JPH0616046A - 車両の振動低減装置 - Google Patents

車両の振動低減装置

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JPH0616046A
JPH0616046A JP4175302A JP17530292A JPH0616046A JP H0616046 A JPH0616046 A JP H0616046A JP 4175302 A JP4175302 A JP 4175302A JP 17530292 A JP17530292 A JP 17530292A JP H0616046 A JPH0616046 A JP H0616046A
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Shin Takehara
伸 竹原
Naoki Ikeda
直樹 池田
Hiroshi Seni
浩史 仙井
Norihiko Nakao
憲彦 中尾
Chiaki Mitsufuji
千明 三藤
Yutaka Tsukahara
裕 塚原
Shingo Harada
真悟 原田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の振動低減装置において、車両の加減速
時などの過渡時におけるエンジンの振動の大きさの変化
を速やかにリファレンス信号に反映させる。 【構成】 リファレンス信号xを燃料の噴射情報(燃料
の噴射を制御する噴射パルス信号v)に基づいて生成す
るリファレンス信号生成手段36を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの振動に起因
して車両の所定部位において発生する制御対象振動に対
して、振動発生手段により新たな制御振動を発生させて
これを制御対象振動に重ねることにより積極的に振動を
低減するように構成された車両の振動低減装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両におけるエンジンの振動は、エンジ
ンの車体への取付部を介して車体に伝播して車室内にお
いて不快な振動を発生させたり、あるいは空気を介して
伝播して乗員にとって耳障りな騒音を発生させたりす
る。
【0003】従来、例えば特表平1-501344号公報に開示
されているように、低減させたい振動に対してこれと逆
位相の関係となる振動を発生させ、これを低減させたい
振動と重ねることによって振動低減を図る振動低減装置
が知られている。この種の振動低減装置は、一般に次の
ような構成となっている。図11は従来の車両の振動低減
装置の概略構成を示す図である。
【0004】図11に示すように上記従来の車両の振動低
減装置は、車両の所定位置に配置されて該所定位置にお
ける振動を検出するm個の振動検出手段(騒音を検出す
る場合には、一般にマイクロホンを用いる。)2と、車
両の所定位置に配置されて上記振動検出位置における振
動を低減させるための制御振動を発生させるi個の制御
振動発生手段(音を発生させる場合には、一般にスピー
カを用いる。)4と、該制御振動発生手段4を駆動させ
るための駆動信号y1 〜yi を生成する駆動信号生成手
段6とを備えている。
【0005】上記振動検出手段2は、上記制御振動発生
手段4から発せられた制御振動と、エンジンEの振動に
起因して発生する制御対象振動とを併せて検出し、この
検出した振動をエラー信号e1 〜em として出力する。
また上記駆動信号y1 〜yiはリファレンス信号生成手
段8から出力されるリファレンス信号xをデジタルフィ
ルタF1 〜Fi に通過させることで得られる。
【0006】上記駆動信号生成手段6は、適応アルゴリ
ズム部10により、上記振動検出手段2より入力された上
記エラー信号e1 〜em が最小となるように、上記テジ
タルフィルタF1 〜Fi のパラメータを時々刻々と調整
するように構成されている。この調整のための適応アル
ゴリズムとしてはLMS法(Least Mean Square Method
)、シンプレックス(Simplex)法、ポエル(Powell)法
などが知られているが、図11に示すのはこのうちLMS
法によるものである。上記調整により駆動信号生成手段
6は、リファレンス信号xに基づいて上記駆動信号y1
〜yi を生成する。なお、LMS法では上記リファレン
ス信号xは、デジタルフィルタH°IM(I=1,2,
…,i;M=1,2,…,m)を経由して適応アルゴリ
ズム部10に入力されるが、上記H°IMはI番目の制御振
動発生手段4とM番目の振動検出手段2との間の伝達特
