JP2004336842A - リニアモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】コギングを起こさずに推力を大きくできるリニアモータを実現する。
【解決手段】リニアモータ1は、N極とS極の磁極が交互に現われる永久磁石Mと、永久磁石Mに外装したコイル14と、コイル14を内装し永久磁石Mに外装配置した反磁性材13と、反磁性材13に外装配置した強磁性材33とを有する。反磁性材13はカーボンからなる。これにより、強磁性材33で引き寄せた磁力線16は反磁性材13によって圧縮しコイル14近辺に磁束を集中させて、可動子12の推力を大きくできる。反磁性材13は、磁気的反発力の影響を強く受けないため、コギングを起こさずに滑らかに可動子12が移動できる。また、反磁性材13をカーボンとすれば、カーボンが軽量であるため、可動子12の推力を更に大きくでき、また、リニアモータ1全体の軽量化が図れる。
【選択図】 図4
【解決手段】リニアモータ1は、N極とS極の磁極が交互に現われる永久磁石Mと、永久磁石Mに外装したコイル14と、コイル14を内装し永久磁石Mに外装配置した反磁性材13と、反磁性材13に外装配置した強磁性材33とを有する。反磁性材13はカーボンからなる。これにより、強磁性材33で引き寄せた磁力線16は反磁性材13によって圧縮しコイル14近辺に磁束を集中させて、可動子12の推力を大きくできる。反磁性材13は、磁気的反発力の影響を強く受けないため、コギングを起こさずに滑らかに可動子12が移動できる。また、反磁性材13をカーボンとすれば、カーボンが軽量であるため、可動子12の推力を更に大きくでき、また、リニアモータ1全体の軽量化が図れる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石とコイルとが相対移動するように構成されたリニアモータにあって、主にその推力を増加させるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、N極とS極の磁極が交互に現われるように形成されて周囲に閉ループの磁束による磁界を形成する永久磁石と、この磁界内に配置するコイルとを有し、コイルに電流を流すと永久磁石とコイルとが相対移動するように構成されたリニアモータが知られている。
【0003】
図6は、従来のリニアモータの概略側面図を示す。このリニアモータは、直線状に、N極とS極の磁極を交互に配列したシャフト状の永久磁石911と、永久磁石911に外装するコイル921と、電機子コイル921を内装する中空円筒状の強磁性材からなるヨーク922と、ヨーク922の開口している両端部に永久磁石911と嵌合する滑り軸受923とを有する(特許文献1、図13を参照)。このリニアモータでは、永久磁石911側を固定子91とし、コイル921およびヨーク922の側を可動子92とする。そして、コイル921に通電すると、永久磁石911の磁界との相互作用によりフレミングの左手の法則に従って可動子92(コイル921およびヨーク922)が電磁力による推力を発生して固定子91(永久磁石911)に沿って移動する。このとき、永久磁石911の外周には、強磁性材からなるヨーク922が配置されているので、永久磁石911の磁力線がヨーク922を通る閉ループを形成する。これにより、コイル921近辺の磁束密度が高くなり、リニアモータは、このような強磁性材からなるヨーク922がない場合に比べてより大きな推力を発生させることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−323008号公報
【特許文献2】
特開2002−67108号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のリニアモータでは、推力を増加することができるものの、可動子92の移動に際しては大きなコギングが発生するといった問題があった。すなわち、永久磁石911は、磁極の境目では磁束密度が低く長手方向に磁束密度のバラツキがあり、また、ヨーク922を形成する強磁性材(鉄など)は、永久磁石911の磁気の影響を強く受ける。そのため、可動子92が移動する際は、ヨーク922の端部において永久磁石911からの磁気的吸引力が強く作用する位置と、あまり作用しない位置とが規則的に且つ連続的に生じる。従って、この磁気的吸引力の変動によって可動子92にコギングが発生して可動子92の円滑な移動が妨げられる結果となる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コギングを起こさずに推力を大きくすることができるリニアモータを実現するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、N極とS極の磁極が交互に現れるように形成されて周囲に閉ループの磁束による磁界を形成する永久磁石と、この磁界内に配置するコイルとを有し、コイルに電流を流すと永久磁石とコイルとが相対移動するように構成されたリニアモータにおいて、反磁性材を上記コイルにおける上記永久磁石の反対側位置に配置させたことを特徴とするものである。
