JPH0616239A - 磁気浮上搬送装置 - Google Patents

磁気浮上搬送装置

Info

Publication number
JPH0616239A
JPH0616239A JP17111192A JP17111192A JPH0616239A JP H0616239 A JPH0616239 A JP H0616239A JP 17111192 A JP17111192 A JP 17111192A JP 17111192 A JP17111192 A JP 17111192A JP H0616239 A JPH0616239 A JP H0616239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
coil
moving body
levitation
magnetic levitation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17111192A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Dairoku
範行 大録
Tomohiko Murase
友彦 村瀬
Tomoaki Sakata
智昭 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP17111192A priority Critical patent/JPH0616239A/ja
Publication of JPH0616239A publication Critical patent/JPH0616239A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Linear Motors (AREA)
  • Non-Mechanical Conveyors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浮上移動体を無摺動,無発塵で、しかも分岐
や追越しを可能にして、長時間安定して搬送することが
できる磁気浮上搬送装置の提供。 【構成】 平面状の架台と該架台上に格子状に配設され
た多数の磁気コイルとにより形成された搬送路と、複数
個の永久磁石を有し、前記磁気コイルに印加した電流に
より該永久磁石との間に発生する磁気モーメントを介し
て磁気コイル上に浮上して前記搬送路に沿って搬送され
る浮上移動体とを備えた磁気浮上搬送装置において、前
記磁気コイルを多角形状に形成し、該各磁気コイルを規
則的に、かつ連続して、互いに多角形状の辺を隣接させ
て該各辺間をほぼ隙間の無い状態に配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウエハや回路基板等を
搬送する磁気浮上搬送装置に係り、特に浮上移動体を無
摺動,無発塵で、しかも分岐や追越しを可能にして、長
時間安定して搬送するのに好適な磁気浮上搬送装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気浮上搬送装置として、凹形鉄
心と励磁用コイルとからなる浮上用の直流マグネット
を、磁性材料で構成された架台に取り付け、該架台にも
直流マグネットによる磁気回路が形成されるようにし、
前記励磁用コイルへの通電により凹形鉄心に発生する吸
引力を適宜制御することにより、鋼板を吸引して浮上搬
送させることができる構成のもの(例えば、実公昭59
−28985号公報)が提案されている。
【0003】また、被搬送物を浮上移動させる浮上移動
体に、電源のほか演算増幅機や磁気コイル等を搭載し、
移動用のレールを跨いで浮上移動体に設けたセンサーで
磁気コイルを操作する構成のリニアモーターカーが公知
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】半導体の搬送装置周辺
でのウエハの搬送や、大形液晶成膜装置周辺におけるガ
ラス基板の搬送等は、塵埃の発生を極度に防止した高ク
リーンルーム内で、かなり長距離にわたって安定して行
われる必要がある。しかし、前記従来の鋼板を吸引して
浮上搬送させる磁気浮上搬送装置は、反発式の磁気浮上
構造に比べて搬送中の制御が容易になる利点があるもの
の、浮上用の直流マグネットの配置は被搬送物の上方に
限定する必要があり、これらに積もった塵埃が被搬送物
上に落下してくる危険性が大きく、高クリーンルーム内
においては使用することができない問題点を有してい
た。
【0005】また、前記リニアモーターカーは、電池電
源を搭載する場合は、長時間の搬送は困難であり、その
ため、移動可能範囲が限定されて長距離の搬送ができな
い問題点があった。一方、固定側より集電する場合に
