JPH07168583A - 多点式騒音制御装置 - Google Patents

多点式騒音制御装置

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JPH07168583A
JPH07168583A JP5315366A JP31536693A JPH07168583A JP H07168583 A JPH07168583 A JP H07168583A JP 5315366 A JP5315366 A JP 5315366A JP 31536693 A JP31536693 A JP 31536693A JP H07168583 A JPH07168583 A JP H07168583A
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JP
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noise
engine
control
amplitude
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Application number
JP5315366A
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English (en)
Inventor
Yasushi Ohara
康司 大原
Yoshihiro Nakase
善博 中瀬
Yoshitaka Nishio
佳高 西尾
Katsuyuki Tanaka
克幸 田中
Tokio Kohama
時男 小浜
Masanori Kato
正典 加藤
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はエンジン回転の次数成分の騒音に、
各次数に対応する位相及び振幅のマップに基づき制御音
を付加することによる車外及び車室内の騒音における所
望の音特性の改良に関する。 【構成】 複数の音源又は疑似音源からの騒音を制御す
るために配置された複数のアクチュエータ4、5と、エ
ンジン回転パルスから騒音の次数成分を形成してこれに
ついて、エンジン回転パルス及びエンジン負荷信号をパ
ラメータとして騒音の次数成分に対する位相制御量及び
振幅制御量を予め格納したマップ情報に従い、エンジン
回転パルス及びエンジン負荷信号に基づいて各複数のア
クチュエータ毎の位相及び振幅を制御するコントローラ
3と、フィードバックによるマップ情報決定時に用いる
複数のマイクロフォン6、7、FFT8、パーソナルコ
ンピュータ9とを有する多点式騒音制御装置を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のエンジン本体か
らの放射騒音、エンジンの吸気音又は排気騒音に対し制
御音を干渉させることによりエンジン本体からの放射
音、吸気音又は排気音を消音したり所望の特性を持つ音
に加工できる騒音制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来このような分野の技術として、エン
ジン回転センサによりエンジンの駆動に伴う吸気音情報
が採取され、コントローラにより、採取された吸気音情
報に基づき所望の次数比成分に相当する周波数を有する
信号を生成するとともに、その信号に対し位相制御及び
振幅制御を行いエンジンの吸気音の伝播経路に配置され
たスピーカから制御音を発生させるアクティブ騒音制御
装置がある。吸気音情報ついては、例えば、吸気騒音は
エンジンの爆発に起因するもので、4気筒エンジンでは
主に回転2次成分が大きなウエイトを占めているととも
に、エンジン負荷状態により、そのレベルは大きく変化
する。このため吸気音情報としてエンジン回転数及び負
荷をパラメータとして予め次数について音源の位相及び
振幅が格納されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のアク
ティブ騒音制御装置では、エンジンの吸気音又は排気騒
音のように単一の音源より発せられる騒音に対して、エ
ンジン回転の次数成分について、エンジンの回転数及び
負荷などに対するマップ情報に基づいた位相及び振幅の
制御音を付加することにより所望の音特性を得ている。
しかし、複数の音源、例えば、吸気音、排気音等を持つ
自動車に対して、車外及び車室内騒音において所望の音
特性を得るには単一の音源の制御では不十分であるとい
う問題があった。また、複数の音源毎に単に制御音を付