この構成において、反磁性材は、磁力線を反発させるので、反磁性材をコイルにおける永久磁石の反対側位置に配置することで、磁界を圧縮しコイル近辺に磁束を集中させることができる。これにより、コイル近辺の磁束密度が高くなるため、このような反磁性材を配置しない場合と比べて、リニアモータの推力を大きくすることができる。
【0007】
しかも、反磁性材は、強磁性材よりも磁力の影響を強く受けないため、コイルと共に反磁性材が永久磁石との間で相対移動しても、反磁性材は磁気的反発力の変動をほとんど受けない。従って、コイルと共に反磁性材が永久磁石との間で相対移動しても、コギングがほとんど発生しない。
【0008】
また、上記反磁性材は、カーボンからなるものでもよい。カーボンは、強磁性材である鉄などと比べ、遥かに軽量であるため、リニアモータ全体の軽量化に寄与できる。また、コイルと共に反磁性材を可動子とするときは、反磁性材が軽量である分、可動子の推力を一層大きくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるリニアモータを用いた成形装置の取出機の概略構成を示す。図1に示すように、この取出機は、成形装置(図示せず)の上部に設置されて成形装置の金型から成形品を反操作側へ取り出すための装置であり、図示した取出機は、トラバースタイプのものであって、X軸アーム3と、Y軸アーム4と、Z軸アーム5とを備える。Z軸アーム5の下端部には、成形装置の金型から成形品を把持するためのチャックパッド6が取り付けられている。また、この取出機は、X軸アーム3が固定され、X軸アーム3の長手方向に沿ってY軸アーム4が往復移動可能に取り付けられ、また、Y軸アーム4の長手方向に沿って往復移動可能に且つ昇降移動可能にZ軸アーム5が取り付けられている。これらX軸アーム3、Y軸アーム4、Z軸アーム5の各々の駆動源においては、本実施の形態によるリニアモータが使用されている。ここでは、上記X軸アームに着目して説明する。
【0010】
図2は、上記X軸アーム3の斜視図を示し、図3は、その断面図を示す。図2、図3に示すように、このX軸アーム3は、リニアモータ1がスライダ用フレーム21上に設置されている。このリニアモータ1は、スライダ用フレーム21の長手方向に延び、両端が固定ブロック22に固定された丸棒状のリニアモータ固定子11と、このリニアモータ固定子11を貫通させた矩形箱状のリニアモータ可動子12とによって構成されている。なお、このリニアモータ1の構造の詳細は、後述する。
【0011】
そして、このX軸アーム3は、上記リニアモータ可動子12上に上板26の両端部に側板27を垂下形成したスライダ2が設置され、このスライダ2の各々の側板27の内側に上下一対のスライダ用ベアリング24を取り付け、これら一対のスライダ用ベアリング24をスライダ用フレーム21上部の両端に突出形成した突片25においてその上下部に形成したスライダレール部23と係合させるように設置している(図3を参照)。これにより、スライダ2がスライダ用フレーム21上に長手方向に沿ってスライド可能に構成され、上記Y軸アーム4がスライダ2に取り付けられる。
【0012】
次に、上記リニアモータ1について説明する。図4は、上記リニアモータ1の長手方向における断面図を示す。このリニアモータ1は、上述したリニアモータ固定子11とリニアモータ可動子12とを備えており、以下に、図3、図4を参照して、これらリニアモータ固定子11とリニアモータ可動子12の構成を説明する。
【0013】
リニアモータ固定子11は、機械加工可能で且つ着磁可能な材料をその表面を平滑にした丸棒状に形成され、N極とS極の磁極が等ピッチに交互に現れるように形成されてその周囲に閉ループの磁束による磁界を形成する永久磁石Mで形成されている。この永久磁石Mの材料としては、例えば、Nd−Fe−B系、Fe−Cr−Co系、MnAl系などの金属が挙げられる。
【0014】
また、このリニアモータ固定子11には、リニアモータ可動子12の位置制御、速度制御などのためのエンコーダ4の一部を構成するエンコーダチャート41が形成されている。このエンコーダチャート41としては、例えば、リニアモータ固定子11の長手方向にN極とS極の磁極が交互に等ピッチに並ぶように永久磁石M上に重畳して着磁形成した磁気方式のものが使用可能である。なお、エンコーダチャート41のN極とS極の磁極ピットは、リニアモータ固定子11となる永久磁石Mの磁極ピッチと同一でも異なっていてもよい。
【0015】
リニアモータ可動子12は、上記リニアモータ固定子11に外装した円筒状のコイル14と、このコイル14を内装し永久磁石M(リニアモータ固定子11)に外装配置した円筒状の反磁性材13と、この反磁性材13を内装した円筒状の強磁性材33と、これらコイル14と反磁性材13と強磁性材33とを収容保持させたボックス15とを備えるものである。コイル14と反磁性材13と強磁性材33とは、長手方向の両端部が貫通孔を設けたボックス15の側板に嵌合されている。そして、リニアモータ固定子11とコイル14との間、およびコイル14と反磁性材13との間にそれぞれ僅かな隙間を形成するようにボックス15内に収容保持されている。なお、反磁性材13と強磁性材33とは接着剤等にて接合されている。
【0016】
