JPH0616950U - 直流コンバータ回路 - Google Patents

直流コンバータ回路

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JPH0616950U
JPH0616950U JP5469892U JP5469892U JPH0616950U JP H0616950 U JPH0616950 U JP H0616950U JP 5469892 U JP5469892 U JP 5469892U JP 5469892 U JP5469892 U JP 5469892U JP H0616950 U JPH0616950 U JP H0616950U
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機 松尾
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株式会社白金製作所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造および調整が簡単かつ十分な自動停止性
能が得られる直流コンバータ回路を提供すること。 【構成】 トランスT2にバッテリBT、トランジスタQ1を
含む一次側回路13、ダイオードD 、主コンデンサMCを含
む二次側回路14を形成、二次側回路14はトランジスタQ1
のベースB 、エミッタE を経由、ベースB とエミッタE
間に抵抗R4を並列接続して保持手段16を形成、充電スイ
ッチSW2 で開閉されてベースB とエミッタE 間にバッテ
リBTの電圧を印加する起動手段15を形成。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は直流コンバータ回路に関し、小型簡易カメラのストロボ発光装置の充 電回路等として利用できる。
【0002】
【背景技術】
近年、一般的な携帯用カメラには、撮影光量の不足を補うためにキセノンラン プ等の高輝度発光素子を利用したストロボ発光装置が内蔵されている。 このようなストロボ発光装置では、携帯用カメラの内蔵電池の低圧直流電源か ら発光素子の発光に必要な高圧直流電源を得るために、直流コンバータが利用さ れている。
【0003】 図5には、一般的なストロボ発光装置90が示されている。 ストロボ発光装置90は、キセノンランプXeを含む発光回路91を有し、この発光 回路91は蓄電素子である主コンデンサMCからの高圧直流により作動する。
【0004】 発光回路91の Vmc側と GND側 (主コンデンサMCの−側と+側) との間には、キ セノンランプXeと、直列接続された抵抗R1, R2および充電表示用のネオンランプ Neとが並列に接続されている。 抵抗R1, R2の間には発光用トランスT1の一次側端子が接続され、この一次側端 子と GND側との間にはコンデンサC1が接続されている。 発光用トランスT1の二次側端子はキセノンランプXeのトリガー端子に接続され 、一次側と二次側とに共通のタップは発光スイッチSW1 を介して GND側に接続さ れている。
【0005】 このような発光回路91においては、主コンデンサMCの充電が進むにつれて Vmc 側と GND側との間の電圧が上昇し、抵抗R1, R2およびコンデンサC1によってネオ ンランプNeが点滅して充電が表示される。 そして、主コンデンサMCが高電圧の状態で発光スイッチSW1 を導通させると、 発光用トランスT1の一次側に高圧の電流が流れ、二次側に発生される高周波パル スによりキセノンランプXe内のキセノンガスが励起される。 これによりキセノンランプXe内のキセノンガスが電離イオン化し、キセノンラ ンプXeの両極間に主コンデンサMCの高電圧によるプラズマ電流が流れ、プラズマ が再結合する時の余剰エネルギがフラッシュ光となって高輝度の発光が行われる ことになる。
【0006】 一方、ストロボ発光装置90は、主コンデンサMCを充電するために直流コンバー タを用いた充電回路92を備えている。 充電回路92は、直流電源であるバッテリBTからの低圧直流を充電用トランスT2 の一次側に加えるとともに、スイッチング素子である NPN型のパワートランジス タQ1により断続して発振昇圧して二次側に高電圧を発生させ、この高電圧を整流 素子であるダイオードD により直流化して主コンデンサMCに充電するようになっ ている。
