JPH06166865A - 蓄熱器および冷凍機 - Google Patents
蓄熱器および冷凍機Info
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- JPH06166865A JPH06166865A JP5002016A JP201693A JPH06166865A JP H06166865 A JPH06166865 A JP H06166865A JP 5002016 A JP5002016 A JP 5002016A JP 201693 A JP201693 A JP 201693A JP H06166865 A JPH06166865 A JP H06166865A
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Abstract
熱を示し、かつ優れた熱伝達特性、復熱特性を有する比
較的安価な蓄熱物質が充填された蓄熱器を提供しようと
するものである。 【構成】 少なくとも1種のR−M系化合物(ただし、
RはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu
の群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素、MはA
l、Ga、In、Tlの群から選ばれる少なくとも1種
の元素を示す)を含む蓄熱物質が充填されてなることを
特徴としている。
Description
蓄熱器および冷凍機に関する。
応用分野が拡大するに伴って小型で高性能の冷凍機の開
発が不可欠になってきている。かかる小型冷凍機は、軽
量・小型で熱効率の高いことが要求されている。
気熱量効果を用いた熱サイクル(例えばカルノ―、エリ
クソン)による新たな冷凍方式(磁気冷凍)及びスタ―
リングサイクルによる気体冷凍の高性能化の研究が盛ん
に行われている。
体冷凍機の高性能化を図るには、蓄熱器、圧縮部及び膨
張部の改良が重要な課題となっている。特に、蓄熱器を
構成する蓄熱材料はその性能を大きく左右する。かかる
蓄熱材料は、銅や鉛の比熱が著しく低下する20K以下
においても高い比熱を有する材料が要望されており、こ
れについても各種の磁性体が検討されている。
用されることが多く、例えばスタ―リングサイクル作動
する装置、ビルマイヤーサイクルで作動する装置或いは
ギフォード―マクマホン型の装置に用いられている。こ
れらの装置においては、圧縮された作動媒質が蓄熱器内
を一方向に流れてその熱エネルギ―を充填物質に供給
し、ここで膨張した作動媒質が反対方向に流れ、充填物
質から熱エネルギ―を受取る。こうした過程で復熱効果
が良好になるに伴って作動媒質サイクルの熱効率が良好
となり、一層低い温度を実現することが可能となる。
物質を鉛又は青銅のボ―ル、或いは銅、燐青銅の金網層
から形成している。しかしながら、かかる充填物質は比
熱が20K以下の極低温で過度に小さいため、上述した
冷凍機での作動に際して極低温下で1サイクル毎に充填
物質に充分な熱エネルギ―を貯蔵することができず、か
つ作動媒質が充填物質から充分な熱エネルギ―を受取る
ことができなくなる。その結果、前記充填物質を有する
蓄熱器を組込んだ冷凍機では極低温に到達させることが
できない問題があった。
を向上する目的で、充填物質として20K以下に比熱の
最大値を有し、かつその値が単位体積当りの比熱(体積
比熱)で充分に大きいR・Rh金属間化合物(R;S
m、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)を用
いることが提案されている(特開昭51−52378
号)。しかしながら、かかる充填物質は一構成成分とし
てRh(ロジウム)を用い、極めて高価であるため、数
百グラムオ―ダで使用する蓄熱器の充填物質としては実
用化の点で問題である。
窒素温度以下のような極低温で優れた比熱を示し、かつ
優れた熱伝達特性、復熱特性を有する比較的安価な蓄熱
物質が充填された蓄熱器を提供しようとするものであ
る。本発明の別の目的は、優れた熱伝達特性、復熱特性
を有する小型で熱効率の高い冷凍機を提供しようとする
ものである。
は、少なくとも1種のR−M系化合物(ただし、Rは
Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuの
群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素、MはA
l、Ga、In、Tlの群から選ばれる少なくとも1種
の元素を示す)を含む蓄熱物質が充填されてなるもので
ある。前記R−M系化合物は、例えば六方晶、立方晶、
正方晶、または斜方晶の結晶形態を取り得る。前記R−
M系化合物は、次の一般式(I) で表される組成を有する
ことが好ましい。 RAlz (I)
d、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、YbおよびLuの群から選ばれる少なくとも
1種の希土類元素、;zは0.001≦z≦1を示す。
に限定したのは、次のような理由によるものである。前
記zを0.001未満にすると、希土類原子間の直接交
換相互作用により比熱のピ―クを示す温度が40K以上
の高温となる恐れがある。一方、前記zの値が1を越え
ると希土類原子の密度が著しく低下して磁気比熱が低下
する。このように前記zを前記範囲を規定することによ
って、前記化合物を含む蓄熱材料は優れた蓄熱特性を有
する。さらに、高温側での格子比熱が向上された蓄熱物
質を得ることができる。前記R−M系化合物は、ペロブ
スカイト型構造を有することを許容する。前記ペロブス
カイト型構造のR−M系化合物は、次の一般式(II)で
表される組成を有することが好ましい。 (R11-x R2x )3 M1M2z …(II)
よびYbの群から選ばれる少なくとも1種の元素、R2
はSc、Y、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、T
bおよびLuの群から選ばれる少なくとも1種の元素、
M1はAl、Ga、InおよびTlの群から選ばれる少
なくとも1種の金属、M2はC、Si、GeおよびBの
群から選ばれる少なくとも1種の元素、xおよびzはそ
れぞれ0≦x≦1、0≦z≦1を示す。前記一般式(I
I)中の前記M1は、Alであること、前記M2はCで
あることが好ましい。
1としてEr(x<1)のような重希土類元素を用いる
ことが好ましい。前記R1はAlなどの金属とともに合
金を形成するため、前記化合物を含む蓄熱材料は特に顕
著な磁気比熱を示し、比熱ピ―クの最大値を大きくでき
る。また、前記一般式(II)の化合物において、Gd、
Tb、Pr、Nd、Sm、CeのようなR2が前記重希
土類元素R1の一部を置換している。なお、R2として
は特にGd、Tbが比熱の温度特性改善に有効である。
したがって、前記化合物を含む蓄熱材料は例えばショッ
トキ―異常を利用して比熱のピ―クの最大値及び温度幅
(半値幅)を調整することが可能となる。ただし、前記
化合物は多少化学量論比からはずれてもよく、また前記
組成を主相として微量の副相を含有することを許容す
る。
ることを許容する。前記アモルファスのR−M系化合物
は、前述した一般式(II)で表される組成を有すること
が好ましい。
mを有する粒子又は繊維の形態にすることが望ましい。
このような粒子又は繊維の形態を有する前記蓄熱物質
は、三次元方向に規則的に充填して均一な熱伝達性及び
圧力損失の低減化を達成するこ都が可能になる。
限定したのは、次のような理由によるものである。前記
蓄熱物質の粒子または繊維の平均径を1μm未満にする
と蓄熱器に充填した際、高圧作動媒質(例えばヘリウム
ガス)と共に蓄熱器の外部に流出し易くなる。一方、前
記蓄熱物質の粒子または繊維の平均径が1000μmを
越えると前記蓄熱物質の熱伝導度が(蓄熱物質)/(作
動媒質)間の熱伝達の律速要因となり、熱伝達性が著し
く低下して復熱効果の低下を招く恐れがあるからであ
る。
上限値を規定した理由をさらに具体的に説明する。蓄熱
物質の熱容量を100%活用するためには、大きい体積
比熱(ρCp;ρは蓄熱物質の密度、Cpは比熱)に見
合う高熱伝導度が要求される。すなわち、蓄熱に寄与す
る蓄熱物質の有効体積を決定する熱侵入深さ(ld)
は、 ld=[(ρCpπf)/λ]1/2
は蓄熱物質の密度、Cpは比熱、πfは冷凍サイクル数
を示す。したがって、例えばρCpが9K以上で0.3
J/cm3 Kと大きいHo2 Alからなる蓄熱物質を用
いた場合には、その熱伝導度(80mW/Kcm)との
関係より熱侵入深さ(ld)は600μm程度になる。
このため、前記蓄熱物質の粒子または繊維の平均径の上
