JPH06157556A - シリコン含有多価カルボン酸アミドとその製造法 - Google Patents

シリコン含有多価カルボン酸アミドとその製造法

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JPH06157556A
JPH06157556A JP25557192A JP25557192A JPH06157556A JP H06157556 A JPH06157556 A JP H06157556A JP 25557192 A JP25557192 A JP 25557192A JP 25557192 A JP25557192 A JP 25557192A JP H06157556 A JPH06157556 A JP H06157556A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 シリコン含有多価カルボン酸アミド(I)、
並びに、式(II)等のイソイミドにアミノシラン(VI)
を反応させる(I)の製法。 {Rは3価または4価の有機基、Rは2価の有機
基、Rは1価の有機基、Xはアルコキシ、アセトキシ
又はハロゲンであり、mは2≦m≦4、mは0≦
≦1、かつ3≦m+m≦4、nは1≦n≦3の
値をとる}。 【効果】 加熱硬化により得られる硬化膜は高硬度、無
機基板への密着性、耐クラック性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は架橋性のシリコン含有多
価カルボン酸アミド、その製造法及びその硬化物に関す
る。更に詳しくは加熱硬化により、強靭で、耐熱性に優
れ、無機物の欠点である脆さを改善し、硬度を改良され
た硬化物を与える多価カルボン酸誘導体及びその製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ン系のコーティング剤としてアルコキシシランのオリゴ
マーからなるSOG(スピン−オン−グラス)は高硬度
で耐熱性に優れた塗膜を与えるため、電子材料用用途を
中心に広く使用されている。しかし、塗膜がもろく、ク
ラックの発生のため厚膜が得られないのが欠点である。
このような欠点を避けるため、アルコキシシランのオリ
ゴマーとポリイミド前駆体との混合物が提案されている
(例えば、特開昭63−99234号公報、特開昭63
−99235号公報、特開昭63−99236号公報
等)。しかしこのような混合物の場合、使用できる溶媒
の種類が限定され、塗膜は白化しやすく、添加可能なア
ルコキシシランのオリゴマーの割合も少ない等の欠点を
有する。また、イミド基(またはアミド酸基)と加水分
解性の基を有するシリコン化合物(例えば、特開昭58
−88391号公報、米国特許3,901,913号公
報等)、あるいはポリアミド酸またはポリイミドの末端
を加水分解性の基を有するシリコン化合物で停止した化
合物(例えば、特開昭58−18372号公報等)が提
案されている。しかしながら、このような化合物はその
全体に占めるシリコンの比率が少なく硬度が不十分であ
り、更にシリコン含量を増やした化合物が求められてい
た。本発明者等は、このような化合物を探索した結果、
本発明のシリコン含有多価カルボン酸アミドを見出し、
かつ、その製造法を見出し、本発明を完成した。以上の
記述から明らかなように、本発明の目的は、加熱硬化に
より、強靭で、耐熱性に優れ、無機物の欠点である脆さ
を改善し、硬度を改良された硬化物、その硬化物を与え
る多価カルボン酸アミド誘導体及びその製造法を提供す
ることである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は下記(1)、
(2)、及び(3)の構成を有する。 (1)下記一般式(I)で表されるシリコン含有多価カ
ルボン酸アミド。
【0004】
【化11】
【0005】{ただし、一般式(I)においてRはそ
れぞれ独立に3価または4価の有機基であり、Rはそ
れぞれ独立に2価の有機基であり、Rは独立に1価の
有機基であり、Xはそれぞれ独立にアルコキシ、アセト
キシあるいはハロゲンであリ、mは2≦m≦4であ
り、mは0≦m≦1であり、かつ、3≦m+m
≦4であり、nは1≦n≦3の値をとる}。
【0006】(2)下記一般式(II),(III),
(IV)及び(V)で示されるイソイミド化合物の1種
以上に一般式(VI)で示されるアミノシランを反応さ
せることを特徴とする式(I)で示されるシリコン含有
多価カルボン酸アミドの製造法。
