JPH06166711A - 塩素化ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents
塩素化ポリオレフィンの製造方法Info
- Publication number
- JPH06166711A JPH06166711A JP32007892A JP32007892A JPH06166711A JP H06166711 A JPH06166711 A JP H06166711A JP 32007892 A JP32007892 A JP 32007892A JP 32007892 A JP32007892 A JP 32007892A JP H06166711 A JPH06166711 A JP H06166711A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyolefin
- chlorinating
- chlorinated
- reaction
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/18—Introducing halogen atoms or halogen-containing groups
- C08F8/20—Halogenation
- C08F8/22—Halogenation by reaction with free halogens
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】均一に塩素化され、溶剤溶解性に優れた塩素化
ポリオレフィンを製造する方法。 【構成】水懸濁状態でポリオレフィンに塩素を反応させ
て塩素化するに際し、ポリオレフィンのモノマーユニッ
ト当たりの平均塩素含有量が実質的に1個になるまで
は、反応温度を90℃以上、かつ示差走査熱量計(DS
C)におけるポリオレフィンの融解吸熱ピークの頂点よ
り低い温度で塩素化する第1工程と、次いで、紫外線を
照射し塩素化する第2工程からなる。
ポリオレフィンを製造する方法。 【構成】水懸濁状態でポリオレフィンに塩素を反応させ
て塩素化するに際し、ポリオレフィンのモノマーユニッ
ト当たりの平均塩素含有量が実質的に1個になるまで
は、反応温度を90℃以上、かつ示差走査熱量計(DS
C)におけるポリオレフィンの融解吸熱ピークの頂点よ
り低い温度で塩素化する第1工程と、次いで、紫外線を
照射し塩素化する第2工程からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩素化ポリオレフィン
の製法に関するものである。
の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素化ポリオレフィンは、塗料・インキ
等の分野に広く使用されているが、この用途に使用され
るためには、溶剤に可溶であることが必要であり、その
ためには塩素化ポリオレフィンが均一に塩素化されてい
ることが好ましい。
等の分野に広く使用されているが、この用途に使用され
るためには、溶剤に可溶であることが必要であり、その
ためには塩素化ポリオレフィンが均一に塩素化されてい
ることが好ましい。
【0003】均一に塩素化された塩素化ポリオレフィン
を得るために、工業的な溶液塩素化法が特開昭47−8
643号公報に開示されている。ところが、この方法で
は、通常、四塩化炭素等の溶媒が使用されており、四塩
化炭素等の塩素系有機溶剤は人体に非常に有害であり、
環境的に悪影響を及ぼすという問題点があった。しか
も、このような有機溶剤が最終製品に残留した場合、製
品の性能を損うなど用途的にも制限されてしまうという
問題点があった。
を得るために、工業的な溶液塩素化法が特開昭47−8
643号公報に開示されている。ところが、この方法で
は、通常、四塩化炭素等の溶媒が使用されており、四塩
化炭素等の塩素系有機溶剤は人体に非常に有害であり、
環境的に悪影響を及ぼすという問題点があった。しか
も、このような有機溶剤が最終製品に残留した場合、製
品の性能を損うなど用途的にも制限されてしまうという
問題点があった。
【0004】これらの問題点があるにもかかわらず、他
に適当な製造方法がなく、未だに溶液塩素法が採用され
ており、溶媒を使用しないで均一な塩素化ポリオレフィ
ンを得る塩素化方法が要望されている。
に適当な製造方法がなく、未だに溶液塩素法が採用され
ており、溶媒を使用しないで均一な塩素化ポリオレフィ
ンを得る塩素化方法が要望されている。
【0005】また、最近では、塗料・インキ等に使用さ
れるトルエン等の溶媒自体が問題視されており、例え
ば、溶液中の固形分(樹脂)濃度を高くする、あるいは
ハイソリッド化する等の対策が望まれている。
れるトルエン等の溶媒自体が問題視されており、例え
ば、溶液中の固形分(樹脂)濃度を高くする、あるいは
ハイソリッド化する等の対策が望まれている。
【0006】ところが、原料として使用するポリオレフ
ィンが結晶性樹脂であるため、塩素化した樹脂を溶媒に
溶解させるためには、この結晶部分を塩素化することが
必要となる。また、更にハイソリッド化を目指して高濃