は、発塵の問題点のほか、浮上移動体が大形にならざる
を得ない問題点を有し、ウエハ等の軽量物搬送には経済
的に不向きであるとともに、搬送路における浮上移動体
の分岐や追越しに際しては、ポイント切り換えのような
搬送路の移動を伴い、それが発塵の原因になっていた。
【0006】さらに、反発式の磁気浮上構造の場合は、
反発力による回転モーメントが浮上移動体を横ずれまた
は回転させ、各種の位置誤差発生の原因になり、安定な
浮上を困難にしていた。また、浮上移動体に永久磁石を
設けるため、固定側の電磁石に磁性体からなる磁心を使
用すると、磁心の磁化には非直線性があり、磁心の磁気
飽和付近で磁気コイルの発生する磁界と磁気コイルの印
加電流との関係に線形性がなくなり、浮上移動体の位置
および方向の制御が困難になる。そして、浮上移動体に
設けた永久磁石が逆に磁心を磁化して互いに吸着するこ
とがあるため、強力な永久磁石を使用することができ
ず、被搬送物を安定して搬送することができない一原因
になっていた。
【0007】そして、従来の反発式の磁気浮上構造で
は、円形の磁気コイルが使用されるが、その場合には隣
接する磁気コイル間にどうしても間隙が生じる配置構成
になる。このため、該間隙を形成する周囲の磁気コイル
を同磁性で励磁しても、該間隙部分が磁力線を吸い込
み、磁場と永久磁石の磁気モーメントの発生する力の位
置依存性を高める。この現象は、浮上移動体が前記間隙
部分を通過する際に、磁場の急激な変動により浮上移動
体の挙動を急に変化させることになり、浮上状態を不安
定にして、被搬送物を安定して搬送することができない
問題点を有していた。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
浮上移動体を無摺動,無発塵で、しかも分岐や追越しを
可能にして、長時間安定して搬送することができる磁気
浮上搬送装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の磁気浮上搬送装置は、平面状の架台と該架
台上に格子状に配設された多数の磁気コイルとにより形
成された搬送路と、複数個の永久磁石を有し、前記磁気
コイルに印加した電流により該永久磁石との間に発生す
る磁気モーメントを介して磁気コイル上に浮上して前記
搬送路に沿って搬送される浮上移動体とを備えた磁気浮
上搬送装置において、前記磁気コイルを多角形状に形成
し、該各磁気コイルを規則的に、かつ連続して、互いに
多角形状の辺を隣接させて該各辺間をほぼ隙間の無い状
態に配設する構成にしたものである。
【0010】そして、前記磁気コイルを、非磁性で、か
つ良熱伝導性の材料からなる一定高さの多角柱状のコイ
ルボビンと、該コイルボビンの外側面に形成された導線
とからなる構成にするとよい。
【0011】また、前記磁気コイルのコイルボビンを、
非磁性,良熱伝導性および電気的絶縁性を有する材料か
らなる構成にし、セラミックスまたはその結晶体により
形成することが好ましい。
【0012】一方、前記磁気コイルの導線を、印刷また
は光学焼き付けによる成膜工程により形成された膜状の
回路と、該回路表面に生成した絶縁被膜とからなる構成
にするとよく、また、前記磁気コイルの導線を、表面に
前記回路を形成して前記コイルボビンの外周面に巻着さ
れたフィルム状の可撓性基板からなり、隣接するコイル
ボビン間の前記可撓性基板の回路端が、低融点金属によ
り接合された構成にしてもよい。そして、前記フィルム
状の可撓性基板を、多角形状を構成する複数枚の基板に
より形成してもよい。
【0013】
【作用】上記のように構成したことにより、各磁気コイ
ルはその隣接部にほぼ間隙がなくなり、密接状態で配置
されることになるため、前記従来技術におけるような磁
力線を吸い込む現象が防止され、浮上移動体が各磁気コ
イル間を通過する際に発生していた磁場の急激な変動が
なくなり、安定した浮上状態で移動することが可能にな
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を、図1ないし
図4を参照して説明する。図1は磁気浮上搬送装置の全
体構成を示す斜視図、図2は図1に示す磁気コイルの構
成を1個のみ示した側断面詳細図、図3は浮上移動体の
通過時に図1に示す磁気コイル間に発生する磁場のシミ
ュレーション図、図4は従来の円柱形磁気コイル間に発
生する磁場のシミュレーション図である。
【0015】図1において、1は浮上移動体で、浮上移
動体1は、正3角形状のアルミニウム製の板からなるフ
レーム3と、該フレーム3の各頂点部に固着されている
3個の永久磁石2a,2b,2cとにより構成されてい
る。4は搬送路で、搬送路4は、平板状の架台5と、該
架台5上に配設された多数の正6角柱状の磁気コイル6
とにより構成されている。ここで磁気コイル6は、図示