【0007】 充電用トランスT2は二次側にタップを有する五端子トランスであり、その二次 側コイルL2および帰還用コイルL3の中間のタップ端子は充電スイッチSW2 を介し てトランジスタQ1のベースB に接続されている。 充電用トランスT2の一次側コイルL1は、一方の端子をバッテリBTの+側(Vcc) に接続され、他方の端子をトランジスタQ1のコレクタC に接続されている。
【0008】 充電用トランスT2の二次側コイルL2の他の端子はダイオードD を介して主コン デンサMCの−側(Vmc) に接続されている。 充電用トランスT2の帰還用コイルL3の他の端子は抵抗R3を介してバッテリBTの +側(Vcc) に接続されている。 トランジスタQ1のエミッタE はバッテリBTの−側 (GND)に接続されている。
【0009】 ここで、充電用トランスT2の一次側コイルL1からトランジスタQ1のコレクタC 、エミッタE 、バッテリBTを経て一次側コイルL1に戻る回路により一次側回路93 が形成される。 また、充電用トランスT2の二次側コイルL2から充電スイッチSW2 、トランジス タQ1のベースB 、エミッタE 、主コンデンサMC、ダイオードD を経て二次側コイ ルL2に戻る回路により二次側回路94が形成される。 さらに、充電用トランスT2の帰還用コイルL3から充電スイッチSW2 、トランジ スタQ1のベースB 、エミッタE 、バッテリBT、抵抗R3を経て帰還用コイルL3に戻 る回路により帰還用回路95が形成される。
【0010】 このような充電回路92においては、充電スイッチSW2 を切断した状態では二次 側回路94および帰還用回路95が非導通状態であり、ベースB 電圧が得られないた めにトランジスタQ1のコレクタC 、エミッタE 間が遮断状態となって一次側回路 93も非導通状態であり、充電動作は行われない。
【0011】 次に、充電スイッチSW2 を導通させると、帰還用回路95を通してバッテリBTか らトランジスタQ1のベースB に電圧が与えられて一次側回路93が導通し、一次側 コイルL1を流れる一次側電流によって二次側コイルL2に起電力が生じる。 そして、二次側コイルL2を流れる二次側電流によって帰還用コイルL3に逆起電 力が生じ、帰還用コイルL3に生じる起電力は帰還用回路95におけるバッテリBTか らの電圧と逆向きとなってトランジスタQ1のベースB 電圧を降下させ、一次側回 路93が遮断される。
【0012】 こうして一次側電流が無くなると、二次側コイルL2および帰還用コイルL3の起 電力も無くなり、帰還用回路95によりトランジスタQ1が導通され、再び一次側電 流が流れることになる。 従って、充電スイッチSW2 が導通されている状態では、帰還用回路95によって 一次側回路93が繰り返し断続され、これにより充電用トランスT2の二次側回路94 には高電圧が発生され (発振昇圧) 、主コンデンサMCに高電圧が充電される。
【0013】 なお、このような充電回路92においては、トランスT2にタップ付きコイルを用 いているため、二次側回路94は充電スイッチSW2 およびトランジスタQ1を通るよ うになっているが、二次側コイルL2が帰還用コイルL3と分離されているならば、 二次側コイルL2の一方の端子は充電スイッチSW2 およびトランジスタQ1を経由せ ずに直接 GND側に接続してもよい。
【0014】 つまり、充電回路92の発振は帰還用回路95とくに帰還用コイルL3によって確保 されているため、二次側回路94がトランジスタQ1に関与しなくてもよく、帰還用 回路95が導通されている限り前述した通りの発振が行われる。
【0015】 ところで、前述した充電回路92の充電スイッチSW2 としては、一般にスライド スイッチ等の操作位置を自己保持する形式のスイッチ (ラッチ型スイッチ) も用 いられている。 また、使い捨て式等の簡易型カメラの充電スイッチSW2 には、構造簡略化やコ スト低減などのために、押している間だけ導通状態になる押しボタン式等のスイ ッチ (アンラッチ型スイッチ) が用いられている。
【0016】 ここで、充電スイッチSW2 は主コンデンサMCが十分に充電されるまでの時間ず っと導通状態に維持されている必要がある。 このため、アンラッチ型スイッチを用いた際には、充電の間ずっとボタンを押 し続ける等の操作が必要となり、煩雑さが避けられない。
【0017】 一方、ラッチ型スイッチを用いた際には、充電位置にスイッチを操作すれば手 を離しても充電が継続される。 しかし、ラッチ型スイッチでは、別途操作してスイッチを充電位置から戻さな い限り、主コンデンサMCが十分に充電された後も充電動作が継続されることにな り、電池が消耗して寿命が短くなってしまう。
