JPH0633327B2 - 塩素化ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

塩素化ポリオレフィンの製造方法

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JPH0633327B2
JPH0633327B2 JP33690189A JP33690189A JPH0633327B2 JP H0633327 B2 JPH0633327 B2 JP H0633327B2 JP 33690189 A JP33690189 A JP 33690189A JP 33690189 A JP33690189 A JP 33690189A JP H0633327 B2 JPH0633327 B2 JP H0633327B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗料・インキ等に使用される有機溶剤に溶解
する塩素化ポリオレフィンまたは塩素化した変性ポリオ
レフィンの新規な製造方法に関する。さらに詳しくは前
記塩素化ポリオレフィン類と塩素化ポリオレフィンを同
時に製造することを可能にした新規な製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
ポリオレフィンを塩素化して得られる樹脂は有機溶剤に
溶解するうえ優れた性質を持っていることから工業的に
生産され多方面で使用されている。塩素含有量の高いも
のは耐候性が優れることから屋外建造物の防食塗料とし
て使われ、塩素含有量の低いものはポリプロピレンに付
着することからポリフロピレンフィルム用インキやポリ
プロピレン成型体の塗装用プライマー等に使われてい
る。
ポリオレフィンを塩素化する方法は種々知られており、
それらを大別すると懸濁液で塩素化する方法(例えば、
特公昭36-4745号公報)、溶液で塩素化する方法(例え
ば、特開昭48-8856号公報)、バルクで塩素化する方法
(例えば、特開昭46-737号公報)に分けられる。懸濁液
で塩素化する方法はポリオレフィンを微粒子化し水に懸
濁させて紫外線の照射またはラジカル発生剤を添加して
塩素ガスを吹き込むことにより行われる。塩素化終了後
塩素化物は水と分離・乾燥させる。溶液で塩素化する方
法は塩素に対して不活性な塩素系有機溶剤、例えば四塩
化炭素,クロロホルム,塩化メチレン,トリクロロエタ
ン等にポリオレフィンを溶解させ、紫外線の照射または
ラジカル発生剤を添加して塩素ガスを吹き込んで塩素化
する。生成物から溶剤を分離して塩素化ポリオレフィン
を得る。バルクで塩素化する方法は流動床等により粉末
状のポリオレフィンを塩素ガスと接触させて塩素化を行
う。
一方、塩素化パラフィンは塩化ビニルの可塑剤等として
有用であり、塩素含有量の低いものから70%位のものま
で生産されている。塩素化パラフィンはノルマルパラフ
ィンまたはパラフィンワックスを100℃前後の温度に加
熱して溶融させるか四塩化炭素のような塩素系有機溶剤
に溶解させて、塩素ガスを吹き込んで塩素化する。
〔発明が解決しようとする課題〕
懸濁液で塩素化する方法は、不均一反応であり原料粒子
の外側から塩素化が進行し内側は塩素化されにくく、原
料を数ミクロン以下の微粒子にしなければ均一に塩素化
することが難しいという欠点がある。微粉砕するには多
大の労力が必要なので通常数10ミクロンの大きさのポリ
オレフィンを用いるが、この場合得られた塩素化ポリオ
レフィンは有機溶剤への溶解性が劣り、溶液で塩素化す
る方法に比べて多量の塩素を導入しなければ有機溶剤に
溶けるようにならないほか、溶けたとしても未溶解のツ
ブが残る場合が多い。
溶液で塩素化する方法は均一反応であり前述の欠点が無
いかわりに、常圧では塩素系有機溶剤にポリオレフィン
が溶けにくいため、加圧下で塩素化反応を行わなければ