のように架台5上に規則的に、かつ連続して互いに正6
角形の辺を隣接させ、該各辺間をほぼ隙間のない状態に
して配置されている。そして、磁気コイル6の所定位置
には図示しない浮上移動体1に対する位置センサー等が
設けられていて、位置および移動方向が制御されるよう
になっている。このように、浮上移動体1に複数の永久
磁石の磁極を設け、これらの各位置を制御することによ
り、反発式磁気浮上構造であっても回転モーメントの発
生が防止され、浮上移動体1の横ずれ等の位置ずれを抑
制して安定な搬送をすることができる。また、浮上移動
体1は、搬送路4の平面内を安定して自在に移動するこ
とができるから、搬送路4上における分岐や追越しは自
在に可能である。
【0016】また、図2において、7は非磁性で、かつ
熱伝導性の良好な材料、例えば、銅,アルミ,銀等によ
り一定高さの正6角柱状に形成されたコイルボビンで、
本実施例においては、純銅に近い組成のタフピッチ銅
(JIS)が使用されている。コイルボビン7の下端部
には突起部分7cが形成されていて、架台5に設けられ
た穴に嵌入して正確に位置決めされるようになってい
る。8はコイルボビン7の外側面に巻き付けられた導線
で、コイルボビン7の上下に形成されたフランジ7a,
7bの間に位置ずれしないように巻かれている。9は突
起部分7cにより位置決めされた磁気コイル6を架台5
に固定する黄銅製の小ねじで、コイルボビン7の中心部
に設けられたボルト穴に黄銅製の座金10を介して架台
5にねじこまれる。11はタフピッチ銅製の平板状のバ
ックプレート、11aはバックプレート11に設けられ
た小ねじ9用のねじ穴、12は同じくタフピッチ銅製で
断面が楕円形状の架台5冷却用のパイプ、13は冷却用
のパイプ12をバックプレート11に固着する銀ろうで
ある。このように磁気コイル6および架台5は、すべて
非磁性体で構成されており、磁気コイル6の発生する磁
界が、磁気コイル6への印加電流に対して線形性を確保
することができるようになっている。なお、14は突起
部分7cが嵌入された架台5に設けられた穴,コイルボ
ビン7とバックプレート11との間の接触面および導線
8の各巻層間に塗布された熱伝導率の高い高粘度のシリ
コングリス混和物で、磁気コイル6で発生した熱を、熱
伝導性のよい材料からなるコイルボビン7とともに架台
5に有効に伝達するようにしている。
【0017】つぎに、上記構成の実施例において、浮上
移動体1が磁気コイル6を通過する際に、隣接の磁気コ
イル6間に発生する磁場を大形のコンピュータでシミュ
レートし、その磁力線を示した図3と、従来の通常の円
柱形磁気コイル間に発生する磁場を、図3と同様にして
シミュレートした場合の磁力線を示す図4とについて説
明する。図3(a)は正6角柱の導線8の平面図、図3
(b)は図3(a)のb−b矢視断面図、図4(a)は
円柱状の導線18の平面図、図4(b)は図4(a)の
b−b矢視断面図である。
【0018】この場合、図3における実験条件は、正6
角柱のコイルボビン7に巻かれた導線8を、平均外径2
0mm,平均内径14mm,コイル長20mmとし、印
加電流1000AT(アンペアターン)として、隣接し
た2つの導線8に同極性の電流を流すようにしている。
一方、図4における実験条件は、2つの導線18をいず
れも外径20mm,内径14mm,コイル長20mm,
印加電流1000AT(アンペアターン)とし、図3の
場合に比べ正6角柱と円柱との差を除いて同じにしてい
る。そして、2つの導線18の間隔は、正方格子状配列
を想定し、中心間距離を外径の1.4倍の28mmに設
定している。
【0019】まず、図4においては、間隙19の影響に
より、導線18間の間隙19において高さ7mm,幅8
mm程度の範囲で磁力線の吸い込みが発生していること
が見られ、この吸い込みにより、浮上移動体1の永久磁
石が間隙19を通過する際に、該間隙19における逆極
性の磁場領域への進入により磁場が急激に変動すること
になり、浮上状態を不安定にする。この磁力線の吸い込
みは、従来の円柱状の導線18の場合には、その配置を
正方格子状配列以外の配列にしても間隙19の形成が不
可避であることから避けられず、磁力線の吸い込み部近
傍では必要な浮上力を発生させることができない。
【0020】これに対して図3においては、導線8が互
いに密着していて、各導線8の端部でごく僅かに磁場の
乱れが見られるもののそれは極めて少なく、全体として
極性は整然と揃っており、前記した浮上移動体1の移動
に伴う磁力線の吸い込みは発生し得ない。このため、磁
場の急激な変動が発生せず、安定した浮上状態で移動す
ることが可能になる。
【0021】このように本実施例においては、浮上移動
体1の移動は無摺動,無発塵であり、浮上移動体1に磁
