JPH0615053B2

JPH0615053B2 - 塗装装置

Info

Publication number: JPH0615053B2
Application number: JP63190778A
Authority: JP
Inventors: 英治松島; 秀則高崎
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1988-07-29
Filing date: 1988-07-29
Publication date: 1994-03-02
Anticipated expiration: 2009-03-02
Also published as: KR930001505B1; KR900001415A; US5067436A; JPH0240256A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は塗装装置に係り、詳しくはコンベアにより連続
的に搬送される自動車などの被塗装物を塗装する塗装装
置に関する。

（従来の技術）従来より、この種の塗装装置として、自動塗装ラインに
おいて、自動車の車体の側面下部に長手方向に延設され
るサイドシルに対してウレタン樹脂よりなるチッピング
塗料の吹付けをするものが知られている（例えば、特開
昭５６−３８１５７号公報参照）。この塗装装置では、
コンベアにより一定速度で搬送されてくる車体の搬送方
向前後端間を往復動作する往復移動手段が設けられ、、
その往復移動手段に複数の塗装ガンが車体に向けて取付
けられている。そして、上記搬送されてくる車体に対し
て塗装ガンが上記搬送方向に対して往復移動する間に各
一回の塗装動作が連続的に行われる。

（発明が解決しようとする課題）ところが、上記のような従来の塗装装置では、塗装ガン
を搭載した往復移動手段の行きの移動速度と帰りの移動
速度とは、通常、同じであるため、搬送移動中の車体に
対する塗装ガンの相対移動速度は行きと帰りで必然的に
異なる値になる。

このため、上記行きと帰りとの各回の塗装により形成さ
れる膜厚を互いに同一にすることはできないという不具
合がある。例えば相対移動速度の遅い往時（行きの時）
に１回分の所定の膜厚が得られるように塗装ガンの移動
速度を設定すると、復時（帰りの時）には相対速度が早
なりすぎて上記所定の膜厚より薄くなり、また逆の場合
においても同様な不具合が生じることとなる。つまり、
上記従来の塗装装置では、塗装ガンの行きと帰りとで互
いに同一膜厚で２回塗りするという塗装処理を行うこと
はできず、特に均一な膜厚が必要とされるチッピング塗
装において不都合となる。

また、塗装ガンの移動速度をある値に設定すると、被塗
装物の搬送速度との関係で塗装ガンの相対移動速度が行
きに遅く帰りに早い一定のものに定まってしまうため、
１回目（行き）の膜厚と２回目（帰り）の膜厚とをそれ
ぞれ所望のものに変化させたいという塗装処理にも対応
することができない。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、被塗装物の搬送方向に対して
往復移動する塗装ガンにより塗装を行うものにおいて、
被塗装物に対する塗装ガンの相対移動速度を行きと帰り
で個々に調整可能とすることにより、行きと帰りとでそ
れぞれ所望の膜厚形成を行わしめ、幅広い態様の塗装処
理に適用可能とすることにある。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するために、本発明は、コンベアにより
連続的に搬送される被塗装物を、塗装ガンによってを前
提とするものである。このものにおいて、塗装ガンを上
記被塗装物の搬送方向に対して往復移動させる往復移動
手段と、上記被塗装物の搬送速度を検出するコンベア速
度検出手段と、上記往復移動手段と塗装ガンとを制御す
る制御手段とを備える。そして。上記往復移動手段を上
記塗装ガンを上記被塗装物の搬送方向前後端間において
上記搬送方向に対して往復移動させる構成とする。ま
た、上記制御手段を、上記コンベア速度検出手段からの
検出信号に基いて、上記往復移動手段における塗装ガン
の移動速度が上記被塗装物の搬送方向に対して同方向の
行きと逆方向の帰りとのそれぞれの上記被塗装物に対す
る相対速度が設定値となるよう上記往復移動手段に対し
速度調整信号を出力する一方、上記塗装ガンの行きと帰
りとのそれぞれで上記塗装ガンに対し塗装実行信号を出
力する構成とするものである。

（作用）被塗装物の搬送速度がコンベア速度検出手段によって検
出され、制御手段によってその検出された搬送速度に基
いて、往復移動手段に対し塗装ガンの行きと帰りとの速
度調整信号が出力され、併せて、塗装ガンに対し上記行
きと帰りの双方に塗装実行信号が出力される。これによ
り、上記塗装ガンの行きと帰りとの上記被塗装物に対す
る各相対移動速度がそれぞれ設定値となり、この各相対
移動速度に応じた膜厚が行きと帰りとのそれぞれで形成
される。このため、被塗装物には往復各一層ずつ各所望
の膜厚で塗装される。

