JP2925869B2 - 開閉器 - Google Patents

開閉器

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JP2925869B2
JP2925869B2 JP33495792A JP33495792A JP2925869B2 JP 2925869 B2 JP2925869 B2 JP 2925869B2 JP 33495792 A JP33495792 A JP 33495792A JP 33495792 A JP33495792 A JP 33495792A JP 2925869 B2 JP2925869 B2 JP 2925869B2
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和則 福谷
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貢 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、回路遮断器
や限流器または電磁接触器など、電流遮断時に容器内で
アークが発生する開閉器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図19は従来の開閉器として例えば回路
遮断器の開成時状態を示す側面図、図20は図19の回
路遮断器の接点開離直後の状態を示す側面図、図21は
図20の回路遮断器における可動接触子の最大開離状態
を示す側面図である。図に於て、1は回路遮断器の可動
接触子であり、この可動接触子1は基部の回動支点(回
動中心)14を(図20,図21参照)を中心にして回
動するように支持されている。2は前記可動接触子1の
一端(自由端部下面)に固着された可動接点、3は前記
可動接触子1の回動により可動接点2と接離する固定接
点、4はその固定接点3を一端に有する固定接触子であ
り、この固定接触子4の形状構成については後述する。
5は前記固定接触子4の他端に接続された電源側の端子
部である。6は消弧板で、前記可動接点2と前記固定接
点3との開離時にそれらの接点間に発生するアークを引
き延ばして冷却すべく機能する。7は前記消弧板6を保
持する消弧側板である。8は前記可動接触子1を回動さ
せる機構部であり、この機構部8は、電流検出部(図示
せず)を内蔵し、該電流検出部が短絡電流を検知するこ
とによって作動するようになっている。9は前記機構部
8を手動で操作するためのハンドル、10は負荷側の端
子部、11はその端子部10を前記可動接触子1に接続
する導体である。12はこれらの回路遮断器構成部品を
収納する容器、13はその容器12の壁部に設けられた
排気孔である。
【0003】ここで、前記固定接触子4の形状構成につ
いて説明する。図19〜図21において、前記固定接触
子4は、電源側の端子部5が接続されて水平方向に延び
る導体部4aと、この導体部4aにおける前記端子部5
と反対側の端部に下方へ向け折曲形成された垂直な導体
部4bと、この導体部4bの下端から前記導体部4aと
は反対側の水平方向に延びる段差状下部の導体部4c
と、この導体部4cの先端から垂直方向に立ち上がる導
体部4dと、この導体部4dの上端から前記導体部4a
側に向って水平方向に延びる導体部4eとから成る形状
に一体形成され、前記導体部4e上に固定接点3が設け
られた構成となっている。
【0004】このような形状構成の固定接触子4におい
て、段差状下部の導体部4cと固定接点3側とを接続し
ている導体部4dは、固定接点3の位置より可動接触子
1の可動接点2が固着されていない他端部側で且つ端子
部5の反対側に位置し、固定接点3を有する導体部4e
は、端子部5を有する導体部4aと同一水平面上にあっ
て、可動接点2と固定接点3相互の接点閉成時に該接点
接触面の位置より下方に位置している。かかる固定接触
子4は、その全体表面が絶縁されていない素肌露出状態
で使用されている。
【0005】次に動作について説明する。図19の状態
において、固定接触子4の端子部5を電源に接続すると
共に、負荷側の端子部10を負荷に接続する。この状態
において、ハンドル9を矢印B方向に操作すると、機構
部8が動作して可動接触子1が基部の回動支点14(図
20,図21参照)を中心として下降回動することによ
り、可動接点2が固定接点3と接触した接点閉成状態と
なって、電力が電源から負荷に供給される。この状態
で、通電の信頼性を確保するために可動接点2は固定接
点3に規定の接触圧力で押えつけられている。
【0006】ここで、回路遮断器より負荷側の回路で短
絡事故などが起こり、回路に大きな短絡電流が流れる
と、この大電流を前記機構部8内の電流検出部が検知し
て前記機構部8を作動させる。これによって、可動接触
子1が接点開離方向に回動することで可動接点2が固定
接点3から開離する。このような接点開離時には、図2
0および図21に示すように、可動接点2と固定接点3
との間にアークAが発生する。
【0007】しかし、通常、短絡電流などの大電流が流
れると、可動接点2と固定接点3の接触面における電磁
反発力が非常に強くなり、前記可動接点2にかかってい
る接触圧力に打ち勝つために、可動接触子1は機構部8
の動作を待たずに接点開離方向に回動する。従って、そ
の回動により、可動接点2と固定接点3の開離が起こ
り、それらの接点2,3間に発生したアークAは、消弧
板6で引き延ばされて冷却される。この結果、アーク抵
抗が上昇し、短絡電流が小さく絞られる限流が起こり、
電流零点で前記アークAは消弧されて電流遮断が完了す
る。
【0008】限流は、回路遮断器の保護機能を向上させ
るために非常に重要である。限流性能を高めるために
は、上述のようにアーク抵抗を増大させる必要がある。
【0009】アーク抵抗を増大させるためにアークを引
き延ばす方法としてよく使われるのは、例えば特開昭6
0−49533号公報や特開平2−68831号公報に
示されているような形状の固定接触子を利用する方法で
ある。これらの公報に示された固定接触子の形状は、図
19〜図21に示した固定接触子4の形状と基本的には
同じである。この固定接触子4による電流経路は、図1
9〜図21において、電源側の端子部5から導体部4
a,4b,4c,4d,4eを順に経て固定接点3に至
る。このような電流経路において、固定接触子4の固定
接点3側の導体部4eに流れる電流がアークAに及ぼす
電磁力は、アークAを消弧板6方向へ引き延ばす力とな
る。この結果、アーク抵抗はより高くなり限流性能の優
れた回路遮断器が得られる。
【0010】通常の交流遮断における限流性能を高める
には、上述のようにアーク抵抗を高めることが必要であ
るが、この場合、接点2,3が開離した直後の未だ電流
が最大値になる前に、アーク抵抗を高めなければならな
い。電流が大きくなった後にアーク抵抗を高めても、電
流の慣性効果のためになかなか電流は限流されない。か
えって、大電流で且つ抵抗が高いため、遮断器内で発生
するアークエネルギーが大きくなり、遮断器の損傷が激
しくなるだけである。従って、接点2,3が開離した直
後のアークを強い電磁力で大きく引き延ばし、急激にア
ーク抵抗を高めるような固定接触子形状が必要となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の固定接触子形状
を持つ開閉器は以上のように構成されているので、図2
1に示すように、接点2,3開離直後のアークAを電源
側の端子部5方向に引き延ばす電磁力を発生する固定接
触子4の電流経路は、電源側の端子部5を有する導体部
4aと同一面上で分離した固定接点3側の導体部4eだ
けであり、他の電流経路(導体部)4a,4b,4c,
4dは、全てアークAを前記端子部5と反対側に引き延
ばす電磁力を発生する。導体部4a,4cの電流は固定
接点3側の導体部4eと逆方向に流れ、これによって、
アークAを端子部5の方向と逆方向に引き延ばす電磁力
を発生させる結果となっている。また、導体部4bの電
流は、前記アークAの電流と逆方向のために反発し合
い、導体部4dの電流は前記アークAの電流と同一方向
であって引き合うため、アークAを端子部5の方向と逆
方向に引き延ばす結果となる。このため、前記電流経路
4eが発生するアークAを端子部5の方向に引き延ばす
電磁力は減少してしまう。したがって、従来の開閉器に
使用されている固定接触子4の形状では、該固定接触子
4に流れる電流の電磁力がアークを引き延ばすために効
果的に作用しないという問題点があった。
【0012】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、接点開離直後の固定接触子の全
ての電流経路が、アークを電源側の端子部方向に引き延
ばす電磁力を発生するようにして、アーク電圧を急激に
立ち上げることができると共に、アークを素早く冷却す
ることができ、高いアーク電圧を維持して優れた限流性
能が得られ、且つ、固定接点の損傷を軽減できる開閉器
を得ることを目的とする。
【0013】また、この発明は、アークをさらに素早く
冷却することができ、限流性能をさらに向上させること
ができる開閉器を得ることを目的とする。さらに、この
発明は、アークによるガスの発生を抑制できて、開閉器
内部の圧力上昇を抑えることができる開閉器を得ること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係る開閉器
は、一端部に可動接点を有する可動接触子と、この可動
接触子の開閉動作で前記可動接点と接離可能な固定接点
を一端部に有する固定接触子と、この固定接触子の他端
部に接続する電源側の端子部とを備えた開閉器におい
て、接点閉成状態の前記可動接点が前記固定接点から開
離する方向を上方とした時、前記端子部接続する第1
導体部と、前記固定接点を有して前記第1導体部の下方
に離間位置する第2導体部と、第1導体部と第2導体部
前記端子部の反対側で上下方向に接続する第3導体部
とから成り、第1導体部が、接点閉成時には該接点接触
面の位置より上方に位置し、且つ、接点開成時に前記
可動接点よりも下方に位置するように構成した固定接触
子と、前記接点開成時に前記可動接点表面から見渡せ
前記第1導体部の部位を被覆する絶縁物、前記第2
導体部に設けられ、その第2導体部上における固定接点
の近傍で且つ固定接点より前記端子部側に位置し、接点
開離時のアークを転移させて冷却するアークランナと、
前記第1導体部に設けられて固定接触子とは電気的に絶
縁され、アークを第1導体部に沿って前記端子部の方向
に導き接触・冷却する電極とを備えたものである。
【0015】この発明に係る開閉器は、一端部に可動接
点を有する可動接触子と、この可動接触子の開閉動作で
前記可動接点と接離可能な固定接点を一端部に有する固
定接触子と、この固定接触子の他端部に接続する電源側
の端子部とを備えた開閉器において、接点閉成状態の
可動接点が前記固定接点から開離する方向を上方とし
た時、前記端子部接続する第1導体部前記固定接
点を有して前記第1導体部の下方に離間位置する第2導
体部と、第1導体部と第2導体部を前記端子部の反対側
上下方向に接続する第3導体部とから成り、第1導体
が、接点閉成時には該接点接触面の位置より上方に
置し、且つ、接点開成時に前記可動接点よりも下方に
位置するように構成した固定接触子と、前記接点開成時
前記可動接点表面から見渡せる前記第1導体部の部
位を被覆する絶縁物と、前記固定接点と前記可動接点を
両側から挟み込む位置に対向配置され、前記可動接触子
の開閉動作を許容して接点開離時に発生するアークに晒
される絶縁物よりなる細隙板と、前記第2導体部に設け
られ、その第2導体部上における固定接点の近傍で且つ
固定接点より前記端子部側に位置し、接点開離時のアー
クを転移させて冷却するアークランナ、または、前記第
1導体部に設けられて固定接触子とは電気的に絶縁さ
れ、アークを第1導体部に沿って前記端子部の方向に導
き接触・冷却する電極とを備えたものである。
【0016】この発明に係る開閉器のアークランナは、
固定接点と反対側の終端部が細隙板間の空間より端子部
の方向に延び出て固定接触子と電気的に接続されている
ものである。
【0017】この発明に係る開閉器のアークランナは、
この全体が細隙板間の空間内に位置して固定接触子と電
気的に接続されているものである。
【0018】この発明に係る開閉器の固定接触子は、第
1導体部の端子部近傍から第3導体部まで延びる切り欠
き溝状のスリットを有し、このスリットの端子部側の端
部が絶縁物で被覆され、その絶縁物上に電極が配置さ
れ、この電極の端部が細隙板間の空間より端子部の方向
に延び出ているものである。
【0019】この発明に係る開閉器の固定接触子は、第
1導体部の端子部近傍から第3導体部まで延びる切り欠
き溝状のスリットを有し、このスリットの端子部側の端
部が絶縁物で被覆され、この絶縁物は第1導体部から第
3導体部まで延びて第1導体部および第3導体部の表面