気コイルを設ける必要がないため、浮上移動体1に電源
の搭載や集電の必要がなく、搬送路4の平面内を安定し
て自在に移動することができ、被搬送物を自在に長時間
かつ長距離搬送することが可能になる。また、浮上移動
体1が簡単な構成になり、しかも小形化されるため、ウ
エハ等を狭い導入口に搬送することも可能になる。
【0022】つぎに、本発明の第2の実施例を図5を参
照して説明する。図5は磁気浮上搬送装置の全体構成を
示す斜視図である。図中、図1と同符号のものは同じも
のを示す。
【0023】図5において、21は浮上移動体で、浮上
移動体21は、正4角形状のアルミニウム製の板からな
るフレーム23と、該フレーム23の各頂点部に固着さ
れている4個の永久磁石22a,22b,22c,22
dとにより構成されている。これは搬送路24が、平板
状の架台5と、該架台5上に配設された多数の正4角柱
状の磁気コイル26とにより構成されているためであ
る。すなわち、前記図1に示す第1の実施例の磁気コイ
ル6が6角柱状に形成され、浮上移動体1の永久磁石3
個の各磁極が磁気コイル6の6角形格子点に配列されて
いるのに対応し、本実施例においては永久磁石4個の各
磁極が磁気コイル26の4角形格子点に配列される。こ
こで磁気コイル26は、前記第1実施例の場合と同様
に、架台5上に規則的に、かつ連続して互いに正4角形
の辺を隣接させ、該各辺間をほぼ隙間のない状態にして
配置されている。また、磁気コイル26の側断面構成お
よび各部構成部品の材質は、前記図2に示す構成と同じ
である。
【0024】そして、本実施例においても前記第1実施
例の場合と同様に、磁気コイル26の所定位置には図示
しない浮上移動体21に対する位置センサー等が設けら
れていて、位置および移動方向が制御され、浮上移動体
21に対する回転モーメントの発生が防止されて、浮上
移動体21の横ずれ等の位置ずれを抑制して安定な搬送
をすることができるが、磁場の強度分布が、4角柱状磁
気コイル26の角部付近でやや強くなる傾向が見られる
ため、制御時その補正を行うことが望ましい。しかし、
磁気コイル26の配置と浮上移動体21の移動方向との
関係が簡単になるため、搬送経路の計画が簡単になり、
前記ウエハ搬送における直角に分岐・合流する搬送路計
画等に容易に対応することが可能になる。
【0025】また、本実施例の場合の磁気コイル26の
配置は、規則的に、かつ連続して、互いに4角形状の辺
を隣接させて該各辺間がほぼ隙間の無い状態であれば任
意であって、必ずしも正4角形を碁盤の目のように配置
する図5に示すようにしなくてもよい。例えば、隣接す
る列の磁気コイル26を半ピッチずらし、磁気コイル2
6の角部が隣接する列の磁気コイル26の辺に位置する
ようにする、いわゆる煉瓦積みのようにしてもよい。こ
の場合には、磁気コイル26の角部が1点に集中しない
ため、図5の場合に比べて各磁気コイル26間における
磁場強度が平均化される。
【0026】このように本実施例においても前記第1の
実施例と同様に、浮上移動体1の移動は無摺動,無発塵
であり、浮上移動体1に磁気コイルを設ける必要がない
ため、浮上移動体1に電源の搭載や集電の必要がなく、
また、磁力線の吸い込みもないため、搬送路24の平面
内を安定して自在に移動することができ、被搬送物を自
在に長時間かつ長距離搬送することが可能になる。
【0027】なお、前記第1および第2の各実施例にお
いては、磁気コイル6,26の平面図形状を正6角形お
よび正4角形として説明したが、必ずしも正の多角形で
なくてもよく、例えば、正6角形または正4角形を偏平
にした長6角形または長方形にしてもよい。
【0028】いま、長6角形の磁気コイル6を前記各実
施例と同様に多数配置し、浮上移動体1をその長手方向
に移動させる場合は、磁気コイル6の角部のピッチが大
きくなることから、長距離搬送でも磁気コイル6の数量
を減らせるほか、各磁気コイル6を通過する際の時間間
隔が延びて一層安定した制御が可能になり、また、横方
向の位置ずれの防止も容易になるため、高速搬送を実現
することができる効果を有する。さらに、正6角形と長
6角形とを組み合わせて、例えば、被搬送物の位置決め
が必要な載せ変え部や分岐・合流部では正6角形の磁気
コイル6を使用し、高速搬送の好ましい直線部では長6
角形の磁気コイル6を使用することもでき、また、長6
角形の磁気コイル6の短手方向に浮上移動体1を移動さ
せた場合は、その移動方向に磁束密度分布の大きく異な
る磁場が形成されるため、いたずらに大電流を印加する
ことなく容易に大きい加速度または減速度を得ることが
可能になり、急加速または急減速を必要とする場所に使
用することができる。なお、これらの組み合わせ方法
は、正6角形と寸法の異なる種々の長6角形とにより段
階的に行うことも可能である。
