JPH0615673B2 - 染料包接化合物の製造方法 - Google Patents
染料包接化合物の製造方法Info
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- JPH0615673B2 JPH0615673B2 JP60240085A JP24008585A JPH0615673B2 JP H0615673 B2 JPH0615673 B2 JP H0615673B2 JP 60240085 A JP60240085 A JP 60240085A JP 24008585 A JP24008585 A JP 24008585A JP H0615673 B2 JPH0615673 B2 JP H0615673B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、着色剤に用いる染料の染料包接化合物の製
造方法に関するものである。
造方法に関するものである。
〔従来を技術〕 従来、染料の光退色を防ぐ方法としては一般的に紫外線
吸収剤や酸化防止剤が用いられてきた。第2図は例えば
「化学と工業」誌第38巻第122頁(1985年発行)に記載
された酸化防止剤を用いる従来の光退色防止法を施され
た捺染物の断面図であり、(1)は染料、(4)は支持体、
(5)は酸化防止剤、(6)は着色層である。次に動作につい
て説明する。染料(式中Dと略す)は光照射により励起
一重項(式中1Dと略す)→励起三重項(式中3D)と
略す)→分解物(式中productと略す)という経路で分
解する。即ち、下式(1)〜(6)で表わすことができる。
吸収剤や酸化防止剤が用いられてきた。第2図は例えば
「化学と工業」誌第38巻第122頁(1985年発行)に記載
された酸化防止剤を用いる従来の光退色防止法を施され
た捺染物の断面図であり、(1)は染料、(4)は支持体、
(5)は酸化防止剤、(6)は着色層である。次に動作につい
て説明する。染料(式中Dと略す)は光照射により励起
一重項(式中1Dと略す)→励起三重項(式中3D)と
略す)→分解物(式中productと略す)という経路で分
解する。即ち、下式(1)〜(6)で表わすことができる。
式中、koは一重項から基底状態への無輻射遷移の速度
定数、 kFは螢光による一重項から基底状態への遷移の速度定
数、P 三重項染料と酸素との反応速度定数である。
定数、 kFは螢光による一重項から基底状態への遷移の速度定
数、P 三重項染料と酸素との反応速度定数である。
上記退色を防止する方法として、従来は酸化防止剤(式
中AHと略す)が用いられ、下式(7),(8)で示すように
退色を防止していた。
中AHと略す)が用いられ、下式(7),(8)で示すように
退色を防止していた。
式中、k1は3重項染料と酸素との結合速度定数、kt
は染料過酸化物の分解速度定数である。
は染料過酸化物の分解速度定数である。
又、特開昭54−117536号広報には、天然色素とβ−シク
ロデキストリン水溶液を用いて、天然色素とβ−シクロ
デキストリンの包接化合物を得て、天然色素を安定化さ
せようとするものが示されている。
ロデキストリン水溶液を用いて、天然色素とβ−シクロ
デキストリンの包接化合物を得て、天然色素を安定化さ
せようとするものが示されている。
上記従来のように、酸化防止剤により光退色を防止する
場合、下式のような酸化防止剤による還元退色により逆
に退色が促進するという問題点があった。3 D+AH→DH+A・ (9) 又、上記広報に示した方法で得られた天然色素とシクロ
デキストリンの包接化合物では、水を用いていることか
ら、色素の一重項酸素の活性点を包接するのが困難であ
り、色素の安定化が不充分であるという問題点があっ
た。
場合、下式のような酸化防止剤による還元退色により逆
に退色が促進するという問題点があった。3 D+AH→DH+A・ (9) 又、上記広報に示した方法で得られた天然色素とシクロ
デキストリンの包接化合物では、水を用いていることか
ら、色素の一重項酸素の活性点を包接するのが困難であ
り、色素の安定化が不充分であるという問題点があっ
た。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたも
ので、染料の耐光性が向上する染料包接化合物の製造方
法を得ることを目的とする。
ので、染料の耐光性が向上する染料包接化合物の製造方
法を得ることを目的とする。
この発明の染料包接化合物の製造方法は、染料とシクロ
デキストリンを、ジメチルスルホキシドに溶解して染料
とシクロデキストリンの包接化合物を得るものである。
デキストリンを、ジメチルスルホキシドに溶解して染料
とシクロデキストリンの包接化合物を得るものである。
この発明におけるシクロデキストリン(式中CDと略
す)は染料と包接化合物を形成し、染料の一重項を下式
(10),(11)に示すように消光する。即ち、(10)式がおこ
るか(2)式のkoの値が大きくなる。
す)は染料と包接化合物を形成し、染料の一重項を下式
(10),(11)に示すように消光する。即ち、(10)式がおこ
るか(2)式のkoの値が大きくなる。
式中kOは一重項染料からシクロデキストリンへのエネ
ルギー移動速度定数、 ko″は一重項シクロデキストリンの無輻射遷移の速度
定数である。1 CDはCDの励起一重項である。
ルギー移動速度定数、 ko″は一重項シクロデキストリンの無輻射遷移の速度
定数である。1 CDはCDの励起一重項である。