【0018】 従って、前述のようなストロボ発光装置90では、充電時の操作が煩雑かまたは 充電電池寿命が短いという問題が避けられなかった。 これに対し、ラッチ型スイッチを用いて操作を簡略化しかつ充電を自動停止で きるようにした自動停止機能付きストロボ発光装置80が開発されている。
【0019】 図6には、従来の自動停止機能付きストロボ発光装置80が示されている。 ストロボ発光装置80は、前述したストロボ発光装置90と同様な発光回路81、主 コンデンサMCを備え、この主コンデンサMCを充電するために直流コンバータを用 いた自動停止機能付きの充電回路82を備えている。
【0020】 充電回路82は、個々の素子および基本的な構成が前述した充電回路92と同様で あり、一次側回路83、二次側回路84、帰還用回路85を備えて発振昇圧を行うもの である。 ただし、トランジスタQ1が PNP型でありトランジスタQ1や充電用トランスT2の GND側およびVcc 側が逆になっている点、充電スイッチSW2 がバッテリBTに直列 接続されている点、トランジスタQ1から主コンデンサMCの Vmc側に到る自動停止 回路86が加えられている点が異なる。
【0021】 一次側回路83は、充電用トランスT2の一次側コイルL1からトランジスタQ1のコ レクタC 、エミッタE 、バッテリBT、充電スイッチSW2 を経て一次側コイルL1に 戻る回路により形成される。 二次側回路84は、充電用トランスT2の二次側コイルL2からダイオードD 、主コ ンデンサMC、 GND側から充電スイッチSW2 、バッテリBT、トランジスタQ1のエミ ッタE 、ベースB を経て二次側コイルL2に戻る回路により形成される。 帰還用回路85は、充電用トランスT2の帰還用コイルL3から抵抗R3、充電スイッ チSW2 、バッテリBT、トランジスタQ1のエミッタE 、ベースB を経て帰還用コイ ルL3に戻る回路により形成される。
【0022】 自動停止回路86は、二つのスイッチング用トランジスタQ2, Q3およびツェナー ダイオードZDを有し、トランジスタQ2のエミッタE 、コレクタC はそれぞれトラ ンジスタQ1のエミッタE 、ベースB に接続されている。 また、トランジスタQ3は、コレクタC をトランジスタQ2のベースB に接続され 、エミッタE を GND側に接続され、ベースB はツェナーダイオードZDを介して主 コンデンサMCの+側 (Vmc)に接続されている。
【0023】 このような充電回路82においては、充電スイッチSW2 を切断した状態では一次 側、二次側、帰還用の全ての回路83〜85が非導通状態であり、充電動作は行われ ない。 次に、充電スイッチSW2 を導通させると、帰還用回路85により一次側回路83を 断続して二次側回路84に高電圧を発生する発振昇圧が行われる。
【0024】 ここで、主コンデンサMCの充電が進み、充電電圧(Vmc) が所定値を超えると、 ツェナーダイオードZDからトランジスタQ3のベースB に電圧がかかり、トランジ スタQ2はベースB を GND側に接地されてエミッタE 、コレクタC 間が導通し、ト ランジスタQ1のエミッタE 、ベースB 間が短絡されてトランジスタQ1が強制的に 遮断される。 これにより、帰還用回路85および一次側回路83が遮断状態に固定され、充電回 路82の発振昇圧は自動停止回路86により自動的に停止されることになる。
【0025】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した自動停止機能付きの充電回路82は、複数のトランジス タQ2, Q3およびツェナーダイオードZDの付加が必要であるため、構造的な複雑化 および製造コスト上昇が避けられないという問題がある。 特に、使い捨て式などの簡易型カメラの充電回路としては、なるべく簡単で小 型かつ低コストであることが要求されており、前述した充電回路82を適用するこ とが難しく、このために前述した各種スイッチに起因する不都合を解決できない という問題がある。
【0026】 さらに、前述した自動停止機能付きの充電回路82では、自動停止回路86に用い る各トランジスタQ2, Q3やツェナーダイオードZD等の特性により自動停止する充 電電圧が決まるため、主コンデンサMCの充電電圧が適性になるように調整するこ とが難しいという問題がある。