【0029】一方、長方形の磁気コイル26を使用した
場合においても、上記長6角形の磁気コイル6の場合と
同様に、高速搬送が可能であり、さらに、正4角形と長
方形との組み合わせにおいても、移動速度および使用位
置に応じて長手方向と短手方向とを、上記長6角形の磁
気コイル6の場合と同様に使いわけることが可能であ
る。
【0030】つぎに、磁気コイルの変形例を図6および
図7を参照して説明する。図6は変形例その1、図7は
変形例その2である。図中、図2と同符号のものは同じ
ものを示す。
【0031】図6において、30はポリイミド製のフィ
ルム状の可撓性基板、31は可撓性基板30上に印刷ま
たは光学焼き付けによる成膜工程により形成された膜状
の回路パターンで、該回路パターン31表面には絶縁被
膜が生成されている。38は可撓性基板30および回路
パターン31からなる導線で、隣接するコイルボビン7
の回路パターン31の端部間が、はんだ等の低融点金属
により接合されている。36は導線38をコイルボビン
7に密着するように巻き付けて形成した磁気コイルであ
る。磁気コイル36をこのように構成することにより、
前記図2に示す実施例のように導線8を磁気コイル6に
多数回巻く必要がなくなるため、再現性よく容易に製作
することが可能になる。
【0032】なお、本実施例においては、回路パターン
31を平面状の基板に成膜し、該平面状基板の複数枚を
はんだ等で電気的に接合して多角柱を形成するようにし
てもよい。例えば、6角柱状の磁気コイルの場合は、平
面状基板を6枚、または、6角柱状の一部を形成する2
枚ないし3枚の平面状基板を接合した複合体を、はんだ
等で接合して6角柱を形成する。かかる場合には、多角
柱の全外側面を連続して印刷する必要がなくなり、多角
柱を形成する各面ごとに印刷することになるため、印刷
ずれによる回路不良を防止することができる。
【0033】つぎに、図7において、17は前記タフピ
ッチ銅に変えて非磁性のアルミナ系のセラミックスで形
成されたコイルボビンである。具体的には、窒化アルミ
焼結物,窒化アルミ・カーボン混成焼結物,酸化アルミ
焼結物,或いはこれらの結晶体等が使用される。これら
の材料からなるコイルボビン17は、タフピッチ銅製に
比べて熱伝導性は劣るものの、電気的絶縁性において優
れている。17cは前記図2,図6における突起部分7
cと同様に、コイルボビン17の下端部に形成されてい
る突起部分である。48はコイルボビン17の外側面
に、直接に、印刷または光学焼き付けによる成膜工程に
より形成された膜状の回路パターンからなる導線であ
る。導線48形成後、その表面に絶縁被膜塗装を施工す
ることが望ましい。46は導線48をコイルボビン17
の外側面に直接に成膜した磁気コイルである。なお、本
実施例においては、導線48をコイルボビン17の外側
面に直接に成膜するため、前記図2,図6におけるフラ
ンジ7a,7bのような構成は不要である。
【0034】図7のように構成された磁気コイル46に
おいては、コイルボビン17の絶縁性が優れていること
から、浮上移動体1を高速移動させてもコイルボビン1
7の内部に渦電流を発生させないため、渦電流損失を生
じない効果があり、また、導線48がコイルボビン17
の最外周に位置することから、前記図6に示す磁気コイ
ル36に比べて冷却効率を向上させる効果を有してい
る。
【0035】つぎに、本発明の第3の実施例を図8を参
照して説明する。図8は磁気浮上搬送装置の全体構成を
示す斜視図である。図中、図1と同符号のものは同じも
のを示す。
【0036】図8において、56は平面的に6角形状に
形成され、架台5上に配設された磁気コイルである。架
台5上への配置は前記第1,第2の各実施例と同様であ
るが、平面的磁気コイルであるため、コイルボビンおよ
びその取付用のねじ等が不要になる。このため、形成さ
れる搬送路54は、コイル巻数の制約による磁場強度の
低下はあるものの、部品点数が大幅に減少し、簡単な構
成になるとともに、前記第1,第2の実施例に比べて冷
却性能を格段に向上させる効果を有する。また、磁気コ
イル56全体が浮上移動体1と等距離に位置し、前記第
1,第2の実施例のような磁場の生成にさほど寄与しな
い角柱状コイル下部の導線がなくなるため、投入するア
ンペアターンに比べて強磁場を得ることができる効果を
有する。そして本実施例においても、無摺動,無発塵で
あり、浮上移動体1に磁気コイルを設ける必要がなく、
また、磁力線の吸い込みがないため、搬送路54の平面
内を安定して自在に移動することができ、被搬送物を自
在に長時間かつ長距離搬送することが可能になる。
【0037】なお、前記各実施例においては、磁気コイ
ルの平面図形状を4角形および6角形として説明した
が、本発明はこれに限定されることなく、例えば、3角
