JP3164657B2 - 塩化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

Info

Publication number
JP3164657B2
JP3164657B2 JP22835492A JP22835492A JP3164657B2 JP 3164657 B2 JP3164657 B2 JP 3164657B2 JP 22835492 A JP22835492 A JP 22835492A JP 22835492 A JP22835492 A JP 22835492A JP 3164657 B2 JP3164657 B2 JP 3164657B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
polymerization
chloride resin
weight
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22835492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0673107A (ja
Inventor
紀希 藤井
行雄 柴崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP22835492A priority Critical patent/JP3164657B2/ja
Publication of JPH0673107A publication Critical patent/JPH0673107A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3164657B2 publication Critical patent/JP3164657B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、懸濁重合法による塩
化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、その機械的強度や
耐水性、耐薬品性に優れており、パイプ、板などの成形
材料として用いられたり、また、溶剤に溶解してインキ
ビヒクル、塗料、接着剤、磁気記録体用結着剤として用
いられている。また、塩化ビニル系樹脂を後塩素化した
塩素化塩化ビニル系樹脂は、例えば給湯管等の耐熱性の
要求される成形材料に用いられる。
【0003】ところで、塩化ビニル系樹脂の重合方法と
して、乳化重合法や溶液重合法があるが、前者の乳化重
合法では塩析、濾過などの煩瑣な処理が必要であると共
に、得られた樹脂は超微粉で取扱い難いという問題があ
り、後者の溶液重合法では、メタノール、酢酸エチル、
トルエンなどの溶剤が大量に使用されるため、コスト高
となり、安全性の面からも問題があった。そのため、生
産性の面から、また、比較的不純物を含まないことなど
の理由で、水を分散媒とする懸濁重合法によって製造さ
れることが多い。
【0004】ところで、懸濁重合法による場合には、分
散剤として、部分ケン化ポリビニルアルコール或いはセ
ルロース誘導体などのいわゆる高分子分散剤を使用する
のが一般的であった。
【0005】しかし、これらの高分子分散剤を使用した
場合、重合体の粒子表面が高分子分散剤を主体とした強
固な皮膜で覆われていることが走査型電子顕微鏡で観察
されている。そして、この皮膜の存在が、成形時の樹脂
のゲル化不足や可塑剤吸収性能の悪化をもたらし、ま
た、有機溶剤に溶解したときの不溶解異物発生の原因と
なるなどの問題があった。また、この皮膜に覆われた重
合体の粒子を後塩素化した場合に、皮膜も塩素化され硬
くなり、皮膜に覆われていない重合体の粒子に比べて加
熱したときに軟化し難く混練抵抗が低下するまでの時間
が掛かる等、ゲル化性能が劣る問題があった。
【0006】上記問題を解決する方法として、懸濁重合
法において上記高分子分散剤を使用する代わりに、界面
活性剤を使用することが提案されている。たとえば、特
公昭52−27678号公報と特公昭60−50204
号公報では、非イオン系界面活性剤であるポリエチレン
オキシドとポリプロピレンオキシドのブロック共重合体
を用いることが提案されている。また、特開昭60−2
28508号公報では、ソルビタン高級脂肪酸エステ
ル、グリセリン高級脂肪酸エステルなどの非イオン系界
面活性剤を用いることが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記界面活性
剤を使用すると、重合の際に多量のスケールが発生し、
これが重合槽内の壁面に付着し、スケール除去作業を必
要とするといった生産上の問題があった。
【0008】この発明は、上記欠点に鑑み、ゲル化性能
や可塑剤吸収性能が優れ、有機溶剤に溶解したときに不
溶解異物が少ない塩化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニ
ル系樹脂を、懸濁重合法によって多量のスケールが発生
することなく製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明において、塩化
ビニルと共重合し得る他のモノマーとしては、例えば、
エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のオレフィ
