JPH0873522A - 塩素化ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

塩素化ポリオレフィンの製造方法

Info

Publication number
JPH0873522A
JPH0873522A JP21369094A JP21369094A JPH0873522A JP H0873522 A JPH0873522 A JP H0873522A JP 21369094 A JP21369094 A JP 21369094A JP 21369094 A JP21369094 A JP 21369094A JP H0873522 A JPH0873522 A JP H0873522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous medium
weight
reaction
chlorine content
chlorination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21369094A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Morita
和弘 森田
Yoshihiko Eguchi
吉彦 江口
Takashi Sawara
敬 佐原
Hiroshi Sakai
拓 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd, Tokuyama Sekisui Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP21369094A priority Critical patent/JPH0873522A/ja
Publication of JPH0873522A publication Critical patent/JPH0873522A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全で経済的な水性懸濁法により、生産性を
低下させずに、熱安定性や耐候性が良く、有機溶剤に対
する溶解性に優れた塩素化ポリオレフィンを製造する。 【構成】 ポリオレフィン粒子を水性媒体中に懸濁さ
せ、これに塩素を導入し、反応の開始に熱を用いて塩素
化反応を行う方法であって、先ず、平均塩素含有率が5
0〜55重量%に達するまで塩素化反応を行い、次に、
水性媒体中の塩酸を水性媒体のpHが1以上になるまで
除去した後、さらに平均塩素含有率が55〜70重量%
に達するまで塩素化反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、有機溶剤に対する溶
解性に優れた塩素化ポリオレフィンの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン粒子を水性媒体中に懸濁
させ、これに塩素を導入し、塩素化反応を行うことによ
り、塩素化ポリオレフィンを製造する方法は広く知られ
ている。反応の開始には、熱、光及びラジカル発生剤が
用いられる(例えば、特公昭36−4745号公報参
照)。
【0003】このような水性懸濁法による塩素化方法
は、溶液法による塩素化方法に比べ、溶媒を使用しない
ため、溶媒の除去という煩雑な工程が必要でなく、また
人体や環境にも悪影響がなく、安全で経済的な方法であ
る。
【0004】しかし、水性懸濁法により得られる塩素化
ポリオレフィンは、一般に、溶液法に比べて粒子の内部
まで充分に均一に塩素化されにくく、トルエン、キシレ
ン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤に
対する溶解性が悪い。
【0005】それゆえ、この種の塩素化ポリオレフィン
は、成形用樹脂や耐衝撃改良剤や難燃化剤などの用途に
は適するが、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチル
エチルケトンなどの安価な汎用の有機溶剤を用いる塗料
やインキなどの用途には不適当である。
【0006】水性懸濁法で、トルエン、キシレン、酢酸
エチル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤に対する溶
解性に優れた塩素化ポリオレフィンを製造するには、粒
径が比較的細かいポリオレフィン粒子を用い、これを平
均塩素含有率が55重量%以上になるまで塩素化するの
が有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリオレフィ
ン粒子を塩素化する際に、平均塩素含有率が50〜55
重量%以上になると塩素化反応の速度が著しく低下し、
塩素化ポリオレフィンの生産性が低下するという問題が
ある。
【0008】塩素化反応の速度を上げるには、反応温度