限は1000μmとすることが好ましい。前記蓄熱物質
粒子は、球状であることがより好ましい。このような蓄
熱物質粒子は、例えば以下に示す(a)〜(f)の方法
により製造される。 (a)溶融した前記化合物を水又は油中に滴下、凝固さ
せる方法。 (b)溶融した前記化合物を液体又は気体の乱流層中に
射出する方法。 (c)溶融した前記化合物を平板上又は円筒上の金属冷
媒上に滴下又は射出する方法。 (d)前記化合物からなる不定形粒子を加熱し、そして
それらをアルゴンガスのような不活性ガス中に射出する
方法。 (e)前記化合物からなる電極棒を作製し、前記電極棒
をアルゴンガスのような不活性ガス中で回転させてアー
ク溶解しながら遠心噴霧する方法。 (f)溶融した前記化合物をアルゴンガスのような不活
性ガス中で回転するディスクまたはコーンに射出する方
法。
ガスの圧力は、1気圧以上にすることが望ましい。この
ような圧力に設定することによって、不活性ガス中に飛
翔した溶融物の冷却効率が高められ、前記溶融物の表面
張力により球状化した状態のまま凝固させることができ
るため、真球状もしくはほぼ真球状の蓄熱物質を得るこ
とが可能になる。前記(a)〜(f)の方法の中で、特
に前記(f)の方法が特に実用的である。
な金属繊維、ガラス繊維、カ―ボン繊維、プラスチック
繊維等からなる織布を芯材とし、これに前記化合物を溶
射やスパッタなどの気相成長、液相成長により被覆する
方法により製造される。本発明に係わる蓄熱器は、前記
化合物を含む2種以上の蓄熱物を集合物として充填され
ることを許容する。本発明に係わる蓄熱器は、特に以下
に述べる構成であることが好ましい。 (1)平均径が1〜1000μmを有し、前記一般式
(I)で表される化合物を含む少なくとも1種の蓄熱物
質粒子または繊維が充填された蓄熱器。 (2)平均径が1〜1000μmを有し、前記一般式
(II)で表される化合物を含む少なくとも1種の蓄熱物
質粒子または繊維が充填された蓄熱器。 また、本発明に係わる冷凍機は、冷媒と、
れ、少なくとも1種のR−M系化合物(ただし、Rは
Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuの
群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素、MはA
l、Ga、In、Tlの群から選ばれる少なくとも1種
の元素を示す)を含む蓄熱物質とを備えたことを特徴と
するものである。前記冷媒としては、例えばヘリウムガ
ス等を用いることができる 前記R−M系化合物は、前述した一般式(I)で表され
る組成を有することが好ましい。
構造を有することを許容する。前記ペロブスカイト型構
造のR−M系化合物は、前述した一般式(II)で表され
る組成を有することが好ましい。
ることを許容する。前記アモルファスのR−M系化合物
は、前述した一般式(II)で表される組成を有すること
が好ましい。
が1〜1000μmを有する粒子又は繊維の形態にする
ことが望ましい。このような粒子又は繊維の形態を有す
る前記蓄熱物質は、三次元方向に規則的に充填して均一
な熱伝達性及び圧力損失の低減化を達成することが可能
になる。次に、前述した蓄熱器が組み込まれる前記冷凍
機のガス−サイクルを図1の(A)〜(C)を参照して
説明する。
料2が充填されている。前記蓄熱器1の一端は、作動媒
体源(図示せず)にパイプ3を通して連結されている。
前記蓄熱器1の他端は、膨脹シリンダ4にパイプ5を通
して連結されている。ピストン6は、前記膨脹シリンダ
3内に摺動自在に取り付けられている。前記ピスト6が
動作すると、シリンダ3の内部体積が変化される。前記
蓄熱器1は、次の冷凍1サイクルをなす4過程(a)〜
(c)に従って冷却される。
ようにピストン6は矢印7方向に動作され、それによっ
て膨脹シリンダ4の内部体積を増加させると共に、作動
媒体源から高圧ガスが矢印8の方向に導入される。前記
高圧ガスは、前記膨脹シリンダ4に流れる前に前記蓄熱
器1を通過する。前記高圧ガスが前記蓄熱器1を通過す
る際、前記高圧ガスは蓄熱材料2によって冷却される。
冷却された前記ガスは、膨脹シリンダ3に蓄積される。
矢印9は、熱が前記ガスから蓄熱器1内の蓄熱材料2に
移行される方向を示す。
ようにパイプ3に連結された吸引手段(図示せず)によ
