JP3354324B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents

光ファイバケーブル

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JP3354324B2
JP3354324B2 JP31948694A JP31948694A JP3354324B2 JP 3354324 B2 JP3354324 B2 JP 3354324B2 JP 31948694 A JP31948694 A JP 31948694A JP 31948694 A JP31948694 A JP 31948694A JP 3354324 B2 JP3354324 B2 JP 3354324B2
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茂 冨田
茂和 速水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外周にらせん方向が周
期的に反転するSZらせん型の溝を有する溝付きスペー
サの溝に、テープ状光ファイバ心線を収納してなる光フ
ァイバケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】外周にSZらせん型の溝を形成した溝付
きスペーサを使用し、その溝内に光ファイバ心線を収納
した光ファイバケーブルは、接続や端末処理などの際、
溝から光ファイバ心線を取り出すことが容易であるとい
う利点がある。このタイプのケーブルで、光ファイバ心
線として、テープ状光ファイバ心線を使用したものとし
ては従来、複数枚のテープ状光ファイバ心線を、溝の深
さ方向に積層して溝内に収納したもの(特開平2−83
507号公報)と、溝の幅方向に積層して溝内に収納し
たもの(特開平4−55803号公報)とが公知であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】テープ状光ファイバ心
線は、複数本の光ファイバを同一平面に平行に並べ、共
通被覆を施してテープ状にしたものである。このためテ
ープ面を湾曲させる方向の曲げに対しては各光ファイバ
が一様に曲がり、伝送ロス増がほとんど発生しないが、
テープ面内でテープ側縁を湾曲させる方向の曲げ(エッ
ジワイズ曲げ)が加わると、曲げの内側になる方の光フ
ァイバには圧縮方向の歪が生じ、曲げの外側になる方の
光ファイバには引張方向の歪が生じることになり、大き
な伝送ロス増が発生する。
【0004】従来の光ファイバケーブルは、溝付きスペ
ーサのSZらせん型の溝に、複数枚のテープ状光ファイ
バ心線が、溝の向きに対して一定の方向に積層された状
態で収納されているため、各テープ状光ファイバ心線に
必ずテープ側縁を湾曲させる方向の曲げが加わる部分が
生じる。例えば複数枚のテープ状光ファイバ心線が溝の
深さ方向に積層されているケーブルでは、各テープ状光
ファイバ心線は溝の反転部(らせん方向が反転する部
分)で主としてテープ側縁を湾曲させる方向の曲げを受
ける。また複数枚のテープ状光ファイバ心線が溝の幅方
向に積層されているケーブルでは、溝の反転部間(1つ
の反転部から次の反転部までの間)の中間部で主として
テープ側縁を湾曲させる方向の曲げを受ける。
【0005】このように、SZらせん型の溝を有する溝
付きスペーサを使用し、その溝にテープ状光ファイバ心
線を収納するタイプの光ファイバケーブルは、どうして
もテープ状光ファイバ心線に無理な曲げ応力が加わり、
光ファイバの伝送ロス増が大きくなるだけでなく、長期
信頼性の点でも問題があり、実用化が難しいとされてい
た。
【0006】本発明の目的は、以上のような問題点に鑑
み、溝付きスペーサのSZ溝にテープ状光ファイバ心線
を収納するタイプの光ファイバケーブルで、光ファイバ
の伝送ロス増を十分小さくできるケーブル構造を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこの目的を達成
するため、外周にらせん方向が周期的に反転するSZら
せん型の溝を有する溝付きスペーサと、その溝付きスペ
ーサの溝の中に収納されたテープ状光ファイバ心線とを
備えた光ファイバケーブルにおいて、溝付きスペーサの
溝の反転角(溝の1つの反転部から次の反転部までの溝
付きスペーサ周方向における回転角)θが180°以上
であり、溝付きスペーサの溝底の断面が半円状になって
