JPH06158232A - 耐凝縮水腐食性に優れた鋼板 - Google Patents
耐凝縮水腐食性に優れた鋼板Info
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- JPH06158232A JPH06158232A JP31379792A JP31379792A JPH06158232A JP H06158232 A JPH06158232 A JP H06158232A JP 31379792 A JP31379792 A JP 31379792A JP 31379792 A JP31379792 A JP 31379792A JP H06158232 A JPH06158232 A JP H06158232A
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Abstract
スに起因する、SO2 Cl-イオン、CO2 を含有した
弱酸性(pH3.5〜5.5)の凝縮水腐食環境におい
て優れた耐食性を示す鋼板に関する。 【構成】 低C、低Mn、中Crを含み、さらに不純物
のSを0.01%以下とし、或いはさらにSi、Al、
Cu、Ni、Mo、Nb、V、Ti、Ca、Bのうち少
なくとも1種を含有することを特徴とする耐凝縮水腐食
性に優れた鋼板。
Description
ン、CO2 を含有した弱酸性(pH3.5〜5.5)の
凝縮水腐食環境において優れた耐食性を示す鋼板に関す
る。
は、SO2 、Cl- イオン、CO2 、および多くの水蒸
気分を含むため、ボイラーから煙突の間で、排気ガス温
度の低下によって凝縮水が生じる。この凝縮水は、SO
2 、Cl-イオン、CO2 を溶解した弱酸性(pH3.
5〜5.5)の凝縮水であり、腐食性が高い。
してステンレス鋼および炭素鋼が使用されている。例え
ば、ステンレス鋼としては特開平1−165752号公
報に示されるように、14%以上のCrを添加した耐食
性を有するフェライト系ステンレス鋼を使用するという
方法があった。また、炭素鋼としては特開平1−306
585号公報に示されるように、炭素鋼に接する溶液に
腐食抑制剤を注入することにより腐食を抑制するという
方法があった。
2号公報の方法では、コストおよび加工性・溶接性の点
で普通鋼に比べて劣るという問題があった。一方、特開
平1−306585号公報の方法は、熱交換器内に溶液
が循環している場合にのみ適用でき、燃焼排気ガスの凝
縮水による腐食を抑制できない点で問題があった。
されたもので、低C、高Cr系の鋼板として、ステンレ
ス鋼より安価でかつ、炭素鋼に比して3倍以上の耐食性
示す鋼材を提供することを目的とするものである。
とするところは下記のとおりである。 (1)重量(%)でC:0.05%以下、Mn:0.2
〜1.6%、S:0.01%以下、Cr:7.0〜1
3.0%を含み、残部がFeおよびその他の不純物から
なることを特徴とする耐凝縮水腐食性に優れた鋼板。
0.5%、Al:0.001〜0.07%、Cu:0.
05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Mo:
0.05〜1.0%、Nb:0.005〜0.1%、
V:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.1
%、Ca:0.0005〜0.01%、B:0.003
〜0.005%のうち少なくとも1種を含有することを
特徴とする前記(1)記載の耐凝縮水腐食性に優れた鋼
板。
おいて、耐凝縮水腐食性に優れた鋼板とは、SO2 、C
l- イオン、CO2 を含有した弱酸性(pH3.5〜
5.5)の凝縮水腐食環境において優れた耐食性を示す
鋼板をいう。また、凝縮水腐食環境とは、例えばLNG
焚きボイラーから煙突の間で、燃焼排気ガス温度の低下
により水蒸気が燃焼排気ガス中の腐食性物質を溶解しな
がら結露し、腐食が進行するような環境をいう。
る。本発明の限定要件は上記した通り、低C、低S、低
Mn、中Cr:7.0〜13.0%の成分からなること
が必須である。つまり、低〔C〕化により、Fe3Cの
析出量を抑制し、カソード活性サイトを減少する効果
と、低〔S〕、低〔Mn〕化によって、FeおよびCr
の含水酸化物からなる皮膜のCl- イオンに対する抵抗
性を弱めるMnS生成の抑制と、中〔Cr〕化による鋼
表面の保護皮膜の形成の効果の相乗効果により、鋼板自
身の耐食性が向上し、他の防食措置を施すことなく、耐
凝縮水腐食性に優れた鋼板が得られる。
た理由をのべる。Cは低いほど耐食性が良いが、製鋼上
含まれるものである。Cが0.05%を超えるとFe3
Cの析出量増加によりカソード活性サイトが増加し、耐
食性が著しく劣化するので、0.05%以下とした。M
nは鋼中不純物として存在するSをMnSとして固定す
るために添加するが、0.2%未満では十分な効果が得
られず、1.6%を超えると加工性が劣化するので、
0.2〜1.6%とした。
Crの含水酸化物からなる皮膜を生成し、鋼の耐食性を
向上させるが、その効果は7.0%以上で認められる。
一方、13.0%を超えると加工性が劣化するので、そ
の量を7.0〜13.0%とした。Sは鋼中不純物とし
て存在するが、その量が多くなると硫化物を形成し、F
eおよびCrの含水酸化物からなる皮膜のCl- イオン
に対する抵抗を弱めるMnSが増加し、耐食性を著しく
悪化させるので、0.01%以下とした。
鋼時の脱酸元素として添加するが、0.005%未満で
は脱酸効果が少なく、靱性を劣化させる。一方、0.5
%を超えると耐食性が劣化するので、その量を0.00
5〜0.5%とした。また、Alも製鋼時の脱酸元素と
して添加するが、0.005%未満では脱酸効果が少な
く、靱性を劣化させる。一方、0.07%を超えると耐
食性が劣化するので、その量を0.005〜0.07%
とした。
る。その効果は0.05%以上で現れるが、あまり多く
添加するとCuの微細析出が鋼中に生じ、鋼表面におい
てミクロな電池を形成するため、鋼の腐食を促進する。
この腐食促進が顕著になるのは1.0%を超える場合で
あり、本発明ではその量を0.05〜1.0%とした。
食性を向上させる上で有効な元素であるが、2.0%を
超えるとその効果が飽和すると共に、コストアップの原
因となるので、その量を0.05〜2.0%とした。ま
た、Moは、0.05%以上添加すると耐孔食性を向上
させるのに有用な元素であるが、その効果が1.0%超
では飽和することから、0.05〜1.0%とした。
以上添加すると、C、Nを固定してC、Nによる強度上
昇を抑制し、加工性を確保するのに有効である。その効
果はそれぞれ0.1%以下で十分なので、0.005〜
0.1%とした。またCaは、0.0005%以上添加
すると、鋼表面の水素イオン活量の上昇を抑制するた
め、耐食性に有効な元素であり、その効果は0.01%
以下で十分なので、0.0005〜0.01%とした。
低C、低Mn化による強度低下を補完する効果に加え、