【0027】 本考案の目的は、構造および調整が簡単で十分な自動停止性能が得られる直流 コンバータ回路を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本考案は、トランスの二次側に整流素子および蓄電素子を直列接続して二次側 回路を形成し、前記トランスの一次側に直流電源を接続して一次側回路を形成し 、この一次側回路中に操作端子の入力電圧に応じて当該一次側回路の導通を断続 するスイッチング素子を設け、前記操作端子を前記二次側回路中に直列に介在さ せ、前記操作端子と並列に前記二次側回路を流れる電流に応じた所定の電圧値を 保持する保持手段を設け、外部操作により前記スイッチング素子を導通状態とす るのに十分な電圧を前記操作端子に印加可能な起動回路を設けたことを特徴とす る。
【0029】 ここで、スイッチング素子としては前述したパワートランジスタQ1等が利用で き、操作端子としてはそのエミッタE およびベースB が利用できる。 また、保持手段としては前述したトランジスタQ1のエミッタE 、ベースB 間に 抵抗やコンデンサを架け渡した構成が利用できる。 さらに、起動回路としては、一次側の直流電源からの電圧をスイッチで断続し て操作端子に印加する構成等が利用できる。
【0030】
【作 用】
このような本考案においては、起動回路により操作端子に電圧を加えるとスイ ッチング素子が導通状態となって一次側回路が通電し、二次側回路に起電力が発 生する。そして、二次側回路の起電力により操作端子の電圧が打ち消されるとス イッチング素子が遮断状態になって一次側回路が遮断され、先の二次側回路の起 電力が消える。すると、再び起動回路からの電圧により一次側回路が通電し、こ れらの断続の繰り返しにより発振昇圧が行われる。
【0031】 ここで、発振が繰り返されている状態では、保持手段により二次側回路の電流 に応じた電圧が操作端子に保たれるため、起動回路による操作端子への電圧印加 を止めても発振昇圧は自動的に継続される。 また、保持手段は二次側回路を流れる電流に応じた所定の電圧値を保持する ものであるため、負荷等に応じて二次側回路の電流が減少した際には自動的に発 振昇圧が停止される。
【0032】 従って、本考案の回路を前述したストロボ発光装置の充電回路に適用すれば、 充電開始時に僅かな時間だけ起動回路を操作すればよく、発振が始まったら操作 を止めてもよく、充電により主コンデンサの電圧が高まれば、充電電流が減少す ることで自動停止させることができる。 そして、本考案の保持手段や起動回路は、前述した複数のトランジスタを用い た自動停止回路に比べて十分に簡単な構成とすることができ、これらにより前記 目的が達成される。
【0033】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図1には、本考案の第一実施例として、簡易型カメラ等に内蔵されるストロボ 発光装置10が示されている。
【0034】 ストロボ発光装置10は、蓄電素子である主コンデンサMCと、主コンデンサMCに 充電された高圧直流により作動する発光回路11と、主コンデンサMCを充電するた めの本考案に基づく充電回路12と、充電回路12の直流電源となるバッテリBTとを 備えている。 このうち、発光回路11、主コンデンサMC、バッテリBT、および充電回路12の要 素等は前述した従来のストロボ発光装置90と同様なものであり、簡略化のため同 じ部分には同じ符号を附して説明を省略する。
【0035】 一方、本実施例の充電回路12は、前述した従来の充電回路92と同様の要素を有 するが、この充電回路92とは充電スイッチSW2 の位置が異なり、トランジスタQ1 のエミッタE とベースB との間に抵抗R4が並列接続されている点が異なる。
【0036】 そして、本実施例の充電回路12においては、充電用トランスT2の一次側コイル L1からトランジスタQ1のコレクタC 、エミッタE 、バッテリBTを経て一次側コイ ルL1に戻る回路により一次側回路13が形成される。 また、充電用トランスT2の二次側コイルL2からトランジスタQ1のベースB 、エ ミッタE 、主コンデンサMC、ダイオードD を経て二次側コイルL2に戻る回路によ り二次側回路14が形成される。
【0037】 そして、バッテリBTの+側(Vcc) から充電スイッチSW2 、抵抗R3、帰還用コイ ルL3を経てトランジスタQ1のベースB に入り、そのエミッタE からバッテリBTの −側(GND) に戻る回路により起動回路15が構成される。 この起動回路15は、途中に帰還用コイルL3を含むため、前述した従来の充電回 路92の帰還用回路95と同様な機能も有する。 また、トランジスタQ1のベースB 、エミッタE に並列接続された抵抗R4により 保持手段16が構成される。