を上げる、反応圧力を上げる、光の強度を強める、ラジ
カル発生剤を用いるなどの手段が考えられるが、いずれ
の手段にも次のような問題がある。
【0009】すなわち、反応温度を上げると熱安定性が
悪くなり、また粒子が合着する。反応圧力を上げるには
設備上の問題があり、またその効果は小さい。光の強度
を強めると熱安定性が悪くなる。ラジカル発生剤を用い
るとその残存物により耐候性が悪くなる。
【0010】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、安全で経済的な水性懸濁法により、生産性を低下さ
せずに、熱安定性や耐候性が良く、有機溶剤に対する溶
解性に優れた塩素化ポリオレフィンを製造する方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、ポリオレフ
ィン粒子を水性媒体中に懸濁させ、これに塩素を導入
し、反応の開始に熱を用いて塩素化反応を行う方法であ
って、先ず、平均塩素含有率が50〜55重量%に達す
るまで塩素化反応を行い、次に、水性媒体中の塩酸を水
性媒体のpHが1以上になるまで除去した後、さらに平
均塩素含有率が55〜70重量%に達するまで塩素化反
応を行うもので、それにより上記の目的を達成すること
ができる。
【0012】この発明で使用するポリオレフィンは、エ
チレンやα−オレフインの単独重合体、エチレンとα−
オレフインとの共重合体、エチレンと他のモノマーとの
共重合体である。
【0013】エチレンやα−オレフインの単独重合体と
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン、ポリヘキセン、ポリ4−メチルペンテン等が挙
げられる。
【0014】エチレンとα−オレフインとの共重合体と
しては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、
エチレン−オクテン共重合体、エチレン−4−メチルペ
ンテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合
体、プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられる。
【0015】エチレンと他のモノマーとの共重合体とし
ては、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体、エチレン−ブタジエン共重合
体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等が挙げられる。
【0016】これ等のポリオレフィンは、立体構造的に
は、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチ
ックのいずれでもよい。また、これ等のポリオレフィン
には、酸化処理、無水マレイン酸変性などの化学変成が
行われていても差し支えない。
【0017】ポリオレフィンの分子量は、得られる塩素
化ポリオレフィンを有機溶剤に溶解して使用する場合
は、低分子量が好ましく、平均分子量(粘度法)100
0〜50000のものが好まし。また、ポリオレフィン
の粒径は、均一に塩素化するうえで1mm以下のものが好
ましく、特に10〜500μm の範囲にあるものが好適
である。
【0018】この発明においては、上記ポリオレフィン
粒子を水性媒体中に懸濁させ、これに塩素を導入して塩
素化反応を行う。この塩素化反応は、反応の開始に光や
ラジカル発生剤を用いることなく、熱により活性種を発
生させることにより行う。
【0019】これは、反応の開始に光を用いて反応速度
の低下を抑制すると、得られる塩素化ポリオレフィンの
熱安定性が悪くなり、また反応の開始にラジカル発生剤
を用いて反応速度の低下を抑制すると、得られる塩素化
ポリオレフィンの耐候性が悪くなるからである。
【0020】反応温度は、経済的な面で反応時間を短く
するために、できるだけ高い方がよい。しかし、ポリオ
レフィンの融点を越えると、粒子同志が合着するため、
使用するポリオレフィンの融点よりも低い温度で行われ
る。
【0021】反応温度は、一般に70〜120℃が好ま
しい。なお、反応温度は、一段階で一定温度に設定して
行ってもよく、反応中のポリオレフィンの凝集を防ぐた
め、或いはより均一な塩素化を行うために、二段階以上
の異なる温度に設定して行ってもよい。
【0022】また、反応速度は、塩素濃度が高いほど早
くなり、そのため応容器内の塩素圧を高くすればよい
が、反応容器自体の耐圧に限界があるので、通常、1〜
5 kg/cm2 に設定される。なお、反応系に導入する塩
素は、塩素ガスでも液化塩素でもよい。また、気相部、
液相部のいずれに吹き込んでもよい。
【0023】また、ポリオレフイン粒子を懸濁させる水
性媒体としては、水が好適に使用される。この場合、ポ
