JP2007120404A - 多気筒エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多気筒エンジン1の運転中に少なくとも2つの気筒2の稼働を停止させて、全気筒運転から部分気筒運転に切換える際に、トルクショックを可及的に軽減する。
【解決手段】直列4気筒エンジン1の第1及び第4気筒2の稼働を停止させる際に、該両気筒2の稼働停止時期の時間間隔を車両駆動系の共振周期の略半分の時間(基準時間)に近づけることで、各気筒2の稼働停止に伴いそれぞれ駆動系が加振されても、これによる振動が相互に打ち消し合うようにして、乗員の感じるショックを大幅に軽減できる。部分気筒運転から全気筒運転に切換えるときにも同様にしてショックを軽減する。
【選択図】 図5
【解決手段】直列4気筒エンジン1の第1及び第4気筒2の稼働を停止させる際に、該両気筒2の稼働停止時期の時間間隔を車両駆動系の共振周期の略半分の時間(基準時間)に近づけることで、各気筒2の稼働停止に伴いそれぞれ駆動系が加振されても、これによる振動が相互に打ち消し合うようにして、乗員の感じるショックを大幅に軽減できる。部分気筒運転から全気筒運転に切換えるときにも同様にしてショックを軽減する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、多気筒エンジンの運転中に一部の気筒への燃料供給や点火を停止して、当該気筒の稼働を停止させるようにしたエンジン制御システムに関する。
従来より、車両に搭載される多気筒エンジンでは、相対的に負荷の低い運転状態などにおいて一部の気筒への燃料供給や点火を停止して、当該気筒の稼働を停止させることにより、機関効率を向上させて、燃費の削減を図るようにしたものが公知である。
例えば特許文献1に記載のものではエンジン回転数が1000〜3500rpmの範囲にあるときに、V型6気筒エンジンの一方のバンクにおける3つの気筒の稼働を停止させるとともに、その分、他方のバンクにおける3つの気筒(稼働気筒)の負荷が高くなることに対応して、スロットル弁やこれをバイパスする吸気制御弁などを開き、吸気量を増大させるようにしている。
そのように運転中のエンジンの稼働気筒数を変更して、全気筒運転と部分気筒運転とを切換える過渡時には、前記のように吸気量を調整して、切換えの前後でエンジンの出力トルクが同じになるようにしていても、例えば吸気の輸送遅れ等に起因して一時的にトルクが変動してしまい、乗員がショックを感じる虞れがあった。
この点、前記従来例のものでは、全気筒運転と部分気筒運転との切換えの過渡時における稼働気筒への吸気量の変化を予め調べて、制御マップ等に設定しておき、運転切換えの際には前記制御マップを参照して、気筒への実際の吸気充填量を推定し、これに基づいて燃料噴射量や点火時期の制御を行うことにより、切換え中のトルク変動を抑えてショックを軽減するようにしている。
特開平10−103097号公報
しかしながら、前記従来例のように全気筒運転と部分気筒運転との切換えの前後でエンジンの出力トルクを合わせ、且つ切換え中のトルク変動を抑えるようにしても、やはりショックが発生してしまい、乗員に違和感を与えることが分かった。
このようなショックの原因を突き止めるために、本願の発明者は、車両の運転中に直列4気筒エンジンの2つの気筒の稼働を停止或いは再開して、その際のショックの発生状況を調べる実験を、エンジンの運転条件を種々変更しながら繰り返し実行した。そして、ショックの発生状況が変速段によって微妙に異なることを見出し、このショックの原因が変速機を含む駆動系全体の共振によるものであると推定して、本願発明の完成に至った。
すなわち、一般に車両の駆動系は車体及び車輪をマスとするばね系とみなすことができ、急加速時などエンジントルクが急激に立ち上がるときには、これを加振力として駆動系全体が共振し、車両には低周波の前後振動が発生することが知られている。このような駆動系全体の共振周期(固有周期:固有振動数の逆数)は、変速機における駆動力の伝達経路が変化すれば(即ち変速段が異なれば)、異なる値になる。
そして、直列4気筒エンジンの運転中に2つの気筒の稼働を停止する場合には、通常、いずれか1つの気筒の稼働を停止するのに続けて、当該気筒の次の次に点火時期を迎える気筒の稼働を停止すると考えられるが、こうすると、最初の気筒の稼働停止から次の気筒の稼働停止までの時間間隔が前記駆動系の共振周期に対してかなり短くなるので、各気筒の稼働停止に伴いそれぞれ駆動系に作用する負の回転力(加振力)が強め合い、これによる振動が増幅されて、ショックを発生させることになるのである。
以上の如き新規な知見に基づいて、本発明の目的は、全気筒運転から部分気筒運転への切換えの際に、いずれかの気筒の稼働停止に伴い車両の駆動系が加振されても、これによる振動が増幅されないようにして、ショックを軽減することにある。
前記目的を達成するために、本発明では、多気筒エンジンの運転中に少なくとも2つの気筒の稼働を停止させるときに、その各気筒の稼働停止に伴いそれぞれ駆動系に作用する加振力が相互に弱め合うようにしたことを特徴とする。
具体的に、請求項1の発明は、エンジンの運転状態に応じて一部の気筒の稼働を停止させ、部分気筒運転を行わせるようにした多気筒エンジンの制御装置を前提として、全気筒運転から部分気筒運転への切換えの際に点火順序の連続しない少なくとも2つの気筒の稼働を停止させる稼働気筒数制御手段と、車両の駆動系における現在の変速段を判定する変速段判定手段と、その変速段に対応する駆動系の共振周期の略半分の時間を基準時間として設定する基準時間設定手段と、前記稼働気筒数制御手段によるいずれか1つの気筒の稼働停止時期から他のいずれか1つの気筒の稼働停止時期までの時間間隔が、前記基準時間に最も近くなるように当該両気筒の稼働停止時期をそれぞれ選定する停止時期選定手段と、を備える構成とする。