【0038】 このような充電回路12においては、充電スイッチSW2 を切断した状態では起動 回路15が非導通状態であり、二次側回路14も電流がない状態ではトランジスタQ1 のベースB に電圧が得られない。このため、トランジスタQ1のコレクタC 、エミ ッタE 間が遮断状態となって一次側回路13も非導通状態であり、充電動作は行わ れない。
【0039】 次に、充電スイッチSW2 を導通させると、起動回路15によってバッテリBTから トランジスタQ1のベースB に電圧が与えられて一次側回路13が導通し、一次側コ イルL1を流れる一次側電流によって二次側コイルL2に起電力が生じる。 そして、二次側コイルL2を流れる二次側電流によって帰還用コイルL3に逆起電 力が生じ、帰還用コイルL3に生じる起電力は起動回路15におけるバッテリBTから の電圧と逆向きとなってトランジスタQ1のベースB 電圧を降下させ、一次側回路 93が遮断される。
【0040】 つまり、充電スイッチSW2 を導通させた状態では、起動回路15が前述した従来 の充電回路92の帰還用回路95と同様に作用し、一次側回路93が繰り返し断続され ることで発振昇圧が行われ、主コンデンサMCに高電圧が充電される。
【0041】 続いて、発振昇圧が行われている間に充電スイッチSW2 を切ると、起動回路15 が遮断され、バッテリBTからトランジスタQ1のベースB への電圧印加が無くなる とともに、帰還用コイルL3の逆起電力も無くなる。 しかし、充電トランスT2では発振昇圧が行われていたため、一次側回路93の一 次側電流が切れても僅かな時間、二次側回路94に二次側電流が残留する。この残 留二次側電流はトランジスタQ1のベースB 、エミッタE 間を流れるとともに、当 該部分に並列接続された抵抗R4により当該部分に所定の電圧を保持し、これによ りトランジスタQ1は再び導通されて一次側回路93に一次側電流が流れる。
【0042】 つまり、充電スイッチSW2 を切っても、一次側電流により二次側電流が遮断さ れるとトランジスタQ1が遮断されて一次側電流が無くなり、一次側電流が無くな ると残留する二次側電流によりトランジスタQ1が導通されて一次側電流が生じる という繰り返しが行われ、これにより発振昇圧が続行される。
【0043】 さらに、このような発振昇圧を続けると、主コンデンサMCの充電電圧が除々に 上昇してゆき、二次側コイルL2の起電力との差が小さくなってゆくと二次側電流 が減少してゆく。 すると、二次側電流によって抵抗R4に生じる電圧が低下し、トランジスタQ1の ベースB 、エミッタE 間に充分な電圧が得られなくなってトランジスタQ1の導通 が行われなくなり、前述した残留二次側電流による一次側電流の発生が途絶され て発振昇圧が停止される。
【0044】 つまり、主コンデンサMCの充電電圧が所定の電圧となったときに発振昇圧が停 止されるように、事前に抵抗R4の値を適宜調整しておくことにより、充電動作の 自動停止が行われることになる。
【0045】 なお、この状態で充電スイッチSW2 を導通させれば、その間は起動回路15によ りトランジスタQ1が強制的に導通され、発振昇圧を行って主コンデンサMCへの充 電を継続することが可能である。
【0046】 図2には、本実施例における時間経過に伴う主コンデンサMCの充電電圧の変換 の模様が示されている。 充電スイッチSW2 をずっと導通状態とし続けた場合、主コンデンサMCの充電電 圧は曲線A1のようになり、時点t1で充電目標値B1を超えても充電動作が継続され る。 充電スイッチSW2 を導通させて発振昇圧が始まった時点ですぐに切った場合、 主コンデンサMCの充電電圧は曲線A2のようになり、充電目標値B1を超えた時点t2 で充電動作が自動停止される。
【0047】 なお、充電動作が自動停止された後は、自然放電により主コンデンサMCの充電 電圧は徐々に降下してゆくが、任意の時点で充電スイッチSW2 を導通させて発振 昇圧を再開させれば充電目標値B1への復帰が可能である。 また、充電動作が自動停止された後、更に充電スイッチSW2 を導通状態とし続 けることで充電目標値B1より高い電圧までの充電も可能である。
【0048】 このような本実施例によれば、充電開始時に僅かな時間だけ充電スイッチSW2 を操作して発振を開始させれば、後は充電スイッチSW2 を止めても自動的に充電 が継続される。 そして、この自動的な充電は、主コンデンサMCが所定の充電電圧に達した時点 で自動的に停止させることができる。