コイル14は、電線を円形リング状に巻回した複数の単位コイルC1〜C12を接着固定等して組み合わせ、円筒状に形成されたものである。各単位コイルC1〜C12は、永久磁石MのN極とS極の磁極ピッチの1/3幅の長さに形成され、3相駆動を行うため3つの単位コイルを1組の3相コイル(U相コイル、V相コイル、W相コイル)としている。そして、上記コイル14は、1組の3相コイルを4組備えている。なお、この3相コイルの組数は推力等を考慮して任意に決定できる。
【0017】
そして、このコイル14においては、U相コイル、V相コイル、W相コイルとなる単位コイルに対して、ソフトウエアでの磁極検出によって通電制御される。なお、これらU相コイル、V相コイル、W相コイルとなる単位コイルに永久磁石Mが形成する磁界の向きや強さを検出するための磁電変換素子等からなるホール素子が設けられ、これらホール素子からの信号によってコイル14への通電制御がなされるようにしてもよい。
【0018】
また、コイル14の内周面には、エンコーダチャート41に対向する位置に磁気センサ42(磁気抵抗素子)が設けられ、エンコーダチャート41と磁気センサ42とによってリニアモータ可動子12の位置制御、速度制御等を行うためのエンコーダ4が構成される。なお、このようなエンコーダは、光学式のものでもよい。また、エンコーダチャート41をスライダ用フレーム21上面に形成し、磁気センサ42をこのエンコーダチャート41に対向させてボックス15下面に形成するようにしてもよい。
【0019】
一方、反磁性材13は、上記コイル14に対して外周に配置することで、コイル14における永久磁石Mの反対側位置に配置される。反磁性材13は、磁石の磁力線を反発させる性質を有するので、この反磁性材13を、永久磁石Mに外装させたコイル14の外周に配置されることで、永久磁石Mの磁力線を圧縮しコイル14近辺に永久磁石Mの磁束を集中させることができる。
図5は、反磁性材13を設けた場合(同図(a))と、この反磁性材13を設けない場合(同図(b))とにおける永久磁石Mの磁力線の状態を示す。
【0020】
図5(b)に示すように、反磁性材13をリニアモータ可動子11に設けない場合、永久磁石Mにおける、N極からS極に向かう閉ループの磁力線16による磁束密度は、永久磁石Mの長手方向にわたって同じ割合にある。
【0021】
一方、図5(a)に示すように、反磁性材13をリニアモータ可動子11に設けた場合、永久磁石Mにおける、N極からS極に向かう閉ループの磁力線は、この反磁性材13が配置されたところで所定量だけ圧縮される。そのため、この反磁性材13の内側部分における磁束密度が高くなる。特に、N極とS極の各磁極の中央付近における磁束密度が高くなっていることが、図5(a)により明らかである。この結果、反磁性材13の内側部分であるコイル14近辺の磁束密度が高くなるため、この反磁性材13を配置しない場合と比べて、リニアモータ可動子12の推力を大きくすることができる。
【0022】
また、この反磁性材13の外周に強磁性材33が配置されることで、磁力線16が強磁性材33内を通過しようとするため、この強磁性材33による磁力線16の引き寄せ効果と相まって反磁性材13での磁束反射効率(磁力線16の圧縮率)を一層向上させることができる。すなわち、強磁性材33で引き寄せた磁力線16を反磁性材13によって圧縮しコイル14近辺に磁束を更に集中させることができる。その結果、リニアモータ可動子12の推力をより大きくすることができる。
【0023】
ところで、コイル921の外周に強磁性材(ヨーク922)のみを配置した従来のものでは(図6を参照)、リニアモータ可動子92の移動に際し、強磁性材が永久磁石の磁気的吸引力を受けてこの磁気的吸引力の変動に伴いコギングを発生させていたが、反磁性材13は、磁力線16を反発させる性質を有するものの、一般に、強磁性材よりも磁気的影響を強く受けない。また、反磁性材13は、磁力線16を反発させる性質を有することから、磁力線16を遮蔽する機能をも発揮する。従って、反磁性材13を強磁性材33の内側に形成した本実施の形態のものでは、リニアモータ可動子12の移動に際し、反磁性材13は、永久磁石M(リニアモータ固定子11)の磁気的反発力による変動をほとんど受けず、しかも、永久磁石Mから強磁性材33に働く磁気的吸引力をも阻止することができる。そのため、上記リニアモータ可動子12は、ほとんどコギングが起こらない。
【0024】
また、上記反磁性材13としては、例えば、カーボンが使用される。このカーボンの重量は、鉄成分を含む強磁性材と比べ、遥かに軽量である。
【0025】
また、上記強磁性材33としては、例えば、ケイ素鋼鈑が使用される。このケイ素鋼鈑で上記強磁性材33を形成すれば、既述したとおり磁束密度の向上を図ることができ、導体抵抗が大きいことから渦電流の発生を抑制することができ、強度面に優れている等の利点がある。ケイ素鋼鈑が強度面に優れることから、強磁性材33を反磁性材13に比して薄く形成するができる。また、反磁性材13の外側に配置する上記強磁性材33としては、永久磁石Mの磁力線16の引き寄せ機能をある程度発揮できればよいので、この強磁性材33を薄く形成しても十分にある程度の磁力線引き寄せ機能が発揮される。
【0026】
よって、上記反磁性材13の重量が軽量であること、および上記強磁性材33を薄く形成し軽量化できることから、リニアモータ可動子12の軽量化を図ることができる。
【0027】