性をモデル化したものであり、これにより制御振動生成
手段4と振動検出手段2との空間的距離をいわば補間す
るようにしている。
【0007】上記駆動信号生成手段6では、信号処理が
デジタル計算によって行なわれるので、リファレンス信
号xの入力段にはアンプ12およびA/D変換器14が、ま
たエラー信号e1 〜em の入力段にはアンプ16およびA
/D変換器18が、さらに駆動信号y1 〜yi の出力段に
はD/A変換器20およびアンプ22がそれぞれ設けられて
いる。
【0008】ところで、エンジンEの振動に起因して発
生する上記制御対象振動は、周期性を有しており、スペ
クトル分析を行なうと主にエンジン回転数の整数倍の周
波数を有する正弦波からなる多数の振動成分から構成さ
れていることがわかる。この多数の振動成分のうち特に
支障となる1つあるいは複数の振動成分を低減させれば
十分な振動低減効果が得られることになる。そこで、上
記振動低減装置においては、上記した特に支障となる1
つあるいは複数の振動成分を打ち消すために、これらの
振動成分を含むようなリファレンス信号xを生成してい
る。すなわちリファレンス信号xは、打ち消そうとする
各正弦波振動成分を重畳せしめてなる周期性を有する振
動となっている。例えば、エンジン回転数の2倍の周波
数の正弦波信号と、4倍の周波数の正弦波信号とを重畳
せしめた信号をリファレンス信号xとして用いれば、上
記振動対象振動のうちこれらの周波数を有する振動成分
を打ち消すことが可能となる。
【0009】上述のようにこの種の振動低減装置におい
ては、エンジンEの振動に起因して発生する制御対象振
動の低減を図るために、制御対象振動を構成する正弦波
からなる多数の振動成分のうち、特に打ち消そうとする
各振動成分と同じ周波数の正弦波信号を重量せしめてな
るリファレンス信号xを必要とする。しかも、打ち消し
を図る振動成分の周波数は、エンジンEの回転数の変化
に同期して変化するため、リファレンス信号xは、その
周波数がエンジンEの回転数に同期して変化する、エン
ジンEの駆動と極めて関連性の高い信号である必要があ
る。従来、リファレンス信号xを生成する方法として
は、エンジンEの回転数と関連して発生するイグニッシ
ョンパルス信号wをイグニッションコイル24から検出し
て、この信号を波形整形器により波形整形してリファレ
ンス信号xを生成する方法が一般的である。具体的に、
リファレンス信号xを生成する方法としては、エンジン
Eのイグニッションパルス信号wを分周した後、トラッ
キングフィルタでトラッキングしてリファレンス信号x
を得る方法、あるいはイグニッションパルス信号wの周
期を計測し、これに基づいて正弦波状のリファレンス信
号xを発生させる方法が知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来にお
いては、一般的にリファレンス信号xを生成するにあた
り、イグニッションパルス信号wを利用している。イグ
ニッションパルス信号wは、エンジンEの点火と同期し
て発生する信号であるため、その周波数がエンジンEの
回転数に応じて変化するなど、エンジンEの駆動状態と
の高い関連性を必要とするリファレンス信号xを生成す
るためには有効な情報源となるものである。
【0011】しかし、イグニッションパルス信号wから
得られる情報は、エンジンEの回転数のみであり、イグ
ニッションパルス信号wからエンジンEの振動(振幅)
の大きさを直接知ることはできない。一般に、車両が加
減速時などの過渡時にあると、エンジンEの回転数が変
化すると共に、エンジンEの振動の大きさも変化するこ
とになる。したがって、車両の加減速時にはエンジンE
の振動に起因して発生する制御対象振動は、その周波数
が変化すると共に振幅も変化することになる。イグニッ
ションパルス信号wからリファレンス信号xを生成する
従来のものにおいては、エンジンEの回転数の変化は直
ちにリファレンス信号xに反映させることができるが、
エンジンEの振動の大きさの変化はリファレンス信号x
に直接反映させることができなかった。従来において
は、車両の加減速時のエンジンEの振動の大きさの変化
は、振動検出手段2が検出して出力したエラー信号e1
〜ei の変化、すなわち制御対象振動の振幅の変化とし
て始めて認識される。このため従来のものにおいては、
エンジンの振動の変化、すなわち制御対象振動の振幅の
変化が起きてから、これを制御対象振動を低減させるた
めに発生させる制御振動に反映させるまでにタイムラグ
が生じることになり、車両の加減速時における振動の低
減を速やかに行なうことが困難であった。
【0012】このような車両の加減速時における振動の
