JPH0616960A - 有機着色物質の安定化方法及び写真用カプラーの不活性化方法 - Google Patents

有機着色物質の安定化方法及び写真用カプラーの不活性化方法

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JPH0616960A
JPH0616960A JP17275292A JP17275292A JPH0616960A JP H0616960 A JPH0616960 A JP H0616960A JP 17275292 A JP17275292 A JP 17275292A JP 17275292 A JP17275292 A JP 17275292A JP H0616960 A JPH0616960 A JP H0616960A
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JP
Japan
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ring
group
compound
dyes
formaldehyde
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JP17275292A
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Hiroyuki Watanabe
裕幸 渡邊
Masakazu Morigaki
政和 森垣
Shigeru Nakamura
茂 中村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ホルムアルデヒドを実質的に放出することな
く、有機着色物質を安定化する。 【構成】式の化合物を用いる有機着色物質の安定化方
法。 (R1 )(R2 )N−CH2 −L (式中、R1 、R2 はアルキル基、アルケニル基を表わ
し、互いに結合して3〜8員環を形成してもよい。Lは
−OR3 、−SR3 、−SOR3 、−SO2 3、ハロ
ゲン原子又はN−アゾール環を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機着色物質(例え
ば、染料、カラー写真画像形成色素)の安定化方法又は
写真用カプラー不活性化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に有機着色物質たとえば有機色素
が、温度、湿度の影響を受けて褪色もしくは変色する傾
向があることは広く知られているが、インク、繊維の染
色あるいはカラー写真などの分野ではこのような有機色
素の褪色もしくは変色を防止すること、すなわち熱安定
性を向上するための研究が行われてきている。本願発明
は、上述の有機着色物質の熱安定性向上の目的で極めて
有利に用いられる。
【0003】従来から有機着色物質たとえば色素が温
度、湿度によって褪色もしくは変色する傾向があること
が知られており、この褪色もしくは変色を減少せしめる
方法すなわち耐熱性を向上せしめる方法については多く
の研究がなされてきた。ハロゲン化銀カラー写真感光材
料の分野ではC. E. Meesおよび T. H. James著“ The T
heory of Photographic Process " ( Macmilan 社19
67年刊)の第17章に記載されているように、芳香族
第1級アミン現像主薬酸化体と発色剤(カプラー)との
反応によって、アゾメチン色素またはインドアニリン色
素が形成される。これらの色素からできた像すなわちカ
ラー画像は、長時間にわたって高温高湿下に保存された
り、光に曝されたりして、変退色しないことが望まれ、
カラー画像の堅牢化研究が行われている。特に、高温高
湿条件下におけるカラー画像の堅牢化のためには、マゼ
ンタ色素として用いられているピラゾロンアゾメチン色
素の変退色防止が重要である。以前より、本ピラゾロン
アゾメチン色素の熱退色防止のために、現像処理の最終
工程にある安定浴にホルマリン(ホルムアルデヒド37
%水溶液)を用いた処理が使われてきた。ピラゾロアゾ
メチン色素の熱退色反応のメカニズムおよびホルマリン
の退色防止作用は、P. W. Vittum , F. C. Duennebier
による J. Amer. Chem. Soc., 72、1536(195
0)によって解明され、熱退色反応メカニズムは、現像
処理後に写真要素中に残存する4当量カプラーが現像処
理によってそのカプラーから得られた色素と反応するこ
とによるためであり、ホルマリンの退色防止作用は、ホ
ルムアルデヒドが残存するマゼンタカプラーと反応しマ
ゼンタ色素に対して不活性な化合物に変換させることに
起因していることを示した。このようなホルムアルデヒ
ドを含有する安定浴の調製の際や安定液の付着した感光
材料の乾燥の際には、若干のホルムアルデヒドの蒸気が
発生する。
【0004】ホルムアルデヒドの吸入は人体に有害であ
ることが知られており、日本産業衛生学会はホルムアル
デヒドの作業環境許容濃度として0.5ppmを勧告し
ている。このため、作業環境改善の観点から安定浴中の
ホルムアルデヒド濃度の低減やホルマリン代替物への転
換の努力がなされて来ている。ホルマリン代替物として
は、例えば特開昭63−244036号公報には、ヘキ
サメチレンテトラミン系化合物が記載されている。この
化合物を用いれば、確かにホルムアルデヒド蒸気圧は減
