JP2006316029A - エンドセリン−1産生抑制剤及びメラニン産生抑制剤 - Google Patents

エンドセリン−1産生抑制剤及びメラニン産生抑制剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 エンドセリン−1産生抑制作用を有する物質を見出し、当該物質を配合したエンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤を提供する。
【解決手段】 エンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤に、オウゴン抽出物及び/又はウコン抽出物を有効成分として含有せしめる。また、エンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤に、バイカリン(baicalin)を有効成分として含有せしめる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エンドセリン−1産生抑制剤及びメラニン産生抑制剤に関するものである。
シミ、ソバカス、日焼け後の皮膚色素沈着症等は、皮膚内に存在する色素細胞(メラノサイト)が活性化することにより、メラニンの産生が著しく亢進した結果として生じるものであり、中高年齢層における肌の悩みの一つになっている。
一般にメラニンは、メラノサイトの中で生合成される酵素チロシナーゼの働きによって、チロシンからドーパ、ドーパからドーパキノンに変化し、次いで5,6−ジヒドロキシインドフェノール等の中間体を経て形成されるものとされている。したがって、メラニンの産生過程を阻害すること、又はすでに産生されたメラニンを淡色漂白することにより、シミ、ソバカス、皮膚の色黒(皮膚色素沈着症)等を予防、治療又は改善することができると考えられる。
このような考えに基づき、従来、チロシナーゼの活性を阻害してメラニンの産生を抑制するものとして、アルブチン(特許文献1参照)、コウジ酸(非特許文献1参照)、油溶性甘草エキス(特許文献2参照)等が知られている。また、産生したメラニンを淡色漂白化するものとして、ハイドロキノン(非特許文献2参照)等が知られている。
従来の美白剤開発は、メラニン生成の律速酵素であるチロシナーゼに注力して進められてきたが、近年、紫外線UV−B照射後に表皮ケラチノサイトから産生され、メラノサイトを活性化するサイトカインとして、α−メラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)、エンドセリン−1(ET−1)、一酸化窒素(NO)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、顆粒球・マクロファージ・コロニー刺激因子(GM−CSF)等が知られており、これらが関与する情報伝達系を遮断することによりメラニンの産生を抑制して美白効果を導く各種作用剤の開発が盛んに行われてきている。例えば、α−メラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)のメラノサイトへの作用を阻害する生薬としては、マメ科クララ(クジン)抽出物(特許文献3参照)等が知られており、エンドセリン−1(ET−1)のメラノサイトへの作用を阻害する生薬としては、カミツレ抽出物・アルテア抽出物(非特許文献3参照)等が知られており、表皮ケラチノサイトからのエンドセリン−1(ET−1)産生を抑制する生薬としては、ジユ抽出物(非特許文献3参照)、β−グリチルレチン酸ステアリル(特許文献4参照)等が知られている。
しかしながら、表皮ケラチノサイト由来のメラニン産生刺激物質の一つであるエンドセリン−1の作用を抑制することができ、安価であり、かつ安全性の高いエンドセリン−1産生抑制剤に対する消費者の要望は強く、さらなる新しいエンドセリン−1産生抑制剤の開発及び提供が強く求められているのが現状である。
特開昭63−8314号公報 特開平1−311011号公報 特開2001−163728号公報 特開2004−300048号公報 「フレグランスジャーナル」,1990年,第18巻,第6号,p.53−58 「フレグランスジャーナル」,1990年,第18巻,第6号,p.32−38 「フレグランスジャーナル」,2000年,第28巻,第9号,p.65−71
本発明は、エンドセリン−1産生抑制作用を有する物質を見出し、当該物質を有効成分とするエンドセリン−1産生抑制剤及びメラニン産生抑制剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1に、本発明のエンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤は、オウゴン抽出物及び/又はウコン抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
第2に、本発明のエンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤は、バイカリン(baicalin)を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明のエンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤によれば、シミ、ソバカス、皮膚の色黒(皮膚色素沈着症)等を予防、治療又は改善することができる。
以下、本発明について説明する。
本発明のエンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤は、オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、又はバイカリン(baicalin)を有効成分として含有する。
本発明において「抽出物」には、オウゴン又はウコンを抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
本発明において使用する抽出原料は、コガネバナ(学名:Scutellaria baicalensis Georgi)の根部(生薬名:オウゴン)又はウコン(学名:Curcuma longa L.)である。2種の植物を抽出原料として用いる場合、上記植物を組み合わせて使用することができる。
コガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi)は、中国北部から東北部、モンゴル等に分布しているシソ科に属する多年草であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得る構成部位としては、根部であり、根部は、オウゴン(生薬名)と呼ばれ、健胃薬、抗アレルギー剤等として用いられている。
