JPH086881Y2 - 大梁と小梁との接合装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は鉄骨大梁または鉄骨鉄筋コンクリート大梁
と、プレキヤストコンクリート小梁との接合装置に係る
ものである。

（従来の技術） プレキヤストコンクリート小梁を大梁鉄骨に固定する
場合、従来は第４図に示すように小梁（ａ）の両端面に
垂直に鋼板（ｂ）を埋設し、一方、大梁鉄骨（ｃ）の上
下フランジ及びウエブに亘って垂直の鋼板（ｄ）を取付
け、前記両鋼板（ｂ）（ｄ）をボルト（ｅ）で接合して
いた。

（考案が解決しようとする課題） この場合、プレキヤストコンクリート小梁（ａ）に埋
設する鋼板（ｂ）の精度確保が困難であり、また前記両
鋼板（ｂ）（ｄ）をボルト（ｅ）で接合する際、吊足場
を必要とする。

また大梁鉄筋を先組した場合、鉄筋が邪魔になってボ
ルト接合が困難になる。更にボルト接合するための機械
スペースが必要になり、大梁断面よりも外側でプレキヤ
スト部材を止めるため、小梁の後やりの型枠が必要にな
る。

本考案は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案さ
れたもので、その目的とする処は、施工が簡単で取付精
度が向上された大梁と小梁との接合装置を提供する点に
ある。

（課題を解決するための手段） 前記の目的を達成するために、本考案に係る大梁と小
梁との接合装置は、大梁鉄骨における小梁取付位置の両
側において、上下フランジ及びウエブに亘って取付けた
一双の垂直リブプレート間に、アンカーボルト挿通孔を
有する水平受プレートを横架し、梁端下部にアンカーボ
ルトが定着されたプレキヤストコンクリート小梁の端部
を前記水平受プレートに架垂するとともに、同プレート
のアンカーボルト挿通孔に前記小梁のアンカーボルトを
挿通し、ナツトを螺着緊締して構成されている。

（作用） 本考案によれば前記したように、大梁鉄骨における小
梁取付位置の両側において、上下フランジ及びウエブに
亘って一双の垂直リブプレートを取付けるとともに、同
両リブプレート間に亘って水平受プレートを横架して腰
掛金物状の接合金具を大梁鉄骨の小梁取付位置に予め固
着しておき、梁端下部にアンカーボルトが定着されたプ
レキヤストコンクリート小梁の接合端部を前記水平受プ
レートに架乗せしめるとともに、同受プレートに設けら
れたアンカーボルト挿通孔に前記小梁のアンカーボルト
を挿通し、同アンカーボルトにナツトを螺着緊結するこ
とによって前記プレキヤストコンクリート小梁を鉄骨大
梁に接合するものである。

この際、前記小梁は前記腰掛金物状の接合金具におけ
る一双の垂直リブプレートによって、鉄骨大梁長手方向
に亘る位置決めがなされ、また水平受プレートによって
前記小梁の取付レベルが定まり、同小梁は鉄骨大梁に対
して所定位置に精度よく取付けられるものである。

（実施例） 以下本考案を鉄骨鉄筋コンクリート大梁とプレキヤス
トコンクリート小梁との接合に適用した図示の実施例に
ついて説明する。

（Ａ）はＨ型鋼製の大梁鉄骨で、小梁取付位置の両側
において、上下フランジ及びウエブに跨って一双の垂直
リブプレート（１）が固着され、同両リブプレート
（１）間に長溝孔状のアンカーボルト挿通孔（２）が穿
設された水平受プレート（３）が一体に横架され、腰掛
金物状の接合金具が構成されている。

（Ｂ）はプレキヤストコンクリート小梁で、両端下面
隅角部に、倒Ｌ型のアンカーボルト（４）が取付けられ
たアングル材（５）が定着され、同アングル材（５）の
水平片より、前記アンカーボルト（４）の端部ねじ部
（4a）が垂直に突設されている。

而して地上部において予め大梁鉄骨（Ａ）に、大梁主
筋（Ｃ）及びスラーラツプ（Ｄ）を組付け、所定位置に
セツトしたのち、プレキヤストコンクリート梁（Ｂ）の
端部を前記腰掛金物状の接合金具における水平受プレー
ト（３）に支持せしめるとともに、同プレート（３）の
アンカーボルト挿通孔（２）に前記アンカーボルト
（４）の端部ねじ部（4a）を挿入し、座金（６）を嵌装
してナツト（７）を螺着緊締し、前記小梁（Ｂ）を大梁
鉄骨（Ａ）に取付ける。

なおこの際、前記アンカーボルト挿通孔（２）が長溝
孔状に形成されているので、前記小梁（Ｂ）の大梁鉄骨
（Ａ）に対する同鉄骨（Ａ）と直角方向の取付位置を調
整することができる。

（考案の効果） 本考案によれば前記したように、大梁鉄骨における小
梁取付位置の両側において、上下フランジとウエブとに
亘って取付た一双の垂直リブプレート間に、アンカーボ
ルト挿通孔を有する水平受プレートを横架して、腰掛金
物状の接合金物を前記大梁に取付け、同接合金物におけ
る前記水平受プレートに、梁端下部にアンカーボルトが
定着されたプレキヤストコンクリート小梁を架乗すると
ともに、前記アンカーボルトを前記水平受プレートのア
ンカーボルト挿通孔に挿貫緊締して大梁と小梁とを接合
することによって、同両梁の取付作業が簡単に而も精度
よく行なわれ、大梁鉄筋を先組した場合でも、プレキヤ
ストコンクリート小梁の取付に支障がなく、また後打ち
コンクリート量が少なくて済む。

更にまた前記プレキヤストコンクリート梁に埋設した
アンカーボルトは、小梁の下端主筋の用を果し、応力を
大梁に伝達するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る大梁と小梁との接合装置の一実施
例を示す縦断面図、第２図はその斜視図、第３図はその
分解斜視図、第４図は従来の大梁と小梁との接合装置を
示す斜視図である。 （Ａ）…大梁鉄骨、（Ｂ）…プレキヤストコンクリート
小梁、（１）…リブプレート、（２）…アンカーボルト
挿通孔、（３）…水平受プレート、（４）…アンカーボ
ルト、（７）…ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】大梁鉄骨における小梁取付位置の両側にお
   いて、上下フランジ及びウエブに亘って取付けた一双の
   垂直リブプレート間に、アンカーボルト挿通孔を有する
   水平受プレートを横架し、梁端下部にアンカーボルトが
   定着されたプレキヤストコンクリート小梁の端部を前記
   水平受プレートに架乗するとともに、同プレートのアン
   カーボルト挿通孔に前記小梁のアンカーボルトを挿通
   し、ナツトを螺着緊締してなることを特徴とする大梁と
   小梁との接合装置。