以上のリニアモータ1は、従来のものと同様の動作をする。すなわち、コイル14に通電すると、コイル14に流れる電流と永久磁石M(リニアモータ固定子11)の形成する磁界との相互作用によりフレミングの左手の法則に従ってリニアモータ可動子12にはリニアモータ固定子11の長手方向に電磁力による推力が発生し、これにより、リニアモータ可動子12がリニアモータ固定子11の長手方向に沿って移動される。
【0028】
このリニアモータ1によれば、反磁性材13をコイル14に外装配置させるようにしたので、永久磁石M(リニアモータ固定子11)の磁界を圧縮しコイル14近辺に永久磁石Mからの磁束を集中させてリニアモータ1の推力を大きくすることができる。しかも、反磁性材13の外周に配置する強磁性材33による磁力線引き寄せ効果と相まってコイル14近辺の磁束密度を一層高くでき、リニアモータ1の推力を一層大きくすることができる。
【0029】
また、反磁性材13は、カーボンが磁化される割合が低いため、磁気的反発力の変動をほとんど受けないし、また、この反磁性材13を強磁性材33の内側に配置することで永久磁石Mから強磁性材33に働く磁気的吸引力をも阻止することができる。そのため、リニアモータ可動子12が永久磁石M(リニアモータ固定子11)上を移動しても、コギングはほとんど起きない。従って、コギングを起こさずに滑らかにリニアモータ可動子12を移動させることができ、且つこのリニアモータ可動子12の推力を反磁性材13を設けないものと比べて大きくすることができる効果が得られる。
【0030】
また、上記反磁性材13を重量の軽いカーボンで形成することで、リニアモータ可動子12が軽量化されてその推力を更に大きくすることができ、また、リニアモータモータ1全体の軽量化を図ることができる等の効果が得られる。
【0031】
以上のリニアモータ1を駆動源とした取出機によれば、リニアモータ1においては上記反磁性材13を設けないものと比較して大きな推力が得られるので、各アーム3,4,5の移動速度を速くすることができ、その結果、成形装置からの成形品の取出サイクルを短くすることができ、成形品の生産性を向上することができる。しかも、リニアモータ1においてはコギングを起こさずに滑らかに駆動されるので、成形品の移送途中にチャックパッド6から成形品を落下させてしまうこともない。さらに、反磁性材13が軽量なカーボンからなるので、駆動源のリニアモータ1が軽量となり、その結果、取出機全体の軽量化にも寄与することができる。
【0032】
なお、本発明は、上記実施の形態のものに限定されず、適宜に設計変更することが可能である。
【0033】
(1)上記実施の形態では、反磁性材13の外周に強磁性材33を配置する構成としたが、強磁性材33を設けない構成としてもよい。
【0034】
(2)上記実施の形態では、コイル14側をリニアモータ可動子12とし、永久磁石M側をリニアモータ固定子11とするが、コイル14側を固定部材に設け、永久磁石M側を進退自在に保持するようにし、上記のリニアモータ固定子11とリニアモータ可動子12との関係を逆にしてもよい。例えば、図2に示すもので言えば、コイル14を備えたスライダ2を固定させ、永久磁石Mを取り付けたスライダ用フレーム21をフリーにすれば、スライダ用フレーム21の永久磁石Mがスライダ2に対して進退動しリニアモータ可動子として機能する一方、コイル14を備えたスライダ2がリニアモータ固定子として機能することとなる。
【0035】
(3)永久磁石M、コイル14、反磁性材13、強磁性材33は、断面円形としたが、三角形、四角形、五角形等の多角形状にしてもよい。
【0036】
(4)反磁性材13は、コイル14および永久磁石Mの外周全域を囲うようにしたが、その外周の一部を囲うようにしてもよい。
【0037】
(5)上記リニアモータ1は、取出機の駆動源のみならず、コピー機、プリンタ、スキャナ等のOA機器、XYテーブルや搬送装置等のFA機器、カメラ等の光学機器、リニアモーターカー等にも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、反磁性材をコイルにおける永久磁石の反対側位置に配置させるようにしたので、コイル近辺に磁束を集中させてリニアモータの推力を大きくすることができる。また、反磁性材は、磁気的反発力の変動をほとんど受けないため、コイルと共に反磁性材が永久磁石との間で相対移動しても、コギングはほとんど起こらない。従って、コギングを起こさずに滑らかにリニアモータ可動子を移動させることができ、且つこのリニアモータ可動子の推力を反磁性材を設けないものと比べて大きくすることができる効果が得られる。
【0039】
また、上記反磁性材としてカーボンを用いることで、反磁性材を軽量化することができ、これにより、リニアモータモータ全体の軽量化に寄与することができ、また、コイルと共に反磁性材をリニアモータ可動子とするときは、反磁性材が軽量化される分、リニアモータ可動子の推力をより一層大きくすることができる等の効果が得られる。また、カーボンは、熱伝導率も良く放熱に寄与するから、コイルの電流容量が増加し、リニアモータ可動子の推力をより一層大きくすることにも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるリニアモータを用いた成形装置の取出機を示した斜視図である。
【図2】取出機のX軸アームを示した斜視図である。