ン類、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニ
ル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエス
テル類、イソブチルビニルエーテル、セチルビニルエー
テル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル
類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル
類、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン
などのハロゲン化ビニル類、マレイン酸ジメチル、フマ
ル酸ジメチルなどの不飽和ジカルボン酸エステル類、無
水マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物、N−フ
ェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなど
のN−置換マレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、
2−(メタ)アクリロイルオキシエチル琥珀酸、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、
マレイン酸n−ブチルモノエステル、マレイン酸、フマ
ル酸などのカルボキシル基含有モノマー、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタアクリル
スルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基またはスルホ
ン酸塩基含有モノマー、リン酸エチル(メタ)アクリレ
ート、リン酸プロピル(メタ)アクリレート、3−クロ
ロ−2−リン酸プロピル(メタ)アクリレートなどの燐
酸基含有モノマー、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメチルアンモニウム=クロリド、
メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム=
クロリド、トリメチル−3−メタクリルアミド−プロピ
ルアンモニウム=クロリドなどの第四級アンモニウム塩
化物含有モノマー、ジメチル(メタ)アクリルアミド、
ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノプロピルアクリルアミド、t−ブチルエチル(メ
タ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸系アミ
ド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシエチル−2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルフタレートなどの(メタ)アクリル酸と多価アルコ
ールの反応物、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリル
アミドなどの(メタ)アクリル酸系アミドなどの水酸基
含有ビニルである。これらのモノマーは目的とする用途
により二種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0010】尚、前記した塩化ビニルと共重合し得る他
のモノマーの内、(メタ)アクリル酸と多価アルコール
の反応物、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミ
ドなどの(メタ)アクリル酸系アミド等の水酸基含有ビ
ニルモノマーは、反応性二重結合と水酸基を有してお
り、このモノマーと塩化ビニルとの共重合体である塩化
ビニル系樹脂は、特に、アセトン、エチルメチルケト
ン、イソブチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状
エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどの酢酸エステ
ル類及びこれらの有機溶剤とトルエンとの混合溶剤など
の溶剤に対する溶解性に優れているので、塗料、接着
剤、磁気記録体用結着剤などの用途に特に好適に使用さ
れる。
【0011】塩化ビニルと共重合し得る他のモノマーの
添加量は、目的とする用途により異なる。特に有機溶剤
に溶解して用いる場合には、このモノマーの量が少なく
なると得られた樹脂の有機溶剤に対する溶解性が低下し
て、粘度が高くなりすぎ、多すぎると、塩化ビニル系樹
脂が本来有する機械的強度が失われ、塗膜としたときの
膜強度が失われる。従って、塩化ビニルが60〜99重
量%であって、これと共重合し得る他のモノマーは40
〜1重量%が好ましく、より好ましくは塩化ビニルが7
0〜95重量%であって、これと共重合し得る他のモノ
マーは30〜5重量%である。
【0012】油溶性ラジカル重合開始剤としては、特に
限定されるものでなく、従来の塩化ビニルの重合に使用
されているものが使用できる。例えば、アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)などのアゾ化合物、ラウロイルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−2−エ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メト
キシブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピル
パーオキシジカーボネートなどの有機過酸化物があげら
れる。
【0013】これらの油溶性ラジカル開始剤は単独で使
用されてもよいし、二種以上が併用されてもよい。ま
た、その添加量は、重合条件により適宜決定されるが、
塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合し得る他のモノマー
の合計量100重量部に対して0.01〜3重量部が好
ましく、より好ましくは0.05〜1重量部である。
0.01重量部未満であると、収率が悪くなり、また、
3重量部を超すと急激に重合反応が開始されるため温度
制御が出来なくなり、重合温度が上がり重合器内の圧力
が必要以上に上昇するからである。
【0014】本発明において用いられる分散剤は、ポリ
プロピレンオキシドとポリエチレンイミンとのブロック
共重合体である。ポリプロピレンオキシドは、HLBが
0であるが、極性基の極性が小さく、分散剤としての機
能が充分でなく、スケール付着量は充分減少しないの
で、分散剤は、ポリプロピレンオキシドとポリエチレン
イミンとのブロック共重合体である必要がある。また、
HLBが4を超すとスケール付着量が増加するので、H
LBが0〜4であることが必要である。HLBは、ポリ
プロピレンオキシド単位とポリエチレンイミン単位の配
列、分子量にも依存するが、分散剤中のポリエチレンイ
ミン単位の増加に伴い大きくなるので、ポリエチレンイ
ミン単位の含有量は、1〜20重量%が好ましく、より
好ましくは3〜10重量%である。
【0015】また、この分散剤の数平均分子量が300
0より小さいと分散剤としての機能が充分でなく、スケ
ール付着量が増加し、大きくなると、粘度が高く、分散
性能が劣り、得られる塩化ビニル系樹脂の粒子径が大き
くなり、取扱い難くなるので、分散剤の数平均分子量は
3000〜300000であり、好ましくは5000〜
50000である。
【0016】この分散剤の添加量は、少量であると、重
合中に樹脂粒子が合着し、大きな粒子となって取扱い難
くなり、多量になると、樹脂粒子が微粉状態となると共
に、残存した分散剤が塗料などの塗膜の耐水性を低下さ
せるので、重合の際に使用される塩化ビニル及び塩化ビ
ニルと共重合し得る他のモノマーの合計量100重量部
に対して、0.1〜5重量部が好ましく、より好ましく
は0.3〜2重量部である。
【0017】懸濁重合するにあたり、分散剤としてポリ
プロピレンオキシドとポリエチレンイミンとのブロック
共重合体を用いるとともに、水溶性増粘剤を用いると、
より少ないスケールで製造でき、得られた塩化ビニル系
樹脂はゲル化性能や、可塑剤吸収性能が優れ、有機溶剤
に溶解したときに不溶解異物の発生が少なくなる。
【0018】水溶性増粘剤とは、水100重量部に0.
1重量部溶解した時の20℃におけるブルックフィール
ズ粘度が5cps(5mPa・s)以上のものをいう。
例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレン
グリコールエステル、カルボキシメチルセルロースナト
リウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、澱粉
グリコール酸ナトリウム、澱粉燐酸エステルナトリウ
ム、メチルセルロースカルシウム、ポリアクリル酸ナト
リウム、架橋型(メタ)アクリル酸系ポリマー、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびポリアクリ
ルアミド共重合体などがあげられる。これらの水溶性増
粘剤は単独で使用されても良いし二種以上が併用されて
もよい。
【0019】また、この水溶性増粘剤の添加量は、重合
の際使用される塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合し得
る他のモノマーの合計量100重量部に対して0.00
1重量部未満であると、増粘効果が小さく、0.5重量
部を超すと、樹脂粒子が微粉状態となりすぎ、また残存
水溶性増粘剤が塗料などの塗膜の耐水性を低下させるの
で、0.001〜0.5重量部添加されるのが好まし
く、より好ましくは0.005〜0.3重量部である。
【0020】尚、部分ケン化ポリビニルアルコールやセ
ルロース誘導体などの公知の高分子分散剤や、各種の公
知の界面活性剤を、このポリプロピレンオキシドとポリ
エチレンイミンとのブロック共重合体と併用してもよ
い。ただし、高分子分散剤及び界面活性剤の使用量は、
このポリプロピレンオキシドとポリエチレンイミンとの
ブロック共重合体の使用量の30重量%を越えるとスケ
ール発生量が多くなり好ましくないので、30重量%以
下するのが好ましい。
【0021】この発明における懸濁重合法は、従来の塩
化ビニルの懸濁重合の際に行われている任意の方法が採
用されてよい。例えば、重合器内に水、分散剤及び油溶
性ラジカル重合開始剤を供給し、減圧した後、攪拌しな
がら塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能なモノマー
を圧入し、加熱する方法があげられる。重合温度は、4
0〜85℃が好ましく、重合時間は2〜20時間が好ま
しい。