少するが、本来の目的であるマゼンタ色素の褪色防止能
が不十分で室温でも数週間で顕著な褪色が発生する。ま
た、米国特許第4786583号、同4859574号
明細書等に、尿素やグアニジン、メラミン等のNメチロ
ール化合物が、特開平4−45441号にカルボン酸ア
ミド、ジカルボン酸イミド等のNメチロール化合物およ
びその前駆体が、特開平4−24634号にホルムアル
デヒドのヘミアセタール、亜硫酸塩付加体等が記載され
ている。更に、特開昭2−153350号にビス(アル
キルアミノ)メタン、ビス(アリニノ)メタン等が、特
開平1−230043号等にN−(モルホリノメチル)
又は、N−(ピペリジノメチル)ヘテロ環チオンが、特
開平4−25835号に、チアゾリン環、オキサゾリン
環化合物等が記載されている。
【0005】しかしながら、これらの化合物のうち、ホ
ルマリンと比較してホルムアルデヒド蒸気圧が低減され
るものは画像保存性が悪く、画像保存性を改良するに必
要な量を使用したものはホルマリン並みのホルムアルデ
ヒド蒸気圧であり、画像保存性の改良効果とホルムアル
デヒド蒸気圧の低減とを同時に満足させるものではなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って色素の褪色防止
能が十分で且つホルムアルデヒド蒸気圧が低い化合物、
即ち有効なホルマリン代替物の開発が強く望まれてい
た。本発明の目的は、人体に有害な化合物を実質的に放
出することなく有機着色物質の安定性を改良する方法を
提供することである。また、写真用カプラーが色素と反
応しないように不活性化させる方法を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有機着色
物質の安定性に係る化学反応に関して、鋭意研究した結
果、下記の方法により、上記目的が達成されることを見
い出した。 (1)下記一般式(I)で表わされる化合物を用いる有
機着色物質の安定化方法、熱退色防止方法。 (2)下記一般式(I)で表わされる化合物を用いる写
真用カプラーの不活性化方法。 一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1 及びR2 は同一でも異ってい
てもよく、それぞれアルキル基又はアルケニル基を表わ
し、互いに結合して3〜8員環を形成してもよい。Lは
−OR 3 、−SR3 、−SOR3 、−SO2 3 、ハロ
ゲン原子又は
【0010】
【化4】
【0011】を表わす。R3 はアルキル基、アルケニル
基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基又はスルホニル
基を表わす。R4 は4〜8員のヘテロ環を形成するのに
必要な非金属原子群を表わす。)
【0012】本明細書において、有機着色物なる用語
は、日光の照射下において人間の眼に有色に見える物質
を包含し、約300nmから約900nmに吸収極大を
有する有機物質のことを言う。公知のホルマリン代替物
による色素画像の安定化反応の多くは処理浴中でホルム
アルデヒドを放出し、この放出されたホルムアルデヒド
がマゼンタカプラーと反応して画像安定性改良効果を示
している。従来のホルマリン代替とピラゾロンマゼンタ
カプラーの反応メカニズムを反応式(1)に示す。
【0013】
【化5】
【0014】(式中、Aは従来のホルマリン代替物、C
pはピラゾロンマゼンタカプラーを表わす。)従って、
画像安定性改良効果はホルマリン代替物から放出される
ホルムアルデヒドの放出速度とホルムアルデヒドの平衡
濃度によって決まる。公知のホルマリン代替物の多くは
ホルムアルデヒドの放出速度が遅く、放出量も少ないた
め、ホルムアルデヒド自身を添加した場合と比較して、
ホルムアルデヒド蒸気圧の低減には有効でも、画像安定
性改良効果が劣る。
【0015】これらのことから、公知のホルマリン代替
物は画像安定性改良効果とホルムアルデヒド蒸気圧の低
減との両立は困難であることがわかった。このために、
ホルムアルデヒドよりも反応性が高く、しかもマゼンタ
カプラーと反応する反応活性種がホルムアルデヒドでな
い化合物の探索が必要となり、その結果、一般式(I)
で表わされる化合物を見い出した。
【0016】一般式(I)で示した化合物は、水等に溶
解した場合、一部が一般式(II)で示す遊離インモニウ
ム陽イオン( Mannich反応中間体として知られており、
F. F. Blicke著 Organic Reactions, 1、P303(1
942)等で総説されている。)との平衡にあると考え
られる。 一般式(II)
【0017】
【化6】
【0018】(R1 、R2 は一般式(I)記載のものと
同一)本発明の化合物との平衡状態の本インモニウム陽
イオンが反応活性種として迅速に、現像後に写真要素中
に残存する4当量カプラーと反応し、不活性化する故に
その結果、従来のホルマリン代替物には見られない色素
の安定化、即ち画像安定性改良効果(色素の熱退色防止
効果)とホルムアルデヒト蒸気圧の低減がはかられたと
考えている。本発明である一般式(I)に示す化合物と
ピラゾロンマゼンタカプラーの反応メカニズムを反応式
(II)に示す。
【0019】
【化7】
【0020】(式中、R1 、R2 Lは一般式(I)記載
のものと同一、Cpはピラゾロンマゼンタカプラーを示
す)従来のホルマリン代替物は前述の反応式(I)に示
すとおり、ホルムアルデヒドを経由する反応メカニズム
でマゼンタ色素を安定化する。これは、先述した P. W.