前記の構成により、まず、部分気筒運転ではエンジンの少なくとも2つの気筒の稼働を停止することで、残りの気筒の稼働効率を高めて、エンジンの燃費を低減することができる。この際、点火順序の連続しない気筒の稼働を停止させることで、残りの気筒の燃焼間隔を略等間隔にすることが可能になり、振動の低減に有利になる。
また、全気筒運転から部分気筒運転に切換えるときには、基準時間設定手段によって、車両駆動系の変速段に対応する共振周期の略半分の時間が基準時間として設定され、この基準時間に最も近い間隔を空けて2つの気筒の稼働が停止するように、該両気筒の稼働停止時期がそれぞれ停止時期選定手段により設定される。
ここで、気筒の稼働停止というのは少なくとも気筒への燃料供給を停止して、燃焼行程を行わせないようにすることを意味し、その際、給排気バルブは作動していても非作動であってもよい。また、各気筒の稼働停止時期は、例えば点火時期のような予め設定したクランク角位置で代表される。
したがって、前記のように2つの気筒の稼働停止時期の時間間隔を、車両駆動系の共振周期の略半分の時間に近づけるようにすれば、その各気筒の稼働停止に伴い駆動系に負の回転力(加振力)が作用しても、これによる振動が相互に打ち消し合うようになり、ショックを大幅に軽減することができる。
好ましくは、前記稼働気筒数制御手段は、エンジンの部分気筒運転から全気筒運転への切換えの際に停止中の気筒の稼働を再開させるものとし、こうしていずれか1つの気筒の稼働が再開されてから他のいずれか1つの気筒の稼働が再開されるまでの時間間隔が前記基準時間に最も近くなるように、当該両気筒の稼働再開時期をそれぞれ選定する再開時期選定手段をさらに備えるのがよい(請求項2の発明)。
こうすれば、部分気筒運転から全気筒運転へ復帰する際にも、2つの気筒の稼働再開に伴い車両駆動系に生じる振動が相互に打ち消し合うようになり、ショックを軽減できるからである。
上述の如き発明の作用は、主に4〜6気筒エンジンにおいて有効であるが、その中でも4気筒エンジンにおいて部分気筒運転時に2つの気筒の稼働を停止させるようにする場合に、特に有効である(請求項5の発明)。稼働を停止させ、又は再開させる気筒の数が2つであれば、該気筒の稼働停止又は再開による駆動系の振動を略完全に打ち消すことも可能になるからである。
ところで、そのようにして2つの気筒の稼働停止又は再開による駆動系の振動を略完全に打ち消すためには、該各気筒の稼働停止又は再開の時間間隔を、車両駆動系の共振周期のちょうど半分の時間(前記基準時間)とすればよく、ちょうど基準時間にはできないとしても基準時間に近づけるほど、振動を効果的に打ち消すことができる。
そこで、好ましいのは、エンジンの全気筒運転から部分気筒運転への切換えの際に、前記稼働気筒数制御手段によるいずれか1つの気筒の稼働停止時期から他のいずれか1つの気筒の稼働停止時期までの時間間隔が前記基準時間に近づくように、エンジン回転数を制御する回転数制御手段を備えることである(請求項3の発明)。
同様に、エンジンの部分気筒運転から全気筒運転への切換えの際にも、前記稼働気筒数制御手段によるいずれか1つの気筒の稼働再開時期から他のいずれか1つの気筒の稼働再開時期までの時間間隔が前記基準時間に近づくように、エンジン回転数を制御することが好ましい(請求項4の発明)。
さらに、仮に前記のよう運転切換えの最中に変速段が変更されると、これにより駆動系の共振周期が変化してしまい、上述した発明の作用が十分に得られなくなる虞れがあるから、エンジン制御装置には、前記部分気筒運転と全気筒運転との間の切換え中は変速機の変速作動を禁止する変速規制手段を備えることが好ましい(請求項6の発明)。
以上、説明したように、本願の請求項1の発明に係る多気筒エンジンの制御装置によると、全気筒運転から部分気筒運転への切換えのために少なくとも2つの気筒の稼働を停止する際に、いずれか2つの気筒の稼働停止時期の時間間隔を車両駆動系の共振周期の略半分の時間(基準時間)に近づけることで、各気筒の稼働停止に伴いそれぞれ駆動系に生じる振動を相互に打ち消し合わせ、乗員の感じるショックを大幅に軽減することができる。
請求項2の発明では、エンジンを部分気筒運転から全気筒運転に切換えるときにも、前記と同様にしてショックを軽減することができる。
請求項3、4の発明では、運転切換えの際にエンジン回転数を制御して、2つの気筒の稼働停止又は再開時期の時間間隔を基準時間に近づけることで、車両駆動系における振動をより効果的に打ち消し合わせて、前記発明の効果を高めることができる。
また、請求項6の発明では、運転切換え中の変速機の変速作動を禁止することで、前記発明の効果をより確実に得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明に係る多気筒エンジンの制御装置Aを、図示しない自動車に搭載された直列4気筒エンジン1に適用した実施形態を示す。図に模式的に示すエンジン1は、4つの気筒2,2,…のそれぞれの燃焼室に臨んで点火プラグ3,3,…が配置されており、点火コイル4から供給される高圧電流により電極間に放電して、混合気に点火するようになっている。