ならず操作が複雑となり反応装置も高価となる欠点があ
る。さらに、人体に有害で環境に悪影響を及ぼす恐れの
ある塩素系有機溶剤を多量に使用しなければならず、最
終製品に残留した場合には性能を損なうばかりか用途が
限定されてしまう。
バルクで塩素化する方法は反応のコントロールが難しい
ほか、懸濁液で塩素化する方法と同様の欠点がある。
一方、塩素化パラフィンはポリオレフィンを溶液で塩素
化する装置と類似の装置で反応させることができるが、
ポリオレフィンとパラフィンを同時に塩素化することは
不可能であった。
本発明は懸濁液で塩素化する方法及び溶液で塩素化する
方法の問題点を解決し、有機溶剤への溶解性に優れた塩
素化ポリオレフィンを、簡単な操作で製造することがで
きるうえに、塩素化ポリオレフィンと塩素化パラフィン
を同時に製造できる極めて生産性の高い製造方法を提供
することを目的とするものである。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究した結
果ポリオレフィンまたは不飽和カルボン酸でグラフト変
性したポリオレフィンと炭素数が8より大きいパラフィ
ン系炭化水素を混合し、混合物が液体である温度におい
て、塩素含有率が5ないし75%まで塩素化することを特
徴とする塩素化ポリオレフィンの製造方法を発明するに
至った。すなわち、本発明はポリオレフィンまたは不飽
和カルボン酸でグラフト変性したポリオレフィンと炭素
数が8より大きいパラフィン系炭化水素を混合し、混合
物を加熱して溶解させ、混合物が均一に混ざった液体で
ある状態を保持できる温度範囲において、塩素ガスを該
混合物に吹き込み塩素化反応を行うことにより、反応装
置及び反応操作が簡単であり、塩素化反応が均一に進ん
で芳香族有機溶媒への溶解性が優れた塩素化ポリオレフ
ィンが製造できるうえに、同時に塩素化パラフィンも製
造し得ることを見いだしたものである。
本発明でポリオレフィンとは、ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,ポリブテン,その他炭素数5以上のα−オレフ
ィンの重合体、ポリ(4−メチルペンテン−1),エチ
レン−プロピレン共重合体,プロピレン−ブテン共重合
体,エチレン−ブテン共重合体,エチレン−プロピレン
−ブテン三元共重合体,その他のα−オレフィンの共重
合体,α−オレフィンと50%以下の他のモノマーとの共
重合体例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン
−エチルアクリレート共重合体,エチレン−無水マレイ
ン酸共重合体,エチレン−エチルアクリレート−無水マ
レイン酸三元共重合体等をいう。また、不飽和カルボン
酸でグラフト変性したポリオレフィンとは、前記ポリオ
レフィンに不飽和カルボン酸またはその誘導体を公知の
方法によりグラフト共重合したものをいう。不飽和カル
ボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸,メタク
リル酸等の不飽和モノカルボン酸またはそのアルキルエ
ステル,マレイン酸,イタコン酸等の不飽和ジカルボン
酸またはその酸無水物またはそのアルキルエステルが例
示できる。グラフト共重合の方法は有機過酸化物のよう
なラジカル発生剤を触媒として用いて、ポリオレフィン
を加熱溶融してバルクの状態で不飽和カルボン酸または
その誘導体を反応させるか、キシレン等の有機溶剤に加
熱溶解させて反応させる。不飽和カルボン酸またはその
誘導体は0.1ないし20重量%グラフト共重合したものが
好ましい。ポリオレフィンまたは不飽和カルボン酸をグ
ラフト共重合したポリオレフィンの分子量には何等制限
はなく、またその形態もブロック,ペレット,粉末のい
ずれでもよい。
炭素数が8より大きいパラフィン系炭化水素とは一般式
2n+2で表される飽和鎖式炭化水素のことであ
