JPH06148416A - 紫外線硬化性樹脂組成物およびそれを用いたカラーフィルター保護膜 - Google Patents

紫外線硬化性樹脂組成物およびそれを用いたカラーフィルター保護膜

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JPH06148416A
JPH06148416A JP29615392A JP29615392A JPH06148416A JP H06148416 A JPH06148416 A JP H06148416A JP 29615392 A JP29615392 A JP 29615392A JP 29615392 A JP29615392 A JP 29615392A JP H06148416 A JPH06148416 A JP H06148416A
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弘一 国宗
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礼子 加藤
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信之 大塚
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (A) の構造単位と、 の構造単位とを主構造単位として含み、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル中における30℃での極限粘度
(以下、粘度という)が0.05〜1であるエポキシ基
含有(メタ)アクリル系共重合体。(B)粘度が0.0
5〜1であるカルボン酸基および多価カルボン酸無水物
基の内の1種以上を含有する(メタ)アクリル系重合
体。(C)(メタ)アクリル基を有する単量体。(D)
光重合開始剤。を含有する紫外線硬化性樹脂組成物。
(R1 ,R2 はH、C1〜5炭化水素基であり、mは1
〜4の整数を示す)。 【効果】 毒性の少ない現像液によりエッチング可能な
塗膜が得られ、透明性、耐熱性、耐薬品性、耐スパッタ
ー性および密着性のすぐれたカラーフィルター保護膜が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線硬化性樹脂組成
物および該組成物を用いたカラーフィルター保護膜に関
する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターの保護膜用樹脂として
の必要特性としては、透明性、密着性、耐スパッター
性、塗布性、耐熱性などが要求されており、(メタ)ア
クリル系樹脂(例えば特開昭60−216307号公
報)、エポキシ系樹脂(例えば特開平4−97102号
公報)、ポリイミド系樹脂(例えば特開平1−2292
03号公報)などが検討されてきた。これらの樹脂のう
ち(メタ)アクリル系樹脂が最も透明性に優れており、
幅広く検討されてきた。しかし(メタ)アクリル系樹脂
も含めこれらの樹脂は、密着性、耐スパッター性、耐熱
性などのバランスをとることに若干の問題点を有してい
る。これらの点を改良するために多くの提案がなされて
きた。例えば、前記特開昭60−216307号公報お
よび特開平4−97100号公報ではエポキシ基含有ポ
リマーに多価カルボン酸無水物を混合し、加熱による架
橋反応によって、硬化膜を形成する方法が開示されてい
るが、高分子化合物と極性の強い低分子量化合物を混合
して反応を行うために、未反応の多価カルボン酸無水物
は残存して不均一層となり、そのため物性が低下して好
ましくない。
【0003】一方、ポリイミド系樹脂は、本質的に透明
性が劣り、かつ膜の硬化時に高温加熱が必要であるとい
う難点を有している。また工程上カラーフィルター基板
の周辺の保護膜を除去する必要があり、それを現在はレ
ジストを用いて行っている。最近、特開平4−1532
74号公報、特開平4−164970号公報などに紫外
線硬化樹脂組成物を用いたカラーフィルター保護膜が開
示されている。しかし、これらはいずれも現像液が毒性
の強い有機溶媒であり、操作上好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プリ
ベークした後マスクを通して紫外線を照射し、現像を行
う際に、従来のような毒性の強い有機溶媒でなく、毒性
の少ない現像液によりエッチング可能な塗膜が得られる
紫外線硬化性樹脂組成物を提供することである。また、
物性の低下がなく、透明性、耐熱性、耐薬品性、耐スパ
ッター性および密着性などに優れているカラーフィルタ
ー保護膜を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者などは、種々検
討の結果、特定の紫外線硬化性樹脂組成物を用いること
により、前記カラーフィルター保護膜の必要特性を充た
すと共に、毒性の少ない弱アルカリ性水溶液によりエッ
チングが可能であるということを見出し本発明を完成す
るに至った。すなわち、
【0006】本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、下記