【0022】尚、塩化ビニルと共重合し得る他のモノマ
ーは、水と共に最初に供給しても良いし、塩化ビニルに
溶解して塩化ビニルと共に圧入してもよい。また、塩化
ビニルと共重合し得る他のモノマーが、塩化ビニルより
重合速度が速い場合には、重合初期から後期にかけて分
割添加したり、少量ずつ連続して添加するのが、均一な
共重合体が得られるので好ましい。
【0023】尚、得られる塩化ビニル系樹脂の重合度を
調整するため、メルカプトエタノール、n−ドデシルメ
ルカプタンなどの連鎖移動剤を重合の際に添加してもよ
い。連鎖移動剤は重合初期に添加してもよいし、2回以
上に分割添加してもよい。
【0024】重合終了後、重合器内から未反応の塩化ビ
ニルなどを除去した後、重合体スラリーを取り出し、洗
浄、脱水、乾燥などの処理を行って粒子状の塩化ビニル
系樹脂を得る。
【0025】上記塩化ビニル系樹脂を後塩素化するに
は、溶液法、乾式法、液体塩素法、水懸濁法等の従来公
知の方法を採用できる。例えば、水懸濁法では、上記得
られた塩化ビニル系樹脂を水に懸濁させ塩素ガスを通じ
て塩素化する方法があげられ、この場合、アセトン、エ
チルメチルケトンなどのケトン類やクロロホルム、四塩
化炭素などのハロゲン化炭化水素を塩化ビニル系樹脂及
び水とともに反応容器に供給するのが好ましく、反応温
度は50〜130℃が好ましく、紫外線を照射して塩素
化を促進するのが好ましい。上記塩化ビニル系樹脂の後
塩素化反応は目的とする塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素
含有量に達するまで行えばよく、耐熱変形性の点から塩
素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量は60〜70wt%
とするのが好ましい。
【0026】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。尚、部
とあるのは重量部を意味する。以下の実施例において、
得られた塩化ビニル系樹脂の各成分量、重合度、スケー
ル付着率、不溶解異物、樹脂粒子表面皮膜層の評価、及
び塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率とゲル化性能は
次の通りとした。
【0027】(1)塩化ビニル成分 JIS K7229の酸素フラスコ燃焼法の電位差滴定
法により塩素含有量を測定し、塩化ビニル成分量を求め
た。 (2)水酸基含有ビニル成分 分析化学便覧第3版(日本分析化学会編)記載の無水酢
酸とピリジンによる水酸基の定量方法により水酸基含有
ビニル成分量を求めた。 (3)窒素含有ビニル成分 元素分析装置(柳本製作所製商品名CHNコーダーMT
−5)により窒素量を測定し窒素含有ビニル成分量を求
めた。 (4)重合度 JIS K6721に準拠し粘度平均重合度を測定し、
重合度とした。 (5)スケール付着率 重合後、重合スラリーを取り出した後、重合器を開放し
て、その内部に付着しているスケールを取り出し、乾燥
して重量を測定した。このスケール重量の、スケール重
量とさきにスラリーとして取り出した樹脂の乾燥後の重
量との和に対する比をスケール付着率(%)[=スケー
ル重量/(スラリー乾燥重量+スケール重量)×10
0]とした。 (6)不溶解異物 得られた樹脂1gをエチルメチルケトンとトルエンの重
量比1:1の混合溶媒99gに溶解して1重量%溶液を
調整し、溶液中微粒子測定装置(リオン社製商品名パー
ティカルカウンターKL−01)を用いて溶解溶液10
cm3 中の粒子径20μm以上の粒子数を測定し、不溶
解異物個数とした。 (7)樹脂粒子表面皮膜層 走査型電子顕微鏡で樹脂粒子を2000倍に拡大して観
察して、皮膜層の有無を調べた。 (8)塩素含有率 JIS K7229の酸素フラスコ燃焼法の電位差滴定
法により、塩素化塩化ビニル系樹脂中の塩素含有率を測
定し、塩素含有率とした。 (9)ゲル化性能 塩素化塩化ビニル系樹脂100部、シブチルすずマレー
ト(日東化成社製、商品名TVS#N−2000E)2
部、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、商品名
Hiwax220MP)1部、及びオクタコサン酸エス
テルワックス(ヘキストジャパン社製、商品名WaxO
P)0.5部を混合して混合物を得、得られた混合物6
0部をプラストミル(東洋精機社製)に供給し、チャン
バー温度160℃、回転数30rpmで混練して、混練
抵抗が最高値になるまでの時間を測定し、ゲル化性能と
した。
【0028】実施例1〜8、比較例1〜7 撹拌器の備えられたジャケット付25l耐圧重合器に、
イオン交換水133部、t−ブチルパーオキシジカーボ
ネート0.05部、表1と表2に示した所定量の分散剤
と水溶性増粘剤を供給し、重合器を密閉して空気を排除
した後、塩化ビニル100部を圧入した。次いで、攪拌
しながら昇温し、重合器内の温度を58℃に保持しなが
ら懸濁重合を行った。
【0029】重合器内圧が降下を始めてから30分経過
してジャケットに冷却水を通して重合器を冷却し、冷却
後、未反応の塩化ビニルなどを除去し、重合スラリーを
取り出し、これをイオン交換水で洗浄し、乾燥して塩化
ビニル系樹脂を得た。
【0030】得られた塩化ビニル系樹脂は、いずれも白
色粉末状であり、重合度、スケール付着率、及び樹脂粒
子表面皮膜層の有無を測定し、結果を表1及び表2に示