る。炭素数が7以下のものでは沸点が低く塩素化ポリオ
レフィンの製造が困難である。より好ましくは炭素数が
10ないし35のノルマルパラフィンであり、塩素化ポリオ
レフィンと同時に製造される塩素化パラフィンの工業的
価値が大きい。ノルマルパラフィンとはパラフィン系炭
化水素のうち直鎖のものであり、生成する塩素化パラフ
ィンの安定性が良好である。炭素数が10ないし16のもの
は常温において液体であり、炭素数が17ないし35のもの
は常温においてワックス状の固体となりパラフィンワッ
クスとも呼ばれるが、いずれも本発明に使用できるもの
である。また、炭素数が異なったパラフィン系炭化水素
が混合したものでも差し支えない。
ポリオレフィンまたは不飽和カルボン酸でグラフト変性
したポリオレフィンと炭素数が8より大きいパラフィン
系炭化水素とは相溶性があり、加熱溶融すると任意の割
合で混ざり均一な液体状態となる。この状態はポリマー
の溶解あるいは可塑性による融点降下により、ポリオレ
フィンまたは不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリ
オレフィンの融点より最大で数10℃低い温度において実
現できる。塩素化反応は混合物が液体状態を保持できる
温度であれば何度でもよいが、高温では塩素化反応と同
時に脱塩素化反応も起こり易く着色することがあるの
で、できるだけ低い温度で反応させるほうが望ましい。
より好ましくは50ないし140℃の温度範囲であり、140℃
以上の温度においては着色が著しくなり得られた塩素化
物の外観を損ねる。逆に50℃以下の温度では塩素化の反
応速度が遅く塩素化に時間がかかって好ましくない。
ポリオレフィンまたは不飽和カルボン酸でグラフト変性
したポリオレフィンと炭素数が8より大きいパラフィン
系炭化水素との混合割合には特に制限は無いが、反応を
効率よく進行させるためにはポリオレフィンまたは不飽
和カルボン酸でグラフト変性したポリオレフィンと炭素
数が8より大きいパラフィン系炭化水素の割合を重量比
で95/5ないし1/99とすることが好ましい。パラフィン系
炭化水素の割合が5より少ない高温または高粘度で反応
しなければならず、着色が起こり易くなり望ましくな
い。ポリオレフィンまたは不飽和カルボン酸でグラフト
変性したポリオレフィンの割合が1より小さいと塩素化
パラフィンの生成物が多量にでき、工業的生産には不利
である。また両者の混合物の粘度は塩素化を行う温度に
おいて、3000cps以下であることが好ましい。3000cps以
上だと局所的に塩素化反応が激しく進み樹脂が炭化する
ことがあるので望ましくない。3000cps以下にするに
は、ポリオレフィンまたは不飽和カルボン酸でグラフト
変性したポリオレフィンと炭素数が8より大きいパラフ
ィン系炭化水素の割合を変えるか温度を変えることで調
整できる。
塩素化により導入する塩素の量は5ないし75%(重量
%、以下同様)である。一般にポリオレフィンはトルエ
ン,キシレン等の有機溶剤に溶解しないが、塩素を導入
するにつれポリマーの結晶構造が崩れ有機溶剤に可溶と
なってくる。しかし、塩素含有量が5%以下では塩素化
物がトルエン,キシレン等の有機溶剤に溶解しないので
工業上実施する意味がない。75%以上では塩素化の反応
効率が落ち、経済的に行えなくなる。尚、ポリオレフィ
ンまたは不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンとパ
ラフィン系炭化水素の混合物を塩素化すると双方とも塩
素化され、原料によってはパラフィン系炭化水素の塩素
含有率が若干高くなるが、各々の塩素含有率はほぼ同じ
となる。
塩素ガスを吹き込んで塩素化を行うとき、紫外線を照射
することや有機過酸化物,アゾ化合物等のラジカル発生
剤を触媒として使用すると反応が効率よく進み好ましい
が、これらを使わなくても塩素化反応は進行する。塩素