の(A)、(B)、(C)および(D)の4成分を含有
することを特徴とする。 (A)一般式(I)
【化5】 で示される構造単位と、一般式(II)
【化6】 で示される構造単位とを主構造単位として含み、ジエチ
レングリコールジメチルエ−テル中における30℃での
極限粘度が0.05〜1であるエポキシ基含有(メタ)
アクリル系共重合体。 (B)ジエチレングリコールジメチルエーテル中におけ
る30℃での極限粘度が0.05〜1であるカルボン酸
基および多価カルボン酸無水物基の内の1種以上を含有
する(メタ)アクリル系重合体。 (C)(メタ)アクリル基を有する単量体。 (D)光重合開始剤。 (ただし、一般式(I)および(II)において、R1および
2は独立に水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基
であり、mは1〜4の整数を示す)。
【0007】本発明のカラーフィルター保護膜は、前記
の(A)、(B)、(C)および(D)の4成分を含有する紫外
線硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、必要に応じてプリ
ベークし、紫外線を照射し、必要によりエッチングを行
い、また必要によりポストベークを行うことにより得ら
れることを特徴とする。
【0008】本発明の紫外線硬化性樹脂組成物の好まし
い態様は、(A)成分が、メタクリル酸グリシジルとN
−ビニル−2−ピロリドンを主成分とする共重合体であ
り、かつ(B)成分が、メタクリル酸メチル(以下、M
MAと略記することもある)、メタクリル酸(以下MA
と略記することもある)および無水マレイン酸(以下M
AHと略記することもある)を主成分とする共重合体、
MMAおよびMAを主成分とする共重合体、またはMM
AおよびMAHを主成分とする共重合体である。
【0009】(A)および(B)成分は通常のラジカル
重合により容易に合成することができる。これらの両成
分と(C)(メタ)アクリル基を有する単量体、(D)
光重合開始剤を混合し、必要に応じてカップリング剤な
どの添加物を混合、有機溶媒に溶解することにより本発
明の紫外線硬化性樹脂組成物を生成することができる。
【0010】本発明で用いられる(A)成分は、下記一
般式(III)および(IV)
【化7】
【化8】 (ただし、一般式(III)および(IV)において、R1および
2は独立に水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基
であり、mは1〜4の整数である)。で示されるモノマ
ー(単量体)をラジカル重合開始剤の存在下で共重合す
ることにより容易に得ることができる。これらのうちメ
タクリル酸グリシジルおよびN−ビニル−2−ピロリド
ンの組み合わせが最も好ましい。この場合、得られたポ
リマーの溶解性、あるいは、密着性などの特性を改善す
るために、他の(メタ)アクリル系モノマーあるいは少
量のビニルモノマーを添加して、共重合を行うこともで
きる。これらのうちメタクリル酸グリシジルおよびN−
ビニル−2−ピロリドンの組み合わせが最も好ましい。
【0011】他の(メタ)アクリル系モノマーとして
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ルなどのアクリル酸エステル類、もしくはメタクルル酸
メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルなど
のメタクリル酸エステル類などを例示することができ
る。他のビニルモノマーとしては、スチレン、p−ヒド
ロキシスチレン、α−メチルスチレンなどを挙げること
ができる。
【0012】これらモノマーの重合体中の割合は、一般
式(III)で示されるモノマ−30〜90重量%、一般式
(IV)で示されるモノマー10〜70重量%、他の(メ
タ)アクリルモノマー0〜30重量%およびビニルモノ
マー0〜30重量%である。他の(メタ)アクリルモノ
マーあるいはビニルモノマーの一部として10重量%以
内の後述するカルボン酸基または多価カルボン酸無水物
基を有するモノマーを添加することもできる。上記モノ
マーを反応溶媒中でラジカル重合開始剤の存在下、常法
により重合反応を行うことにより容易に(A)成分を得
ることができる。得られた共重合体の重合度はジエチレ
ングリコ−ルジメチルエーテル中における30℃での極
限粘度が0.05〜1の範囲であることが好ましい。こ
の範囲以下ではカラーフィルター保護膜としての物性が
低下し、この範囲以上では溶媒に対する溶解性が低下
し、溶媒の選択範囲がせばまり好ましくない。
【0013】ここで用いられる反応溶媒としては、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルシク
ロヘキサノンなどのケトン類、エチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ−テ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテルなどのエーテル類、あるいはエチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエ
ステル類を例示することができる。
【0014】ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイル
パーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、あるい
はアゾビスイソブチロニトリルなどを例示することがで
きる。
【0015】カルボン酸基および多価カルボン酸無水物
基の内の1種以上を含有する(B)成分である(メタ)
アクリル系重合体は、カルボン酸基または多価カルボン
酸無水物基を有するモノマー10〜70重量%、前述し
た他の(メタ)アクリル系モノマ−30〜90重量%、
必要に応じて、他のビニール系モノマーを30重量%以
下を混合し、常法に従って、前述した溶媒およびラジカ
ル重合開始剤を用いて重合を行うことにより得ることが
できる。
【0016】ここで、(メタ)アクリル系モノマーとし
て10重量%以内の範囲内において、前述したエポキシ
基含有(メタ)アクリル系モノマーを添加することがで
きる。また、合成するに際して使われるカルボン酸基ま
たは多価カルボン酸無水物基を有するモノマーとして、
アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル系モ
ノマー、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水2,
3−ジメチルマレイン酸、無水1−シクロヘキサン−
1,2−ジカルボン酸、無水エチルマレイン酸、無水2
−メチル−3−エチルマレイン酸、無水2,3−ジエチ
ルマレイン酸などの無水マレイン酸誘導体などを例示す
ることができる。
【0017】(B)成分の重合体の重合度はジエチレン
グリコールジメチルエーテル中における30℃での極限
粘度が0.05〜1の範囲であることが好ましい。この
範囲以下ではカラーフィルター保護膜としての物性が低
下し、この範囲以上では溶媒に対する溶解性が低下し、
溶媒の選択範囲がせばまり好ましくない。
【0018】(C)成分である(メタ)アクリル基を有
するモノマーとしては、以下の化合物を例示することが
できるが必ずしもこれらに限定されるものではない。ブ
チルアクリラート、シクロヘキシルアクリラート、ジメ
チルアミノエチルメタクリラート、ベンジルアクリラー
ト、カルビトールアクリラート、2−エチルヘキシルア
クリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート、ラウ
リルメタクリラート、2−ヒドロキシルエチルアクリラ
ート、2−ヒドロキエチルメタクリラート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリラート、2−ヒドロキシルプロピル
メタクリラ−ト、グリシジルメタクリラート、N−メチ
ロ−ルアクリルアミド、N−ジアセトンアクリルアミ
ド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N−ビニ
ルピロリドン、エチレングリコールジアクリラート、ジ
エチレングリコールジアクリラート、トリエチレングリ
コールジアクリラート、ブチレングリコールジアクリラ
ート、ブチレングリコールジメタクリラート、ネオペン
チルグリコールジアクリラート、ネオペンチルグリコ−
ルジメタクルラ−ト、1,4−ブタンジオールジアクリ
ラート、1,6−ヘキサンジオ−ルジアクリラート、
1,6−ヘキサンジオ−ルジメタアクリラート、ペンタ
エリスリトールジアクリラート、ペンタエリスリトール
トリアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリ
ラート、トリメチロールプロパントリメタクリラート、
ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオ
ネート)、ペンタエリスリトール(メルカプトアセテー
ト)、グリセロールアクリラ−ト/メタアクリラ−トな
ど。
【0019】(D)成分の光重合開始剤としては、以下
の化合物を挙げることができるが、必ずしもこれらに限
定されるものではない。ベンゾフェノン、ミヒラーズケ
トン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、キサ
ントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、イ
ソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサ
ントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−4’−イソプロピルプロピオフ
ェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベン
ゾインエ−テル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベ
ンジル、カンファーキノン、ベンズアンスロン、2−メ
チル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モル
フォリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)
−ブタノン−1、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブ
チルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェ
ニル−グリシン、p−ヒドロキシ−N−フェニルグリシ
ン、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチ
ルチウラムジスルフィド、p−トリルジスルフィド、4
−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ
安息香酸イソアミル、3,3’−カルボニル−ビス(7
−ジエチルアミノ)クマリン、2,6−ビス(p−アジ
ドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p
−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノ
ン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−t
−ブチルシクロヘキサノン、エチル−p−(N,N−ジ
メチルアミノ)ベンゾエ−トなど。
【0020】これら(A)、(B)、(C)および
(D)成分を混合した場合、互いに溶解する化合物の組
み合わせならそのまま本発明の組成物として使用するこ
とも可能である。しかし一般には塗布性を改善するため
に、これらの化合物を有機溶媒に溶解させ塗布液として
使用するのが好ましい。有機溶媒としては前記の反応溶
媒を任意の混合比で使用できる。(A)(B)両成分の
混合比は(A)成分中のエポキシ基と(B)成分中のカ
ルボン酸基(カルボン酸無水物基はカルボン酸2個とし
て計算)が当量近くであることが好ましいが、それほど
厳密なものではない。(C)成分は(A)および(B)
成分の合計量100重量部に対して20〜300重量部
が好ましく、50〜200重量部が特に好ましい。これ
より少ないと紫外線による硬化が不十分であり、多いと
硬化膜の物性が低下する。(D)成分は(C)成分10
0重量部に対して1〜50重量部、5〜20重量部が特
に好ましい。これより少ないと紫外線による硬化が不十
分であり、多いと塗布液の経時安定性が低下して好まし
くない。
【0021】これらのほかに必要によりポリマ−の20
重量%以下の架橋助剤、カップリング剤および熱重合禁
止剤を添加することもできる。架橋助剤としては水酸
基、カルボキシル基およびアミノ基含有化合物が用いら
れる。基板との密着性を向上させるためのカップリング
剤として、シラン、アルミニウムおよびチタネート系の
化合物が使われる。これらの具体例としては、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノフェニルト
リエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランなどのシラン系、アセトアルコキシアルミニウム
ジイソプロピレ−トなどのアルミニウム系、テトライソ
プロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネ−トな
どのチタネート系を挙げることができるが、必ずしもこ
れらに限定されるものではない。熱重合禁止剤としては
ハイドロキノン、p−メトキシフェノールなどが用いら
れる。
【0022】次に、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物を
用いた硬化膜の形成法について説明する。本発明の紫外
線硬化性樹脂組成物はスピンコート、浸漬または噴霧印
刷などの公知の方法によりガラス基板上にパターニング
されたカラーフィルター上に塗布し塗膜を形成する。塗
膜は電気炉あるいはホットプレートなどの加熱手段を用
い、30〜150℃の温度でプリベークを行うことによ
り塗膜中の大部分の溶媒の除去を行う。この塗膜にネガ
マスクを置き、化学線を照射する。化学線としてはX
線、電子線、紫外線、あるいは可視光線などが例として
挙げられるが、紫外線または可視光線が特に好適であ
る。ついで必要により未露光部を現像液で溶解除去する
ことによりレリーフ・パターンを得る。現像液としては
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム、テトラアンモニウムヒドロキシド
などの弱アルカリ性水溶液を使用することができる。必
要により非溶媒中でリンスを行うこともできる。現像に
より形成されたレリーフ・パターンのポリマーの硬化を
促進するために上記加熱手段により150〜300℃、
好ましくは180〜250℃の温度でポストベークする
こともできる。
【0023】更に、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は
スピンコート、浸漬または噴霧印刷などの公知の方法に
より、シリコンウエハー、金属板、プラスチック板など
の基板上に塗布し、塗膜を形成し、前記のカラーフィル
ター保護膜の形成と同様にプリベーク、ポストベークす
ることにより、硬化膜を形成することができ、電気部品
の基板の平坦化などに用いることができる。
【0024】以下、合成例および実施例によって、本発
明を具体的に説明するが、本発明はこれらの合成例およ
び実施例により限定されるものではない。以下に示す各
例の「部」はすべて「重量部」である。重合体の極限粘
度は、ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液中3
0℃で測定した。
【0025】エポキシ基含有(メタ)アクリル系重合体
{(A)成分}の合成 (合成例1)メタクリル酸グリシジル(以下、GMAと
略す)の40部、N−ビニル−2−ピロリドン(以下、
VPと略す)の20部、およびアゾビスイソブチロニト
リル(以下AIBNと略記する)の2部を、メチルエチ
ルケトンの300部に溶解させて後、60℃で4時間、
続いて80℃で12時間重合を行った。得られた反応液
を多量のn−ヘプタン中に移してポリマーを沈殿させ、
濾別した後50℃の真空乾燥器中で一昼夜減圧乾燥し、
共重合体(A−Iとする)を得た。得られた共重合体の
極限粘度は0.095であった。
【0026】(合成例2)GMAの20部、VPの25
部、MMAの5部、およびAIBNの2部を、メチルエ
チルケトンの300部中に溶解させた以外は合成例1と
同様に合成し、極限粘度0.14の共重合体(A−II)
を得た。
【0027】カルボン酸基および多価カルボン酸無水物
基の内1種以上を含有する(メタ)アクリル系重合体
{(B)成分}の合成 (合成例3)MAの30部、MMAの70部およびAI
BNの1部をジエチレングリコールジメチルエーテルの
300部に溶解させた以外は合成例1と同様に合成し、
極限粘度0.18の共重合体(B−I)を得た。
【0028】(合成例4)MAHの30部、MAの10
部、MMAの50部、スチレンの10部、およびAIB
Nの1部を、メチルエチルケトンの300部中に溶解さ
せた以外は合成例1と同様に合成し、極限粘度0.14
の共重合体(B−II)を得た。
【0029】(実施例1)(A)成分として重合体(A
−I)を36部、(B)成分として重合体(B−I)を
64部、(C)成分としてペンタエリスリトールトリア
クリラートを120部、(D)成分として2−メチル−
1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリ
ノプロパン−1を5部、エチル−p−(N,N−ジメチ
ルアミノ)ベンゾエートを5部、イソプロピルチオキサ
ントンを3部およびシランカップリング剤(チッソ
(株)製:S510)5部を、溶媒のジエチレングリコ
ールジメチルエーテル(DIGと略す)の300部に溶
解させ、紫外線硬化性樹脂組成物を調製した。
【0030】この樹脂組成物をガラス板上に塗布し、7
0℃に保たれたホットプレート上で20分間プリベーク
し、塗膜を形成した。これらの塗膜にマスクを通して超
高圧水銀灯(20mw/cm2 )で20秒間露光した。
これらを2%炭酸ナトリウムからなる現像液に2分間浸
漬することにより現像を行い、水でリンスした。更に2
00℃のオーブン中で1時間ポストベークを行ったとこ
ろ、未露光部には残膜はなく、露光部には透明な膜が残
存していた。これとは別に同様な条件で全面露光した
後、現像液に浸漬することなくポストベークを行い塗膜
を形成した。
【0031】露光後現像液に浸漬して得た膜と露光後現
像液に浸漬しないで得た膜、すなわち現像の有無による
各々の膜厚を測定し、次の式により残膜率を測定し、結
果を表1に示した。 残膜率={露光後膜厚(現像あり)/露光後膜厚(現像
なし)}×100 次に、カラーフィルター保護膜として必要な特性である
透明性、基板との密着性、耐薬品性、耐熱性および耐ス
パッター性について測定した。またエポキシ基含有重合
体を低分子量酸無水物と混合した樹脂組成物の物性を比
較例1として示した。これらの結果を表1に示す。
【0032】カラーフィルター保護膜に必要な特性はつ
ぎの方法で測定し、結果を表1に示す。 (透明性)島津製作所製分光光度計UV−210Aによ
り光透過性を測定し、波長400nmでの光透過率を示
した。 (耐熱性)250℃で3時間熱処理後の透明性を示し
た。 (耐薬品性)N−メチル−2−ピロリドン液に室温で3
0分間垂直に固定して浸し、液中に没している部分とそ
うでない部分との境界線が目視により見分けられるかど
うかを判定した。境界線が目視できる場合を×、できな
い場合を○とした。 (耐スパッター性)スパッターにより、200℃で膜厚
200オングストロームのITO膜(インジュウムース
ズ酸化物)を硬化膜上に形成せしめた時、膜の皺発生の
有無を調べた。しわがある時を×、ない時を○とした。 (密着性)硬化膜上に切り目を入れて一片1mmの正方
形の小片を100個作り、その表面にセロハンテープを
貼り付け直ちににはがした。その時セロハンテープと共