した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】実施例9〜14、比較例8〜13 撹拌器の備えられたジャケット付25l耐圧重合器に、
イオン交換水133部、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート0.18部、表3と表4に示した所
定量の分散剤と水溶性増粘剤を供給し、重合器を密閉し
て空気を排除した後、塩化ビニル65部を圧入し、次い
で、表3と表4に示した塩化ビニル35部と所定量の共
重合可能なモノマーからなる後添加組成物の10重量%
を圧入した。
【0034】撹拌しながら、80℃まで昇温し、重合器
内の温度が80℃に到達した直後から後添加組成物の残
部を120に分割し、2分毎に添加して懸濁重合を行っ
た。後添加組成物の残部の添加が全て終了した後5分経
過してからジャケットに冷却水を通して重合器を冷却
し、冷却後、未反応の塩化ビニルなどを除去し、重合ス
ラリーを取り出し、これをイオン交換水で洗浄し、乾燥
して塩化ビニル系樹脂を得た。
【0035】得られた樹脂は白色粉末であり、重合樹脂
組成中の各成分量、重合度、スケール付着率、不溶解異
物、及び樹脂粒子表面皮膜層の有無を測定し、結果を表
3及び表4に示した。
【0036】実施例15、16、比較例14、15 撹拌器の備えられたジャケット付25l耐圧重合器に、
イオン交換水133部、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート0.18部、イソブチルビニルエー
テル30部、表3と表4に示した所定量の分散剤と水溶
性増粘剤を供給し、重合器を密閉して空気を排除した
後、塩化ビニル100部を圧入した。次いで、攪拌しな
がら昇温し、重合器内の温度を58℃に保持しながら懸
濁重合を行った。
【0037】重合器内圧が降下を始めてから30分経過
してジャケットに冷却水を通して重合器を冷却し、冷却
後、未反応の塩化ビニルなどを除去し、重合スラリーを
取り出し、これをイオン交換水で洗浄し、乾燥して塩化
ビニル系樹脂を得た。
【0038】得られた塩化ビニル系樹脂は、いずれも白
色粉末状であり、重合樹脂組成中の各成分量、重合度、
スケール付着率、不溶解異物、及び樹脂粒子表面皮膜層
の有無を測定し、結果を表3及び表4に示した。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】実施例17〜24、比較例16〜20 撹拌器の備えられたジャケット付100l耐圧重合器
に、イオン交換水170部、ジラウロイルパーオキサイ
ド0.1部、表5に示した所定量の分散剤と水溶性増粘
剤を供給し、重合器を密閉して空気を排除した後、塩化
ビニル100部を圧入した。次いで、攪拌しながら昇温
し、重合器内の温度を64℃に保持しながら懸濁重合を
行った。
【0042】重合器内圧が降下を始めてから30分経過
してジャケットに冷却水を通して重合器を冷却し、冷却
後、未反応の塩化ビニルなどを除去し、重合スラリーを
取り出し、これをイオン交換水で洗浄し、乾燥して塩化
ビニル系樹脂を得た。
【0043】得られた塩化ビニル系樹脂は、いずれも白
色粉末状であり、重合度、スケール付着率、及び樹脂粒
子表面皮膜層の有無を測定し、結果を表5に示した。
【0044】撹拌器の備えられた100lの反応容器
に、得られた塩化ビニル系樹脂100部とイオン交換水
400部を供給し、反応容器を密閉して空気を排除した
後、60℃に保ちながら6時間水銀灯照射下に塩素ガス
を通じて塩素化反応を行った。その後、炭酸水素ナトリ
ウムで水素イオン指数が4〜5になるまで中和し、水
洗、乾燥を行い塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。得られ
た塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率とゲル化性能を
測定し、結果を表5に示した。
【0045】
【表5】
【0046】
【発明の効果】この発明の塩化ビニル系樹脂及び塩素化
塩化ビニル系樹脂の製造方法は上述の通りであり、重合
時、重合器内壁へのスケールの付着が少なく、生産上優
れている。また、得られた塩化ビニル系樹脂の粒子表面
には皮膜が形成されず、ゲル化性能や可塑剤吸収性が優
れ、有機溶剤に溶解したときに不溶解異物が少なく、得
られた塩素化塩化ビニル系樹脂はゲル化性能に優れてい
る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル又は塩化ビニルとこれと共
    重合し得る他のモノマーとを水媒体中で油溶性ラジカル
    重合開始剤の存在下で懸濁重合するにあたり、分散剤と
    して数平均分子量が3000〜300000でHLBが
    0〜4のポリプロピレンオキシドとポリエチレンイミン
    とのブロック共重合体を用いることを特徴とする塩化ビ
    ニル系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 懸濁重合するにあたり、水溶性増粘剤
    を用いることを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系
    樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載又は請求項2記載の製造
    方法により得られた塩化ビニル系樹脂を後塩素化するこ