おり、テープ状光ファイバ心線が、溝の反転部間中央部
(溝の1つの反転部から次の反転部までの間の中央部)
ではテープ面を溝底に向けた状態で、溝の反転部ではテ
ープ面を溝底に向けたまま溝に収納したと仮定したとき
に反転部の溝の曲がりの内側に位置する方のテープ側縁
を溝底に向けた状態で、溝に収納されており、テープ状
光ファイバ心線の幅をW、厚さをT、積層枚数をN(N
≧1)としたとき、溝付きスペーサの溝の幅Bおよび深
さDがそれぞれ数2式を満足する、ことを特徴とするも
のである。
【0008】
【数2】B、D≧{W2 +(NT)2 1/2
【0009】
【作用】溝付きスペーサの溝の向き(開口の向き)は溝
付きスペーサの長手方向で常に変化している。本発明の
ケーブルにおいては、溝の中で、溝の向きに対するテー
プ状光ファイバ心線の向きが変化する。すなわちテープ
状光ファイバ心線は、溝の反転部間中央部ではテープ面
が溝底に向いているが、溝の反転部ではテープ面を溝底
に向けたまま溝に収納したと仮定したときに反転部の溝
の曲がりの内側に位置する方のテープ側縁が溝底を向く
(溝内でテープが立つ)ように、溝内での向きが変わ
る。
【0010】このように溝内での向きが変わると、テー
プ状光ファイバ心線は、溝の反転部間中央部でも、また
溝の反転部でも、主としてテープ面を湾曲させる方向に
曲げられることになり、テープ側縁を湾曲させる方向の
曲げはほとんど加わらなくなる。またテープ状光ファイ
バ心線に加わる捻じりも少なくなる。このためテープ状
光ファイバ心線内の光ファイバの伝送ロス増がきわめて
小さくなる。
【0011】なお溝の反転角を180°以上とするの
は、テープ状光ファイバ心線が、溝の反転部間中央部で
テープ面が溝底に向いている状態から、溝の反転部でテ
ープ側縁が溝底に向くまで、無理なく向きを変化させる
ためには、少なくとも90°の回転角が必要であり、そ
のためには溝の反転角が180°以上必要となるからで
ある。
【0012】溝の反転角が360°以上になると、溝か
らのテープ状光ファイバ心線の取り出し易さが損なわれ
る。溝からのテープ状光ファイバ心線の取り出し易さを
考慮すれば、溝の反転角は360°以下である。したが
って溝の反転角は通常180°〜360°の範囲内で選
定される。溝の反転角の好ましい範囲は210°〜33
0°、さらに好ましい範囲は270°〜300°であ
る。
【0013】また溝付きスペーサの溝底の断面を半円状
にするのは、テープ状光ファイバ心線の積層体(1枚の
場合を含む)が溝の中でスムーズに向きを変えられるよ
うにするためである。また溝の幅Bと深さDを数2式の
ように設定するのは、テープ状光ファイバ心線の積層体
の対角線の長さより溝の幅および深さを大きくして、テ
ープ状光ファイバ心線の積層体が溝の中で無理なく向き
を変えられるようにするためである。
【0014】また溝底を半円状にし、溝の幅Bと深さD
を数2式のように設定すると、テープ状光ファイバ心線
が屈曲や捻じりを受けた状態で発生する内部応力が分散
されやすくなる。したがって溝底を半円状にし、溝の寸
法を上記のように設定することは、光ファイバの伝送ロ
ス増を抑制するのに極めて有効である。
【0015】またテープ状光ファイバ心線は光ファイバ
の心数が多くなるほど、幅/厚さが大きくなり、テープ
側縁を湾曲させる方向の曲げによる悪影響が大きくなる
ので、本発明は幅/厚さが比較的大きい4心以上のテー
プ状光ファイバ心線を使用する場合に特に効果的であ
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図1および図2は本発明に係る光ファイバ
ケーブルの基本的な構成を示す説明図である。図1
(A)は溝付きスペーサ11の断面を、(B)は溝付きス
ペーサ11の側面を模式的に示している。13′は溝付きス
ペーサ11の外周に形成されたSZらせん型の溝の軌跡で
ある。図2(a)〜(k)はそれぞれ図1(B)のa−
a線〜k−k線における断面図である。
【0017】符号11は溝付きスペーサ、13はその外周に
形成されたSZらせん型の溝、15は溝13の中に収納され
たテープ状光ファイバ心線である。溝13の底面は断面半
円形に形成されている。この例では溝13に3枚のテープ
状光ファイバ心線15が積層状態で収納されている。3枚
のテープ状光ファイバ心線15の1枚1枚と、その向きを
識別するため、外側2枚のテープ状光ファイバ心線15の
片側に○印と×印をつけてある。
