JPH06162908A - 開閉器 - Google Patents
開閉器Info
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- JPH06162908A JPH06162908A JP33495892A JP33495892A JPH06162908A JP H06162908 A JPH06162908 A JP H06162908A JP 33495892 A JP33495892 A JP 33495892A JP 33495892 A JP33495892 A JP 33495892A JP H06162908 A JPH06162908 A JP H06162908A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 固定接触子の全ての電流経路が、アークを端
子部側に引き延ばす電磁力を発生するようにして、優れ
た限流性能を得ることにある。 【構成】 固定接触子4を、端子部5が接続された第1
導体部4a、固定接点3を有する第2導体部4e、及び
第3導体部4dで構成し、第3導体部4dを固定接点3
の位置より可動接触子1の可動接点2が設けられていな
い他端部側で且つ前記端子部5の反対側に配置し、第1
導体部4aを、接点閉成時の接点接触面より上方に配置
すると共に、接点閉成時に可動接点2の接触面より下方
に配置した構成。
子部側に引き延ばす電磁力を発生するようにして、優れ
た限流性能を得ることにある。 【構成】 固定接触子4を、端子部5が接続された第1
導体部4a、固定接点3を有する第2導体部4e、及び
第3導体部4dで構成し、第3導体部4dを固定接点3
の位置より可動接触子1の可動接点2が設けられていな
い他端部側で且つ前記端子部5の反対側に配置し、第1
導体部4aを、接点閉成時の接点接触面より上方に配置
すると共に、接点閉成時に可動接点2の接触面より下方
に配置した構成。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、回路遮断器
や限流器または電磁接触器など、電流遮断時に容器内で
アークが発生する開閉器に関するものである。
や限流器または電磁接触器など、電流遮断時に容器内で
アークが発生する開閉器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は従来の開閉器として例えば回路
遮断器の開成時状態を示す側面図、図16は図15の回
路遮断器の接点開離直後の状態を示す側面図、図17は
図16の回路遮断器における可動接触子の最大開離状態
を示す側面図である。図に於て、1は回路遮断器の可動
接触子であり、この可動接触子1は基部の回動支点(回
動中心)14を(図16,図17参照)を中心にして回
動するように支持されている。2は前記可動接触子1の
一端(自由端部下面)に固着された可動接点、3は前記
可動接触子1の回動により可動接点2と接離する固定接
点、4はその固定接点3を一端に有する固定接触子であ
り、この固定接触子4の形状構成については後述する。
5は前記固定接触子4の他端に接続された電源側の端子
部である。6は消弧板で、前記可動接点2と前記固定接
点3との開離時にそれらの接点間に発生するアークを引
き延ばして冷却すべく機能する。7は前記消弧板6を保
持する消弧側板である。8は前記可動接触子1を回動さ
せる機構部であり、この機構部8は、電流検出部(図示
せず)を内蔵し、該電流検出部が短絡電流を検知するこ
とによって作動するようになっている。9は前記機構部
8を手動で操作するためのハンドル、10は負荷側の端
子部、11はその端子部10を前記可動接触子1に接続
する導体である。12はこれらの回路遮断器構成部品を
収納する容器、13はその容器12の壁部に設けられた
排気孔である。
遮断器の開成時状態を示す側面図、図16は図15の回
路遮断器の接点開離直後の状態を示す側面図、図17は
図16の回路遮断器における可動接触子の最大開離状態
を示す側面図である。図に於て、1は回路遮断器の可動
接触子であり、この可動接触子1は基部の回動支点(回
動中心)14を(図16,図17参照)を中心にして回
動するように支持されている。2は前記可動接触子1の
一端(自由端部下面)に固着された可動接点、3は前記
可動接触子1の回動により可動接点2と接離する固定接
点、4はその固定接点3を一端に有する固定接触子であ
り、この固定接触子4の形状構成については後述する。
5は前記固定接触子4の他端に接続された電源側の端子
部である。6は消弧板で、前記可動接点2と前記固定接
点3との開離時にそれらの接点間に発生するアークを引
き延ばして冷却すべく機能する。7は前記消弧板6を保
持する消弧側板である。8は前記可動接触子1を回動さ
せる機構部であり、この機構部8は、電流検出部(図示
せず)を内蔵し、該電流検出部が短絡電流を検知するこ
とによって作動するようになっている。9は前記機構部
8を手動で操作するためのハンドル、10は負荷側の端
子部、11はその端子部10を前記可動接触子1に接続
する導体である。12はこれらの回路遮断器構成部品を
収納する容器、13はその容器12の壁部に設けられた
排気孔である。
【0003】ここで、前記固定接触子4の形状構成につ
いて説明する。図15〜図17において、前記固定接触
子4は、電源側の端子部5が接続されて水平方向に延び
る導体部4aと、この導体部4aにおける前記端子部5
と反対側の端部に下方へ向け折曲形成された垂直な導体
部4bと、この導体部4bの下端から前記導体部4aと
は反対側の水平方向に延びる段差状下部の導体部4c
と、この導体部4cの先端から垂直方向に立ち上がる導
体部4dと、この導体部4dの上端から前記導体部4a
側に向って水平方向に延びる導体部4eとから成る形状
に一体形成され、前記導体部4e上に固定接点3が設け
られた構成となっている。
いて説明する。図15〜図17において、前記固定接触
子4は、電源側の端子部5が接続されて水平方向に延び
る導体部4aと、この導体部4aにおける前記端子部5
と反対側の端部に下方へ向け折曲形成された垂直な導体
部4bと、この導体部4bの下端から前記導体部4aと
は反対側の水平方向に延びる段差状下部の導体部4c
と、この導体部4cの先端から垂直方向に立ち上がる導
体部4dと、この導体部4dの上端から前記導体部4a
側に向って水平方向に延びる導体部4eとから成る形状
に一体形成され、前記導体部4e上に固定接点3が設け
られた構成となっている。
【0004】このような形状構成の固定接触子4におい