【図3】取出機のX軸アームを示した断面図である。
【図4】リニアモータの構成を示した長手方向の断面図である。
【図5】反磁性材のヨーク13を設けた場合(同図(a))と、このヨーク13を設けない場合(同図(b))とにおける永久磁石Mの磁力線の状態を示す模式図である。
【図6】従来のリニアモータの構成を示した側面図である。
【符号の説明】
1 リニアモータ
11 リニアモータ固定子
12 リニアモータ可動子
13 反磁性材
14 コイル
16 磁力線
33 強磁性材
M 永久磁石
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石とコイルとが相対移動するように構成されたリニアモータにあって、主にその推力を増加させるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、N極とS極の磁極が交互に現われるように形成されて周囲に閉ループの磁束による磁界を形成する永久磁石と、この磁界内に配置するコイルとを有し、コイルに電流を流すと永久磁石とコイルとが相対移動するように構成されたリニアモータが知られている。
【0003】
図6は、従来のリニアモータの概略側面図を示す。このリニアモータは、直線状に、N極とS極の磁極を交互に配列したシャフト状の永久磁石911と、永久磁石911に外装するコイル921と、電機子コイル921を内装する中空円筒状の強磁性材からなるヨーク922と、ヨーク922の開口している両端部に永久磁石911と嵌合する滑り軸受923とを有する(特許文献1、図13を参照)。このリニアモータでは、永久磁石911側を固定子91とし、コイル921およびヨーク922の側を可動子92とする。そして、コイル921に通電すると、永久磁石911の磁界との相互作用によりフレミングの左手の法則に従って可動子92(コイル921およびヨーク922)が電磁力による推力を発生して固定子91(永久磁石911)に沿って移動する。このとき、永久磁石911の外周には、強磁性材からなるヨーク922が配置されているので、永久磁石911の磁力線がヨーク922を通る閉ループを形成する。これにより、コイル921近辺の磁束密度が高くなり、リニアモータは、このような強磁性材からなるヨーク922がない場合に比べてより大きな推力を発生させることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−323008号公報
【特許文献2】
特開2002−67108号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のリニアモータでは、推力を増加することができるものの、可動子92の移動に際しては大きなコギングが発生するといった問題があった。すなわち、永久磁石911は、磁極の境目では磁束密度が低く長手方向に磁束密度のバラツキがあり、また、ヨーク922を形成する強磁性材(鉄など)は、永久磁石911の磁気の影響を強く受ける。そのため、可動子92が移動する際は、ヨーク922の端部において永久磁石911からの磁気的吸引力が強く作用する位置と、あまり作用しない位置とが規則的に且つ連続的に生じる。従って、この磁気的吸引力の変動によって可動子92にコギングが発生して可動子92の円滑な移動が妨げられる結果となる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コギングを起こさずに推力を大きくすることができるリニアモータを実現するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、N極とS極の磁極が交互に現れるように形成されて周囲に閉ループの磁束による磁界を形成する永久磁石と、この磁界内に配置するコイルとを有し、コイルに電流を流すと永久磁石とコイルとが相対移動するように構成されたリニアモータにおいて、反磁性材を上記コイルにおける上記永久磁石の反対側位置に配置させたことを特徴とするものである。
この構成において、反磁性材は、磁力線を反発させるので、反磁性材をコイルにおける永久磁石の反対側位置に配置することで、磁界を圧縮しコイル近辺に磁束を集中させることができる。これにより、コイル近辺の磁束密度が高くなるため、このような反磁性材を配置しない場合と比べて、リニアモータの推力を大きくすることができる。
【0007】
しかも、反磁性材は、強磁性材よりも磁力の影響を強く受けないため、コイルと共に反磁性材が永久磁石との間で相対移動しても、反磁性材は磁気的反発力の変動をほとんど受けない。従って、コイルと共に反磁性材が永久磁石との間で相対移動しても、コギングがほとんど発生しない。
【0008】