鋼表面の保護皮膜のカソード還元溶解速度を抑制すると
いうメカニズムにより鋼表面の保護皮膜の保護機能を向
上させる。その効果は0.005%以下で十分なので、
0.003〜0.005%とした。以下、本発明の効果
を実施例によりさらに具体的に示す。
の鋼板について、1/2tから腐食試験片を採取し、腐
食試験を実施した。腐食試験として、LNG焚きボイラ
ーの燃焼排気ガスの凝縮水による腐食環境を再現するた
め、表2に示した組成の水溶液に、表3に示した混合ガ
スを通気させた水溶液で乾湿繰り返し試験を所定のサイ
クル数で行い、腐食減量より換算して平均板厚減少量に
より耐食性を評価した。
が最大でも0.18cmであるのに比して、A〜Gの比
較鋼は最も優れたものでも0.56cmで、少なくとも
3倍以上の耐食性を示している。
によれば、耐食性を従来材に比べ改善した鋼板を提供す
ることが可能となるものであり、産業上その効果は極め
て顕著である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量(%)でC:0.05%以下、M
n:0.2〜1.6%、S:0.01%以下、Cr:
7.0〜13.0%を含み、残部がFeおよびその他の
不純物からなることを特徴とする耐凝縮水腐食性に優れ
た鋼板。 - 【請求項2】 重量(%)でSi:0.005〜0.5
%、Al:0.005〜0.07%、Cu:0.05〜
1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Mo:0.05
〜1.0%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.0
05〜0.1%、Ti:0.005〜0.1%、Ca:
0.0005〜0.01%、B:0.003〜0.00
5%のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする
請求項1記載の耐凝縮水腐食性に優れた鋼板。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4313797A JP2824723B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | So▲下2▼、c1▲上−▼イオン、co▲下2▼を含有した弱酸性の凝縮水腐食環境において耐食性に優れたlng焚きボイラーの燃焼排気ガス系材料用鋼板 |
US08/539,495 US5591392A (en) | 1992-11-24 | 1995-10-06 | Steel plate having good corrosion resistance to condensed water |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4313797A JP2824723B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | So▲下2▼、c1▲上−▼イオン、co▲下2▼を含有した弱酸性の凝縮水腐食環境において耐食性に優れたlng焚きボイラーの燃焼排気ガス系材料用鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06158232A true JPH06158232A (ja) | 1994-06-07 |
JP2824723B2 JP2824723B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=18045644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4313797A Expired - Lifetime JP2824723B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | So▲下2▼、c1▲上−▼イオン、co▲下2▼を含有した弱酸性の凝縮水腐食環境において耐食性に優れたlng焚きボイラーの燃焼排気ガス系材料用鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2824723B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106282839A (zh) * | 2015-05-26 | 2017-01-04 | 宝山钢铁股份有限公司 | 高性能耐硫酸露点钢板及其制造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5693856A (en) * | 1979-12-27 | 1981-07-29 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Steel for line pipe with excellent corrosion resistance against wet carbon dioxide |
JPH02156048A (ja) * | 1988-12-09 | 1990-06-15 | Kawasaki Steel Corp | 耐食性に優れたクロム鋼 |
JPH02290948A (ja) * | 1989-04-28 | 1990-11-30 | Nippon Steel Corp | 低クロムオーステナイト系ステンレス鋼 |
JPH03219055A (ja) * | 1989-11-29 | 1991-09-26 | Nippon Steel Corp | 耐食性の優れたエンジン排ガス系材料用ステンレス鋼 |
-
1992
- 1992-11-24 JP JP4313797A patent/JP2824723B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5693856A (en) * | 1979-12-27 | 1981-07-29 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Steel for line pipe with excellent corrosion resistance against wet carbon dioxide |
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CN106282839A (zh) * | 2015-05-26 | 2017-01-04 | 宝山钢铁股份有限公司 | 高性能耐硫酸露点钢板及其制造方法 |
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JP2824723B2 (ja) | 1998-11-18 |
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