JPH10136635A - リニア電磁型マイクロアクチュエータ - Google Patents

リニア電磁型マイクロアクチュエータ

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JPH10136635A
JPH10136635A JP28630696A JP28630696A JPH10136635A JP H10136635 A JPH10136635 A JP H10136635A JP 28630696 A JP28630696 A JP 28630696A JP 28630696 A JP28630696 A JP 28630696A JP H10136635 A JPH10136635 A JP H10136635A
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coil
stator
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planar
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Haruo Nakazawa
治雄 中澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】面倒な加工や特別な支持機構を必要としない、
二次元的にも移動させることができるリニア電磁型マイ
クロアクチュエータを提供する。 【解決手段】一次元的あるいは二次元的に配置された平
面コイル41及びその表面に形成された絶縁体層(図示せ
ず)からなる固定子4と、磁性体からなる可動子3とで
構成し、可動子3の移動方向の先端部の直前の平面コイ
ル(1) 42に励磁電流を流して励磁し、可動子3を平面コ
イル(1)42 の方向へ移動させる。可動子3直下の平面コ
イル(3)44 を励磁しないので、固定子側への吸引力は小
さく、平面コイル(1) 42と可動子との吸引力の大部分は
可動子3を移動させる推力となる。二次元的に移動させ
る場合には、可動子の形状を正方形あるいは円形にする
とよい。また、可動子として永久磁石も有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁力により直
線駆動するリニアモータであって、例えば数mm程度のマ
イクロマシンの部品を搬送するリニア電磁型マイクロア
クチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられているハイブリッド型
リニアパルスモータ(以下では、リニアパルスモータを
LPMと略す)の動作原理図を図6に示す。図6におい
て、永久磁石15と、永久磁石15で結合されている、コイ
ルaが巻かれている磁極A及びコイルbが巻かれている
磁極Bとで可動子1が構成され、磁極Aには第1の磁極
11及び第2の磁極12があり、磁極Bには第3の磁極13及
び第4の磁極14がある。この4つ磁極11から14が可動子
歯を形成している。第1の磁極11へのコイルaの巻き方
は、電流の方向が正(プラス)の場合に第1の磁極11の
磁束が永久磁石の磁束と同じ方向になるように、電流の
方向が負(マイナス)の場合には、永久磁石の磁束を打
ち消して磁束が零になるように巻かれており、第2の磁
極12へのコイルaの巻き方は、第1の磁極11へのコイル
aの巻き方とは反対に巻かれ、電流の方向が正の場合に
永久磁石の磁束を打ち消して、磁束が零になるように巻
かれている。また、第3の磁極13へのコイルbの巻き方
は、電流の方向が正の場合に永久磁石の磁束を打ち消し
て、磁束が零になるように巻かれており、第4の磁極14
へのコイルbの巻き方は、第3の磁極13へのコイルbの
巻き方とは反対に巻かれ、電流の方向が負の場合に永久
磁石の磁束を打ち消して、磁束が零になるように巻かれ
ている。
【0003】一方、固定子2には可動子歯と磁束回路を
形成するための固定子歯21が形成されており、可動子歯
と固定子歯21との相対位置関係は図6に示す通りであ
る。図7は、可動子歯と固定子歯21の相対位置関係(図
7では、対応するモード)とコイルへの通電状態の関係
を示す図である。駆動動作は図6(a) から図6(d)のモ
ードを繰り返すことによって、固定子歯の1ピッチ(図
6におけるP)分ずつを移動する。
【0004】図6及び図7により更に詳しく説明する。
なお、図6は各モードにおける安定状態を示している。
図6(a) のモードにおいては、コイルaに正の電流が流
