JPH0633985A - 車両の振動低減装置 - Google Patents

車両の振動低減装置

Info

Publication number
JPH0633985A
JPH0633985A JP18386092A JP18386092A JPH0633985A JP H0633985 A JPH0633985 A JP H0633985A JP 18386092 A JP18386092 A JP 18386092A JP 18386092 A JP18386092 A JP 18386092A JP H0633985 A JPH0633985 A JP H0633985A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
vibration
reference signal
engine
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18386092A
Other languages
English (en)
Inventor
Shin Takehara
伸 竹原
Naoki Ikeda
直樹 池田
Hiroshi Seni
浩史 仙井
Norihiko Nakao
憲彦 中尾
Chiaki Mitsufuji
千明 三藤
Yutaka Tsukahara
裕 塚原
Shingo Harada
真悟 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP18386092A priority Critical patent/JPH0633985A/ja
Publication of JPH0633985A publication Critical patent/JPH0633985A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の振動低減装置において、リファレンス
信号をイグニッションパルス信号やクランク角情報以外
から生成できるようにする。 【構成】 カム軸の回転角を検出するカム軸回転角検出
手段(ECU38)と、該カム軸回転角検出手段の出力信
号(SGC信号,SGT信号)に基づいてリファレンス
信号xを生成するリファレンス信号生成手段とを設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの振動に起因
して車両の所定部位において発生する制御対象振動に対
して、振動発生手段により新たな制御振動を発生させて
これを制御対象振動に重ねることにより積極的に振動を
低減するように構成された車両の振動低減装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両におけるエンジンの振動は、エンジ
ンの車体への取付部を介して車体に伝播して車室内にお
いて不快な振動を発生させたり、あるいは空気を介して
伝播して乗員にとって耳障りな騒音を発生させたりす
る。
【0003】従来、例えば特表平1-501344号公報に開示
されているように、低減させたい振動に対してこれと逆
位相の関係となる振動を発生させ、これを低減させたい
振動と重ねることによって振動低減を図る振動低減装置
が知られている。この種の振動低減装置は、一般に次の
ような構成となっている。図14は従来の車両の振動低減
装置の概略構成を示す図である。
【0004】図14に示すように上記従来の車両の振動低
減装置は、車両の所定位置に配置されて該所定位置にお
ける振動を検出するm個の振動検出手段(騒音を検出す
る場合には、一般にマイクロホンを用いる。)2と、車
両の所定位置に配置されて上記振動検出位置における振
動を低減させるための制御振動を発生させるi個の制御
振動発生手段(音を発生させる場合には、一般にスピー
カを用いる。)4と、該制御振動発生手段4を駆動させ
るための駆動信号y1 〜yi を生成する駆動信号生成手
段6とを備えている。
【0005】上記振動検出手段2は、上記制御振動発生
手段4から発せられた制御振動と、エンジンEの振動に
起因して発生する制御対象振動とを併せて検出し、この
検出した振動をエラー信号e1 〜em として出力する。
また上記駆動信号y1 〜yiはリファレンス信号生成手
段8から出力されるリファレンス信号xをデジタルフィ
ルタF1 〜Fi に通過させることで得られる。
【0006】上記駆動信号生成手段6は、適応アルゴリ
ズム部10により、上記振動検出手段2より入力された上
記エラー信号e1 〜em が最小となるように、上記テジ
タルフィルタF1 〜Fi のパラメータを時々刻々と調整