また、上記反磁性材は、カーボンからなるものでもよい。カーボンは、強磁性材である鉄などと比べ、遥かに軽量であるため、リニアモータ全体の軽量化に寄与できる。また、コイルと共に反磁性材を可動子とするときは、反磁性材が軽量である分、可動子の推力を一層大きくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるリニアモータを用いた成形装置の取出機の概略構成を示す。図1に示すように、この取出機は、成形装置(図示せず)の上部に設置されて成形装置の金型から成形品を反操作側へ取り出すための装置であり、図示した取出機は、トラバースタイプのものであって、X軸アーム3と、Y軸アーム4と、Z軸アーム5とを備える。Z軸アーム5の下端部には、成形装置の金型から成形品を把持するためのチャックパッド6が取り付けられている。また、この取出機は、X軸アーム3が固定され、X軸アーム3の長手方向に沿ってY軸アーム4が往復移動可能に取り付けられ、また、Y軸アーム4の長手方向に沿って往復移動可能に且つ昇降移動可能にZ軸アーム5が取り付けられている。これらX軸アーム3、Y軸アーム4、Z軸アーム5の各々の駆動源においては、本実施の形態によるリニアモータが使用されている。ここでは、上記X軸アームに着目して説明する。
【0010】
図2は、上記X軸アーム3の斜視図を示し、図3は、その断面図を示す。図2、図3に示すように、このX軸アーム3は、リニアモータ1がスライダ用フレーム21上に設置されている。このリニアモータ1は、スライダ用フレーム21の長手方向に延び、両端が固定ブロック22に固定された丸棒状のリニアモータ固定子11と、このリニアモータ固定子11を貫通させた矩形箱状のリニアモータ可動子12とによって構成されている。なお、このリニアモータ1の構造の詳細は、後述する。
【0011】
そして、このX軸アーム3は、上記リニアモータ可動子12上に上板26の両端部に側板27を垂下形成したスライダ2が設置され、このスライダ2の各々の側板27の内側に上下一対のスライダ用ベアリング24を取り付け、これら一対のスライダ用ベアリング24をスライダ用フレーム21上部の両端に突出形成した突片25においてその上下部に形成したスライダレール部23と係合させるように設置している(図3を参照)。これにより、スライダ2がスライダ用フレーム21上に長手方向に沿ってスライド可能に構成され、上記Y軸アーム4がスライダ2に取り付けられる。
【0012】
次に、上記リニアモータ1について説明する。図4は、上記リニアモータ1の長手方向における断面図を示す。このリニアモータ1は、上述したリニアモータ固定子11とリニアモータ可動子12とを備えており、以下に、図3、図4を参照して、これらリニアモータ固定子11とリニアモータ可動子12の構成を説明する。
【0013】
リニアモータ固定子11は、機械加工可能で且つ着磁可能な材料をその表面を平滑にした丸棒状に形成され、N極とS極の磁極が等ピッチに交互に現れるように形成されてその周囲に閉ループの磁束による磁界を形成する永久磁石Mで形成されている。この永久磁石Mの材料としては、例えば、Nd−Fe−B系、Fe−Cr−Co系、MnAl系などの金属が挙げられる。
【0014】
また、このリニアモータ固定子11には、リニアモータ可動子12の位置制御、速度制御などのためのエンコーダ4の一部を構成するエンコーダチャート41が形成されている。このエンコーダチャート41としては、例えば、リニアモータ固定子11の長手方向にN極とS極の磁極が交互に等ピッチに並ぶように永久磁石M上に重畳して着磁形成した磁気方式のものが使用可能である。なお、エンコーダチャート41のN極とS極の磁極ピットは、リニアモータ固定子11となる永久磁石Mの磁極ピッチと同一でも異なっていてもよい。
【0015】
リニアモータ可動子12は、上記リニアモータ固定子11に外装した円筒状のコイル14と、このコイル14を内装し永久磁石M(リニアモータ固定子11)に外装配置した円筒状の反磁性材13と、この反磁性材13を内装した円筒状の強磁性材33と、これらコイル14と反磁性材13と強磁性材33とを収容保持させたボックス15とを備えるものである。コイル14と反磁性材13と強磁性材33とは、長手方向の両端部が貫通孔を設けたボックス15の側板に嵌合されている。そして、リニアモータ固定子11とコイル14との間、およびコイル14と反磁性材13との間にそれぞれ僅かな隙間を形成するようにボックス15内に収容保持されている。なお、反磁性材13と強磁性材33とは接着剤等にて接合されている。
【0016】
コイル14は、電線を円形リング状に巻回した複数の単位コイルC1〜C12を接着固定等して組み合わせ、円筒状に形成されたものである。各単位コイルC1〜C12は、永久磁石MのN極とS極の磁極ピッチの1/3幅の長さに形成され、3相駆動を行うため3つの単位コイルを1組の3相コイル(U相コイル、V相コイル、W相コイル)としている。そして、上記コイル14は、1組の3相コイルを4組備えている。なお、この3相コイルの組数は推力等を考慮して任意に決定できる。
【0017】
そして、このコイル14においては、U相コイル、V相コイル、W相コイルとなる単位コイルに対して、ソフトウエアでの磁極検出によって通電制御される。なお、これらU相コイル、V相コイル、W相コイルとなる単位コイルに永久磁石Mが形成する磁界の向きや強さを検出するための磁電変換素子等からなるホール素子が設けられ、これらホール素子からの信号によってコイル14への通電制御がなされるようにしてもよい。
【0018】
また、コイル14の内周面には、エンコーダチャート41に対向する位置に磁気センサ42(磁気抵抗素子)が設けられ、エンコーダチャート41と磁気センサ42とによってリニアモータ可動子12の位置制御、速度制御等を行うためのエンコーダ4が構成される。なお、このようなエンコーダは、光学式のものでもよい。また、エンコーダチャート41をスライダ用フレーム21上面に形成し、磁気センサ42をこのエンコーダチャート41に対向させてボックス15下面に形成するようにしてもよい。