度に溶解させるためには、従来以上に均一な塩素化が必
要となる。
ィンが結晶性樹脂であるため、塩素化した樹脂を溶媒に
溶解させるためには、この結晶部分を塩素化することが
必要となる。また、更にハイソリッド化を目指して高濃
度に溶解させるためには、従来以上に均一な塩素化が必
要となる。
【0007】上記溶液塩素化法以外の塩素化ポリオレフ
ィンの製造法として、例えば、水懸濁状態で一定の塩素
含有率まで低温で塩素化し、その後昇温する方法が、特
開平4−173808号公報に開示されている。
ィンの製造法として、例えば、水懸濁状態で一定の塩素
含有率まで低温で塩素化し、その後昇温する方法が、特
開平4−173808号公報に開示されている。
【0008】しかしながら、この方法では、結晶部分を
完全に塩素化することは難しく、均一に塩素化された塩
素化ポリオレフィンを得ることは難しいという問題点が
あった。従って、得られた塩素化ポリオレフィンは、ト
ルエン等の溶媒に高濃度に溶解することができず、ハイ
ソリッド化に適応することができないという問題点があ
った。
完全に塩素化することは難しく、均一に塩素化された塩
素化ポリオレフィンを得ることは難しいという問題点が
あった。従って、得られた塩素化ポリオレフィンは、ト
ルエン等の溶媒に高濃度に溶解することができず、ハイ
ソリッド化に適応することができないという問題点があ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
の問題点を解決し、均一に塩素化され、溶剤溶解性に優
れた塩素化ポリオレフィンを製造する方法を提供するこ
とにある。
の問題点を解決し、均一に塩素化され、溶剤溶解性に優
れた塩素化ポリオレフィンを製造する方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明において用いられ
るポリオレフィンは、α−オレフィンの単独重合体、も
しくはα−オレフィンを主成分とする共重合体であり、
例えば、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリヘキセン、
ポリオクテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、プ
ロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ヘキセン共重
合体、プロピレン−オクテン共重合体等が挙げられる。
るポリオレフィンは、α−オレフィンの単独重合体、も
しくはα−オレフィンを主成分とする共重合体であり、
例えば、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリヘキセン、
ポリオクテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、プ
ロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ヘキセン共重
合体、プロピレン−オクテン共重合体等が挙げられる。
【0011】また、上記α−オレフィンを主成分とする
共重合体とは、α−オレフィンとα−オレフィン以外の
成分との共重合体であり、例えば、プロピレン−アクリ
ル酸共重合体、プロピレン−アクリル酸エステル共重合
体、プロピレン−ブタジエン共重合体、プロピレン−塩
化ビニル共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体等
が挙げられるが、実質的には、ポリオレフィンのみによ
る重合体が好ましい。
共重合体とは、α−オレフィンとα−オレフィン以外の
成分との共重合体であり、例えば、プロピレン−アクリ
ル酸共重合体、プロピレン−アクリル酸エステル共重合
体、プロピレン−ブタジエン共重合体、プロピレン−塩
化ビニル共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体等
が挙げられるが、実質的には、ポリオレフィンのみによ
る重合体が好ましい。
【0012】上記ポリオレフィンの分子量は、特に限定
されないが、溶剤に溶解させて使用するため低分子量の
ものが好ましく、具体的には、重量平均分子量1,00
0〜50,000のものが好ましい。このような分子量
のポリオレフィンは、例えば、分解法や副生法によって
製造されたものでもよく、立体構造的には、アイソタッ
クチック、シンジオタックチック、アタックチック等い
ずれのものも使用可能である。
されないが、溶剤に溶解させて使用するため低分子量の
ものが好ましく、具体的には、重量平均分子量1,00
0〜50,000のものが好ましい。このような分子量
のポリオレフィンは、例えば、分解法や副生法によって
製造されたものでもよく、立体構造的には、アイソタッ
クチック、シンジオタックチック、アタックチック等い
ずれのものも使用可能である。
【0013】上記ポリオレフィンの粒径は、特に限定さ
れないが、一般的には1mm以下が好ましい。
れないが、一般的には1mm以下が好ましい。
【0014】本発明の第1工程は、反応温度が90℃以