【0007】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【0008】{ただし、一般式(I)、(II)、(I
II),(IV)、(V)及び(VI)においてR
それぞれ独立にRまたはRであり、Rはそれぞれ
独立に2価の有機基であり、Rは独立に1価の有機基
であり、Xはそれぞれ独立にアルコキシ、アセトキシあ
るいはハロゲンであり、Rは独立に4価の有機基であ
り、Rは独立に3価の有機基であり、mは2≦m
≦4であり、mは0≦m≦1であり、かつ、3≦m
+m≦4であり、nは1≦n≦3の値をとる}。
【0009】(3)下記一般式(VII)で示される有
機酸と式(VI)で示されるアミノシランを脱水剤の存
在下反応を行うことを特徴とする一般式(I)で示され
るシリコン含有多価カルボン酸アミドの製造法。
【0010】
【化18】
【化19】
【化20】
【0011】{ただし、一般式(1),(VI)及び
(VII)においてRはそれぞれ独立に3価または4
価の有機基であり、Rはそれぞれ独立に2価の有機基
であり、Rは独立に1価の有機基であり、Xはそれぞ
れ独立にアルコキシ、アセトキシあるいはハロゲンであ
り、mは2≦m≦4であり、mは0≦m≦1で
あり、かつ、3≦m+m≦4であり、nは1≦n≦
3であり、mは0≦m≦3であり、mは1≦m
≦4であり、かつ、3≦m+m≦4の値をとる}。
【0012】本発明の構成と効果について以下詳述す
る。本発明のシリコン含有多価カルボン酸アミドは、例
えば、一般式(II),(III),(IV)及び
(V)で示されるイソイミド化合物の1種以上に一般式
(VI)で示されるアミノシランを反応させるか、ある
いは、一般式(VII)で示される有機酸と式(VI)
で示されるアミノシランを脱水剤の存在下反応を行うこ
とにより合成することができる。得られたシリコン含有
多価カルボン酸アミドを加熱することにより硬化物を得
ることができる。また、イソイミド化合物はトリ、また
はテトラカルボン酸無水物に一般式(VI)で示される
アミノシランを付加反応した後、例えば、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(以下DCCと略記する)あるいは
N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒ
ドロキノリン(以下EEDQと略記する)等の脱水剤を
用いて、脱水することにより得られる。
【0013】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【0014】本発明で用いられるテトラカルボン酸二無
水物の具体例として次の化合物を挙げることができる
が、必ずしもこれらに限定されるものではない。芳香族
テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二
無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,
3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテ
ル二無水物、ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)
スルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタリンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタリンテト
ラカルボン酸二無水物、2,2−ビス−(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)ヘキサフロロプロパン二無水物等、
脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物等、脂肪族テトラカルボン酸二無
水物としては、1,2,3,4−テトラカルボキシブタ
ン二無水物等、公知の化合物を挙げることができる。本
発明で用いられるトリカルボン酸無水物としてはトリメ
リット酸無水物を挙げることができる。
【0015】本発明で用いられるアミノシランの具体例
として次の化合物を挙げることができるが、必ずしもこ
れらに限定されるものではない。すなわち、アミノメチ
ル−ジ−n−プロポキシ−メチルシラン、(β−アミノ
エチル)−n−プロポキシ−メチルシラン、(β−アミ
ノエチル)−ジエトキシ−フェニルシラン、(β−アミ