するように構成されている。この調整のための適応アル
ゴリズムとしてはLMS法(Least Mean Square Method
)、シンプレックス(Simplex)法、ポエル(Powell)法
などが知られているが、図14に示すのはこのうちLMS
法によるものである。上記調整により駆動信号生成手段
6は、リファレンス信号xに基づいて上記駆動信号y1
〜yi を生成する。なお、LMS法では上記リファレン
ス信号xは、デジタルフィルタH°IM(I=1,2,
…,i;M=1,2,…,m)を経由して適応アルゴリ
ズム部10に入力されるが、上記H°IMはI番目の制御振
動発生手段4とM番目の振動検出手段2との間の伝達特
性をモデル化したものであり、これにより制御振動生成
手段4と振動検出手段2との空間的距離をいわば補間す
るようにしている。
【0007】上記駆動信号生成手段6では、信号処理が
デジタル計算によって行なわれるので、リファレンス信
号xの入力段にはアンプ12およびA/D変換器14が、ま
たエラー信号e1 〜em の入力段にはアンプ16およびA
/D変換器18が、さらに駆動信号y1 〜yi の出力段に
はD/A変換器20およびアンプ22がそれぞれ設けられて
いる。
【0008】ところで、エンジンEの振動に起因して発
生する上記制御対象振動は、周期性を有しており、スペ
クトル分析を行なうと主にエンジン回転数の整数倍の周
波数を有する正弦波からなる多数の振動成分から構成さ
れていることがわかる。この多数の振動成分のうち特に
支障となる1つあるいは複数の振動成分を低減させれば
十分な振動低減効果が得られることになる。そこで、上
記振動低減装置においては、上記した特に支障となる1
つあるいは複数の振動成分を打ち消すために、これらの
振動成分を含むようなリファレンス信号xを生成してい
る。すなわちリファレンス信号xは、打ち消そうとする
各正弦波振動成分を重畳せしめてなる周期性を有する振
動となっている。例えば、エンジン回転数の2倍の周波
数の正弦波信号と、4倍の周波数の正弦波信号とを重畳
せしめた信号をリファレンス信号xとして用いれば、上
記振動対象振動のうちこれらの周波数を有する振動成分
を打ち消すことが可能となる。
【0009】上述のようにこの種の振動低減装置におい
ては、エンジンEの振動に起因して発生する制御対象振
動の低減を図るために、制御対象振動を構成する正弦波
からなる多数の振動成分のうち、特に打ち消そうとする
各振動成分と同じ周波数の正弦波信号を重量せしめてな
るリファレンス信号xを必要とする。しかも、打ち消し
を図る振動成分の周波数は、エンジンEの回転数の変化
に同期して変化するため、リファレンス信号xは、その
周波数がエンジンEの回転数に同期して変化する、エン
ジンEの駆動と極めて関連性の高い信号である必要があ
る。従来、リファレンス信号xを生成する方法として
は、エンジンEの回転数と関連して発生するイグニッシ
ョンパルス信号wをイグニッションコイル24から検出し
て、この信号を波形整形器により波形整形してリファレ
ンス信号xを生成する方法が一般的である。また、リフ
ァレンス信号xを生成する他の方法として特公平3-5734
3 号公報に開示されているように、エンジンのクランク
軸のクランク角に基づいてリファレンス信号xを生成す
る方法も考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、リファ
レンス信号はイグニッションパルス信号やクランク角情
報に基づいて生成できることが知られているが、場合に
よってはリファレンス信号生成のために、イグニッショ
ンパルス信号やクランク角情報を利用できないことや、
あるいはこれらを利用したくないことも考えられる。そ
のようなことを想定した場合イグニッションパルス信号
やクランク角情報に基づかないでリファレンス信号を生
成できるようにすることが望ましい。イグニッションパ
ルス信号やクランク角情報以外からもリファレンス信号
を生成できれば、制御の自由度や装置構成の自由度が大
きくなり便利である。
【0011】また従来リファレンス信号を生成するにあ
たり、イグニッションパルス信号やクランク角情報から
得ていた情報は、エンジンの回転数(回転周期)のみで
あり、一般的にはこの得られたエンジン回転数の情報か
らリファレンス信号の周波数(周期)のみを決定してい
た。ところでエンジン振動の主たる発生原因としては、
気筒内の燃焼圧力によるものと、クランク機構における
ピストンの慣性力によるものとが挙げられるが、多気筒
エンジンの場合、エンジン本体に対する各気筒の位置が
異なることもあって、各気筒の燃焼圧力および各ピスト
ンの慣性力により発生するエンジン振動の形態が、各気
筒別に異なっていることが考えられる。このような気筒
別に異なる振動の形態の差異は、例えば一般的な4サイ
クル4気筒エンジンの場合、エンジン回転の1次成分の
周期ごとの振幅の大きさの差や、エンジン回転のハーフ
次成分や奇数次成分の位相の差として現われる(詳しく
は実施例の項で説明する)。
【0012】そこでリファレンス信号を生成するにあた
り、エンジンの回転数の情報のみではなく、各気筒別の
情報をも併せて得て、これらの情報に基づいてリファレ
ンス信号の周波数、振幅および位相を決定すれば、より
精度の高い振動低減制御を行なうことが可能となる。
【0013】本発明が解決しようとする第1の課題は、
車両の振動低減装置において、リファレンス信号をイグ
ニッションパルス信号やクランク角情報以外から生成で
きるようにすることにある。
【0014】また本発明が解決しようとする第2の課題
は、車両の振動低減装置において、気筒判別情報を加味
してリファレンス信号を生成することにより、より精度
の高い振動低減制御を行なえるようにすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るための手段として、本発明による請求項1記載の車両
の振動低減装置では、上述した構成の車両の振動低減装
置において、カム軸の回転角を検出するカム軸回転角検
出手段と、該カム軸回転角検出手段の出力信号に基づい
てリファレンス信号を生成するリファレンス信号生成手
段とを備えた。
【0016】また上記第1および第2の課題を解決する
ための手段として、本発明による請求項2記載の車両の
振動低減装置では、請求項1記載のカム軸回転角検出手
段をエンジンの各気筒判別情報を有する信号を出力する
ように構成し、さらに請求項1記載のリファレンス信号
生成手段を該カム軸回転角検出手段の出力信号の有する
各気筒判別情報に基づいてリファレンス信号を生成する
ように構成した。
【0017】上記気筒判別情報とは、例えばエンジン駆
動中にどの時点でどの気筒が燃焼しているかを判別でき
るような情報をいう。
【0018】
【作用および発明の効果】本発明による請求項1記載の
車両振動低減装置では、カム軸回転角検出手段がカム軸
の回転角を検出し、リファレンス信号生成手段がカム軸
回転角検出手段の出力信号に基づいてリファレンス信号
を生成する。
【0019】カム軸は、常時エンジンの回転(クランク
軸の回転)に対して所定の比率(例えば4サイクル4気
筒エンジンの場合、クランク軸2回転につきカム軸が1
回転する比率)で回転する。したがってカム軸の回転角
を検出すればエンジン回転数を算定することができ、エ
ンジン回転数に基づいてリファレンス信号を生成するこ
とができる。
【0020】上述のように本発明による請求項1記載の
振動低減装置によれば、カム軸の回転角を検出するカム
軸回転角検出手段と、該カム軸回転角検出信号の出力信
号に基づいてリファレンス信号を生成するリファレンス
信号生成手段とを備えたことにより、イグニッションパ
ルス信号やクランク角情報に基づくことなくリファレン
ス信号が生成でき、もって制御の自由度や装置構成の自
由度を大きくすることが可能となる。
【0021】また本発明による請求項2記載の車両の振
動低減装置では、カム軸回転角検出手段がカム軸の回転
角を検出してエンジンの各気筒判別情報を有する信号を
出力し、リファレンス信号生成手段が該カム軸回転角検
出手段の出力信号の有する各気筒判別情報に基づいてリ
ファレンス信号を生成する。
【0022】4サイクル多気筒エンジンの場合、カム軸
が1回転する間に、各気筒が1回ずつ燃焼するので、各
気筒の燃焼タイミングはカム軸の回転角と対応させて把
握することが可能である。例えばカム軸の基準角度位置
を設定しておけば、カム軸がこの基準角度位置から何度
回転した時に、どの気筒が圧縮上死点位置になるかはあ
らかじめ分かるので、カム軸の回転角を検出すればどの
タイミングでどの気筒が燃焼するかを気筒別に把握でき
る。このようにカム軸の回転角を検出することにより、
どのタイミングでどの気筒が燃焼するかという気筒判別
情報を得ることが可能となる。気筒判別情報に基づいて
リファレンス信号を生成すれば、各気筒ごとの燃焼やピ
ストンの慣性力によって発生するエンジン信号の形態
(振幅、位相)が気筒ごとに異なる場合において、その
違いをリファレンス信号に反映させることが可能とな
り、精度の高い制御が可能となる。
【0023】上述のように本発明による請求項2記載の
車両の振動低減装置によれば、請求項1記載のカム軸回
転角検出手段を、エンジンの各気筒判別情報を有する信
号を出力するように構成し、請求項1記載のリファレン
