JPH061531U - コーナーパネルの取り付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 建築物の出隅角部にコーナーパネルを取り付
ける際に、建築現場でコーナーパネルの加工や、取り付
け金具の溶接、取り付け後の補修作業等を必要とせず、
またタイルを貼着したパネルでも容易に取り付けが可能
なコーナーパネルの取り付け構造を提供する。 【構成】 垂直に立設されている柱６の直角な二方向
に、梁２が水平に固着されている出隅角部の、前記梁２
の外側に突出して取着されている定規アングル３に、こ
の定規アングル３の垂直面の延長線上の直交面に跨がる
ファスナー８を配設し、このファスナー８にコーナーパ
ネル５の裏面を取り付け金具１２で係止するようにし
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は建築物の外壁にＡＬＣ版などのパネルを取り付けた壁面構造に関し 、その出隅コーナーパネルの取り付け構造、及びそれに使用されるファスナーに 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来 建築物の外壁にＡＬＣ版などのパネル１を取り付ける場合には、図５の ように躯体のＨ型鋼製梁２の上フランジ面２ａに、位置決めした定規アングル３ を溶接し、この定規アングル３に取り付け金具４でパネル１を取り付けている。 また 出隅角部にＬ型のコーナーパネル５を取り付けるには、図６Ａのように柱 ６の外方にボルト７を取着した取り付け部材７ａを溶接し、コーナーパネル５に 穿孔した透孔５ａにこのボルト７を挿通し、外側からナット７ｃで締着している 。しかし この工法では柱６に取り付け部材７ａを位置決めて溶接したり、コー ナーパネル５に透孔５ａを穿孔したり、取り付け後に座繰穴をモルタルで補習し たりしなければならないので、手数がかかるばかりでなく、外観を損なう問題が あった。 更にコーナーパネルに透孔を穿孔するこの工法は、タイルが貼着して あるパネルや、外面を化粧したパネルには適用できない問題があった。

【０００３】 また タイル５ａを貼着したコーナーパネル５を取り付ける方法としては、図 ６Ｂのようにコーナーパネル５に埋設してあるナット７ｃを利用して裏面にＬ型 の金具７ｂをボルト７で締着しておき、柱６に溶接された前記取り付け部材７ａ に固着する工法がある。しかし コーナーパネル５と柱６との間隔が狭いので、 この工法では熟練を要し、手数がかかる問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案はコーナーパネルの現場加工や補習作業を必要とせず、タイルを貼着 したコーナーパネルでも容易に取り付けが可能な、出隅コーナーパネルの取り付 け構造を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は垂直に立設されている柱の直角な二方向に梁が水平に固着されてい る出隅角部の、前記梁の外側に突出して取着されている定規アングルの垂直面の 延長線上の直交面に跨がる出隅コーナー用ファスナーを配設し、このファスナー に出隅コーナーパネルの裏面を取り付け金具で係止したものである。また 前記 出隅コーナー用ファスナーはＬ字状に直角に屈曲された条材の両端部を内側に折 り曲げた垂直面に、水平な底面が外方に突出した取り付け部材を取着したもので ある。

【０００６】

【作用】

柱の外方の直角な二面に跨がって、定規アングルの延長線上に出隅コーナー用 ファスナーが配設されているので、出隅コーナーパネルの裏面に取着されている 金具を容易に係着することができる。また 前記ファスナーはＬ型の両端部が内 側に折り曲げられているので捩じれに強く、更に 折り曲げ部にはＬ型の取り付 け部材が取着されているので、この取り付け部材を前記定規アングルに位置精度 よく、容易に取着することができる。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面によって詳細に説明する。図１は本考案の出隅コ ーナー用ファスナー及びその取り付け部を示す斜視図であり、図２はパネルの取 り付け方法を示す斜視図、図３、４は要部平断面図と側断面図である。 本考案 のファスナー８は図１のように幅が定規アングルの垂直面の高さにほぼ等しい鉄 条が直角なＬ状に屈曲されており、各面の所定位置にはコーナーパネル５を取着 するための捩子穴８ｃが配設されている。更にその両端部が内側に折り曲げられ ており、この折り曲げ部には水平な底面が外方に突出したはＬ型の取り付け部材 ８ａが固着されており、この取り付け部材８ａにはパネル面方向に長い孔８ｂが 穿孔されている。また ファスナー８の厚さは通常定規アングル３の厚さとほぼ 等しいが、その長さや必要な強度に応じて適宜選定すればよい。