（実施例）以下に本発明の実施例を図面に基いて詳細に説明する。

図２は、本発明を、コンベアにより連続的に搬送される
車体のサイドシルにチッピング塗料の吹付けをおこなう
ものに適用した実施例に係る塗装装置の全体配置を示
す。同図において、１は被塗装物としての車体、２はこ
の車体１を塗装ステーション３を貫通して上記車体１を
連続的に搬送するコンベアである。上記塗装ステーショ
ン３には、上記コンベア２による車体１の搬送方向（同
図にＣで示す矢印の方向）に直交する両側位置にそれぞ
れ塗装ガン９が上記コンベア２上の車体１に向けて配置
されている。そして、これら両塗装ガン９，９はそれぞ
れ往復移動手段１０によって上記搬送方向に対して往復
移動可能となっており、この各塗装ガンおよび各往復移
動手段１０は後述の制御手段５（第１図参照）によって
制御されて、上記サイドシルに対して所望の相対速度で
一往復移動され、その間連続して上記各塗装ガン９によ
りチッピング塗料の吹き付けが行われるようになってい
る。

４は上記塗装ステーション３の搬送方向Ｃに対して手前
位置に配設されたリミットスイッチであり、上記コンベ
ア２により搬送された車体１によってオン作動されて上
記制御手段５に作動開始信号を出力して塗装のための制
御系統を始動させるようになっている。また、６，７は
上記塗装ステーション３の入口側に配設されたフォトセ
ンサであり、これらフォトセンサ６，７は上記車体１の
先頭位置を検出して上記制御手段５に検出信号を出力す
るようになっている。さらに、１１，１２は上記塗装ス
テーション３の出口側に配設されたフォトセンサであ
り、これらフォトセンサ１１，１２は塗装終了後の車体
１の先頭位置を検出して上記制御手段５に検出信号を出
力するようになっている。なお、１４〜１７は上記塗装
ステーション３の搬送方向Ｃの前後各位置に配設された
安全柵である。

さらに、１８は上記制御手段５が収納されたコントール
ボックスであり、この制御手段５は後述のコンベア速度
検出手段８（第１図参照）からの上記コンベア２の搬送
速度に基いて上記各往復移動手段１０に速度調整信号
を、上記各塗装ガン９に塗装実行手段をそれぞれ出力す
るようになっている。

次に、塗装ガン９およびその駆動手段である往復移動手
段１０等について第３図乃至第５図に基いて詳細に説明
する。

往復移動手段１０はサイドレシプロケータと称され、コ
ンベア２に沿って床面上に敷設された台フレーム１９の
上にアングル材を組み立てて形成された横長状の枠体２
０内の一端側に、レシプロ駆動用モータ２１を備えてい
る。そのモータ２１の出力軸はギヤボックス２２に設け
られたスプロケット２３に伝動連結され、そのスプロケ
ット２３と、枠体２０内の他端側に支持されたスプロケ
ット２４との間には、往復動チェーン２５が掛張されて
いる。スプロケット２３は伝動機構を介して往復移動速
度検出手段１３であるロータリエンコーダと接続され、
その回転速度すなわち、往復動チェーン２５の移動速度
が検出されるようになっている。

一方、サイドシルをチッピング塗装するための３基の塗
装ガン９ａ，９ｂ，９ｃが、枠体２０のコンベア側の側
面を長手方向に移動自在に設けられた架台２７に、コン
ベア２で搬入される車体１に向けて所定の角度で取付け
られている。（第５図参照）。そして、その架台２７に
設けられたクランパ（図示省略）が上側または下側の往
復動チェーン２５を選択的に掴時することによって塗装
ガン９が架台２７とともにコンベア２に沿って往復移動
させるようになっている。各塗装ガン９は、フレキシブ
ルホース２８を介して枠体２０に固定された接続板２９
の塗料取入口３１および空気取入口３０に接続され、高
圧空気と混合された塗料の供給を受けられるようになっ
ている。なお、架台２７に設けられたエアシリンダ３２
（第４図参照）により、各塗装ガン９は所定の角度を保
持したまま、幅方向の位置、すなわち車体１との間隔が
調整できるようになっている。また、枠体２０の一端外
側には、車体１のホイールハウス内を塗装するために、
２基の塗装ガン３３ａ，３３ｂが、枠体２０に竪方向に
固設された２条のレール３５に案内されてエアシリンダ
３６によって上下に移動される架台３７に取付けられて
おり、フレキシブルホース４２（第５図参照）を介して
接続箱３８の塗料取入口３９および空気取入口４０と接
続されている。

