JPH06157578A - 新規なマルトオリゴ糖誘導体および該誘導体を用いたアミラーゼ測定用試薬 - Google Patents

新規なマルトオリゴ糖誘導体および該誘導体を用いたアミラーゼ測定用試薬

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JPH06157578A
JPH06157578A JP30376092A JP30376092A JPH06157578A JP H06157578 A JPH06157578 A JP H06157578A JP 30376092 A JP30376092 A JP 30376092A JP 30376092 A JP30376092 A JP 30376092A JP H06157578 A JPH06157578 A JP H06157578A
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JP
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group
glucosidase
alpha
glucopyranosyl
fucopyranosyl
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JP30376092A
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Hatsuichi Majima
肇一 馬島
Shinichi Tejima
真一 手嶋
Shigenori Aisui
重典 愛水
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式 (I) 【化1】 (式中、R1 およびR2 のうち少なくとも一方はβ−グ
ルコピラノシル基、α−フコピラノシル基、β−フコピ
ラノシル基、β−グルクロニド基、α−N−アセチル−
グルコサミン基またはβ−N−アセチル−グルコサミン
基を示し、残りは水素原子を示す。R3 はα−またはβ
−グルコシダーゼによって切断されうる結合を介して還
元末端グルコースに結合し、該結合が切断されたとき、
測定可能な物質となる基を示す。nは0〜7の整数を示
す。)で表されるマルトオリゴ糖誘導体および該マルト
オリゴ糖誘導体を含有するα−アミラーゼ活性測定用試
薬。 【効果】 本発明のマルトオリゴ糖誘導体はα−グルコ
シダーゼ、グルコアミラーゼ等の追随酵素を一液化した
条件において、追随酵素の作用を受けず、かつ澱粉やア
ミロース等の天然糖鎖を認識してその結合を切断する体
液中のα−アミラーゼの作用様式をより純粋に反映す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なマルトオリゴ糖
誘導体および該マルトオリゴ糖誘導体を基質として用い
るα−アミラーゼ活性測定用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から膵液や尿などの体液に含有され
るα−アミラーゼの活性を測定することにより、各種疾
患の診断が行われている。このようなα−アミラーゼの
活性測定法としては、例えば、次のような方法(1)〜
(3)などがある。 (1)マルトオリゴ糖(例えばマルトテトラオース、マ
ルトぺンタオース、マルトヘキサオースなど)を基質と
する方法:この方法では、α−アミラーゼ含有試料に該
マルトオリゴ糖とα−グルコシダーゼとを作用させて基
質からグルコースを遊離させ、グルコースの量を測定す
ることにより、α−アミラーゼの活性値を知る。生成し
たグルコースを測定する方法としては、グルコースオキ
シターゼ/パーオキシダーゼ/色素系を利用する測定
法、ヘキソキナーゼ/グルコース−6−ホスフェートデ
ヒドロゲナーゼを利用する測定法またはヘキソキナーゼ
/ホスフォグルコムターゼ/グルコース−6−ホスフェ
ートデヒドロゲナーゼ/NADH系を利用する測定法な
どがある。しかしながら、これらの方法では、α−グル
コシダーゼが僅かではあるが、基質に作用し、ブランク
値が上昇するため、α−グルコシダーゼと基質とを一液
化した試薬とすることが困難である。
【0003】(2)マルトオリゴ糖の還元性末端にフェ
ニル基、ナフチル基、またはそれらの誘導体をアグリコ
ンとして結合させた基質を用いる方法:これらの方法で
はα−アミラーゼ含有試料に該マルトオリゴ糖誘導体と
必要に応じてα−グルコシダーゼ等の追随酵素を作用さ
せ、基質からアグリコンを遊離させ、遊離したアグリコ
ンの量を光学的に測定することにより、α−アミラーゼ