形,ホームベース状の変形5角形等でもよく、規則的に
連続して配置することのできる多角形であれば変形多角
形でもよい。
【0038】また、前記各実施例においては、反発式の
磁気浮上構造について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、浮上移動体1と搬送路との位置を
逆さにした構成、つまり、架台5からぶらさげるように
磁気コイルを設け、該磁気コイルの下方に配置した浮上
移動体1を吸引浮上させる構成にしても、クリーン度の
低下はあるものの、前記と同様の効果を奏することがで
きる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる磁
気浮上搬送装置は、浮上移動体を無摺動,無発塵で、し
かも分岐や追越しを可能にして、長時間安定して搬送す
ることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の磁気浮上搬送装置の全
体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す磁気コイルの構成を1個のみ示した
側断面詳細図である。
【図3】本発明の浮上移動体の通過時に、図1に示す磁
気コイル間に発生する磁場のシミュレーション図であ
る。
【図4】従来の円柱形磁気コイル間に発生する磁場のシ
ミュレーション図である。
【図5】本発明の第2の実施例の磁気浮上搬送装置の全
体構成を示す斜視図である。
【図6】図2に示す磁気コイルの変形例(その1)であ
る。
【図7】図2に示す磁気コイルの変形例(その2)であ
る。
【図8】本発明の第3の実施例の磁気浮上搬送装置の全
体構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,21…浮上移動体、2a,2b,2c,22a,2
2b,22c,22d…永久磁石、3,23…フレー
ム、4,24,54…搬送路、5…架台、6,26,3
6,46,56…磁気コイル、7,17…コイルボビ
ン、8,18,38,48…導線、11…バックプレー
ト、12…冷却パイプ、14…シリコングリス混和物、
19…間隙、30…可撓性基板、31…回路パターン。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面状の架台と該架台上に格子状に配設
    された多数の磁気コイルとにより形成された搬送路と、
    複数個の永久磁石を有し、前記磁気コイルに印加した電
    流により該永久磁石との間に発生する磁気モーメントを
    介して磁気コイル上に浮上して前記搬送路に沿って搬送
    される浮上移動体とを備えた磁気浮上搬送装置におい
    て、前記磁気コイルを多角形状に形成し、該各磁気コイ
    ルを規則的に、かつ連続して、互いに多角形状の辺を隣
    接させて該各辺間をほぼ隙間の無い状態に配設したこと
    を特徴とする磁気浮上搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気コイルが、非磁性で、かつ良熱
    伝導性の材料からなる一定高さの多角柱状のコイルボビ
    ンと、該コイルボビンの外側面に形成された導線とから
    なる請求項1記載の磁気浮上搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記磁気コイルが、正多角形,細長多角
    形,変形多角形の形状のものを、各単独にまたは組合せ
    て配設されてなる請求項1または2記載の磁気浮上搬送
    装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気コイルのコイルボビンが、非磁
    性,良熱伝導性および電気的絶縁性を有する材料からな
    る請求項1,2または3記載の磁気浮上搬送装置。
  5. 【請求項5】 前記磁気コイルのコイルボビンが、セラ
    ミックスまたはその結晶体により形成された請求項4記
    載の磁気浮上搬送装置。
  6. 【請求項6】 前記磁気コイルの導線が、印刷または光
    学焼き付けによる成膜工程により形成された膜状の回路
    と、該回路表面に生成した絶縁被膜とからなる請求項
    1,2または3記載の磁気浮上搬送装置。
  7. 【請求項7】 前記磁気コイルの導線が、表面に前記回
    路を形成して前記コイルボビンの外周面に巻着されたフ
    ィルム状の可撓性基板からなり、隣接するコイルボビン
    間の前記可撓性基板の回路端が、低融点金属により接合
    されてなる請求項1,2,3または6記載の磁気浮上搬