次に、第１図に基いて、装置の制御系統について要約説
明するに、まず、車体１の搬送速度、つまりコンベア２
の移動速度がコンベア速度検出手段８によって検出さ
れ、その検出信号が制御手段５に入力される。制御手段
５はマイクロコンピュータ等よりなり、予め記憶されて
いるプログラムに従い、移動している車体１に対する塗
装ガン９の相対往復速度が同一の所望値となるように、
コンベア２の移動速度に応じて塗装ガン９の行きと帰り
の目標速度を演算し、その目標速度に対応する速度調整
信号を往復移動手段１０に送出する。一方、塗装ガン９
の実速度が、往復移動手段１０からの速度信号に基づい
て往復移動速度検出手段１３によって検出され、制御手
段５にフィートバックされ、塗装ガン９の実速度が目標
値となるように補正される。このようなフィードバック
制御により、コンベア２の移動速度の変化に対応して、
塗装ガン９が車体１に対して常に所望の同一相対速度で
往復移動し、均一な膜厚のチッピング塗装が行われる。

さらに、上記制御系統をより詳細に説明すると、第６図
に示すように、制御手段５は、各種演算処理等をおこな
うＣＰＵ５ａと、ＣＰＵ５ａからのデジタル速度調整信
号を直流の電圧信号に変換するＤ／Ａ変換器５ｂと、そ
の電圧信号を周波数信号に変換するインバータ５ｃ等に
より構成されている。ＣＰＵ５ａには、予め固定デー
タ、すなわち、塗装条件によって決定される所望の相対
速度を得るべく、塗装ガン９の行きと帰りの目標速度を
求めるためのデータが記載されている。そして、コンベ
ア速度検出手段としてコンベア駆動用モータ４１に設け
られるコンベア速度検出手段８としてのパルス発振器か
らのパルス信号より求めた回転速度に応じて、上記目標
速度が演算され、前記したように、対応するデジタル信
号が速度調整信号としてＣＰＵ５ａからＤ／Ａ変換器５
ｂに送出される。なお、上記固定データには、コンベア
２が停止した場合における演算処理についてのデータも
含まれている。

往復移動手段であるレシプロ駆動用モータ１０には、往
復移動速度検出手段１３としてロータリエンコーダであ
るパルス発振器４３とパルスカウンタ４４が設けられ、
レシプロ駆動用モータ１０の回転速度、すなわち塗装ガ
ン９の実速度が求められ、その値がＣＰＵ５ａにデジタ
ル信号としてフィードバック入力され、比較部において
前記目標速度との比較がなされ、Ａ／Ｄ変換器５ｂへの
速度調整信号が制御されるようになっている。

次に、上記の構成の塗装装置の作動について、第７図の
フローチャートに基いて説明する。

まず、コンベア２上の車体１が、塗装ステーション３内
に搬入されると、リミットスイッチ４がオンされ（Ｓ
１）、制御系が始動する。そして、まず、コンベア２の
移動速度がコンベア速度検出手段８によって検出される
（Ｓ２）。次いで、塗装条件に応じた車体１との相対速
度に基づいてそのコンベア２の速度に対応した塗装ガン
９の行きと帰りの目標速度、たとえば、相対速度が３３
６ｍｍ／ｓｅｃの場合、コンベア２の速度が５７ｍｍ／
ｓｅｃであると、行きの目標速度３９３ｍｍ／ｓｅｃ、
帰りの目標速度２７９ｍｍ／ｓｅｃ、コンベア停止時、
行き帰り目標速度３３６ｍｍ／ｓｅｃ等が演算・記憶さ
れる（Ｓ３）。