て、段差状下部の導体部4cと固定接点3側とを接続し
ている導体部4dは、固定接点3の位置より可動接触子
1の可動接点2が固着されていない他端部側で且つ端子
部5の反対側に位置し、固定接点3を有する導体部4e
は、端子部5を有する導体部4aと同一水平面上にあっ
て、可動接点2と固定接点3相互の接点閉成時に該接点
接触面の位置より下方に位置している。かかる固定接触
子4は、その全体表面が絶縁されていない素肌露出状態
で使用されている。
て、段差状下部の導体部4cと固定接点3側とを接続し
ている導体部4dは、固定接点3の位置より可動接触子
1の可動接点2が固着されていない他端部側で且つ端子
部5の反対側に位置し、固定接点3を有する導体部4e
は、端子部5を有する導体部4aと同一水平面上にあっ
て、可動接点2と固定接点3相互の接点閉成時に該接点
接触面の位置より下方に位置している。かかる固定接触
子4は、その全体表面が絶縁されていない素肌露出状態
で使用されている。
【0005】次に動作について説明する。図15の状態
において、固定接触子4の端子部5を電源に接続すると
共に、負荷側の端子部10を負荷に接続する。この状態
において、ハンドル9を矢印B方向に操作すると、機構
部8が動作して回動接触子1が基部の回動支点14(図
16,図17参照)を中心として下降回動することによ
り、可動接点2が固定接点3と接触した接点閉成状態と
なって、電力が電源から負荷に供給される。この状態
で、通電の信頼性を確保するために可動接点2は固定接
点3に規定の接触圧力で押えつけられている。
において、固定接触子4の端子部5を電源に接続すると
共に、負荷側の端子部10を負荷に接続する。この状態
において、ハンドル9を矢印B方向に操作すると、機構
部8が動作して回動接触子1が基部の回動支点14(図
16,図17参照)を中心として下降回動することによ
り、可動接点2が固定接点3と接触した接点閉成状態と
なって、電力が電源から負荷に供給される。この状態
で、通電の信頼性を確保するために可動接点2は固定接
点3に規定の接触圧力で押えつけられている。
【0006】ここで、回路遮断器より負荷側に回路で短
絡事故などが起こり、回路に大きな短絡電流が流れる
と、この大電流を前記機構部8内の電流検出部が検知し
て前記機構部8を作動させる。これによって、可動接触
子1が接点開離方向に回動することで可動接点2が固定
接点3から開離する。このような接点開離時には、図1
6および図17に示すように、可動接点2と固定接点3
との間にアークAが発生する。
絡事故などが起こり、回路に大きな短絡電流が流れる
と、この大電流を前記機構部8内の電流検出部が検知し
て前記機構部8を作動させる。これによって、可動接触
子1が接点開離方向に回動することで可動接点2が固定
接点3から開離する。このような接点開離時には、図1
6および図17に示すように、可動接点2と固定接点3
との間にアークAが発生する。
【0007】しかし、通常、短絡電流などの大電流が流
れると、可動接点2と固定接点3の接触面における電磁
反発力が非常に強くなり、前記可動接点2にかかってい
る接触圧力に打ち勝つために、可動接触子1は機構部8
の動作を待たずに接点開離方向に回動する。従って、そ
の回動により、可動接点2と固定接点3の開離が起こ
り、それらの接点2,3間に発生したアークAは、消弧
板6で引き延ばされて冷却される。この結果、アーク抵
抗が上昇し、短絡電流が小さく絞られる限流が起こり、
電流零点で前記アークAは消弧されて電流遮断が完了す
る。
れると、可動接点2と固定接点3の接触面における電磁
反発力が非常に強くなり、前記可動接点2にかかってい
る接触圧力に打ち勝つために、可動接触子1は機構部8
の動作を待たずに接点開離方向に回動する。従って、そ
の回動により、可動接点2と固定接点3の開離が起こ
り、それらの接点2,3間に発生したアークAは、消弧
板6で引き延ばされて冷却される。この結果、アーク抵
抗が上昇し、短絡電流が小さく絞られる限流が起こり、
電流零点で前記アークAは消弧されて電流遮断が完了す
る。
【0008】限流は、回路遮断器の保護機能を向上させ
るために非常に重要である。限流性能を高めるために
は、上述のようにアーク抵抗を増大させる必要がある。
るために非常に重要である。限流性能を高めるために
は、上述のようにアーク抵抗を増大させる必要がある。
【0009】アーク抵抗を増大させるためにアークを引
き延ばす方法としてよく使われるのは、例えば特開昭6
0−49533号公報や特開平2−68831号公報に
示されているような形状の固定接触子を利用する方法で
ある。これらの公報に示された固定接触子の形状は、図
15〜図17に示した固定接触子4の形状と基本的には
同じである。この固定接触子4による電流経路は、図1
5〜図17において、電源側の端子部5から導体部4
a,4b,4c,4d,4eを順に経て固定接点3に至
る。このような電流経路において、固定接触子4の固定
接点3側の電流経路4eに流れる電流がアークAに及ぼ
す電磁力は、アークAを消弧板6方向へ引き延ばす力と
なる。この結果、アーク抵抗はより高くなり限流性能の
優れた回路遮断器が得られる。
き延ばす方法としてよく使われるのは、例えば特開昭6
0−49533号公報や特開平2−68831号公報に
示されているような形状の固定接触子を利用する方法で
ある。これらの公報に示された固定接触子の形状は、図
15〜図17に示した固定接触子4の形状と基本的には
同じである。この固定接触子4による電流経路は、図1
5〜図17において、電源側の端子部5から導体部4
a,4b,4c,4d,4eを順に経て固定接点3に至
る。このような電流経路において、固定接触子4の固定
接点3側の電流経路4eに流れる電流がアークAに及ぼ
す電磁力は、アークAを消弧板6方向へ引き延ばす力と
なる。この結果、アーク抵抗はより高くなり限流性能の
優れた回路遮断器が得られる。
【0010】通常の交流遮断における限流性能を高める
には、上述のようにアーク抵抗を高めることが必要であ
るが、この場合、接点2,3が開離した直後の未だ電流
が最大値になる前に、アーク抵抗を高めなければならな
い。電流が大きくなった後にアーク抵抗を高めても、電
流の慣性効果のためになかなか電流は限流されない。か
えって、大電流で且つ抵抗が高いため、遮断器内で発生
するアークエネルギーが大きくなり、遮断器の損傷が激
しくなるだけである。従って、接点2,3が開離した直
後のアークを強い電磁力で大きく引き延ばし、急激にア
ーク抵抗を高めるような固定接触子形状が必要となる。
には、上述のようにアーク抵抗を高めることが必要であ
るが、この場合、接点2,3が開離した直後の未だ電流
が最大値になる前に、アーク抵抗を高めなければならな
い。電流が大きくなった後にアーク抵抗を高めても、電
流の慣性効果のためになかなか電流は限流されない。か
えって、大電流で且つ抵抗が高いため、遮断器内で発生
するアークエネルギーが大きくなり、遮断器の損傷が激
しくなるだけである。従って、接点2,3が開離した直
後のアークを強い電磁力で大きく引き延ばし、急激にア
ーク抵抗を高めるような固定接触子形状が必要となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の固定接触子形状
を持つ開閉器は以上のように構成されているので、図1
7に示すように、接点2,3開離直後のアークAを電源
側の端子部5方向に引き延ばす電磁力を発生する固定接
触子4の電流経路は、電源側の端子部5を有する導体部
4aと同一面上で分離した固定接点3側の導体部4eだ
けであり、他の電流経路(導体部)4a,4b,4c,
4dは、全てアークAを前記端子部5と反対側に引き延
ばす電磁力を発生する。導体部4a,4cの電流は固定
接点3側の導体部4eと逆方向に流れ、これによって、
アークAを端子部5の方向と逆方向に引き延ばす電磁力
を発生させる結果となっている。また、導体部4bの電
流は、前記アークAの電流と逆方向のために反発し合
い、導体部4dの電流は前記アークAの電流と同一方向
であって引き合うため、アークAを端子部5の方向と逆
方向に引き延ばす結果となる。このため、前記電流経路
4eが発生するアークAを端子部5の方向に引き延ばす
電磁力は減少してしまう。したがって、従来の開閉器に
使用されている固定接触子4の形状では、該固定接触子
4に流れる電流の電磁力がアークを引き延ばすために効
果的に作用しないという問題点があった。
を持つ開閉器は以上のように構成されているので、図1
7に示すように、接点2,3開離直後のアークAを電源
側の端子部5方向に引き延ばす電磁力を発生する固定接
触子4の電流経路は、電源側の端子部5を有する導体部
4aと同一面上で分離した固定接点3側の導体部4eだ
けであり、他の電流経路(導体部)4a,4b,4c,
4dは、全てアークAを前記端子部5と反対側に引き延
ばす電磁力を発生する。導体部4a,4cの電流は固定
接点3側の導体部4eと逆方向に流れ、これによって、
アークAを端子部5の方向と逆方向に引き延ばす電磁力
を発生させる結果となっている。また、導体部4bの電
流は、前記アークAの電流と逆方向のために反発し合
い、導体部4dの電流は前記アークAの電流と同一方向
であって引き合うため、アークAを端子部5の方向と逆
方向に引き延ばす結果となる。このため、前記電流経路
4eが発生するアークAを端子部5の方向に引き延ばす
電磁力は減少してしまう。したがって、従来の開閉器に
使用されている固定接触子4の形状では、該固定接触子
4に流れる電流の電磁力がアークを引き延ばすために効
果的に作用しないという問題点があった。
【0012】請求項1および請求項2の発明は上記のよ
うな問題点を解消するためになされたもので消弧板を支
持する絶縁物でなる消弧側板の下部を可動接触子の回動
空間と第1導体部との間に設けることにより、優れた限
流性能を持つ開閉器を得ることを目的とする。
うな問題点を解消するためになされたもので消弧板を支
持する絶縁物でなる消弧側板の下部を可動接触子の回動
空間と第1導体部との間に設けることにより、優れた限
流性能を持つ開閉器を得ることを目的とする。
【0013】請求項3の発明は、第1導体部を絶縁物で
覆うことにより、優れた限流性能を持つ開閉器を得るこ
とを目的とする。
覆うことにより、優れた限流性能を持つ開閉器を得るこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る開
閉器は、接点閉成状態の可動接点が固定接点から開離す
る方向を上方とした時、その固定接触子を、端子部と接
続する第1導体部、固定接点を有する第2導体部、及び
第1導体部と第2導体部を上下方向に接続する第3導体
部で構成し、可動接点と接触する固定接点の接触面の位
置を端子部の位置より下方に配置し、第3導体部を固定
接点の位置より可動接触子の可動接点が設けられていな
い他端部側で且つ端子部の反対側に配置し、第1導体部
を、接点閉成時に接点接触面の位置より上方に配置する
と共に、接点開成時に前記接点接触面の位置より下方に
配置し、接点開成時に可動接点表面から見渡せる第1導
体部の部位を絶縁物で被覆し、且つ消弧板を可動接触子
の回動を妨げないように配置すると共に、その消弧板を
支持する絶縁物でなる消弧側板の下部を可動接触子の回
動空間と第1導体部との間に設けたものである。
閉器は、接点閉成状態の可動接点が固定接点から開離す
る方向を上方とした時、その固定接触子を、端子部と接
続する第1導体部、固定接点を有する第2導体部、及び
第1導体部と第2導体部を上下方向に接続する第3導体
部で構成し、可動接点と接触する固定接点の接触面の位
置を端子部の位置より下方に配置し、第3導体部を固定
接点の位置より可動接触子の可動接点が設けられていな
い他端部側で且つ端子部の反対側に配置し、第1導体部
を、接点閉成時に接点接触面の位置より上方に配置する
と共に、接点開成時に前記接点接触面の位置より下方に
配置し、接点開成時に可動接点表面から見渡せる第1導
体部の部位を絶縁物で被覆し、且つ消弧板を可動接触子
の回動を妨げないように配置すると共に、その消弧板を
支持する絶縁物でなる消弧側板の下部を可動接触子の回
動空間と第1導体部との間に設けたものである。
【0015】請求項2の発明に係る開閉器は、その消弧
板を消弧側板に設けた溝で支持したものである。
板を消弧側板に設けた溝で支持したものである。
【0016】請求項3の発明に係る開閉器は、接点閉成
状態の可動接点が固定接点から開離する方向を上方とし
た時、その固定接触子を、端子部と接続する第1導体
部、固定接点を有する第2導体部、及び第1導体部と第
2導体部を上下方向に接続する第3導体部で構成し、可
動接点と接触する固定接点の接触面の位置を端子部の位
置より下方に配置し、第3導体部を固定接点の位置より
可動接触子の可動接点が設けられていない他端部側で且
つ端子部の反対側に配置し、第1導体部を、接点閉成時
に接点接触面の位置より上方に配置すると共に、接点開
成時に前記接点接触面の位置より下方に配置し、接点開
成時に可動接点表面から見渡せる第1導体部の部位を絶
縁物で被覆すると共に、第1導体部の外縁の側面を絶縁
物にて覆ったものである。
状態の可動接点が固定接点から開離する方向を上方とし
た時、その固定接触子を、端子部と接続する第1導体
部、固定接点を有する第2導体部、及び第1導体部と第
2導体部を上下方向に接続する第3導体部で構成し、可
動接点と接触する固定接点の接触面の位置を端子部の位
置より下方に配置し、第3導体部を固定接点の位置より
可動接触子の可動接点が設けられていない他端部側で且
つ端子部の反対側に配置し、第1導体部を、接点閉成時
に接点接触面の位置より上方に配置すると共に、接点開
成時に前記接点接触面の位置より下方に配置し、接点開
成時に可動接点表面から見渡せる第1導体部の部位を絶
縁物で被覆すると共に、第1導体部の外縁の側面を絶縁
物にて覆ったものである。
【0017】
【作用】請求項1の発明における開閉器は、接点開離直
後にアークが固定接触子を構成する導体を流れる全ての
電流により端子部方向に引き延ばされ、その後もアーク
が第1導体部を覆う絶縁物でなる消弧側板の下部と消弧
板に触れることにより高いアーク電圧を発生、維持す
る。
後にアークが固定接触子を構成する導体を流れる全ての
電流により端子部方向に引き延ばされ、その後もアーク
が第1導体部を覆う絶縁物でなる消弧側板の下部と消弧
板に触れることにより高いアーク電圧を発生、維持す
る。
【0018】請求項2の発明における開閉器は、消弧板
を消弧側板に設けた溝で支持することで、消弧板と第1
導体部の絶縁を維持し、消弧板と消弧側板の組立を容易
にする。
を消弧側板に設けた溝で支持することで、消弧板と第1
導体部の絶縁を維持し、消弧板と消弧側板の組立を容易
にする。
【0019】請求項3の発明における開閉器は、接点開
離直後にアークが固定接触子を構成する導体を流れる全
ての電流により端子部方向に引き延ばされ、その後もア
ークが第1導体部を覆う絶縁物に押しつけられることに
より高いアーク電圧を発生、維持し、固定接触子が回動
を完了した後もアークと第1導体部の絶縁を保つ。
離直後にアークが固定接触子を構成する導体を流れる全
ての電流により端子部方向に引き延ばされ、その後もア
ークが第1導体部を覆う絶縁物に押しつけられることに
より高いアーク電圧を発生、維持し、固定接触子が回動
を完了した後もアークと第1導体部の絶縁を保つ。
【0020】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1(a)は請求項1の発明の一実施例による回
路遮断器の閉成状態を示す側面図であり、図1(b)は
図1(a)におけるB−B断面図、図2は図1の回路遮
断器の開成状態を示す側面図であり、図15〜図17と
同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省
略する。図において、4は一端部に固定接点3が設けら
れた固定接触子であり、この固定接触子4は、第1導体
部4aと第2導体部4eと第3導体部4dとから構成さ
れている。
する。図1(a)は請求項1の発明の一実施例による回
路遮断器の閉成状態を示す側面図であり、図1(b)は
図1(a)におけるB−B断面図、図2は図1の回路遮
断器の開成状態を示す側面図であり、図15〜図17と
同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省
略する。図において、4は一端部に固定接点3が設けら
れた固定接触子であり、この固定接触子4は、第1導体
部4aと第2導体部4eと第3導体部4dとから構成さ
れている。
【0021】更に詳しく述べると、図1の接点閉成状態
において、可動接触子1の可動接点2が固定接点3から
開離する方向を上方とした時、前記固定接触子4は、電
源側の端子部5が接続されて水平方向に延びる第1導体
部4aと、この第1導体部4aの下方に離間位置した第
2導体部4eと、この第2導体部4eと前記第1導体部
4aを前記端子部5の反対側で上下方向に接続している
第3導体部4dとから成る形状に一体形成され、前記第
2導体部4e上に固定接点3を固着してその固定接点3
を第1導体部4aの下方に位置させた構成となってい
る。
において、可動接触子1の可動接点2が固定接点3から
開離する方向を上方とした時、前記固定接触子4は、電
源側の端子部5が接続されて水平方向に延びる第1導体
部4aと、この第1導体部4aの下方に離間位置した第
2導体部4eと、この第2導体部4eと前記第1導体部
4aを前記端子部5の反対側で上下方向に接続している
第3導体部4dとから成る形状に一体形成され、前記第
2導体部4e上に固定接点3を固着してその固定接点3
を第1導体部4aの下方に位置させた構成となってい
る。
【0022】そして、前記固定接触子4は、固定接点3
の位置より可動接触子1の可動接点2が固着されていな
い他端側で、且つ、前記端子部5の反対側(可動接触子
1の回動中心14側)に第3導体部4dが位置する向き
として容器12に取付けセットされている。この場合、
第1導体部4aは、固定接点3に可動接点2が接触した
接点閉成時にその接点接触面より上方に全て位置し、且
つ、接点開成時に可動接点2の接触面より下方に位置す
る配置としてある。また、6は可動接触子の回動を妨げ
ないような切り欠き部を有する消弧板、7は消弧板6を
保持する消弧側板、7a,7b,7cはそれぞれ消弧側
板7を構成している絶縁物、13は排気孔である。絶縁
物7aは消弧板6を対になって保持し、絶縁物7bは可
動接触子1の回動空間と第1導体部4aの間に位置して
その第1導体部4aを絶縁し、絶縁物7cは第1導体部
4aの切り欠き溝の奥の絶縁及び可動接触子1の回動面
を挟んで対になる絶縁物7bを橋絡している。なお、図
1および図2においては、図17に示した従来の回路遮
断器における機構部8とハンドル9および負荷側の端子
部10を省略しており、これらは、当然、容器12内に
収納配置されている。
の位置より可動接触子1の可動接点2が固着されていな
い他端側で、且つ、前記端子部5の反対側(可動接触子
1の回動中心14側)に第3導体部4dが位置する向き
として容器12に取付けセットされている。この場合、
第1導体部4aは、固定接点3に可動接点2が接触した
接点閉成時にその接点接触面より上方に全て位置し、且
つ、接点開成時に可動接点2の接触面より下方に位置す
る配置としてある。また、6は可動接触子の回動を妨げ
ないような切り欠き部を有する消弧板、7は消弧板6を
保持する消弧側板、7a,7b,7cはそれぞれ消弧側
板7を構成している絶縁物、13は排気孔である。絶縁
物7aは消弧板6を対になって保持し、絶縁物7bは可
動接触子1の回動空間と第1導体部4aの間に位置して
その第1導体部4aを絶縁し、絶縁物7cは第1導体部
4aの切り欠き溝の奥の絶縁及び可動接触子1の回動面
を挟んで対になる絶縁物7bを橋絡している。なお、図
1および図2においては、図17に示した従来の回路遮
断器における機構部8とハンドル9および負荷側の端子
部10を省略しており、これらは、当然、容器12内に
収納配置されている。
【0023】図3(a),(b)は請求項1の発明の一
実施例による固定接触子を示す斜視図である。図3
(a)に示す固定接触子4は、第1導体部4aと第2導
体部4eと第3導体部4dとによって一体形成され、第
1導体部4aの電源接続側の端部に端子部5が接続され
ている。また、第2導体部4eの上面部に固定接点3が
固着されている。さらに、固定接触子4において、前記
固定接点3の固着面より上方に位置する接続導体部(第
1導体部4aと第3導体部4d)には、第2導体部4e
上の固定接点3に対する可動接触子1の開閉動作を妨げ
ないようにするためのスリット40が設けられている。
実施例による固定接触子を示す斜視図である。図3
(a)に示す固定接触子4は、第1導体部4aと第2導
体部4eと第3導体部4dとによって一体形成され、第
1導体部4aの電源接続側の端部に端子部5が接続され
ている。また、第2導体部4eの上面部に固定接点3が
固着されている。さらに、固定接触子4において、前記
固定接点3の固着面より上方に位置する接続導体部(第
1導体部4aと第3導体部4d)には、第2導体部4e
上の固定接点3に対する可動接触子1の開閉動作を妨げ
ないようにするためのスリット40が設けられている。
【0024】次に動作について説明する。短絡電流など
の大電流が流れると、機構部の動作を待たずに可動接触
子1が回動し、接点2と3が開離し、接点2と3の間に
アークが発生する事は、従来と同様である。図4は接点
2,3が開離した直後の可動接点2の接触面がまだ固定
接触子4の端子部5に接続される第1導体部4aより下
方にある状態を示している。ここで矢印は電流を示し、
消弧板6は簡単のため省略した。端子部5から固定接触
子4の第1導体部4aまでで構成される電流経路は、全
てアークAより上方にある。この結果、この電流経路が
発生するアークに作用する電磁力は、アークを端子部5
側に引き延ばす力である。固定接触子4の第3導体部4
dに流れる電流はアークの電流と逆方向なので、第3導
体部4dを流れる電流による電磁力もアークを端子部5
側に引き延ばす力となる。したがって、この固定接触子
4に流れる電流が発生する電磁力は、全てアークを端子
部5側に引き延ばす力となる。この結果、接点開離直後
のアークは強力に引き延ばされ、アーク抵抗が急激に高
くなる。
の大電流が流れると、機構部の動作を待たずに可動接触
子1が回動し、接点2と3が開離し、接点2と3の間に
アークが発生する事は、従来と同様である。図4は接点
2,3が開離した直後の可動接点2の接触面がまだ固定
接触子4の端子部5に接続される第1導体部4aより下
方にある状態を示している。ここで矢印は電流を示し、
消弧板6は簡単のため省略した。端子部5から固定接触
子4の第1導体部4aまでで構成される電流経路は、全
てアークAより上方にある。この結果、この電流経路が
発生するアークに作用する電磁力は、アークを端子部5
側に引き延ばす力である。固定接触子4の第3導体部4
dに流れる電流はアークの電流と逆方向なので、第3導
体部4dを流れる電流による電磁力もアークを端子部5
側に引き延ばす力となる。したがって、この固定接触子
4に流れる電流が発生する電磁力は、全てアークを端子
部5側に引き延ばす力となる。この結果、接点開離直後
のアークは強力に引き延ばされ、アーク抵抗が急激に高
くなる。
【0025】図5(a)は可動接触子と固定接触子の側
面図、図5(b)は図5(a)における固定接触子のC
−C断面図である。41はスリット40を挟む左右両側
の第1導体部4aの各断面の重心である。図5(c)
は、理論計算より求めた固定接触子4を流れる電流がつ
くる図5(b)のZ軸上での磁場強度分布である。図5
(c)において正方向の磁場がアークを端子5側に引き
伸ばす磁場成分(以下においてアーク駆動磁場と呼ぶ)
である。図5(b)で示すように第1導体部4aは可動
接触子1が回動する平面から左右にずれた所に位置す
る。このような導体配置では、第2導体部4eおよび第
3導体部4dを流れる電流の影響のため、図5(c)に
示すように第1導体部4aより上部の空間(領域Z0)
までアーク駆動磁場が存在する。そのため、図6のよう
に可動接点面が第1導体部4aより上部まで回動して
も、第1導体部4aの溝の部分ではアークは端子側に力
を受け溝の奥の部分を覆う消弧側板7cに押しつけられ
冷却される。この結果、接点開離直後に急激に高くなっ
たアーク抵抗がさらに増大し、かつ高いアーク電圧が維
持されるので、優れた限流性能を有した遮断器が得られ
る。
面図、図5(b)は図5(a)における固定接触子のC
−C断面図である。41はスリット40を挟む左右両側
の第1導体部4aの各断面の重心である。図5(c)
は、理論計算より求めた固定接触子4を流れる電流がつ
くる図5(b)のZ軸上での磁場強度分布である。図5
(c)において正方向の磁場がアークを端子5側に引き
伸ばす磁場成分(以下においてアーク駆動磁場と呼ぶ)
である。図5(b)で示すように第1導体部4aは可動
接触子1が回動する平面から左右にずれた所に位置す
る。このような導体配置では、第2導体部4eおよび第
3導体部4dを流れる電流の影響のため、図5(c)に
示すように第1導体部4aより上部の空間(領域Z0)
までアーク駆動磁場が存在する。そのため、図6のよう
に可動接点面が第1導体部4aより上部まで回動して
も、第1導体部4aの溝の部分ではアークは端子側に力
を受け溝の奥の部分を覆う消弧側板7cに押しつけられ
冷却される。この結果、接点開離直後に急激に高くなっ
たアーク抵抗がさらに増大し、かつ高いアーク電圧が維
持されるので、優れた限流性能を有した遮断器が得られ
る。
【0026】また、消弧板6を保持する消弧側板7の下
端を可動接触子1の回動空間と第1導体部4aの間に配
置したことで、あらためて第1導体部4aを絶縁する部
品の必要が無くなり構成を簡略化し、消弧側板7の形状
を第1導体部4aに対応させることで消弧側板7及び消
弧板6の配置位置が容易に決まり、上記効果に加え、組
立の簡単な遮断器が得られる。さらに、消弧側板7は絶
縁物7cから、絶縁物7b、7cと連続した一体成形と
なり、アークAと第1導体部4aの絶縁を強化し、上記
効果に加え、耐久性に優れた遮断器が得られる。また、
上記実施例1では遮断器の場合について説明したが、他
の開閉器であってもよく、上記実施例と同様の効果を奏
する。
端を可動接触子1の回動空間と第1導体部4aの間に配
置したことで、あらためて第1導体部4aを絶縁する部
品の必要が無くなり構成を簡略化し、消弧側板7の形状
を第1導体部4aに対応させることで消弧側板7及び消
弧板6の配置位置が容易に決まり、上記効果に加え、組
立の簡単な遮断器が得られる。さらに、消弧側板7は絶
縁物7cから、絶縁物7b、7cと連続した一体成形と
なり、アークAと第1導体部4aの絶縁を強化し、上記
効果に加え、耐久性に優れた遮断器が得られる。また、
上記実施例1では遮断器の場合について説明したが、他
の開閉器であってもよく、上記実施例と同様の効果を奏
する。
【0027】実施例2.図7(a)は請求項2の発明の
一実施例による消弧部を示す断面図であり、図7(b)
は,図7(a)におけるD−D断面図である。図におい
て、消弧板6は従来のかしめなどによる固定に代り、消
弧側板7に設けられた溝17に挿入して固定するので、
アークAが消弧板6に触れた時に消弧板6と第1導体部
4a間の絶縁破壊を防止し、また、消弧板6と消弧側板
7の組立が単一の作業だけになり、機械による自動組立
など簡略化できる。さらに、図8(a)は本実施例2、
図8(b)は従来の消弧板6の比較図で、図より本実施
例2の消弧板6は消弧側板7に設けられた溝17の部分
だけ従来よりも幅が広がり(Wa>Wb)、アークに触
れたときの消耗に強く、上記実施例1の効果に加え、よ
り組立の容易で耐久性に優れた遮断器が得られる。
一実施例による消弧部を示す断面図であり、図7(b)
は,図7(a)におけるD−D断面図である。図におい
て、消弧板6は従来のかしめなどによる固定に代り、消
弧側板7に設けられた溝17に挿入して固定するので、
アークAが消弧板6に触れた時に消弧板6と第1導体部
4a間の絶縁破壊を防止し、また、消弧板6と消弧側板
7の組立が単一の作業だけになり、機械による自動組立
など簡略化できる。さらに、図8(a)は本実施例2、
図8(b)は従来の消弧板6の比較図で、図より本実施
例2の消弧板6は消弧側板7に設けられた溝17の部分
だけ従来よりも幅が広がり(Wa>Wb)、アークに触
れたときの消耗に強く、上記実施例1の効果に加え、よ
り組立の容易で耐久性に優れた遮断器が得られる。
【0028】実施例3.図9(a)は請求項3の発明の
一実施例による回路遮断器の閉成状態を示す側面図であ
り、図9(b)は図9(a)におけるE−E断面図であ
る。4sは第1導体部4aの外縁の側面、15は固定接
触子4の上面と溝の内面を覆っている絶縁物、15sは
第1導体部4aの外縁の側面4sを覆っている絶縁物で
ある。図10は可動接触子1が開成時の状態を示してお
り、図11(a)は端子部5と接続した固定接触子4の
斜視図であり、図11(b)は端子部5、固定接触子4
および絶縁物15を同時にあらわした斜視図である。な
お、その他の構成については実施例1と同一なので説明
を省略する。
一実施例による回路遮断器の閉成状態を示す側面図であ
り、図9(b)は図9(a)におけるE−E断面図であ
る。4sは第1導体部4aの外縁の側面、15は固定接
触子4の上面と溝の内面を覆っている絶縁物、15sは
第1導体部4aの外縁の側面4sを覆っている絶縁物で
ある。図10は可動接触子1が開成時の状態を示してお
り、図11(a)は端子部5と接続した固定接触子4の
斜視図であり、図11(b)は端子部5、固定接触子4
および絶縁物15を同時にあらわした斜視図である。な
お、その他の構成については実施例1と同一なので説明
を省略する。
【0029】次に動作について説明する。図12は接点
2、3が開離した直後の可動接点2の接触面がまだ固定
接触子4の端子部5に接続される第1導体部4aより下
方にある状態を示している。ここで矢印は電流を示し、
消弧板6は簡単のため省略した。端子部5から固定接触
子4の第1導体部4aまでで構成される電流経路は、全
てアークAより上方にある。この結果、この電流経路が
発生するアークに作用する電磁力は、アークを端子部5
側に引き延ばす力である。固定接触子4の第3導体部4
dに流れる電流はアークの電流と逆方向なので、第3導
体部4dを流れる電流による電磁力もアークを端子部5
側に引き延ばす力となる。したがって、この固定接触子
4に流れる電流が発生する電磁力は、全てアークを端子
部5側に引き延ばす力となる。この結果、接点開離直後
のアークは、強力に引き延ばされ、アーク抵抗が急激に
高くなる。
2、3が開離した直後の可動接点2の接触面がまだ固定
接触子4の端子部5に接続される第1導体部4aより下
方にある状態を示している。ここで矢印は電流を示し、
消弧板6は簡単のため省略した。端子部5から固定接触
子4の第1導体部4aまでで構成される電流経路は、全
てアークAより上方にある。この結果、この電流経路が
発生するアークに作用する電磁力は、アークを端子部5
側に引き延ばす力である。固定接触子4の第3導体部4
dに流れる電流はアークの電流と逆方向なので、第3導
体部4dを流れる電流による電磁力もアークを端子部5
側に引き延ばす力となる。したがって、この固定接触子
4に流れる電流が発生する電磁力は、全てアークを端子
部5側に引き延ばす力となる。この結果、接点開離直後
のアークは、強力に引き延ばされ、アーク抵抗が急激に
高くなる。
【0030】また、図5(c)で示したように第2導体
部4eおよび第3導体部4dを流れる電流の影響のた
め、第1導体部4aより上部の空間Z0まで駆動磁場が
存在し、アークは端子側に力を受け、図13のように可
動接点面が第1導体部4aより上部まで回動しても第1
導体部4aの溝の部分ではアークは端子側に力を受け溝
の奥の部分を覆う絶縁物15aに押しつけられ冷却され
る。この結果、接点開離直後に急激に高くなったアーク
抵抗がさらに増大し、かつ高いアーク電圧が維持され
る。しかし、可動接点面が第1導体部4aより上部まで
回動したときに増大したアークが第1導体部4aに直接
触れると電流路が変わり、上に述べた効果は得られなく
なる。そこで、絶縁物15にて第1導体部4aを覆いア
ークから保護し、また、可動接点表面から見渡すことの
できない第1導体部4aの外縁の側面4sまでも絶縁物
15sにて保護したことで絶縁性能をより高め、優れた
限流性能、耐久性を有した遮断器が得られる。
部4eおよび第3導体部4dを流れる電流の影響のた
め、第1導体部4aより上部の空間Z0まで駆動磁場が
存在し、アークは端子側に力を受け、図13のように可
動接点面が第1導体部4aより上部まで回動しても第1
導体部4aの溝の部分ではアークは端子側に力を受け溝
の奥の部分を覆う絶縁物15aに押しつけられ冷却され
る。この結果、接点開離直後に急激に高くなったアーク
抵抗がさらに増大し、かつ高いアーク電圧が維持され
る。しかし、可動接点面が第1導体部4aより上部まで
回動したときに増大したアークが第1導体部4aに直接
触れると電流路が変わり、上に述べた効果は得られなく
なる。そこで、絶縁物15にて第1導体部4aを覆いア
ークから保護し、また、可動接点表面から見渡すことの
できない第1導体部4aの外縁の側面4sまでも絶縁物
15sにて保護したことで絶縁性能をより高め、優れた
限流性能、耐久性を有した遮断器が得られる。
【0031】また、上記実施例3では第1導体部4aの
外縁の側面4sの絶縁物15sは、絶縁物15と一体と
したものであったが、絶縁が行なえるのであれば他の部
品でも構わず、例えば、図14(a)におけるF−F断
面図の図14(b)に示すように容器12の側壁12s
を用いても同様な効果がある。また上記実施例3では遮
断器の場合について説明したが、他の開閉器であっても
よく、上記実施例3と同様の効果を奏する。
外縁の側面4sの絶縁物15sは、絶縁物15と一体と
したものであったが、絶縁が行なえるのであれば他の部
品でも構わず、例えば、図14(a)におけるF−F断
面図の図14(b)に示すように容器12の側壁12s
を用いても同様な効果がある。また上記実施例3では遮
断器の場合について説明したが、他の開閉器であっても
よく、上記実施例3と同様の効果を奏する。
【0032】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、可動接点と接触する固定接点の接触面の位置を端子
部の位置より下方に配置し、第3導体部を固定接点の位
置より可動接触子の可動接点が設けられていない他端部
側で且つ端子部の反対側に配置し、第1導体部を、接点
閉成時に接点接触面の位置より上方に配置すると共に、
接点開成時に前記接点接触面の位置より下方に配置し、
接点開成時に可動接点表面から見渡せる第1導体部の部
位に絶縁物で被覆し、且つ消弧板を可動接触子の回動を
妨げないように配置すると共に、その消弧板を支持する
絶縁物でなる消弧側板の下部を可動接触子の回動空間と
第1導体部の間に設けるように構成したので、接点開離
直後には固定接触子の全ての電流経路がアークを端子部
側に引き延ばす電磁力を発生し急激にアーク電圧を立ち
上げることができ、さらに、可動接触子の開離距離が増
大しても消弧側板によるアーク冷却作用により高いアー
ク電圧を発生、維持でき、部品を簡略化し、配置位置が
容易に決まり、固定接触子導体の絶縁を強化することが
でき、優れた限流性能、耐久性を持ち、組立の簡単な開
閉器が得られる効果がある。
ば、可動接点と接触する固定接点の接触面の位置を端子
部の位置より下方に配置し、第3導体部を固定接点の位
置より可動接触子の可動接点が設けられていない他端部
側で且つ端子部の反対側に配置し、第1導体部を、接点
閉成時に接点接触面の位置より上方に配置すると共に、
接点開成時に前記接点接触面の位置より下方に配置し、
接点開成時に可動接点表面から見渡せる第1導体部の部
位に絶縁物で被覆し、且つ消弧板を可動接触子の回動を
妨げないように配置すると共に、その消弧板を支持する
絶縁物でなる消弧側板の下部を可動接触子の回動空間と
第1導体部の間に設けるように構成したので、接点開離
直後には固定接触子の全ての電流経路がアークを端子部
側に引き延ばす電磁力を発生し急激にアーク電圧を立ち
上げることができ、さらに、可動接触子の開離距離が増
大しても消弧側板によるアーク冷却作用により高いアー
ク電圧を発生、維持でき、部品を簡略化し、配置位置が
容易に決まり、固定接触子導体の絶縁を強化することが
でき、優れた限流性能、耐久性を持ち、組立の簡単な開
閉器が得られる効果がある。
【0033】請求項2の発明によれば、消弧板を消弧側
板に設けた溝で支持するように構成したので、アークが
消弧板に触れた時に消弧板と第1導体部との間の絶縁破
壊を防止でき、消弧板と消弧側板の組立が簡略化でき、
消弧板がアークに触れたときの消耗に強く、前記効果に
加え、より組立の容易で耐久性に優れた遮断器が得られ
る効果がある。
板に設けた溝で支持するように構成したので、アークが
消弧板に触れた時に消弧板と第1導体部との間の絶縁破
壊を防止でき、消弧板と消弧側板の組立が簡略化でき、
消弧板がアークに触れたときの消耗に強く、前記効果に
加え、より組立の容易で耐久性に優れた遮断器が得られ
る効果がある。
【0034】請求項3の発明によれば、接点開成時に可
動接点表面から見渡せる第1導体部の部位を絶縁物で被
覆すると共に、第1導体部の外縁の両面を絶縁物にて覆
うように構成したので、接点開離直後には固定接触子の
全ての電流経路がアークを端子部側に引き延ばす電磁力
を発生し急激にアーク電圧を立ち上げることができ、さ
らに、可動接触子の開離距離が増大しても切り欠き部の
絶縁物によるアーク冷却作用により高いアーク電圧を発
生、維持でき、固定接触子が回動を完了した後もアーク
と第1導体部の絶縁が保たれるので、優れた限流性能や
耐久性を持った開閉器が得られる効果がある。
動接点表面から見渡せる第1導体部の部位を絶縁物で被
覆すると共に、第1導体部の外縁の両面を絶縁物にて覆
うように構成したので、接点開離直後には固定接触子の
全ての電流経路がアークを端子部側に引き延ばす電磁力
を発生し急激にアーク電圧を立ち上げることができ、さ
らに、可動接触子の開離距離が増大しても切り欠き部の
絶縁物によるアーク冷却作用により高いアーク電圧を発
生、維持でき、固定接触子が回動を完了した後もアーク
と第1導体部の絶縁が保たれるので、優れた限流性能や
耐久性を持った開閉器が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例による回路遮断器の
閉成状態を示す側面図である。
閉成状態を示す側面図である。
【図2】請求項1の発明の一実施例による回路遮断器の
開成状態を示す側面図である。
開成状態を示す側面図である。
【図3】請求項1の発明の一実施例による回路遮断器の
固定接触子の斜視図である。
固定接触子の斜視図である。
【図4】請求項1の発明の一実施例による回路遮断器の
動作説明図である。
動作説明図である。
【図5】請求項1の発明の一実施例による回路遮断器の
固定接触子を流れる電流が発生する磁場強度分布の説明
図である。
固定接触子を流れる電流が発生する磁場強度分布の説明
図である。