ウコン(Curcuma longa L.)は、中国、インド、インドネシア、台湾、日本等に分布しているショウガ科に属する多年草の植物であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得る構成部位としては、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部等の地上部、根茎部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは根茎部である。
オウゴン抽出物又はウコン抽出物は、抽出原料を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、植物の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用するのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90質量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40質量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して多価アルコール10〜90質量部を混合することが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。
以上のようにして得られるオウゴン抽出物又はウコン抽出物は、エンドセリン−1産生抑制作用を有しているため、その作用を利用してエンドセリン−1産生抑制剤の有効成分として使用することができる。また、エンドセリン−1は、紫外線UV−Bの照射により表皮ケラチノサイトから分泌され、メラノサイトに作用することにより、メラノサイトの増殖及びメラニンの産生を促すため、オウゴン抽出物又はウコン抽出物は、それらが有するエンドセリン−1産生抑制作用を通じて、メラニン産生抑制剤の有効成分として使用することができる。
なお、抽出処理により得られたオウゴン抽出物はバイカリンを含有しており、そのままエンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤の有効成分として使用し得るが、精製してバイカリンの純度を高めたものを使用することが好ましい。バイカリンの純度を高めたものを有効成分として使用することによって、より一層使用効果に優れたエンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤を得ることができる。
オウゴン抽出物が有するエンドセリン−1産生抑制作用は、主としてバイカリンにより発揮されると考えられる。ただし、オウゴン抽出物が有するエンドセリン−1産生抑制作用は、バイカリンが有するエンドセリン−1産生抑制作用に限定されるものではない。
バイカリン(baicalin)は、次式で表される化学構造を有するフラボン誘導体の一種である。
Figure 2006316029
バイカリンは、バイカリンを含有する植物抽出物から単離し、精製することにより製造することもできるし、合成により製造することもできる。なお、合成により製造する場合、その合成方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により合成することができる。
バイカリンは、オウゴン抽出物から単離・精製することにより得ることができるが、バイカリンを単離・精製する方法は、特に限定されるものではなく、常法により行うことができる。例えば、オウゴン抽出物を、シリカゲルやアルミナ等の多孔質物質、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やポリメタクリレート等の多孔性樹脂等を用いたカラムクロマトグラフィーに付して、水、アルコール、アセトンの順で溶出させ、アルコールで溶出される画分として得ることができる。カラムクロマトグラフィーにて溶出液として用いられるアルコールは、特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール又はそれらの水溶液等が挙げられる。さらに、カラムクロマトグラフィーにより得られた画分を、ODSを用いた逆相シリカゲルクロマトグラフィー、再結晶、液−液向流抽出、イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィー等の任意の有機化合物精製手段を用いて精製してもよい。これにより、オウゴン抽出物から単離・精製されたバイカリンを得ることができる。
得られたバイカリンは、優れたエンドセリン−1産生抑制作用を有するため、エンドセリン−1産生抑制剤の有効成分として使用することができるとともに、エンドセリン−1は、紫外線UV−Bの照射により表皮ケラチノサイトから分泌され、メラノサイトに作用することにより、メラノサイトの増殖及びメラニンの産生を促すため、メラニン産生抑制剤の有効成分としても使用することができる。
本発明のエンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤は、オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、又はバイカリンのみからなるものでもよいし、オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、バイカリンを製剤化したものでもよい。
オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、又はバイカリンは、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、安定剤、矯臭剤等を用いることができる。オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、又はバイカリンを製剤化したエンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤の形態としては、例えば、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等が挙げられる。
なお、本発明のエンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤は、必要に応じて、エンドセリン−1産生抑制作用を有する天然抽出物等を、オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、又はバイカリンとともに配合して有効成分として用いることができる。