に硬化膜のはがれがある時を×とし、ない時を○とし
た。
【0033】実施例2〜4 各成分などの配合を表1に示すように調合する以外は、
実施例1と同様に行い、紫外線硬化性樹脂組成物を調製
した。該組成物の特性およびカラーフィルター保護膜に
必要な特性の測定結果を表1に示す。
【0034】比較例1 (B)、(C)および(D)成分を使用せず、架橋剤を
用いて、表1の配合とする以外、実施例1と同様に行
い、樹脂組成物を得た。該組成物のカラーフィルター保
護膜に必要な特性の測定結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1の組成物の特性の結果から、本発明の
樹脂組成物から得た塗膜はアルカリ水溶液により現像が
可能であることが明らかである。
【0037】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物から得られた塗膜は
アルカリ水溶液により現像が可能であり、かつ硬化膜は
カラーフィルター保護膜の必要特性である透明性、耐熱
性、耐薬品性、耐スパッター性および密着性などをすべ
て充たしており、この用途に適した樹脂であることが明
らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/004 511 7/028 7/038 503

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(A)、(B)、(C)および
    (D)の4成分を含有することを特徴とする紫外線硬化
    性樹脂組成物。 (A)一般式(I) 【化1】 で示される構造単位と、一般式(II) 【化2】 で示される構造単位とを主構造単位として含み、ジエチ
    レングリコールジメチルエーテル中における30℃での
    極限粘度が0.05〜1であるエポキシ基含有(メタ)
    アクリル系共重合体。 (B)ジエチレングリコールジメチルエーテル中におけ
    る30℃での極限粘度が0.05〜1であるカルボン酸
    基および多価カルボン酸無水物基の内の1種以上を含有
    する(メタ)アクリル系重合体。 (C)(メタ)アクリル基を有する単量体。 (D)光重合開始剤。 (ただし、一般式(I)および(II)において、R1 および
    2 は独立に水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基
    であり、mは1〜4の整数を示す)。
  2. 【請求項2】(A)成分の一般式(I)で示される構造単
    位がメタクリル酸グリシジルから導かれるものであり、
    一般式(II)で示される構造単位が、N−ビニル−2−ピ
    ロリドンから導かれるものであり、かつ(B)成分が、
    メタクリル酸メチル、メタクリル酸および無水マレイン
    酸から得られる共重合体、メタクリル酸メチルおよびメ
    タクリル酸から得られる共重合体、またはメタクリル酸
    メチルおよび無水マレイン酸とから得られる共重合体で
    あることを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】下記の(A)、(B)、(C)および
    (D)の4成分を含有する紫外線硬化性樹脂組成物を基
    板に塗布し、必要によりプリベークし、紫外線を照射
    し、必要によりエッチングを行い、また必要によりポス
    トベークを行うことにより得られるカラーフィルター保
    護膜。 (A)一般式(I) 【化3】 で示される構造単位と、一般式(II) 【化4】 で示される構造単位とを主構造単位として含み、ジエチ
    レングリコールジメチルエーテル中における30℃での
    極限粘度が0.05〜1であるエポキシ基含有(メタ)
    アクリル系共重合体。 (B)ジエチレングリコールジメチルエーテル中におけ
    る30℃での極限粘度が0.05〜1であるカルボン酸
    基および多価カルボン酸無水物基の内の1種以上を含有
    する(メタ)アクリル系重合体。 (C)(メタ)アクリル基を有する単量体。 (D)光重合開始剤。 (ただし、一般式(I)および(II)において、R1および
    2は独立に水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基
    であり、mは1〜4の整数を示す)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006309183A (ja) * 2005-03-28 2006-11-09 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタ保護膜用組成物およびそれを用いたカラーフィルタ
CN103936926A (zh) * 2014-04-30 2014-07-23 中国科学院理化技术研究所 侧链带有活性双键的兼具水溶性和油溶性的成膜树脂及其制备方法

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