とスリットの内面を覆い、電極はスリットの端子部側の
端部を覆う前記絶縁物上に配置されて細隙板間の空間内
に位置しているものである。
【0020】この発明に係る開閉器のアークランナは、
断面半円形状に形成されているものである。
【0021】この発明に係る開閉器のアークランナは、
断面三角形状に形成されているものである。
【0022】この発明に係る開閉器のアークランナは、
断面凹曲面状に形成されているものである。
【0023】
【作用】この発明における開閉器は、固定接触子の第1
導体部と第2導体部とでは電流の流れが逆方向となり、
その電流によって接点開離直後のアークが固定接触子の
電源側の端子部方向に引き延ばされることにより、高い
アーク電圧が発生し、アーク抵抗が急激に高くなる。こ
のとき、アークスポットが固定接点近傍のアークランナ
に転移して素早く冷却されることにより、アークによる
固定接点の損傷が減少する。また、上述のように引き延
ばされたアークが固定接触子の第1導体部を覆う絶縁物
に触れて冷却されることにより、上述のように急激に高
くなったアーク抵抗がさらに増大し、そのアークが固定
接触子の第1導体部の電極に接触移行してアーク長
きく維持されると共に、そのアークが第1導体部を覆う
絶縁物や前記電極によって冷却されることにより、高い
アーク電圧が維持されて優れた限流性能が得られる。
【0024】この発明における開閉器は、固定接触子の
第1導体部と第2導体部とでは電流の流れが逆方向とな
り、その電流によって接点開離直後のアークが固定接触
子の電源側の端子部方向に引き延ばされることにより、
高いアーク電圧が発生し、アーク抵抗が急激に高くな
る。また、接点を両側から挟み込む細隙板にアークが触
れることによりガスが発生し、このガスの圧力でアーク
が絞り込まれてアーク電圧がさらに一層上昇し、且つ、
アーク駆動力が強化されて可動接触子の開極速度が早め
られることにより、接点開離直後にアーク電圧を急激に
立ち上げることができる。さらには、アークランナまた
は電極と前記細隙板を備え、前記アークラ ンナの場合
は、接点開離直後のアークが前記細隙板で素早く転移さ
せられることにより、そのアークを一層素早く冷却する
ことができ、アークによる固定接点の損傷を減少し、電
極の場合は、可動接触子の開極距離の増大に伴って、固
定接触子の第1導体部の端子部方向に引き延ばされたア
ークが接触することにより、アーク長を大きく維持でき
る。したがって、高いアーク電圧を維持でき、さらに優
れた限流性能が得られる。
【0025】この発明における開閉器は、アークランナ
の固定接点と反対側の終端部が細隙板間の空間より端子
部の方向に延び出ていることにより、細隙板間の空間か
らアークランナの終端部にまで達したアークは細隙板
の空間内に戻りくなり、このため、端子部の方向に引
き延ばされたアークをそのまま維持でき、細隙板からの
ガス放出が弱まって開閉器内の圧力上昇を抑制でき、耐
久性の向上が図れると共に、さらに優れた限流性能が得
られる。
【0026】この発明における開閉器は、アークランナ
全体が細隙板間の空間内に位置して固定接触子と電気的
に接続されているので、アークが常に細隙板に触れるこ
とにより、細隙板によるアークの冷却効率が上昇してガ
スの発生を持続し、そのガスの圧力でアーク電圧がさら
に上昇し、さらに優れた限流性能が得られる。
【0027】この発明における開閉器は、固定接触子の
スリットの端子部側の端部を覆う絶縁物上に電極が配置
され、この電極にアークが触れて前記絶縁物にはアーク
が触れないので、アークによる絶縁物の劣化を電極で抑
制できる。また、電極の端部が細隙板間の空間より端子
部の方向に延びているので、電極の端部にまで達したア
ークは細隙板間に戻り難くなり、このため、端子部の方
向に引き延ばされたアークをそのまま維持でき、細隙板
からのガス放出が弱まって開閉器内の圧力上昇を抑制で
き、耐久性の向上が図れると共に、さらに優れた限流性
能が得られる。
【0028】この発明における開閉器は、固定接触子の
第1導体部と第3導体部の表面およびスリットの内面が
絶縁物で覆われていることにより、アークの冷却効率が
向上 すると共に、アークによる固定接触子の消耗を大幅
に減少できて固定接触子の耐久性が向上する。また、電
極の全体が細隙板間の空間内に位置していることによ
り、アークが常に細隙板に触れ、この細隙板によっても
アークの冷却効率が上昇してガスの発生を持続し、その
ガスの圧力でアーク電圧がさらに上昇し、さらに優れた
限流性能が得られる。
【0029】この発明における開閉器は、断面半円形状
アークランナによって、細隙板に向かうアークの吹き
出しが多くなり、細隙板間のガス圧強化されるた
め、より高いアーク電圧を発生させて維持することがで
き、さらに優れた限流性能が得られる。
【0030】この発明における開閉器は、断面三角形状
アークランナによって、細隙板に向かうアークの吹き
出しが少なくなり、細隙板間のガス圧力が弱まり、ま
た、アークが三角形断面の頂点部に集中することによ
り、アーク駆動磁場を中央で受け、強力なアーク駆動力
安定して得られる
【0031】この発明における開閉器は、断面凹曲面状
アークランナによって、細隙板に向かうアークの吹き
出しが少なくなり、細隙板間のガス圧弱まる。
【0032】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の一実施例を図について説明する。図1
の発明の請求項1に対応した実施例による回路遮
断器の閉成状態を示す側面図、図2は図1の回路遮断器
の開成状態を示す側面図であり、図19〜図21と同一
または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略す
る。図において、4は一端部に固定接点3が設けられた
固定接触子であり、この固定接触子4は、第1導体部4
aと第2導体部4eと第3導体部4dとから構成されて
いる。
【0033】更に詳しく述べると、図1の接点閉成状態
において、可動接触子1の可動接点2が固定接点3から
開離する方向を上方とした時、前記固定接触子4は、電
源側の端子部5が接続されて水平方向に延びる第1導体
部4aと、この第1導体部4aの下方に離間位置した第
2導体部4eと、この第2導体部4eと前記第1導体部
4aを前記端子部5の反対側で上下方向に接続している
第3導体部4dとから成る形状に一体形成され、前記第
2導体部4e上に固定接点3を固着してその固定接点3
を第1導体部4aの下方に位置させた構成となってい
