心線15が溝13内でほぼ直立した状態となり、
さらに溝13の反転部17では(a)(k)に示すようにテ
ープ状光ファイバ心線15が直立状態より反転部17の溝の
曲がりの内側の方へ倒れた状態となる。本発明において
「テープ状光ファイバ心線が溝の反転部でテープ側縁を
溝底に向けた状態で溝に収納されている」とは図4
(a)(k)のような状態をも含むものである。
【0021】本発明のケーブルはさらに、図5に示すよ
うに、溝付きスペーサ11のまわりに溝23を外側に向けて
SZ撚りされたセグメント型溝部材21と、そのセグメン
ト型溝部材の溝23の中に収納されたテープ状光ファイバ
心線25とを備えている。図5(a)〜(k)はそれぞれ
図2(a)〜(k)に対応する断面図である。セグメン
ト型溝部材21は多数本撚り合わされるが、ここでは分か
りやすくするため1本だけを示している。溝23には3枚
のテープ状光ファイバ心線15が積層状態で収納され、外
側2枚のテープ状光ファイバ心線15の片側に○印と×印
をつけてある点は図2の場合と同様である。
【0022】セグメント型溝部材21は溝23を外側に向け
てSZ撚りされているため、溝23はらせん方向が周期的
に反転する。セグメント型溝部材21の反転ピッチは通
常、溝付きスペーサ11の溝13の反転ピッチと異なるの
で、セグメント型溝部材21の溝23の反転部と溝付きスペ
ーサ11の溝13の反転部とは長手方向にずれるのが普通で
ある。
【0023】セグメント型溝部材21の場合もテープ状光
ファイバ心線25は、溝23の反転部間中央部では図5
(f)のようにテープ面を溝底に向けた状態で、溝23の
反転部では図5(a)(k)のようにテープ側縁を溝底
に向けた状態で(テープが溝の中で立つような状態
で)、溝23に収納されている。すなわち図2と同様な状
態で収納されている。したがって図2の場合と同様に、
テープ状光ファイバ心線に加わる、テープ側縁を湾曲さ
せる方向の曲げと、捻じりが少なくなり、テープ状光フ
ァイバ心線内の光ファイバの伝送ロス増を小さくするこ
とができる。
【0024】またセグメント型溝部材21の溝23の反転角
(セグメント型溝部材21のSZ撚りの反転角)は、前記
溝付きスペーサの溝の反転角θと同様に選定される。
【0025】図5(a)〜(k)に示した、溝23の向き
とテープ状光ファイバ心線25の向きとの関係はほぼ理想
的な状態である。実際には図6(a)〜(k)のように
なる場合もある。図6(a)〜(k)はそれぞれ図4
(a)〜(k)に対応する断面図である。すなわち、溝
23の反転部間中央部(f)から溝23の向きが90°回転し
たところ(c)(i)で、テープ状光ファイバ心線25が
溝23内でほぼ直立した状態となり、さらに溝23の反転部
(a)(k)でテープ状光ファイバ心線25が直立状態よ
り反転部の溝の曲がりの内側の方へ倒れた状態となる場
合もある。本発明は、このような場合も含むものであ
る。
【0026】本発明のケーブルは、上述のように溝付き
スペーサの溝だけでなく、セグメント型溝部材の溝にも
テープ状光ファイバ心線を収納できるため、多数のテー
プ状光ファイバ心線を収納することが可能である。
【0027】次に、溝付きスペーサおよびセグメント型
溝部材の溝の寸法について説明する。テープ状光ファイ
バ心線が溝の中で、テープ面を溝底に向けた状態と、テ
ープ側縁を溝底に向けた状態を得るためには、テープ状
光ファイバ心線の積層体が溝の中で、積層状態を崩すこ
となく、相対的に向きを変えられるようにすることが好
ましい。一方、溝の断面寸法を長手方向で変化させるこ
とは、溝付きスペーサやセグメント型溝部材の製造上き
わめて困難である。したがって溝の寸法を全長にわたっ
て一定とすると、溝の寸法は、次のように定めることが
好ましい。すなわち図7に示すように、テープ状光ファ
イバ心線15の幅をW、厚さをT、積層枚数をNとしたと
き、溝付きスペーサ11の溝13の幅Bおよび深さDはそれ
ぞれ次式を満足するように設定する(セグメント型溝部
材21の溝23の場合も同じ)。
【0028】
【数1】B、D≧{W2 +(NT)2 1/2
【0029】このようにすると、テープ状光ファイバ心
線15の積層体の対角線の長さLより溝13の幅Bおよび深
さDが大きくなるから、溝13の中でテープ状光ファイバ
心線15の積層体が積層状態を崩すことなく、かつ無理な
応力を発生させることなく、相対的に向きを変えること
が可能である。
【0030】なおテープ状光ファイバ心線15は、図8