【図6】請求項1の発明の一実施例による回路遮断器の
動作説明図である。
動作説明図である。
【図7】請求項2の発明の一実施例による消弧部を示す
断面図である。
断面図である。
【図8】請求項1の発明の一実施例による消弧板と従来
の消弧板を示す比較図である。
の消弧板を示す比較図である。
【図9】請求項3の発明の一実施例による回路遮断器の
閉成状態を示す側面図である。
閉成状態を示す側面図である。
【図10】請求項3の発明の一実施例による回路遮断器
の開成状態を示す側面図である。
の開成状態を示す側面図である。
【図11】請求項3の発明の一実施例による回路遮断器
の固定接触子部の斜視図である。
の固定接触子部の斜視図である。
【図12】請求項3の発明の一実施例による回路遮断器
の動作説明図である。
の動作説明図である。
【図13】請求項3の発明の一実施例による回路遮断器
の動作説明図である。
の動作説明図である。
【図14】請求項3の発明の他の実施例による回路遮断
器の側面図である。
器の側面図である。
【図15】従来の回路遮断器の開成状態を示す側面図で
ある。
ある。
【図16】図15の回路遮断器の接点開離直後の状態を
示す側面図である。
示す側面図である。
【図17】図16の回路遮断器における可動接触子の最
大開離状態を示す側面図である。
大開離状態を示す側面図である。
1 可動接触子 2 可動接点 3 固定接点 4 固定接触子 4a 第1導体部 4d 第3導体部 4e 第2導体部 5 端子部 6 消弧板 7 消弧側板 15 絶縁物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 貢 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 三橋 孝夫 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 一端部に可動接点を有する可動接触子
と、この可動接触子の開閉動作で前記可動接点と接離可
能な固定接点を一端部に有する固定接触子と、この固定
接触子の他端部に接続する端子部とを備えた開閉器にお
いて、接点閉成状態の前記可動接点が前記固定接点から
開離する方向を上方とした時、前記固定接触子を、前記
端子部と接続する第1導体部、前記固定接点を有する第
2導体部、及び第1導体部と第2導体部を上下方向に接
続する第3導体部で構成し、可動接点と接触する前記固
定接点の接触面の位置を前記端子部の位置より下方に配
置し、第3導体部を前記固定接点の位置より可動接触子
の可動接点が設けられていない他端部側で且つ前記端子
部の反対側に配置し、第1導体部を、前記接点閉成時に
前記接点接触面の位置より上方に位置すると共に、前記
接点開成時に前記接点接触面の位置より下方に配置し、
前記接点開成時に前記可動接点表面から見渡せる前記第
1導体部の部位を絶縁物で被覆し、且つ消弧板を可動接
触子の回動を妨げないように配置すると共に、その消弧
板を支持する絶縁物でなる消弧側板の下部を前記可動接
触子の回動空間と第1導体部との間に配置したことを特
徴とする開閉器。 - 【請求項2】 消弧板を消弧側板に設けた溝で支持した
ことを特徴とする請求項1記載の開閉器。 - 【請求項3】 一端部に可動接点を有する可動接触子
と、この可動接触子の開閉動作で前記可動接点と接離可
能な固定接点を一端部に有する固定接触子と、この固定
接触子の他端部に接続する端子部とを備えた開閉器にお
いて、接点閉成状態の前記可動接点が前記固定接点から
開離する方向を上方とした時、前記固定接触子を、前記
端子部と接続する第1導体部、前記固定接点を有する第
2導体部、及び第1導体部と第2導体部を上下方向に接
続する第3導体部で構成し、可動接点と接触する前記固
定接点の接触面の位置を前記端子部の位置より下方に配
置し、第3導体部を前記固定接点の位置より可動接触子
の可動接点が設けられていない他端部側で且つ前記端子
部の反対側に配置し、第1導体部を、前記接点閉成時に
前記接点接触面の位置より上方に位置すると共に、前記
接点開成時に前記接点接触面の位置より下方に配置し、
前記接点開成時に前記可動接点表面から見渡せる前記第
1導体部の部位及び、その第1導体部の外縁の側面を絶
縁したことを特徴とする開閉器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33495892A JPH06162908A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 開閉器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33495892A JPH06162908A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 開閉器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06162908A true JPH06162908A (ja) | 1994-06-10 |
Family
ID=18283138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33495892A Pending JPH06162908A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 開閉器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06162908A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006252977A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | 回路遮断器 |
-
1992
- 1992-11-24 JP JP33495892A patent/JPH06162908A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006252977A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | 回路遮断器 |
JP4639867B2 (ja) * | 2005-03-11 | 2011-02-23 | 富士電機ホールディングス株式会社 | 回路遮断器 |
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