JPH06145393A - 帯電性の改良された易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法 - Google Patents

帯電性の改良された易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法

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JPH06145393A
JPH06145393A JP4301143A JP30114392A JPH06145393A JP H06145393 A JPH06145393 A JP H06145393A JP 4301143 A JP4301143 A JP 4301143A JP 30114392 A JP30114392 A JP 30114392A JP H06145393 A JPH06145393 A JP H06145393A
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polyester film
polyester
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aqueous
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Teruo Takahashi
輝夫 高橋
Masayuki Fukuda
雅之 福田
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低帯電性で静電障害がなく、かつ磁気塗料等
の接着性に優れたプライマー層を塗設した易接着性ポリ
エステルフイルム及びその製造方法を提供する。 【構成】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、
(A)水性ポリエステル、(B)アクリル系ポリマー及
び(C)ポリビニルピロリドンのブレンドポリマーのプ
ライマー層を設けていることを特徴とする帯電性の改良
された易接着性ポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は帯電性の改良された易接
着性ポリエステルフイルム及びその製造方法に関し、更
に詳しくは、低帯電性で静電障害がなく、かつ磁気塗料
等の接着性に優れたプライマー層を塗設した易接着性ポ
リエステルフイルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチ
レンテレフタレートもしくはその共重合体、ポリエチレ
ンナフタレートもしくはその共重合体、あるいはこれら
と小割合の他樹脂とのブレンド物等を溶融押出し、製膜
することは公知である。そして得られる二軸延伸熱固定
したポリエステルフイルムは耐熱性、機械的特性、電気
的特性及び耐薬品性が他の樹脂からなるフイルムに比べ
て優れていることも知られている。
【0003】ところで、ポリエステルフイルムの表面は
高度に結晶配向されているので、表面の凝集性が高く、
例えば塗料、接着剤、インキ等の接着性に乏しい。
【0004】そこで、この接着性を改善する方法として
物理処理例えばコロナ処理、紫外線処理、プラズマ処
理、EB処理、火焔処理等、あるいは薬剤処理例えば、
アルカリ、アミン水溶液、トリクロル酢酸フェノール類
等の薬剤による処理が知られている。しかしながら、こ
れらの方法は接着力の経時劣化や薬剤の揮散による作業
環境の汚染等の実用上不利な問題がある。
【0005】もう一つの手段としては通常のポリエステ
ルフイルムの製膜工程以外のプロセスでフイルム表面に
易接着性塗液を塗布してプライマー層を設ける方法が知
られている。しかし、この方法では、通常塗液の溶剤と
して有機溶剤を用い、またコーティング雰囲気が十分に
クリーンであるとは言い難いので、塵埃の付着による加
工商品の表面欠陥の多発、あるいは有機溶剤による環境
の悪化等の安全、衛生上の問題がある。
【0006】そこで、このプライマー処理を水系塗剤を
用いてポリエステルフイルムの製膜工程中で行なえば、
クリーンな環境の中で塵埃の付着もなく、また水系溶媒
のため爆発の恐れや環境の悪化もなく、フイルムの性
能、経済面、安全上の点で有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、従来技術
の欠点を解消し、耐熱性、低帯電性、耐ブロッキング性
及び易接着性に優れたプライマー層を開発すべく鋭意研
究した結果、本発明に到達した。
【0008】本発明の目的は、その製造過程で塗膜の転
写や脱落がなく、ポリエステルフイルムに塗布される種
々の被覆物、例えばオフセットインキ、グラビヤイン
キ、シルクスクリーンインキ、UVインキ、磁気塗料、
ゼラチン組成物、粘着剤、電子写真トナー、ケミカルマ
ット塗料、ジアゾ塗料、ハードコート塗料、UV塗料、
ヒートシール性付与組成物、無機質皮膜形成性物質等、
特に磁気塗料に対し優れた接着性を有し、かつ帯電性が
低く、粘着性のないプライマー層を有する易接着性ポリ
エステルフイルム及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、 1. ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、
(A)水性ポリエステル、(B)アクリル系ポリマー及
び(C)ポリビニルピロリドンのブレンドポリマーのプ
ライマー層を設けていることを特徴とする帯電性の改良
された易接着性ポリエステルフイルム、並びに 2. 配向結晶化が完了する前のポリエステルフイルム
の少なくとも片面に(A)水性ポリエステル、(B)ア
クリル系ポリマー及び(C)ポリビニルピロリドンを含
むプライマー水性液を塗布し、次いで乾燥延伸、差にに
熱固定処理を施して配向結晶化を完了せしめることを特
徴とする帯電性の改良された易接着性ポリエステルフイ
ルムの製造方法によって達成される。
【0010】本発明においてプライマーを構成する水性
ポリエステル(A)は、多塩基酸またはそのエステル形
成性誘導体とポリオールまたはそのエステル形成性誘導
体とから合成される実質的に線状のポリエステルであ
る。
【0011】このポリエステルの多塩基酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6―
ナフタレンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、
フェニルインダンジカルボン酸、フェニルキノキサリン
ジカルボン酸、ピロメリット酸、ダイマー酸等を例示す
ることができる。これら成分は2種以上を用いることが
できる。更に、これら成分と共にマレイン酸、フマール
酸、イタコン酸等の如き不飽和多塩基酸やp―ヒドロキ
シ安息香酸、p―(β―ヒドロキシエトキシ)安息香酸
等の如きヒドロキシカルボン酸を小割合用いることがで
きる。不飽和多塩基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分
の割合は高々10モル%、好ましくは5モル%以下であ
る。
【0012】また、ポリオール成分としてはエチレング
リコール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,6―ヘキサンジオール、1,4―シクロヘキサ
ンジメタノール、キシリレングリコール、ジメチロール
プロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビ
スフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等を例示
することができる。これらは2種以上を用いることがで
きる。
【0013】上記ポリエステルは、例えば分子内に有機
スルホン酸塩、カルボン酸塩、ジエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル等の如き親水性基含有化合物を共重合したものが水分
散液を作るのに有利となり、好ましい。このカルボン酸
塩の導入は、通常三官能以上のカルボン酸を用いるが、
このカルボン酸は重合の工程で分岐が起り、ゲル化しや
すいのでその共重合割合を小さくすることが望ましい。
この点、スルホン酸塩、ジエチレングリコール、ポリア
ルキレンエーテルグリコール等による親水基の導入はカ
ルボン酸塩のときの問題が生ぜず好ましく、中でもスル
ホン酸塩が最も好ましい。
【0014】スルホン酸塩の基を水性ポリエステルの分
子内に導入するためには、例えば5―Naスルホイソフ
タル酸、5―アンモニウムスルホイソフタル酸、4―N
aスルホイソフタル酸、4―メチルアンモニウムスルホ
イソフタル酸、2―Naスルホテレフタル酸、5―Kス
ルホイソフタル酸、4―Kスルホイソフタル酸、2―K
スルホイソフタル酸、Naスルホコハク酸等のスルホン
酸アルカリ金属塩系又はスルホン酸アミン塩系化合物等
を用いることが好ましい。スルホン酸塩の基を有する多
価カルボン酸又は多価アルコールは全多価カルボン酸成
分又は多価アルコール成分中0.5〜20モル%、更に
は1〜18モル%を占めることが好ましい。
【0015】また、カルボン酸塩基を水性ポリエステル
の分子内に導入するためには、例えば無水トリメリット
酸、トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ピロメリッ
ト酸、トリメシン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、
ジメチロールプロピオン酸等の化合物を用いることがで
きる。また、カルボン酸塩はカルボン酸をアミノ化合
物、アンモニア、アルカリ金属等で中和することによっ
て得ることができる。
【0016】親水性基含有化合物をポリエステルの分子
内に導入する場合には公知の種々な方法を採用すること
ができる。カルボン酸塩や有機スルホン酸塩の基を導入
する場合について更に説明すると、例えば 分子内にカルボン酸塩または有機スルホン酸塩の基
を有する化合物を出発原料の1成分としてポリエステル
を合成する方法、 分子内にカルボン酸の基を3個以上有する化合物を
出発原料の1成分としてポリエステルを合成した後に該
ポリエステル中の遊離のカルボキシル基をアンモニア、
アミン、アルカリ金属化合物等で媒体中に中和させる方
法 等の方法がある。の方法を更に説明すると、例えば無
水トリメリット酸をポリエステル原料の1成分として用
いて側鎖に遊離のカルボキシル基を有するポリマーを造
り、反応終了後にアンモニア水を添加して中和し、水性
ポリエステルを造ることができる。ポリエステルは溶融
重合法で製造することが好ましい。
【0017】本発明における水性ポリエステル(A)
は、従来からのポリエステルの製造技術によって製造す
ることができる。例えばテレフタル酸またはそのエステ
ル形成性誘導体、イソフタル酸またはそのエステル形成
性誘導体、及び5―ナトリウムスルホイソフタル酸また
はそのエステル形成性誘導体を、エチレングリコール及
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物と反応せ
しめて、モノマーもしくはオリゴマーを形成し、その後
真空下で重縮合せしめることによって所定の固有粘度の
ポリエステルとする方法で製造することができる。その