り矢印10方向に吸引することによって、ガスの一部は
膨脹シリンダ4から矢印10の方向に放出され、その
間、前記シリンダ4の内部体積を維持する。その結果、
前記シリンダ4に残存したガスは膨脹し、それにより前
記膨脹シリンダ4内の温度を低くする。前記シリンダ4
から放出されたガスは、パイプ5を通して蓄熱器1に供
給される。このガスが蓄熱器1を通過する際、前記ガス
は蓄熱材料2から熱を奪う。矢印11は、熱が蓄熱器1
内の蓄熱材料2から前記ガスに移行される方向を示す。
ようにピストン6は矢印12の方向に作動され、これに
よって膨脹シリンダ4から低温、低圧ガスを矢印11の
方向にパイプ5を通して蓄熱器1に放出する。このガス
が蓄熱器1を通過して流れる際、そのガスは蓄熱材料2
の熱を奪う。換言すれば、前記ガスは蓄熱材料2を冷却
する。矢印13は、熱が蓄熱器1内の蓄熱材料2から前
記ガスに移行される方向を示す。最終過程(d)におい
て、操作は過程(a)に戻される。
1種を備える蓄熱物質が10mW/cmK以上の優れた
熱伝導度を有し、かつ前記蓄熱物質を所定の平均径を有
する粒子または繊維にして充填した構成にすることによ
って、液体窒素温度以下(特に40K以下)のような極
低温で優れた格子比熱を示すと共に優れた熱伝達特性、
復熱特性を有する比較的安価な蓄熱器を得ることができ
る。
式R2 Alにて表わされる化合物の少なくとも1種を含
む蓄熱物質は、高温側での格子比熱を向上できる利点を
有する。
造を有するR−M系化合物の少なくとも1種を備える蓄
熱物質が優れた熱伝導度を有し、かつ前記蓄熱物質を所
定の平均径を有する粒子または繊維にして充填した構成
にすることによって、液体窒素温度以下(特に40K以
下)のような極低温で優れた格子比熱を示すと共に優れ
た熱伝達特性、復熱特性を有する比較的安価な蓄熱器を
得ることができる。特に、前記R−M系化合物の結晶構
造を立方晶にすることによって、その高い結晶対称性に
よりエネルギー縮退度を高めることができ、それが開放
される時に大きいエネルギーが放出され、より大きな比
熱を得ることができる。
−M系化合物の少なくとも1種を備える蓄熱物質が優れ
た熱伝導度を有し、かつ前記蓄熱物質を所定の平均径を
有する粒子または繊維にして充填した構成にすることに
よって、液体窒素温度以下(特に40K以下)のような
極低温で優れた格子比熱を示すと共に優れた熱伝達特
性、復熱特性を有する比較的安価な蓄熱器を得ることが
できる。しかも、前記アモルファスのR−M系化合物の
少なくとも1種を備える蓄熱物質は組織が均一で微細化
が起こり難い性質を有するため、長寿命の蓄熱器を得る
ことができる。さらに、前記R−M系化合物の少なくと
も1種を備える蓄熱物質を2種以上の混合集合物として
充填した構成にしたR3 AlC系では、比熱ピ―クがブ
ロ―ドとなり、熱容量が減少するものの、より広い温度
範囲で比熱が大きくなるため、復熱特性が一層を向上さ
れた蓄熱器を得ることができる。
種を備える複数種の蓄熱物質をそれらの比熱ピ―クを示
す温度が蓄熱器の温度勾配に合うよう積層して充填する
ことによって、復熱特性が一層優れた蓄熱器を得ること
ができる。さらに、本発明に係わる冷凍機によれば優れ
た熱伝達特性、復熱特性を有し、しかも小型で高い熱効
率を有する。
明する。 実施例1、2
組成比の合金およびHo2 Alの組成比の合金をそれぞ
れ調製した。つづいて、これら合金をそれぞれヘリウム
ガス雰囲気中にて遠心噴霧することにより2種の蓄熱物
質を製造した。得られた実施例1、2の蓄熱物質をSE
M写真で観察したところ、平均粒径が100〜400μ
mの球状粒子であることが確認された。また、前記各蓄
熱物質の体積比熱を測定したところ、図2に示す特性図
が得られた。なお、図2中には比較例としてのPbの体
積比熱を併記した。
熱物質はいずれも約15K以下の極低温において従来の
Pbからなる蓄熱物質に比べて優れた体積比熱を有し、
かつ15K以上の温度域において優れた格子比熱を有す
ることがわかる。
熱物質粒子(平均粒径200〜300μm)をフェノ―
ル樹脂製の容器に充填(充填率;65%)した後、ヘリ
ウムガスを3g/secの質量流量、16atmのガス
圧の条件で供給するGM冷凍サイクルを行なって蓄冷能
率を測定した。その結果、前記蓄熱物質球状粒子を充填
した蓄熱器では同一平均粒径の鉛からなる蓄熱物質粒子