る。
【0034】そして、前記固定接触子4は、固定接点3
の位置より可動接触子1の可動接点2が固着されていな
い他端側で、且つ、前記端子部5の反対側(可動接触子
1の回動支点14側)に第3導体部4dが位置する向き
として容器12に取付けセットされている。この場合、
第1導体部4aは、固定接点3に可動接点2が接触した
接点閉成時にその接点接触面より上方に全て位置し、且
つ、接点開成時に可動接点2の接触面より下方に位置す
る配置としてある。また、15は接点開離時に可動接点
2の表面から見渡せる第1導体部4aを被覆した絶縁物
である。
【0035】図1および図2に示した消弧板6は、可動
接触子1の回動を妨げないようにするための切欠部(図
示せず)が設けられた構成となっている。13容器1
2に設けられた排気孔、17は固定接触子4の第1導体
部4aにアーク制御部の一つとして設けられた電極であ
り、この電極17は、可動接触子1の開極距離の増大に
伴って第1導体部4aの端子部5側に引き延ばされたア
ークを接触させて冷却するもので、両接点からのアーク
を中継する働きを持ち、固定接触子4とは電気的に絶縁
されている。25は固定接触子4の第2導体部4e上に
アーク制御部の一つとして設けられたアークランナであ
り、このアークランナ25は、固定接点3の近傍で且つ
固定接点3より端子部5側に位置して固定接触子4に電
気的に接続され、接点開離直後のアークを固定接点3か
ら転移させるものである。なお、図1および図2におい
ては、図21に示した従来の回路遮断器における機構部
8とハンドル9および負荷側の端子部10を省略してお
り、これらは、当然、容器12内に収納配置されてい
る。
【0036】図3(a)は上記実施例1による固定接触
子を示す斜視図、図3(b)は図3(a)の固定接触子
と絶縁物と電極とアークランナの関連構成を示す斜視図
である。図3(a)に示す固定接触子4は、第1導体部
4aと第2導体部4eと第3導体部4dとによって一体
形成され、第1導体部4aの電源接続側の端部に電源側
の端子部5が接続されている。また、第2導体部4eの
上面部に固定接点3が固着されている。さらに、固定接
触子4において、前記固定接点3の固着面より上方に位
置する接続導体部(第1導体部4aと第3導体部4d)
には、第2導体部4e上の固定接点3に対する可動接触
子1の開閉動作を妨げないようにするためのスリット4
0が設けられている。
【0037】図3(b)において、15は絶縁物であ
り、この絶縁物15は、前記固定接触子4の表面と前記
スリット40の内面を、第1導体部4aの端子部5
続部近傍から第3導体部4dにわたって被覆している
【0038】次に動作について説明する。短絡電流など
の大電流が流れると、機構部の動作を待たずに可動接触
子1が回動し、可動接点2固定接点3が開離し、可
動接点2と固定接点3の間にアークが発生することは
来と同様である。図4は接点開離直後の可動接点2の
接触面がまだ固定接触子4の端子部5に接続される第1
導体部4aより下方にある状態を示している。端子部5
から固定接触子4の第1導体部4aまでで構成される電
流経路は、全てアークAより上方にある。この結果、こ
の電流経路が発生するアークに作用する電磁力は、ア
ークAを端子部5側に引き延ばす力となる。ここで、固
定接触子4の第3導体部4dに流れる電流はアーク
電流と逆方向になるので、第3導体部4dを流れる電流
による電磁力もアークを端子部5側に引き延ばす力とな
る。したがって、この固定接触子4に流れる電流が発生
する電磁力は、全てアークを端子部5側に引き延ばす
力となる。この結果、接点開離直後のアーク、固定
接点3からアークランナ25に素早く転移する。このた
め、アークAによる固定接点3の消耗が減少する。ま
、アークAは電磁力で端子部5の方向へ伸長されるこ
とにより、アーク抵抗が急激に高くなる。
【0039】図5(a)は可動接触子と固定接触子の側
面図、図5(b)は図5(a)のC−C線矢視断面図で
ある。図において、41はスリット40を挟む左右両側
の第1導体部4aの各断面の重心である。図5(c)
論計算求めた固定接触子4を流れる電流がつくる図
5(b)のZ軸上での磁場強度分布である。図5(c)に
おいて正方向の磁場がアークを端子部5側に引き延ば
す磁場成分(以下アーク駆動磁場と呼ぶ)である。図
5(b)で示すように第1導体部4aは可動接触子1
動平面から左右にずれた所に位置する。このような
導体配置では、第2導体部4eおよび第3導体部4dを
流れる電流の影響のため、図5(c)に示すように第1
導体部4aより上部の空間(領域Z0)までアーク駆動
磁場が存在する。そのため、図6のように可動接点面が
第1導体部4aより上方まで回動すると、第1導体部4
aのスリット40の部分において、アークは端子部5
に力を受け、第1導体部4aを覆う絶縁物15上に配
置された電極17に触れて冷却される。ここで、電極1
7は固定接触子4とは電気的に絶縁されているため、固
定接触子側のアークスポットは最後までアークランナ
25上にあり、同図中のアークAのようにアーク長が長
く保たれる。この結果、高いアーク電圧を維持したまま
容器12内の圧力上昇を抑制することができる。また、
遮断後期のアークAは電極17部分に導かれるため、ア
ークは消弧板6(図6には示されていない)に触れや
すく、冷却、分断されて効果的に消弧されるので、接点
消耗が少なく優れた限流性能および遮断性能を有する
遮断器が得られる。
【0040】なお、上記実施例1では遮断器の場合につ
いて説明したが、他の開閉器であってもよく、上記実施
例1と同様の効果を奏する。
【0041】実施例2. 図7(a)はの発明の請求項2に対応した実施例
よる回路遮断器の閉成状態を示す側面図、図7(b)は
図7(a)D−D断面図である。図において、59
は接点を両側から狭い間隔で挟み込むように対向配置さ
れた絶縁物よりなる細隙板であり、この細隙板59間の
空間内にアークランナ25が配置されて いる。図8は
7(a)の可動接触子の開極時状態を示す側面図、図9
(a)は図7(a)の固定接触子の斜視図図9(b)
図7(a)の固定接触子と絶縁物とアークランナとの
関連構成を示す斜視図である。なお、この実施例2によ
る回路遮断器のその他の構成は上記実施例1と同一の
め、その同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0042】次に動作について説明する。図10(a)
図7(a)の回路遮断器の接点開離直後の状態を示す