【0049】 このため、充電スイッチSW2 が押しボタンスイッチ等のアンラッチ式スイッチ であっても、充電の間ずっと押し続ける必要はなくなり、充電操作を容易なもの にすることができる。 そして、この充電は自動的に停止するため、別途の停止操作等を行う必要もな くなるうえ、充電の切り忘れがなくなるためバッテリBTの無駄な消費を防止でき る。 これらの効果は、スライドスイッチ等のラッチ型スイッチを用いた場合でも同 様である。
【0050】 さらに、本実施例では、保持手段である抵抗R4で二次側電流に応じた電圧を生 じさせてトランジスタQ1の断続を行って発振昇圧させ、主コンデンサMCの充電電 圧が上昇して二次側電流が減少することで自動停止を行うようにしたため、前述 した従来の自動停止回路86等に比べて十分に簡単な構成とすることができる。
【0051】 従って、自動停止用の構成が簡略であることに加え、押しボタンスイッチ等の 安価なスイッチでも自動充電ないし自動充電停止が行え、かつ無駄な消費が防止 できることで電池容量も小さくて済むことから、製造コストを安価にでき、使い 捨て式等の簡易型カメラにも広く採用することができる。
【0052】 一方、本実施例では起動手段15が既存の帰還用回路の機能を含むため、充電ス イッチSW2 を操作して通電状態に保持することで、既存の充電回路と同様な充電 を行うことができる。
【0053】 そして、自動式の充電が完了停止した後、充電スイッチSW2 を再度導通させる ことでより高い電圧まで追加充電が行え、主コンデンサMCに十分な充電電圧を確 実に得ることができる。 さらに、自動充電時に平行して充電スイッチSW2 を導通させて起動手段15を帰 還用回路として作動させることで、自動充電による充電時間を短縮することがで きる。
【0054】 図3には、本考案の第二実施例として、簡易型カメラ等に内蔵されるストロボ 発光装置20が示されている。 ストロボ発光装置20は、前述した第一実施例のストロボ発光装置10と同様な発 光回路21、主コンデンサMCを備え、この主コンデンサMCを充電するために直流コ ンバータを用いた自動停止機能付きの充電回路22を備えている。
【0055】 充電回路22は、個々の素子および基本的な構成が前述した充電回路12と同様で あり、一次側回路23、二次側回路24、起動回路25、保持手段26を備えて発振昇圧 を行うものである。 ただし、トランジスタQ1が PNP型でありトランジスタQ1や充電用トランスT2の GND側およびVcc 側が逆になっている点が異なる。
【0056】 一次側回路23は、充電用トランスT2の一次側コイルL1からトランジスタQ1のコ レクタC 、エミッタE 、バッテリBTを経て一次側コイルL1に戻る回路により形成 される。 二次側回路24は、充電用トランスT2の二次側コイルL2からダイオードD 、主コ ンデンサMC、 GND側からバッテリBT、トランジスタQ1のエミッタE 、ベースB を 経て二次側コイルL2に戻る回路により形成される。
【0057】 起動回路25は、バッテリBTの+側(Vcc) からトランジスタQ1のエミッタE に入 り、そのベースB から帰還用コイルL3、抵抗R3、充電スイッチSW2 を経てバッテ リBTの−側(GND) に戻る回路により構成される。 保持手段26は、トランジスタQ1のベースB 、エミッタE に並列接続された抵抗 R4により構成される。
【0058】 このような本実施例においては、バッテリBTの極性が逆である以外は前記第一 実施例と同様な構成を有するため、前記第一実施例と同様な操作により同様な効 果を得ることができる。
【0059】 図4には、本考案の第三実施例として、簡易型カメラ等に内蔵されるストロボ 発光装置30が示されている。 ストロボ発光装置30は、前述した第一実施例のストロボ発光装置10と同様な発 光回路31、主コンデンサMCを備え、この主コンデンサMCを充電するために直流コ ンバータを用いた自動停止機能付きの充電回路32を備えている。
【0060】 充電回路32は、個々の素子および基本的な構成が前述した充電回路12と同様で あり、一次側回路33、二次側回路34、起動回路35、保持手段36を備えて発振昇圧 を行うものである。 ただし、充電用トランスT2が中間タップによる帰還用コイルL3を有する五端子 式ではなく、一次側コイルL1および二次側コイルL2のみの四端子式である点が異 なるとともに、起動回路35および保持手段36の構成が異なる。
【0061】 一次側回路33は、充電用トランスT2の一次側コイルL1からトランジスタQ1のコ レクタC 、エミッタE 、バッテリBTを経て一次側コイルL1に戻る回路により形成 される。 二次側回路34は、充電用トランスT2の二次側コイルL2からトランジスタQ1のベ ースB 、エミッタE 、主コンデンサMC、ダイオードD を経て二次側コイルL2に戻 る回路により形成される。