されており、第1の磁極11の磁束密度が高くなってい
て、第2の磁極12の磁束密度は零であり、図6(a) にお
いては、固定子2の左から2つ目の固定子歯上に第1の
磁極11が位置している。この時、磁極Bの第3の磁極13
及び第4の磁極14は、磁束を等分割する位置にある。次
に、図6(a) のモードから図6(b) のモードへ切り替え
ると、すなわち、aコイルの電流を切り、bコイルに正
方向の電流を流すと、第4の磁極14の磁束密度が高くな
り、第3の磁極13の磁束密度は零となり、第4の磁極14
が最近接の固定子歯上に移動し、図6(b) の状態とな
り、4分の1ピッチだけ右に移動する。続いて、図6
(c) のモードへ切り替えると、すなわち、bコイルの電
流を切り、aコイルに負方向の電流を流すと、第2の磁
極12の磁束密度が高くなり、第2の磁極12は最近接の固
定子歯上に移動し、図6(c) の状態となる。更に、図6
(d) のモードへ切り替えると、すなわち、aコイルの電
流を切り、bコイルに負方向の電流を流すと、第3の磁
極13の磁束密度が高くなり、第3の磁極13は最近接の固
定子歯上に移動し、図6(d) の状態となる。次いで、再
度、図6(a)のモードへ切り替えると、すなわち、bコ
イルの電流を切り、aコイルに正方向の電流を流すと、
第1の磁極11の磁束密度が高くなり、第1の磁極11は最
近接の固定子歯上に移動し、図6(a) において、固定子
歯を一つ右に移動した状態、すなわち、1ピッチ右へ移
動した状態になる。このようにして、図6(a) のモード
から図6(d) のモードを繰り返すことによって、可動子
1が固定子2上を左から右に移動する。
【0005】逆方向への移動は、モードの切替えを上記
と逆にすればよい。LPMには、上記のハイブリッド型
の他に、可動子を永久磁石とする永久磁石型LPMなど
もあるが、基本的な動作原理は同じである。一般的に、
LPMは、可動子1と固定子2のギャップ面でそれぞれ
の歯部が対向しあうアクチュエータであり、更に、ダイ
レクトドライブ方式の同期モータであるから、下記の特
徴をもっている。
【0006】(1) オープンループ制御が可能である。 (2) 速度はコイルへの印加周波数に比例する。 (3) 与えたパルス数とステップピッチとの積の距離だけ
移動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような動作原理
と特徴をもつLPMをそのまま小型化し、マイクロアク
チュエータとして利用する場合には、下記のような問題
点を生ずる。 (1) 歯を形成すること、特に精度よく形成することが難
しい。 (2) 可動子歯と固定子歯との間に、垂直方向の強い磁気
吸引力が発生するため、可動子と固定子とを支持する機
構、例えば、固定子側にレールを設け、可動子側に車輪
をつけること、リニアベアリングを用いることなど、が
必要である。支持機構を用いないと吸引力で固定子と可
動子が密着し、可動子を移動させることができない。
【0008】(3) 支持機構が必要なために、一次元の直
線駆動しかできない。 この発明は、上記の問題点を解決して、歯型形状の加工
を必要とせず、可動子と固定子との間に垂直方向の強い
吸引力を発生させることがなく、したがって、特別な支
持機構を必要とせず、二次元的にも可動子を移動させる
ことができるリニア電磁型マイクロアクチュエータを提
供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、リニア電磁型マイクロアク
チュエータを、一次元的あるいは二次元的に配置されて
いる複数の平面コイル及びその表面に備えられている絶
縁体層からなる固定子と、磁性体からなる可動子とで構
成し、可動子の中央直下にある平面コイルを励磁せず、
この平面コイルより可動子を移動させる方向側にある1
つあるいは複数の平面コイルを一相励磁することによっ
て、可動子を絶縁体層上で移動させる。
【0010】このようにすると、可動子直下の平面コイ
ルは励磁されないため、可動子と固定子との間には強い
垂直方向の吸引力が発生しない。一方、可動子を移動さ
せる方向の平面コイルが励磁されるので、励磁された固
定子の平面コイルの表面に形成される磁極に、磁性体か
らなる可動子の移動方向先端部が吸引されるため、可動
子を移動させる推力が主となり、可動子を固定子側へ吸
引する吸引力は僅かとなるので、可動子を容易に移動さ
せることができる。しかも、平面コイルおよび可動子の
形状を正方形あるいは円形にすると、可動子を二次元的
に移動させることもできる。
【0011】また、磁性体からなる可動子の形状を、底
面が平坦で端部が外側に開いた舟型にすることが有効で
ある。このようにすると、可動子が単なる平板状、箱状
あるいはブロック状である場合に比べて、可動子を移動
させる推力が増加し、推力のリップルは減少する。更
に、可動子を永久磁石にすると、可動子を移動させる推
力が増加する。しかし、固定子側への吸引力も増加す
る。
【0012】更にまた、絶縁体層を低摩擦材料とした
り、絶縁体層の表面に低摩擦材料からなる層を備えるこ
とが有効である。このようにすると、同じ吸引力が働い
ても、可動子が固定子の絶縁体層上を移動する際に発生
する摩擦力を低減させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明によるリニア電磁型マイ
クロアクチュエータは、一次元的あるいは二次元的に配
置されている複数の平面コイル及びその表面に備えられ
ている絶縁体層からなる固定子と、磁性体あるいは永久
磁石からなる可動子とで構成されており、可動子の直下
の平面コイルには励磁電流を流さず、移動方向側の平面
コイルに励磁電流を流すことによって、励磁された平面
コイルと可動子との吸引力を、主に可動子の推力とし、
固定子側への吸引力を低減させていることを基本として
いる。
【0014】図1は、この発明によるリニア電磁型マイ
クロアクチュエータの概要を示す斜視図である。図1に
示したリニア電磁型マイクロアクチュエータは、平面状
に二次元的に配置されている複数のほぼ正方形の、薄膜
コイルなどの平面コイル41及び、図示していないが、平
面コイル上に備えられている絶縁体層からなる固定子4
と、その固定子4の平面コイル(3) 44の上に配置されて
いる、平面コイル41と同じ大きさのほぼ正方形の、鉄、
パーマロイあるいは珪素鋼などの磁性体からなる可動子
(図では磁性体可動子)3とで構成されている。
【0015】可動子3をA方向へ移動させる場合には、
可動子の移動方向側の直近にある平面コイル(1)42 に通
電して励磁し、磁極を形成させる。この磁極に吸引され
て、可動子3は絶縁体層上を平面コイル(1)42 側に移動
する。この場合、可動子3の直下の平面コイル(3) 44に
は通電していないため、可動子3を固定子4側へ吸引す
る強い吸引力は働かないので、可動子3の移動を妨げる
大きな摩擦力は生じない。可動子3が平面コイル(1)42
上に到達した時、平面コイル(1)42 への通電を止め、平
面コイル(2)43 に通電して励磁し、平面コイル(1)42 の
場合と同じ極性の磁極を形成させると、可動子3は平面
コイル(2)43 側に移動する。この操作を繰り返すことに
より、可動子3を所定の位置まで移動させることができ
る。以上ではA方向の移動について説明したが、B方
向、C方向、D方向とも同様にして移動させることがで
きる。
【0016】図1においては、平面コイル41と可動子3
とが同じ大きさの場合を示したが、可動子3を平面コイ
ル41より大きくすることもできる。可動子3を大きくす
ると、可動子3を固定子4側へ吸引する吸引力を更に低
減させることができる。また、可動子3を二次元的に移
動させるためには、可動子3の形状は正方形あるいは円
形が望ましい。一次元的に移動させる場合は、この限り
ではない。
【0017】なお、可動子としては上記の磁性体の他に
永久磁石を使用することもできる。この場合には、平面
コイル41の励磁の極性を永久磁石と吸引し合う方向に合
わせることが必要である。以下に実施例について説明す
る。 〔第1の実施例〕図2は、側断面が矩形の磁性体可動子
3の移動方向の大きさを平面コイル41の大きさの3倍に
し、可動子3の移動方向側先端部(図では、可動子の先
端部、以下では先端部と略す)31の直前の平面コイル
(1) 42に励磁電流を流した場合における、磁束分布、推
力特性及び吸引力特性を示し、(a) は磁束分布図、(b)
は可動子3を移動させるための推力(以下では、可動子
を移動させるための推力を推力と略す)を示す特性図、
(c) は励磁する平面コイルを可動子の移動に合わせて順
次切り替えた場合の推力を示す特性図、(d) は可動子3
を固定子側に吸引する吸引力(以下では、可動子3を固
定子側に吸引する吸引力を吸引力と略す)を示す特性
図、(e) は(c) に対応する吸引力を示す特性図である。
【0018】(b) から(e) における横軸は可動子3の先
端部31の位置を示し、(b) 及び(d)における実線は平面
コイル(1) 42に励磁電流を流した場合に、点線は平面コ
イル(2) 43に励磁電流を流した場合に相当する。(a) の
状態に相当するのは、(b) 及び(d) においては、実線の
右端近傍に相当し、(c) 及び(e) においては、谷の底に
相当する。
【0019】図2(a) における励磁電流の方向は上面が
S極になる方向で図示されているが、逆の方向に流して
も、全く同様の結果を得ることができる。図2(b) に示
される推力特性は、平面コイル(1) 42が励磁されている
場合には、磁束が集中している平面コイル(1) 42の中央
部に可動子の先端部31が到達した時に最大値を示し、そ
の前後でほぼ対称に減少し、隣の平面コイルとの境界で
は、漏れ磁束が存在するので零までは減少せず、最大値
の20%弱となっている。平面コイル(2) 43 に同じ極性
の励磁電流を流すと、点線のような推力特性を示し、平
面コイル1つ分だけずれているだけで、形状は太線の場
合と同じである。したがって、先端部31が平面コイル
(1) 42と平面コイル(2) 43との境界に到達した時に、平
面コイル(1) 42の励磁電流を切り、平面コイル(2) 43
に同じ極性の励磁電流を流すという方法で、一相励磁で
可動子3が移動していく時の推力は、実線から点線へと
移動していくことになる。このようにして、先端部31が
平面コイルの境界に到達した時に、順番に励磁電流を切
り替えていくと、図2(c) に示すような連続した推力特
性を示す。
【0020】一方、図2(d) に示される吸引力特性は、
平面コイル(1) 42が励磁されている場合には、先端部31
が図2(a) の状態の時の小さい値から、先端部31が平面
コイル(1) 42の上部へ移動してくるにしたがって、僅か
に増加し、平面コイル(2) 43の上部に至ると急激に増加
する。平面コイル(2) 43 に同じ極性の励磁電流を流す
と、点線のような吸引力特性を示す。したがって、先端
部31が平面コイル(1)42と平面コイル(2) 43との境界に
到達した時に、平面コイル(1) 42の励磁電流を切り、平
面コイル(2) 43 に同じ極性の励磁電流を流すという方
法で、一相励磁で可動子3が移動していく時の吸引力
は、実線から点線へと移動していくことになる。このよ
うにして、先端部31が平面コイルの境界に到達した時
に、順番に励磁電流を切り替えていくと、図2(e) に示
すような連続した吸引力特性を示し、非常に小さい値を
保っており、急激に増加することはない。
【0021】このリニア電磁型マイクロアクチュエータ
の可動子3は、複数の平面コイルの表面を覆っている絶
縁体層45に支持されているが、可動子3の駆動時に発生
する吸引力が微小であるので、表面の摩擦を軽減するた
めの手段を講じておけば、従来技術におけるような特別
な支持機構を必要としない。例えば、平面コイルを薄膜
コイルで構成し、コイル導体を絶縁するためにその表面
に形成する絶縁体層(例えば、ポリイミド層) に平坦化
処理を施しておくだけで、滑り軸受けとしての役割を十
分に果たす。絶縁体層の表面に低摩擦材料、例えばダイ
アモンドライクカーボン、二硫化モリブデン、窒化ほう
素、あるいはふっ素樹脂、の層を形成したり、絶縁体層
として低摩擦材料を用いたりすると、吸引力による摩擦
力を更に軽減することができる。この摩擦力低減効果は
以下の実施例においても同様に有効である。
【0022】図では、ブロック状の可動子3が示されて
いるが、箱型の可動子や上蓋のない箱型でも同様の特性
を得ることができる。また、上記の例では、通電する平
面コイルを1つづつ切り替えていく方法を説明したが、
移動方向の直前の平面コイル及び更に次の平面コイルの
2つのコイルに同時に、あるいは先端部が平面コイルの
境界近傍にある時間だけ重複して通電することによっ
て、推力のリップルを低減することができる。すなわ
ち、図2(c) におけるFv1を2倍にすることができる。
このリップル低減効果は以下の実施例においても同様に
有効である。
【0023】〔第2の実施例〕この実施例は、第1の実
施例における可動子を底面の平坦な舟型磁性体可動子と
したものであり、底面の移動方向の大きさを平面コイル
41の大きさの3倍にしたものである。図3は、励磁電流
を流す平面コイルを可動子5の移動方向側の底面の先端
部52の直前の平面コイル(1) 42とした場合における、磁
束分布、推力特性及び吸引力特性を示し、図2の場合と
同様に、(a) は磁束分布図、(b) は可動子5を移動させ
るための推力特性図、(c) は励磁平面コイルを可動子5