図1は、本発明に係る多気筒エンジンの制御装置Aを、図示しない自動車に搭載された直列4気筒エンジン1に適用した実施形態を示す。図に模式的に示すエンジン1は、4つの気筒2,2,…のそれぞれの燃焼室に臨んで点火プラグ3,3,…が配置されており、点火コイル4から供給される高圧電流により電極間に放電して、混合気に点火するようになっている。
また、エンジン1の側方には各気筒2毎の独立吸気通路を有する吸気マニホルド5が取り付けられるとともに、その独立吸気通路の下流に連通する各気筒2毎の吸気ポートには燃料噴射弁6が配設されており、それぞれ気筒2毎に適切なタイミングで燃料を噴射供給する。一方、マニホルド上流の共通吸気通路にはアクチュエータ駆動の電気式スロットル弁7が配設され、ここで吸気の流れを絞るようになっている。
尚、図示しないが、前記吸気マニホルド5の取付け側と反対側のエンジン側方には、各気筒2毎の独立排気通路を有する排気マニホルドが取り付けられており、各気筒2から排出される既燃ガス(排気)を触媒コンバータに導いて浄化した後に、消音器を介して大気中に放出する。
前記エンジン1の気筒列方向(図の左右方向)の一端部(図の右端部)には変速機8が取り付けられて、エンジン1と共にパワートレインを構成している。そして、その変速機8とは反対側のエンジン前端側から順に並んだ第1(#1)、第2(#2)、第3(#3)及び第4(#4)の4つの気筒2,2,…が、この実施形態では第1、第3、第4、第2の順番に点火されて、等間隔(180°CA)で燃焼するようになっている。
前記各気筒2毎の点火プラグ3、燃料噴射弁6及びスロットル弁7等の制御はコントローラ(PowerTrain Control Module:PCM)10によって行われる。このPCM10は、少なくとも前記スロットル弁7の開度を検出するスロットル開度センサ11、エンジン1の回転数を検出するためのセンサ12(例えば回転数センサ、クランク角センサ)、変速機8の現在の変速段を検出するためのセンサ13(例えばインヒビタスイッチ)等からの信号を受け入れて、エンジン1の運転状態に応じて点火プラグ3、燃料噴射弁6及びスロットル弁7等に制御信号を出力する。
具体的には、図2に一例を示すように、例えば吸気充填効率に相当するエンジン1の負荷状態とエンジン回転数とによって規定される全運転領域が、相対的に低負荷低回転側の第1領域Iと高負荷高回転側の第2領域IIとに区分されている。そして、エンジン1が高負荷側の第2領域IIにあるか、或いは低負荷側の第1領域Iにあってもスロットル開度やエンジン回転数の増大変化が所定以上であるときには、第1〜第4気筒2〜2の全てを稼働させる全気筒運転を行う。
一方、エンジン1が前記第1運転領域Iにあり、且つスロットル開度やエンジン回転数の変化が所定未満であれば、例えば第1及び第4気筒2,2への燃料供給及び点火を停止して、その稼働を停止させ、第2、第3気筒2,2のみを稼働させる部分気筒運転を行うようにする。こうして点火順序の連続しない2つの気筒2,2の稼働を停止させると、残りの第2、第3気筒2,2の燃焼間隔は等間隔(360°CA)になり、振動の低減に有利になる。
また、そうして部分気筒運転を行うときに稼働する第2及び第3気筒2,2の負荷は、第1及び第4気筒2,2の稼働が停止する分だけ全気筒運転時に比べて高くなるので、スロットル弁7を開くとともに、これによる第2及び第3気筒2,2への吸気充填量の増大に対応して、該各気筒2への燃料噴射量も増大させる。こうしてスロットル開度を大きくして相対的に負荷の高い状態とすることで、第2、第3気筒2,2の稼働効率を高めて、燃費を低減することができる。
(運転切換え時の制御)
ところで、例えばエンジン1が緩やかに減速しながら前記第2領域IIから第1領域Iへ移行して、全気筒運転から部分気筒運転に切換わるときには、この切換えの前後でエンジントルクが概ね同じになるように、第1及び第4気筒2,2の稼働停止に先立ってスロットル弁7を開くことになるが、こうして切換え前後のエンジントルクを合わせるようにしていても、切換えの際にはショックが発生して乗員に違和感を与えることがある。これは、2つの気筒2,2の稼働停止に伴い自動車の駆動系に作用する加振力が重なって、当該駆動系の共振により増幅されることによると考えられる。
ところで、例えばエンジン1が緩やかに減速しながら前記第2領域IIから第1領域Iへ移行して、全気筒運転から部分気筒運転に切換わるときには、この切換えの前後でエンジントルクが概ね同じになるように、第1及び第4気筒2,2の稼働停止に先立ってスロットル弁7を開くことになるが、こうして切換え前後のエンジントルクを合わせるようにしていても、切換えの際にはショックが発生して乗員に違和感を与えることがある。これは、2つの気筒2,2の稼働停止に伴い自動車の駆動系に作用する加振力が重なって、当該駆動系の共振により増幅されることによると考えられる。
すなわち、一般に、自動車の駆動系は車体及び車輪をマスとするばね系とみなすことができ、その共振周期は変速機8の変速段毎に異なる所定値(振動数で約2〜6Hzくらい)になる。
そして、上述の如く直列4気筒エンジン1の第1及び第4気筒2,2の稼働を停止するときには通常、図3の上段に示すように、第1気筒2の稼働を停止するのに続けて、その次の次に点火時期を迎える第4気筒2の稼働を停止することになるが、そうすると、第1気筒2の稼働停止時期S1(実際には点火が行われなかった点火時期)から第4気筒2の稼働停止時期S2(同)までの時間間隔が、前記駆動系の共振周期に対してかなり短くなるので、該各気筒2の稼働停止に伴いそれぞれ作用する負の回転力を加振力として、駆動系に生じる振動の波形が図4(a)に模式的に示すように重なり、相互に強め合うことになる。