ス信号生成手段を、該カム軸回転角検出手段の出力信号
の有する各気筒判別情報に基づいてリファレンス信号を
生成するように構成したことにより、上記した本発明の
請求項1記載の車両の振動低減装置の奏する効果に併せ
て、気筒判別情報を加味してリファレンス信号を生成す
ることができ、より高い制御を行なうことが可能とな
る。
【0024】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明による車両
の振動低減装置の実施例を説明する。
【0025】図1は本発明の一実施例による車両の振動
低減装置の概略構成を示す図、および図2はその取付位
置を示す概略図である。なお、本実施例による車両の振
動低減装置において、図14に示した従来の車両の振動低
減装置と同様の要素に関しては、同一の符号を付しその
詳細な説明は省略する。
【0026】本実施例による車両の振動低減装置は、電
子制御によりエンジンEへの燃料噴射を制御するECU
を備えた車両において、エンジンEの駆動に起因して車
体に発生する制御対象振動の低減を図るものであり、図
示のように、車体の複数位置に設けられたm個(図2で
は4個のみ示す。)の振動検出手段としての加速度セン
サ32と、上記エンジンEの車体への取付部において該エ
ンジンEと車体との間に介設され、上記制御対象振動を
低減させるための制御振動を発生させるi個(図2では
1個のみ示す。)の制御振動発生手段としてのアクチュ
エータ34と、該各アクチュエータ34を駆動させるコント
ローラCとを備えている。
【0027】図1に示すように上記コントローラCは、
ECU38から出力されるSGC信号およびSGT信号に
基づいてリファレンス信号xを生成するリファレンス信
号生成手段36と、該リファレンス信号xに基づいて上記
各アクチュエータ34を駆動させるための駆動信号y1
i を生成する駆動信号生成手段6とを備えている。こ
の駆動信号生成手段6は、上記リファレンス信号xを通
過させることにより上記各アクチュエータ34を駆動させ
るための駆動信号y1 〜yi が得られるi個のデジタル
フィルタF1 〜Fi と、上記各アクチュエータ34が発生
させる振動とエンジンEの駆動に起因して発生する制御
対象振動とを併せて検出した上記各加速度センサ32から
出力されたエラー信号e1 〜em が最小となるように上
記各デジタルフィルタF1 〜Fi の調整をする適応アル
ゴリズム部10とを備えている。本実施例において、上記
各デジタルフィルタF1 〜Fi の調整を行なうために用
いる適応フィルタはLMS法であり、このため上記制御
振動生成手段6は、上記各アクチュエータ34と上記各加
速度センサ32との間の伝達関数HIM(I=1,2,…,
i;M=1,2,…,m)をモデル化したデジタルフィ
ルタH°IMを備えている。また上記コントローラCに
は、上記リファレンス信号xを増幅するアンプ12および
同信号xをデジタル変換するA/D変換器14と、上記各
駆動信号y1 〜yi をアナログ変換するD/A変換器20
および同信号y1 〜yi を増幅するアンプ22と、上記各
エラー信号e1 〜em を増幅するアンプ16および同信号
1 〜em をデジタル変換するA/D変換器18とが内蔵
されている。
【0028】本発明の特徴は、本実施例においては、カ
ム軸回転角検出手段としてのECU38と、リファレンス
信号xをECU38から出力されるSGC信号およびSG
T信号に基づいて生成するリファレンス信号生成手段36
を備えた点にあり、以下これについて詳述する。図3は
燃料噴射制御系の概略構成図、図4はECUの出力する
SGC信号およびSGT信号の波形を示す図、および図
5はそのリファレンス信号生成手段の概略構成図であ
る。
【0029】図3に示すように本実施例においてECU
38は、エアフローセンサ42から入力される吸入空気量信
号fや、ディストリビュータ44から入力されるSGC信
号、SGT信号、さらには水温センサ46からの入力信号
や空燃比センサ48からの入力信号Pおよびノックセンサ
50からの入力信号に基づいて、噴射弁(インジェクタ)
52に対して噴射パルス信号vを出力して燃料の噴射を制
御したり、イグニッションコイル24に対して点火信号j
を出力して点火時期を制御するように構成されている。
【0030】ところで、本実施例におけるエンジンE
は、4サイクル4気筒エンジンであり、各気筒に対し
て、並んでいる順番に#1〜#4までの気筒No.を付
した場合、燃焼順序が#1→#3→#4→#2となるよ
うに構成されている。図4に示すようにディストリビュ
ータ44の出力するSGC信号は、カム軸1回転につき1