【0018】溝13は図1(B)に示すように溝付きスペ
ーサ11の外周にらせん方向が周期的に反転するように形
成されている。符号17は溝のらせん方向の反転部、19は
溝の反転部間中央部(溝の1つの反転部17から次の反転
部17までの間の中央部)、Pは溝の反転ピッチ(1つの
反転部17から次の反転部17までの溝付きスペーサの中心
軸線距離)である。また図1(A)において、θは溝の
反転角(溝の1つの反転部17から次の反転部17までの溝
付きスペーサ周方向における回転角)である。この例で
はθ= 300°としてある。図2では(a)から(k)ま
での1反転ピッチだけが示されているが、これに続く次
の1反転ピッチでは逆に(k)から(a)までの状態と
なり、以下これが繰り返されることになる。
【0019】溝13の反転部間中央部19では、図2(f)
に示すようにテープ状光ファイバ心線15がテープ面を溝
底に向けた状態で溝13に収納されており、溝13の反転部
17では、図2(a)(k)に示すようにテープ状光ファ
イバ心線15がテープ側縁を溝底に向けた状態で(テープ
が溝の中で立つような状態で)溝13に収納されている。
ただし図2(a)と(k)では溝13の向きに対するテー
プ状光ファイバ心線15の向きが反対である。すなわち図
2(a)ではテープ状光ファイバ心線15の○印・×印と
反対側の側縁が溝底に向いているが、(k)ではテープ
状光ファイバ心線15の○印・×印側の側縁が溝底に向い
ている。この状態は、いずれの反転部でもテープ状光フ
ァイバ心線15が、テープ面を溝底に向けたまま溝に収納
したと仮定したときに「反転部の溝の曲がりの内側」に
位置する方のテープ側縁が溝底を向くように、配置され
ているということである。
【0020】なお「反転部の溝の曲がりの内側」とは図
3の17aの部分である。図3は1本のSZらせん溝13を
有する溝付きスペーサ11の側面を示している。17は溝13
の反転部、17aは反転部17の溝の曲がりの内側、17bは
反転部17の溝の曲がりの外側、19は反転部間中央部であ
る。
【0021】溝13内に前記のように収納されたテープ状
光ファイバ心線15は、反転部17でも、反転部間中央部19
でも、主としてテープ面を湾曲させる方向に曲げられる
ことになる。したがってこの状態がテープ状光ファイバ
心線15の、テープ側縁を湾曲させる方向の曲げが最も少
ない状態である。
【0022】さらにこのような収納の仕方では、テープ
状光ファイバ心線15に加わる捻じりも少なくなる。図2
(a)〜(k)を一見すると、溝13の中でテープ状光フ
ァイバ心線15の積層体が回転して捻じられているように
見えるが、実際には(a)から(d)の区間と(h)か
ら(k)の区間では、溝13の向きが変化するだけで、テ
ープ状光ファイバ心線15の向きはほとんど変化しない。
【0023】ということは上記の区間ではテープ状光フ
ァイバ心線15に捻じりが加わらないことを意味する。テ
ープ状光ファイバ心線15に捻じりが加わるのは(d)か
ら(h)の区間だけ(反転角 300°のうち 120°だけ)
である。従来のケーブルでは1つの反転部から次の反転
部までの間のどの位置でもテープ状光ファイバ心線に捻
じりが加わっていたが、これに比べると本発明のケーブ
ルは、テープ状光ファイバ心線に加わる捻じりが大幅に
少ない(1反転ピッチで 180°少ない)ことになる。
【0024】次に溝付きスペーサの溝の反転角θについ
て説明する。テープ状光ファイバ心線15が、側縁を溝底
に向けている図2(a)の状態から、テープ面を溝底に
向ける(d)の状態になるまでには、溝13の向きが90°
回転する必要がある。同様に(h)の状態から(k)の
状態になるまでにも、溝13の向きが90°回転する必要が
ある。換言すれば、テープ状光ファイバ心線15が、溝の
反転部でテープ側縁を溝底に向け、溝の反転部間中央部
でテープ面を溝底に向ける状態を得るためには、反転部
の両側でそれぞれ溝の向きが溝付きスペーサ周方向に少
なくとも90°回転する必要がある。
【0025】したがって溝付きスペーサ11の溝13の反転
角θは 180°以上にする必要がある。ちなみにθ= 180
°はテープ状光ファイバ心線に捻じりが殆ど加わらない
状態である。溝13の反転角θの上限は前述したように 3
60°以下にすることが望ましい。したがって溝の反転角
θは通常、 180°〜 360°の範囲内の適当な値に設定さ
れる。
【0026】図2(a)〜(k)に示した、溝13の向き