【0019】
一方、反磁性材13は、上記コイル14に対して外周に配置することで、コイル14における永久磁石Mの反対側位置に配置される。反磁性材13は、磁石の磁力線を反発させる性質を有するので、この反磁性材13を、永久磁石Mに外装させたコイル14の外周に配置されることで、永久磁石Mの磁力線を圧縮しコイル14近辺に永久磁石Mの磁束を集中させることができる。
図5は、反磁性材13を設けた場合(同図(a))と、この反磁性材13を設けない場合(同図(b))とにおける永久磁石Mの磁力線の状態を示す。
【0020】
図5(b)に示すように、反磁性材13をリニアモータ可動子11に設けない場合、永久磁石Mにおける、N極からS極に向かう閉ループの磁力線16による磁束密度は、永久磁石Mの長手方向にわたって同じ割合にある。
【0021】
一方、図5(a)に示すように、反磁性材13をリニアモータ可動子11に設けた場合、永久磁石Mにおける、N極からS極に向かう閉ループの磁力線は、この反磁性材13が配置されたところで所定量だけ圧縮される。そのため、この反磁性材13の内側部分における磁束密度が高くなる。特に、N極とS極の各磁極の中央付近における磁束密度が高くなっていることが、図5(a)により明らかである。この結果、反磁性材13の内側部分であるコイル14近辺の磁束密度が高くなるため、この反磁性材13を配置しない場合と比べて、リニアモータ可動子12の推力を大きくすることができる。
【0022】
また、この反磁性材13の外周に強磁性材33が配置されることで、磁力線16が強磁性材33内を通過しようとするため、この強磁性材33による磁力線16の引き寄せ効果と相まって反磁性材13での磁束反射効率(磁力線16の圧縮率)を一層向上させることができる。すなわち、強磁性材33で引き寄せた磁力線16を反磁性材13によって圧縮しコイル14近辺に磁束を更に集中させることができる。その結果、リニアモータ可動子12の推力をより大きくすることができる。
【0023】
ところで、コイル921の外周に強磁性材(ヨーク922)のみを配置した従来のものでは(図6を参照)、リニアモータ可動子92の移動に際し、強磁性材が永久磁石の磁気的吸引力を受けてこの磁気的吸引力の変動に伴いコギングを発生させていたが、反磁性材13は、磁力線16を反発させる性質を有するものの、一般に、強磁性材よりも磁気的影響を強く受けない。また、反磁性材13は、磁力線16を反発させる性質を有することから、磁力線16を遮蔽する機能をも発揮する。従って、反磁性材13を強磁性材33の内側に形成した本実施の形態のものでは、リニアモータ可動子12の移動に際し、反磁性材13は、永久磁石M(リニアモータ固定子11)の磁気的反発力による変動をほとんど受けず、しかも、永久磁石Mから強磁性材33に働く磁気的吸引力をも阻止することができる。そのため、上記リニアモータ可動子12は、ほとんどコギングが起こらない。
【0024】
また、上記反磁性材13としては、例えば、カーボンが使用される。このカーボンの重量は、鉄成分を含む強磁性材と比べ、遥かに軽量である。
【0025】
また、上記強磁性材33としては、例えば、ケイ素鋼鈑が使用される。このケイ素鋼鈑で上記強磁性材33を形成すれば、既述したとおり磁束密度の向上を図ることができ、導体抵抗が大きいことから渦電流の発生を抑制することができ、強度面に優れている等の利点がある。ケイ素鋼鈑が強度面に優れることから、強磁性材33を反磁性材13に比して薄く形成するができる。また、反磁性材13の外側に配置する上記強磁性材33としては、永久磁石Mの磁力線16の引き寄せ機能をある程度発揮できればよいので、この強磁性材33を薄く形成しても十分にある程度の磁力線引き寄せ機能が発揮される。
【0026】
よって、上記反磁性材13の重量が軽量であること、および上記強磁性材33を薄く形成し軽量化できることから、リニアモータ可動子12の軽量化を図ることができる。
【0027】
以上のリニアモータ1は、従来のものと同様の動作をする。すなわち、コイル14に通電すると、コイル14に流れる電流と永久磁石M(リニアモータ固定子11)の形成する磁界との相互作用によりフレミングの左手の法則に従ってリニアモータ可動子12にはリニアモータ固定子11の長手方向に電磁力による推力が発生し、これにより、リニアモータ可動子12がリニアモータ固定子11の長手方向に沿って移動される。
【0028】
このリニアモータ1によれば、反磁性材13をコイル14に外装配置させるようにしたので、永久磁石M(リニアモータ固定子11)の磁界を圧縮しコイル14近辺に永久磁石Mからの磁束を集中させてリニアモータ1の推力を大きくすることができる。しかも、反磁性材13の外周に配置する強磁性材33による磁力線引き寄せ効果と相まってコイル14近辺の磁束密度を一層高くでき、リニアモータ1の推力を一層大きくすることができる。
【0029】
また、反磁性材13は、カーボンが磁化される割合が低いため、磁気的反発力の変動をほとんど受けないし、また、この反磁性材13を強磁性材33の内側に配置することで永久磁石Mから強磁性材33に働く磁気的吸引力をも阻止することができる。そのため、リニアモータ可動子12が永久磁石M(リニアモータ固定子11)上を移動しても、コギングはほとんど起きない。従って、コギングを起こさずに滑らかにリニアモータ可動子12を移動させることができ、且つこのリニアモータ可動子12の推力を反磁性材13を設けないものと比べて大きくすることができる効果が得られる。