の活性を測定することができる。このような方法として
は例えば、基質としてp−ニトロフェニルマルトペンタ
オシド、p−ニトロフェニルマルトヘキサオシド、p−
ニトロフェニルマルトヘプタオシド、2−クロロ−4−
ニトロフェニルマルトペンタオシドなどを用いる方法が
ある。しかしながら、これらの方法でもやはりα−グル
コシダーゼがわずかではあるが基質に作用し、ブランク
値が上昇するため、α−グルコシダーゼと基質とを一液
化した試薬とすることが困難である。
【0004】(3)マルトオリゴ糖の還元末端グルコー
スの1位にフェニル基、ナフチル基またはそれらの誘導
体をアグリコンとして結合させ、非還元性末端グルコー
スの4位および/または6位のヒドロキシル基を何らか
の手段で修飾した基質を用いる方法:これらの方法とし
ては、例えばマルトオリゴ糖の非還元性末端のグルコ−
スの6位のヒドロキシル基をハロゲン、グルコピラノシ
ル基などで修飾したタイプの基質(例えば特開昭60−
237998号公報)を用いる方法、4位および6位の
ヒドロキシル基をアルキル基、アルコイル基またはフェ
ニル基で置換したタイプの基質(例えば特開昭60−5
4395号公報、特開昭1−157996号公報)を用
いる方法、あるいはエチリデン基、ベンジリデン基、3
−ケトブチリデン基、2−ケトブチリデン基、2−ケト
プロピリデン基、4−ケトペンチリデン基、メチリスル
フィニルエチリデン基、エチルスルフィニルエチリデン
基、メタンスルフォニルエチリデン基、エタンスルフィ
ニルエチリデン基を非還元末端グルコ−スに導入した基
質(例えば特開昭60−54395号公報、特開平1−
157996号公報)を用いる方法などがある。
【0005】マルトオリゴ糖の非還元性末端グルコース
の4位および/または6位のヒドロキシル基を修飾した
基質は、追随酵素であるα−グルコシダーゼ、グルコア
ミラーゼによる作用を受けず、ブランク値がほとんど上
昇しないので、α−グルコシダーゼやグルコアミラーゼ
などの追随酵素と基質とを一液化した試薬とすることが
可能となった。しかし、上記基質においては、非還元末
端グルコースのヒドロキシル基の修飾基は天然にない構
造のもの(例、アルキル基、アルコイル基またはフェニ
ル基など)であるため、体内において澱粉やアミロース
等のグルコ−ス鎖を認識してその結合を切断するα−ア
ミラーゼの作用様式を純粋に反映していない欠点があ
る。 この欠点を解消するために、マルトオリゴ糖の非
還元性末端グルコースの4位または6位のヒドロキシル
基を天然糖であるβ−ガラクトシル基で修飾した基質を
用いる方法が提案されている(特開平3−264596
号公報)。しかし、この方法では非還元末端が修飾され
ない不純物が若干含まれ、多少のブランク値の上昇が避
けられない。また基質の合成収率が悪く実用的ではな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のα−ア
ミラーゼ活性測定基質である非還元末端グルコースのヒ
ドロキシル基を修飾した基質の欠点を解消しようとする
ものであり、その目的とするところは、基質と追随酵素
を一液化した条件において、α−グルコシダーゼ、グル
コアミラーゼ等の追随酵素の作用を受けず、かつ澱粉や
アミロース等の天然糖鎖を認識してその結合を切断する
α−アミラーゼの作用様式をより純粋に反映する基質と
しての新規なマルトオリゴ糖誘導体を提供することであ
る。また、該マルトオリゴ糖誘導体を基質として用いる
体液中のα−アミラーゼ活性を精度良く簡単な操作で測
定する試薬を提供することにある。
【0007】
【課題を解決しようとするための手段】本発明は、一般
式(I)
【0008】
【化3】 (式中、R1 およびR2 のうち少なくとも一方はβ−グ
ルコピラノシル基、α−フコピラノシル基、β−フコピ
ラノシル基、β−グルクロニド基、α−N−アセチル−
グルコサミン基またはβ−N−アセチル−グルコサミン
基を示し、残りは水素原子を示す。R3 はα−またはβ
−グルコシダーゼによって切断されうる結合を介して還
元末端グルコースに結合し、該結合が切断されたとき、
測定可能な物質となる基を示す。nは0〜7の整数を示
す。)で表される新規なマルトオリゴ糖誘導体である。
【0009】また本発明は、一般式(I)
【化4】 (式中、R1 およびR2 のうち少なくとも一方はβ−グ
ルコピラノシル基、α−フコピラノシル基、β−フコピ
ラノシル基、β−グルクロニド基、α−N−アセチル−
グルコサミン基またはβ−N−アセチル−グルコサミン
基を示し、残りは水素原子を示す。R3 はα−またはβ
−グルコシダーゼによって切断されうる結合を介して還
