JPH06157277A - 皮膚化粧料 - Google Patents

皮膚化粧料

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JPH06157277A
JPH06157277A JP4332197A JP33219792A JPH06157277A JP H06157277 A JPH06157277 A JP H06157277A JP 4332197 A JP4332197 A JP 4332197A JP 33219792 A JP33219792 A JP 33219792A JP H06157277 A JPH06157277 A JP H06157277A
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skin
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚黒色化を効果的に防止することができ安
全性の点でも優れている新しい皮膚化粧料を提供する。 【構成】 グラブリジンおよび消炎剤を含有し、これら
必須成分の相乗作用により、紫外線等の外的刺激で生じ
る炎症や皮膚メラニンの生成・沈着を抑制する皮膚化粧
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線等の外的刺激で
生じる炎症や皮膚メラニンの生成もしくは沈着を抑制
し、紅斑(日焼け)、皮膚黒化、シミ、ソバカス等を防
止することができる皮膚化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】皮膚の色が黒くなる過程の最終段階にお
いては、アミノ酸の一種であるチロシンがチロシナーゼ
の作用を受けることによって黒色色素・メラニンを生成
する。そこで、チロシナーゼの働きを阻害する作用を有
する種々の薬剤、たとえばグルタチオン、ビタミンCま
たはその誘導体等を皮膚に塗布することにより、色素の
沈着を防止しようとする試みが従来なされてきた。しか
しながら、これらの薬剤は局所適用における安定性や有
効性の点で、必ずしも満足できるものではない。
【0003】これは、チロシナーゼ以外にもメラニンの
生成を促す原因や引き金となるもの、たとえば紫外線に
よるメラノサイトの活性化や炎症による種々のケミカル
メディエーターの関与、紫外線により生成する活性酸素
類の関与、更には皮脂過酸化物等の関与が報告されてい
るように、単にチロシナーゼの働きを阻害するだけの薬
剤を塗布してもメラニンの沈着を十分防止することは困
難であるためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のように多くの要因が関与している皮膚黒色化を効果的
に防止することができ、しかも安全性の点でも優れてい
る、新しい皮膚化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による皮膚化粧料
は、必須の有効成分としてグラブリジンおよび消炎剤を
含有することを特徴とし、これら必須成分の相乗作用に
より、紫外線等の外的刺激で生じる炎症や皮膚メラニン
の生成・沈着を抑制するものである。本発明の皮膚化粧
料を構成する有効成分の一つであるグラブリジンは下記
化1の構造式を有する化合物であって、天然には、甘草
の一種である Glycyrrhizaglabra Linne var. (通称ロ
シア・アフガン・トルコカンゾウ)に微量含まれてい
る。
【0006】
【化1】
【0007】グラブリジンについては抗菌作用、抗酸化
作用、抗う蝕作用、抗プラスミン作用等の薬理作用を有
することが確認されており、さらに、メラニン生成抑制
作用を有することも知られている(特開平1−3110
11号公報)。しかしながら、従来確認されていたグラ
ブリジンのメラニン生成抑制作用はグラブリジンを単用
した場合のものであって、それを消炎剤その他の生理活
性物質と併用した場合の効果は知られていなかった。
【0008】グラブリジンを甘草から抽出して本発明の
化粧料製造原料とする場合は、まず甘草の根部またはそ
の水抽出残渣(たとえばグリチルリチンを抽出した残
渣)を有機溶媒で抽出する。抽出溶媒としては、メタノ
ール、エタノール等の低級脂肪族アルコール;アセトン
等の低級脂肪族ケトン;ジオキサン、エチルエーテル等
のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲ
ン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル等のエステル類;ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素
類;およびこれらの有機溶媒の2種以上の混合物を使用
することができる。
【0009】抽出処理する甘草は、約5〜15倍量の上
記溶媒に浸漬し、常温で静置するか還流下に加熱する。
