JPH05186519A - 塩素化ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

塩素化ポリオレフィンの製造方法

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JPH05186519A
JPH05186519A JP638492A JP638492A JPH05186519A JP H05186519 A JPH05186519 A JP H05186519A JP 638492 A JP638492 A JP 638492A JP 638492 A JP638492 A JP 638492A JP H05186519 A JPH05186519 A JP H05186519A
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polyolefin
chlorination
chlorinated
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JP638492A
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Kazuhiro Morita
和弘 森田
Hidefumi Morita
英文 森田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水性懸濁状態でポリオレフィンを塩素化する
ことにより塩素化ポリオレフィンを製造する方法におい
て、吸熱開始温度が30℃以上、100℃以下のポリオ
レフィンを使用し、塩素化反応温度を、塩素化の初期段
階では、使用するポリオレフィンの吸熱開始温度以下、
その温度よりも20℃低い温度以上とし、その後は、使
用するポリオレフィンの吸熱開始温度以上とする。 【効果】 塩素化反応の初期段階で、先ずポリオレフィ
ン粒子の表面が塩素化されて軟化し難くなり、ポリオレ
フィン粒子の凝集合着が防止されることになる。従っ
て、続いて行われる吸熱開始温度以上の高温での塩素化
反応は、凝集を引き起こすことなく高速に進行し、塩素
化度が高く均一に塩素化され、有機溶剤に溶解し易い塩
素化ポリオレフィンが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリオレフィンを塩
素化することにより塩素化ポリオレフィンを製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素化ポリオレフィンは、衝撃改良剤、
難燃化剤などとして合成樹脂に添加されたり、それ自体
がゴム用途に使用される他、トルエン、キシレンなどの
溶剤にに溶解し、塗料やインキ用途に使用されている。
【0003】後者の塗料やインキ用途に使用される塩素
化ポリオレフィンとしては、溶剤に十分に溶けねばなら
ず、そのためには、塩素化ポリオレフィンの各粒子の塩
素化度が均一であることが好ましい。
【0004】ところで、塩素化ポリオレフィンを製造す
る方法としては、四塩化炭素などの有機溶剤にポリオレ
フィンを溶解して塩素化する溶液塩素化法(特開昭48
−8856号公報)、ポリオレフィンを塊状状態で塩素
化する方法(特開昭46−737号公報)、ポリオレフ
ィンを水性懸濁状態で塩素化する方法(例えば特公昭3
6−4745号公報)などが知られている。
【0005】溶液塩素化法では、得られる塩素化ポリオ
レフィンの各粒子の塩素化度は比較的均一であるもの
の、ポリオレフィンの溶剤として通常四塩素化炭素が使
用されるため、人体に対して有害であり、環境にも悪影
響を及ぼす恐れがある。しかも、この四塩素化炭素が塩
素化ポリオレフィン微粉末中に残留すると、性能を損な
い用途的にも限定される。
【0006】また、ポリオレフィンを塊状状態で塩素化
する方法は、塩素化反応のコントロールが難しいため均
一に塩素化されず、得られた塩素化ポリオレフィンはト
ルエンなどの溶剤に完全に溶解しないため、塗料やイン
キ用途には不適であった。
【0007】一方、ポリオレフィンを水性懸濁状態で塩
素化する方法としては、低温下、紫外線照射のもとに塩
素化反応を行わせる方法と、高温下、熱により活性種を
発生させ塩素化反応を行わせる方法とが知られている。
前者の方法では、ポリオレフィン粒子の表面付近が強制
的に塩素化され、粒子内部の塩素化の進行が遅くなって
塩素化は不均一になり、したがって、得られた塩素化ポ
リオレフィンは溶剤溶解性が悪く塗料やインキ用途とし
ては不適であった。
【0008】また、後者の方法、すなわち、高温下、熱
により活性種を発生させ塩素化反応を行わせる方法で
は、ポリオレフィンが、ある程度の高分子量であるか、
吸熱開始温度が100℃以上であると、塩素化反応の際
に凝集合着を起こすことなく、比較的均一に塩素化され
た塩素化ポリオレフィンが得られる。しかし、この塩素
化ポリオレフィンは、溶剤溶解性が悪く、塗料やインキ
用途としては不適であった。そのため、溶剤溶解性のよ
い塩素化ポリオレフィンを製造するためには、低分子量