すなわち図4(a)に示すように、2つの気筒2,2の稼働停止時期の時間間隔が駆動系共振の半周期ΔTのさらに半分よりも短いときには、実線で示すように第1気筒2の稼働停止に伴い駆動系に生じる振動の波形と、破線で示すように第4気筒2の稼働停止に伴い生じる振動の波形とが重なって、仮想線で示すように増幅される結果として、車体の前後加速度は、図3の下段に示すように、両気筒2,2の稼働停止直後に一旦、大幅に低下した後に収束することになり、この車体加速度の落ち込みが乗員にショックを感じさせるのである。
尚、前記図3に示す実験データは、一例としてエンジン回転数約1500rpm、スロットル開度約1/5、変速段3rdで駆動系の固有振動数が約5Hzのときのものであるが、この実験では、上述したように気筒2,2の稼働を停止する前後でエンジントルクを合わせるようにしてはおらず、スロットル開度や燃料噴射量、さらに点火時期も一定のままで単に第1及び第4気筒2,2の稼働のみを停止させている。
そのため、図の例では、第1、第4気筒2,2の稼働停止後の車体加速度(収束後の値)が稼働停止前に比べて低くなっているが、この収束後の車体加速度に比べても稼働停止直後の車体加速度は大幅に落ち込んでいる。この落ち込み分は、仮に気筒2,2の稼働を停止する前後でエンジントルクを合わせるようにしても残ってしまい、これが乗員にショックを感じさせる原因になるのである。
そのように、気筒2の稼働停止前後でトルク合わせをしても発生するショックを解消するために、この実施形態では、単純に第1気筒2の稼働停止に続けて第4気筒2の稼働を停止させるのではなく、両者の稼働停止時期の間の時間間隔が、自動車の駆動系の共振周期の略半分の時間である基準時間にできるだけ近くなるように、第4気筒2の稼働停止時期を選定するものである。
こうすることで、図4(b)に実線及び破線で各々示すように、第1及び第4気筒2,2の稼働停止に伴いそれぞれ駆動系に生じる振動の波形が相互に打ち消し合うようになり、図に仮想線で示すように振幅が小さくなって、乗員の感じるショックが十分に軽減されるのである。
また、この実施形態では、前記のように停止させた第1及び第4気筒2,2の稼働を再開させて、全気筒運転へ切換える際にも、その第1及び第4気筒2,2の稼働再開時期の間の時間間隔を前記基準時間にできるだけ近づけて、各気筒2の稼働再開に伴う駆動系の振動を相互に打ち消し合わせるようにしている。
以下、まず、全気筒運転から部分気筒運転への切換え時にPCM10によって行われる具体的なエンジン制御の手順を図5のフローチャート図に基づいて説明する。
図示のフローのスタート後のステップSA1では、少なくともスロットル開度センサ11の他に、センサ12、センサ13等からの信号を入力し、また、メモリに記憶されているデータを読み込む。続くステップSA2では、スロットル開度センサ11の信号から検出されるスロットル開度と、センサ12の信号から検出されるエンジン回転数とに基づいて、エンジン1の負荷状態を演算する。尚、エンジン負荷の演算には、例えば吸気流量センサや吸気負圧センサの出力を利用することもできる。
続いてステップSA3において部分気筒運転への切換え条件が成立しているかどうか判定する。すなわち、例えば前記図2のような制御マップ上でエンジン1が低負荷側の第1領域Iにあるか或いは高負荷側の第2領域IIにあるか、また、スロットル開度やエンジン回転数の変化の度合いが所定以上であるか否か、などにより、全気筒運転とするか部分気筒運転とするかを決定する。
より具体的に、この例では、エンジン1が前記第2領域IIにあるか、或いは前記第1領域Iにあってもスロットル開度やエンジン回転数の増大変化が所定以上に大きければ、部分気筒運転への切換え条件が成立していない(No)と判定して、リターンする一方、エンジン1が前記第1領域Iにあり且つスロットル開度やエンジン回転数の変化が小さければ、部分気筒運転への切換え条件が成立している(Yes)と判定して、ステップSA4に進む。
ステップSA4では、センサ13の信号から検出される現在の変速段に基づき、メモリに記憶されているテーブルを参照して基準時間を読み込む。この基準時間のテーブルは、変速機8を含む駆動系の共振周期を各変速段毎に予め実測等により求めて、その半分の時間を、気筒2の稼働停止次期の最適な時間間隔として変速段毎に設定したものである。図6は4段自動変速機についての基準時間テーブルの一例を示す。
前記ステップSA4に続くステップSA5では変速機8の変速作動を禁止し、続くステップSA6では第1気筒2への燃料供給及び点火を停止して、その稼働を停止させる。そして、ステップSA7において、前記のように燃料供給及び点火を停止した第1気筒2の点火時期(実際には点火されなかった点火時期)から次に稼働を停止させる第4気筒2の点火時期までの時間間隔が、前記ステップSA4にて読み込んだ基準時間に最も近くなるような時期を選定して、当該第4気筒2の稼働を停止させ、しかる後にリターンする。
すなわち、図7に一例を示すように、まず第1気筒2の稼働を停止した後に(S1)、続いて迎える最初の点火時期(S2)では第4気筒2の稼働を停止させず、その次の点火時期(S3)まで1回待って、当該第4気筒2の稼働を停止させる。こうすると、第1、第4の2つの気筒2,2の稼働停止時期S1,S3の時間間隔が前記基準時間(図7にΔTと示す)、即ち自動車の駆動系共振の半周期に近くなるので、該各気筒2の稼働停止時にそれぞれ駆動系が加振されても、これによる振動波形は前記図4(b)に示すように相互に打ち消し合うようになるのである。
