JPH0740521A - 帯電防止性ポリエステルフイルム及びその製造方法 - Google Patents

帯電防止性ポリエステルフイルム及びその製造方法

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JPH0740521A
JPH0740521A JP18483793A JP18483793A JPH0740521A JP H0740521 A JPH0740521 A JP H0740521A JP 18483793 A JP18483793 A JP 18483793A JP 18483793 A JP18483793 A JP 18483793A JP H0740521 A JPH0740521 A JP H0740521A
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film
polyester film
polyester
acid
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JP18483793A
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Teruo Takahashi
輝夫 高橋
Hiroshi Kobayashi
洋 小林
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗布斑のない帯電防止層を有し、放電引火火
災等の静電気障害がなく、帯電性の改良されたポリエス
テルフイルム及びその製造方法を提供する。 【構成】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面にス
ルホン酸塩基を有する帯電防止剤及びHLBが12.0
以下の界面活性剤を含有する帯電防止剤を設けてなるこ
とを特徴とする帯電防止性ポリエステルフイルム、並び
に配向結晶化が完了する前のポリエステルフイルムの少
なくとも片面にスルホン酸塩基を有する帯電防止剤及び
HLBが12.0以下の界面活性剤を含有する帯電防止
水性塗液を塗布し、次いで乾燥、延伸、熱固定処理を施
してフイルムの配向結晶化を完了させることを特徴とす
る帯電防止性ポリエステルフイルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は帯電防止性ポリエステル
フイルム及びその製造方法に関し、更に詳しくは斑のな
い帯電防止層を有し、放電引火火災等の静電障害がな
く、帯電防止性の改良されたポリエステルフイルム及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチ
レンテレフタレート、ポリ(1,4―シクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレー
トもしくはこれらの共重合体、あるいはこれらと小割合
の他の樹脂とのブレンド物等を溶融押出し、二軸延伸
後、熱固定したポリエステルフイルムは、機械強度、耐
熱性、耐薬品性等に優れ、産業上種々の分野で利用され
ている。その際、用途に適った特性を付与するために表
面処理が施されるが、例えばポリエステルフイルムの表
面は高度に配向結晶化されているので、塗料、接着剤、
インキ等の受容性に乏しいという問題がある。
【0003】そこで、この接着性を改善する方法とし
て、物理処理例えばコロナ処理、紫外線処理、プラズマ
処理、EB処理、火焔処理等、あるいは薬剤処理例えば
アルカリ水溶液、アミン水溶液、トリクロル酢酸フェノ
ール類等の薬剤による処理が知られている。しかしなが
ら、これらの方法は接着力の経時劣化や薬剤の揮散によ
る作業環境の汚染等の実用上不利な問題がある。
【0004】もう一つの手段として、通常のポリエステ
ルフイルムの製膜工程以外のプロセスでフイルム表面に
易接着性塗液を塗布してプライマー層を設ける方法が知
られている。しかし、この方法では、通常塗液の溶剤と
して有機溶剤を用い、またコーティング雰囲気が十分に
クリーンであるとは言い難いので、塵埃の付着による加
工商品の表面欠陥の多発、あるいは有機溶剤による環境
の悪化等の安全、衛生上の問題がある。
【0005】そこで、このプライマー処理を水系塗液を
用いてポリエステルの製膜工程中で行なえば、クリーン
な環境の中で塵埃の付着もなく、また水系溶液のため爆
発の恐れや環境の悪化もなく、フイルムの性能、経済
面、安全上の点で有利である。
【0006】しかし、得られる易接着性ポリエステルフ
イルムは、基材フイルムの表面に異種のケミカルズが積
層されていることが原因と推定されるが、静電気が起り
やすく、帯電性が高いという欠点を有している。
【0007】また、前記ポリエステルフイルムは易滑性
を要求されることが多く、このためフイルム表面に易滑
性塗液を塗布して易滑層を設けることが行われている。
この場合も、易接着性ポリエステルフイルムと同様に、
静電気が起こりやすく、帯電性が高いという欠点があ
る。
【0008】上述のように、ポリエステルフイルム上に
プライマー層や易滑層のような異質な塗膜を塗設する
と、両者間に接触電位差が発生し、電荷が移動局在化す
ることでフイルム表面が帯電する。この帯電性は、フイ
ルムを剥離する時に起る剥離帯電又はフイルム走行時に
発生する金属ロール又はゴムロールとの摩擦帯電と関連
する。
【0009】ポリエステルフイルムの表面加工処理に
は、通常有機溶剤を含んだ塗液が用いられており、高帯
電フイルムの静電荷の放電によって引火爆発を起す危険
性が高い。そこで、帯電防止性のポリエステルフイルム
が求められている。
【0010】この帯電防止性を改善する方法として、帯
電防止剤を含む塗液を塗布し、帯電防止層を設ける方法
が知られている。例えば、スルホン酸塩基を有する帯電
防止剤を含んだ水系塗液を塗布することが知られてい
る。
【0011】しかし、本発明者の研究結果によれば、こ
の帯電防止剤は親水性が強く、ポリエステルフイルムで
の塗液の乾燥過程でハジキを発生する欠点があり、帯電