【0030】
また、上記反磁性材13を重量の軽いカーボンで形成することで、リニアモータ可動子12が軽量化されてその推力を更に大きくすることができ、また、リニアモータモータ1全体の軽量化を図ることができる等の効果が得られる。
【0031】
以上のリニアモータ1を駆動源とした取出機によれば、リニアモータ1においては上記反磁性材13を設けないものと比較して大きな推力が得られるので、各アーム3,4,5の移動速度を速くすることができ、その結果、成形装置からの成形品の取出サイクルを短くすることができ、成形品の生産性を向上することができる。しかも、リニアモータ1においてはコギングを起こさずに滑らかに駆動されるので、成形品の移送途中にチャックパッド6から成形品を落下させてしまうこともない。さらに、反磁性材13が軽量なカーボンからなるので、駆動源のリニアモータ1が軽量となり、その結果、取出機全体の軽量化にも寄与することができる。
【0032】
なお、本発明は、上記実施の形態のものに限定されず、適宜に設計変更することが可能である。
【0033】
(1)上記実施の形態では、反磁性材13の外周に強磁性材33を配置する構成としたが、強磁性材33を設けない構成としてもよい。
【0034】
(2)上記実施の形態では、コイル14側をリニアモータ可動子12とし、永久磁石M側をリニアモータ固定子11とするが、コイル14側を固定部材に設け、永久磁石M側を進退自在に保持するようにし、上記のリニアモータ固定子11とリニアモータ可動子12との関係を逆にしてもよい。例えば、図2に示すもので言えば、コイル14を備えたスライダ2を固定させ、永久磁石Mを取り付けたスライダ用フレーム21をフリーにすれば、スライダ用フレーム21の永久磁石Mがスライダ2に対して進退動しリニアモータ可動子として機能する一方、コイル14を備えたスライダ2がリニアモータ固定子として機能することとなる。
【0035】
(3)永久磁石M、コイル14、反磁性材13、強磁性材33は、断面円形としたが、三角形、四角形、五角形等の多角形状にしてもよい。
【0036】
(4)反磁性材13は、コイル14および永久磁石Mの外周全域を囲うようにしたが、その外周の一部を囲うようにしてもよい。
【0037】
(5)上記リニアモータ1は、取出機の駆動源のみならず、コピー機、プリンタ、スキャナ等のOA機器、XYテーブルや搬送装置等のFA機器、カメラ等の光学機器、リニアモーターカー等にも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、反磁性材をコイルにおける永久磁石の反対側位置に配置させるようにしたので、コイル近辺に磁束を集中させてリニアモータの推力を大きくすることができる。また、反磁性材は、磁気的反発力の変動をほとんど受けないため、コイルと共に反磁性材が永久磁石との間で相対移動しても、コギングはほとんど起こらない。従って、コギングを起こさずに滑らかにリニアモータ可動子を移動させることができ、且つこのリニアモータ可動子の推力を反磁性材を設けないものと比べて大きくすることができる効果が得られる。
【0039】
また、上記反磁性材としてカーボンを用いることで、反磁性材を軽量化することができ、これにより、リニアモータモータ全体の軽量化に寄与することができ、また、コイルと共に反磁性材をリニアモータ可動子とするときは、反磁性材が軽量化される分、リニアモータ可動子の推力をより一層大きくすることができる等の効果が得られる。また、カーボンは、熱伝導率も良く放熱に寄与するから、コイルの電流容量が増加し、リニアモータ可動子の推力をより一層大きくすることにも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるリニアモータを用いた成形装置の取出機を示した斜視図である。
【図2】取出機のX軸アームを示した斜視図である。
【図3】取出機のX軸アームを示した断面図である。
【図4】リニアモータの構成を示した長手方向の断面図である。
【図5】反磁性材のヨーク13を設けた場合(同図(a))と、このヨーク13を設けない場合(同図(b))とにおける永久磁石Mの磁力線の状態を示す模式図である。
【図6】従来のリニアモータの構成を示した側面図である。
【符号の説明】
1 リニアモータ
11 リニアモータ固定子
12 リニアモータ可動子
13 反磁性材
14 コイル
16 磁力線
33 強磁性材
M 永久磁石
Claims (2)
- N極とS極の磁極が交互に現れるように形成されて周囲に閉ループの磁束による磁界を形成する永久磁石と、この磁界内に配置するコイルとを有し、コイルに電流を流すと永久磁石とコイルとが相対移動するように構成されたリニアモータにおいて、
反磁性材を上記コイルにおける上記永久磁石の反対側位置に配置させたことを特徴とするリニアモータ。 - 請求項1に記載のリニアモータにおいて、
上記反磁性材は、カーボンであることを特徴とするリニアモータ。
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