抽出液から溶媒を留去して得られる抽出物は、通常5〜
10%程度のグラブリジンを含有しており、そのまま本
発明の化粧料に使用することもできるが、精製して純度
を高めたものを用いることにより、より使用効果に優れ
且つ着色も少ない化粧料を得ることができる。精製は、
たとえば順相シリカゲルクロマトグラフィーおよび逆相
クロマトグラフィーにより処理したのちアセトンから結
晶化させる方法により行うことができ、この方法によれ
ば、比較的容易にグラブリジンの純品を得ることができ
る。精製は、ほかにも合成吸着体によるカラムクロマト
グラフィーや液−液向流抽出等、任意の有機化合物精製
手段を採用して行うことができる。
【0010】グラブリジンと共に本発明の皮膚化粧料に
含有させる消炎剤は、ラットのカラゲーニン浮腫に対す
るAdjubant関節炎抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作
用、5-リポキシゲナーゼ阻害作用、プラスミン阻害作
用、ウロキナーゼ阻害作用、血管透過性抑制作用、肉芽
増殖抑制作用等の抗炎症作用または抗アレルギー作用を
invitro または in vivo の薬理試験によって確認され
たものであれば何でもよい。使用可能な消炎剤の具体例
としては、アラントイン、グアヤアズレン、グリチルリ
チン酸(またはその水溶性塩類もしくは誘導体)、グリ
チルレチン酸(またはその誘導体);ステアリルイプシ
ロンアミノカプロン酸;カマアズレン;酸化亜鉛;アル
ニカ抽出物、インチンコウ抽出物、オウゴン抽出物、オ
ウバク抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物(水抽
出物)、サンシシ抽出物、シコン抽出物、シャクヤク抽
出物、ジュウヤク抽出物、シラカバ抽出物、西洋トチバ
抽出物、トウキンセンカ抽出物、ムクロジ抽出物、ロー
ズマリー抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、トウキ
抽出物、センキュウ抽出物、ヨモギ抽出物等の植物抽出
物がある。これらの消炎剤は、2種以上を本発明の化粧
料に含有させてもよい。
【0011】本発明の皮膚化粧料におけるグラブリジン
の好適配合量は、化粧料の種類によっても異なるが、通
常、約0.001〜10重量%であり、特に好ましくは
約0.01〜1.0重量%である。また、消炎剤の好適配
合量は約0.01〜10重量%であり、特に好ましくは
約0.05〜5重量%であるが、さらに、グラブリジン
に対して約20〜5000重量%になるように配合する
ことが望ましい。消炎剤が着色や特有の臭気を有する植
物抽出物である場合、化粧料の外観や使用感に悪影響を
及ぼさない範囲でそれを配合することが望ましいのは言
うまでもない。
【0012】本発明の化粧料は、グラブリジンと消炎剤
の併用によるメラニン生成抑制作用を有利に利用するこ
とのできる任意の化粧料、たとえば化粧水、乳液、クリ
ーム、パック、石鹸、ボディーシャンプー等の形態をと
ることができる。グラブリジンと消炎剤以外の化粧料構
成成分、たとえば油脂類、界面活性剤、増粘剤、色素、
香料、防腐剤、エタノール、多価アルコール等は、その
化粧料の種類に応じて、必須2成分の作用を損なわない
範囲で任意に選択することができる。
【0013】
【実施例】〔グラブリジン製造例〕甘草の根部の細切物
500gを5リットルの酢酸エチルに浸漬し、還流下に
2時間加熱して酢酸エチル可溶成分を抽出した。抽出液
を分離した抽出残渣について同様の操作を繰り返し、合
計9リットルの抽出液を得た。抽出液の溶媒を減圧下に
留去し、グラブリジンを含有する抽出物13.1gを得
た。次いで抽出物をクロロホルムに溶解し、シリカゲル
にまぶしたのち乾燥した。この乾燥物を、あらかじめシ
リカゲル(ワコーゲルC-300,和光純薬工業株式会社製
品)1kgを充填したカラム上に積層充填し、クロロホル
ム/メタノール混合液(30:1)で溶出し、グラブリジ
ン含有画分を採取した。この画分の溶媒を減圧下に留去
して固形物5.8gを得たのち、少量のメタノールに溶
解し、逆相シリカゲル(ODSG-3,水戸化学技術研究所製
品)にまぶして乾燥し、あらかじめ逆相シリカゲル80
0gを充填したカラム上に積層充填した。このカラム
に、溶出溶媒として水/アセトニトリル混合液(30/7
0)を流し、グラブリジン含有画分を採取した。この画
分から溶媒を減圧下に留去し、得られた固形物(4.3
g)をアセトン40mlに溶解し、5℃で3日間静置し
て、グラブリジンの結晶3.8gを得た。以下の各実施
例においては、グラブリジンとして上記精製グラブリジ
ンの結晶を用いた。
【0014】実施例1 表1の処方により、美白化粧水を製造した。この場合、
まずエタノール/1,3-ブチレングリコール混合液に上記
製造例によるグラブリジン結晶を溶解し、さらに界面活
性剤(モノラウリン酸ポリオキシソルビタン;20E
O)、香料およびパラオキシ安息香酸エステルを加えて
溶解した後、精製水およびその他の成分を加え、撹拌し