この時、染料の退色速度は下式(12)〜(17)で示される。
定常状態よりd〔1D〕/dt=0,d〔3D〕/dt=
g すなわち (15),(16)式を(12)式に代入して(17)式を得る。
g すなわち (15),(16)式を(12)式に代入して(17)式を得る。
(17)式から、kO、kF、kq〔CD〕が増加すれば、
退色速度が減少することが解り、そのため、シクロデキ
ストリンを添加するのである。
退色速度が減少することが解り、そのため、シクロデキ
ストリンを添加するのである。
又、この発明において、包接化合物の製造に、非プロト
ン極性溶媒であるジメチルスルホキシドを用いることに
より、上式に示すように、染料の一重項の活性点を包接
することを可能にする。
ン極性溶媒であるジメチルスルホキシドを用いることに
より、上式に示すように、染料の一重項の活性点を包接
することを可能にする。
第1図は、この発明の一実施例による染料とシクロデキ
ストリンとの包接化合物の構成図であり、(1)は染料、
(2)はシクロデキストリン、(3)は包接化合物、である。
ストリンとの包接化合物の構成図であり、(1)は染料、
(2)はシクロデキストリン、(3)は包接化合物、である。
この発明に係わるシクロデキストリンとしては、例えば
α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ
−シクロデキストリン、2,4,5−トリス−O−メチ
ル−γ−シクロデキストリン、および水溶性シクロデキ
ストリン含有重合体(公開特許公報58−167613に記載)
などが用いられる。
α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ
−シクロデキストリン、2,4,5−トリス−O−メチ
ル−γ−シクロデキストリン、および水溶性シクロデキ
ストリン含有重合体(公開特許公報58−167613に記載)
などが用いられる。
この発明に係わる染料としては、例えばメチレンブル
ー、マラカイトグリーン、ベーシックオレンヂ21、ベー
シックレッド13、ベーシックブルー25、およびベーシッ
クブラウン1などが用いられる。
ー、マラカイトグリーン、ベーシックオレンヂ21、ベー
シックレッド13、ベーシックブルー25、およびベーシッ
クブラウン1などが用いられる。
この発明に係わるジメチルスルホキシドは、シクロデキ
ストリンと染料を溶解させ、後に乾燥するための非プロ
トン性の極性溶媒であり、染料の一重項酸素の活性点を
包接するのに必須のものである。
ストリンと染料を溶解させ、後に乾燥するための非プロ
トン性の極性溶媒であり、染料の一重項酸素の活性点を
包接するのに必須のものである。
実施例1 メチレンブルー0.01重量部とβ−シクロデキストリン1
重量部をジメチルスルホキンド100 重量部に溶かし、口
紙をそのものの中に浸漬して引き上げ乾燥する。この口
紙を2,5,7,10分間超高圧水銀灯光を照射した時の
反射濃度(OD)変化を示す特性図を第3図(a)に示
す。図において、縦軸はOD(Optical Density)で
表わす反射濃度を、横軸は分で表わす照射時間(分)で
ある。
重量部をジメチルスルホキンド100 重量部に溶かし、口
紙をそのものの中に浸漬して引き上げ乾燥する。この口
紙を2,5,7,10分間超高圧水銀灯光を照射した時の
反射濃度(OD)変化を示す特性図を第3図(a)に示
す。図において、縦軸はOD(Optical Density)で
表わす反射濃度を、横軸は分で表わす照射時間(分)で
ある。
比較例1 メチレンブルー0.01重量部のみをジメチルスルホキシド
100 重量部に溶かし、口紙をそのものの中に浸漬して引
き上げ乾燥する。この口紙に2,5,7,10分間超高圧
水銀灯光を照射すると反射濃度は第3図(b)のようにな
った。
100 重量部に溶かし、口紙をそのものの中に浸漬して引
き上げ乾燥する。この口紙に2,5,7,10分間超高圧
水銀灯光を照射すると反射濃度は第3図(b)のようにな
った。
比較例2 ジメチルスルホキシドの代わりに水を用いる他は実施例
1と同様にして口紙を得、実施例1と同様に耐光性を求
め、結果を第3図(c)に示す。
1と同様にして口紙を得、実施例1と同様に耐光性を求
め、結果を第3図(c)に示す。
上記第3図(a)と(b),(c)を比べると明らかなように、
(a)の方が耐光性が改善されていることが解る。
(a)の方が耐光性が改善されていることが解る。
以上説明したとおり、この発明は染料とシクロデキスト
リンをジメチルスルホキシドに溶解して染料とシクロデ
キストリンの包接化合物を得ることにより、染料の耐久
性の向上する染料包接化合物の製造方法を得ることがで
きる。
リンをジメチルスルホキシドに溶解して染料とシクロデ
キストリンの包接化合物を得ることにより、染料の耐久
性の向上する染料包接化合物の製造方法を得ることがで
きる。
第1図はこの発明の一実施例の包接化合物の構成図、第
2図は、従来の捺染物の断面図、第3図はこの発明の一
実施例に係わる染料の耐光性と従来の染料のそれを比較
する耐光性を示す特性図である。 図において、(1)は染料、(2)はシクロデキストリン、
(3)は包接化合物である。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
2図は、従来の捺染物の断面図、第3図はこの発明の一
実施例に係わる染料の耐光性と従来の染料のそれを比較
する耐光性を示す特性図である。 図において、(1)は染料、(2)はシクロデキストリン、