低減を速やかに行なうためには、エンジンEの回転数の
変化と併せてエンジンEの振動の大きさの変化を直ちに
リファレンス信号xに反映させることができればよいこ
とになる。
【0013】本発明が解決しようとする課題は、車両の
振動低減装置において、車両の加減速時などの過渡時に
おけるエンジンの振動の大きさの変化を速やかにリファ
レンス信号に反映させることができるようにすることに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明による請求項1記載の車両の振動
低減装置では、上述した構成の車両の振動低減装置にお
いて、リファレンス信号を燃料の噴射情報に基づいて生
成するリファレンス信号生成手段を設けた。
【0015】また上記課題を解決するための具体的な手
段として、本発明による請求項2記載の車両の振動低減
装置では、請求項1に記載したリファレンス信号生成手
段を、燃料の噴射パルス信号に基づいて生成するように
構成した。
【0016】また上記課題を解決するためのより具体的
な手段として、本発明による請求項3記載の車両の振動
低減装置では、請求項2記載のリファレンス信号生成手
段を、前記噴射パルス信号の立ち上りまたは立ち下りの
タイミングと該噴射パルス信号のパルス幅とを検出し、
該検出した噴射パルス信号の立ち上りまたは立ち下りの
タイミングとパルス幅とに基づいてリファレンス信号を
生成するように構成した。
【0017】上記燃料の噴射情報とは、エンジンに対す
る燃料の噴射に関する情報をいい、具体的には燃料の噴
射タイミングや燃料の噴射量の情報をいう。
【0018】
【作用および発明の効果】エンジンに対する燃料の噴射
には、エンジンの回転数を何らかの形で検出し、この検
出したエンジンの回転数に同期させて燃料の噴射を行な
うものである。ところでエンジン振動の状態は、エンジ
ン回転数とエンジン出力とにより推定することができ
る。そしてエンジン出力は、エンジンに対する燃料の噴
射量により推定することが可能である。したがって、エ
ンジン回転数に同期させて燃料の噴射を行なうタイプの
ものにおいては、燃料の噴射情報すなわち燃料の噴射タ
イミングおよび噴射量の情報を知ることにより、噴射タ
イミングからはエンジンの回転数が、噴射量からはエン
ジンの出力がそれぞれ推定できることになる。
【0019】このように、燃料の噴射情報からエンジン
回転数およびエンジン出力を推定できるので、燃料の噴
射情報に基づいてリファレンス信号を生成すれば、車両
の加減速時などの過渡時におけるエンジン回転数の変
化、およびエンジン出力の変化、すなわちエンジン振動
の大きさの変化を速やかにリファレンス信号に対して反
映させることが可能となる。特に、エンジン回転数に同
期した燃料噴射制御には電子制御式や機械式のものが知
られているが、電子制御式のものでは、機械式のものに
比較してより精度の高い燃料噴射制御が行なわれてお
り、電子制御式のものにおいて得られる燃料の噴射情報
からリファレンス信号を生成するメリットは機械式の場
合よりも大きい。
【0020】電子制御式による燃料噴射制御は、一般に
ECUから出力される噴射パルス信号により、噴射弁の
開弁時間を制御することにより行なわれている。噴射弁
の燃料噴射圧力は一定に保たれており、燃料の噴射量は
開弁されている間の時間に比例する。また、噴射パルス
信号の立ち上りタイミングまたは立ち下りタイミングの
どちらか一方は通常エンジン回転数と同期するように設
定されているので、燃料の噴射タイミングは噴射パルス
信号の立ち上りタイミングまたは立ち下りタイミングに
より、噴射弁が開弁されている時間すなわち燃料噴射量
は噴射パルス信号のパルス幅により推定できる。したが
って噴射パルス信号に基づいてリファレンス信号を生成
すれば、車両の過渡時におけるエンジン振動の周波数お
よび振動の大きさの変化を速やかにリファレンス信号に
対して反映させることができる。
【0021】本発明による車両の振動低減装置によれ
ば、リファレンス信号を燃料の噴射情報、例えば電子制
御式のものにおける噴射パルス信号に基づいて生成する
リファレンス信号生成手段を備えたことにより、車両の
加減速時などの過渡時におけるエンジンの振動の大きさ
の変化を速やかにリファレンス信号に反映させることが
可能となり、これにより車両の過渡時において発生する
制御対象振動を速やかに低減させることができる。
【0022】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明による車両
の振動低減装置の実施例を説明する。
【0023】図1は本発明の一実施例による車両の振動