とテープ状光ファイバ心線15の向きとの関係は理想的な
状態である。実際にはテープ状光ファイバ心線15は溝13
内でフリーであるため、自身の弾性、剛性あるいは反転
部での曲げの力などにより、溝13内で最も安定な状態に
向きを変える。図4(a)〜(k)にその具体例を示
す。図4(a)〜(k)はそれぞれ図1(B)のa−a
線〜k−k線における断面図である。
【0027】溝13の反転部間中央部19では(f)に示す
ようにテープ状光ファイバ心線15がテープ面を溝底に向
けた状態で溝13に収納されている。この点は図2の場合
と同じである。図4の例では、(f)から溝13の向きが
90°回転したところ、すなわち(c)(i)でテープ状
光ファイバ心線15が溝13内でほぼ直立した状態となり、
さらに溝13の反転部17では(a)(k)に示すようにテ
ープ状光ファイバ心線15が直立状態より反転部17の溝の
曲がりの内側の方へ倒れた状態となる。本発明において
「テープ状光ファイバ心線が溝の反転部でテープ側縁を
溝底に向けた状態で溝に収納されている」とは図4
(a)(k)のような状態も含むものである。
【0028】次に、溝付きスペーサの溝の寸法について
説明する。テープ状光ファイバ心線が溝付きスペーサの
溝の中で、テープ面を溝底に向けた状態と、テープ側縁
を溝底に向けた状態を得るためには、テープ状光ファイ
バ心線の積層体が溝の中で、積層状態を崩すことなく、
相対的に向きを変えられるようにすることが好ましい。
一方、溝の寸法を長手方向で変化させることは溝付きス
ペーサの製造上きわめて困難である。したがって溝の寸
法を全長にわたって一定とすると、溝付きスペーサの溝
の寸法は、次のように定めればよい。すなわち図5に示
すように、テープ状光ファイバ心線15の幅をW、厚さを
T、積層枚数をNとしたとき、溝付きスペーサ11の溝13
の幅Bおよび深さDはそれぞれ次式を満足するように設
定する。
【0029】
【数3】B、D≧{W2 +(NT)2 1/2
【0030】このようにすると、テープ状光ファイバ心
線15の積層体の対角線の長さLより溝13の幅Bおよび深
さDが大きくなるから、テープ状光ファイバ心線15の積
層体は溝13の中で無理なく向きを変えることができる。
これに加えて、溝13の底面が前述のように断面半円形に
なっているため、テープ状光ファイバ心線15の積層体は
溝13の中で滑らかに向きを変えることができる。したが
ってテープ状光ファイバ心線15の積層体は、溝13の中
で、積層状態を崩すことなく、かつ無理な応力を発生さ
せることなく、滑らかに向きを変えられることになる。
【0031】なお、溝付きスペーサを押出成形で製造す
ると、溝の反転部で溝の両側壁が、反転部の曲がりの内
側の方へ傾くことがあるが、溝の反転部でこのような溝
の傾きが発生してもテープ状光ファイバ心線の積層体の
収納には差し支えない。溝の反転部で溝の傾きが発生す
る場合は、溝の反転部以外のところで溝の幅Bと深さD
が数3式を満足するように設定すればよい。
【0032】図6(A)(B)は本発明に係る光ファイ
バケーブルの一実施例を示す。(A)は溝13の反転部間
中央部における断面図(図1のf−f線断面に相当)、
(B)は溝13の反転部における断面図(図1のa−a線
またはk−k線断面に相当)である。溝付きスペーサ11
はポリエチレンの押出成形体で、中心に鋼撚線のテンシ
ョンメンバー21を有している。溝付きスペーサ11の外径
は15.8mm、溝底径は10mmである。溝13の断面寸法は溝上
端幅が4.5 mm、溝底が直径1.3 mmの半円形状、溝深さが
3.0 mmである。溝13の反転角θは約 300°、反転ピッチ
Pは約240 mmである。
【0033】溝付きスペーサ13には8本の溝13を形成
し、そのうちの1本の溝13には4枚のテープ状光ファイ
バ心線15の積層体を収納し、その1本おいて隣の溝13に
は2枚のテープ状光ファイバ心線15の積層体を収納し
た。テープ状光ファイバ心線15の積層体は、溝13の反転
部間中央部では図6(A)のようにテープ面が溝底を向
くように、反転部では図6(B)のようにテープ側縁が
溝底を向くように、溝13内に収納した。各テープ状光フ
ァイバ心線15は溝13内に収納された状態で張力がかから
ないようにした。なお23は押さえ巻き、25はシースであ
る。
【0034】各テープ状光ファイバ心線15は図7(A)
に示すように平行配置された4心の光ファイバ27に共通