側面図であり、可動接点2の接触面がまだ固定接触子4
の第1導体部4a下方にある状態を示している。端
部5から固定接触子4の第1導体部4aまでで構成され
る電流経路は、全てアークAより上方にある。この結
果、この電流経路が発生するアークに作用する電磁力
は、アークを端子部5側に引き延ばす力となる。ここ
で、固定接触子4の第3導体部4dに流れる電流はアー
の電流と逆方向になるので、第3導体部4dを流れ
る電流による電磁力もアークを端子部5側に引き延ばす
力となる。したがって、この固定接触子4に流れる電流
が発生する電磁力は、全てアークを端子部5側に引き
延ばす力となる。また、接点を両側から挟み込む細隙板
59にアークAが触れることによりガスが発生し、この
ガスの圧力でアークAが絞り込まれてアーク電圧がさら
に一層上昇し、且つ、アーク駆動力が強化され、可動接
触子1の開極速度が早められる。この結果、接点開離直
後のアーク、固定接点3からアークランナ25に
早く転移する。このため、アークAによる固定接点3の
消耗が減少する。ま、アークAは電磁力で端子部5の
方向へ伸長されることにより、アーク抵抗が急激に高く
なる。
【0043】図10(b)は図10(a)E−E線拡
大断面図である。ここで、可動接触子1は回動途中の状
態を示している。接点2,3間に発生したアークAは、
その接点2,3の両側に狭い間隔で配置された細隙板5
9に触れる(以下細隙板59のアークされてい
る面を細隙面と呼ぶ)ことにより冷却されてアーク電圧
が上昇する。このとき、上述のように、細隙板59が放
出するガスの圧力上昇によって、可動接触子1の開極
が早くなり、アークの引きばしが一層早くなるの
である。
【0044】また、図5()で示したように、固定接
触子4の第2導体部4e第3導体部4dに流れる電流
の影響のため、第1導体部4aより上部の空間Z0まで
磁場が存在し、アーク端子部側に力を受け、図11
のように可動接点面が第1導体部4aより上部まで回動
しても、第1導体部4aのスリット40の部分におい
て、アークは端子部5側に力を受け、スリット40に
おける端子部5側の奥部を覆う絶縁物15aに押しつけ
られ冷却される。この結果、接点開離直後に急激に高
くなったアーク抵抗がさらに増大し、高いアーク電圧が
維持される。また、上述のように、可動接点面が第1導
体部4aの上部まで回動しても、細隙板59がアーク
に晒されているために、上述のガス圧によって可動接触
子1の開極速度が鈍るのを防ぎ、優れた限流性能および
遮断性能を有する遮断器が得られる。
【0045】実施例3. 図12はの発明の請求項3に対応した実施例による
回路遮断器を示す側面図である。図において、25
アークランナ25の端子部5側の終端部であり、この終
端部25aは、細隙板59間の空間より端子部5側に延
び出たものとなっている。 この実施例3によると、接点
2,3間に発生したアークAは、固定接触子4の強いア
ーク駆動磁場と細隙板59が放出するガスの圧力上昇に
より、アークランナ25に瞬時に転移してその終端部2
5aまで駆動される。このため、アークAは端子部5の
方向へ素早く引き延ばされ、スリット40の奥部の絶縁
物15aに強く押しつけられて冷却されることにより、
アーク抵抗が急激に高くなる。また、アークランナ25
の終端部25aが細隙板59間の空間より端子部5の方
向に延びているため、細隙板59間の空間からアークラ
ンナ25の終端部25aにまで達したアークは細隙板間
の空間内に戻り難くなり、このため、端子部の方向に引
き延ばされたアークAはそのまま維持され、細隙板59
からのガス放出が弱ま って容器12内の圧力上昇が抑制
される。この結果、接点開離直後からアークを大きく
引き延ばし、可動接触子1が最大開極位置まで回動した
後も高いアーク電圧維持できると共に、接点消耗
が少なく、且つ、耐久性が向上し、さらに優れた限流性
能が得られる。
【0046】実施例4. 図13はこの発明の請求項4に対応した実施例による
回路遮断器を示す側面図である。この実施例4では、細
隙板59間の空間から端子部5の方向にアークランナ2
5の終端部25aが突き出ないように、アークランナ2
5の全体を細隙板59間の空間内に位置させたものであ
る。 この実施例4によれば、アークランナ25全体を細
隙板59間の空間内に位置させて固定接触子4と電気的
に接続したので、アークAが常に細隙板59に触れるこ
とにより、細隙板59によるアーク冷却効率が上昇して
ガスの発生を持続し、そのガスの圧力でアーク電圧がさ
らに上昇し、さらに優れた限流性能が得られる。
【0047】実施例5. 図14はこの発明の請求項5に対応した実施例による
回路遮断器を示す側面図である。図において、17aは
アーク制御部の一つである電極17の上下方向の端部で
あり、この端部17aは細隙板59間の空間から端子部
5の方向に延び出ている。即ち、この実施例5では、固
定接触子4のスリット40における端子部5側の端部を
覆う絶縁物15a上に電極17を配置し、この電極17
の上下方向の端部17aを細隙板59間の空間より端子
部5の方向に延出させたものである。 この実施例5によ
れば、固定接触子4のスリット40の端子部5側の端部
を覆う絶縁物15a上に電極17が配置され、この電極
17にアークが触れて前記絶縁物15aにはアークが触
れないので、アークによる絶縁物の劣化を電極17で抑
制できる。また、電極17の端部17aが細隙板59間
の空間より端子部5の方向に延びているので、電極17
の端部17aにまで達したアークは細隙板59 間に戻り
難くなる。このため、接点開離直後からアークを大きく
引き延ばし、可動接触子1が最大開極位置まで回動した
後も、高いアーク電圧を維持できると共に、、細隙板5
9からのガス放出が弱まって開閉器(容器12)内の圧
力上昇を抑制でき、耐久性の向上が図れると共に、さら
に優れた限流性能が得られる。
【0048】実施例6. 図15はこの発明の請求項6に対応した実施例による
回路遮断器を示す側面図である。この実施例6では、固
定接触子4の第1導体部4aと第3導体部4dの表面お
よびスリット40の内面を覆っている絶縁物15におい
て、端子部5側の絶縁物15a上に配置された電極17
の端部17aが細隙板59間の空間から端子部5の方向
に突き出ないように、電極17の全体を細隙板59間の
空間内に位置させたものである。 この実施例6によれ
ば、固定接触子4の第1導体部4aと第3導体部4dの
表面およびスリット40の内面が絶縁物15で覆われて