て均一化した。
【0015】
【表1】化粧水処方(単位:重量%) 注1:消炎剤として用いた4種類の植物抽出物は、各植
物原料の粗細物に50重量%の1.3-ブチレングリコール
を加え、ときどき撹拌しながら室温で7日間放置したの
ち清澄濾過して得られたエキスである。) 注2:処方6は比較例
【0016】次に、上記各化粧水について下記の方法に
より使用効果の試験を行なった。試験方法:褐色モルモ
ットの背部を除毛してそこに0.1%のオクソラレンを
塗布し、30分後にUVA 1J/cm2を照射した。1週間
後、色素の沈着が認められた部位につき、2cm×2cm大
の4区画を決め、各区画に、 A:上記化粧水そのまま B:上記化粧水の処方1〜5からグラブリジンを除いた
化粧水 C:上記化粧水の処方1〜5から消炎剤を除いた化粧水 D:上記化粧水の処方1〜5からグラブリジンと消炎剤
の両方を除いた化粧水 のいずれかを、朝夕各1回、10日間連続で塗布し、2
4時間後の紅斑抑制効果および10日後の色素沈着抑制
効果を肉眼観察により判定した(PUVA処理しない皮
膚の色を基準色とする)。
【0017】その結果を表2および表3に示す。グラブ
リジンおよび消炎剤の両方を含有する化粧水を塗布した
場合をグラブリジンまたは消炎剤を除いた化粧水の塗布
例と比較すると、前者は紫外線による紅斑を抑制する効
果および色素沈着抑制効果のいずれにおいて後者より優
れていることがわかった。また、炎症その他の皮膚障害
は観察されなかった。
【0018】
【表2】 化粧水基本処方 紅斑抑制効果 処方1 PUVA処理しない皮膚=A≫C=B≫D 処方2 PUVA処理しない皮膚=A≫C≧B≫D 処方3 PUVA処理しない皮膚=A≫C≧B≫D 処方4 PUVA処理しない皮膚=A≫C=B≫D 処方5 PUVA処理しない皮膚=A≫C=B≫D
【0019】
【表3】 化粧水基本処方 色素沈着抑制効果 処方1 PUVA処理しない皮膚=A≫C>B≧D 処方2 PUVA処理しない皮膚≧A≫C>B=D 処方3 PUVA処理しない皮膚≧A≫C>B=D 処方4 PUVA処理しない皮膚=A≫C>B=D 処方5 PUVA処理しない皮膚=A≫C>B≧D
【0020】実施例2 表4の処方によりクリームを製造した。製造に際して
は、まず同表群の原料を70℃で溶解し、原料と混
合した後、78℃にした。次いでこれを、75℃に加熱
した原料へ撹拌しながら徐々に加え、予備乳化を行っ
た。その後ホモジナイザーにかけて乳化を完全に行い、
50℃に冷却後、を添加し、30℃まで冷却した。な
お、処方11は比較例である。
【0021】
【表4】クリーム処方(単位:重量%) (注)界面活性剤A:自己乳化型モノステアリン酸グリ
セリン 界面活性剤B:モノステアリン酸ソルビタン カルボキシビニルポリマー:1%水溶液
【0022】次に、上記各クリームについて下記の方法
により使用効果の試験を行なった。試験方法:褐色モル
モットの背部を除毛し、除毛部位を2cm×2cmの区画4
区画に分割し、そこに、1日当たりUVBを1J/cm2
2日間照射した。4日後に色素の沈着が認められたの
で、各区画に A:上記クリームそのまま B:上記クリームの処方からグラブリジンのみを除いた
クリーム C:上記クリームの処方から消炎剤を除いたクリーム D:処方11のクリーム のいずれかを、1日1回、10日間連続で塗布し、10
日後に色素沈着抑制効果を、また24時間後に紅斑抑制
効果を、いずれも肉眼観察により判定した(UVB処理
しない皮膚の色を基準色とする)。
【0023】その結果を表5および表6に示す。グラブ
リジンと消炎剤を含有するクリームを塗布した場合をグ
ラブリジンまたは消炎剤を除いたクリームの塗布例と比
較すると、前者は紫外線による紅斑抑制効果および色素
沈着抑制効果のいずれにおいても後者より優れているこ
とがわかった。また、炎症その他の皮膚障害は観察され
なかった。
【0024】
【表5】 クリーム基本処方 色素沈着抑制効果 処方7 UVB処理しない皮膚=A≫C>B=D 処方8 UVB処理しない皮膚≧A≫C>B=D 処方9 UVB処理しない皮膚=A≫C>B≧D 処方10 UVB処理しない皮膚=A≫C>B=D
【0025】
【表6】 クリーム基本処方 紅斑抑制効果 処方7 UVB処理しない皮膚≧A≫C≧B≫D 処方8 UVB処理しない皮膚≧A≫C≧B≫D 処方9 UVB処理しない皮膚≧A≫C≧B≫D 処方10 UVB処理しない皮膚≧A≫C≧B≫D
【0026】
【発明の効果】上述のように、グラブリジンと消炎剤を
含有する本発明の化粧料は紫外線による皮膚の炎症およ
び色素沈着を効果的に防止することができ、好ましくな
い副作用も認められない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須の成分としてグラブリジンおよび消
    炎剤を含有することを特徴とする皮膚化粧料。
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