低減装置の概略構成を示す図、および図2はその取付位
置を示す概略図である。なお、本実施例による車両の振
動低減装置において、図11に示した従来の車両の振動低
減装置と同様の要素に関しては、同一の符号を付しその
詳細な説明は省略する。
【0024】本実施例による車両の振動低減装置は、電
子制御によりエンジンEへの燃料噴射を制御するECU
を備えた車両において、エンジンEの駆動に起因して該
エンジンEの車体への取付部において発生する制御対象
振動の低減を図るものであり、図示のように、エンジン
Eの車体への取付部近傍に設けられたm個(図2では1
個のみ示す。)の振動検出手段としての加速度センサ32
と、上記エンジンEの車体への取付部において該エンジ
ンEと車体との間に介設され、上記制御対象振動を低減
させるための制御振動を発生させるi個(図2では1個
のみ示す。)の制御振動発生手段としてのアクチュエー
タ34と、該各アクチュエータ34を駆動させるコントロー
ラCとを備えている。
【0025】図1に示すように上記コントローラCは、
ECUから出力される噴射パルス信号vに基づいてリフ
ァレンス信号xを生成するリファレンス信号生成手段36
と、該リファレンス信号xに基づいて上記各アクチュエ
ータ34を駆動させるための駆動信号y1 〜yi を生成す
る駆動信号生成手段6とを備えている。この駆動信号生
成手段6は、上記リファレンス信号xを通過させること
により上記各アクチュエータ34を駆動させるための駆動
信号y1 〜yi が得られるi個のデジタルフィルタF1
〜Fi と、上記各アクチュエータ34が発生させる振動と
エンジンEの駆動に起因して発生する制御対象振動とを
併せて検出した上記各加速度センサ32から出力されたエ
ラー信号e1 〜em が最小となるように上記各デジタル
フィルタF1 〜Fi の調整をする適応アルゴリズム部10
とを備えている。本実施例において、上記各デジタルフ
ィルタF1 〜Fi の調整を行なうために用いる適応フィ
ルタはLMS法であり、このため上記制御振動生成手段
6は、上記各アクチュエータ34と上記各加速度センサ32
との間の伝達関数HIM(I=1,2,…,i;M=1,
2,…,m)をモデル化したデジタルフィルタH°IM
備えている。また上記コントローラCには、上記リファ
レンス信号xを増幅するアンプ12および同信号xをデジ
タル変換するA/D変換器14と、上記各駆動信号y1
i をアナログ変換するD/A変換器20および同信号y
1 〜yi を増幅するアンプ22と、上記各エラー信号e1
〜em を増幅するアンプ16および同信号e1 〜em をデ
ジタル変換するA/D変換器18とが内蔵されている。
【0026】本発明の特徴は、本実施例においては、リ
ファレンス信号xをECUから出力される噴射パルス信
号vに基づいて生成するリファレンス信号生成手段36を
備えた点にあり、以下これについて詳述する。図3は燃
料噴射制御系の概略構成図、図4はECUの発生させる
噴射パルス信号の波形を示す図、および図5はそのリフ
ァレンス信号生成手段の概略構成図である。
【0027】図3に示すように本実施例においてECU
は、エアフローセンサ8から入力される吸入空気量信号
fや、ディストリビュータ40から入力されるクランク角
信号gや、さらには水温センサ42および空燃比センサ44
からの入力信号に基づいて、噴射弁(インジェクタ)46
に対して噴射パルス信号vを出力して燃料の噴射を制御
したり、イグニッションコイル24に対して点火信号jを
出力して点火時期を制御するように構成されている。図
4に示す噴射パルス信号vは、燃料の噴射タイミングと
燃料の噴射量とを制御する信号であり、この噴射パルス
信号vを検出することにより、燃料の噴射情報を得るこ
とが可能となる。本実施例では、噴射パルス信号vの立
ち上りのタイミングで噴射弁46を開弁し、立ち下りのタ
イミングで閉弁するようにしており、さらに所定時間内
で確実に燃料の噴射が終了するように、噴射パルス信号
vの立ち下りのタイミングがエンジン回転数と常に同期
するようしている。
【0028】図5に示すようにリファレンス信号生成手
段36は、ECUから入力された噴射パルス信号vよりエ
ンジンEの回転周期を測定するエンジン回転周期測定手
段48と、同じく入力された噴射パルス信号vより噴射パ
ルス幅Pを測定する噴射パルス測定手段50と、エンジン
回転周期測定手段48の測定したエンジン回転周期に基づ
いてリファレンス信号xの周期Tを決定するリファレン
ス信号周期決定手段52と、噴射パルス幅測定手段50の測
定した噴射パルス幅Pに基づいてリファレンス信号xの