いるので、アークの冷却効率が向上すると共に、アーク
による固定接触子4の消耗を大幅に減少できて固定接触
子4の耐久性が向上する。また、電極17の全体が細隙
板59間の空間内に位置しているので、アークが常に細
隙板59に触れ、この細隙板59によってもアークの冷
却効率が上昇してガスの発生を持続し、そのガスの圧力
でアーク電圧がさらに上昇し、さらに優れた限流性能が
得られる。
【0049】実施例7. 図16(a)はこの発明の請求項7に対応した実施例
によるアークランナを示す平面図、図16(b)は図7
(a)のD−D線に相当する図16(a)のD−D線断
面図である。この実施例7では、アークランナ25を断
面半円形状に形成したものである。この実施例7によれ
ば、図7(a)において、接点2,3間に発生したアー
Aが、強いアーク駆動磁場とガス圧力の上昇により
瞬時にアークランナ25に転移し、気中アークの付け根
にあたるアークスポットもアークランナ25上に移る。
ここで、アークは金属表面からほぼ垂直方向に吹き出す
ので、四角形のアークランナに比して細隙面に向かう
アークの吹き出しが多くなり、細隙面のガス圧強化
されるため、より高いアーク電圧を発生させて維持する
ことができ、さらに優れた限流性能を有する遮断器が得
られる。
【0050】実施例8. 図17(a)はこの発明の請求項8に対応した実施例
によるアークランナを示す平面図、図17(b)は図7
(a)のD−D線に相当する図17(a)のD−D線断
面図である。この実施例8では、アークランナ25を断
三角形状に形成したものである。この実施例7によれ
ば、図7(a)において、接点2,3間に発生したアー
Aが、強いアーク駆動磁場とガス圧力の上昇により
瞬時にアークランナ25に転移し、気中アークの付け根
にあたるアークスポットもアークランナ25上に移る。
ここで、アークは、アークランナ25の三角形断面の頂
点部に集中するので、四角形のアークランナに比して
細隙面に向かうアークの吹き出しが少なくなり、細隙面
のガス圧力も弱くなる。また、アークランナ25の三角
形断面の頂点部にアークが集中することで、固定接触子
4の第1導体部4aおよび第3導体部4dの並列導体が
作るアーク駆動磁場を中央で受けることなり、強いアー
駆動力安定して得られる。この結果、接点開離直後
からアークを大きく引き延ばし高いアーク電圧が維持
されるので、耐久性く且つ限流性能に優れた遮断器
が得られる。
【0051】実施例9. 図18(a)はこの発明の請求項9に対応した実施例9
によるアークランナを示す平面図、図18(b)は図7
(a)のD−D線に相当する図18(a)のD−D線断
面図である。この実施例9では、アークランナ25を断
面凹曲面状に形成したものである。この実施例9によれ
ば、図7(a)において、接点2,3間に発生したアー
Aが、強いアーク駆動磁場とガス圧力の上昇により
瞬時にアークランナ25に転移し、気中アークの付け根
にあたるアークスポットもアークランナ25上に移る。
ここで、アークは金属表面からほぼ垂直方向に吹き出す
ので、四角形状のアークランナに比して細隙面に向かう
アークの吹き出しが少なくなり、細隙面のガス圧
くなる。この結果、容器割れを防止でき、耐久性 高く
且つ限流性能に優れた遮断器が得られる。なお、上記
実施例2〜実施例9では遮断器について説明したが、他
の開閉器であってもよく、同様の効果を奏する。
【0052】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、電源
側の端子部に接続する第1導体部と、固定接点を有して
第1導体部の下方に離間位置する第2導体部と、第1導
体部と第2導体部を電源側の端子部の反対側で上下方向
に接続する第3導体部とから成り、第1導体部が、接点
閉成時には該接点接触面の位置より上方に位置し、且
つ、接点開成時には可動接触子の可動接点よりも下方に
位置するように構成した固定接触子と、接点開成時に可
動接点の表面から見渡せる第1導体部の部位を被覆する
絶縁物と、第2導体部上に設けられて固定接点の近傍で
且つ固定接点より前記端子部側に位置し、接点開離時の
アークを転移させて冷却するアークランナと、前記第1
導体部に設けられて固定接触子とは電気的に絶縁され、
アークを第1導体部に沿って前記端子部の方向に導き接
触・冷却する電極とを備えてなる構成としたので、固定
接触子の第1導体部と第2導体部とでは電流の流れが逆
方向となり、その電流で接点開離直後のアークが電源側
の端子部方向に引き延ばされることにより、アーク抵抗
が急激に高くなり、このとき、アークスポットが固定接
点近傍のアークランナに転移して素早く冷却されること
により、アークによる固定接点の損傷が減少するという
効果がある。また、上述のように引き延ばされたアーク
が固定接触子の第1導体部を覆う絶縁物に触れて冷却さ
れることにより、上述のように急激に高くなったアーク
抵抗がさらに増大し、そのアークが固定接触子の第1導
体部の電極に接触移行してアーク長が大きく維持される
と共に、そのアークが第1導体部を覆う絶縁物や前記電
極によって冷却されることにより、高いアーク電圧が維
持されて優れた限流性能が得られるという効果がある。
【0053】の発明によれば、電源側の端子部に接続
する第1導体部と、固定接点を有して第1導体部の下方
に離間位置する第2導体部と、第1導体部と第2導体部
を電源側の端子部の反対側で上下方向に接続する第3導
体部とから成り、第1導体部 が、接点閉成時には該接点
接触面の位置より上方に位置し、且つ、接点開成時には
可動接触子の可動接点よりも下方に位置するように構成
した固定接触子と、接点開成時に可動接点の表面から見
渡せる第1導体部の部位を被覆する絶縁物と、接点を両
側から挟み込む位置に対向配置され、可動接触子の開閉
動作を許容して接点開離時に発生するアークに晒される
絶縁物よりなる細隙板と、第2導体部上に設けられて固
定接点の近傍で且つ固定接点より前記端子部側に位置
し、接点開離時のアークを転移させて冷却するアークラ
ンナ、または、前記第1導体部に設けられて固定接触子
とは電気的に絶縁され、アークを第1導体部に沿って前
記端子部の方向に導き接触・冷却する電極とを備えてな
る構成としたので、固定接触子の第1導体部と第2導体
部とでは電流の流れが逆方向となり、その電流によって
接点開離直後のアークが固定接触子の電源側の端子部方
向に引き延ばされることにより、高いアーク電圧が発生
し、アーク抵抗が急激に高くなる。また、接点を両側か