のポリオレフィンを用い、これを塩素化することが求め
られるが、この場合には、塩素化反応の進行に伴って凝
集合着が起こり、微粒子状のものが得られない。したが
って、均一に塩素化された塩素化ポリオレフィンを得る
ことは困難であり、その結果として溶剤溶解性がよくな
かった。
【0009】この水性懸濁状態において、ポリオレフィ
ンを塩素化反応させる方法において、上記の凝集合着が
起こらない方法として、例えば、ポリアクリル酸、無水
マレイン酸とメチルビニルエーテルとの共重合体、メチ
ルビニルエーテルとスチレンとの共重合体、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリン
などのポリマーを保護コロイドとして用いることによ
り、粒子間の凝集を防止する方法(特公昭46−217
29号公報、特公昭46−21887号公報、特公昭4
7−7455号公報)、二酸化チタン、カーボンブラッ
ク、タルク、シリカ、ポリ塩素化ビニルなどの無機物質
もしくは有機物質の微粉末を水性懸濁液に添加する方法
などが知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前者の保護コロイドを
用いる方法では、高分子量のポリオレフィンを用いた場
合には、有効な分散効果を示すものの、低分子量のポリ
オレフィンに対してはそのような効果はなく、凝集合着
を防ぐことができないという問題があった。
【0011】また、後者の無機物質もしくは有機物質の
微粉末を添加する方法では、その添加量が多くないと凝
集合着防止効果が少ないものであり、低分子量のポリオ
レフィンに対してはその傾向が強く、その添加量をかな
り多くしても凝集合着防止効果はなかった。
【0012】この発明は、水性懸濁状態でポリオレフィ
ンを塩素化して塩素化ポリオレフィンを製造する方法に
おいて、溶剤溶解性のよい塩素化ポリオレフィンが得ら
れる方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、水性懸濁状
態でポリオレフィンを塩素化することにより塩素化ポリ
オレフィンを製造する方法において、吸熱開始温度が3
0℃以上、100℃以下のポリオレフィンを使用し、塩
素化反応温度を、塩素化の初期段階では、使用するポリ
オレフィンの吸熱開始温度以下、その温度よりも20℃
低い温度以上とし、その後は、使用するポリオレフィン
の吸熱開始温度以上とすることを特徴とする。
【0014】この発明において、ポリオレフィンの吸熱
開始温度は、ポリオレフィンの融解による吸熱変化が開
始する変曲点に対応する温度であり、示唆走査熱量測定
法(DSC)により測定された値をいう。
【0015】そして、この発明において用いられるポリ
オレフィンは、その吸熱開始温度が30℃以上、100
℃以下のものが使用される。ポリオレフィンとしては、
エチレン、α−オレフインの単独重合体またはエチレン
とα−オレフインとの共重合体、エチレンと他のモノマ
ーとの共重合体である。エチレンとα−オレフインの単
独重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン、ポリヘキセンなどがあげられる。ま
た、エチレンとα−オレフインの共重合体としては、例
えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテ
ン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−
オクテン共重合体、エチレン−4−メチルペンテン共重
合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、プロピ
レン−ブテン共重合体などがあげられる。さらに、エチ
レンと他のモノマーとの共重合体としては、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、
エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体などがあげられる。
【0016】これらのポリオレフィンは、酸化処理、無
水マレイン酸処理などの化学修飾がされていても差し支
えない。また、ポリオレフィンの粒子の大きさについて
は特に限定されないが、できるだけ微細であることが好
ましく、通常10〜500μm、より好ましくは50〜
200μmの範囲のものが好適に用いられる。
【0017】また、この発明において、塩素化反応の初
期段階は、塩素化反応開始時点からポリオレフィンが塩
素含有量5〜15重量%に塩素化されるまでの段階が好
ましい。ポリオレフィンが塩素含有量5重量%に達しな
いまま、吸熱開始温度以上の温度に上昇して塩素化反応
を行うと、ポリオレフィン粒子表面を軟化し難くする効
果がなく、続いて行われる塩素化反応の際に凝集合着を
引き起こし、また、ポリオレフィンが塩素含有量15重
量%を超えるまで、このような温度域で塩素化反応を続
行させると、ポリオレフィン粒子表面が過度に塩素化さ
れ、粒子内部の塩素含有率とのバランスをとることがで
きず、最終的に均一な塩素化ポリオレフィンを得ること