際、反応を促進する触媒、例えばエステル化もしくはエ
ステル交換触媒、重縮合触媒を用いることができ、また
種々の添加剤、例えば安定剤を添加することもできる。
【0018】本発明におけるプライマーを構成する水性
ポリエステル(A)の固有粘度は0.2〜0.8が好ま
しい。ここで、固有粘度とはO―クロロフェノールを用
いて35℃で測定した値である。
【0019】本発明においてポリマーを構成するアクリ
ル系ポリマー(B)は下記のアクリル系モノマーを主成
分とした共重合ポリマーである。
【0020】かかるモノマーとしては、例えばアルキル
アクリレート(アルキル基としてはメチル、エチル、n
―プロピル、n―ブチル、イソブチル、t―ブチル、2
―エチルヘキシル、シクロヘキシル等)、アルキルメタ
クリレート(アルキル基は前記と同じ);2―ヒドロキ
シエチルアクリレート、2―ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2―ヒドロキシプロピルアクリレート、2―ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モ
ノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N―メチ
ルメタクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、N―
メチロールアクリルアミド、N―メチロールメタクリル
アミド、N,N―ジメチロールアクリルアミド、N―メ
トキシメチルアクリルアミド、N―メトキシメチルメタ
クリルアミド、N―フェニルアクリルアミド等のアミド
基含有モノマー;N,N―ジエチルアミノエチルアクリ
レート、N,N―ジエチルアミノエチルメタクリレート
等のアミノ基含有モノマー;グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマ
ー;アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩(ナトリ
ウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩)等のカルボキシ
ル基またはその塩を含有するモノマー等があげられる。
【0021】これらのモノマー以外に他種のモノマーを
小割合併用することができる。その他種モノマーとして
は、例えばアクリグリシジルエーテル等のエポキシ基含
有モノマー;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸及
びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩等)等のスルホン酸基又はその塩を含有するモノマ
ー;クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸
及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニ
ウム塩等)等のカルボキシル基またはその塩を含有する
モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水
物基を含有するモノマー;ビニルイソシアネート、アリ
ルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、
ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラ
ン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマー
ル酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニルデ
ン、酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げられる。上述のモ
ノマーは1種もしくは2種以上を用いて共重合させるこ
とができる。
【0022】本発明においてプライマーを構成するポリ
ビニルピロリドン(C)はビニルピロリドンのホモポリ
マー又はビニルピロリドンを主成分とするコポリマーで
ある。このコポリマー中のビニルピロリドン成分の割合
は60重量%以上が好ましく、さらに70重量%以上が
好ましい。ビニルピロリドンと共重合させ得るモノマー
としては、例えば上記のアクリル系ポリマーを構成す
る、例えばアルキルアクリレート等のアクリル系モノマ
ー及びアリルグリシジールエーテル等の他種のモノマー
が挙げられる。
【0023】本発明においてプライマーを構成する成分
の中で水性ポリエステル(A)はポリエステルフイルム
との接着性を、アクリル系ポリマー(B)は易滑性と被
覆物への接着性を、さらにポリビニルピロリドン(C)
は低帯電性の特性を主に負担している。それ故、この成
分の特性を充分発揮できるブレンド範囲は図1のA,
B,C,D,Eで囲まれる五角型内の範囲が好ましく、
更に好ましくは、F,G,H,I,Jで囲まれる五角型
内の範囲である。例えば、A点を超えてポリビニルピロ
リドン(C)を含有させると、ポリエステルフイルム及
び被覆物への接着性が失われる。また、B,C点を超え
て水性ポリエステル(A)を含有させると、高帯電性に
なる。更にE,D点を超えてアクリル系ポリマー(B)
を含有させると、ポリエステルフイルムへの接着力が低
下し、帯電性が高くなり、好ましくない。
【0024】本発明におけるプライマー塗液は水性ポリ
エステル(A)、アクリル系ポリマー(B)及びポリビ
ニルピロリドン(C)を水性媒体に添加して調製する
が、該塗液には、ポリエステルフイルムへの濡れ性を向
上させるために濡れ剤を含有させることが好ましい。濡