被覆29を施したもので、その断面寸法は幅1.1 mm、厚さ
0.4mmである。4枚のテープ状光ファイバ心線15の積層
体の断面寸法は図7(D)のとおりであり、2枚のテー
プ状光ファイバ心線15の積層体の断面寸法は図7(B)
のとおりである。
【0035】以上のような光ファイバケーブルを試作
し、テープ状光ファイバ心線を溝付きスペーサの溝に収
納して押さえ巻き23を巻いた段階と、シース25を施した
段階で、各テープ状光ファイバ心線15の伝送ロスを測定
した。測定波長λは1.55μm である。その結果を表1に
示す。
【0036】
【表1】
【0037】伝送ロスの目標値は平均0.25dB/km以下で
あるので、このケーブルは十分な性能を有することが確
認された。
【0038】図8(A)〜(C)は本発明に係る光ファ
イバケーブルの他の実施例を示す。(A)は溝13の一方
の反転部における断面図(図1のa−a線断面に相
当)、(B)は溝13の反転部間中央部における断面図
(図1のf−f線断面に相当)、(C)は溝13の他方の
反転部における断面図(図1のk−k線断面に相当)で
ある。溝付きスペーサ11はポリエチレンの押出成形体
で、中心に鋼単線のテンションメンバー21を有してい
る。溝付きスペーサ11の外径は10.8mm、溝底径は8.0 mm
である。溝13の断面寸法は溝幅が2.0 mm、溝底が直径2.
0 mmの半円形状、溝深さが2.0 mmである。溝13の反転角
θは約 290°、反転ピッチPは約250 mmである。
【0039】溝付きスペーサ13には5本の溝13を形成
し、1番の溝13には1枚のテープ状光ファイバ心線15
を、2番の溝13には2枚のテープ状光ファイバ心線15の
積層体を、3番の溝13には3枚のテープ状光ファイバ心
線15の積層体を、4番、5番の溝13には2枚のテープ状
光ファイバ心線15の積層体を、それぞれ収納した。テー
プ状光ファイバ心線15およびその積層体は、溝13の反転
部間中央部では図8(B)のようにテープ面が溝底を向
くように、反転部では図8(A)(C)のように傾いた
状態でテープ側縁が溝底を向くように、溝13内に収納し
た。各テープ状光ファイバ心線15は溝13内に収納された
状態で張力がかからないようにした。なお23は押さえ巻
き、25はシースである。
【0040】各テープ状光ファイバ心線15は図7(A)
に示すように4心の光ファイバ27に共通被覆29を施した
もので、その断面寸法は幅が1.1 mm、厚さが0.4 mmであ
る。2枚のテープ状光ファイバ心線15の積層体の断面寸
法は図7(B)のとおりであり、3枚のテープ状光ファ
イバ心線15の積層体の断面寸法は図7(C)のとおりで
ある。
【0041】以上のような光ファイバケーブルを試作
し、テープ状光ファイバ心線を溝付きスペーサの溝に収
納して押さえ巻き23を巻いた段階と、シース25を施した
段階で、各テープ状光ファイバ心線15の伝送ロスを測定
した。測定波長λは1.55μm である。その結果を表2に
示す。
【0042】
【表2】
【0043】伝送ロスの目標値は平均0.25dB/km以下で
あるので、このケーブルは十分な性能を有することが確
認された。
【0044】図9(A)(B)は本発明のさらに他の実
施例を示す。(A)は溝13の反転部間中央部における断
面図(図1のf−f線断面に相当)、(B)は溝13の反
転部における断面図(図1のa−a線またはk−k線断
面に相当)である。この実施例は、複数枚のテープ状光
ファイバ心線15の積層体を、そのテープ側縁が並ぶ面に
発泡プラスチック等からなるクッション性の保護テープ
31を沿わせた状態で、溝付きスペーサ11の溝13内に収納
したものである。このようにするとテープ状光ファイバ
心線15の側縁が直接、溝底や溝壁に押し付けられること
がなくなり、伝送ロス増の抑制に有効である。
【0045】図10は本発明のさらに他の実施例を示
す。この実施例は、溝付きスペーサ11として、個々に溝
13を有する複数本のセグメント形溝部材33をテンション
メンバー21のまわりにSZ撚りで撚り合わせたものを使
用した例である。それ以外の構成は図8の実施例と同様
であるので同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0046】なお以上の実施例では、溝付きスペーサと
して複数本の溝を有するものを使用したが、本発明に使
用する溝付きスペーサは、溝の本数を制限されるもので
はなく、例えば図2および図3に示すように1本の溝し