本発明のエンドセリン−1産生抑制剤は、オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、又はバイカリンが有するエンドセリン−1産生抑制作用を通じて、エンドセリン−1の産生を抑制し、シミ、ソバカス、皮膚の色黒(皮膚色素沈着症)等を予防・改善することができる。ただし、本発明のエンドセリン−1産生抑制剤は、これらの用途以外にも、エンドセリン−1産生抑制作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
本発明のメラニン産生抑制剤は、オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、又はバイカリンが有するエンドセリン−1産生抑制作用を通じて、エンドセリン−1の産生を抑制することができる。これにより、メラニンの産生を抑制し、シミ、ソバカス、皮膚の色黒(皮膚色素沈着症)等を予防・改善することができる。ただし、本発明のメラニン産生抑制剤は、これらの用途以外にも、エンドセリン−1産生抑制作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
オウゴン抽出物、ウコン抽出物及びバイカリンは、エンドセリン−1産生抑制作用を有しており、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れているため、皮膚化粧料に配合するのに好適である。この場合、オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、又はバイカリンをそのまま配合してもよいし、オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、又はバイカリンから製剤化したエンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤を配合してもよい。オウゴン抽出物、ウコン抽出物、バイカリン、エンドセリン−1産生抑制剤又はメラニン産生抑制剤を皮膚化粧料に配合することによって、皮膚化粧料にエンドセリン−1産生抑制作用を付与することができる。
オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、又はバイカリンを配合し得る皮膚化粧料としては、特に限定されるものではなく、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、リップ、入浴剤、シャンプー、リンス、ヘアートニック、ヘアーローション、石鹸、ボディーシャンプー等が挙げられる。
オウゴン抽出物及び/若しくはウコン抽出物、又はバイカリンを皮膚化粧料に配合する場合、その配合量は、皮膚化粧料の種類等によって適宜調整することができるが、好適な配合率は標準的な抽出物に換算して、約0.0001〜10質量%である。
皮膚化粧料は、オウゴン抽出物、ウコン抽出物又はバイカリンが有するエンドセリン−1産生抑制作用を妨げない限り、通常の皮膚化粧料の製造に用いられる主剤、助剤又はその他の成分、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等を併用することができる。これらの助剤等を併用することで、併用された他の有効成分との間の相乗作用が通常期待される以上の優れた効果をもたらすことがある。
皮膚化粧料は、オウゴン抽出物、ウコン抽出物又はバイカリンが有するエンドセリン−1産生抑制作用を通じて、エンドセリン−1の産生を抑制し、シミ、ソバカス、皮膚の色黒(皮膚色素沈着症)等を予防・改善することができる。
なお、本発明のエンドセリン−1産生抑制剤、メラニン産生抑制剤、又は皮膚化粧料は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
以下、製造例、試験例及び配合例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。なお、本試験例において、バイカリンは、バイカリン標準品(和光純薬工業社製,試料2)を使用した。
〔製造例1〕オウゴン抽出物の製造
細切りにしたオウゴン乾燥物100gに50質量%の1,3−ブチレングリコール(水と1,3−ブチレングリコールとの質量比=1:1)500mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行い、得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して、オウゴン抽出物9gを得た(試料1)。
〔製造例2〕ウコン抽出物の製造
細切りにしたウコン根茎部乾燥物100gに50質量%の1,3−ブチレングリコール(水と1,3−ブチレングリコールとの質量比=1:1)500mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行い、得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して、ウコン抽出物4gを得た(試料3)。
〔試験例1〕エンドセリン−1産生抑制作用試験
製造例1により得られたオウゴン抽出物、バイカリン標準品(試料2)及び製造例2により得られたウコン抽出物(試料3)について、以下のようにしてエンドセリン−1産生抑制作用を試験した。
正常ヒト新生児皮膚表皮角化細胞(NHEK)を80cmのフラスコで正常ヒト表皮角化細胞培地(KGM)にて37℃、5%CO−95%airの条件下で培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1×10個/mLの細胞密度になるようにKGMで希釈した後、2mLずつ6穴マイクロプレートに播種し、37℃、5%CO−95%airの条件下で一晩培養した。
培養後、ハンクス緩衝液1mLを用いて洗浄し、KGMをハンクス緩衝液1mLに交換し、TOREX FL20SE−30/DMRを4灯装着した紫外線照射装置を光源として紫外線UV−Bを30mJ/cm照射した。照射後すぐにハンクス緩衝液を抜き、表1に示す濃度で溶解した試料溶液(試料1〜3)を含むKGMを各穴に1.5mLずつ添加し、37℃、5%CO−95%airの条件下で48時間培養した。また、紫外線照射・試料溶液無添加の細胞、及び紫外線未照射・試料溶液無添加の細胞についても同様の条件で培養した。48時間後に培養上清中に産生されたエンドセリン−1をELISA法により定量した。