ノエチル)−トリ−n−プロポキシシラン、(β−アミ
ノエチル)−ジメトキシ−メチルシラン、(7−アミノ
プロピル)−ジ−n−プロポキシ−メチルシラン、(γ
−アミノプロピル)−ジ−n−ブトキシ−メチルシラ
ン、(γ−アミノプロピル)−トリエトキシシラン、
(γ−アミノプロピル)−ジ−n−ペントキシ−フェニ
ルシラン、(γ−アミノプロピル)−メトキシ−n−プ
ロポキシ−メチルシラン、(δ−アミノブチル)−ジメ
トキシ−メチルシラン、(3−アミノフェニル)−ジ−
n−プロポキシシラン、(4−アミノフェニル)−トリ
−n−プロポキシシラン、{β−(4−アミノフェニ
ル)エチル}−ジエトキシ−メチルシラン、{β−(3
−アミノフェニル)エチル}−ジ−n−プロポキシ−フ
ェニルシラン、{γ−(4−アミノフェニル)プロピ
ル}−ジ−n−プロポキシ−メチルシラン、{γ−(4
−アミノフェノキシ)プロピル}−ジ−n−プロポキシ
−メチルシラン、{γ−(3−アミノフェノキシ)プロ
ピル}−ジ−n−ブトキシ−メチルシラン、{γ−(3
−アミノフェノキシ)プロピル}−ジメチル−メトキシ
シラン、(γ−アミノプロピル)−メチル−ジエトキシ
シラン、(γ−アミノプロピル)エチル−ジ−n−プロ
ポキシシラン、(4−アミノフェニル)−トリメトキシ
シラン、(3−アミノフェニル)−トリメトキシシラ
ン、(4−アミノフェニル)−メチル−ジメトキシ−シ
ラン、(3−アミノフェニル)−ジメチル−メトキシシ
ラン、(4−アミノフェニル)−トリエトキシシラン、
{3−(トリエトキシシリル)プロピル}尿素等、公知
の化合物を挙げることができる。
【0016】本発明において上記の原料化合物を溶媒中
で反応させるための好ましい溶媒(以下反応溶媒という
ことがある)の具体例として以下の化合物を挙げること
ができる。すなわち、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、
ピリジン、ヘキサメチルホスホルアミド、メチルホルム
アミド、N−アセチル−2−ピロリドン、2−メトキシ
エタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエ
タノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、シクロペンタノン、メ
チルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、クレゾー
ル、γ−ブチロラクトーン、イソホロン、N,N−ジエ
チルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、
N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、テトラヒドロ
フラン、N−メチル−ε−カプロラクタム、テトラヒド
ラチオフェンジオキシド{スルフォラン(sulpho
lane)}等。あるいはメチルアルコール、エチルア
ルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の
アルコール類。また、上記有機溶媒を、他の非プロトン
性(中性)有機溶媒、例えば、芳香族、脂環式もしくは
脂肪族炭化水素、またはそれらの塩素化誘導体(例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン類、シクロヘキサ
ン、ペンタン、ヘキサン、石油エーテル、塩化メチレン
等)またはジオキサン等で希釈したものを用いることも
できる。
【0017】上記有機溶媒中で多価カルボン酸無水物と
アミノシランを反応させることによりカルボン酸アミド
が生成し、これをDCC、EEDQ、トリフルオロ酢酸
無水物、チオニルクロライドあるいはアセチルクロライ
ド等で脱水することにより、一般式(II)、(II
I)、(IV)あるいは(V)で示されるイソイミドを
合成することができる。
【0018】このようにして合成されたイソイミドに溶
媒中でアミノシランを反応させることにより、本発明の
シリコン含有多価カルボン酸アミドを得ることができ
る。反応は常温付近で速やかに進行するが、反応温度は
0〜50℃位、反応時間は1〜10時間位が好ましい。
【0019】また、別の製造法としては一般式(VI
I)で示され多価カルボン酸を前記脱水剤の存在下アミ
ノシランと反応させることにより合成することができ
る。この場合の反応条件は温度は20〜100℃、時間
は1〜10時間位である。このようにして本発明のシリ