【0062】 起動回路35は、バッテリBTの+側(Vcc) から充電スイッチSW2 、抵抗R3を経て トランジスタQ1のベースB に入り、そのエミッタE からバッテリBTの−側(GND) に戻る回路により構成される。 保持手段36は、トランジスタQ1のベースB 、エミッタE にぞれぞれ並列接続さ れた抵抗R4およびコンデンサC2により構成される。
【0063】 このような充電回路32においては、充電スイッチSW2 を切断した状態では起動 回路35が非導通状態であり、二次側回路34も電流がない状態ではトランジスタQ1 のベースB に電圧が得られない。このため、トランジスタQ1のコレクタC 、エミ ッタE 間が遮断状態となって一次側回路33も非導通状態であり、充電動作は行わ れない。
【0064】 次に、充電スイッチSW2 を導通させると、起動回路35によってバッテリBTから トランジスタQ1のベースB に電圧が与えられて一次側回路33が導通し、一次側コ イルL1を流れる一次側電流によって二次側コイルL2に起電力が生じ、二次側回路 34に二次側電流が流れる。 この二次側電流は、抵抗R4に起動回路35による電圧とは逆の電圧を生じるよう になっており、トランジスタQ1のベースB 電圧を降下させ、一次側回路33が遮断 される。
【0065】 ここで、一次側回路33が遮断されて一次側電流が無くなると、これに対応して 二次側コイルL2に逆向きの起電力が生じ、二次側回路34に先程とは逆向きの二次 側電流が流れる。 この二次側電流は、抵抗R4に先程とは逆の電圧を生じ、起動回路35とともにト ランジスタQ1のベースB に電圧を加え、一次側回路33を導通させる。 これらにより、一次側回路33が繰り返し断続されることで発振昇圧が行われ、 主コンデンサMCに高電圧が充電される。
【0066】 ここで、抵抗R4にはコンデンサC2が並列に接続されており、このコンデンサC2 は二次側電流により抵抗R4に生じるベースB への電圧を所定時間保持する。 このため、充電スイッチSW2 を遮断しても、二次側電流のみによってトランジ スタQ1の導通および遮断が繰り返され、前述した発振昇圧が続行される。
【0067】 さらに、このような発振昇圧を続けると、主コンデンサMCの充電電圧が除々に 上昇してゆき、二次側コイルL2の起電力との差が小さくなってゆくと二次側電流 が減少してゆく。 すると、二次側電流によって抵抗R4に生じる電圧が低下し、コンデンサC2が保 持する電圧も低下し、トランジスタQ1のベースB 、エミッタE 間に充分な電圧が 得られなくなってトランジスタQ1の導通が行われなくなり、一次側電流の発生が 途絶されて発振昇圧が停止される。
【0068】 つまり、主コンデンサMCの充電電圧が所定の電圧となったときに発振昇圧が停 止されるように、事前に抵抗R4およびコンデンサC2の値を適宜調整しておくこと により、充電動作の自動停止が行われることになる。
【0069】 このような本実施例によれば、前述した第一実施例と同様な操作により同様な 効果を得ることができる。 しかも、本実施例では保持手段36として抵抗R4およびコンデンサC2を用いるこ とで、二次側電流による一次側電流の断続を行えるため、前記第一実施例あるい は従来例のような帰還用コイルL3が無くとも自動的に発振昇圧を維持することが できる。
【0070】 このため、充電用トランスT2として一般的な四端子式のトランスを用いること ができ、部品の調達等が容易にできるとともに充電用トランスT2周辺の配線等も 簡略にすることができる。 ただし、本実施例の起動回路35は前記第一実施例のように帰還用回路としての 機能を有するものではないため、充電スイッチSW2 を導通状態に維持することで 充電時間を早める等の極端な効果は得られない。
【0071】 なお、本考案は前述した各実施例に限定されるものではなく、以下に示すよう な変形等も本考案に含まれるものである。 すなわち、各実施例における各素子等の特性値等は実施にあたって適宜選択す ればよい。
【0072】 例えば、保持手段16〜36の抵抗R4は、その抵抗値を大きくすることで発振停止 までの時間が延びてゆき、主コンデンサMCへの充電電圧を高く設定することがで きる。 ただし、抵抗R4の抵抗値が過大であると自動停止ができなくなり、過少である と発振自体ができなくなる。