加して制御しようとするとき個々の制御音が同一周波数
成分を含んでいるため相互に影響しあい、各音源を同時
に制御する制御音の位相及び振幅を個別に決定すること
は、非常に困難であるという問題がある。
【0004】したがって、本発明は、上記問題点に鑑
み、自動車において複数の音源を同時に制御することに
より、車外及び車室内騒音において所望の音特性を得ら
れる多点式騒音制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決するために、車両の車外・車内騒音に寄与する複数
の音源又は疑似音源からの騒音を制御するために配置さ
れた複数のアクチュエータと、車両のエンジン回転パル
スから騒音の次数成分を形成してこれについて、前記エ
ンジン回転パルス及びエンジン負荷信号をパラメータと
して前記騒音の次数成分に対する位相制御量及び振幅制
御量を予め格納したマップ情報に従い、エンジン回転パ
ルス及びエンジン負荷信号に基づいて各前記複数のアク
チュエータ毎の位相及び振幅を制御するコントローラ
と、前記コントローラに格納するマップ情報を決定する
マップ情報決定部とを有する多点式騒音制御装置を設け
る。また、前記マップ情報決定部は、所定のエンジン回
転数又はエンジン負荷領域毎に位相量及び振幅量を変更
し各前記アクチュエータの制御音による干渉音圧を測定
し、所定周波数の音圧を抽出し、全体としてこの抽出音
圧が望ましい音圧に最も近くなるものの位相量及び振幅
量を前記位相制御量及び振幅制御量として格納するよう
にしてある。さらに、前記音源又は疑似音源はエンジン
本体からの放射騒音、エンジンの吸気騒音又は排気騒音
を対象とする。
【0006】
【作用】本発明の多点式騒音制御装置によれば、前記複
数のアクチュエータが設けられ、車両のエンジン回転パ
ルスから騒音の次数成分が形成されこれについて各前記
複数のアクチュエータ毎の位相及び振幅を、前記エンジ
ン回転パルス及びエンジン負荷信号をパラメータとして
前記騒音の次数成分の位相及び振幅が予め格納されたマ
ップ情報に従い、エンジン回転パルス及びエンジン負荷
信号に基づいて前記コントローラが制御することによ
り、複数の音源毎に制御音が付加され制御されるように
なり、車外及び車室内騒音において所望の音質特性を得
ることができるようになった。前記マップ情報の形成に
おいて所定のエンジン回転数又はエンジン負荷領域毎に
位相量及び振幅量が変更され各前記アクチュエータの制
御音による干渉音圧が測定され、所定周波数の音圧が抽
出され、全体としてこの抽出音圧が望ましい音圧に最も
近くなるようにして、具体的には音圧の差の二乗和が極
小になるな位相量及び振幅量が前記位相制御量及び振幅
制御量として形成されることにより、すなわち、アクチ
ュエータの各制御音の位相及び振幅をアクチュエータが
形成する制御音毎に個別に決定するのではなく、全ての
アクチュエータからの制御音が放射されたときの全ての
評価点の騒音をフイードバックすることにより制御音の
位相と振幅を同時に決定することにより、ある音源に対
応する評価点を制御するための制御音が他の音源に対応
する評価点の騒音を相互に変化させる影響が小さくな
る。なお、評価点の騒音のフィードバックはマップ情報
の決定時のみに行い、マップ情報に従い制御を行うとき
には必要はない。このように、音源又は疑似音源毎に制
御を行うことにより車外及び車室内で大きな制御効果が
得られる。
【0007】
【実施例】まず、本発明の概略的実施例では、エンジン
ルームより車外及び車室内に放射される騒音のエンジン
回転2次成分の低減を行っており、吸気口より車外に放
射される吸気音と、エンジンルーム開口部より車外に、
またダッシュパネルを透過して車室内に放射されるエン
ジンルーム内共鳴音(エンジンルーム内の音源をまとめ
た疑似音源)とを制御対象の音源としている。このた
め、吸気口付近とエンジンルーム内にアクチュエータを
配置し2点式の騒音制御を行っている。また、マップ情
報(各制御音の位相及び振幅)の決定に関しては、吸気
口付近とエンジンルーム内に配置された評価点2点にお
けるエンジン回転2次成分の干渉音圧について二乗和を
目的関数とした最急降下法によるフィードバック制御
を、コンピュータを用いて、行っている。ここで、先に
述べたように、フィードバックを行うための、評価点の
マイク、FFT、コンピュータは、マップ情報決定時に
のみ必要であり、実際に制御を行うときのシステムは、
コントローラとアクチュエータである。本発明者の実験
結果では、この構成により車両側面左右1m音及び運転
席耳位置音において、エンジン回転の2次成分に対し
て、5〜10dBの低減効果を得ている。なお、本実施
例では、実際にフィードバックを行いマップ情報を決定
しているが、制御音の効果についてシュミレーションを
行い決定してもよい。また、この例では、音源の低減を
目的としたため、評価点の干渉音圧について二乗和を目
的関数とした最急降下法によるフィードバックを行った
が、各評価点において所望の音質特性を得るためには、
各評価点の騒音と所望の音質特性との差を小さくするよ
うなフィードバック制御を行えばよい。
【0008】以下に本発明を具体化した実施例を図面に
従って詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例に
係る2点式騒音制御装置であって車両騒音に対するもの
を用いる車載システムを示す図であり、図2は図1のコ
ントローラ3のブロックを示す図であり、図3は図2の
メモリ38に格納される位相制御量及び振幅制御量を示
す図である。
【0009】まず、車載システムについて以下に詳細に
説明を行う。本図1に示すように、通常、電子制御を行
っているエンジンではディストリビュータ内などにエン
ジン回転センサ1が、またスロットルボディ部などに吸
気負圧などのエンジン負荷センサ2が設けられている。
そして両センサは、本図2に示されたエンジン回転パル
ス11及びエンジン負荷情報21を伝える信号線によ
り、コントローラ3に接続されている。コントローラ3
内の構成は、本図2に示されるように、エンジン回転パ
ルス11が波形整形回路31に入力し、これに逓倍・分
周回路32、ローパスフィルタ回路33が、この順に接
続されており、ローパスフィルタ回路33の出力が二分
されて、それぞれ位相制御回路A34、振幅制御回路A
35及び位相制御回路B36、振幅制御回路B37を経
由し、制御波形信号A41及び制御波形信号B51に出
力される。このとき、位相制御回路A34と位相制御回
路B36の位相制御量及び振幅制御回路A35と振幅制
御回路B37の振幅制御量は、CPU39(Central Pro
cessing Unit) が、エンジン回転パルス11及びエンジ
ン負荷信号21に基づきエンジン回転数及びエンジン負
荷を求め、メモリ38内のマップ情報を読み出して決定
している。ここで、マップ情報は後述するアクチュエー
タごとの位相制御量と振幅制御量である。さらに、制御
波形信号を伝える信号線により、コントローラ3に吸気
音用アクチュエータ4(スピーカ)及びエンジンルーム
内音用アクチュエータ5(スピーカ)が接続されてい
る。
【0010】図4はCPU39による位相制御量及び振
幅制御量の位相制御回路A34、B36、及び振動制御
回路A35、B37への設定手順を説明するフローチャ
ートである。本図に示すステップS300において、C
PU39はエンジン回転数及びエンジン負荷情報の取り
込みを行う。
【0011】ステップS301において、回転数及び負
荷領域の変更が有るかを判定する。この判定が否定的な
らばステップS300に戻る。ステップS302におい
て、上記判定が肯定的ならば、メモリ38によりマップ
情報を読み出す。ステップS303において、位相制御
回路A34及び位相制御回路B36に位相量を設定す
る。
【0012】ステップS304において、振幅制御回路
A35及び振幅制御回路B37に振幅量を設定する。そ
して、コントローラ3より出力された制御波形信号A4
1と制御波形信号B51は、それぞれ吸気音用アクチュ
エータ4及びエンジンルーム内音用アクチュエータ5に
て変換され、吸気音とエンジンルーム内音に対する制御
音となる。このとき吸気音用アクチュエータ4とエンジ
ンルーム内音用アクチュエータ5との距離が近く、それ
ぞれのアクチュエータの放射する制御音の周波数が等し
いため、吸気音とエンジンルーム内音を同時に低減する
制御音は、吸気音を吸気音用アクチュエータ4により単
独で低減する制御音及びエンジンルーム内音をエンジン
ルーム内音用アクチュエータ5により単独で低減する制
御音とは、位相及び振幅が異なっている。本手法では、
吸気音用アクチュエータ4とエンジンルーム内音用アク
チュエータ5により、吸気音とエンジンルーム内音を同
時に低減する制御音の位相制御量と振幅制御量をマップ
情報としてメモリ38に記憶している。このようにし
て、車外・車内騒音において4気筒エンジンのエンジン
回転2次成分(爆発の1次成分)に寄与する音源である
吸気音とエンジンルーム内音を、吸気音用アクチュエー