上、かつポリオレフィンのDSC(示差走査熱量計)に
おける融解吸熱ピークの頂点より低い温度で、ポリオレ
フィンを塩素化する工程である。
上、かつポリオレフィンのDSC(示差走査熱量計)に
おける融解吸熱ピークの頂点より低い温度で、ポリオレ
フィンを塩素化する工程である。
【0015】上記第1工程では、低温では実質的に反応
が進行せず、反応温度がポリオレフィンの融点を超える
と溶融してしまうので、反応温度は90℃以上、かつポ
リオレフィンのDSCにおける融解吸熱ピークの頂点よ
り低い温度に制限される。また、ポリオレフィンの結晶
化部分を塩素化するためには、できるだけ融点近傍の温
度で反応させることが好ましい。
が進行せず、反応温度がポリオレフィンの融点を超える
と溶融してしまうので、反応温度は90℃以上、かつポ
リオレフィンのDSCにおける融解吸熱ピークの頂点よ
り低い温度に制限される。また、ポリオレフィンの結晶
化部分を塩素化するためには、できるだけ融点近傍の温
度で反応させることが好ましい。
【0016】我々の検討では、塩素化の開始反応は、ポ
リオレフィンからの水素ラジカルの脱離反応であること
が明らかになっており、例えば、α−オレフィン重合体
においては、3級水素が最も脱離し易く、従って、ポリ
オレフィンのモノマーユニット当たりの平均塩素含有量
が1個になるまでは、3級炭素に対して塩素置換が優先
的に起こる。
リオレフィンからの水素ラジカルの脱離反応であること
が明らかになっており、例えば、α−オレフィン重合体
においては、3級水素が最も脱離し易く、従って、ポリ
オレフィンのモノマーユニット当たりの平均塩素含有量
が1個になるまでは、3級炭素に対して塩素置換が優先
的に起こる。
【0017】この状態の塩素化ポリオレフィンは、主鎖
上の炭素に対してほぼ1個おきに塩素が置換しており、
均一に塩素化が行われていることが確認されている。こ
のような塩素置換の位置は、例えば、NMRによって確
認することができる。
上の炭素に対してほぼ1個おきに塩素が置換しており、
均一に塩素化が行われていることが確認されている。こ
のような塩素置換の位置は、例えば、NMRによって確
認することができる。
【0018】本発明の第2工程は、紫外線の照射により
ポリオレフィンを塩素化する工程である。第2工程で
は、ポリオレフィンの均一な塩素化反応を行なうために
紫外線を照射する。
ポリオレフィンを塩素化する工程である。第2工程で
は、ポリオレフィンの均一な塩素化反応を行なうために
紫外線を照射する。
【0019】第1工程において、3級炭素に対して優先
的に塩素化反応が起こりここで塩素置換が終了すると、
次いで、2級炭素、1級炭素の順で塩素化反応が起こる
が、2級及び1級水素の脱離には非常に大きな活性化エ
ネルギーが必要であり、熱による活性のみでは、反応速
度が極端に遅くなる。
的に塩素化反応が起こりここで塩素置換が終了すると、
次いで、2級炭素、1級炭素の順で塩素化反応が起こる
が、2級及び1級水素の脱離には非常に大きな活性化エ
ネルギーが必要であり、熱による活性のみでは、反応速
度が極端に遅くなる。
【0020】我々の研究によれば、紫外線による活性の
場合、塩素ラジカルの生成が開始反応であり、このラジ
カルによる置換反応は3級、2級、1級の炭素の区別な
く起こることが知られている。つまり、2級及び1級炭
素に対しても置換反応が無作為的に起こるため、熱によ
る活性に比べて反応速度が非常に早くなる。
場合、塩素ラジカルの生成が開始反応であり、このラジ
カルによる置換反応は3級、2級、1級の炭素の区別な
く起こることが知られている。つまり、2級及び1級炭
素に対しても置換反応が無作為的に起こるため、熱によ
る活性に比べて反応速度が非常に早くなる。
【0021】本発明において、均一な塩素化反応を確実
に行うためには、ポリオレフィンのモノマーユニット当
たりの平均塩素含有量が1個になるまでは、熱のみによ
る塩素化反応を行い、紫外線の照射による塩素化反応の
開始は、ポリオレフィンのモノマーユニット当たりの平
均塩素含有量が1個を超え1.2個未満の時点が好まし
い。
に行うためには、ポリオレフィンのモノマーユニット当
たりの平均塩素含有量が1個になるまでは、熱のみによ
る塩素化反応を行い、紫外線の照射による塩素化反応の
開始は、ポリオレフィンのモノマーユニット当たりの平
均塩素含有量が1個を超え1.2個未満の時点が好まし
い。
【0022】また、第2工程における反応温度は、第1
工程の反応温度と同じ温度でもよく、それ以下の温度で
もよい。
工程の反応温度と同じ温度でもよく、それ以下の温度で
もよい。
【0023】第2工程で使用される紫外線としては、例
えば、高圧水銀灯等によって得られる波長200〜60
0nmのものが好ましい。
えば、高圧水銀灯等によって得られる波長200〜60
0nmのものが好ましい。
【0024】また、ポリオレフィンのモノマーユニット
当たりの平均塩素含有量を平均塩素含有率に換算する
と、例えばポリプロピレンの場合、平均塩素含有量が1
個の時は平均塩素含有率が46.4重量%に相当し、平
均塩素含有量が1.2個の時は平均塩素含有率が51.