リオレフィン粒子100重量部に対して、一般に水20
0〜5000重量部が用いられる。反応中のポリオレフ
ィンの凝集を防ぐために、水に公知の分散剤を添加して
もよい。分散剤は、ポリオレフイン粒子100重量部に
対し、一般に10重量部以下で用いられる。
【0024】分散剤としては、例えば、ポリアクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、マレ
イン酸−メチルビニルエーテル共重合体、メチルビニル
エーテル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチルエス
テル−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩、エチレン
オキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等が好適に
用いられる。
【0025】塩素化ポリオレフィンの塩素化度は、その
用途に合致した塩素化度のものとされる。一般に、塩素
化ポリオレフィンの塩素含有率が低くなるにつれて、有
機溶剤に対する溶解性が低下する。逆に、高い塩素含有
率を得るには、長時間の塩素化反応が必要となり経済的
でない。
【0026】それゆえ、この発明では、最終的に得られ
る塩素化ポリオレフィンの塩素化度は、平均塩素含有率
で55〜70重量%とされる。ここで、平均塩素含有率
は、JIS K 7229に規定する酸素フラスコ燃焼
法により測定される。
【0027】この発明においては、上述の方法で、先
ず、平均塩素含有率が50〜55重量%に達するまで塩
素化反応を行う。これは、平均塩素含有率が50重量%
未満では反応速度の低下がなく、平均塩素含有率が55
重量%以上になると反応速度の低下が著しくなるからで
ある。このような塩素化反応により塩化水素(塩酸)が
生成し、水性媒体中のpHは1よりも小さくなる。
【0028】そして、平均塩素含有率が50〜55重量
%に達した時点で、水性媒体中の塩酸を水性媒体のpH
が1以上になるまで除去した後、さらに上述の方法で、
平均塩素含有率が55〜70重量%に達するまで塩素化
反応を行う。これは、平均塩素含有率が高くなっても水
性媒体のpHが1以上になると、反応速度の低下が抑制
できるからである。
【0029】ここで、水性媒体中の塩酸をこの水性媒体
のpHが1以上になるまで除去するには、(1)水性媒
体中に炭酸水素ナトリウム等のアルカリ(中和剤)を添
加して塩酸を中和する方法、(2)塩酸を含んだ水性媒
体を除去しながら或いは除去した後、塩酸を含まない新
たな水性媒体と入れ換える方法等が好適に採用される。
【0030】こうして、平均塩素含有率55〜70重量
%の塩素化ポリオレフィン粒子が生成し、その後、常法
により濾過、水洗、乾燥を経て、塩素化ポリオレフィン
の製品とされる。
【0031】
【作用】上述のように、平均塩素含有率が50〜55重
量%に達した時点で、水性媒体中の塩酸を水性媒体のp
Hが1以上になるまで除去し、さらに平均塩素含有率が
55〜70重量%に達するまで塩素化反応を行うと、反
応速度の低下が抑制できる。
【0032】この作用機構は明らかではないが、最初の
段階で塩素化されたポリオレフィン粒子の内部には塩化
水素(塩酸)が生成して取り込まれており、水性媒体の
pHが1よりも小さい場合は、上記塩化水素(塩酸)が
粒子内部から外部へ拡散しにくく、これが粒子内部への
塩素の拡散浸透を妨げて塩素化の反応速度が低下するも
のと考えられる。
【0033】そこで、水性媒体のpHを1以上にする
と、粒子内部の塩化水素塩酸が外部へ拡散しやすくな
り、その結果、塩素が粒子内部へ拡散浸透していき、粒
子の表面付近のみならず内部も、速やかに高度に塩素化
されるものと推察される。
【0034】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 粘度法による平均分子量2200、密度0.93g/cm
2 で、最大粒径500μm のマレイン酸変性ポリエチレ
ン粒子(マレイン酸含有量:酸価20 mgKOH/g)10
0重量部を、内面グラスライニングを施した攪拌機付き
加圧反応器(容量5リットル)に仕込み、これにイオン
交換水1600部を入れ、さらに分散剤として、メタク
リル酸メチル−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩水
溶液(組成モル比1:1、平均分子量15000、濃度
30重量%)2.0重量部を添加した。
【0035】先ず、加圧反応器を加熱して80℃に保持
し攪拌下で、これに反応器内の塩素圧が3 kg/cm2
なるように塩素ガスを吹き込みながら4.5時間塩素化
反応を行った。ここで、生成した塩素化ポリエチレン粒
子をサンプリングして、その塩素含有率を酸素フラスコ
燃焼法により測定したところ、平均塩素含有率は51.