元末端グルコースに結合し、該結合が切断されたとき、
測定可能な物質となる基を示す。nは0〜7の整数を示
す。)で表される新規なマルトオリゴ糖誘導体および追
随酵素を含有することを特徴とするα−アミラーゼ活性
測定用試薬である。
【0010】本発明における一般式(I)で表されるマ
ルトオリゴ糖誘導体の骨格となるマルトオリゴ糖は、2
〜9個のグルコース[式(I)において、n=0〜7に
相当]から形成される。マルトオリゴ糖としては種々の
鎖長のものが合成できるが、α−アミラーゼ測定には特
にマルトテトラオースが好適である。
【0011】一般式(I)で表されるマルトオリゴ糖誘
導体のR1 およびR2 のうち少なくとも一方は、β−グ
ルコピラノシル基、α−フコピラノシル基、β−フコピ
ラノシル基、β−グルクロニド基、α−N−アセチル−
グルコサミン基またはβ−N−アセチル−グルコサミン
基を示し、残りは水素原子を示す。β−グルコピラノシ
ル基、α−フコピラノシル基、β−フコピラノシル基、
β−グルクロニド基、α−N−アセチル−グルコサミン
基またはβ−N−アセチル−グルコサミン基である修飾
基は、非還元性末端グルコースの4位または/および6
位の水酸基にα型またはβ型で結合している。本発明の
マルトオリゴ糖誘導体はα型で結合したものおよびβ型
で結合したものの混合物であってもよい。上記の種々の
修飾基の中で、α−アミラーゼの作用様式をより純粋に
反映する基質という観点からは、特にβ−グルコピラノ
シル基が好ましい。
【0012】一般式(I)で表されるマルトオリゴ糖誘
導体のR3 はα−またはβ−グルコシダーゼによって切
断されうる結合を介して還元末端グルコースに結合し、
該結合が切断されたとき、測定可能な物質となる基を示
す。このようなR3 としては一般式(II)で表される下
記置換フェノール化合物残基が挙げられる。
【0013】一般式(II)
【化5】 (式中、XおよびYは個々に水素原子、ハロゲン原子ま
たはニトロ基を示し、同時に水素原子でない。)
【0014】置換フェノール化合物の具体的な例として
は、p−ニトロフェノール、o−ニトロフェノール、2
−クロロ−4−ニトロフェノール、2,4−ジクロロフ
ェノールなどが挙げられる。R3 の他の例としては、4
−メチルウンベリフェロンなどの蛍光物質を生じる残基
が挙げられる。α−アミラーゼの至適pH付近における
測定感度を考慮した場合、2−クロロ−4−ニトロフェ
ノールが好ましい。
【0015】本発明における一般式(I)で表されるマ
ルトオリゴ糖誘導体としては、具体的に2−クロロ−4
−ニトロフェニル 4−O−β−D−グルコピラノシル
−α−マルトテトラオシド、2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル 4−O−β−D−グルコピラノシル−β−マル
トテトラオシド、2−クロロ−4−ニトロフェニル4−
O−β−D−グルコピラノシル−α−マルトペンタオシ
ド、2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D
−グルコピラノシル−β−マルトペンタオシド、p−ニ
トロフェニル 4−O−β−D−グルコピラノシル−α
−マルトテトラオシド、p−ニトロフェニル 4−O−
β−D−グルコピラノシル−α−マルトペンタオシド、
2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−α−フコピ
ラノシル−α−マルトテトラオシド、2−クロロ−4−
ニトロフェニル 4−O−β−フコピラノシル−α−マ
ルトテトラオシド、2−クロロ−4−ニトロフェニル4
−O−β−グルクロニド−α−マルトテトラオシド、2
−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−α−N−アセ
チル−グルコサミン−α−マルトテトラオシド、2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−N−アセチル
−グルコサミン−α−マルトテトラオシド、2−クロロ
−4−ニトロフェニル 6−O−β−D−グルコピラノ
シル−α−マルトテトラオシドなどが挙げられる。
【0016】本発明の基質であるマルトオリゴ糖誘導体
(I)は新規な化合物であり、種々の方法による合成が
可能である。
【0017】本発明のマルトオリゴ誘導体の製法として
は、例えば一般式(III)
【化6】 (式中、R3 はα−またはβ−グルコシダーゼによって
切断されうる結合を介して還元末端グルコースに結合
し、該結合が切断されたとき、測定可能な物質となる基
を示す。nは0〜7の整数を示す。)で表される化合物