ができないからである。
【0018】この塩素化反応の初期段階において、その
塩素化反応温度を、使用するポリオレフィンの吸熱開始
温度以下、その温度よりも20℃低い温度以上とするの
は、吸熱開始温度を超えるとポリオレフィン粒子が軟化
し始めて凝集合着を防ぐことが難しく、また、吸熱開始
温度よりも20℃低い温度未満では、塩素化反応速度が
著しく低下して経済的でないからである。
【0019】塩素化反応の開始には、パーオキサイド、
アゾ系などの通常使用されるラジカル発生剤による方
法、紫外線照射による方法が適宜採用される。このラジ
カル発生剤の使用量は、通常、ポリオレフィン100重
量部に対して0.1〜2重量部とされる。
【0020】上記パーオキサイドとしては、例えば、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、などのケトンパーオ
キサイド類、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシル
パーオキサイド類、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、t−ブ
チルクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサ
イド類、1,1−ジブチルパーオキシシクロヘキサンな
どのパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシイソ
ブチレートなどのアルキルパーエステル類、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーカーボ
ネート類、などがあげられる。
【0021】また、アゾ系ラジカル発生剤としては、例
えば、2,2' −アゾビスイソブチロニトリルなどのア
ゾニトリル類、2,2' −アゾビス(2−アミジノプロ
パン)ジハイドロクロライドなどのアゾアミジン類、
2,2' −アゾビス(N,N' −ジメチレンイソブチル
アミジン)の脂環式アゾアミジン類、2,2' −アゾビ
ス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピ
オンアミド)などのアゾアミド類、2,2' −アゾビス
(2−メチルプロパン)などのアルキルアゾ類、などが
あげられる。
【0022】この発明においては、続いて行われる塩素
化反応の段階において、その反応温度を使用されるポリ
オレフィンの吸熱開始温度以上とするものであるが、通
常は、100〜200℃とされる。100℃未満では活
性種の発生速度が遅く、反応時間が長くなるので経済的
でなく、200℃を超えると生成される塩素化ポリオレ
フィンの熱安定性が悪くなるとともに反応器内の圧力が
高くなるため装置も高圧にしなければならないなどの問
題があるからである。
【0023】この段階における塩素化反応は、活性種の
発生は主として熱によるものであるが、場合により初期
段階において使用されるようなラジカル発生剤や紫外線
を併用してもよい。
【0024】なお、塩素化反応の最終段階における塩素
化度については、得られる塩素化ポリオレフィンの塩素
含有率が通常25〜70重量%とされる。塩素含有率が
少なくなるにつれて有機溶剤に対する溶解性が低下し、
25重量%未満になると塗料やインキ用途に使用される
溶剤に溶解し難くなり、また70重量%を超える塩素化
ポリオレフィンを製造するには長時間の塩素化反応が必
要となり経済的でないからである。
【0025】この発明においては、界面活性剤のような
分散剤を補助的に併用してもよい。このような分散剤と
しては、例えば、メタクリル酸メチルエステル−アクリ
ル酸共重合体のアンモニウム塩などのアクリル酸系共重
合体の誘導体類、エチレンオキサイド−プロピレンオキ
サイド共重合体などのアルキレンオキサイド類、リン酸
エステル類、スルホン酸系化合物など、があげられる。
【0026】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。なお、
部とあるのは重量部を意味する。 (実施例1)重量平均分子量4000、密度0.93g
/cc、平均粒径100μm、DSCによる吸熱開始温
度83℃のポリエチレン100部を、攪拌機付き、内面
グラスライニングを施した加圧反応器(容量5リット
ル)に仕込み、イオン交換水800部を入れ、これにベ
ンゾイルパーオキサイド懸濁液(含有量40重量%)1
部、及び分散剤としてメタクリル酸メチルエステル−ア
クリル酸共重合体のアンモニウム塩水溶液(組成モル比
1:1、重量平均分子量15000、固形分30重量
%)5部を添加した。
【0027】反応温度72℃において塩素ガスを吹き込
み、2時間反応を行った後塩素ガスの供給を止め、内容
物の平均塩素化度を測定したところ、8.5重量%であ
った。
【0028】次に反応温度を110℃として塩素ガスを
吹き込み、4時間反応を行った後塩素ガスの供給を止め
て反応を終了した。白色微粉末の塩素化ポリエチレンが
生成され、その平均塩素化度を測定したところ、64.