れ剤としては、アニオン型界面活性剤、カチオン型界面
活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活性剤が好まし
く、例えばポリエチレンオキサイド・ポリプロピレンオ
キサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン―脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エ
ステル、脂肪酸金属石鹸、アルカンスルホン酸塩、アル
キル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
スルホン酸塩、アルキルジフェニールエーテルジスルホ
ン酸塩、アルキルスルホンコハク酸塩、第4級アンモニ
ウムクロライド塩、アルキルアミン塩酸等を挙げること
ができる。これらの中で、ノニオン型界面活性剤が液安
定性の面でより好ましい。濡れ剤の量としては、プライ
マー全固形分の2〜30重量%が好ましく、より好まし
くは3〜20重量%である。
【0025】更に本発明の効果を消失させない範囲にお
いて、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機フ
ィラー、無機フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤、
メラミン、エポキシ、アジリジン等の架橋剤等の他の添
加剤を混合することができる。
【0026】水性プライマー塗液の固形分濃度は、通常
30重量%以下であり、10重量%以下が更に好まし
い。塗布量は走行しているフイルム1m2 当り0.5〜
20g、さらには1〜10gが好ましい。最終乾燥厚さ
として0.005〜1g/m2、好ましくは0.01〜
0.2g/m2 である。
【0027】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレー
コート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコ
ート法などを単独又は組み合わせて適用するとよい。こ
の水性プライマー塗液には、塗液の安定性又は塗液の塗
工性を助ける目的で若干量の有機溶剤を含んでもよい。
【0028】水性プライマー塗液の塗布は、結晶配向の
完了したポリエステルフイルムに対して行ってもよい
が、結晶配向が完了する前のポリエステルフイルムに対
して行うのが好ましく、特に縦延伸したポリエステルフ
イルムに対して行うのが好ましい。なお、ロール縦延伸
前に水性プライマー塗液を塗布する場合には、ロール延
伸に耐える耐熱性が求められる。
【0029】水性プライマー塗液を塗布した縦延伸ポリ
エステルフイルムは、乾燥され、横延伸、熱固定等の工
程に導かれる。例えば水性プライマー塗液を塗布した縦
延伸ポリエステルフイルムは、ステンターに導かれて横
延伸及び熱固定される。この間塗布液は乾燥し、フイル
ム上に皮膜を形成する。乾燥は横延伸前あるいは横延伸
時に行うとよい。
【0030】本発明においてポリエステルフイルムの好
ましい例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンイソフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4
―シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)または
これらに他の共重合成分を共重合させたコポリマーから
なるフイルムが挙げられる。
【0031】このようにして得られるプライマー層を有
するポリエステルフイルムは種々の被覆物例えばセロフ
ァン用インキ、磁気塗料、ゼラチン組成物、電子写真用
トナー組成物、ケミカルマット塗料、ジアゾ塗料、UV
インキ等の極めて広汎な塗料に対して高い接着性を示
し、特に磁気塗料に強い接着性を示し、かつ粘着性が低
く、粘着性のない良好な耐ブロッキング性を示す。
【0032】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に説明す
る。
【0033】なお、例中の「部」は「重量部」を意味す
る。またフイルムの各特性は次の方法で測定した。
【0034】1.接着性 (A)磁気塗料 プライマー被覆ポリエステルフイルムに評価塗料をマイ
ヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになるように塗布
し、100℃で3分間乾燥する。その後60℃で24時
間エージングし、次いでスコッチテープNo.600
(3M社製)巾12.7mm、長さ15cmを気泡の入らな
いように粘着し、この上をJIS C2701(197
5)記載の手動式荷重ロールでならし密着させ、テープ
巾に切り出す。これを180度剥離した時の強力を測定
する。
【0035】[評価用塗料] 固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 25部 (日本ポリウレタン製) 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA(積水化学製)50部 分散剤 レシオンP(理研ビタミン製) 1部 磁性剤 CTX―860(戸田化学製) 500部 をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶剤に溶解し、40%液にし、サンドグラインダーで
2時間分散する。その後架橋剤のコロネートL25部
(固形分換算)を添加し、よく攪拌して磁性塗料を得
る。 (B)UVインキ サンプルのポリエステルフイルムの上に紫外線硬化型印