ガスは直接吹き込んで塩素化してよいが、窒素等の不活
性気体や塩化水素ガスで希釈して行うこともできる。こ
の場合、反応のコントロールが容易になることや、反応
熱により系の温度が上昇することを防ぐことができると
いうメリットがある。
塩素化反応を行う装置は、撹拌機,塩素吹き込み口,副
生する廃ガス処理装置,加熱用ジャケットを備えた内面
をグラスライニングした反応タンクで行うことができ
る。必要により紫外線ランプをタンク内部に取り付け
る。撹拌は強力に行えるようにするのが反応を均一に進
める上で望ましい。塩素ガスは反応タンクの底部から吹
き込む構造にするのが反応効率を高めるためには好まし
い。
反応後、生成物は塩素化ポリオレフィンの非溶剤であり
かつ塩素化パラフィンの良溶剤である有機溶剤を使用し
て、塩素化ポリオレフィンまたは塩素化した不飽和カル
ボン酸グラフトポリオレフィンと塩素化パラフィンを分
離することができる。このような溶剤としては、イソプ
ロピルアルコールやヘキサンを例示することができる。
塩素化パラフィンを分離した塩素化ポリオレフィンまた
は塩素化した不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィン
は固体状態で得られ、公知の方法によりペレット化して
あるいはトルエン,キシレンのような芳香族系有機溶剤
に溶解させて製品とする。分離後の塩素化パラフィンは
溶剤を蒸留して除くと、塩素含有率により液体またはワ
ックス状の固体として得られる。
〔作 用〕
本発明の塩素化ポリオレフィン類の製造方法において
は、ポリオレフィンまたは不飽和カルボン酸グラフトポ
リオレフィンと炭素数が8より大きいパラフィン系炭化
水素の混合物は液体状態にあるので塩素化が均一になさ
れる。その結果、ポリマー鎖上で塩素がランダムに分布
した構造の塩素化ポリオレフィンができ、有機溶剤に対
する溶解性に優れる。また、原料ポリマーがパラフィン
系炭化水素の可塑性作用によって融点降下し比較的低温
で塩素化反応を行えるので製品の着色が防げる。パラフ
ィン系炭化水素は炭素数が8以上のものを使用するの
で、常圧で反応でき操作が簡単で装置も安価ですむ。パ
ラフィンも塩素と反応できるので塩素化パラフィンを同
時に製造できる。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1 撹拌機,塩素吹き込み口,廃ガス排出口を備えた1リッ
トルのフラスコに、アイソタクチックポリプロピレン
(重量平均分子量:18万)60gとノルマルパラフィン
(C1430:48%、C1532:48%)240gを
仕込み、オイルバスを用いて加熱した。150℃において
ポリプロピレンとノルマルパラフィンの混合物を完全に
溶融させた後、温度を下げて内温を120℃とした。混合
物は透明な液体であった。内容物を取りだし120℃にお
いてB型粘度計で粘度を測定すると1500cpsであった。
撹拌しながらフラスコ底部から気体状塩素を吹き込み塩
素化を始めた。120℃に温度を保って塩素化を進め、反
応途中で適宜内容物を抜き取り塩素含有率を測定しなが
ら塩素を吹き込み反応を終了した。反応物の塩素含有率
は34%であった。反応物を大量のイソプロピルアルコー
ル中に投入して塩素化ポリプロピレンを沈澱させて取り
出し、上澄み液は減圧蒸留してイソプロピルアルコール
を除き塩素化パラフィンを得た。塩素化ポリプロピレン
の塩素含有率を測定すると28%であった。塩素化パラフ
ィンの塩素含有率は36%であった。
実施例2 (不飽和カルボン酸のグラフト反応) アイソタクチックポリプロピレン(重量平均分子量:6
万)300gを、撹拌機付きの1リットルのフラスコに入
れオイルバスを用いて180℃に加熱し、撹拌しながら無
水マレイン酸12gと有機過酸化物としてジ−t−ブチル
パーオキサイド1.2gを2時間かけて加え、その後2時