    送装置。磁気浮上搬送装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルム状の可撓性基板が、多角形
    状を構成する複数枚の基板からなる請求項7記載の磁気
    浮上搬送装置。
JP17111192A 1992-06-29 1992-06-29 磁気浮上搬送装置 Pending JPH0616239A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17111192A JPH0616239A (ja) 1992-06-29 1992-06-29 磁気浮上搬送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17111192A JPH0616239A (ja) 1992-06-29 1992-06-29 磁気浮上搬送装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0616239A true JPH0616239A (ja) 1994-01-25

Family

ID=15917179

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17111192A Pending JPH0616239A (ja) 1992-06-29 1992-06-29 磁気浮上搬送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0616239A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5925956A (en) * 1995-06-30 1999-07-20 Nikon Corporation Stage construction incorporating magnetically levitated movable stage
WO2009101852A1 (ja) * 2008-02-14 2009-08-20 Thk Co., Ltd. リニアモータ
JP2017527804A (ja) * 2014-09-09 2017-09-21 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft ラボラトリ試料分配システムおよびラボラトリ自動化システム
WO2018208658A1 (en) * 2017-05-10 2018-11-15 Laitram, L.L.C. Weighing system in a maglev conveying system
WO2019058735A1 (ja) * 2017-09-19 2019-03-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 平面モータ
CN110726461A (zh) * 2019-12-18 2020-01-24 常州莫森智能科技有限公司 一种全自动高精度动态电子称重装置
JP2020142912A (ja) * 2019-03-08 2020-09-10 株式会社日立ハイテク 搬送装置、およびそれを備えた検体分析システム、検体前処理装置
WO2020250555A1 (ja) * 2019-06-12 2020-12-17 株式会社日立ハイテク 搬送装置
JP2021086987A (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 東京エレクトロン株式会社 基板搬送装置及び基板処理システム
JP2021086986A (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 東京エレクトロン株式会社 基板搬送装置及び基板処理システム
WO2022085299A1 (ja) * 2020-10-19 2022-04-28 株式会社日立ハイテク 搬送装置

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5925956A (en) * 1995-06-30 1999-07-20 Nikon Corporation Stage construction incorporating magnetically levitated movable stage
WO2009101852A1 (ja) * 2008-02-14 2009-08-20 Thk Co., Ltd. リニアモータ
TWI482398B (zh) * 2008-02-14 2015-04-21 Thk Co Ltd 線性馬達
JP2017527804A (ja) * 2014-09-09 2017-09-21 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft ラボラトリ試料分配システムおよびラボラトリ自動化システム