を同一の充填率として組み立てた蓄熱器(比較例)に比
べて40Kから4Kの温度域において効率が2倍以上向
上することが確認された。 実施例3、4
の組成比の合金およびHo3 AlCの組成比の合金をそ
れぞれ調製し、RDP法(回転ディスク法)にて粉体化
し、分級して200〜300μmの2種の蓄熱物質をそ
れぞれ作製した。得られた実施例3、4の蓄熱物質をS
EM写真で観察したところ、平均粒径が200〜300
μmの球状粒子であることが確認された。
定したところ、図3に示す特性図が得られた。なお、図
3中には比較例としてのPbからなる蓄熱物質およびC
uからなる蓄熱物質の体積比熱を併記した。
熱物質はいずれも約15K以下の極低温において従来の
Pbからなる蓄熱物質およびCuからなる蓄熱物質に比
べて優れた体積比熱を有し、かつ15K以上の温度域に
おいて優れた格子比熱を有することがわかる。
蓄熱物質粒子(平均粒径200〜300μm)をフェノ
―ル樹脂製の容器に充填(充填率;65%)した後、ヘ
リウムガスを3g/secの質量流量、16atmのガ
ス圧の条件で供給するGM冷凍サイクルを行なって蓄冷
能率を測定した。その結果、前記蓄熱物質粒子を充填し
た蓄熱器では同一平均粒径の鉛からなる蓄熱物質粒子を
同一の充填率として組み立てた蓄熱器(比較例)に比べ
て40Kから4Kの温度域において効率ロスを1/8に
減少できることが確認された。
で構成されなくてもよい。例えば、(Er0.95G
d0.05)3 AlC、Er3 (Al0.9 Ga0.1 )Cのよ
うな蓄熱物質を用いてもよい。 実施例5、6
の組成比の合金およびHo3 AlCの組成比の合金をそ
れぞれ調製した。つづいて、これら合金を真空ロール法
にて溶融、急冷し、2種のアモルファス線を作製した。
体積比熱を測定したところ、図4に示す特性図が得られ
た。なお、図4中には比較例としてのPbからなる蓄熱
物質およびCuからなる蓄熱物質の体積比熱を併記し
た。
モルファス線は、いずれも約15K以下の極低温におい
て従来のPbからなる蓄熱物質およびCuからなる蓄熱
物質に比べて優れた体積比熱を有し、かつ15K以上の
温度域において優れた格子比熱を有することがわかる。
モルファス線を編んだ蓄熱物質網状体をフェノ―ル樹脂
製の容器に充填(充填率;65%)した後、ヘリウムガ
スを3g/secの質量流量、16atmのガス圧の条
件で供給するGM冷凍サイクルを行なって蓄冷能率を測
定した。その結果、前記蓄熱物質網状体を充填した蓄熱
器では鉛からなる同一形状の蓄熱物質網状体を同一の充
填率として組み立てた蓄熱器(比較例)に比べて40K
から4Kの温度域において効率ロスを1/8に減少でき
ることが確認された。また、前記アモルファス線を編ん
だ前記蓄熱物質網状物は使用中に微細化されることはな
かった。 実施例7
1mmの棒を作製した後、前記棒を37本束ねると共
に、それらの棒の間に単位長さ当たりの組成がEr3 A
lCになるように炭素(C)粉末のペーストを充填し
た。つづいて、前記ペースト中の溶媒を十分に揮散させ
た後、前記束の周囲に厚さ0.1mmのErリボンを巻
装して一体化した。一体化した棒材を直径1mmに線引
きすることによって図5の(a)に示すように複数本の
Er3 AlC+Erの複合相21がEr相22で覆われ
た線材23を作製した。ひきつづき、前記線材を37本
束ね、線引きする操作を3回繰り返した後、さらに線引
きすることにより図5の(b)に示す複数本のEr3 A
lC多芯線24がEr相25で覆われた直径0.1mm
のワイヤ26を作製した。次いで、前記ワイヤを織り込
んだ後、700℃、100時間の熱処理を施すことによ
り図5の(c)に示すEr3 AlCの間および表面をE
rで覆われたメッシュ27を作製した。
ころ、10000時間以上の連続運転でも劣化しなかっ
た。また、乾燥大気中に10000時間曝しても表面に
腐食による劣化も認められなかった。 実施例8
0.1mmのワイヤを折り曲げて図6に示す屈曲したワ
イヤ28とした後、これらワイヤ28を複数本並べて7
00℃、100時間の熱処理を施すことにより図7に示
すEr3 AlCの間および表面をErで覆われたポーラ
ス状薄板29を作製した。
したところ、10000時間以上の連続運転でも劣化し
なかった。また、乾燥大気中に10000時間曝しても
表面に腐食による劣化も認められなかった。
た直線状のワイヤ26と前記屈曲したワイヤ28とを複
数本交互に並べた後、700℃、100時間の熱処理を
施すことにより得られた図8に示すポーラス状薄板30
を蓄熱物質として用いたところ、実施例8のポーラス状
薄板と同様な優れた性能を有することが確認された。
液体窒素温度以下のような極低温(特に40K以下)で
優れた熱量効果を示し、かつ優れた熱伝達特性、復熱特
性を有する比較的安価な蓄熱物質が充填された蓄熱器を
提供できる。
子または繊維を用いることによって、三次元方向に規則
的に充填でき、充填率、ヘリウムガス等の作動媒質との
熱伝達特性をより一層向上され、かつ圧力損失の低減化
を達成した蓄熱器を提供することができる。また、前記
蓄熱器を備え、蓄冷効率が向上された8K級、4K級の
冷凍機を提供することができる。
ス−サイクルを説明するための概略図。
従来のPbの蓄熱物質における低温度下での体積比熱を
示す特性図。
従来のPbおよびCuの蓄熱物質における低温度下での
体積比熱を示す特性図。
従来のPbおよびCuの蓄熱物質における低温度下での
体積比熱を示す特性図。
を説明するための概略図。
薄板の素材であるワイヤを示す概略図。
薄板を示す概略図。
状薄板を示す概略図。
ストン、26、28…ワイヤ、27…メッシュ、29、
30…ポーラス状薄板。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも1種のR−M系化合物(ただ
し、RはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、E
u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよび
Luの群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素、M
はAl、Ga、In、Tlの群から選ばれる少なくとも
1種の元素を示す)を含む蓄熱物質が充填されてなる蓄
熱器。 - 【請求項2】 前記R−M系化合物は、ペロブスカイト
型構造を有することを特徴とする請求項1記載の蓄熱
器。 - 【請求項3】 前記ペロブスカイト型構造のR−M系化
合物は、一般式 (R11-x R2x )3 M1M2z (I) (ただし、式中のR1はDy、Ho、Er、Tm及びY
bから選ばれる少なくとも1種の元素、R2はSc、
Y、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Lu
から選ばれる少なくとも1種の元素、M1はAl、G
a、In、Tlから選ばれる少なくとも1種の元素、M
2はC、Si、Ge、Bから選ばれる少なくとも1種の
元素、x及びzはそれぞれ0≦x≦1、0≦z≦1を示
す)にて表される少なくとも1種からなることを特徴と
する請求項2記載の蓄熱器。 - 【請求項4】 前記R−M系化合物は、アモルファスで
あることを特徴とする請求項1記載の蓄熱器。 - 【請求項5】 冷媒と、 前記冷媒とそれ自体の間で熱交換がなされ、少なくとも
1種のR−M系化合物(ただし、RはY、La、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、YbおよびLuの群から選ばれる少な
くとも1種の希土類元素、MはAl、Ga、In、Tl
の群から選ばれる少なくとも1種の元素を示す)を含む
蓄熱物質とを備えたことを特徴とする冷凍機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00201693A JP3381953B2 (ja) | 1992-01-08 | 1993-01-08 | 蓄熱器および冷凍機 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-1375 | 1992-01-08 | ||
JP137592 | 1992-01-08 | ||
JP4-261862 | 1992-09-30 | ||
JP26186292 | 1992-09-30 | ||
JP00201693A JP3381953B2 (ja) | 1992-01-08 | 1993-01-08 | 蓄熱器および冷凍機 |
Publications (2)
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