振幅Aを決定するリファレンス信号振幅決定手段54と、
決定された周期Tおよび振幅Aに基づいてリファレンス
信号xを発振させるリファレンス信号発振器56とを備え
てなる。
【0029】なお、本実施例ではリファレンス信号x
を、制御対象振動を構成する振動成分のうち、特に打ち
消しを図りたい1つの振動成分(例えばエンジンEの回
転数の2倍の周波数を有する成分)の周波数と同じ周波
数を有する1つの正弦波信号から構成している。複数の
振動成分の打ち消しを図る場合には、各振動成分の周波
数と同じ周波数を有する複数の正弦波信号を上述のよう
に生成し、これらを互い重畳してリファレンス信号xを
生成すればよい。
【0030】上記エンジン回転周期測定手段48によるエ
ンジン回転周期の測定方法は、本実施例においては、噴
射パルス信号vの立ち下りのタイミングがエンジン回転
数と同期しているので、この噴射パルス信号vの立ち下
りのタイミングを検出し、この立ち下りタイミングの間
隔Lを測定することによりエンジン回転周期を測定する
方法をとっている。
【0031】また上記リファレンス信号振幅決定手段54
によりリファレンス信号xの振幅Aの決定方法は、エン
ジンEの振動の大きさの変化を、何らかの形でリファレ
ンス信号xの振幅Aの大きさに反映させることができる
方法であればよく、種々の方法が考えられるが以下では
3例を上げて説明する。
【0032】先ずは比例計算による方法。これは、例え
ば噴射パルス幅の基準値をP0 、リファレンス信号xの
振幅の基準値をA0 と設定しておき、現在の噴射パルス
幅がPであった場合、リファレンス信号の振幅を、 A=A0 ・P/P0 とする比例計算により決定するものである。
【0033】次に2次元マップによる方法。これは、図
6に示すような噴射パルス幅Pに対して好適なリファレ
ンス信号振幅Aを1対1に対応させた2次元マップをメ
モリに記憶させておき、噴射パルス幅測定手段50の測定
した噴射パルス幅Pに対応したリファレンス信号振幅A
を2次元マップより引き出すものである。
【0034】次は3次元マップによる方法。これは、図
7に示すようなエンジン回転数Rおよび噴射パルス幅P
の2つのパラメータに対して好適なリファレンス信号振
幅Aを対応させた3次元マップをメモリに記憶させてお
き、エンジン回転周波測定手段48の測定したエンジン回
転周期により求められるエンジン回転数Rと、噴射パル
ス幅測定手段50の測定した噴射パルス幅Pとに対応した
リファレンス信号を3次元マップより引き出すものであ
る。
【0035】上記いずれの振幅決定方法によりリファレ
ンス信号xの振幅Aを決定しても、エンジンEに対する
燃料噴射量の変化、すなわちエンジンEの振動の大きさ
の変化をリファレンス信号xの振幅に反映させることが
できるので、車両の加減速時などの過渡時におけるエン
ジンEの振動の大きさの変化をリファレンス信号xに対
して速やかに反映させることが可能となり、もって車両
の過渡時における制御対象振動の速やかな低減を図れ
る。
【0036】上述のようにECUが発生させる噴射パル
ス信号vに基づいて生成されたリファレンス信号xは、
駆動信号生成手段6により駆動信号y1 〜yi に変換さ
れて上記各アクチュエータ34を駆動させることになる
が、ここで各アクチュエータ34の構成について簡単に説
明する。図8はアクチュエータの概略構成を示す縦断面
図である。
【0037】図8に示すようにアクチュエータ34は、ケ
ーシング58内を上下移動可能なように、該ケーシング58
にラバー60を介して取り付けられたシリンダ62と、該シ
リンダ62の上方に設けられた加振部64とを備えてなる。
シリンダ部62により上下に区画された2つの空間部66,
68はオリフィス70により互いに連通されており、該空間
部66,68内には液体が封入されている。上記加振部64
は、ラバー72を介してケーシング58に上下動可能に取り
付けられた2枚の加振板74と該2枚の加振板74に挾持さ
れた圧電素子76とからなる圧電アクチュエータ部78と、
永久磁石80と電磁コイル82とを組み合わせてなる電磁ソ
レノイド部84とからなり、低、中周波数の振動は電磁ソ
レノイド部84で、高周波数の振動は圧電アクチュエータ
部78で発生させるように構成されている。
【0038】上記構成を有する各アクチュエータ34は、
駆動振動発生手段6からの駆動信号y1 〜yi に従い加
振部64が振動することによりシリンダ62を振動させて、
エンジンEの振動に起因して発生する制御対象振動の低
減を図る。
【0039】次に本発明による車両の振動低減装置の他
の実施例を説明する。図9は本発明の他の実施例による
車両の振動低減装置の概略構成を示す図、および図10は
