JPH06164014A - 圧電磁器の製造方法 - Google Patents

圧電磁器の製造方法

Info

Publication number
JPH06164014A
JPH06164014A JP31358092A JP31358092A JPH06164014A JP H06164014 A JPH06164014 A JP H06164014A JP 31358092 A JP31358092 A JP 31358092A JP 31358092 A JP31358092 A JP 31358092A JP H06164014 A JPH06164014 A JP H06164014A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
firing
concentration
piezoelectric ceramic
ambiance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31358092A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Kamiya
英夫 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP31358092A priority Critical patent/JPH06164014A/ja
Publication of JPH06164014A publication Critical patent/JPH06164014A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】緻密で均質な圧電磁器を得る。 【構成】圧電磁器原料から所定形状に成形して得られた
圧電磁器成形体を、所定の温度で焼成する圧電磁器の製
造方法であって、焼成時の雰囲気を、常温から焼成温度
まではヘリウム濃度50容量%以上、及び残部不活性ガ
スとし、焼成温度ではヘリウム濃度50容量%以上、酸
素濃度10容量%以上、及び残部不活性ガスとしたこと
を特徴とする。焼成時の雰囲気中、熱伝導度の大きいヘ
リウムが50容量%以上を占めるので、成形体の表層部
と内部とでほぼ同じ温度に加熱されることとなり、この
結果異常粒成長が抑えられたため、緻密で均質な圧電磁
器を得ることができる。焼成温度時での酸素濃度を10
容量%以上とすることにより、圧電磁器の還元による緻
密化の低減を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電磁器の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系に代
表される圧電磁器は、その圧電特性を利用して圧電振動
子、圧電セラミックフィルタ、圧電アクチュエータ、圧
力センサなどに利用されている。この圧電磁器は通常以
下のように製造される。まず、Pb、Zr、Tiのそれ
ぞれの酸化物を主成分とした原料粉末にバインダなどを
調合して圧電磁器成形体を形成し、この成形体を120
0〜1300℃程度の温度で1〜10時間程度焼成して
焼結体とする。この焼結体に銀電極を焼付け、室温〜1
50℃程度の温度で2〜6kV/mm程度の直流電圧を
数分〜数時間印加して分極処理を施して圧電磁器とされ
る。
【0003】ところで、圧電磁器の圧電特性を向上さ
せ、かつ強度を高めるためには、焼結体を緻密化させる
ことが重要である。そして、このような緻密な焼結体を
得るためには、圧電磁器成形体を焼成する際に、鉛雰囲
気を保ちつつ酸素気流中で行うことが有効であることが
知られている。このため、特開昭64−52672号公
報には、チタン酸ジルコン酸鉛系の圧電磁器成形体を、
鉛雰囲気下で、酸素放出物質を共存させつつ焼成する方
法が開示されている。この方法によれば、大気中箱型炉
を用いて焼成することができるので、酸素気流中で焼成
する方法と比べて空間利用率及び生産効率の面で優位性
を保ちつつ、焼結体を緻密化させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法を用いても、焼成する圧電磁器成形体の形状によって
は十分に緻密で均質な圧電磁器が得られない場合があっ
た。これは、焼成時において、成形体の内部と表層部と
の温度差に起因して、粒子の異常成長が起こるためと考
えられる。とくに、複雑形状の成形体では内部と表層部
との温度差が大きくなるので、複雑形状の圧電磁器を緻
密、均質化することが困難となる。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、十分に緻密で均質な焼結体を得ることのできる
圧電磁器の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の圧電磁器の製造方法は、圧電磁器原料から所定形状
に成形して得られた圧電磁器成形体を、所定の温度で焼
成する圧電磁器の製造方法であって、焼成時の雰囲気
を、常温から焼成温度まではヘリウム濃度50容量%以
上、及び残部不活性ガスとし、焼成温度ではヘリウム濃
度50容量%以上、酸素濃度10容量%以上、及び残部
不活性ガスとしたことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明では、常温から焼成温度までの昇温時に
おける雰囲気、及び焼成温度時における雰囲気を上記の
ように限定することにより、緻密で均質な焼結体を得る
ことができる。このように本発明により焼結体が緻密、
均質化されるのは、主に、本発明で用いるヘリウムが他
のアルゴンやネオンなどの不活性ガスと比べて熱伝導度
が大きいことに起因していると考えられる。
【0008】つまり、本発明では、焼成時の雰囲気中、
熱伝導度の大きいヘリウムが50容量%以上を占めるの
で、圧電磁器成形体は表層部と内部とでほぼ同じ温度に
加熱されることとなり、この結果異常粒成長が抑えられ