車体１の先頭位置が搬入側のフォトセンサ１１，１２で
検出されて（Ｓ４）後、サイドシルが塗装ガン９の待機
位置に到達したことが車体１の移動距離に基づいて検出
されると、すでに演算・記憶されている行きの目標速度
に対応する回転速度でレシプロ駆動用モータ１０が駆動
され、行きの塗装が開始される（Ｓ５）。塗装ガン９の
実速度は前述したように、レシプロ駆動用モータ１０の
回転速度としてパルス発振器４３を介してパルスカウン
タ４４で検出され、その検出信号がＣＰＵ５ａにフィー
ドァバック入力され、目標速度と比較された後、レシプ
ロ駆動用モータ１０の回転速度が調整される。したがっ
て、塗装ガン９はコンベア２の移動速度の変化の如何に
かかわりなく、所定の車体１との相対速度を維持しつつ
行きの塗装をおこなう。

一方、塗装開始時からカウントされているレシプロ駆動
用モータ１０の回転数から塗装ガン９の行きの終端位置
が検出される（Ｓ６）と、塗装ガン９に設けられたクラ
ンパが下側の往復動チェーンを掴持し、帰りの塗装が開
始される（Ｓ７）。復時においても同様にフィードバッ
ク制御により、所定の車体１との相対速度が維持され
る。帰りの塗装の終端位置が検出されると塗装ガン９の
吹付動作は停止する。そして搬出側で車体１の先頭位置
が検出される（Ｓ８）と、制御系の動作が終止し、１サ
イクルの塗装工程が完了し、以後同様のサイクルが繰り
返えされる。

このような塗装装置においては、上記塗装ガンの行きと
帰りとの上記被塗装物に対する各相対移動速度を互いに
同じとすることができ、この各相対移動速度に応じて確
実に同一の膜厚を行きと帰りとのそれぞれで１回ずつ形
成することができる。このため、同一膜厚の塗膜の形成
を往復で２回行うことができ、確実な塗装処理を行うこ
とができる。

なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上
記実施例では、各塗装ガン９の行きと帰りとの両相対移
動速度が同一となるように各往復移動手段１０での移動
速度を設定しているが、これに限らず、上記行きと帰り
との両相対移動速度は塗装条件によって任意に設定すれ
ばよく、例えば上記相対移動速度を行きと帰りとで異な
るように設定してもよい。これにより、行き帰りとでそ
れぞれ所望の膜厚の途膜の形成を行うことができる。

（発明の効果）本発明は、コンベアにより連続的に搬送される被塗装物
に対する塗装を、往復移動手段により上記被塗装物の搬
送方向に対して往復移動される塗装ガンにより行うもの
において、制御手段によって、コンベア速度検出手段に
より検出される搬送速度に応じて、上記塗装ガンの行き
と帰りとの上記被塗装物に対する相対移動速度がそれぞ
れ所定の設定値となるよう速度調整信号を上記往復移動
手段に対し出力し、かつ、上記塗装ガンに対し塗装実行
信号を出力するしているため、塗装ガンの行きと帰りと
の各相対移動速度を適宜設定することができ、その設定
値で上記塗装ガンを移動させながら上記行きと帰りの双
方で塗装を行うことができる。このため、この各相対移
動速度に応じた所望の膜厚の塗装を行きと帰りとのそれ
ぞれで形成することができる。従って、被塗装物に往復
各一層ずつ各所望の膜厚の塗装を２回行うことができ、
幅広い態様の塗装処理に適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の塗装装置の一実施例における制御系統
を示すブロック図、第２図は装置の全体配置図、第３図
はサイドレシプロケータの側面図、第４図は平面図、第
５図は正面図、第６図は制御系統のブロック図、第７図
は塗装動作を説明するためのフローチャートである。１……車体（被塗装物）、２……コンベア、５……制御
手段、８……パルス発信器（コンベア速度検出手段）、
９，９ａ，９ｂ，９ｃ……塗装ガン、１０……往復移動
手段。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】コンベアにより連続的に搬送される被塗装
物を塗装する塗装ガンと、この塗装ガンを上記被塗装物
の搬送方向に対して往復移動させる往復移動手段とを備
えた塗装装置において、上記被塗装物の搬送速度を検出するコンベア速度検出手
段と、このコンベア速度検出手段からの検出信号に基いて、上
記塗装ガンの上記被塗装物の搬送方向に対して同方向の
行きと逆方向の帰りとの上記被塗装物に対する各相対移
動速度がそれぞれ予め定めた設定値となるように上記塗
装ガンの移動速度を調整する速度調整信号を上記往復移
動手段に対し出力する一方、上記塗装ガンの行きと帰り
との双方で移動しながら塗装を実行させる塗装実行信号
を上記塗装ガンに対し出力する制御手段とが設けられて
いることを特徴とする塗装装置。