1重量%に相当する。
当たりの平均塩素含有量を平均塩素含有率に換算する
と、例えばポリプロピレンの場合、平均塩素含有量が1
個の時は平均塩素含有率が46.4重量%に相当し、平
均塩素含有量が1.2個の時は平均塩素含有率が51.
1重量%に相当する。
【0025】上記第1及び第2工程の反応は水懸濁状態
で行われ、最終的にはポリオレフィンの塩素含有率が6
0〜70重量%になるまで塩素化される。
で行われ、最終的にはポリオレフィンの塩素含有率が6
0〜70重量%になるまで塩素化される。
【0026】塩素化ポリオレフィンの最終的な平均塩素
含有率は、60重量%より低いとトルエン等の溶剤への
溶解性及び耐熱性が低下し、70重量%を超えると塩素
化が困難になるので、60〜70重量%に限定される。
含有率は、60重量%より低いとトルエン等の溶剤への
溶解性及び耐熱性が低下し、70重量%を超えると塩素
化が困難になるので、60〜70重量%に限定される。
【0027】本発明で使用される塩素の形態は気体又は
液体のいずれでもよい。また、塩素の導入は反応器内で
あればどこでもよく、反応器内の気相中又は液相中のい
ずれへ導入してもよい。
液体のいずれでもよい。また、塩素の導入は反応器内で
あればどこでもよく、反応器内の気相中又は液相中のい
ずれへ導入してもよい。
【0028】本発明において、反応時に粒子同士の合着
を防止するために、界面活性剤のような分散剤を添加し
てもよい。このような分散剤としては、例えば、メタク
リル酸メチルエステル−アクリル酸共重合体のアンモニ
ウム塩等のアクリル酸共重合体の誘導体類;エチレンオ
キサイド−プロピレンオキサイド共重合体等のアルキレ
ンオキサイド類;リン酸エステル;スルホン酸系化合物
等が挙げられる。
を防止するために、界面活性剤のような分散剤を添加し
てもよい。このような分散剤としては、例えば、メタク
リル酸メチルエステル−アクリル酸共重合体のアンモニ
ウム塩等のアクリル酸共重合体の誘導体類;エチレンオ
キサイド−プロピレンオキサイド共重合体等のアルキレ
ンオキサイド類;リン酸エステル;スルホン酸系化合物
等が挙げられる。
【0029】上記分散剤の添加量は少なくなると効果が
得られず、多くなると反応後の塩素化ポリオレフィン中
に残留して物性を低下させたり、溶解性を損ねる恐れが
あるので、ポリオレフィン100重量部に対して分散剤
0.1〜10重量部が好ましい。
得られず、多くなると反応後の塩素化ポリオレフィン中
に残留して物性を低下させたり、溶解性を損ねる恐れが
あるので、ポリオレフィン100重量部に対して分散剤
0.1〜10重量部が好ましい。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)攪拌機付きのグラスライニングを施した加
圧反応器に、ポリプロピレン(重量平均分子量15,0
00、密度0.89g/cm3 、DSCによる融解熱吸
収ピークの頂点が130℃、最大粒径500μm)10
0重量部と蒸留水1600重量部を仕込み、これに分散
剤としてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共
重合体(分子量4,000、重量比1:1)0.2重量
部を加えた。反応器内の温度を120℃にし、攪拌翼を
回転させながら反応器内の塩素圧が4.5kg/cm2
になるように塩素ガスを導入した。反応系の塩酸濃度を
測定して塩素含有率を算出しながら反応の進行を検知
し、ポリピロピレンのモノマーユニット当たりの平均塩
素含有量が1.01個になった時点で、反応温度を変え
ずに、定格100W、波長254〜560nmの高圧水
銀灯(ウシオ電機社製「UM−102型」)により紫外
線を照射し、塩素化反応を継続した。ポリピロピレンの
モノマーユニット当たりの平均塩素含有率が65.8重
量%になった時点で塩素の導入を止め、50℃まで冷却
した後、塩素化ポリプロピレンを取り出し乾燥した。塩