刷インキ(東洋インキ製フラッシュドライFDO紅AP
N)をRIテスター(明製作所製)により印刷した後、
中圧水銀灯(80W/cm、一灯式:日本電池製)VUキ
ュア装置でキュアリングを行い、厚み7.0μmのUV
インキ層を形成する。
【0036】このUVインキ層の上にカッターナイフで
ゴバン目の切れ込みをいれ、そしてセロテープを貼付
し、90°正剥離を行い、その剥離状態を5段階で表示
する(良:5←→1:悪)。
【0037】2.ブロッキング性 ポリエステルフイルムの表面と裏面を合わせてから10
cm×15cm角に切り、これに50℃×50%RHの雰囲
気中で17時間、50kg/cm2 の加重をかけ、次いでこ
の10cm巾の剥離強度を測定する。このときの剥離スピ
ードは100mm/分である。
【0038】3.表面滑り性 処理面と非処理面の滑り性を23℃×55%RHにおい
て1kg荷重の静摩擦係数を東洋テスター社のスリッパ
リー測定試験機を用いて測定した。
【0039】4.帯電性 片面プライマー被覆ポリエステルフイルムロール(50
0mm幅×3000m長さ)を23℃×75%RHの雰囲
気下で150m/min のスピードで巻き返し、そのロー
ルの剥離帯電量をヒューグルエレクトロニクス(株)社
のMODEL―203デジタル式静電気測定器で測定す
る。
【0040】
【実施例1〜6】35℃のo―クロロフェノール中で測
定した固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート
を溶融押出して厚み158μmの未延伸フイルムを得、
次いでこれを機械軸方向に3.5倍延伸したのち表1に
示す組成比の3成分ブレンドポリマー90部及びポリオ
キシエチレン(n=9)ノニルフェニルエーテル10部
を水に溶解又は分散した水性プライマー塗布液(固形分
4wt%)を一軸延伸フイルムの片面に塗布した。その
後、105℃で3.9倍に横方向に延伸し、200℃で
4.2秒間熱処理を施し、平均塗布量20mg/m2 で厚
さ12.2μmの二軸延伸プライマー被覆ポリエステル
フイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性、耐ブ
ロッキング性、帯電性を測定した。その結果を表2に示
す。
【0041】
【表1】
【0042】
【比較例1】水性プライマー液を塗布しなかった以外
は、実施例1と全く同様の方法でプレーン二軸延伸ポリ
エステルフイルムを得た。このフイルムの特性を表2に
示す。
【0043】
【比較例2〜4】実施例1の水性ポリエステル(比較例
2)、アクリル系ポリマー(比較例3)及びポリビニル
ピロリドン(比較例4)を各々単独で90部及びポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル10部からなる水
性プライマー液を用いた以外は全く実施例1と同様な方
法でプイラマー被覆ポリエステルフイルムを得た。これ
らのフイルムの特性を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2から明らかな如く実施例の易接着性ポ
リエステルフイルムは、接着性、ブロッキング性、表面
滑り性、帯電性に優れたものである。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステルフイルム
に塗布される種々の被覆物、例えばオフセットインキ、
グラビヤインキ、シルクスクリーンインキ、UVイン
キ、磁気塗料、ゼラチン組成物、粘着剤、電子写真トナ
ー、ケミカルマット塗料、ジアゾ塗料、ハードコート塗
料、UV塗料、ヒートシール性付与組成物、無機質皮膜
形成性物質等、特に磁気塗料に対し優れた接着性を有し
かつ粘着性のない、更に帯電性の低いプライマー層を有
する易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水性ポリエステル(A)、アクリル系ポリマー
(B)及びポリビニルピロリドン(C)の組成比(重量
%)を示す3角座標の図である。
【符号の説明】
A:成分A10,成分B10,成分C80 B:成分A70,成分B10,成分C20 C:成分A70,成分B15,成分C15 D:成分A15,成分B70,成分C15 E:成分A10,成分B70,成分C20 F:成分A15,成分B10,成分C75 G:成分A50,成分B10,成分C40 H:成分A50,成分B25,成分C25 I:成分A25,成分B50,成分C25 J:成分A15,成分B50,成分C35
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 9:00 4F C08L 67:02 8933−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、(A)水性ポリエステル、(B)アクリル系ポリマ
    ー及び(C)ポリビニルピロリドンのブレンドポリマー
    のプライマー層を設けていることを特徴とする帯電性の
    改良された易接着性ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 配向結晶化が完了する前のポリエステル
    フイルムの少なくとも片面に(A)水性ポリエステル、
    (B)アクリル系ポリマー及び(C)ポリビニルピロリ
    ドンを含むプライマー水性液を塗布し、次いで乾燥、延
    伸、さらに熱固定処理を施して配向結晶化を完了せしめ
    ることを特徴とする帯電性の改良された易接着性ポリエ
    ステルフイルムの製造方法。
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