パルスの信号が発生する信号波形を有するものであり、
本実施例ではパルスの発生時期が#1気筒のピストンが
上死点直前位置にある時と一致するようにしている。ま
たSGT信号はカム軸が90°回転するごとに1パルスず
つの信号が発生する信号波形を有するものであり、本実
施例では各パルスの発生時期が各気筒のピストンがそれ
ぞれ上死点位置にある時と一致するようにしている。な
お、ディストリビュータ44からこのようなSGC信号お
よびSGT信号を得る方法は、従来公知な技術であり、
その詳細な説明は省略する。
【0031】ECU38は、SGC信号およびSGT信号
に基づいてカム軸の回転角を検出すると共に、リファレ
ンス信号生成手段36に対して、SGC信号およびSGT
信号を出力する。SGC信号およびSGT信号は、両者
の組み合わせにより各気筒の判別を行なうことのでき
る、気筒判別情報を有する信号であり、リファレンス信
号生成手段36は、ECU38の出力するSGC信号および
SGT信号に基づいてリファレンス信号を生成するよう
に構成されている。
【0032】すなわち図5に示すようにリファレンス信
号生成手段38は、ECU38から入力されたSGC信号お
よびSGT信号に基づいてエンジンEの回転周期を検出
するエンジン回転周期検出手段53と、同じく入力された
両信号に基づいて燃焼気筒を判別する気筒判別手段54
と、エンジン回転周期検出手段53の検出したエンジンE
の回転周期に基づいてリファレンス信号xの周期Tを決
定するリファレンス信号周期決定手段55と、気筒判別手
段54の気筒判別情報に基づいてリファレンス信号xの振
幅Aを決定するリファレンス信号振幅決定手段56と、同
じく気筒判別情報に基づいてリファレンス信号xの位相
を決定するリファレンス信号位相決定手段57と、決定さ
れた周期T、振幅Aおよび位相に基づいてリファレンス
信号xを発振させるリファレンス信号発振器58とを備え
てなる。
【0033】なお、本実施例ではリファレンス信号x
を、制御対象振動を構成する振動成分のうち、特に打ち
消しを図りたい1つの振動成分(例えばエンジンEの回
転数の2倍の周波数を有する成分)の周波数と同じ周波
数を有する1つの正弦波信号から構成している。複数の
振動成分の打ち消しを図る場合には、各振動成分の周波
数と同じ周波数を有する複数の正弦波信号を上述のよう
に生成し、これらを互いに重畳してリファレンス信号x
を生成すればよい。
【0034】上記気筒判別手段54による気筒判別は、例
えば以下のように行なう。図6は気筒判別方法の一例を
示す図で、同図(a) はフローチャート、同図(b) は識別
カウンタCTDCと気筒No.との対応を示す2次元マ
ップである。図6(a) に示すように気筒判別手段54は、
S1においてSGT信号が立ち上がっている(HI)か
否かを判別し、SGT信号がHIであればS2に進み、
SGC信号がSGT信号と同時にHIか否かを判別す
る。SGC信号とSGT信号とが同時にHIの時は、S
3において燃焼気筒が#1気筒であると判断し、識別カ
ウンタCTDCをCTDC=0にセットする。
【0035】図6(b) に示すように識別カウンタCTD
Cは、各気筒No.ごとに0〜3の数字を1対1に対応
させたもので、CTDC=0の時は#1気筒が燃焼して
いることを、さらにCTDC=1の時は#3気筒、CT
DC=2の時は#4気筒、およびCTDC=3の時は#
2気筒がそれぞれ燃焼していることを示す。
【0036】S3において#1気筒が燃焼していると判
断した後、気筒判別手段54は、S4において新たにSG
T信号がHIとなったか否かを判別し、YESであれば
S5に進み識別カウンタCTDCに1を加え、#3気筒
が燃焼していると判断する。S4〜S5のステップを繰
り返し、新たにSGT信号がHIとなる度に識別カウン
タCTDCに1を加えて(ただしCTDC=4となった
ときにはCTDC=0とする。)、どの気筒が燃焼して
いるかを判別する。
【0037】また上記リファレンス信号振幅決定手段56
によるリファレンス信号xの振幅決定は、例えば以下の
ようにして行なう。図7はエンジン振動の回転1次成分
の振動波形の一例を示す図である。
【0038】図7に示すエンジン振動の回転1次成分
は、各気筒のエンジンE本体での配置の違い等により、
#1,#3の気筒が燃焼した時に発生する1周期分の振
動の振幅と、#4,#2の気筒が燃焼した時に発生する
1周期分の信号の振幅とが互いに異なっている。このエ
ンジン振動の回転1次成分に起因して発生する振動成分
を制御対象振動とした場合、制御対象振動の振幅も1周
期ごとに異なったものとなる。そこで本実施例では、こ