か有しないものであってもよい。また溝付きスペーサの
溝に収納されたテープ状光ファイバ心線の積層体は、テ
ープ状光ファイバ心線が相互に拘束されていないので、
積層状態が多少崩れる場合もある。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、外
周にらせん方向が周期的に反転するSZらせん型の溝を
有する溝付きスペーサの溝内にテープ状光ファイバ心線
を収納した光ファイバケーブルにおいて、テープ状光フ
ァイバ心線に加わる、捻じりと、テープ面内でテープ側
縁を湾曲させる方向の曲げを小さくでき、かつ溝内での
テープ状光ファイバ心線の向きを無理なく、スムーズに
変えることができる。このためテープ状光ファイバ心線
に無理な応力がかからず、伝送ロスを十分小さく抑える
ことが可能となり、この種の光ファイバケーブルの実用
化に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光ファイバケーブルを説明する
ための(A)は断面を、(B)は側面を示す模式図。
【図2】 (a)〜(k)はそれぞれ、溝の向きとテー
プ状光ファイバ心線の向きとの関係の一例を示す、図1
のa−a線〜k−k線における断面図。
【図3】 本発明に用いる溝付きスペーサの一例を示す
側面図。
【図4】 (a)〜(k)はそれぞれ、溝の向きとテー
プ状光ファイバ心線の向きとの関係の他の例を示す、図
1のa−a線〜k−k線における断面図。
【図5】 本発明に係る光ファイバケーブルの、テープ
状光ファイバ心線の寸法と溝付きスペーサの溝の寸法と
の関係を示す断面図。
【図6】 本発明の一実施例に係る光ファイバケーブル
の、(A)は溝の反転部間中央部における断面図、
(B)は溝の反転部における断面図。
【図7】 (A)〜(D)はそれぞれテープ状光ファイ
バ心線の積層状態を示す断面図。
【図8】 本発明の他の実施例に係る光ファイバケーブ
ルの、(A)(C)は溝の反転部における断面図、
(B)は溝の反転部間中央部における断面図。
【図9】 本発明のさらに他の実施例に係る光ファイバ
ケーブルの、(A)は溝の反転部間中央部における要部
断面図、(B)は溝の反転部における要部断面図。
【図10】 本発明のさらに他の実施例に係る光ファイ
バケーブルの、溝の反転部間中央部における断面図。
【符号の説明】
11:溝付きスペーサ 13:SZらせん型
の溝 13′:溝13の軌跡 15:テープ状光フ
ァイバ心線 17:溝13の反転部 19:溝13の反転部
間中央部 27:光ファイバ 29:共通被覆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 茂 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 速水 茂和 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−127054(JP,A) 特開 平5−313051(JP,A) 特開 平4−55803(JP,A) 特開 平2−48608(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周にらせん方向が周期的に反転するSZ
    らせん型の溝を有する溝付きスペーサと、その溝付きス
    ペーサの溝の中に収納されたテープ状光ファイバ心線と
    を備えた光ファイバケーブルにおいて、 溝付きスペーサの溝の反転角(溝の1つの反転部から次
    の反転部までの溝付きスペーサ周方向における回転角)
    θが180°以上であり、 溝付きスペーサの溝底の断面が半円状になっており、 テープ状光ファイバ心線が、溝の反転部間中央部(溝の
    1つの反転部から次の反転部までの間の中央部)ではテ
    ープ面を溝底に向けた状態で、溝の反転部ではテープ面
    を溝底に向けたまま溝に収納したと仮定したときに反転
    部の溝の曲がりの内側に位置する方のテープ側縁を溝底
    に向けた状態で、溝に収納されており、 テープ状光ファイバ心線の幅をW、厚さをT、積層枚数
    をN(N≧1)としたとき、溝付きスペーサの溝の幅B
    および深さDがそれぞれ次式を満足する、 【数1】B、D≧{W2 +(NT)2 1/2 ことを特徴とする光ファイバケーブル。
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