WO2018208658A1 (en) * 2017-05-10 2018-11-15 Laitram, L.L.C. Weighing system in a maglev conveying system
CN110636982A (zh) * 2017-05-10 2019-12-31 莱特拉姆有限责任公司 磁悬浮输送系统中的称重系统
WO2019058735A1 (ja) * 2017-09-19 2019-03-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 平面モータ
JP2020142912A (ja) * 2019-03-08 2020-09-10 株式会社日立ハイテク 搬送装置、およびそれを備えた検体分析システム、検体前処理装置
WO2020250555A1 (ja) * 2019-06-12 2020-12-17 株式会社日立ハイテク 搬送装置
JP2020201167A (ja) * 2019-06-12 2020-12-17 株式会社日立ハイテク 搬送装置
CN113905964A (zh) * 2019-06-12 2022-01-07 株式会社日立高新技术 输送装置
US11772911B2 (en) 2019-06-12 2023-10-03 Hitachi High-Tech Corporation Conveying device
JP2021086987A (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 東京エレクトロン株式会社 基板搬送装置及び基板処理システム
WO2021106799A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 東京エレクトロン株式会社 基板搬送装置及び基板処理システム
JP2021086986A (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 東京エレクトロン株式会社 基板搬送装置及び基板処理システム
CN110726461A (zh) * 2019-12-18 2020-01-24 常州莫森智能科技有限公司 一种全自动高精度动态电子称重装置
WO2022085299A1 (ja) * 2020-10-19 2022-04-28 株式会社日立ハイテク 搬送装置
EP4230556A4 (en) * 2020-10-19 2024-04-03 Hitachi High Tech Corp TRANSPORT DEVICE

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5180048A (en) Magnetic levitating transportation system
JP2656659B2 (ja) 高温超電導体を用いた物品搬送装置
US6445093B1 (en) Planar motor with linear coil arrays
JPH0734646B2 (ja) リニアモータ
JPH0616239A (ja) 磁気浮上搬送装置
KR100745371B1 (ko) 자기부상형 웨이퍼 스테이지
JPH10284355A (ja) 電子部品の整列装置及び整列方法
US6249200B1 (en) Combination of magnets for generating a uniform external magnetic field
JP3282421B2 (ja) 磁気浮上体の走行する磁石軌道およびその走行方法
US5321310A (en) Apparatus and method for increasing electron flow
WO2019058735A1 (ja) 平面モータ
JPH04365722A (ja) 磁気浮上搬送装置
JPH04292328A (ja) 交流磁気浮上搬送装置
JPS6392205A (ja) 真空装置用磁気浮上搬送装置
JPS6146756A (ja) クリーンルームなどに用いる搬送装置
JP2516787Y2 (ja) 磁気浮上搬送装置
JPH0533827A (ja) 振動絶縁装置
JP3646518B2 (ja) リニアモータ
JPH0537773U (ja) 交流磁気浮上搬送装置
JP2664233B2 (ja) 超電導体を用いた物品搬送装置
JPH0597242A (ja) 磁気浮上式搬送方式
JPH06165470A (ja) リニアモータ
JP2882850B2 (ja) 交流磁気浮上搬送装置
JP2001023817A (ja) 電磁装置
JPH06156731A (ja) 搬送装置