るため、緻密で均質な圧電磁器を得ることができる。ま
た、焼成温度時での雰囲気中、酸素濃度が10容量%未
満になると、圧電磁器の還元を招き、この結果焼結体の
緻密化が妨げられるので、本発明のように焼成温度時で
の酸素濃度を10容量%以上とすれば、上記還元による
緻密化の低減を抑えることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の圧電磁器の製造方法を実施例
により具体的に説明する。 (実施例1)平均粒径1μmのPbO、ZrO2 、Ti
2 原料粉末を、Pb(Ti0.48Zr0.52)O3 の組成
となるように秤量後、ボールミルで48時間粉砕し、9
00℃で1時間焼成後、再びボールミルで粉砕、乾燥し
た。
【0010】乾燥粉末にバインダとしてのPVA(ポリ
ビニルアルコール)を約5重量%加えて造粒後、油圧プ
レスにより1ton/cm2 の圧力で、直径約13m
m、厚さ2mmの円板状の圧電磁器成形体を形成した。
この圧電磁器成形体を、ZrO2 粉末を敷いたアルミナ
ルツボ中に入れ、常温から焼成温度までの昇温時の雰囲
気をHe濃度:50容量%とし、焼成温度時の雰囲気を
ヘリウム濃度:50容量%及びO2 濃度:10容量%と
して焼成した。なお、昇温時及び焼成温度時の雰囲気の
He、O2 以外の成分はN2 ガスとした。また焼成条件
は、常温から焼成温度までの昇温速度を300℃/h
と、焼成温度を1250℃、焼成時間を1時間とした。
【0011】得られた焼結体の密度を測定した。理想密
度に対する実測密度の比(以下、焼結体密度という)を
表1に示す。 (実施例2〜4)表1に示すように、常温から焼成温度
までの昇温時の雰囲気がヘリウム濃度50容量%以上と
なり、焼成温度時での雰囲気がヘリウム濃度50容量%
以上、酸素濃度10容量%以上となるように、昇温時及
び焼成温度時の雰囲気を本発明の範囲内で変更すること
以外は、上記実施例1と同様にして各焼結体を得た。な
お、昇温時及び焼成温度時の雰囲気中のHe、O2 以外
の成分はいずれもN2 ガスである。
【0012】得られた各焼結体の密度を測定し、その焼
結体密度を表1に併せて示す。 (比較例1〜10)表1に示すように、昇温時及び焼成
温度時の雰囲気がいずれも本発明の範囲外となるように
変更したり、又は昇温時あるいは焼成温度時の雰囲気の
どちらか一方が本発明の範囲外となるように変更したり
すること以外は、上記実施例1と同様にして各焼結体を
得た。なお、比較例1は昇温時及び焼成温度時ともに空
気中で焼成したものである。また、比較例2〜10にお
いて、雰囲気中のHe、O2以外の成分はいずれもN2
ガスである。
【0013】得られた各焼結体の密度を測定し、焼結体
密度を表1に併せて示す。
【0014】
【表1】 表1からも明らかなように、昇温時の雰囲気をHe濃
度:50容量%以上、残部N2 ガスとし、かつ、焼成温
度時の雰囲気をHe濃度:50容量%以上、O2濃度:
10容量%以上、残部N2 ガスとした本実施例1〜4お
いては、焼結体密度がいずれも98%以上あり、したが
って本発明方法によれば、著しく緻密な圧電磁器を製造
し得ることが確認できた。
【0015】比較例2〜4と本実施例とを比較すると、
昇温時及び焼成温度時の雰囲気がHe濃度:50容量%
未満となることにより、焼結体の密度が極端に低下する
ことがわかる。また、比較例5〜7と本実施例とを比較
すると、昇温時及び焼成温度時の雰囲気がHe濃度:5
0容量%以上であっても、焼成時の雰囲気がO2 濃度:
10容量%未満であれば、焼結体の密度が極端に低下す
ることがわかる。
【0016】さらに、比較例8〜10と本実施例とを比
較すると、焼成温度時の雰囲気がO 2 濃度:10容量%
以上であっても、昇温時及び焼成温度時のどちらか一方
の雰囲気がHe濃度:50容量%未満であれば、焼結体
の密度が極端に低下することがわかる。なお、上述の実
施例では、昇温時及び焼成温度時に、He,O2 以外の
雰囲気を構成する物質として、N2 を用いる例について
示したが、他の不活性ガス、例えばアルゴンを用いても
ほぼ同様の結果が得られると考えられる。
【0017】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の圧電磁器の
製造方法は、常温から焼成温度までの昇温時における雰
囲気、及び焼成温度時における雰囲気を所定の雰囲気と
することにより、十分に緻密で均質な焼結体を得ること
ができる。したがって、本発明は圧電磁器の圧電特性や
強度の向上に貢献する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電磁器原料から所定形状に成形して得
    られた圧電磁器成形体を、所定の温度で焼成する圧電磁
    器の製造方法であって、 焼成時の雰囲気を、常温から焼成温度まではヘリウム濃
    度50容量%以上、及び残部不活性ガスとし、焼成温度
    ではヘリウム濃度50容量%以上、酸素濃度10容量%
    以上、及び残部不活性ガスとしたことを特徴とする圧電
    磁器の製造方法。
JP31358092A 1992-11-24 1992-11-24 圧電磁器の製造方法 Pending JPH06164014A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31358092A JPH06164014A (ja) 1992-11-24 1992-11-24 圧電磁器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31358092A JPH06164014A (ja) 1992-11-24 1992-11-24 圧電磁器の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06164014A true JPH06164014A (ja) 1994-06-10