Vittum らの研究によるホルマリンによるマゼンタ色素
安定化と同一の反応を利用している。一方、本発明であ
る一般式(I)に示す化合物は、反応式(II)示すとお
り、一般式(II)示すインモニウム陽イオンを経由する
反応メカニズムでマゼンタカプラーの活性位がメチレン
鎖を介して2量体化の形でブロックされることで不活性
化し、その結果、色素との反応が抑えられ、マゼンタ色
素画像を安定化するものである。
【0021】本発明者等は、反応式(II)を支持する証
拠を得るために鋭意研究をしたところ、液体クロマトグ
ラフィーを用いた分離分析によって反応の中間に生成す
る一般式(III)に示すピラゾロンマゼンタカプラーのア
ミノメチル化体を検出し、その化学構造を確認すること
ができた。 一般式(III)
【0022】
【化8】
【0023】(式中、R1 、R2 は一般式(I)記載の
ものと同一、Cpはピラゾロンマゼンタカプラーを示
す)この事実より、一般式(I)に示す化合物は、従来
のホルマリン代替物とは異なる反応メカニズムによって
マゼンタ色素を安定化していると考えられる。
【0024】本発明の一般式(I)に示す化合物を更に
詳細に説明する。R1 およびR2 は同一でも異なっても
よく、それぞれアルキル基(例えばメチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピル、t−ブチル、シクロプロピ
ル)またはアルケニル基(例えばアリル)を表わす。こ
れらの基はカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基のよ
うな酸性の基以外の基でさらに置換されていてもよい。
置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、ブチル、シクロプロピル、
ヒドロキシメチル、メトキシメチル)、アルケニル基
(例えば、アリル)、アリール基(例えば、フェニル、
4−tert−ブチルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、5
−ピラゾール、4−ピラゾール)、ハロゲン原子(例え
ば、塩素、臭素、弗素)、ニトロ基、シアノ基、アシル
基(例えば、アセチル、ベンゾイル、プロパノイル)又
はスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタン
スルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニ
ル)、スルフィニル基(例えば、ドデカンスルフィニ
ル)、アシルオキシ(例えば、アセトキシ)、アルコキ
シカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブトキ
シカルボニル)、カルバモイル基(例えば、カルバモイ
ル、N−エチルカルボモイル)、スルファモイル基(例
えば、スルファモイル、N−エチルスルファモイル)、
アミノ基、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、
ジメチルアミノ)、アシルアミノ基(例えば、アセチル
アミド、ベンゾイルアミド)、スルホンアミド基(例え
ば、メタンスルホンアミド)、イミド基(例えば、スク
シンイミド)、ウレイド基(例えば、メチルウレイ
ド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N−メチルス
ルファモイルアミノ)、ウレタン基(例えば、メトキシ
カルボニルアミノ)、アルコキシ基(例えば、メトキ
シ、エトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチ
オ、オクチルチオ)、アリールオキシ基(例えば、フェ
ノキシ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ)、
ヘテロ環チオ基(例えば、ベンゾチアゾリルチオ)、ヘ