ら挟み込む細隙板にアークが触れることによりガスが発
生し、このガスの圧力でアークが絞り込まれてアーク電
圧がさらに一層上昇し、且つ、アーク駆動力が強化され
て可動接触子の開極速度が早められることにより、接点
開離直後にアーク電圧を急激に立ち上げることができる
という効果がある。さらには、アークランナまたは電極
と前記細隙板を備え、前記アークランナの場合は、接点
開離直後のアークが前記細隙板で素早く転移させられる
ことにより、そのアークを一層素早く冷却することがで
き、アークによる固定接点の損傷を減少し、電極の場合
は、可動接触子の開極距離の増大に伴って、固定接触子
の第1導体部の端子部方向に引き延ばされたアークが接
触することにより、アーク長を大きく維持でき、したが
って、高いアーク電圧を維持でき、さらに優れた限流性
が得られるという効果がある。
【0054】の発明によれば、アークランナの固定接
点と反対側の終端部が細隙板間の空間より端子部の方向
に延びるように構成したので、細隙板間の空間からアー
クランナの終端部にまで達したアークが細隙板間の空間
内に戻り難くなり、このため、細隙板からのガス放出が
弱まって開閉器内の圧力上昇を抑制でき、耐久性の向上
が図れると共に、さらに優れた限流性能が得られるとい
効果がある。
【0055】の発明によれば、アークランナ全体が細
隙板間の空間内に位置して固定接触子と電気的に接続さ
れるように構成したので、アークが常に細隙板に触れる
ことにより、細隙板によるアークの冷却効率が上昇して
ガスの発生を持続し、そのガスの圧力でアーク電圧がさ
らに上昇し、さらに優れた限流性能が得られるという
果がある。
【0056】の発明によれば、固定接触子が第1導体
部の端子部近傍から第3導体部まで延びる切り欠き溝状
のスリットを有し、このスリットの端子部側の端部が絶
縁物で被覆され、その絶縁物上に電極が配置され、この
電極の端部が細隙板間の空間から端子部の方向に延びる
ように構成したので、前記電極で前記絶縁物をアークか
ら保護でき、このため、アークによる絶縁物の劣化を電
極で抑制できるという効果がある。また、電極の端部が
細隙板間の空間より端子部の方向に延びているので、電
極の端部にまで達したアークは細隙板間に戻り難くな
り、このため、端子部の方向に引き延ばされたアークを
そのまま維持でき、細隙板からのガス放出が弱まって開
閉器内の圧力上昇を抑制でき、耐久性の向上が図れると
共に、さらに優れた限流性能が得られるという効果があ
る。
【0057】の発明によれば、固定接触子の第1導体
部と第3導体部の表面およびスリットの内面が絶縁物で
覆われるように構成したので、絶縁物によるアークの冷
却効率が向上すると共に、アークによる固定接触子の消
耗を大幅に減少できて固定接触子の耐久性が向上すると
いう効果がある。また、電極の全体が細隙板間の空間内
に位置するように構成したので、アークが常に細隙板に
触れ、この細隙板によってもアークの冷却効率が上昇し
てガスの発生を持続し、そのガスの圧力でアーク電圧が
さらに上昇し、さらに優れた限流性能が得られるという
効果がある。
【0058】この発明によれば、アークランナを断面半
円形状に形成したので、細隙板に向かうアークの吹き出
しが多くなって、細隙板間のガス圧力が強化され、この
ため、より高いアーク電圧を発生させて維持することが
でき、さらに優れた限流性能 が得られるという効果があ
る。
【0059】この発明によれば、アークランナを断面三
角形状に形成したので、そのアークランナによって、
板に向かうアークの吹き出しが少なくなり、細隙板間
のガス圧弱まり、また、アークが三角形断面の頂点
部に集中することにより、アーク駆動磁場を中央で受
け、強力なアーク駆動力安定して得られるという効果
がある。
【0060】この発明によれば、アークランナを断面凹
曲面状に形成したので、そのアークランナによって、
板に向かうアークの吹き出しが少なくなり、細隙板間
のガス圧弱まり、細隙板および開閉器の耐久性が向
上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】の発明の実施例による回路遮断器の閉成状
態を示す消弧部の側面図である。
【図2】図1の回路遮断器の開成状態を示す側面図であ
る。
【図3】図3(a)はこの発明の実施例1による固定接
触子を示す斜視図、図3(b)は図3(a)の固定接触
子と絶縁物と電極とアークランナの関連構成を示す斜視
図である。
【図4】図1の回路遮断器の接点開離直後の状態を示す
側面図である。
【図5】図5(a)は図4中の可動接触子と固定接触子
を抽出して示す側面図、図5(b)は図5(a)のC−
C線矢視断面図、図5(c)は図5(b)のZ軸上で固
定接触子を流れる電流がつくる磁場強度分布を示すグラ
図である。
【図6】図4の回路遮断器の接点最大開離状態を示す側
面図である。
【図7】図7(a)この発明の実施例による回路遮断
器の閉成状態を示す側面図、図7(b)は図7(a)の
D−D線断面図である。
【図8】図7(a)の回路遮断器の開成状態を示す側面
図である。
【図9】図9(a)は図7(a)中の固定接触子の斜視
図、図9(b)は図7(a)中の固定接触子と絶縁物と
アークランナとの関連構成を示す斜視図である。
【図10】図10(a)は図7(a)の回路遮断器の接
点開離直後の状態を示す側面図、図10(b)は図10
(a)のE−E線断面図である。
【図11】図10(a)の回路遮断器の接点最大開離状
態を示す側面図である。
【図12】の発明の実施例による回路遮断器を示す
側面図である。
【図13】の発明の実施例による回路遮断器を示す
側面図である。
【図14】の発明の実施例による回路遮断器を示す
側面図である。
【図15】の発明の実施例による回路遮断器を示す
側面図である。
【図16】図16(a)はこの発明の実施例7によるア
ークランナを示す平面図、図16(b)は図16(a)
のD−D線断面図である。
【図17】図17(a)はこの発明の実施例8によるア
ークランナを示す平面図、図17(b)は図17(a)
のD−D線断面図である。
【図18】図18(a)はこの発明の実施例9によるア
ークランナを示す平面図、図18 (b)は図18(a)
のD−D線断面図である。
【図19】従来の回路遮断器の開成状態を示す側面図で
ある。
【図20】図19の回路遮断器の接点開離直後の状態を
示す側面図である。
【図21】図20の回路遮断器における可動接触子の最