Family

ID=18043025

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31358092A Pending JPH06164014A (ja) 1992-11-24 1992-11-24 圧電磁器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06164014A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100365841C (zh) * 2001-12-26 2008-01-30 株式会社村田制作所 层叠型压电陶瓷元件的制造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100365841C (zh) * 2001-12-26 2008-01-30 株式会社村田制作所 层叠型压电陶瓷元件的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0159232B2 (ja)
JP2884635B2 (ja) 圧電セラミックスおよびその製造方法
JPH06164014A (ja) 圧電磁器の製造方法
JP2006265055A (ja) 圧電セラミックスの製造方法
JP3163664B2 (ja) 圧電磁器材料
JPH0687646A (ja) 圧電磁器の製造方法
KR101110365B1 (ko) 압전 세라믹스 제조방법
JPH0687647A (ja) 圧電磁器の製造方法
JP3914635B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP3291780B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH07206519A (ja) 圧電磁器
JPH0629140B2 (ja) 圧電素子材料及びその製造方法
JPH0687661A (ja) 圧電磁器の製造方法
JPH05139828A (ja) 圧電磁器の製造方法
JPH11106258A (ja) スパッタリング用BaxSr1−xTiO3−yターゲット材
JPH05139825A (ja) チタン酸鉛系圧電磁器の製造方法
JPH01131448A (ja) 酸素センサ用素子の製造法
JPH10182244A (ja) 圧電セラミックの製造方法
JP2000169245A (ja) 酸化物系セラミック焼結体の製造方法
JPH0826824A (ja) 圧電磁器組成物およびその製造方法
JP2002226267A (ja) ストロンチウム・ルテニウム酸化物原料、ストロンチウム・ルテニウム酸化物焼結体の製造方法および焼結体
JP2004307247A (ja) 導電性酸化物焼結体、その製造方法及びそれを用いて得られるスパッタリングターゲット
JPH04306889A (ja) 電歪素子の製造方法
JPH04224168A (ja) 圧電磁器組成物
JP2000154059A (ja) 圧電セラミックスの製造方法