その結果、図7の下段に示すように、車体の前後加速度は、2つの気筒2,2の稼働停止直後に大きく落ち込むことなく、該両気筒2,2の稼働停止前の値から稼働停止後の値へと緩やかに振動しつつ収束するようになる。この図のデータも前記図3と同様の実験条件において得られたものであり、2つの気筒2,2の稼働停止直後の車体加速度の落ち込みが非常に小さいことから、稼働停止の前後でエンジントルクを合わせるようにすれば、車体加速度の変動を非常に小さく抑えられることが分かる。
図8は、図3及び図7の下段にそれぞれ示す車体加速度のデータを対比したものであり、エンジン1の運転中に第1及び第4気筒2,2の稼働を停止して全気筒運転から部分気筒運転に切換えるときに、第1気筒2の稼働停止に続けて第4気筒2の稼働を停止する場合(図に破線で示す)と比較して、この実施形態のように両気筒2,2の稼働停止時期を選定すれば(実線で示す)、車体加速度の変動が大幅に小さくなることが分かる。
また、図9及び図10は、それぞれ、この実施形態のように第1及び第2気筒2,2の稼働停止時期を選定した場合について、駆動系への入力と車体前後加速度とを周波数分析した結果を示し、図9によれば、変速段3rdのときの駆動系の共振点fc(振動数約5Hz)付近で駆動系へ入力する加振力自体が小さくなっていることが分かる。また、図10によれば、そうして駆動系への加振力が小さくなることによって車体加速度も小さくなることが分かる。尚図9、10のグラフの縦軸の1メモリは10dBである。
前記図5のフローのステップSA4により、センサ13の信号から現在の変速段を判定する変速段判定手段10aと、こうして判定された変速段に対応する基準時間(駆動系の共振半周期)をテーブルから読み込んで設定する基準時間設定手段10bと、が構成され、同ステップSA5により、全気筒運転から部分気筒運転への切換え中に変速機8の変速作動を禁止する変速規制手段10cが構成されている。
また、同ステップSA6,SA7により、エンジン1の全気筒運転から部分気筒運転への切換えの際に点火順序の連続しない第1及び第4気筒2,2の稼働を停止させる稼働気筒数制御手段10dと、その際に第1気筒2の稼働停止から第4気筒2の稼働停止までの時間間隔が前記基準時間に最も近くなるように当該両気筒の稼働停止時期をそれぞれ選定する停止時期選定手段10eと、が構成されている。
換言すれば、この実施形態では、PCM10が、前記変速段判定手段10a、基準時間設定手段10b、変速規制手段10c、稼働気筒数制御手段10d及び停止時期選定手段10eをいずれもソフトウエアの形態で備えており、PCM10のプロセッサにより所定の制御プログラムが実行されることで、該各手段10a〜10eの機能が実現するようになっている。
続いて、部分気筒運転から全気筒運転への切換え時についても簡単に説明すると、図11に示すフローチャート図のスタート後のステップSB1〜SB3では、前記図5のフローのステップSA1〜SA3と同様の制御手順を実行する。特にステップSB3ではステップSA3とは反対に全気筒運転への切換え条件が成立しているかどうか判定し、例えば、エンジン1が第1運転領域Iにあり且つスロットル開度やエンジン回転数の変化が小さければ、Noと判定してリターンする一方、エンジン1が第2運転領域IIにあるか、或いは第1運転領域Iにあってもスロットル開度やエンジン回転数の増大変化が所定以上に大きければ、Yesと判定して、ステップSB4〜SB6に進む。
ステップSB4、SB5では図5のフローのステップSA4、SA5と同様の制御手順を実行し、ステップSB6では、稼働を停止している第1気筒2への燃料供給及び点火を再開して、その稼働を再開させる。続いてステップSB7では、前記のように稼働を再開した第1気筒2の点火時期から次に稼働を再開させる第4気筒2の点火時期までの時間間隔が、ステップSB4にて読み込んだ基準時間に最も近くなるような時期を選定して、当該第4気筒2の稼働を再開させ、しかる後にリターンする。
すなわち、図12に一例を示すように、まず第1気筒2の稼働を再開した後に(S1)、続いて迎える点火時期(S2)では第4気筒2の稼働を再開させず、その次の点火時期(S3)まで待って、当該第4気筒2の稼働を再開させる。こうすると、第1、第2の2つの気筒2,2の稼働再開時期S1,S3の時間間隔が基準時間ΔTに非常に近くなるので、該各気筒2の稼働再開に伴いそれぞれ正方向の回転力が駆動系に入力しても、これを加振力とする振動が相互に打ち消し合うようになり、図の下段に示すように、車体の前後加速度は、2つの気筒2,2の稼働再開前の値から稼働再開後の値へと緩やかに振動しつつ収束するようになる。
つまり、図13に車体加速度のデータを対比して示すように、停止している第1及び第4気筒2,2の稼働を再開して、部分気筒運転から全気筒運転に切換えるときにも、この実施形態のように両気筒2,2の稼働再開時期を選定すれば(実線で示す)、第1気筒2の稼働再開に続けて第4気筒2の稼働を再開する場合(図に破線で示す)と比較して、車体加速度の変動を大幅に小さくすることができる。
前記図11のフローにおいてステップSB4は、変速段判定手段10aと基準時間設定手段10bとに対応し、同ステップSB5は、部分気筒運転から全気筒運転への切換え中も変速機8の変速作動を禁止する変速規制手段10cに対応している。