間反応させた。得られた生成物は無水マレイン酸が3%
付加していた。
(塩素化反応) 前記で得た不飽和カルボン酸でグラフト変性したアイソ
タクチックポリプロピレン150gとノルマルパラフィン
(実施例1と同一のもの)150gを混合溶融し実施例1
と同様にして塩素化反応を行った。塩素化パラフィンを
分離後得られた塩素化ポリプロピレンは塩素含有率22%
であった。
実施例3 エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量19%、
メルトフローレート150g/10分)100gとノルマルパラ
フィン(実施例1と同一のもの)200gを用いて実施例
1と同様にして塩素化反応を行った。塩素化パラフィン
を分離後得られた塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体
は塩素含有率18%であった。
実施例4 アイソタクチックポリプロピレン(重量平均分子量:6
万)100gとパラフィンワックス(C2450、融点4
4℃)200gを混合溶融し実施例1と同様にして塩素化反
応を行った。塩素化パラフィンを分離後得られた塩素化
ポリプロピレンは塩素含有率21%であった。
実施例5 アイソタクチックポリプロピレン(重量平均分子量:6
万)240gとノルマルパラフィン(実施例1と同一のも
の)60gを混合溶融し、温度を135℃としたほかは実施
例1と同様にして塩素化反応を行った。塩素化パラフィ
ンを分離後得られた塩素化ポリプロピレンは塩素含有率
21%であった。
実施例6 アイソタクチックポリプロピレン(重量平均分子量:18
万)60gとノルマルパラフィン(実施例1と同一のも
の)240gを混合溶融し、温度を150℃としたほかは実施
例1と同様にして塩素化反応を行った。反応中次第に着
色し始め最後には黒色になった。塩素化パラフィンを分
離後得られた塩素化ポリプロピレンは塩素含有率28%で
あり、色は黒色であった。
比較例1 アイソタクチックポリプロピレン(重量平均分子量:18
万)60gとノルマルパラフィン(実施例1と同一のも
の)240gを混合溶融し、温度を110℃に下げたところ結
晶が析出し始めたが、そのまま温度110℃に保って実施
例1と同様な操作を行って塩素化反応を始めた。次第に
粘度が上昇すると共に反応液を着色し始め、撹拌できな
くなったため反応を中止した。塩素化パラフィンを分離
後得られた塩素化ポリプロピレンは塩素含有率11%であ
り、色は褐色であった。
比較例2 アイソタクチックポリプロピレン(重量平均分子量:18
万)30gとヘププタン270gを混合し100℃に加熱したが
ポリプロピレンが溶融せず、そのまま実施例1と同様な
操作を行って塩素化をおこなった。反応終了後、ろ過し
て塩素化ポリプロピレンを得た。塩素含有率3%であっ
た。
比較例3 アイソタクチックポリプロピレン(重量平均分子量:18
万)を粉砕し平均粒子径が120μの粉末を得た。撹拌
機,塩素吹き込み口,廃ガス排出口を備えた10リットル
のフラスコに、粉砕したアイソタクチックポリプロピレ
ン300g、水6リットル、界面活性剤1gを仕込み、撹
拌下、紫外線を照射しながら90℃の温度においてフラス
コ底部より気体状塩素を吹き込み、反応中適宜内容物を
抜き取り塩素含有率を測定しながら塩素化を行った。反
応後、生成物をろ過し、アルカリ水溶液次いで水で繰り
返し生成物を洗浄し、乾燥した。塩素含有率を測定した
ところ45%であった。
比較例4 撹拌機,塩素吹き込み口,廃ガス排出口とコンデサーを
備えた30リットルの内面をグラスライニングした反応タ
ンクに、アイソタクチックポリプロピレン(重量平均分
子量:18万)600g、四塩化炭素20リットルを仕込み、
加圧下110℃の温度でポリプロピレンを加熱溶解した。
紫外線を照射しながら110℃においてフラスコ底部より