タ4からの制御音とエンジンルーム内音用アクチュエー
タ5からの制御音により、、制御音間の相互作用を考慮
して低減した結果、車外・車内において大きな制御効果
が得られる。
【0013】ステップS305において、制御を終了す
べきかについて判定する。この判定が否定的ならばステ
ップS300に戻る。次に、吸気音用アクチュエータ4
とエンジンルーム内音用アクチュエータ5により、吸気
音とエンジンルーム内音を同時に低減するマップ情報の
決定について、図5に示す構成による2点式騒音制御装
置のマップ情報決定システムの作用について説明する。
【0014】図5は図2のメモリ38内のマップ情報を
決定するシステムを説明する図である。本図に示すよう
に、エンジン回転センサ1、エンジン負荷センサ2、コ
ントローラ3、吸気音用アクチュエータ4、エンジンル
ーム内音用アクチュエータ5の接続及びコントローラ3
内の構成は、図1のものと同様である。ただし、位相制
御回路A34と位相制御回路B36の位相制御量及び振
幅制御回路A35と振幅制御回路B37の振幅制御量は
パーソナルコンピュータ9からRS232Cによりコン
トローラ3に入力されたアクチュエータごとの値となっ
ている。この位相制御量及び振幅制御量で、吸気音用ア
クチュエータ4及びエンジンルーム内音用アクチュエー
タ5を駆動した制御結果の干渉音圧が、評価点61付近
に設けられた吸気音用マイクロフォン6及び評価点71
付近に設けられたエンジンルーム内音用マイクロフォン
7にて測定され、FFTアナライザ8(Fast Fourier Tr
ansformation) を経由して、パーソナルコンピュータ9
に入力される。次に図1に示した構成による2点式騒音
制御装置の車載システムの作用について説明する。
【0015】この実施例では、車外・車内騒音において
問題となる4気筒エンジンのエンジン回転2次成分(爆
発の1次成分)を、吸気音とエンジンルーム内音の制御
により、低減している。コントローラ3は、エンジン回
転センサ1及びエンジン負荷センサ2の出力より、エン
ジン状態(回転数及び負荷)に従ってマップ情報に基づ
き吸気音とエンジンルーム内音を制御するための制御波
形信号(アクチュエータ入力)を出力する。これを図2
に従い詳しく説明する。エンジン回転センサ1の出力で
あるエンジン回転パルス11は波形整形回路31により
ノイズが除去され、逓倍・分周回路32において逓倍・
分周され、エンジン回転2次成分のパルスとなる。次
に、ローパスフィルタ回路33にてその高調成分が除去
されて、除去された信号はエンジン回転2次成分の正弦
波となり、二分されて、それぞれ位相制御回路A34及
び振幅制御回路A35と位相制御回路B36及び振幅制
御回路B37において位相及び振幅を制御されて、制御
波形信号A41と制御波形信号B51となる。
【0016】前述のように、コントローラ3がエンジン
回転センサ1及びエンジン負荷センサ2の出力を基に吸
気音とエンジンルーム内音を制御するための制御波形信
号(アクチュエータ入力)を出力する。この過程におい
て、図1の車載システムと異なるのは、位相制御回路A
34、振幅制御回路A35、位相制御回路B36、振幅
制御回路B37の位相制御量及び振幅制御量を、コント
ローラ3のメモリ38に記憶されているマップ情報に基
づいて決定するのではなくこれに代わり、パーソナルコ
ンピュータ9からコントローラ3に入力された値として
いる点である。これにより、パーソナルコンピュータ9
は、任意の位相、振幅の制御音を吸気音用アクチュエー
タ4とエンジンルーム内音用アクチュエータ5より放射
し、そのときの制御結果としての吸気口近傍61の騒音
とエンジンルーム内71の騒音を、それぞれ吸気音用マ
イクロフォン6とエンジンルーム内音用マイクロフォン
7の測定結果のFFTアナライザ8における周波数分析
結果としてフィードバックして、吸気音とエンジン内音
を同時に低減する位相制御量及び振幅制御量を決定す
る。マップ情報として必要とされるエンジン状態(回転
数、負荷)における定常走行にて、このフィードバック
を行い決定された位相制御量及び振幅制御量を、そのエ
ンジン状態におけるマップ情報としてパーソナルコンピ
ュータ9に記憶しておき、マップ情報として必要とされ
るエンジン状態全てに対するマップ情報を求めた後、R
S232Cを通して、コントローラ3のメモリ38内の
マップ情報を更新し、図1の車載システムの構成とする
ことにより、車載システムとして吸気音とエンジンルー
ム内音を同時に低減できるようになる。以下にそのアル
ゴリズムを詳細に説明する。