【0073】 また、第一および第二実施例の保持手段16, 26は、二次側電流によりトランジ スタQ1のベースB に電圧を発生できればよく、抵抗R4に限らず容量が比較的小さ めのコンデンサであってもよい。 このような場合、コンデンサの容量値を小さくすることで発振停止までの時間 が延びてゆき、主コンデンサMCへの充電電圧を高く設定することができる。 ただし、この容量値が過少であると自動停止ができなくなり、過大であると発 振自体ができなくなる。
【0074】 さらに、第三実施例の保持手段36は、コンデンサC2を省略して抵抗R4だけでも よいが、コンデンサC2を用いることで二次側電流により抵抗R4に生じる電圧をあ る程度の時間保持し、トランジスタQ1が遮断状態になるタイミングを遅らせるこ とができ、主コンデンサMCの充電電圧がある程度高まった状態で発振昇圧動作を 再開する場合などでも確実な動作を行うことができる。
【0075】 一方、前記実施例ではスイッチング素子としてパワートランジスタQ1を用いた が、操作端子への電圧印加等により電気的な導通遮断が切り換えられるものであ れば他の素子であってもよい。 また、起動回路および保持回路は前記実施例の構成に限らず、各々に必要な動 作ができるものであれば他の素子を用いて他の回路構成を有するものであっても よい。
【0076】 さらに、前記各実施例では本考案を簡易型カメラのストロボ発光装置10〜30の 充電回路12〜32に適用した例について説明したが、本考案は他の用途の充電回路 等に適用してもよく、簡単な構成で自動的な発振昇圧の維持および自動停止がで きることで優れた効果を発揮することができる。
【0077】
【考案の効果】
以上に説明したように、本考案によれば二次側電流を用いて一次側電流の断続 を行うことで自動的な発振昇圧の維持および自動停止を実現でき、構造および調 整が簡単でありながら十分な自動停止性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を示す回路図。
【図2】前記第一実施例の充電特性を示すグラフ。
【図3】本考案の第二実施例を示す回路図。
【図4】本考案の第三実施例を示す回路図。
【図5】従来例を示す回路図。
【図6】他の従来例を示す回路図。
【符号の説明】
10, 20, 30 ストロボ発光装置 12, 22, 32 直流コンバータ式の充電回路 13, 23, 33 一次側回路 14, 24, 34 二次側回路 15, 25, 35 起動回路 16, 26, 36 保持手段 D 整流素子であるダイオード MC 蓄電素子である主コンデンサ BT 直流電源であるバッテリ T2 充電用トランス L1 一次側コイル L2 二次側コイル L3 帰還側コイル Q1 スイッチング素子であるトランジスタ B, E 操作端子であるベース、エミッタ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスの二次側に整流素子および蓄電
    素子を直列接続して二次側回路を形成し、前記トランス
    の一次側に直流電源を接続して一次側回路を形成し、こ
    の一次側回路中に操作端子の入力電圧に応じて当該一次
    側回路の導通を断続するスイッチング素子を設け、前記
    操作端子を前記二次側回路中に直列に介在させ、前記操
    作端子と並列に前記二次側回路を流れる電流に応じた所
    定の電圧値を保持する保持手段を設け、外部操作により
    前記スイッチング素子を導通状態とするのに十分な電圧
    を前記操作端子に印加可能な起動回路を設けたことを特
    徴とする直流コンバータ回路。
JP5469892U 1992-08-04 1992-08-04 直流コンバータ回路 Pending JPH0616950U (ja)

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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5740236A (en) * 1980-08-22 1982-03-05 Nippon Kogaku Kk <Nikon> Flash for camera
JPS5846331A (ja) * 1981-09-16 1983-03-17 Nippon Kogaku Kk <Nikon> 電子閃光装置
JPS6199125A (ja) * 1984-10-22 1986-05-17 Nitto Kogaku Kk 自動充電停止形ストロボ装置

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