素化反応時間は5.5時間であった。得られた塩素化ポ
リプロピレンを、固形分が60重量%となるようにトル
エンに溶解したところ、完全に溶解し溶液も透明であっ
た。
圧反応器に、ポリプロピレン(重量平均分子量15,0
00、密度0.89g/cm3 、DSCによる融解熱吸
収ピークの頂点が130℃、最大粒径500μm)10
0重量部と蒸留水1600重量部を仕込み、これに分散
剤としてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共
重合体(分子量4,000、重量比1:1)0.2重量
部を加えた。反応器内の温度を120℃にし、攪拌翼を
回転させながら反応器内の塩素圧が4.5kg/cm2
になるように塩素ガスを導入した。反応系の塩酸濃度を
測定して塩素含有率を算出しながら反応の進行を検知
し、ポリピロピレンのモノマーユニット当たりの平均塩
素含有量が1.01個になった時点で、反応温度を変え
ずに、定格100W、波長254〜560nmの高圧水
銀灯(ウシオ電機社製「UM−102型」)により紫外
線を照射し、塩素化反応を継続した。ポリピロピレンの
モノマーユニット当たりの平均塩素含有率が65.8重
量%になった時点で塩素の導入を止め、50℃まで冷却
した後、塩素化ポリプロピレンを取り出し乾燥した。塩
素化反応時間は5.5時間であった。得られた塩素化ポ
リプロピレンを、固形分が60重量%となるようにトル
エンに溶解したところ、完全に溶解し溶液も透明であっ
た。
【0031】(実施例2)反応温度を100℃にした以
外は、実施例1と同様にして反応を行い、平均塩素含有
率が50.7重量%(ポリピロピレンのモノマーユニッ
ト当たりの平均塩素含有量1.18個)になった時点
で、定格100W、波長254〜560nmの高圧水銀
灯により紫外線を照射し、平均塩素含有率が60.2重
量%になるまで塩素化を行った。塩素化反応時間は5時
間であった。得られた塩素化ポリプロピレンを、固形分
が60重量%となるようにトルエンに溶解したところ、
完全に溶解し溶液も透明であった。
外は、実施例1と同様にして反応を行い、平均塩素含有
率が50.7重量%(ポリピロピレンのモノマーユニッ
ト当たりの平均塩素含有量1.18個)になった時点
で、定格100W、波長254〜560nmの高圧水銀
灯により紫外線を照射し、平均塩素含有率が60.2重
量%になるまで塩素化を行った。塩素化反応時間は5時
間であった。得られた塩素化ポリプロピレンを、固形分
が60重量%となるようにトルエンに溶解したところ、
完全に溶解し溶液も透明であった。
【0032】(比較例1)高圧水銀灯による紫外線を全
く照射しなかったこと以外は、実施例1と同様にして塩
素化を行い、反応時間15時間で平均塩素含有率が6
5.1重量%の塩素化ポリプロピレンを得た。得られた
塩素化ポリプロピレンを、固形分が60重量%となるよ
うにトルエンに溶解したところ、ゲル状の不溶解部分が
観察された。
く照射しなかったこと以外は、実施例1と同様にして塩
素化を行い、反応時間15時間で平均塩素含有率が6
5.1重量%の塩素化ポリプロピレンを得た。得られた
塩素化ポリプロピレンを、固形分が60重量%となるよ
うにトルエンに溶解したところ、ゲル状の不溶解部分が
観察された。
【0033】(比較例2)実施例1と同様の各種成分を
仕込み、反応温度を100℃としたこと以外は、実施例
1と同様にして塩素化反応を行い、塩素含有率が30.
2重量%(ポリピロピレンのモノマーユニット当たりの
平均塩素含有数0.51個)になった時点で、実施例1
同様の高圧水銀灯による紫外線を照射した。5.5時間
反応させて塩素含有率が61.5重量%の塩素化ポリプ
ロピレンを得た。得られた塩素化ポリプロピレンを、固
形分が60重量%となるようにトルエンに溶解したとこ
ろ、ゲル状の不溶解部分が観察された。
仕込み、反応温度を100℃としたこと以外は、実施例
1と同様にして塩素化反応を行い、塩素含有率が30.