【0017】図6は第1の実施例の2点式騒音制御装置
のマップ情報決定アルゴリズムを説明するフローチャー
トである。以下の手順に従い吸気音とエンジンルーム内
音を同時に低減するための最適な位相制御量及び振幅制
御量を決定する。本図に示すステップS900におい
て、まず、シャシローラ上で被測定車両をマップ情報と
して必要とされるエンジン状態(回転数、負荷)におい
て定常走行させる。このエンジン状態において、フィー
ドバックを開始し、ループ回数(K)を初期化する。
【0018】ステップS901において、エンジン回転
情報及びエンジン負荷情報が取り込まれる。ステップS
902において、回転数又は負荷領域の変化の有無を確
認する。回転数又は負荷領域の変化が有るときは、フィ
ードバックが終了する。ステップS903において、上
記ステップS902において回転数又負荷領域が変化し
ないときには、2測定点についてエンジン回転の2次成
分干渉音圧(P1k、P2k)の読み込みを行う。
【0019】ステップS904において、目的関数(2
次成分干渉音圧の二乗和:Wk =P1k2 +P2k2 )の算
出を行う。ステップS905において、目的関数が極小
値であるかの判定を行う。ステップS906において、
上記ステップで極小値でなければ、それぞれのアクチュ
エータに対する位相制御量及び振幅制御量の変更を行
う。
【0020】ステップS907において、ループ回数の
増加を行った後、エンジン回転情報及びエンジン負荷情
報の取り込みを行うステップS901に戻り、フィード
バックループを形成する。ステップS908において、
上記ステップS905において、目的関数が極小値と判
定された場合は、このときの位相制御量及び振幅制御量
をこのエンジン状態におけるマップ情報とするマップ情
報の記録を行う。これによりフィードバックが終了す
る。本実施例では、目的関数が極小値であるかのを判定
するステップS905、それぞれのアクチュエータに対
する位相制御量及び振幅制御量を変更するステップS9
06については、適応制御の最急降下法を用いて、フィ
ードバックループの収束を速めている。
【0021】このように、2個のアクチュエータを同時
に駆動して、吸気音とエンジンルーム内音を同時に低減
できる位相制御量及び振幅制御量をマップ情報として持
ちエンジン回転数とエンジン負荷に応じて、マップ情報
に基づき制御を行うことにより、吸気音とエンジンルー
ム内音の同時低減が可能である。図7は本発明の第2の
実施例に係る3点式騒音制御装置であって車両騒音に対
するものを用いる車載システムを示す図であり、図8は
図7のコントローラ3のブロックを示す図である。この
実施例では、車外・車内騒音において問題となる4気筒
エンジンのエンジン回転2次成分(爆発の1次成分)
を、吸気音・エンジンルーム内音・排気音の制御によ
り、低減している。本実施例での3点式騒音制御装置の
車載システムにおいては、図7に示されるように、排気
音用アクチュエータ100が追加されることである。さ
らに、図8に示されるように、ローパスフィルタ回路3
3の出力が三分されて、追加された位相制御回路C34
0及び振幅制御回路C350を経由した制御波形信号C
101の出力が追加されている点が図1の第1の実施例
と異なる。また、コントローラ3の制御アルゴリズムは
図5に示した第1の実施例と同じであるが、位相制御量
及び振幅制御量は各制御信号波形ごとに決定するため、
メモリ38に記憶されているマップ情報が、吸気音用ア
クチュエータ4・エンジンルーム内音用アクチュエータ
5・排気音用アクチュエータ100により、吸気音・エ
ンジンルーム内音・排気音を同時に低減する3つの制御
音の位相制御量及び振幅制御量となっている点が第1の
実施例と異なる。このようにして、車外・車内騒音にお
いて4気筒エンジンのエンジン回転2次成分(爆発の1
次成分)に寄与する音源である吸気音・エンジンルーム
内音・排気音を、吸気音用アクチュエータ4からの制御
音・エンジンルーム内音用アクチュエータ5からの制御
音・排気音用アクチュエータ100からの制御音によ
り、制御音間の相互作用を考慮して同時に低減した結
果、車外・車内において大きな制御効果が得られる。
【0022】図9は図8のメモリ38内のマップ情報を
決定するシステムを説明する図である。本図に示すよう
に、本実施例の3点式騒音制御装置のマップ情報決定シ
ステムにおいて、排気音用アクチュエータ100、評価
点201の付近に設けられた排気音用マイクロフォン2
00が追加されることと、図8に示されるようにローパ
スフィルタ回路33の出力が三分されて、追加された位