また、同ステップSB6,SB7は、停止している第1及び第4気筒2,2の稼働を再開させる稼働気筒数制御手段10dと、その際に第1気筒2の稼働再開から第4気筒2の稼働再開までの時間間隔が前記基準時間に最も近くなるように当該両気筒の稼働再開時期をそれぞれ選定する再開時期選定手段10fと、に対応している。
したがって、この実施形態1に係る多気筒エンジンの制御装置によると、まず、相対的に負荷の低い運転状態においてエンジン1の第1、第4気筒2,2の稼働を停止した部分気筒運転とすることで、残りの第2、第3気筒2,2の稼働効率を高めて、燃費を低減することができる。この際、点火順序の連続しない第1、第4気筒2,2の稼働を停止させ、残りの第2、第3気筒2,2を等間隔に燃焼させることで、振動の低減に有利になる。
また、そうして第1、第4気筒2,2の稼働を停止するときに、両者の稼働停止時期の間の時間間隔が駆動系共振の半周期にできるだけ近くなるようにして、当該両気筒2,2の稼働をそれぞれ停止させることで、各気筒2の稼働停止に伴い駆動系に生じる振動を相互に打ち消し合わせて、車体加速度の変動を大幅に減少させ、これにより乗員の感じるショックを大幅に軽減することができる。
さらに、そうして停止した第1、第4気筒2,2の稼働を再開させるときにも、両者の稼働再開時期の間の時間間隔が前記駆動系共振の半周期にできるだけ近くなるようにすることで、ショックを大幅に軽減することができる。
加えて、前記のような部分気筒運転と全気筒運転との間の切換え中は変速機8の変速作動を禁止するようにしているので、運転切換えの最中に駆動系の共振周期が変化して、前記の効果が十分に得られなくなる虞れもない。
(実施形態2)
図14は、本発明の実施形態2に係るエンジン制御装置において、全気筒運転から部分気筒運転への切換え時にPCM10によって行われるエンジン制御の手順を示すフローチャート図である。この実施形態2の制御装置は、エンジン1の運転切換えの際にエンジン回転数を補正するようにしたものであり、装置構成自体は前記実施形態1のものと殆ど同じなので、同一部材には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図14は、本発明の実施形態2に係るエンジン制御装置において、全気筒運転から部分気筒運転への切換え時にPCM10によって行われるエンジン制御の手順を示すフローチャート図である。この実施形態2の制御装置は、エンジン1の運転切換えの際にエンジン回転数を補正するようにしたものであり、装置構成自体は前記実施形態1のものと殆ど同じなので、同一部材には同一の符号を付して、その説明は省略する。
この実施形態2では、エンジン1の運転切換えの際に前記実施形態1と同様に選定した第1及び第4気筒2,2の稼働停止時期の間の時間間隔が、より基準時間に近づくようにエンジン回転数を補正する。例えば、エンジン1を全気筒運転から部分気筒運転に切換えるときには、まず図示のフローのスタート後のステップSC1〜SC4において、前記図5のフローのステップSA1〜SA4と同じ制御手順を実行する。すなわち、エンジン1の運転中に部分気筒運転への切換え条件が成立すれば、ステップSC4にて現在の変速段に対応する基準時間をテーブルから読み込む。
続いて、ステップSC5において、メモリに記憶されているマップを参照して、現在の変速段に対応する最適エンジン回転数範囲を読み込む。この最適エンジン回転数範囲というのは、例えば第1気筒2に続けて第4気筒2の稼働を停止させたとき、或いは前記実施形態1のように1回待ってから停止させたとき、さらには2回以上待ってから停止させたときに、それぞれ、2つの気筒2,2の稼働停止時期の時間間隔が基準時間と殆ど同じになるようなエンジン回転数の範囲である。
そして、この実施形態では、図15に一例を示すように、2つの気筒2,2の稼働停止及び再開の時間間隔と基準時間とのずれが所定時間内となるようなエンジン回転数の範囲を各変速段毎に予め計算等により求めて、前記最適エンジン回転数範囲のマップとして設定している。
より具体的に、例えば図示のマップにおいては、第1速(1st)では5つの範囲が設定される一方、第2速(2nd)、第3速(3rd)及び第4速(4th)ではそれぞれ3つの範囲が設定されており、そのうちの3rd欄の最上段に示す回転数範囲(500〜750rpm)では、変速機8が第3速にあるときに第1気筒2の稼働停止に続けて第4気筒2の稼働を停止させると、両者の稼働停止時期の時間間隔と基準時間とのずれが±0.02秒内になる(時間間隔が基準時間に一致するのは666.7rpmである)。
また、3rd欄の中段に示す回転数範囲(1636.4〜2571.4rpm)では、第4気筒2の稼働を1回待ってから停止させたときに、第1気筒2の稼働停止時期との時間間隔の基準時間からのずれが±0.02秒内になる(基準時間に一致するのは2000rpmである)。同様に、同欄最下段に示す回転数範囲(2727.3〜4285.7rpm)では、第4気筒2の稼働を2回待ってから停止させたときの時間のずれが±0.02秒内になる(基準時間に一致するのは3333.3rpmである)。
すなわち、エンジン回転数が前記マップから読み込んだいずれかの最適エンジン回転数範囲内にあれば、前記実施形態1のように第1及び第4気筒2,2の稼働停止時期を適切に選定することで、両気筒2,2の稼働停止時期の間の時間間隔が基準時間に概ね一致し、両者の稼働停止による駆動系の振動を殆ど完全に打ち消すことができるのである。