3重量%であった。また、水性媒体のpHを測定したと
ころ、pHは0.1以下であった。
【0036】次に、平均塩素含有率が51.3重量%に
達した時点で、反応器内の水性媒体中に炭酸水素ナトリ
ウムを添加して、水性媒体のpHが5.8になるまで水
性媒体中の塩酸を中和除去し、その後さらに80℃に保
持し攪拌下で、これに反応器内の塩素圧が3 kg/cm2
になるように塩素ガスを吹き込みながら、3時間塩素化
反応を行った。ここで、生成した塩素化ポリエチレン粒
子の塩素含有率を酸素フラスコ燃焼法により測定したと
ころ、平均塩素含有率は65.6重量%であった。
【0037】その後、塩素の供給を停止して塩素素化反
応を終了させ、常法により濾過、水洗、乾燥を経て、塩
素化ポリエチレン粒子を製造した。全反応時間は7.5
時間である。
【0038】実施例2 実施例1と同様にして、平均塩素含有率が53.7重量
%になるまで5時間塩素化反応を行った。この時の水性
媒体のpHは0.1以下であり、その後反応器の下方に
接続されたフィルター付配管から塩酸を含んだ水性媒体
を一部排出しながら、これと同量の塩酸を含まない新し
い水性媒体を反応器の上方から添加して水性媒体のpH
を1.5とした。
【0039】その後、実施例1と同様にして、平均塩素
含有率が65.5重量%になるまで3時間塩素化反応を
行い、塩素化ポリエチレン粒子を製造した。全反応時間
は8時間である。
【0040】実施例3 実施例1と同様にして、平均塩素含有率が52.5重量
%になるまで5時間塩素化反応を行った。この時の水性
媒体のpHは0.1以下であり、その後反応器の下方に
接続されたフィルター付配管から塩酸を含んだ水性媒体
を全部排出し、これと同量の塩酸を含まない新しい水性
媒体を反応器の上方から添加して水性媒体のpHを3.
6とした。
【0041】その後、実施例1と同様にして、平均塩素
含有率が65.1重量%になるまで2.5時間塩素化反
応を行い、塩素化ポリエチレン粒子を製造した。全反応
時間は7.5時間である。
【0042】比較例1 実施例1と同様にして、平均塩素含有率が52.8重量
%にまるまで5時間塩素化反応を行った。この時の水性
媒体のpHは0.1以下であり、その後pHの調整を行
わずに、引き続いて、実施例1と同様にして、平均塩素
含有率が65.3重量%になるまで8時間塩素化反応を
行い、塩素化ポリエチレン粒子を製造した。全反応時間
は13時間である。
【0043】比較例2 実施例1と同様にして、平均塩素含有率が53.2重量
%にまるまで5時間塩素化反応を行った。この時の水性
媒体のpHは0.1以下であり、その後pHの調整を行
わずに、ラジカル発生剤(パーヘキシルO:日本油脂社
製)を2.0重量部添加し、実施例1と同様にして、平
均塩素含有率が65.3重量%になるまで3時間塩素化
反応を行い、塩素化ポリエチレン粒子を製造した。全反
応時間は8時間である。
【0044】比較例3 実施例1と同様にして、平均塩素含有率が52.6重量
%になるまで5時間塩素化反応を行った。この時の水性
媒体のpHは0.1以下であり、その後pHの調整を行
わずに、高圧水銀灯(波長254〜560nm)を用い
100W/cm2の光強度で光を照射し、実施例1と同様
にして、平均塩素含有率が65.1重量%になるまで3
時間塩素化反応を行い、塩素化ポリエチレン粒子を製造
した。全反応時間は8時間である。
【0045】比較例4 実施例1と同様にして、平均塩素含有率が59.6重量
%になるまで8.5時間塩素化反応を行った。この時の
水性媒体のpHは0.1以下であり、その後反応器の下
方に接続されたフィルター付配管から塩酸を含んだ水性
媒体を一部排出しながら、これと同量の塩酸を含まない
新しい水性媒体を反応器の上方から添加して水性媒体の
pHを1.5とした。
【0046】その後、実施例1と同様にして、平均塩素
含有率が65.1重量%になるまで2.5時間塩素化反
応を行い、塩素化ポリエチレン粒子を製造した。全反応
時間は11時間である。
【0047】比較例5 実施例1と同様にして、平均塩素含有率は52.8重量
%にまるまでで5時間塩素化反応を行った。この時の水
性媒体のpHは0.1以下であり、その後反応器の下方
に接続されたフィルター付配管から塩酸を含んだ水性媒
体を一部排出しながら、これと同量の塩酸を含まない新
しい水性媒体を反応器の上方から添加して水性媒体のp
Hを0.1とした。
【0048】その後、実施例1と同様にして、平均塩素
含有率が65.3重量%になるまで7時間塩素化反応を
行い、塩素化ポリエチレン粒子を製造した。全反応時間
は12時間である。
【0049】上記各実施例及び各比較例で得られた塩素
化ポリエチレン粒子について、溶剤溶解性、熱安定性及
び耐候性を次の方法で評価し、これを全反応時間ととも
に表1に示す。
【0050】<溶剤溶解性>塩素化ポリエチレン粒子を
25℃のトルエンに20重量%となるように入れ、これ
を1時間攪拌して溶解させ、全部が透明に溶解し不溶解
部分が全くないものを○、不溶解部分が部分的に存在す
るものを△、ほとんど溶解しないものを×とする。
【0051】<熱安定性>塩素化ポリエチレン粒子を1
80℃で30分間加熱し、その時の塩素化ポリエチレン
1molに対する脱塩酸量のmol比を百分率(mol
%)で示す。
【0052】<耐候性>上記溶剤溶解性の試験において
得られた塩素化ポリエチレン溶液を透明な硬質塩化ビニ
ル板に塗布し乾燥し、これをサンシャインウェザオメー
ターにより60℃で200時間の促進試験を行い、塗膜
の鏡面光沢度を測定する。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】上述の通り、この発明は、ポリオレフィ
ン粒子を水性媒体中に懸濁させ、これに塩素を導入し、
反応の開始に熱を用いて塩素化反応を行う方法であっ
て、先ず、平均塩素含有率が50〜55重量%に達する
まで塩素化反応を行い、次に、水性媒体中の塩酸を水性
媒体のpHが1以上になるまで除去した後、さらに平均
塩素含有率が55〜70重量%に達するまで塩素化反応
を行うもので、それにより反応速度の低下が抑制でき、
均一で且つ高度に塩素化された塩素化ポリオレフィンを
得ることができる。
【0055】それゆえ、塩素化ポリオレフィンを生産性
を低下させずに、熱安定性や耐候性が良く、トルエン、
キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの安価
な汎用の有機溶剤に対する溶解性に優れた塩素化ポリオ
レフィンを製造することができる。