相制御回路C340及び振幅制御回路C350を経由し
た制御波形信号C101の出力が追加されている点が第
1の実施例と異なる。また、位相制御量及び振幅制御量
をマップ情報に基づいて決定するのではなく、パーソナ
ルコンピュータ9からコントローラ3に入力された値と
している点は、第1の実施例と等しい。これにより、パ
ーソナルコンピュータ9は、任意の位相、振幅の制御音
を吸気音用アクチュエータ4・エンジンルーム内音用ア
クチュエータ5・排気音用アクチュエータ100より放
射し、そのときの制御結果として吸気口近傍61の騒音
・エンジンルーム内71の騒音・排気音近傍201の騒
音を、それぞれ吸気音用マイクロフォン6・エンジンル
ーム内音用マイクロフォン7・排気音用マイクロフォン
200の測定結果のFFTアナライザ8における周波数
分析結果としてフィードバックして、吸気音・エンジン
ルーム内音・排気音を同時に低減する位相制御量及び振
幅制御量を決定する。
【0023】図10は第2の実施例の3点式騒音制御装
置のマップ情報決定アルゴリズムを説明するフローチャ
ートである。本図10に示されるように、図6での2測
定点についてエンジン回転の2次成分干渉音圧の読み込
みを行うステップS903、目的関数(2点の2次成分
干渉音圧の二乗和)の算出を行うステップS904が、
3測定点についてエンジン回転の2次成分干渉音圧(P
1k、P2k、P3k)の読み込みを行うステップS913、
目的関数(3点の2次成分干渉音圧の二乗和:Wk =P
1k2 +P2k2 +P3k2)の算出を行うステップS914
となる点が第1の実施例と異なる。このように、3個の
アクチュエータを同時に駆動して、吸気音・エンジンル
ーム内音・排気音を同時に低減できる位相制御量及び振
幅制御量を求めるマップ情報とする。
【0024】これまでに示した実施例では、車外・車内
騒音において問題となる4気筒エンジンのエンジン回転
2次成分(爆発の1次成分)を、吸気音・エンジンルー
ム内音及び吸気音・エンジンルーム内音・排気音の制御
により、低減しているが、制御対象次数成分はエンジン
回転2次成分に限定されるものではなく、他の次数成分
でもよい。また、制御対象となる騒音源もこれらに限定
されるものではなく、車外・車内騒音に寄与する騒音源
またはいくつかの騒音源をまとめて一つの音源とみなし
た疑似音源でもよい。
【0025】また、これまでに示した実施例では、騒音
の低減を目的としているため、マップ情報決定アルゴリ
ズムの目的関数の算出を行うステップS904及び91
4において、測定点の干渉音圧の二乗和を目的関数とし
たが、各測定点を望ましい干渉音圧にしたい場合であれ
ば、その望ましい音圧と測定点の干渉音圧の差を求め、
各測定点に対する差の二乗和を目的関数とするといった
ように、制御の目的により、適当な目的関数を設定して
もよい。さらに、本実施例では、目的関数が極小値であ
るかの判定を行うステップS905、それぞれのアクチ
ュエータにたいする位相制御量及び振幅制御量の変更を
行うステップS906については、適応制御の最急降下
法を用いたが、目的関数を極小値とする制御音の位相制
御量及び振幅制御量を決定できれば、これ以外の手法を
用いてもよい。
【0026】最後に、これまでに示した実施例では、実
際にフィードバックを行いマップ情報を決定している
が、制御しないときの各測定点の振幅及び位相と、各ア
クチュエータの出力である制御音に各アクチュエータか
ら各測定点までの伝達関数を掛けて得られる各アクチュ
エータからの到達音の推定値から、各測定点の干渉音圧
を計算して、マップ情報を決定してもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数のアクチュエータが設けられ、車両のエンジン回転パ
ルスから騒音の次数成分が形成されこれについて、前記
エンジン回転パルス及びエンジン負荷信号をパラメータ
として前記騒音の次数成分に対する位相制御量及び振幅
制御量が予め格納されたマップ情報に従い、エンジン回
転パルス及びエンジン負荷信号に基づいて各前記複数の
アクチュエータ毎の位相及び振幅が制御されるので、複
数の音源毎に制御音が付加され制御されるようになり、
車外及び車室内騒音において所望の音質特性を得ること
ができるようになった。さらに、前記マップ情報(位相
制御量及び振幅制御量)はアクチュエータ全体の干渉音
圧が極小になるように決定されるので評価点での相互へ
の影響が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る2点式騒音制御装