そこで、前記ステップSC5に続いて、まずステップSC6で変速機8の変速作動を禁止し、その後、ステップSC7において、センサ12の信号から検出される現在のエンジン回転数が、前記ステップSC5にて読み込んだいずれかの最適エンジン回転数範囲内にあるかどうか判定する。この判定がNoであれば後述のステップSC10に進む一方、判定がYesで、現在のエンジン回転数がいずれかの最適エンジン回転数範囲内にあれば、ステップSC8に進む。
そしてステップSC8,SC9では、図5のフローのステップSA6、SA7と同様の制御手順を実行して、第1及び第4気筒2,2の稼働を、両者の稼働停止時期の間の時間間隔が概略基準時間になるようにして停止させ、しかる後にリターンする。
つまり、エンジン1を全気筒運転から部分気筒運転に切換えるときに、エンジン回転数が各変速段毎のいずれかの最適エンジン回転数範囲内にあれば、エンジン回転数の補正は行わずに、実施形態1と同様に第1及び第4気筒2,2の稼働を停止させることで、該両気筒2,2の稼働停止に起因するショックを可及的に軽減できる。
一方、前記ステップSC7において現在のエンジン回転数がいずれの最適エンジン回転数範囲内にもない(No)と判定して進んだステップSC10では、現在のエンジン回転数とこれに最も近い最適エンジン回転数範囲の境界値との回転数差が所定値(例えば200rpm)内かどうか判定し、回転数差が所定値内でなければ前記ステップSC8,SC9に進む一方、回転数差が所定値内ならステップSC11に進んで、エンジン回転数を、最も近い境界を越えていずれかの最適エンジン回転数範囲に入るように制御する。
つまり、現在のエンジン回転数がいずれかの最適エンジン回転数範囲に比較的近ければ、その範囲に入るようにエンジン回転数を補正することで、第1及び第4気筒2,2の稼働停止時期の間の時間間隔を基準時間に概ね一致させるようにする。尚、そのようにエンジン回転数を補正するためには例えばスロットル開度、燃料噴射量、点火時期等を制御すればよい。また、吸排気弁の作動時期やリフト量を連続的に変更可能なエンジンであれば、これにより気筒2の吸気充填量を制御することもできる。
一方、現在のエンジン回転数がいずれの最適エンジン回転数範囲からも比較的遠いときには、エンジン回転数の補正に要する時間が大きくなることやエンジン回転数の補正によって乗員が違和感を覚えることを考慮して、前記のようなエンジン回転数の補正は行わないようにしている。
前記図14のフローにおいてもステップSC4が変速段判定手段10aと基準時間設定手段10bとに対応し、同ステップSC6が変速規制手段10cに対応し、また、同ステップSC8,AC9が稼働気筒数制御手段10dと停止時期選定手段10eと、に対応している。さらに、前記フローのステップSC4,SC7,SC10,SC11により、稼働を停止する第1及び第4気筒2,2の稼働停止時期の間の時間間隔が基準時間に近づくようにエンジン回転数を制御する回転数制御手段10gが構成されている。
尚、詳しい説明は省略するが、エンジン1を部分負荷運転から全気筒運転へ切換えるときにも前記と同様にして、第1及び第4気筒2,2の稼働再開時期の間の時間間隔がより基準時間に近づくようにエンジン回転数を補正するようにする。
したがって、この実施形態2に係る多気筒エンジンの制御装置Aによると、前記実施形態1と同様に、エンジン1を全気筒運転と部分気筒運転との間で切換えるときに、第1及び第4気筒2,2の稼働停止又は再開時期の間の時間間隔が駆動系共振の半周期にできるだけ近くなるようにして、当該両気筒2,2の稼働をそれぞれ停止又は再開させることで、各気筒2の稼働停止又は再開に伴い駆動系に生じる振動を相互に打ち消し合わせて、車体加速度の変動を大幅に減少させることができる。
しかも、この実施形態では、前記の運転切換えの際にエンジン回転数を補正して、第1及び第2気筒2,2の稼働停止又は再開時期の間の時間間隔が駆動系共振の半周期と概ね同じになるようにしているので、各気筒2の稼働停止又は再開に伴い駆動系に生じる振動を相互に略完全に打ち消し合わせて、ショックを可及的に減少させることができる。
尚、本発明の構成は、前記実施形態1、2のものに限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。すなわち、例えば前記各実施形態に係るエンジン制御装置Aでは、4気筒エンジン1において点火順序の連続しない第1、第4気筒2,2の稼働を停止させ、第2、第3気筒2,2のみを稼働させるようにしているが、反対に第2、第3気筒2,2の稼働を停止させ、第1、第4気筒のみを稼働させるようにしてもよい。
また、本発明は5気筒、6気筒のエンジンにも適用することができ、例えば6気筒エンジンに適用して点火順序の連続しない3つの気筒2,2,…の稼働を停止させるときには、そのうちのいずれか1つの気筒2の稼働停止時期から他のいずれか1つの気筒2の稼働停止時期までの時間間隔が基準時間に最も近くなるようにすればよい。
但し、その場合には2つの気筒2,2の稼働停止に伴う駆動系の振動を打ち消し合わせることはできても、残りの1つの気筒2の稼働停止に伴う駆動系の振動は残ってしまうので、本願発明の効果は、特に前記実施形態1、2のような4気筒エンジン1の場合に高いといえる。
本発明は、上述の如く、多気筒エンジンの運転中に一部の気筒の稼働を停止させることで、燃費を低減できるとともに、その際に殆どショックを発生させないようにすることができるので、乗用車のエンジンに有用である。
A 多気筒エンジンの制御装置