(3)は包接化合物である。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−117536(JP,A) 特開 昭50−64320(JP,A) 特開 昭57−3861(JP,A) 特開 昭60−156761(JP,A) 特開 昭60−192729(JP,A) 特開 昭53−114987(JP,A) 特開 昭61−87760(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】染料とシクロデキストリンを、ジメチルス
ルホキシドに溶解して染料とシクロデキストリンの包接
化合物を得る染料包接化合物の製造方法。 - 【請求項2】染料がメチレンブルーである特許請求の範
囲第1項に記載の染料包接化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60240085A JPH0615673B2 (ja) | 1985-10-25 | 1985-10-25 | 染料包接化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60240085A JPH0615673B2 (ja) | 1985-10-25 | 1985-10-25 | 染料包接化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62100557A JPS62100557A (ja) | 1987-05-11 |
JPH0615673B2 true JPH0615673B2 (ja) | 1994-03-02 |
Family
ID=17054258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60240085A Expired - Lifetime JPH0615673B2 (ja) | 1985-10-25 | 1985-10-25 | 染料包接化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0615673B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63190815A (ja) * | 1987-02-04 | 1988-08-08 | Hoou Kk | 粉末染毛剤組成物 |
BR9510258A (pt) * | 1994-12-20 | 1997-11-04 | Kimberly Clark Co | Composição colorida mutável aperfeiçoada e processo de produção de seu includente molecular |
CO4560378A1 (es) * | 1995-01-17 | 1998-02-10 | Kimberly Clark Co | Composicion estabilizadora para colorantes y metodo para estabilizar a la luz un colorante |
ATE206150T1 (de) * | 1995-06-28 | 2001-10-15 | Kimberly Clark Co | Farbstoffstabilisierte zusammensetzungen |
JP5130689B2 (ja) * | 2006-09-29 | 2013-01-30 | 凸版印刷株式会社 | 酸素インジケーター用インキ及びこれを用いた包装材料 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5418289B2 (ja) * | 1973-10-09 | 1979-07-06 | ||
JPS6024863B2 (ja) * | 1977-03-17 | 1985-06-14 | 凸版印刷株式会社 | セルロ−ス繊維およびこれを含む繊維等の構造物の捺染法 |
JPS6045229B2 (ja) * | 1978-03-04 | 1985-10-08 | 川島 文雄 | 天然色素の安定化法 |
JPS573861A (en) * | 1980-06-11 | 1982-01-09 | Sumitomo Chem Co Ltd | Preparation of carotenoid pharmaceutical |
JPS60156761A (ja) * | 1984-01-26 | 1985-08-16 | Yamagataken | サフラワ−イエロ−粉末色素の製造法 |
JPS60192729A (ja) * | 1984-03-14 | 1985-10-01 | Ichiro Shibauchi | 合成樹脂用濃縮着色ペレツトの製造方法 |
JPS6187760A (ja) * | 1984-06-30 | 1986-05-06 | Wako Pure Chem Ind Ltd | メチルオレンジ色素の溶剤溶解性改善方法 |
-
1985
- 1985-10-25 JP JP60240085A patent/JPH0615673B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62100557A (ja) | 1987-05-11 |
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