気体状塩素を吹き込み、適宜内容物を抜き取り塩素含有
率を測定しながら塩素化反応を行った。反応終了後、減
圧蒸留して四塩化炭素を除いた。得られた塩素化物の塩
素含有率は28%であった。
実施例1〜6、比較例1〜4の生成塩素化ポリオレフィ
ンを20重量%の濃度になるようにトルエンに溶解させ、
トルエンへの溶解性とトルエン溶液の保存安定性(−5
℃に1昼夜放置後の流動性)を試験した。結果を表1に
示す。
表1からわかるように、本発明の塩素化ポリオレフィン
は溶解性に優れている。
実施例7 アタクチックポリプロピレン(重量平均分子量:2500
0)30gとノルマルパラフィン(実施例1と同一のも
の)270gを用いて実施例1と同様にして塩素化を行
い、塩素含有率68%の塩素化ポリプロピレンを得た。
実施例8 ポリエチレン(重量平均分子量:6000)30gとノルマル
パラフィン(実施例1と同一のもの)270gを用いて実
施例1と同様にして塩素化を行い、塩素含有率68%の塩
素化ポリエチレンを得た。
比較例5 ポリエチレン(重量平均分子量:6000)を用いて比較例
3と同様な操作で塩素化を行い、塩素含有率69%の塩素
化ポリエチレンを得た。
比較例6 ポリエチレン(重量平均分子量:6000)を用いて比較例
4と同様な操作で塩素化を行い、反応終了後水蒸気蒸留
を行って粉末を取り出した。塩素含有率は68%であっ
た。
実施例7,8、比較例5,6の生成塩素化ポリエチレン
を40重量%の濃度になるようにトルエンに溶解させ、ト
ルエンへの溶解性とトルエン溶液の粘度(25℃、B型粘
度計)と保存安定性(−10℃に1昼夜放置後の流動性)
を試験した。結果を表2に示す。
表2からわかるように、本発明の塩素化ポリエチレンは
トルエン溶液の粘度が低く溶解性に優れている。また、
保存安定性も良い。
〔発明の効果〕
本発明の方法は以上説明したような構成により行われる
ので、塩素化ポリオレフィンと塩素化パラフィンが同時
に製造できるという大きな効果があり、生産性が飛躍的
に向上するので従来法より格段に優れている。また、常
圧で反応できるので塩素化時の操作が簡単で反応装置も
安価で済む。
本発明の方法で製造された塩素化ポリオレフィンは、反
応が均一に行われるので有機溶剤への溶解性が優れてい
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィンまたは不飽和カルボン酸で
    グラフト変性したポリオレフィンと炭素数が8より大き
    いパラフィン系炭化水素を混合し、混合物が液体である
    温度において、塩素含有率が5ないし75%まで塩素化す
    ることを特徴とする塩素化ポリオレフィンの製造方法。
  2. 【請求項2】パラフィン系炭化水素が炭素数10ないし35
    のノルマルパラフィンである請求項1記載の塩素化ポリ
    オレフィンの製造方法。
  3. 【請求項3】塩素化する温度が50ないし140℃である請
    求項1記載の塩素化ポリオレフィンの製造方法。
  4. 【請求項4】ポリオレフィンまたは不飽和カルボン酸で
    グラフト変性したポリオレフィンと炭素数が8より大き
    いパラフィン系炭化水素の割合が95/5ないし1/99である
    請求項1記載の塩素化ポリオレフィンの製造方法。
  5. 【請求項5】ポリオレフィンまたは不飽和カルボン酸で
    グラフト変性したポリオレフィンと炭素数が8より大き
    いパラフィン系炭化水素の混合物の粘度が3000cps以下
    である請求項1記載の塩素化ポリオレフィンの製造方
    法。
JP33690189A 1989-12-26 1989-12-26 塩素化ポリオレフィンの製造方法 Expired - Lifetime JPH0633327B2 (ja)

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