    とを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法。
JP22835492A 1992-06-23 1992-08-27 塩化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 Expired - Fee Related JP3164657B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22835492A JP3164657B2 (ja) 1992-06-23 1992-08-27 塩化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16469992 1992-06-23
JP4-164699 1992-06-23
JP22835492A JP3164657B2 (ja) 1992-06-23 1992-08-27 塩化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0673107A JPH0673107A (ja) 1994-03-15
JP3164657B2 true JP3164657B2 (ja) 2001-05-08

Family

ID=26489700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22835492A Expired - Fee Related JP3164657B2 (ja) 1992-06-23 1992-08-27 塩化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3164657B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2759137C (en) * 2010-12-31 2016-02-09 Rohm And Haas Company New polymeric bead compositions
CN107459595B (zh) * 2016-06-03 2020-07-10 中国石油化工股份有限公司 一种水相悬浮法cpvc树脂的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0673107A (ja) 1994-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09501457A (ja) 重合体エマルジョンの製造
JPH05178912A (ja) 架橋ポリマー粒子の製造方法
JP3164657B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
CN109843940B (zh) 制备氯化氯乙烯树脂的方法
JPH0515777A (ja) 膨潤性吸油剤の製造方法
JPH0532707A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH05155907A (ja) メタアクリル系樹脂粒子の製造方法
JP2000344830A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH0532706A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH1135627A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP2001247605A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法およびその重合装置
JP3652832B2 (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP3183932B2 (ja) ビニル系単量体の懸濁重合法
JPS6047007A (ja) 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法
JPH04268311A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH0987303A (ja) 塩化ビニルの重合方法
JPS6289703A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH0225923B2 (ja)
JPH04239513A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH06131650A (ja) 磁気記録媒体用結着剤の製造方法
JP2005325330A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP2000063428A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH02308804A (ja) 艷消し性塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH0410884B2 (ja)
JP2000119312A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees