JPH06167053A - ユニット構造物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 個々の建物ユニットのサイズの大型化を伴う
ことなく、それらの建物ユニットにて構成されるユニッ
ト構造物により大型のユニット内空間を形成すること。 【構成】 ユニット構造物において、２個の建物ユニッ
ト１２の相接合される接合面にて相接する梁（床梁１
３、天井梁１５）を省いた状態で、それら２個の建物ユ
ニット１２を接合することにより、両建物ユニット１２
にて単一空間（階段室１１等）を形成してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はユニット構造物に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、階段ユニット等のユニット構造物
は、実開昭50-104406 号公報に記載される如く、工場に
て床梁と柱と天井梁とを骨組してなる建物ユニットを組
合わせ、更にこの建物ユニット内に階段等を設けた後、
建築現場に輸送し、据付けるものとしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
では、輸送上のユニットサイズ制限により、ユニット幅
の大型化に限界があるため、ユニット内の空間の大型
化、ひいては階段幅や勾配の緩勾配化に限界がある。

【０００４】例えば、図６（Ａ）に示す如くの折り返し
階段を設けた階段ユニットでは、ユニット幅Ｗが輸送制
限により、Ｗ≦2300mmであるため、階段幅ｘはｘ≦1150
mmとなる。即ち、ｘ＝1200mmの如くの広幅の階段を形成
できない。

【０００５】また、図６（Ｂ）、（Ｃ）に示す如くの回
り階段を設けた階段ユニットでは、ユニット階高ｈ、階
段幅ｘ、踏面幅ａ、けあげ高ｂとすると、下階入口側と
上階入口側の段数は1100/ ａ段、中間での段数は［（ｈ
／ｂ) −2200／ａ）］−1 段となる。従って、ｈ＝2860
mm、ｘ＝1200mm のとき、ａ＝260mm 、ｂ＝180mm の緩
勾配の階段を形成しようとすると、ユニット長さＬがＬ
≧4220mmとなり、建物サイズが過大になって、建物プラ
ンを損なうことがある。

【０００６】本発明は、個々の建物ユニットのサイズの
大型化を伴うことなく、それらの建物ユニットにて構成
されるユニット構造物により大型のユニット内空間を形
成することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
は、床梁と柱と天井梁とを骨組してなる建物ユニットを
組合わせて構成されるユニット構造物において、２個の
建物ユニットの相接合される接合面にて相接する梁を省
いた状態で、それら２個の建物ユニットを接合すること
により、両建物ユニットにて単一空間を形成してなるよ
うにしたものである。

【０００８】請求項２に記載の本発明は、請求項１に記
載の本発明において更に、両建物ユニットにて単一の階
段室を形成し、この階段室内に階段を設置してなるよう
にしたものである。

【０００９】

【作用】請求項１に記載の本発明によれば、下記の作
用がある。 相接合される接合面にて相接する梁を省いた２個の建
物ユニットを組合わせることにより、両建物ユニットに
渡って連続する単一空間が形成される。これにより、大
型のユニット内空間を形成できる。

【００１０】請求項２に記載の本発明によれば、下記
の作用がある。 両建物ユニットにて単一の階段を形成することによ
り、ユニット長さを過大にすることなくこの階段室内に
設置される階段の階段幅を広幅とし、かつ緩勾配の階段
を形成できる。

【００１１】

【実施例】図１は本発明が適用された集合住宅を示す模
式図、図２はパイプスペースを示す模式図、図３は階段
室を示す模式図、図４は階段室の他の例を示す模式図、
図５はユニット構造物の他の例を示す模式図、図６は階
段ユニット内での階段レイアウトを示す模式図である。

【００１２】集合住宅１０は、図１に示す如く、ユニッ
ト工法により構築されたユニット建物であり、工場で生
産された複数の建物ユニットを建築現場に輸送し、それ
らの建物ユニットを互いに水平、鉛直方向に積層接合し
て組上げたものである。

【００１３】集合住宅１０は、隣戸間に共同階段を構成
するための階段室１１を設置している。階段室１１は、
図３に示す如く、２個の建物ユニット１２の組合わせに
て構成されており、各建物ユニット１２は、形鋼製床梁
１３と角鋼管製柱１４と形鋼製天井梁１５とを骨組して
構成されたものである。このとき、集合住宅１０では、
２個の建物ユニット１２の相接合される接合面にて相接
する床梁１３、天井梁１５を省いた状態（尚、最下階の
階段室１１については天井梁１５のみ省略、最上階の階
段室１１については床梁１３のみ省略、中間階の階段室
１１については床梁１３、天井梁１５の両者を省略とす
る）で、それら２個の建物ユニット１２を接合すること
により、両建物ユニット１２にて単一階段室１１を形成
し、この階段室１１内に、共同階段となる折り返し階段
１６を設置している。