(A)のように複数本の光ファイバ31を一平面に並べて
共通被覆33を施したもので、4心のテープ状光ファイバ
心線を例にとると、テープ状光ファイバ心線15の積層枚
数と寸法の関係は図8(A)〜(D)のとおりである。
セグメント型溝部材に収納するテープ状光ファイバ心線
25の場合もこれと同じである。
【0031】
【実施例】図9および図10は本発明の第一の実施例を示
す。この多心光ファイバケーブルは中心に溝付きスペー
サ11を備えている。この溝付きスペーサ11は、外周にら
せん方向が周期的に反転するSZ型の溝13を有するポリ
エチレンの押出成形体で、中心に鋼撚線のテンションメ
ンバー35が埋め込まれている。この例では溝13は等間隔
で8本形成されている。溝13には図9に示すようにテー
プ状光ファイバ心線15が収納されている。図9では、溝
13の反転角を明らかにするため、1本の溝13だけにテー
プ状光ファイバ心線15が収納されている状態を示した
が、他の溝13にも同様にテープ状光ファイバ心線15が収
納されている。
【0032】図9(A)は溝13の一つの反転部における
断面図〔図4(a)に相当〕、同(C)は溝13の次の反
転部における断面図〔図4(c)に相当〕、同(B)は
溝13の反転部間中央部における断面図〔図4(b)に相
当〕である。すなわちテープ状光ファイバ心線15は、溝
13の反転部間中央部では図9(B)のようにテープ面が
溝底に向くように、溝13の反転部では(A)(C)のよ
うにテープ側縁が溝底を向くように(正確には、テープ
面を溝底に向けたまま溝に収納したと仮定したときに反
転部の溝の曲がりの内側に位置する方のテープ側縁が溝
底を向くように)、溝13に収納されている。
【0033】テープ状光ファイバ心線15を収納した溝付
きスペーサ11の外周には押さえ巻き37が施されている。
押さえ巻き37の外周には、ポリエチレンの押出成形体よ
りなるセグメント型溝部材21が、溝23を外側に向けてS
Z撚りされている。この例ではセグメント型溝部材21の
本数は16本である。セグメント型溝部材21の溝23には、
図10に示すようにテープ状光ファイバ心線25が収納され
ている。図10では、セグメント型溝部材21のSZ撚りの
反転角を明らかにするため、1本のセグメント型溝部材
21だけにテープ状光ファイバ心線25が収納されている状
態を示したが、他のセグメント型溝部材21にも同様にテ
ープ状光ファイバ心線25が収納されている。
【0034】図10(A)はセグメント型溝部材21の一つ
の反転部(溝23の反転部でもある)における断面図〔図
6(a)に相当〕、同(C)はセグメント型溝部材21の
次の反転部における断面図〔図6(c)に相当〕、同
(B)はセグメント型溝部材21の反転部間中央部におけ
る断面図〔図6(b)に相当〕である。すなわちテープ
状光ファイバ心線25は、溝23の反転部間中央部では図10
(B)のようにテープ面が溝底に向くように、溝23の反
転部では同(A)(C)のようにテープ側縁が溝底を向
くように(正確には、テープ面を溝底に向けたまま溝に
収納したと仮定したときに反転部の溝の曲がりの内側に
位置する方のテープ側縁が溝底を向くように)、溝23に
収納されている。
【0035】セグメント型溝部材21の外周には押さえ巻
き39が施され、その外周にはシース41が施されている
〔ただし(A)(C)ではシースの図示を省略〕。なお
同じケーブルを図9と図10に分けて示したのは、溝付き
スペーサ11の溝13の反転部とセグメント型溝部材21の溝
23の反転部とが長手方向にずれているからである。
【0036】この実施例の多心光ファイバケーブルは以
上のような構成である。この構成で試作したケーブルの
各部の寸法は次のとおりである。溝付きスペーサ11の外
径は約16mm、溝13の断面寸法は溝底幅が1.3 mm、溝上端
幅が4.5 mm、溝深さが2.3 mmである。溝13の反転角は約
300°、反転ピッチは約240 mmである。8本の溝13には
それぞれ2枚のテープ状光ファイバ心線15を積層して収
納した。2枚のテープ状光ファイバ心線の積層体15の寸
法は図8(B)のとおりである。押さえ巻き37を施した
状態での外径は約18mmである。
【0037】一方、セグメント型溝部材21の外形寸法は
底幅が3.5 mm、上幅が4.5 mm、高さが2.0 mmであり、溝
23の断面寸法は溝幅が2.0 mm、溝深さが1.4 mmである。