の移動に合わせて順次切り替えた場合の推力特性図、
(d) は可動子5を固定子側に吸引する吸引力特性図、
(e) は(c) に対応する吸引力特性図である。
【0024】(b) から(e) における横軸は可動子5の底
面の先端部52の位置を示し、(b) 及び(d) における実線
は平面コイル(1) 42に励磁電流を流した場合に、点線は
平面コイル(2) 43に励磁電流を流した場合に相当する。
(a) の状態に相当するのは、(b) 及び(d) においては、
実線の右端近傍に相当し、(c) 及び(e) においては、谷
の底に相当する。
【0025】特性図(b) から(e) は、定性的には第1の
実施例におけるのと同じであるが、細かい点で特性の改
善が見られる。具体的には、図4(a) に示すような第1
の実施例に対応する形状の場合に対して、図4(b) に示
すような第2の実施例に対応する形状の場合を比較す
る。すなわち、第1の実施例に相当する、側断面形状が
1mm×3mmの矩形磁性体ブロックからなる可動子の場合
と、第2の実施例に相当する、底面が3mmで両側に45°
で1mmづつ開いた、厚さ0.1mm の磁性体板からなる舟型
可動子の場合を比較すると、推力においては、図2(c)
及び図3(c) に示した、推力の最大値(Fp1及びFp2
と推力の最小値(Fv1及びFv2)が、 Fp2≒1.05Fp1, v2≒1.65Fv1 となり、舟型可動子の方が大きくなっている。(c) 図に
おける谷の部分の増加割合が大きいので、リップル特性
が改善されている。吸引力においては、どちらも非常に
小さい。
【0026】推力において、舟型可動子の場合の方が大
きくなるのは、斜めに張り出している部分があるため、
磁路長が短くなることの効果と考えられる。第1の実施
例で述べた箱型の可動子や第2の実施例の舟型可動子
は、得られる推力に対する可動子自体の重量を小さくす
ることができるので有効である。以上の2つの実施例
は、アクチュエータの可動子を磁性体とするものである
が、搬送したい物品が磁性体である場合には、その形状
によってはその物品を直接搬送することもできる。
【0027】〔第3の実施例〕この実施例は、第1の実
施例における可動子を永久磁石の可動子としたものであ
り、固定子及び可動子の寸法形状及び相互配置は第1の
実施例と同じである。図5は、永久磁石可動子6による
磁束分布、推力特性及び吸引力特性を示し、図2の場合
と同様に、(a) は磁束分布図、(b) は可動子6を移動さ
せるための推力特性図、(c) は励磁平面コイルを可動子
6の移動に合わせて順次切り替えた場合の推力特性図、
(d) は可動子6を固定子側に吸引する吸引力特性図、
(e) は(c)に対応する吸引力特性図である。
【0028】永久磁石可動子6の場合には、平面コイル
の極性が永久磁石と吸引し合うようにする必要があるか
ら、励磁電流の方向が限定される。図においては、永久
磁石の下面がN極、上面がS極であり、これに対応して
平面コイル(1)42 には上面がS極になるように励磁電流
が流されている。(b) から(e) は第1の実施例の場合と
同様であるので、説明は省略する。
【0029】可動子として永久磁石を使用する効果は、
平面コイルによる磁束に永久磁石の磁束が加え合わされ
ることにより、推力がその分だけ増加することである。
しかし、吸引力もその分だけ増加するが、問題になるほ
どの値にはならない。この実施例では、磁極が上下にあ
る永久磁石を示したが、磁極が左右にある永久磁石も同
様に有効である。
【0030】また、上記の実施例では、可動子6として
永久磁石のみのものを示したが、永久磁石の上に磁性体
のヨークを取り付け、永久磁石の上方への漏洩磁束を減
らし、推力を更に増加させることもできる。更に、この
ヨークは、搬送する物品が磁性体である場合において
も、その物品が可動子に吸引されることを防止し、磁性
体からなる物品の搬送を可能とする。
【0031】
【発明の効果】この発明によれば、一次元的あるいは二
次元的に配置されている複数の平面コイル及びその表面
に備えられている絶縁体層からなる固定子と、磁性体あ
るいは永久磁石からなる可動子とでリニア電磁型マイク
ロアクチュエータを構成し、可動子の直下の平面コイル
には励磁電流を流さず、移動方向側の平面コイルに励磁
電流を流すことによって、励磁された平面コイルと可動
子との吸引力を、主に可動子の推力とし、固定子側への
吸引力を低減させている。
【0032】このため、可動子は固定子の絶縁体層上を
一次元的にも二次元的にも移動することができ、従来の