とβ−グルコピラノシル基、α−フコピラノシル基、β
−フコピラノシル基、β−グルクロニド基、α−N−ア
セチル−グルコサミン基またはβ−N−アセチル−グル
コサミン基のいずれかを4位および/または6位に有す
るマルトオリゴ糖誘導体を、β−グルコシダーゼ、α−
フコシダーゼ、β−フコシダーゼ、β−グルクロニダー
ゼ、α−N−アセチルグルコサミニダーゼまたはβ−N
−アセチルグルコサミニダーゼの糖水解の逆反応を利用
して製造することができる。なお原料化合物である一般
式(III) で表される化合物は、α−またはβ−グルコシ
ダーゼによって切断されうる結合を介して還元末端グル
コースに結合し、該結合が切断されたとき定量可能な物
質(以後アグリコンと呼ぶ)とマルトオリゴ糖を、化学
的にあるいは酵素を用いて合成される(例えば特開平1
−157996号公報参照)。
【0018】本発明のマルトオリゴ誘導体の別な製法と
しては、β−グルコピラノシル基、α−フコピラノシル
基、β−フコピラノシル基、β−グルクロニド基、α−
N−アセチル−グルコサミン基またはβ−N−アセチル
−グルコサミン基のいずれかを4位および/または6位
に有するオリゴ糖誘導体と、非還元末端グルコース非修
飾のマルトオリゴ糖とから、β−グルコシダーゼ、α−
フコシダーゼ、β−フコシダーゼ、β−グルクロニダー
ゼ、α−N−アセチルグルコサミニダーゼまたはβ−N
−アセチルグルコサミニダーゼの糖水解の逆反応を利用
して、非還元末端グルコースがβ−グルコピラノシル
基、α−フコピラノシル基、β−フコピラノシル基、β
−グルクロニド基、α−N−アセチル−グルコサミン基
またはβ−N−アセチル−グルコサミン基で修飾された
マルトオリゴ糖を製造した後、α−またはβ−グルコシ
ダーゼによって切断されうる結合を介して還元末端グル
コースに結合し、該結合が切断されたとき定量可能な物
質(以後アグリコンと呼ぶ)と既知の方法に従って合成
することができる(例えば特開平1−157996号公
報参照)。
【0019】α−またはβ−グルコシダーゼによって切
断されうる結合を介して還元末端グルコースに結合し、
該結合が切断されたとき定量可能な物質(以後アグリコ
ンと呼ぶ)としては、p−ニトロフェノール、o−ニト
ロフェノール、2−クロロ−4−ニトロフェノール、
2,4−ジクロロフェノールなどの置換フェノール化合
物、4−メチルウンベリフェロンなどの蛍光物質などが
挙げられる。
【0020】本発明のα−アミラーゼ活性測定用試薬
は、上記一般式(I)で表されるマルトオリゴ糖誘導体
を基質として含有するものであり、さらにα−グルコシ
ダーゼ、グルコアミラーゼおよび必要によりβ−グルコ
シダーゼを適宜組み合わせた追随酵素、および必要に応
じてその他の添加剤、例えば界面活性剤、安定化剤、防
腐剤、キレート剤などを含有するものである。
【0021】本発明のα−アミラーゼ活性測定用試薬に
用いられるα−グルコシダーゼの起源は特に限定されな
い。動物、植物、微生物などから得られるα−グルコシ
ダーゼが利用され得る。特に酵母起源のα−グルコシダ
ーゼはグルコース数3のマルトトリオシド以下のグリコ
シドによく作用し、かつグルコース数4のマルトテトラ
オシド以上のグルコシドには作用しにくい点、及びアグ
リコンの特異性が広い点から好適に使用されうる。本発
明のα−アミラーゼ活性測定用試薬に用いられるβ−グ
ルコシダーゼ、グルコアミラーゼの起源も特に限定され
ない。例えば、アーモンドから得られるβ−グルコシダ
ーゼやリゾプスデレマーから得られるグルコアミラーゼ
が好適に使用され得る。
【0022】本発明方法により、α−アミラーゼの活性
を測定するには、上記基質および追随酵素およびその他
の添加物を含有する試薬に、α−アミラーゼを含む試料
を作用させる。次に本発明のα−アミラーゼ活性測定用
試薬を使用する測定方法における基質分解の反応式を2
−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−グル
コピラノシル−β−マルトテトラオシドを例に挙げて説
明する。
【0023】
【化7】
【0024】上記反応においてはα−グルコシダーゼの
作用により遊離した発色物質(上記例においては、2−
クロロ−4−ニトロフェノール)を適当な手段により測
定することによって、α−アミラーゼの活性を測定する
ことができる。置換フェノール化合物が還元性末端グル
コースにα結合している場合には、α−グルコシダーゼ
を作用させ、またβ結合している場合には、β−グルコ
シダーゼを作用させて、測定可能な物質を遊離する。上
記した例では遊離する2−クロロ−4−ニトロフェノー