セグメント型溝部材21のSZ撚りの反転角は約250 °、
反転ピッチは約500 mmである。溝23にはそれぞれ2枚の
テープ状光ファイバ心線25を積層して収納した。テープ
状光ファイバ心線25の寸法は溝付きスペーサ11に収納し
たテープ状光ファイバ心線15と同じである。
【0038】以上のような多心光ファイバケーブルを試
作し、溝付きスペーサ11の溝13にテープ状光ファイバ心
線15を収納して押さえ巻き37を巻いた段階(中心ユニッ
ト段階)と、その上にセグメント型溝部材21をSZ撚り
し、溝23にテープ状光ファイバ心線25を収納して押さえ
巻き39を巻いた段階(外層集合段階)と、その上にシー
ス41を施した段階(シース段階)で、各テープ状光ファ
イバ心線の伝送ロスを測定した。測定波長は1.55μm で
ある。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】伝送ロスの目標値は平均0.25dB/km以下で
あるので、このケーブルは十分な性能を有することが確
認された。
【0041】次に図11および図12は本発明の第二の実施
例を示す。図11は前記第一の実施例の図9に相当し、図
12は同じく図10に相当する。この実施例が第一の実施例
と異なる点は、溝付きスペーサ11の溝の本数が5本であ
ることと、セグメント型溝部材21の本数が10本であるこ
とである。それ以外の構成は第一の実施例と同様である
ので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0042】このケーブルの各部の寸法は次のとおりで
ある。溝付きスペーサ11の外径は約11mm、溝13の断面寸
法は溝幅が2.0 mm、溝深さが1.4 mmである。溝13の反転
角は約 290°、反転ピッチは約250 mmである。各溝13に
それぞれ実施例1と同じ2枚のテープ状光ファイバ心線
15を積層して収納した。
【0043】一方、セグメント型溝部材21の外形寸法は
底幅が3.5 mm、上幅が4.5 mm、高さが2.0 mmであり、溝
23の断面寸法は溝幅が2.0 mm、溝深さが1.4 mmである。
セグメント型溝部材21のSZ撚りの反転角は約 250°、
反転ピッチは約500 mmである。各溝23にはそれぞれ実施
例1と同じ2枚のテープ状光ファイバ心線25を積層して
収納した。
【0044】以上のような多心光ファイバケーブルを試
作し、実施例1と同様の試験を行ったところ、表2に示
すような結果が得られ、十分な性能を有することが確認
された。
【0045】
【表2】
【0046】以上の実施例では、溝付きスペーサおよび
セグメント型溝部材の溝にテープ状光ファイバ心線の積
層体をそのまま収納したが、本発明のケーブルは、図13
に示すように、テープ状光ファイバ心線15の積層体を、
その側面に発泡プラスチック等からなるクッション性の
保護テープ43を添わせた状態で、溝付きスペーサ11の溝
13内に収納する構造にすることもできる(セグメント型
溝部材21の溝23にテープ状光ファイバ心線25を収納する
場合も同じ)。このようにするとテープ状光ファイバ心
線15の側縁が直接、溝底や溝壁に押し付けられることが
なくなり、伝送ロス増の抑制に有効である。
【0047】また以上の実施例では、溝付きスペーサは
一体のものとして説明したが、溝付きスペーサは、中心
抗張力体のまわりに多数本のセグメント型溝部材を溝を
外側に向けてSZ撚りしたもので構成することもでき
る。また溝付きスペーサの溝に収納されたテープ状光フ
ァイバ心線の積層体は、テープ状光ファイバ心線が相互
に拘束されていないので、積層状態が多少崩れる場合も
ある。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、S
Z型の溝内にテープ状光ファイバ心線を収納するタイプ
の光ファイバケーブルにおいて、テープ状光ファイバ心
線に加わる、捻じりと、テープ面内でテープ側縁を湾曲
させる方向の曲げとを小さくできるため、テープ状光フ
ァイバ心線の伝送ロスを十分小さく抑えることができ
る。またテープ状光ファイバ心線を、溝付きスペーサの
溝とセグメント型溝部材の溝に収納できるため、多数の
テープ状光ファイバ心線を収納することができ、光ファ
イバの心数の多いケーブルを構成できる。
【0049】さらにセグメント型溝部材は溝を外側に向
けてSZ撚りされているため、その溝からテープ状光フ
ァイバ心線を容易に取り出すことができる。また溝付き