2重量%(ポリピロピレンのモノマーユニット当たりの
平均塩素含有数0.51個)になった時点で、実施例1
同様の高圧水銀灯による紫外線を照射した。5.5時間
反応させて塩素含有率が61.5重量%の塩素化ポリプ
ロピレンを得た。得られた塩素化ポリプロピレンを、固
形分が60重量%となるようにトルエンに溶解したとこ
ろ、ゲル状の不溶解部分が観察された。
【0034】
【発明の効果】本発明の塩素化ポリオレフィンの製法
は、上述した通りであり、有機溶剤を使用することなく
ポリオレフィンを均一に塩素化できるので、作業環境に
悪影響を及ぼさずに、溶剤溶解性に優れた塩素化ポリオ
レフィンを得ることができる。得られた塩素化ポリオレ
フィンは、トルエン、キシレン等の有機溶剤に高濃度で
溶解するので、ハイソリッド化に対応可能となり、塗
料、印刷インキ等に好適に使用される。
は、上述した通りであり、有機溶剤を使用することなく
ポリオレフィンを均一に塩素化できるので、作業環境に
悪影響を及ぼさずに、溶剤溶解性に優れた塩素化ポリオ
レフィンを得ることができる。得られた塩素化ポリオレ
フィンは、トルエン、キシレン等の有機溶剤に高濃度で
溶解するので、ハイソリッド化に対応可能となり、塗
料、印刷インキ等に好適に使用される。
Claims (1)
- 【請求項1】水懸濁状態でポリオレフィンに塩素を反応
させて塩素化するに際し、ポリオレフィンのモノマーユ
ニット当たりの平均塩素含有量が実質的に1個になるま
では、反応温度を90℃以上、かつ前記ポリオレフィン
の示差走査熱量計(DSC)における融解吸熱ピークの
頂点より低い温度で塩素化する第1工程と、次いで、紫
外線を照射して塩素化する第2工程からなり、ポリオレ
フィンを塩素含有率60〜70重量%に塩素化すること
を特徴とする塩素化ポリオレフィンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32007892A JPH06166711A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32007892A JPH06166711A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06166711A true JPH06166711A (ja) | 1994-06-14 |
Family
ID=18117476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32007892A Pending JPH06166711A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06166711A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104277161A (zh) * | 2014-09-10 | 2015-01-14 | 宿迁市鸿大化工有限公司 | 水相悬浮法低氯化茂金属聚丙烯合成工艺 |
CN106397642A (zh) * | 2015-07-29 | 2017-02-15 | 瑞来斯实业公司 | 一种聚合物的氯化方法 |
-
1992
- 1992-11-30 JP JP32007892A patent/JPH06166711A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104277161A (zh) * | 2014-09-10 | 2015-01-14 | 宿迁市鸿大化工有限公司 | 水相悬浮法低氯化茂金属聚丙烯合成工艺 |
CN106397642A (zh) * | 2015-07-29 | 2017-02-15 | 瑞来斯实业公司 | 一种聚合物的氯化方法 |
CN106397642B (zh) * | 2015-07-29 | 2021-03-23 | 瑞来斯实业公司 | 一种聚合物的氯化方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
HU228803B1 (en) | Method for producing peroxydicarbonates and their use in the radical polymerization of monomers | |
JPH06166711A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
US11629204B2 (en) | Method for preparing chlorinated polyvinyl chloride resin | |
JPS5941308A (ja) | ポリオレフインをクロロスルホン化する方法 | |
JPH06293810A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JPH0633324B2 (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JPH06293811A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JP3151071B2 (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JPH0873522A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JPH05186519A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JPH06100618A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JP2610529B2 (ja) | 被膜形成組成物の製造方法 | |
JPS5918708A (ja) | 耐寒性のすぐれたクロロスルホン化ポリエチレンの製造法 | |
JPH0321604A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製法 | |
JPS59138246A (ja) | 気相クロロスルホン化ポリオレフインの二酸化硫黄臭を除去する方法 | |
JPH06248013A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JPH03197510A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JPH03197508A (ja) | 塩素化evaの製造法 | |
JPH11302324A (ja) | 溶媒可溶な塩素化ポリオレフィン | |
JPH0693018A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JPH07118337A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JPH07304823A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
JPH07304821A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 | |
Altomare et al. | Metal‐Free, Light‐Catalyzed ATRP For the Synthesis of Functional PVDF‐Based Block Copolymers and Their Characterization | |
JPH07304822A (ja) | 塩素化ポリオレフィンの製造方法 |