【００１４】そして、集合住宅１０にあっては、各戸の
折り返し階段１６側の外壁１７と、折り返し階段１６の
上記外壁１７に臨む側面に設けたパイプスペース壁１８
との間に、上階側から延設される竪管１９を配置するパ
イプスペース２０を設けている。竪管１９は、汚水排水
管、雑排水管等であり、上下階の住戸間で共用される。
尚、パイプスペース２０には点検用扉２１が設けられ
る。

【００１５】更に、集合住宅１０にあっては、階段室１
１を構成する建物ユニット１２の床梁１３（天井梁１
５）であって住戸の外側面に沿う床梁１３（天井梁１
５）と、パイプスペース壁１８を支持する小梁２２とを
複数の継ぎ梁２３によって連結し、それらの継ぎ梁２３
によってパイプスペース点検用の水平ステップ２４を構
成している。

【００１６】以下、本実施例の作用について説明する。 相接合される接合面にて相接する梁１３、１５を省い
た２個の建物ユニット１２を組合わせることにより、両
建物ユニット１２にわたって連続する単一空間（階段室
１１）が形成される。これにより、大型のユニット内空
間を形成できる。

【００１７】両建物ユニット１２にて単一の階段室１
１を形成することにより、ユニット長さを過大にするこ
となくこの階段室１１内に設置される階段１６の階段幅
を広幅とし、かつ緩勾配の階段１６を形成できる。

【００１８】上階住戸の竪管１９が下階住戸の外壁１
７と、その外側のパイプスペース壁１８との間に設けた
パイプスペース２０に延設される。従って、上階住戸の
竪管１９のメンテナンスに際し、下階住戸の壁をめくる
等の必要がなくなり、メンテナンス上のトラブルを削除
できる。

【００１９】パイプスペース２０を区画する外壁１７
は、住戸内の間仕切壁に比して遮音性能が良い。従っ
て、上階住戸の竪管１９使用時に生ずる騒音が、下階住
戸内に伝わりにくくなり、パイプスペース２０の遮音性
能が向上する。

【００２０】パイプスペース２０内に水平ステップ２
４が設けられる。従って、メンテナンスの作業姿勢が良
く、作業性が良い。

【００２１】図４の例は、２個の建物ユニット１２Ａ、
１２Ｂのうち、一方の建物ユニット１２Ａを階段部と
し、他方の建物ユニット１２Ｂを踊り場部とし、両者を
接合して１個の階段室１１を形成するものである。

【００２２】建物ユニット１２Ａと建物ユニット１２Ｂ
は接合面の床梁１３、天井梁１５を省き、建物ユニット
１２Ａには階段１６を設け、建物ユニット１２Ｂには踊
り場床パネル２５を設けてある。これによれば、より緩
勾配の階段１６を形成できる。

【００２３】図５（Ａ）の例は、２個の建物ユニット１
２により形成される単一空間をエレベータスペース２６
とするものである。

【００２４】図５（Ｂ）の例は、２個の建物ユニット１
２により形成される単一空間を大吹抜スペース２７とす
るものである。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、個々の建
物ユニットのサイズの大型化を伴うことなく、それらの
建物ユニットにて構成されるユニット構造物により大型
のユニット内空間を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明が適用された集合住宅を示す模式
図である。

【図２】図２はパイプスペースを示す模式図である。

【図３】図３は階段室を示す模式図である。

【図４】図４は階段室の他の例を示す模式図である。

【図５】図５はユニット構造物の他の例を示す模式図で
ある。

【図６】図６は階段ユニット内での階段レイアウトを示
す模式図である。

【符号の説明】

１１ 階段室 １２ 建物ユニット １３ 床梁 １４ 柱 １５ 天井梁 １６ 階段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床梁と柱と天井梁とを骨組してなる建物
   ユニットを組合わせて構成されるユニット構造物におい
   て、２個の建物ユニットの相接合される接合面にて相接
   する梁を省いた状態で、それら２個の建物ユニットを接
   合することにより、両建物ユニットにて単一空間を形成
   してなることを特徴とするユニット建物。
2. 【請求項２】 両建物ユニットにて単一の階段室を形成
   し、この階段室内に階段を設置してなる請求項１記載の
   ユニット建物。