コン含有多価カルボン酸アミドを得ることができる。
【0020】
【化27】
【0021】本発明のシリコン含有多価カルボン酸アミ
ドは、溶媒に溶解した状態で得られるのでそのまま使用
できる。反応溶液をそのまま、もしくは、濃縮し、また
は溶媒で希釈して使用するのが良い。希釈溶媒として
は、反応溶媒と同じものを、使用することができる。シ
リコン含有多価カルボン酸アミドを加熱により、硬化さ
せる方法としては、公知のどのような方法でも良い。例
えば、ガラス板、銅板、アルミニウム板あるいは、シリ
コンウエハー等の基板上に本発明のシリコン含有多価カ
ルボン酸アミドを塗布した後、80〜500℃、好まし
くは100〜400℃の温度で焼成することにより、硬
化物を得ることができる。塗布方法は、いかなる方法で
もよいが、通常スピンコート法、印刷法、ディッピング
法あるいはロールコーター法等から選択される。
【0022】本発明のシリコン含有多価カルボン酸アミ
ドの用途としては、半導体用の各種保護膜、平坦化膜、
絶縁膜、液晶用の配向膜、カラーフィルターの基材、そ
の保護膜、サーマルヘッド用部品等の各種電子部品、あ
るいはカップリング剤、接着剤、補強材、各種ファイバ
ーの含浸剤等が考えられる。
【0023】以下実施例及び比較例によって、本発明を
更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
って、限定されるものではない。
【0024】実施例1 撹拌装置、滴下ロート、温度計、コンデンサー及び窒素
置換装置を付した1リットルのフラスコを恒温槽中に固
定した。脱水精製したエチルカルビトールの400gと
アミノフェニルトリメトキシシラン(以下APMSと略
記する。p−体/m−体=52/48)の97.0g
(0.455モル)を投入し、撹拌を続け均一溶液とし
た。この溶液に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物の73.2g(0.227モ
ル)を添加し20〜30℃で5時間反応を行った。次
に、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−
ジヒドロキノリン(以下EEDQと略記する)の113
g(0.457モル)を添加して30〜35℃で12時
間反応を行うことによってアミド酸を脱水してイソイミ
ドを合成した。更にAPMSの97.0g(0.455
モル)を添加してイソイミドに対して付加反応を行い淡
黄色透明な本発明の一分子中に4個のアミド基を有する
シリコン含有アミド酸溶液を得た。この溶液をシリコン
ウエハー上に塗布し溶媒を揮散させて塗膜を形成し、そ
の塗膜の赤外線吸収スペクトルを図1に示した。これに
よると図1にはアミド基の吸収が認められる。
【0025】実施例2 実施例1と同様の装置及び方法で、n−プロピルアルコ
ール(以下n−PAと略記する)の200g、N,N−
ジメチルアセトアミドの200g及び3−アミノプロピ
ルトリメトキシシランの65.5g(0.366モル)
を投入し、撹拌を続け均一溶液とした。この溶液にピロ
メリット酸二無水物の40.0g(0.183モル)を
添加し20〜30℃で10時間反応を行った。次に、E
EDQの90.4g(0.366モル)を添加して30
〜35℃で12時間反応を行うことによってアミド酸を
脱水してイソイミドを合成した。更に3−アミノプロピ
ルトリメトキシシランの65.5g(0.366モル)
を添加してイソイミドに対して付加反応を行い淡黄色透
明な本発明の一分子中に4個のアミド基を有するシリコ
ン含有アミド酸溶液を得た。この化合物の赤外線吸収ス
ペクトルによるとアミド基の吸収が認められた。
【0026】実施例3 実施例1と同様の装置及び方法で、n−PAの50g、
N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記する)
の350g及びAPMSの83.5g(0.392モ
ル)を投入し、撹拌を続け均一溶液とした。この溶液に
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物の57.7g(0.196モル)を添加し30〜3
5℃で10時間反応を行った。次に、ジシクロヘキシル
カルボジイミド(以下DCCと略称する)の80.8g
(0.392モル)を添加して30〜35℃で12時間
反応を行うことによってアミド酸を脱水してイソイミド
を合成した。析出したジシクロヘキシルウレアを濾別し
た後濾液に更にAPMSの83.5g(0.392モ