スペーサのまわりからセグメント型溝部材を取り除くこ
とも容易であるため、溝付きスペーサの溝からテープ状
光ファイバ心線を取り出すことも容易である。したがっ
てケーブル相互の接続や分岐接続あるいは端末処理を行
う際の取り扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多心光ファイバケーブルに用いる溝
付きスペーサの、(A)は断面、(B)は側面を示す模
式図。
【図2】 (a)〜(k)はそれぞれ本発明のケーブル
における溝付きスペーサの溝の向きとテープ状光ファイ
バ心線の向きとの関係の一例を示す、図1のa−a線〜
k−k線における断面図。
【図3】 本発明に用いる溝付きスペーサの溝の形態を
示す側面図。
【図4】 (a)〜(k)はそれぞれ本発明のケーブル
における溝付きスペーサの溝の向きとテープ状光ファイ
バ心線の向きとの関係の他の例を示す、図1のa−a線
〜k−k線における断面図。
【図5】 (a)〜(k)はそれぞれ本発明のケーブル
におけるセグメント型溝部材の溝の向きとテープ状光フ
ァイバ心線の向きとの関係の一例を示す断面図。
【図6】 (a)〜(k)はそれぞれ本発明のケーブル
におけるセグメント型溝部材の溝の向きとテープ状光フ
ァイバ心線の向きとの関係の他の例を示す断面図。
【図7】 本発明に用いる溝付きスペーサの溝の寸法
と、テープ状光ファイバ心線の寸法との関係を示す断面
図。
【図8】 (A)〜(D)はそれぞれテープ状光ファイ
バ心線の積層状態を示す断面図。
【図9】 本発明に係る多心光ファイバケーブルの第一
の実施例を示す、(A)(C)は溝付きスペーサの溝の
反転部における断面図、(B)は反転部間中央部におけ
る断面図。
【図10】 同じく第一の実施例を示す、(A)(C)
はセグメント型溝部材の溝の反転部における断面図、
(B)は反転部間中央部における断面図。
【図11】 本発明に係る多心光ファイバケーブルの第
二の実施例を示す、(A)(C)は溝付きスペーサの溝
の反転部における断面図、(B)は反転部間中央部にお
ける断面図。
【図12】 同じく第二の実施例を示す、(A)(C)
はセグメント型溝部材の溝の反転部における断面図、
(B)は反転部間中央部における断面図。
【図13】 本発明の多心光ファイバケーブルにおける
テープ状光ファイバ心線の溝への収納構造の一例を示す
断面図。
【符号の説明】
11:溝付きスペーサ 13:SZ型
の溝 13′:溝13の軌跡 15:テープ
状光ファイバ心線 17:溝13の反転部 19:溝13の
反転部間中央部 21:セグメント型溝部材 23:溝 25:テープ状光ファイバ心線 37、39:押
さえ巻き 41:シース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 秀行 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 松本 三千人 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−55803(JP,A) 特開 平4−265917(JP,A) 特開 平4−355418(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周にらせん方向が1周以内で周期的に反
    転するSZ型の溝を有する溝付きスペーサと、 その溝付きスペーサの溝の中に収納されたテープ状光フ
    ァイバ心線と、 前記溝付きスペーサのまわりに溝を外側に向けてらせん
    方向が1周以内で周期的に反転するようにSZ撚りされ
    たセグメント型溝部材と、 そのセグメント型溝部材の溝の中に収納されたテープ状
    光ファイバ心線とを備え、 前記溝付きスペーサの溝内のテープ状光ファイバ心線お
    よびセグメント型溝部材の溝内のテープ状光ファイバ心
    線はそれぞれ、溝の反転部間中央部(溝の1つの反転部
    から次の反転部までの間の中央部)ではテープ面を溝底
    に向けた状態で、溝の反転部ではテープ面を溝底に向け
    たまま溝に収納したと仮定したときに反転部の溝の曲が
    りの内側に位置する方のテープ側縁を溝底に向けた状態
    で、溝に収納されている、 ことを特徴とする多心光ファイバケーブル。
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