置であって車両騒音に対するものを用いる車載システム
を示す図である。
【図2】図1のコントローラ3のブロックを示す図であ
る。
【図3】図2のメモリ38に格納される位相制御量及び
振幅制御量を示す図である。
【図4】CPU39による位相制御量及び振幅制御量の
位相制御回路A34、B36及び振動制御回路A35、
B37への設定手順を説明するフローチャートである。
【図5】図2のメモリ38内のマップ情報を決定するシ
ステムを説明する図である。
【図6】第1の実施例の2点式騒音制御装置のマップ情
報決定アルゴリズムを説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施例に係る3点式騒音制御装
置であって車両騒音に対するものを用いる車載システム
を示す図である。
【図8】図7のコントローラ3のブロックを示す図であ
る。
【図9】図8のメモリ38内のマップ情報を決定するシ
ステムを説明する図である。
【図10】第2の実施例の3点式騒音制御装置のマップ
情報決定アルゴリズムを説明するフローチャートであ
る。
【符号の説明】
3…コントローラ 4…吸気音用アクチュエータ 5…エンジンルーム内音用アクチュエータ 6…吸気音用マイクロフォン 7…エンジンルーム内音用マイクロフォン 8…FFTアナライザ 9…パーソナルコンピュータ 100…排気音用アクチュエータ 200…排気音マイクロフォン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 佳高 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 田中 克幸 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 小浜 時男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 加藤 正典 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車外・車内騒音に寄与する複数の
    音源又は疑似音源からの騒音を制御するために配置され
    た複数のアクチュエータと、 車両のエンジン回転パルスから騒音の次数成分を形成し
    てこれについて、前記エンジン回転パルス及びエンジン
    負荷信号をパラメータとして前記騒音の次数成分に対す
    る位相制御量及び振幅制御量を予め格納したマップ情報
    に従い、エンジン回転数パルス及びエンジン負荷信号に
    基づいて各前記複数のアクチュエータ毎の位相及び振幅
    を制御するコントローラと、 前記マップ情報を決定するマップ情報決定部とを備える
    ことを特徴とする多点式騒音制御装置。
  2. 【請求項2】 前記マップ情報決定部は、所定のエンジ
    ン回転数又はエンジン負荷領域毎に位相量及び振幅量を
    変更し各前記アクチュエータの制御音による干渉音圧を
    測定し、これから所定周波数の音圧を抽出し、全体とし
    てこの抽出音圧が望ましい音圧に最も近くなるものの前
    記位相量及び振幅量を前記位相制御量及び振幅制御量と
    して格納することを特徴とする請求項1に記載の多点式
    騒音制御装置。
  3. 【請求項3】 前記抽出音圧は、各評価点での干渉音圧
    と望ましい音圧との差の二乗和が最小になる場合に、望
    ましい音圧に最も近くなることを特徴とする請求項2に
    記載の多点式騒音制御装置。
  4. 【請求項4】 前記音源又は疑似音源はエンジン本体か
    らの放射騒音、エンジンの吸気騒音又は排気騒音を対象
    とすることを特徴とする請求項1に記載の多点式騒音制
    御装置。
JP5315366A 1993-11-26 1993-12-15 多点式騒音制御装置 Withdrawn JPH07168583A (ja)

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DE4442233A DE4442233A1 (de) 1993-11-26 1994-11-28 Geräuschsteuerungssystem

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Cited By (4)

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