のようなエンジン振動の振幅特性を実験等によりあらか
じめ把握しておき、その振幅の違いをリファレンス信号
xの振幅Aに反映させてリファレンス信号xを生成す
る。こうすることにより、精度の高い振動低減制御を行
なうことが可能となる。
【0039】また上記リファレンス信号位相決定手段57
によるリファレンス信号xの位相の決定は例えば次のよ
うにして行なう。図8〜図10はリファレンス信号の位相
決定制御を説明する図で、図8は制御対象振動がエンジ
ン振動の回転1次成分に起因する場合、図9は制御対象
振動がエンジン振動の回転0.5 次成分に起因する場合、
図10は制御対象振動がエンジン振動の回転2次成分に起
因する場合をそれぞれ示す。なお、各図中(a) は振動低
減制御のタイミングを示す図、(b) は各気筒の燃焼タイ
ミングを示す図、(c) は制御位置での制御対象振動の波
形を示す図、(d) はリファレンス信号の波形を示す図、
(e) は制御位置での制御振動の波形を示す図、および
(f) は制御位置での制御対象振動と制御振動とを合成し
た波形を示す図である。
【0040】本実施例では、リファレンス信号位相決定
手段57が図8(b) に示す各気筒の燃焼タイミングと同図
(c) に示すリファレンス信号xの波形の位相とが常に一
致するように、リファレンス信号xの位相を決定してい
る。したがって、図8(a) に示すように制御を一旦停止
した後再び再開した場合でも、同図(d) に実線で示すよ
うに停止前と再開後とでリファレンス信号xの波形の位
相と各気筒の燃焼タイミングとの関係は変わらない。こ
のように各気筒の燃焼と、リファレンス信号xの位相と
の関係を常に一致させることにより次のような効果があ
る。
【0041】今、図8(b) に示すタイミングで各気筒が
燃焼している時に、エンジン振動の回転1次成分に起因
する制御対象振動が、所定の制御位置(加速度センサ32
の設置位置)において、同図(c) に示すような振動をし
ているとする。制御停止前において、発振したリファレ
ンス信号xに90°の位相補正と振幅を2倍にする振幅補
正を行なって同図(e) に示すような制御対象振動と逆位
相となる制御振動を発生させることにより、制御対象振
動の打ち消しを図っていた場合、制御を一旦停止して再
び開始しても、本実施例によれば停止前と再開後とでリ
ファレンス信号xの位相と各気筒の燃焼タイミングとの
関係が同じなので、制御再開後も停止前と同じ補正をリ
ファレンス信号xに対して行なうことにより、速やかに
振動低減が図れることになる。これに対し、このような
リファレンス信号xの位相と各気筒の燃焼タイミングと
の対応を考慮しないで、エンジン回転数のみを考慮して
リファレンス信号を生成する場合には、制御再開後に図
8(d) に破線で示すようなリファレンス信号xを生成し
てしまうことがあり、その場合には制御停止前と同様の
補正を再開後のリファレンス信号に対して行なうと、同
図(e) に破線で示すような制御対象振動と同位相となる
制御振動を発生させることとなり、打ち消そうとする振
動がかえって大きくなってしまうという事態が、制御再
開直後に起こることになる。本実施例によれば、リファ
レンス信号位相決定手段57がリファレンス信号xの位相
と各気筒の燃焼タイミングとを対応させてリファレンス
信号xの位相を決定するので、制御再開後も速やかに振
動低減効果が得られる。
【0042】なお、本実施例では前述したようにSGC
信号とSGT信号から気筒判別ができるのは、#1気筒
からであり、したがって図8〜図10の(d) では模式的に
リファレンス信号xの始まりを#1気筒の燃焼時として
いる。また上記したようなリファレンス信号xの位相と
各気筒の燃焼タイミングとの対応によって起きる問題
は、制御対象振動が、図8(c) に示すようなエンジン振
動の回転奇数次成分に起因する場合と、図9(c) に示す
ようなエンジン振動の回転ハーフ次成分に起因する場合
とで起こり得ることで、制御対象振動が図10(c) に示す
ようなエンジン振動の回転偶数次成分に起因する場合に
は起こらないことになる。
【0043】上述のように本実施例による車両の振動低
減装置によれば、ECU38の出力するSGC信号および
SGT信号の有する気筒判別情報に基づいてリファレン
ス信号xを生成することにより、精度の高い振動低減制
御を行なうことができる。
【0044】なお、ここでアクチュエータ34の構成につ
いて簡単に説明する。図11はアクチュエータの概略構成
を示す縦断面図である。
【0045】図11に示すようにアクチュエータ34は、ケ
ーシング59内を上下移動可能なように、該ケーシング59
にラバー60を介して取り付けられたシリンダ62と、該シ