1 エンジン
2 気筒
8 変速機
10 PCM(コントローラ)
10a 変速段判定手段
10b 基準時間設定手段
10c 変速規制手段
10d 稼働気筒数制御手段
10e 停止時期選定手段
10f 再開時期選定手段
10g 回転数制御手段
1 エンジン
2 気筒
8 変速機
10 PCM(コントローラ)
10a 変速段判定手段
10b 基準時間設定手段
10c 変速規制手段
10d 稼働気筒数制御手段
10e 停止時期選定手段
10f 再開時期選定手段
10g 回転数制御手段
Claims (6)
- エンジンの運転状態に応じて一部の気筒の稼働を停止させ、部分気筒運転を行わせるようにした多気筒エンジンの制御装置であって、
全気筒運転から部分気筒運転への切換えの際に点火順序の連続しない少なくとも2つの気筒の稼働を停止させる稼働気筒数制御手段と、
車両の駆動系における現在の変速段を判定する変速段判定手段と、
前記変速段に対応する駆動系の共振周期の略半分の時間を基準時間として設定する基準時間設定手段と、
前記稼働気筒数制御手段によるいずれか1つの気筒の稼働停止時期から他のいずれか1つの気筒の稼働停止時期までの時間間隔が、前記基準時間に最も近くなるように当該両気筒の稼働停止時期をそれぞれ選定する停止時期選定手段と、
を備えることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。 - 請求項1の多気筒エンジンの制御装置において、
前記稼働気筒数制御手段は、エンジンの部分気筒運転から全気筒運転への切換えの際に停止中の気筒の稼働を再開させるものであり、
前記稼働気筒数制御手段によるいずれか1つの気筒の稼働再開時期から他のいずれか1つの気筒の稼働再開時期までの時間間隔が、前記基準時間に最も近くなるように当該両気筒の稼働再開時期をそれぞれ選定する再開時期選定手段をさらに備えることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。 - 請求項1の多気筒エンジンの制御装置において、
エンジンの全気筒運転から部分気筒運転への切換えの際に、前記稼働気筒数制御手段によるいずれか1つの気筒の稼働停止時期から他のいずれか1つの気筒の稼働停止時期までの時間間隔が前記基準時間に近づくように、エンジン回転数を制御する回転数制御手段を備えることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。 - 請求項2の多気筒エンジンの制御装置において、
エンジンの部分気筒運転から全気筒運転への切換えの際に、前記稼働気筒数制御手段によるいずれか1つの気筒の稼働再開時期から他のいずれか1つの気筒の稼働再開時期までの時間間隔が前記基準時間に近づくように、エンジン回転数を制御する回転数制御手段を備えることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか1つの多気筒エンジンの制御装置において、
エンジンは4つの気筒を有し、
前記稼働気筒数制御手段は、点火順序が連続しない2つの気筒の稼働を停止させ、又は再開させるものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。 - 請求項1〜5のいずれか1つの多気筒エンジンの制御装置において、
エンジンの部分気筒運転と全気筒運転との間の切換え中、変速機の変速作動を禁止する変速規制手段を備えることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005313629A JP2007120404A (ja) | 2005-10-28 | 2005-10-28 | 多気筒エンジンの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2007120404A true JP2007120404A (ja) | 2007-05-17 |
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ID=38144503
Family Applications (1)
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JP2005313629A Pending JP2007120404A (ja) | 2005-10-28 | 2005-10-28 | 多気筒エンジンの制御装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007120404A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20160003177A1 (en) * | 2013-02-25 | 2016-01-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control apparatus for internal combustion engine |
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-
2005
- 2005-10-28 JP JP2005313629A patent/JP2007120404A/ja active Pending
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