【０００８】 また 建築物の角柱６の直角方向にはＨ型鋼製梁２が同水準で水平に固着され、 躯体の出隅部を形成している。そして 梁２の上フランジ面２ａに、定規アング ル３が所定の位置に位置決めされ溶接されているが、この定規アングル３の端部 と柱６の端面との間には所定の間隔が設けられている。この定規アングル３の端 部近辺には梁２の上フランジ面２ａより外側に透孔３ａが穿設されており、この 透孔３ａは梁２と平行な方向の長孔となっている。そして 前記ファスナー８は 部材８ａの長孔８ｂ及び定規アングル３の透孔３ａを貫通するボルト９とナット １０でワッシャ１１及びスプリングワッシャ１１ａを介して定規アングル３の上 面に締着されている。

【０００９】 外壁面を構成するパネル１は図２のように裏面に取着されている金具４で定規 アングル３に係止されている。コーナーパネル５の直角な裏面上端部には各々Ｔ 型の金具１２の水平部を挟んだ一方の垂直面がボルト７で取着されており、他方 の垂直面には中心線よりやや偏った位置に透孔１２ａが穿孔されている。そして この透孔１２ａに挿通されたボルト１３がワッシャ１１及びスプリングワッシ ャ１１ａを介して前記ファスナー８の捩子孔８ｃに捩じ込まれて締着されている 。このコーナーパネル５の裏面下端部近辺にはイナヅマプレート１４が取着され ており、このイナヅマプレート１４で下側コーナーパネル５の前記金具１２及び ファスナー８の垂直部を挾持して固定されている。（図２、３、４参照）

【００１０】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案は柱の外方の直角な二面に跨がって、定規 アングルの延長線上に出隅コーナー用ファスナーが配設されているので、出隅コ ーナーパネルの裏面に取着されている金具を容易に係着することができる。また 前記ファスナーはＬ型の両端部が内側に折り曲げられているので捩じれに強く 、更に 折り曲げ部にはＬ型の取り付け部材が取着されているので、この取り付 け部材を前記定規アングルに位置精度よく、容易に取着することができる。また パネルの現場加工や補修工事の必要がなく、タイル貼着パネルもそのまま取り付 けることができるので、手数がかからず、工期も短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の出隅コーナー用ファスナー及びその取
り付け部を示す斜視図である。

【図２】パネルの取り付け方法を示す斜視図である。

【図３】要部平断面図である。

【図４】要部側断面図である

【図５】従来のパネルの取り付け構造を説明する斜視図
である。

【図６】（Ａ）、（Ｂ）図共従来のコーナーパネルの取
り付け構造を示す平断面図である。

【符号の説明】

１ パネル ２ 梁 ３ 定規アングル ４ 取り付け金具 ５ コーナーパネル ６ 柱 ８ ファスナー １２ 取り付け金具 １４ イナヅマプレート

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直に立設されている柱の直角な二方向
   に梁が水平に固着されている出隅角部の、前記梁の外側
   に突出して取着されている定規アングルの垂直面の延長
   線上の直交面に跨がる出隅コーナー用ファスナーが配設
   され、このファスナーに出隅コーナーパネルの裏面が取
   り付け金具で係止されていることを特徴とするコーナー
   パネルの取り付け構造
2. 【請求項２】 Ｌ字状に直角に屈曲された条材の両端部
   が内側に折り曲げられた垂直面に、水平な底面が外方に
   突出した取り付け部材が取着されていることを特徴とす
   る請求項１の出隅コーナー用ファスナー。