5重量%であった。
【0029】得られた塩素化ポリエチレンの平均粒径が
250μmであり、塩素化ポリエチレンを20重量%に
なるようにトルエンに室温で溶解させたところ、完全に
溶解し、透明な溶液となり、良溶解性であった。 (実施例2)二段階目の反応を1時間で終了したこと以
外は実施例1と同様にして白色微粉末の塩素化ポリエチ
レンを得た。
【0030】この塩素化ポリエチレンは、平均塩素化度
が36.4重量%、平均粒径が260μmであり、ま
た、20重量%になるようにトルエンに室温で溶解させ
たところ、完全に溶解し、透明な溶液となり、良溶解性
であった。 (実施例3)ベンゾイルパーオキサイド懸濁液1部の代
わりにアゾビスイソブチロニトリル1部を使用し、反応
温度を65℃としたこと以外は実施例1と同様にして初
期段階の塩素化反応を行い、内容物の平均塩素化度を測
定したところ、7.3重量%であった。
【0031】続いて、反応温度を120℃とし、塩素ガ
スを吹き込み3時間反応させ、白色微粉末の塩素化ポリ
エチレンを得た。この塩素化ポリエチレンは、平均塩素
化度が68.1重量%、平均粒径が250μmであり、
また、20重量%になるようにトルエンに室温で溶解さ
せたところ、完全に溶解し、透明な溶液となり、良溶解
性であった。 (実施例4)定格100W、254〜560nmの高圧
水銀灯(UM−102、ウシオ電機社製)で照射しなが
ら、65℃、3時間反応させたこと以外は実施例1と同
様にして初期段階の塩素化反応を行い、内容物の平均塩
素化度を測定したところ、12.0重量%であった。
【0032】続いて、反応温度を115℃とし、塩素ガ
スを吹き込み3時間反応させ、白色微粉末の塩素化ポリ
エチレンを得た。この塩素化ポリエチレンは、平均塩素
化度が62.6重量%、平均粒径が270μmであり、
また、20重量%になるようにトルエンに室温で溶解さ
せたところ、完全に溶解し、透明な溶液となり、良溶解
性であった。 (実施例5)重量平均分子量2000、密度0.92g
/cc、平均粒径100μm、DSCによる吸熱開始温
度76℃のポリエチレンを使用し、定格100W、25
4〜560nmの高圧水銀灯(UM−102、ウシオ電
機社製)で照射しながら、60℃、3時間反応させたこ
と以外は実施例1と同様にして初期段階の塩素化反応を
行い、内容物の平均塩素化度を測定したところ、10.