その取付位置を示す概略図である。なお、本実施例によ
る車両の振動低減装置において、従来の車両の振動低減
装置および前述した本発明の一実施例による車両の振動
低減装置と同様の要素に関しては、同一の符号を付しそ
の詳細な説明は省略する。
【0040】本実施例の車両の振動低減装置が前記実施
例と異なるのは、振動検出手段のみである。前記実施例
では、振動検出手段がエンジンEの車体への取付部近傍
に設けられた加速度センサ32であったのに対し、本実施
例では、図8、図9に示すように振動検出手段を車室内
の座席近く(乗員が着座した時の乗員の耳の位置が好
適)に設けられたm個のマイクロフォン80としている。
すなわち、本実施例による車両の振動低減装置は、エン
ジンEの振動に起因して車室内の座席近くに発生する制
御対象振動としての騒音(空気の振動)を、エンジンE
の車体への取付部に設けられたi個のアクチュエータ34
を駆動させることにより低減させるものである。
【0041】なお、その他の構成については前記実施例
と同様であり、説明は省略する。
【0042】以上、本発明による車両の振動低減装置の
実施例を説明したが、本発明による車両の振動低減装置
は、かかる態様に限定されるものではなく種々の変更を
行なうことが可能である。
【0043】例えば前記各実施例では、適応アルゴリズ
ムとしてLMS法を用いているが、適応アルゴリズムと
してシンプレックス法やポエル法を用いてもよい。
【0044】また前記各実施例では、制御振動発生手段
としてアクチュエータを用いているが、特に騒音の低減
を図る目的のためにならば制御振動発生手段としてスピ
ーカを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による車両の振動低減装置の
概略構成を示す図
【図2】図1に示す装置の取付位置を示す概略図
【図3】燃料噴射制御系の概略構成図
【図4】ECUの発生させる噴射パルス信号の波形を示
す図
【図5】図1に示す装置によるリファレンス信号の生成
手段の概略構成図
【図6】2次元マップ
【図7】3次元マップ
【図8】アクチュエータの概略構成を示す縦断面図
【図9】本発明の他の実施例による車両の振動低減装置
の概略構成を示す図
【図10】図9に示す装置の取付位置を示す概略図
【図11】従来の車両の振動低減装置の概略構成を示す
【符号の説明】
4 スピーカ 6 駆動信号生成手段 8,36 リファレンス信号生成手段 32 加速度センサ 34 アクチュエータ 80 マイクロホン E エンジン v 噴射パルス信号 w イグニッションパルス信号 x リファレンス信号 y1 〜yi 駆動信号
フロントページの続き (72)発明者 中尾 憲彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 三藤 千明 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 塚原 裕 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 原田 真悟 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの振動に起因して車両の所定部
    位において発生する制御対象振動を低減させるための制
    御振動を発生させる制御振動発生手段と、該制御振動発
    生手段を駆動させるための駆動信号をエンジンの駆動状
    態と関連したリファレンス信号に基づいて生成する駆動
    信号生成手段とを有してなる車両の振動低減装置におい
    て、 前記リファレンス信号を燃料の噴射情報に基づいて生成
    するリファレンス信号生成手段を備えたことを特徴とす
    る車両の振動低減装置。
  2. 【請求項2】 前記リファレンス信号生成手段が、燃料
    の噴射を制御する噴射パルス信号に基づいて前記リファ
    レンス信号を生成するように構成されていることを特徴
    とする請求項1記載の車両の振動低減装置。
  3. 【請求項3】 前記リファレンス信号生成手段が、前記
    噴射パルス信号の立ち上りまたは立ち下りのタイミング
    と該噴射パルス信号のパルス幅とを検出し、該検出した
    噴射パルス信号の立ち上りまたは立ち下りのタイミング
    とパルス幅とに基づいて前記リファレンス信号を生成す
    るように構成されていることを特徴とする請求項2記載
    の車両の振動低減装置。
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