テロ環オキシ基(1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ)、シリル基及びヒドロキシル基が挙げられる。
【0025】R1 とR2 は互いに結合して3〜8員環を
形成してもよい。R1 とR2 は互いに結合して3〜8員
環を形成する場合には、R1 およびR2 のアルキル基、
アルケニル基が直接結合してもよいし、酸素原子、窒素
原子、硫黄原子等を介して結合してせよい。代表例とし
ては、アジリジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、モ
ルホリン環、ピペラジン環、ピロリン環、イミダゾリン
環、イミダゾリジン環、1,4−オキサジン環、1,4
−チアジン環、アゼチジン環、ピラゾール環、トリアゾ
ール環、テトラゾール環、これらの環にベンゼンが縮環
した環(例えば、インダゾール環、インドール環イソイ
ンドール環、ベンツイミダゾール環、ベンツトリアゾー
ル環)ヘテロ環が縮環した環(例えば、プリン環)、脂
環が縮環した環(例えば、4,5,6,7−テトラヒド
ロインダゾール環)などが挙げられる。これらの環も上
記R1 の基が置換してもよい基として列記した置換基で
置換していてもよい。好ましくは、3〜8員の非芳香族
環を形成する場合である。
【0026】R3 はアルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、t−ブチル、シクロ
プロピル、シクロヘキシル)、アルケニル基(例えばア
リル)、アリール基(例えばフェニル、p−トルイ
ル)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル)、アシル基(例
えば、アセチル)又はスルホニル基を表わす。これらの
基もR1 のアルキル基が有してもよい置換基で置換され
ていてもよい。
【0027】R4 は、Nをふくめて4〜8員のヘテロ環
を形成するのに必要な非金属原子群で、構造において芳
香環または芳香環のケトもしくはキノイド構造を有する
ものはさらに好ましい。R4 で形成する4〜8員のヘテ
ロ環としては、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリ
ン環、ピペラジン環、ピロリン環、ピロール環、イミダ
ゾール環、イミダリン環、イミダゾリジン環、1,4−
オキサジン環、1,4−チアジン環、アゼチジン環、ピ
ラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、これら
の環にベンゼンが縮環した環(例えば、インダゾール
環、インドール環イソインドール環、ベンツイミダゾー
ル環、ベンツトリアゾール環)、ヘテロ環が縮環した環
(例えば、プリン環)、脂環が縮環した環(例えば、
4,5,6,7−テトラヒドロインダゾール環)などが
挙げられる。これらの環上の原子もR 1 の基が置換して
もよい基として列記した置換基で置換していてもよい。
【0028】一般式(I)で表わされる化合物のうち、
炭素数の総和が20以下のものが好ましく、より好まし
くは15以下のものである。以下に、本発明の一般式
(I)表わされる化合物の具体例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】これらの本発明の化合物は対応する2級ア
ミン、一般式(I)中のL−Hに相当する化合物および
ホルムアルデヒドから井本 稔、垣内 弘、黄 慶雲編
「ホルムアルデヒド−その化学と工業−」朝倉書店 P
325〜335および G. F.Grillot ほか J. Amer. Ch
em. Soc., 76 3969 (1954)記載の方法で
容易に合成することができる。以下に本発明の例示化合
物の合成例を示す。
【0034】合成例1(例示化合物A−18) ピラゾール8.4gをホルマリン(37%ホルムアルデ
ヒド水溶液)に10ml溶解し、室温でモルホリン10.