9重量%であった。
【0033】続いて、反応温度を120℃とし、塩素ガ
スを吹き込み3時間反応させ、白色微粉末の塩素化ポリ
エチレンを得た。この塩素化ポリエチレンは、平均塩素
化度が63.3重量%、平均粒径が200μmであり、
また、20重量%になるようにトルエンに室温で溶解さ
せたところ、完全に溶解し、透明な溶液となり、良溶解
性であった。 (比較例1)実施例1と同様の原材料、加圧反応器を使
用し、最初から反応温度を100℃とし、塩素化反応を
3時間行った。
【0034】得られた塩素化ポリエチレンは塊状をなし
ており、その塩素化度は40.3重量%であった。ま
た、この塩素化ポリエチレンを20重量%になるように
トルエンに室温で溶解させたところ、完全には溶解せ
ず、その溶液はモヤモヤとして不透明であって、溶解性
がよくなかった。 (比較例2)実施例1と同様の原材料、加圧反応器を使
用し、定格100W、254〜560nmの高圧水銀灯
(UM−102、ウシオ電機社製)で照射しながら、最
初から115℃で塩素化反応を3時間行った。
【0035】得られた塩素化ポリエチレンは塊状をなし
ており、その塩素化度は42.5重量%であった。ま
た、この塩素化ポリエチレンを20重量%になるように
トルエンに室温で溶解させたところ、完全には溶解せ
ず、その溶液はモヤモヤとして不透明であって、溶解性
がよくなかった。 (比較例3)実施例1と同様の原材料、加圧反応器を使
用し、反応温度を72℃とし、塩素化反応を8時間行っ
た。
【0036】得られた塩素化ポリエチレンは、その粒径
が200μmであったが、その塩素化度は23.8重量
%であり、8時間と長時間の塩素化反応にもかかわらず
十分に塩素化された塩素化ポリエチレンは得られなかっ
た。また、この塩素化ポリエチレンを20重量%になる
ようにトルエンに室温で溶解させたところ、溶解性が極
めてよくなく、不溶解物が確認できた。
【0037】これらの結果から次のことが明らかであ
る。すなわち、始めから100℃以上の高反応温度にす
ると、塩素化度が高くなるとしても、塩素化反応の際凝
集合着を引き起こし、その結果トルエン溶解性が十分で
なく、凝集合着を引き起こさないよう、反応温度を低く
すると塩素化度が低いものとなってトルエン溶解性が悪
いものとなるのに対し、この発明の実施例により得られ
た塩素化ポリエチレンは、粒径が数百μmと微細であ
り、塩素化度が高くトルエン溶解性がよいことが分か
る。
【0038】
【発明の効果】以上のとおり、この発明方法によれば、
塩素化反応の初期段階で、使用するポリオレフィンの吸
熱開始温度以下、その温度よりも20℃低い温度以上と
するものであるから、先ずポリオレフィン粒子の表面が
塩素化されて軟化し難くなり、ポリオレフィン粒子の凝
集合着が防止されることになる。従って、次いで行われ
る吸熱開始温度以上の高温での塩素化反応は、凝集合着
を引き起こすことなく高速に進行し、均一に塩素化され
た塩素化度の高い塩素化ポリオレフィンを製造すること
ができる。
【0039】そして、吸熱開始温度が30℃以上、10
0℃以下のポリオレフィンを使用することとあいまっ
て、トルエンなどの有機溶剤に対する溶解性が優れた、
塗料やインキ用途に好適な塩素化ポリオレフィンを、水
性懸濁状態においてポリオレフィンの塩素化反応によっ
て製造することが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性懸濁状態でポリオレフィンを塩素化
    することにより塩素化ポリオレフィンを製造する方法に
    おいて、吸熱開始温度が30℃以上、100℃以下のポ
    リオレフィンを使用し、塩素化反応温度を、塩素化の初
    期段階では、使用するポリオレフィンの吸熱開始温度以
    下、その温度よりも20℃低い温度以上とし、その後
    は、使用するポリオレフィンの吸熱開始温度以上とする
    ことを特徴とする塩素化ポリオレフィンの製造方法。
JP638492A 1992-01-17 1992-01-17 塩素化ポリオレフィンの製造方法 Pending JPH05186519A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009542858A (ja) * 2006-06-28 2009-12-03 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 塩素化エチレン系ポリマー並びにそれらから調製された組成物及び製品
KR20200026125A (ko) * 2018-08-30 2020-03-10 주식회사 엘지화학 폴리에틸렌 및 이의 염소화 폴리에틸렌

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