紫外線未照射・試料溶液無添加、紫外線照射・試験試料無添加、及び紫外線照射・試料溶液添加のそれぞれの培養上清を基に、エンドセリン−1の量を定量し、得られた測定値に基づいて、下記式によりエンドセリン−1産生抑制率(%)を算出した。
エンドセリン−1産生抑制率(%)=(B−C)/(B−A)×100
式中、Aは「紫外線未照射・試料溶液無添加時に培養上清中に産生されたエンドセリン−1量」を表し、Bは「紫外線照射・試料溶液無添加時に培養上清中に産生されたエンドセリン−1量」を表し、Cは「紫外線照射・試料溶液添加時に培養上清中に産生されたエンドセリン−1量」を表す。
上記試験の結果を表1に示す。
Figure 2006316029
表1に示すように、オウゴン抽出物、バイカリン及びウコン抽出物は、優れたエンドセリン−1産生抑制作用を有することが確認された。なお、オウゴン抽出物、バイカリン及びウコン抽出物が有するエンドセリン−1産生抑制作用は、濃度依存的であることが確認された。
〔試験例2〕色素沈着改善作用(美白作用)
基材として下記の組成を有するクリームを調製し、当該クリームに表2に示す割合でオウゴン抽出物を配合した。得られた美白クリームについて、以下のようにして色素沈着改善作用を試験した。
ミツロウ 6.0質量部
セチルアルコール 5.0質量部
還元ラノリン 8.0質量部
スクワラン 37.5質量部
脂肪酸グリセリン 4.0質量部
親油性乳化剤(親油性モノオレイン酸グリセリン) 2.0質量部
親水性乳化剤(ポリオキシエチレンセチルエーテル) 2.0質量部
プロピレングリコール 5.0質量部
香料 0.5質量部
パラオキシ安息香酸エチル 適量
酢酸トコフェロール 適量
精製水 残部(全量を100とする)
Figure 2006316029
色黒、しみ又はソバカスに悩む女性ボランティア40名を、統計的に同等な4群に分け、それぞれに3月間、実施例1,2,3及び比較例1のクリームを長期連用させ、色素沈着に対する改善効果を肉眼観察により評価した。
上記試験の結果を表3に示す。
Figure 2006316029
表3に示すように、オウゴン抽出物を配合した実施例1〜3のクリームを用いた群は、オウゴン抽出物を配合していない比較例1のクリームを用いた群と比較して、優れた色素沈着改善作用を有することが確認された。また、オウゴン抽出物を配合した実施例1〜3のクリームは、オウゴン抽出物の配合割合に依存して色素沈着改善作用を示すことが確認された。なお、オウゴン抽出物を配合した実施例1〜3のクリームは、上記試験期間中、サンプル塗布部位の皮膚に好ましくない反応(例えば、肌荒れ等)は観察されず、安全性が高いことが確認された。
〔配合例1〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
オウゴン抽出物(製造例1) 1.0質量部
流動パラフィン 5.0質量部
サラシミツロウ 4.0質量部
セタノール 3.0質量部
スクワラン 10.0質量部
ラノリン 2.0質量部
ステアリン酸 1.0質量部
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5質量部
モノステアリン酸グリセル 3.0質量部
1,3−ブチレングリコール 6.0質量部
パラオキシ安息香酸メチル 1.5質量部
香料 0.1質量部
精製水 残部(全量を100質量部とする)
〔配合例2〕
ウコン抽出物(製造例2) 1.0質量部
ホホバオイル 4.0質量部
オリーブオイル 2.0質量部
セタノール 2.0質量部
スクワラン 2.0質量部
モノステアリン酸グリセル 2.0質量部
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.5質量部
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0質量部
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.0質量部
1,3−ブチレングリコール 3.0質量部
パラオキシ安息香酸メチル 0.15質量部
香料 0.05質量部
ワレモコウエキス 0.2質量部
マロニエエキス 0.1質量部
精製水 残部(全量を100質量部とする)
〔配合例3〕
下記組成の化粧水を常法により製造した。
オウゴン抽出物(製造例1) 1.0質量部
グリセリン 3.0質量部
1,3−ブチレングリコール 3.0質量部
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.0質量部
パラオキシ安息香酸メチル 0.15質量部
クエン酸 0.1質量部
クエン酸ソーダ 0.1質量部
油溶性甘草エキス(ロシア産甘草) 0.5質量部
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 3.0質量部
香料 0.05質量部
フェノキシエタノール 0.5質量部
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05質量部
ニンジンエキス 0.2質量部
カミツレエキス 0.2質量部
コラーゲン 0.5質量部
精製水 残部(全量を100質量部とする)
〔配合例4〕
下記組成のパックを常法により製造した。
バイカリン 0.2質量部
ポリビニルアルコール 15.0質量部
ポリエチレングリコール 3.0質量部
プロピレングリコール 7.0質量部
エタノール 10.0質量部
パラオキシ安息香酸メチル 0.05質量部
酢酸D,L−トコフェノール 0.5質量部
香料 0.05質量部
クジンエキス 0.5質量部
酵母エキス 0.2質量部
加水分解コンキコイン 0.1質量部
ヨクイニンエキス 0.5質量部
オウバクエキス 0.2質量部
精製水 残部(全量を100質量部とする)
本発明のエンドセリン−1産生抑制剤及びメラニン産生抑制剤は、シミ、ソバカス、皮膚の色黒(皮膚色素沈着症)等の予防・改善に大きく貢献できる。

Claims (4)

  1. オウゴン抽出物及び/又はウコン抽出物を有効成分として含有することを特徴とするエンドセリン−1産生抑制剤。
  2. オウゴン抽出物及び/又はウコン抽出物を有効成分として含有することを特徴とするメラニン産生抑制剤。
  3. バイカリン(baicalin)を有効成分として含有することを特徴とするエンドセリン−1産生抑制剤。
  4. バイカリン(baicalin)を有効成分として含有することを特徴とするメラニン産生抑制剤。
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