リンダ62の上方に設けられた加振部64とを備えてなる。
シリンダ部62により上下に区画された2つの空間部66,
68はオリフィス70により互いに連通されており、該空間
部66,68内には液体が封入されている。上記加振部64
は、ラバー72を介してケーシング59に上下動可能に取り
付けられた加振板74と、永久磁石80と電磁コイル82とを
組み合わせてなる電磁ソレノイド部84とからなる。
【0046】上記構成を有する各アクチュエータ34は、
駆動振動発生手段6からの駆動信号y1 〜yi に従い加
振部64が振動することによりシリンダ62を振動させて、
エンジンEの振動に起因して発生する制御対象振動の低
減を図る。
【0047】次に本発明による車両の振動低減装置の他
の実施例を説明する。図12は本発明の他の実施例による
車両の振動低減装置の概略構成を示す図、および図13は
その取付位置を示す概略図である。なお、本実施例によ
る車両の振動低減装置において、従来の車両の振動低減
装置および前述した本発明の一実施例による車両の振動
低減装置と同様の要素に関しては、同一の符号を付しそ
の詳細な説明は省略する。
【0048】本実施例の車両の振動低減装置が前記実施
例と異なるのは、振動検出手段のみである。前記実施例
では、振動検出手段がエンジンEの車体への取付部近傍
に設けられた加速度センサ32であったのに対し、本実施
例では、図12、図13に示すように振動検出手段を車室内
の座席近く(乗員が着座した時の乗員の耳の位置が好
適)に設けられたm個のマイクロホン86としている。す
なわち、本実施例による車両の振動低減装置は、エンジ
ンEの振動に起因して車室内の座席近くに発生する制御
対象振動としての騒音(空気の振動)を、エンジンEの
車体への取付部に設けられたi個のアクチュエータ34を
駆動させることにより低減させるものである。
【0049】なお、その他の構成については前記実施例
と同様であり、説明は省略する。
【0050】以上、本発明による車両の振動低減装置の
実施例を説明したが、本発明による車両の振動低減装置
は、かかる態様に限定されるものではなく種々の変更を
行なうことが可能である。
【0051】例えば前記各実施例では、適応アルゴリズ
ムとしてLMS法を用いているが、適応アルゴリズムと
してシンプレックス法やポエル法を用いてもよい。
【0052】また前記各実施例では、制御振動発生手段
としてアクチュエータを用いているが、特に騒音の低減
を図る目的のために制御振動発生手段としてスピーカを
用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による車両の振動低減装置の
概略構成を示す図
【図2】図1に示す装置の取付位置を示す概略図
【図3】燃料噴射制御系の概略構成図
【図4】ECUの出力するSGC信号およびSGT信号
の波形を示す図
【図5】図1に示す装置によるリファレンス信号の生成
手段の概略構成図
【図6】気筒判別方法の一例を示す図
【図7】エンジン振動の回転1次成分の振動波形の一例
を示す図
【図8〜図10】リファレンス信号の位相決定制御を説
明する図
【図11】アクチュエータの概略構成を示す縦断面図
【図12】本発明の他の実施例による車両の振動低減装
置の概略構成を示す図
【図13】図12に示す装置の取付位置を示す概略図
【図14】従来の車両の振動低減装置の概略構成を示す
【符号の説明】
4 スピーカ 6 駆動信号生成手段 8,36 リファレンス信号生成手段 32 加速度センサ 34 アクチュエータ 38 ECU(カム軸回転角検出手段) 44 ディストリビュータ 86 マイクロホン E エンジン w イグニッションパルス信号 x リファレンス信号 y1 〜yi 駆動信号
フロントページの続き (72)発明者 中尾 憲彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 三藤 千明 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 塚原 裕 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 原田 真悟 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの振動に起因して車両の所定部
    位において発生する制御対象振動を低減させるための制
    御振動を発生させる制御振動発生手段と、該制御振動発
    生手段を駆動させるための駆動信号をエンジンの駆動状
    態と関連したリファレンス信号に基づいて生成する駆動