ル)を添加してイソイミドに対して付加反応を行い淡黄
色透明な本発明の一分子中に3個のアミド基を有するシ
リコン含有アミド酸溶液を得た。この化合物の赤外線吸
収スペクトルによるとアミド基の吸収が認められた。
【0027】実施例4 実施例1と同様の装置及び方法で、n−PAの400g
及び3−アミノプロピルトリエトキシシラン(以下AP
S−Eと略記する)の115g(0.520モル)を投
入し、撹拌を続け均一溶液とした。この溶液に3,
3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物の93.6g(0.261モル)を添加し25
〜30℃で3時間反応を行った。次に、EEDQの6
7.4g(0.262モル)を添加して30〜35℃で
10時間反応を行うことによってアミド酸を脱水してイ
ソイミドを合成した。更に3−アミノプロピルメチルジ
エトキシシラン(以下APS−2Eと略記する)の5
0.0g(0.262モル)を添加してイソイミドに対
して付加反応を行い淡黄色透明な本発明の一分子中に4
個のアミド基を有するシリコン含有アミド酸溶液を得
た。この化合物の赤外線吸収スペクトルによるとアミド
基の吸収が認められた。
【0028】実施例5 実施例1と同様の装置及び方法で、DMACの400g
及びAPS−2Eの136g(0.712モル)を投入
し、撹拌を続け均一溶液とした。この溶液にヘキサフロ
ロイソプロピリデン−2,2−ビス(フタル酸無水物)
の79.0g(0.178モル)を添加し40〜45℃
で10時間反応を行った。次に、DCCの73.3g
(0.356モル)を添加して30〜35℃で10時間
反応を行った。析出したジシクロヘキシルウレアを濾別
するこよにより淡黄色透明な本発明の一分子中に4個の
アミド基を有するシリコン含有アミド酸溶液を得た。こ
の化合物の赤外線吸収スペクトルによるとアミド基の吸
収が認められた。
【0029】実施例6 実施例1と同様の装置及び方法で、メチルカルビトール
の200g、n−PAの200g及びAPS−Eの12
7g(0.575モル)を投入し、撹拌を続け均一溶液
とした。この溶液に4,4’−オキシジフタル酸無水物
の44.4g(0.143モル)を添加し20〜25℃
で15時間反応を行った。次に、EEDQの71.0g
(0.288モル)を添加して30〜35℃で10時間
反応を行うことにより淡黄色透明な本発明の一分子中に
4個のアミド基を有するシリコン含有アミド酸溶液を得
た。この化合物の赤外線吸収スペクトルによるとアミド
基の吸収が認められた。
【0030】実施例7 実施例1と同様の装置及び方法で、NMPの300g、
n−ブタノールの100g及びAPMSの120g
(0.563モル)を投入し、撹拌を続け均一溶液とし
た。この溶液に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸の50.6g(0.141モル)及びE
EDQの139g(0.563モル)を添加して30〜
35℃で10時間反応を行うことにより淡黄色透明な本
発明の一分子中に4個のアミド基を有するシリコン含有
アミド酸溶液を得た。この化合物の赤外線吸収スペクト
ルによるとアミド基の吸収が認められた。
【0031】実施例8 実施例1と同様の装置及び方法で、DMACの350
g、n−PAの50g及びAPS−Eの186g(0.
842モル)を投入し、撹拌を続け均一溶液とした。こ
の溶液にトリメリット酸無水物の80.9g(0.42
1モル)を添加して25〜30℃で5時間反応を行い均
一な溶液とした。更にEEDQの104g(0.421
モル)を添加して30〜35℃で10時間反応を行うこ
とにより淡黄色透明な本発明の一分子中に2個のアミド
基を有するシリコン含有アミド酸溶液を得た。この化合
物の赤外線吸収スペクトルによるとアミド基の吸収が認
められた。
【0032】実施例9 実施例1〜8で合成した本発明のシリコン含有多価アミ
ドを含む溶液をシリコンウエハー上に塗布した後、オー
ブン中で100℃、30分、続いて300℃で1時間焼
成し、膜厚約3μmの硬化膜を形成した。これら塗膜に
ついて、鉛筆硬度(JISK−5400)、密着性(硬
化膜上に切り目を入れて一辺1mmの正方形の小片を1
00個作り、その表面にセロハンテープを貼りつけて直
ちに剥した、その時セロハンテープと共に硬化膜の剥れ
がある時を×とし、ない時を○とした)及び耐クラック
性について測定した結果を表1に示した。また比較例1
としてエチルシリケートの縮合物を主成分とするSOG