7gを加えた。滴下終了後、徐々に加熱して40℃まで
昇温し、更に4時間攪拌した。反応液を放冷後、酢酸エ
チル100mlで抽出し、水洗した後、酢酸エチルを減圧
留去した。粗製物をベンゼンより再結晶することで目的
生成物9.6gを得ることができた。同定はNMR、M
Sスペクトル及び元素分析で行い、例示化合物A−18
と一致した。
【0035】合成例2(例示化合物A−26) モルホリン10.7gにチオフェノール11gを滴下す
る。その際中和熱による発熱を防ぐため10℃の水浴中
で滴下混合する。滴下後10mlのホルマリン(37%ホ
ルムアルデヒド水溶液)を加える。この時も発熱する
が、水浴をはずし、80℃の湯せんにつけて4時間反応
させる。放冷後、油状物を酢酸エチルにて抽出し水洗し
た後、酢酸エチルを減圧留去する。粗製物を減圧蒸留す
ることで目的生成物5gを得ることができた。同定はN
MR、MSスペクトル及び元素分析で行い、例示化合物
A−26と一致した。
【0036】本発明の化合物を有機着色物と反応させる
には、例えば有機着色物に対して本発明の化合物を共存
させたり、水溶液にしてオーバーコートの如く重ねて塗
布したり、噴霧したり、更に又は有機着色物が写真材料
の如きフィルム状塗布物中に存在する場合には、本発明
の化合物の水性液等にそのフィルム状塗布物をその水性
液に浸漬させてもよい。
【0037】本発明の化合物の使用量は、有機着色物質
と共存して用いる場合は有機着色物質1モルに対して5
〜400モル%が好ましく、より好ましくは10〜30
0モル%である。本発明の化合物を水性液に浸漬させた
り反応させる場合には、処理液1リットルあたり、1〜
20mmolが好ましく、更に好ましくは2〜10mmolであ
り、より好ましくは2〜5mmolの濃度にて行うことが好
ましい。
【0038】なお、本発明において一般式(I)で表わ
される化合物を添加するとは水性液中に一般式(I)で
表わされる化合物が存在する以外に平衡化合物である2
級アミンならびに、一般式(I)中で示されるL−Hで
表わされる化合物が存在してもよい。
【0039】本発明で安定化される有機着色物質は、塩
基性色素、酸性色素、直接色素、可溶性建築色素、媒染
色素等の水溶性色素、硫化色素、建築色素、油溶色素、
分散色素、アゾイック色素、酸化色素の如き不溶性色
素、あるいは反応性色素などの染色的性質上の分類に属
する色素をすべて包含する。これらの色素のうち本発明
の方法により好ましく安定化される色素は、キノンイミ
ン色素(アジン色素、オキサジン色素、チアジン色素な
ど)、メチンおよびポリメチン色素(ジアニン色素、ア
ゾメチン色素など)、アゾ色素、アントラキノン色素、
インドアミンおよびインドフェノール色素、インジゴイ
ド色素、カルボニウム色素、ホルマザン色素などの化学
構造上の分類に属する色素を包含する。
【0040】本発明の方法で安定化される有機着色物質
は、写真の分野で用いられている画像形成用色素、例え
ばカラーカプラー、DRR化合物、DDRカプラー、ア
ミドテトラゾリン化合物色素現像薬などから形成される
色素、銀色素漂白法用色素などすべて包含する。
【0041】本発明の方法で安定化される有機着色物質
として好ましい色素は、アントラキノン、キノンイミ
ン、アゾ、メチン、ポリメチン、インドアミン、インド
フェノールおよびフォルマザン色素等である。上記着色
物質として最も好ましく用いられている色素は、メチン
およびポリメチン色素ならびにインドアミンおよびイン
ドフェノール色素である。これらの色素は下記の基を有
する化合物を包含する。
【0042】
【化13】
【0043】上記の基中、phは、無置換のフェニル基
あるいは置換されたフェニル基、例えばアルキル基、ア
ルコキシル基、ハロゲン原子、アミン基などで置換され
たフェニル基を表す。
【0044】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 ピラゾロンマゼンタカプラーと本発明化合物のカプラー
安定化反応について実験を行った。ピラゾロンマゼンタ
カプラー(化合物B−1)0.02mmolを酢酸エチル1
00ミリリットルに溶解させ、これを反応液Aとする。
本発明化合物(化合物A−18)2.0mmolを酢酸エチ
ル100ミリリットルに溶解させこれを反応液Bとす
る。25.0℃恒温槽内で反応液A、反応液Bを等量混
合し、混合後のマゼンタカプラーおよび反応生成物を高
速液体クロマトグラフィーにて分離定量した。反応生成
物としてアミノメチル化体(化合物B−2)およびメチ
レンビス体(化合物B−3)が得られた。各化合物の反
応時間毎の定量値を表1に示す。
【0045】
【化14】
【0046】
【表1】
【0047】表1からわかるように、本発明化合物はマ
ゼンタカプラーと速やかに反応し、しかも従来のフォル
ムアルデヒドとは異なる反応を経路を経ることによりマ
ゼンタカプラーを安定化することがわかる。
【0048】実施例2 カラーネガフィルムとしてフジカラー160プロフェッ
ショナルSを像様露光し、シネ式自動現像機を用いて、
フジカラーCN−16処理のうち定着処理までを実施
後、以下の水性液にて浸漬処理を行い、画像安定性テス
トを行った。本水性液組成および浸漬処理方法を以下に
示す。 (水性液組成) 画像安定化剤(表2に記載) 0.01モル 水を加えて 1.0リットル pH 7.0
【0049】(浸漬処理方法)処理温度38.0℃に保
った上記水性液に60秒間浸漬し、取りだした後に、自
然乾燥する。
【0050】(画像保存性の評価)上記処理後の各試料
を、富士写真フイルム(株)製写真濃度計FSD103
にてマゼンタ濃度を測定した後、25℃相対湿度55%