    信号生成手段とを有してなる車両の振動低減装置におい
    て、 カム軸の回転角を検出するカム軸回転角検出手段と、該
    カム軸回転角検出手段の出力信号に基づいて前記リファ
    レンス信号を生成するリファレンス信号生成手段とを備
    えていることを特徴とする車両の振動低減装置。
  2. 【請求項2】 前記カム軸回転角検出手段が前記エンジ
    ンの各気筒判別情報を有する信号を出力するように構成
    され、前記リファレンス信号生成手段が該カム軸回転角
    検出手段の出力信号の有する各気筒判別情報に基づいて
    前記リファレンス信号を生成するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の車両の振動低減装置。
JP18386092A 1992-07-10 1992-07-10 車両の振動低減装置 Pending JPH0633985A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18386092A JPH0633985A (ja) 1992-07-10 1992-07-10 車両の振動低減装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18386092A JPH0633985A (ja) 1992-07-10 1992-07-10 車両の振動低減装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0633985A true JPH0633985A (ja) 1994-02-08

Family

ID=16143093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18386092A Pending JPH0633985A (ja) 1992-07-10 1992-07-10 車両の振動低減装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0633985A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2343217B1 (en) Active type acoustic control system
EP0560364B1 (en) Vibration/noise control system for vehicles
US5912821A (en) Vibration/noise control system including adaptive digital filters for simulating dynamic characteristics of a vibration/noise source having a rotating member
JPH06149268A (ja) 車室内騒音低減装置
JP2003512575A (ja) 内燃機関吸気騒音へのアクティブ影響付与方法及び装置
Cavina et al. Misfire detection based on engine speed time-frequency analysis
US20210278317A1 (en) Engine apparatus and noise detection system
JPH0633985A (ja) 車両の振動低減装置
JP2864532B2 (ja) 車室内騒音の低減装置
JP2008184991A (ja) 内燃機関の吸気装置
JP3347365B2 (ja) 車両の振動低減装置
JP2002129993A (ja) 4サイクルエンジンにおいて高調波に富んだ、スポーティーな響きの吸気音および(または)排気音を発生させる方法
JP2007120404A (ja) 多気筒エンジンの制御装置
JP2004353630A (ja) ハイブリッド動力源
JPH06266367A (ja) 車室内騒音の能動消音装置
JP2864531B2 (ja) 車室内騒音の低減装置
JPH0872561A (ja) 電子制御エンジンマウント
JPH0777989A (ja) エンジン騒音の低減装置
JPH05224679A (ja) 車両用振動制御装置
JPH02306843A (ja) 車室内騒音の低減装置
JPH1047182A (ja) 自動車用アクティブ騒音制御装置
JP3435824B2 (ja) パワープラント
JPS6176719A (ja) エンジンの吸気装置
JPH02306841A (ja) 車室内こもり音の低減装置
JPH02306842A (ja) 車室内こもり音の低減装置