大開離状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 可動接触子 2 可動接点 3 固定接点 4 固定接触子 4a 第1導体部 4d 第3導体部 4e 第2導体部 5 端子部 15,15a 絶縁物 17 電極17a 電極の端部 25 アークランナ25a アークランナの終端部 59 細隙板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 貢 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 三橋 孝夫 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−262334(JP,A) 特開 昭62−123627(JP,A) 特開 平4−334893(JP,A) 実開 昭62−88351(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01H 69/00 - 83/22

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部に可動接点を有する可動接触子
    と、この可動接触子の開閉動作で前記可動接点と接離可
    能な固定接点を一端部に有する固定接触子と、この固定
    接触子の他端部に接続する電源側の端子部とを備えた開
    閉器において、接点閉成状態の前記可動接点が前記固定
    接点から開離する方向を上方とした時、前記端子部
    続する第1導体部、前記固定接点を有して前記第1導
    体部の下方に離間位置する第2導体部と、第1導体部と
    第2導体部を前記端子部の反対側で上下方向に接続する
    第3導体部とから成り、第1導体部が、接点閉成時に
    接点接触面の位置より上方に位置し、且つ、接点開成
    時に前記可動接点よりも下方に位置するように構成し
    た固定接触子と、前記接点開成時に前記可動接点表面
    から見渡せる前記第1導体部の部位を被覆する絶縁物
    と、前記第2導体部に設けられ、その第2導体部上にお
    ける固定接点の近傍で且つ固定接点より前記端子部側に
    位置し、接点開離時のアークを転移させて冷却するアー
    クランナと、前記第1導体部に設けられて固定接触子と
    は電気的に絶縁され、アークを第1導体部に沿って前記
    端子部の方向に導き接触・冷却する電極とを備えたこと
    を特徴とする開閉器。
  2. 【請求項2】 一端部に可動接点を有する可動接触子
    と、この可動接触子の開閉動作で前記可動接点と接離可
    能な固定接点を一端部に有する固定接触子と、この固定
    接触子の他端部に接続する電源側の端子部とを備えた開
    閉器において、接点閉成状態の前記可動接点が前記固定
    接点から開離する方向を上方とした時、前記端子部
    続する第1導体部、前記固定接点を有して前記第1導
    体部の下方に離間位置する第2導体部と、第1導体部と
    第2導体部を前記端子部の反対側で上下方向に接続する
    第3導体部とから成り、第1導体部が、接点閉成時に
    接点接触面の位置より上方に位置し、且つ、接点開成
    時に前記可動接点よりも下方に位置するように構成し
    た固定接触子と、前記接点開成時に前記可動接点表面
    から見渡せる前記第1導体部の部位を被覆する絶縁物
    前記固定接点と前記可動接点を両側から挟み込む位
    置に対向配置され、前記可動接触子の開閉動作 を許容し
    て接点開離時に発生するアークに晒される絶縁物よりな
    る細隙板と、前記第2導体部に設けられ、その第2導体
    部上における固定接点の近傍で且つ固定接点より前記端
    子部側に位置し、接点開離時のアークを転移させて冷却
    するアークランナ、または、前記第1導体部に設けられ
    て固定接触子とは電気的に絶縁され、アークを第1導体
    部に沿って前記端子部の方向に導き接触・冷却する電極
    とを備えたことを特徴とする開閉器。
  3. 【請求項3】 アークランナは、固定接点と反対側の終
    端部が細隙板間の空間より端子部の方向に延び出て固定
    接触子と電気的に接続されていることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の開閉器。
  4. 【請求項4】 アークランナは、この全体が細隙板間の
    空間内に位置して固定接触子と電気的に接続されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の開閉
    器。
  5. 【請求項5】 固定接触子は、第1導体部の端子部近傍
    から第3導体部まで延びる切り欠き溝状のスリットを有
    し、このスリットの端子部側の端部が絶縁物で被覆さ
    れ、その絶縁物上に電極が配置され、この電極の端部が
    細隙板間の空間より端子部の方向に延び出ていることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の開閉器。
  6. 【請求項6】 固定接触子は、第1導体部の端子部近傍
    から第3導体部まで延びる切り欠き溝状のスリットを有
    し、このスリットの端子部側の端部が絶縁物で被覆さ
    れ、この絶縁物は第1導体部から第3導体部まで延びて
    第1導体部および第3導体部の表面とスリットの内面を
    覆い、電極は前記スリットの端子部側の端部を覆う前記
    絶縁物上に配置されて細隙板間の空間内に位置している
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の開閉
    器。
  7. 【請求項7】 アークランナは、断面半円形状に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の開閉器。
  8. 【請求項8】 アークランナは、断面三角形状に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の開閉器。
  9. 【請求項9】 アークランナは、断面凹曲面状に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の開閉器。
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