ルのスペクトルを直接測定する。2−クロロ−4−ニト
ロフェノールの測定方法としては、α−アミラーゼの反
応を連続的に追跡するレート法および一定時間反応させ
た後、反応を止めて測定するエンドポイント法のいずれ
もが使用されうる。
【0025】本発明のα−アミラーゼ活性測定用基質に
おいては、遊離後、測定可能な物質と還元末端グルコー
ス鎖のグリコシド結合はα型、β型どちらでもよく、特
に限定されない。本発明に使用する基質としては、α型
とβ型の混合物であってもよい。
【0026】
【発明の効果】本発明のマルトオリゴ糖誘導体は、非還
元末端グルコースの4位および/または6位にβ−グル
コピラノシル基、α−フコピラノシル基、β−フコピラ
ノシル基、β−グルクロニド基、α−N−アセチル−グ
ルコサミン基またはβ−N−アセチル−グルコサミン基
を結合した新規化合物であり、該誘導体とα−グルコシ
ダーゼ、グルコアミラーゼ等の追随酵素を一液化した条
件において、該誘導体は追随酵素の作用を受けず、か
つ、澱粉やアミロース等の天然糖鎖を認識してその結合
を切断する体液中のα−アミラーゼの作用様式をより純
粋に反映する。また、本発明のα−アミラーゼ活性測定
用試薬は、該マルトオリゴ糖誘導体を基質として用いる
ことにより、体液中のα−アミラーゼ活性を精度良く簡
単な操作で測定することができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。 実施例1 表1に記載されるマルトオリゴ糖誘導体を基質として用
い、下記組成からなるα−アミラーゼ活性測定試薬をそ
れぞれ調製した。 試薬組成A: 50mMグッドバッファー(pH7.0) α−グルコシダーゼ 90u/ml CaCl2 1mM 基質 2mM 試薬組成B: 50mMグッドバッファー(pH7.0) α−グルコシダーゼ 90u/ml β−グルコシダーゼ 12u/ml CaCl2 1mM 基質 2mM なお比較例として表1に示した基質を用いて上記と同様
の試薬を調製した。表1に示された各試薬3mlに三種類
の血清1、2および3をそれぞれ0.25ml添加し、37℃
にて3分間放置したのち、415nmにおける吸光度の
変化を測定し、1分間当りの吸光度の変化を算出した。
その結果を表2に示した。なお、表2には試薬ブランク
の1分間当りの吸光度の変化も併せて記載した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 実施例1〜4と比較例1、2との比較より、本発明の試
薬は従来のものより測定感度が大きいことがわかる。さ
らに、実施例1、2と実施例3、4の比較より、本発明
の試薬の中でもマルトテトラオース誘導体を用いた場合
の感度がより大きいことがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 (I) 【化1】 (式中、R1 およびR2 のうち少なくとも一方はβ−グ
    ルコピラノシル基、α−フコピラノシル基、β−フコピ
    ラノシル基、β−グルクロニド基、α−N−アセチル−
    グルコサミン基またはβ−N−アセチル−グルコサミン
    基を示し、残りは水素原子を示す。R3 はα−またはβ
    −グルコシダーゼによって切断されうる結合を介して還
    元末端グルコースに結合し、該結合が切断されたとき、
    測定可能な物質となる基を示す。nは0〜7の整数を示
    す。)で表される新規なマルトオリゴ糖誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式 (I) 【化2】 (式中、R1 およびR2 のうち少なくとも一方はβ−グ
    ルコピラノシル基、α−フコピラノシル基、β−フコピ
    ラノシル基、β−グルクロニド基、α−N−アセチル−
    グルコサミン基またはβ−N−アセチル−グルコサミン
    基を示し、残りは水素原子を示す。R3 はα−またはβ
    −グルコシダーゼによって切断されうる結合を介して還
    元末端グルコースに結合し、該結合が切断されたとき、
    測定可能な物質となる基を示す。nは0〜7の整数を示
    す。)で表される新規なマルトオリゴ糖および追随酵素
    を含有することを特徴とするα−アミラーゼ測定用試
    薬。
JP30376092A 1992-11-13 1992-11-13 新規なマルトオリゴ糖誘導体および該誘導体を用いたアミラーゼ測定用試薬 Pending JPH06157578A (ja)

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