(スピン−オン−グラス)であるチッソ(株)製CSG
PM1050の塗膜を同様にして形成せしめた。この結
果によれば、硬化膜は高硬度で、シリコンウエハーに対
する密着性が優れ、かつSOGに比較して耐クラック性
に優れていることが明らかである。
【0033】実施例10 本発明のシリコン含有多価アミドのカップリング剤とし
ての効果を調べるため、実施例1〜8で合成した本発明
のシリコン含有多価アミドを含む溶液を反応溶媒と同一
の溶媒で5重量%に希釈した後、これらを各種基板に塗
布し、ホットプレート上100℃、3分間乾燥させ、更
にその上にピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテルからなるポリアミド酸を塗布し
て、100℃、30分、続いて300℃で1時間オーブ
ン中で焼成し、ポリイミド膜を形成せしめた。また比較
例2として基板上に本発明の化合物を塗布することな
く、直接上記ポリイミド膜を形成せしめたものについて
も同様の測定を行った。これらの結果は表2に示した。
本発明の化合物が各種無機基板とポリイミドとの密着性
向上に寄与していることが明らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明のシリコン含有多価カルボン酸ア
ミドを加熱硬化させることにより得られる硬化膜は高硬
度で、各種無機基板に対する密着性に優れると共に、S
OGに比較して耐クラック性に優れ、更にカップリング
剤としての効果も認められる。このように工業的に有用
な本発明の化合物はイソイミドを経由した本発明の方法
か、あるいは脱水剤を効果的に使用した本発明の別の方
法により容易に合成することができる。
【表1】
【表2】
【図面の簡単な説明】
図1および図2は、それぞれ実施例1および実施例2で
得られた塗膜の赤外線吸収スペクトルである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるシリコン含
    有多価カルボン酸アミド。 【化1】 {ただし、一般式(I)においてR1 はそれぞれ独立に
    3価または4価の有機基であり、R2 はそれぞれ独立に
    2価の有機基であり、R3 は独立に1価の有機基であ
    り、Xはそれぞれ独立にアルコキシ、アセトキシあるい
    はハロゲンであり、m1 は2≦m1 ≦4であり、m2
    0≦m2 ≦1であり、かつ、3≦m1 +m2 ≦4であ
    り、nは1≦n≦3の値をとる}。
  2. 【請求項2】 下記一般式(II)、(III)、(IV)及び
    (V)で示されるイソイミド化合物の1種以上に一般式
    (VI)で示されるアミノシランを反応させることを特徴
    とする式(I)で示されるシリコン含有多価カルボン酸
    アミドの製造法。 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 {ただし、一般式(I)、(II)、(III) 、(IV)、
    (V)及び(VI)においてR1 はそれぞれ独立にR4
    たはR5 であり、R2 はそれぞれ独立に2価の有機基で
    あり、R3 は独立に1価の有機基であり、Xはそれぞれ
    独立にアルコキシ、アセトキシあるいはハロゲンであ
    り、R4 は独立に4価の有機基であり、R5は独立に3
    価の有機基であり、m1 は2≦m1 ≦4であり、m2
    0≦m2 ≦1であり、かつ、3≦m1 +m2 ≦4であ
    り、nは1≦n≦3の値をとる}。
  3. 【請求項3】 下記一般式(VII)で示される有機酸
    と式(VI)で示されるアミノシランを脱水剤の存在下
    反応を行うことを特徴とする一般式(I)で示されるシ
    リコン含有多価カルボン酸アミドの製造法。 【化8】 【化9】 【化10】 {ただし、一般式(I)、(VI)及び(VII)にお
    いてRはそれぞれ独立に3価または4価の有機基であ
    り、Rはそれぞれ独立に2価の有機基であり、R
    独立に1価の有機基であり、Xはそれぞれ独立にアルコ
    キシ、アセトキシあるいはハロゲンであり、mは2≦
    ≦4であり、mは0≦m≦1であり、かつ、3
    ≦m+m≦4であり、nは1≦n≦3であり、m
    は0≦m≦3であり、mは1≦m≦4であり、か
    つ3≦m+m≦4の値をとる}。
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