の条件にて2カ月間経時させ再び同様に濃度を処理し
た。経時によるマゼンタ濃度の減少分により評価を行っ
た。(M褪色)尚、処理後の各試料のマゼンタ濃度は全
て1.5であった。
【0051】(ホルムアルデヒド蒸気圧の測定)上記の
処方にて各水性液を調液し、それぞれ100ミリリット
ルずつシャーレ(開口面積80cm2 )に入れ、容量5リ
ットルのガラス製密閉容器内に設置した。20℃で7日
間経時させた後、ガラス製容器内のホルムアルデヒド蒸
気圧をガステック社製ホルムアルデヒドL型直読式ガス
検知管にて測定した。(HCHO濃度)表Bに使用した
各安定化剤、および評価結果を示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【化15】
【0054】
【化16】
【0055】表2よりわかるように、 No.2、3、5、
6ではホルムアルデヒドが検出されたが、他のものでは
検出されなかった。公知の類似化合物と比較し、本発明
の一般式(I)で表わされる化合物は、画像保存性に著
しく優れている。
【0056】
【発明の効果】本発明を実施することにより、ホルムア
ルデヒド蒸気圧に対する作業環境の改善が達成され、か
つ色素画像の保存性が優れる。
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【手続補正書】
【提出日】平成4年8月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【化12】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】合成例1(例示化合物A−18) ピラゾール8.4gをホルマリン(37%ホルムアルデ
ヒド水溶液)10mlに溶解し、室温でモルホリン1
0.7gを加えた。滴下終了後、徐々に加熱して40℃
まで昇温し、更に4時間攪拌した。反応液を放冷後、酢
酸エチル100mlで抽出し、水洗した後、酢酸エチル
を減圧留去した。粗製物をベンゼンより再結晶すること
で目的生成物9.6gを得ることができた。同定はNM
R、MSスペクトル及び元素分析で行い、例示化合物A
−18と一致した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】(ホルムアルデヒド蒸気圧の測定)上記の
処方にて各水性液を調液し、それぞれ100ミリリット
ルずつシャーレ(開口面積80cm)に入れ、容量5
リットルのガラス製密閉容器内に設置した。20℃で7
日間経時させた後、ガラス製容器内のホルムアルデヒド
蒸気圧をガステック社製ホルムアルデヒドL型直読式ガ
ス検知管にて測定した。(HCHO濃度)表2に使用し
た各安定化剤、および評価結果を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされる化合物を
    用いることを特徴とする有機着色物質の安定化方法。 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は同一でも異っていてもよく、そ
    れぞれアルキル基又はアルケニル基を表わし、互いに結
    合して3〜8員環を形成してもよい。Lは−OR3 、−
    SR3 、−SOR3 、−SO2 3 、ハロゲン原子又は 【化2】 を表わす。R3 はアルキル基、アルケニル基、アリール
    基、ヘテロ環基、アシル基又はスルホニル基を表わす。
    4 は4〜8員のヘテロ環を形成するのに必要な非金属
    原子群を表わす。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(I)で表わさ
    れる化合物を用いた写真用カプラーの不活性化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一般式(I)で表わさ
    れる化合物を用いた有機着色物質の熱退色防止方法。
JP17275292A 1992-06-30 1992-06-30 有機着色物質の安定化方法及び写真用カプラーの不活性化方法 Pending JPH0616960A (ja)

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JP17275292A JPH0616960A (ja) 1992-06-30 1992-06-30 有機着色物質の安定化方法及び写真用カプラーの不活性化方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4851518A (en) * 1985-12-23 1989-07-25 Schering Corporation Di and tri-O-acetyl-"O-iso-valeryl-23-O-demycinosyl tylosins, hydrazone derivatives thereof and processes for their preparation

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4851518A (en) * 1985-12-23 1989-07-25 Schering Corporation Di and tri-O-acetyl-"O-iso-valeryl-23-O-demycinosyl tylosins, hydrazone derivatives thereof and processes for their preparation

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