【0056】したがって、この発明により得られる塩素
化ポリオレフィンは、塗料やインキの用途に好適に使用
される。なお、この塩素化ポリオレフィンは、成形用樹
脂や耐衝撃改良剤や難燃化剤などの用途にも使用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐原 敬 山口県新南陽市開成町4560 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 酒井 拓 山口県新南陽市開成町4560 徳山積水工業 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン粒子を水性媒体中に懸濁
    させ、これに塩素を導入し、反応の開始に熱を用いて塩
    素化反応を行う方法であって、先ず、平均塩素含有率が
    50〜55重量%に達するまで塩素化反応を行い、次
    に、水性媒体中の塩酸を水性媒体のpHが1以上になる
    まで除去した後、さらに平均塩素含有率が55〜70重
    量%に達するまで塩素化反応を行うことを特徴とする塩
    素化ポリオレフィンの製造方法。
JP21369094A 1994-09-07 1994-09-07 塩素化ポリオレフィンの製造方法 Pending JPH0873522A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21369094A JPH0873522A (ja) 1994-09-07 1994-09-07 塩素化ポリオレフィンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21369094A JPH0873522A (ja) 1994-09-07 1994-09-07 塩素化ポリオレフィンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0873522A true JPH0873522A (ja) 1996-03-19

Family

ID=16643377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21369094A Pending JPH0873522A (ja) 1994-09-07 1994-09-07 塩素化ポリオレフィンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0873522A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115181198A (zh) * 2022-08-19 2022-10-14 河北雄发新材料科技发展有限公司 一种酸相法工艺废水零排放氯化聚乙烯的生产工艺

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115181198A (zh) * 2022-08-19 2022-10-14 河北雄发新材料科技发展有限公司 一种酸相法工艺废水零排放氯化聚乙烯的生产工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0873522A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
US10487157B2 (en) Methods for chlorinating polyvinyl chloride
JPH06166711A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH0633324B2 (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH03197508A (ja) 塩素化evaの製造法
JPH0633327B2 (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JP2846236B2 (ja) インキ組成物用塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH06293810A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JP2610529B2 (ja) 被膜形成組成物の製造方法
JPH05186519A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH0693018A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH06100618A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH07304822A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH07304823A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH06145217A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH07304821A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH11302324A (ja) 溶媒可溶な塩素化ポリオレフィン
JP2677100B2 (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造法
JPH07304818A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH05230127A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JPH06228226A (ja) 塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法
JPH07304817A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法
JP2727897B2 (ja) 塩素化ポリオレフィン系コーティング組成物
JPH0639492B2 (ja) 改良された塩素化ポリオレフィンの製造法
JPH07304816A (ja) 塩素化ポリオレフィンの製造方法