LPMのような面倒な歯の加工や特別な支持機構を必要
としない。したがって、この発明によれば、歯型形状の
加工を必要とせず、可動子と固定子との間に垂直方向の
強い吸引力を発生させることがなく、したがって、特別
な支持機構を必要とせず、二次元的にも可動子を移動さ
せることができるリニア電磁型マイクロアクチュエータ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるリニア電磁型マイクロアクチュ
エータの第1の実施例を構成を示す斜視図
【図2】この発明の第1の実施例における磁束分布と特
性を示し、(a)は磁束分布図、(b)は1つの平面コ
イルにより可動子が受ける推力を示す線図、(c)は連
続駆動状態において可動子が受ける推力を示す線図、
(d)は1つの平面コイルにより可動子が受ける吸引力
を示す線図、(e)は連続駆動状態において可動子が受
ける吸引力を示す線図
【図3】この発明の第2の実施例における磁束分布と特
性を示し、(a)は磁束分布図、(b)は1つの平面コ
イルにより可動子が受ける推力を示す線図、(c)は連
続駆動状態において可動子が受ける推力を示す線図、
(d)は1つの平面コイルにより可動子が受ける吸引力
を示す線図、(e)は連続駆動状態において可動子が受
ける吸引力を示す線図
【図4】第1の実施例及び第2の実施例におけるそれぞ
れの可動子の形状例を示し、(a)は第1の実施例の形
状例を示す側面図、(b)は第2の実施例の形状例を示
す側断面図
【図5】この発明の第3の実施例における磁束分布と特
性を示し、(a)は磁束分布図、(b)は1つの平面コ
イルにより可動子が受ける推力を示す線図、(c)は連
続駆動状態において可動子が受ける推力を示す線図、
(d)は1つの平面コイルにより可動子が受ける吸引力
を示す線図、(e)は連続駆動状態において可動子が受
ける吸引力を示す線図
【図6】従来のリニア電磁型マイクロアクチュエータの
構成及び駆動時の状態を示す概念図
【図7】従来のリニア電磁型マイクロアクチュエータ駆
動時の通電状態を示す図
【符号の説明】
1 可動子 11 第1の磁極 12 第2の磁極 13 第3の磁極 14 第4の磁極 15 永久磁石 2 固定子 21 固定子歯 3 磁性体可動子 31 可動子の先端部 4 固定子 41 平面コイル 42 平面コイル(1) 43 平面コイル(2) 44 平面コイル(3) 45 絶縁体層 5 舟型磁性体可動子 51 可動子の先端部 52 底面の先端部 6 永久磁石可動子 61 可動子の先端部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次元的あるいは二次元的に配置されてい
    る複数の平面コイル及びその表面に備えられている絶縁
    体層からなる固定子と、磁性体からなる可動子とで構成
    され、可動子の中央直下にある平面コイルを励磁せず、
    この平面コイルより可動子を移動させる方向側にある1
    つあるいは複数の平面コイルを一相励磁することによっ
    て、可動子を絶縁体層上で移動させることを特徴とする
    リニア電磁型マイクロアクチュエータ。
  2. 【請求項2】磁性体からなる可動子が底面が平坦な舟型
    をしていることを特徴とする請求項1に記載のリニア電
    磁型マイクロアクチュエータ。
  3. 【請求項3】一次元的あるいは二次元的に配置されてい
    る複数の平面コイル及びその表面に備えられている絶縁
    体層からなる固定子と、永久磁石からなる可動子とで構
    成され、可動子の中央直下にある平面コイルを励磁せ
    ず、この平面コイルより可動子を移動させる方向側にあ
    る1つあるいは複数の平面コイルを一相励磁することに
    よって、可動子を絶縁体層上で移動させることを特徴と
    するリニア電磁型マイクロアクチュエータ。
  4. 【請求項4】絶縁体層が低摩擦材料からなることを特徴
    とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のリニア
    電磁型マイクロアクチュエータ。
  5. 【請求項5】絶縁体層がその表面に低摩擦材料からなる
    層を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3
    のいずれかに記載のリニア電磁型マイクロアクチュエー
    タ。
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