防止層にハジキ塗布斑が起こる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、このハジ
キを防止し、ハジキ塗布斑のない帯電防止層を形成すべ
く鋭意研究した結果、スルホン酸塩基を有する帯電防止
剤に特定の界面活性剤を添加すると、上記ハジキが防止
でき、斑のない帯電防止層を設けた、すぐれた帯電防止
性のポリエステルフイルムが得られることを知見し、本
発明に到達した。
【0013】本発明の目的は、斑のない帯電防止層を有
し、放電引火火災等の静電気障害がなく、帯電性の改良
されたポリエステルフイルム及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
本発明によれば、 1. ポリエステルフイルムの少なくとも片面にスルホ
ン酸塩基を有する帯電防止剤及びHLBが12.0以下
の界面活性剤を含有する帯電防止剤を設けてなることを
特徴とする帯電防止性ポリエステルフイルム。 2. 配向結晶化が完了する前のポリエステルフイルム
の少なくとも片面にスルホン酸塩基を有する帯電防止剤
及びHLBが12.0以下の界面活性剤を含有する帯電
防止水性塗液を塗布し、次いで乾燥、延伸、熱固定処理
を施してフイルムの配向結晶化を完了させることを特徴
とする帯電防止性ポリエステルフイルムの製造方法。に
よって達成される。
【0015】本発明においてポリエステルフイルムを構
成するポリエステルとは、芳香族二塩基酸またはそのエ
ステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成
性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルであ
る。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリ(1,4―シクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン―2,6
―ナフタレンジカルボキシレート等が例示でき、これら
の共重合体またはこれらと小割合の他樹脂とのブレンド
物なども含まれる。
【0016】本発明におけるポリエステルには、フイル
ム特性を向上する剤例えば滑剤、帯電防止剤、着色剤、
難燃剤、遮光剤、安定剤、紫外線吸収剤等を含有させる
ことができる。この滑剤としては内部析出粒子、外部添
加粒子のいずれでもよく、また2種以上のものを組合せ
たものでもよい。外部添加粒子としては、例えばシリ
カ、カオリン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸
化チタン、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子
等を挙げることができ、内部析出粒子としては例えばア
ルカリ(土類)金属化合物、リン化合物等の組合せでポ
リエステル製造中に析出させたものを挙げることができ
る。
【0017】本発明におけるポリエステルはそれ自体公
知であり、かつ公知の方法で製造することができる。ポ
リエステルの固有粘度(O―クロロフェノール、35
℃)は0.45〜0.9が好ましい。
【0018】本発明においては、ポリエステルを常法に
より溶融押出し冷却固化して非晶質の未延伸フイルムを
得る。そして、この未延伸フイルムは、先ず縦方向に延
伸し、次いで横方向に延伸する。これらの延伸はフイル
ムを走行させて行う。縦方向及び横方向の延伸手段は公
知の手段を用いることができる。例えば、縦方向の延伸
(縦延伸)は未延伸フイルムを加熱ロール群で加熱し、
低速ロールと高速ロールの周速差を利用して行う。その
際、低速ロールと高速ロールの間に赤外線ヒーターを設
けてフイルムを延伸温度に加熱することが好ましく、ま
た低速ロールでフイルムを延伸温度に加熱しても良い。
この縦方向の延伸は通常2.5〜4.5倍の倍率で行
う。また、横方向の延伸(横延伸)はテンター式延伸熱
処理装置を用いて行う。この横方向の延伸は通常2.5
〜4.5倍の倍率で行う。次いで150〜240℃の温
度で熱処理し、配向結晶化を完了する。
【0019】ポリエステルフイルムの延伸処理は、上記
逐次二軸延伸法以外にも同時二軸延伸法や多段延伸法
(縦―横―縦、縦―横―縦―横、縦―縦―横、縦―横―
横等)を用いることもできる。
【0020】本発明における帯電防止層は、帯電防止剤
を固着するバインダー、スルホン酸金属塩基を有する帯
電防止剤及びHLBが12.0以下の界面活性剤からな
る。
【0021】このバインダーは帯電防止剤を固着する役
割を果たすものであり、例えば水分散又は水溶性の樹脂
である。
【0022】この具体的な例としては、ポリビニールア
ルコール、ポリビニールピロリドン、メチルセルロース
等の繊維素系、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステ
ル樹脂、水性(メタ)アクリル樹脂、水性ポリエステル
・ポリアクリルコポリマー、水性フェノキシ樹脂、水性
塩化ビニリデン樹脂等を挙げることができる。これらの
中、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂及び
水性ポリエステル・ポリアクリルコポリマーが好まし
く、特に水性ポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0023】前記水性ポリエステル樹脂をはじめ、水性
ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル・ポリアクリルコ
ポリマー等は易接着能を有することから、これらをバイ
ンダーとして用いると帯電防止・易接着層を形成するこ
とができる。そしてこの場合、得られるポリエステルフ
イルムは種々の被覆物、例えばオフセットインキ、グラ
ビヤインキ、シルクスクリーンインキ、UVインキ、磁
性塗料、ゼラチン組成物、粘着剤、電子写真トナー、ケ
ミカルマット塗料、ジアゾ塗料、ハードコート塗料、U
V塗料、ヒートシール性付与組成物、無機質皮膜形成性
物質等、特に磁性塗料に対し優れた接着性を奏し、かつ
優れた帯電防止性を有する。
【0024】前記水性ポリエステル樹脂は、多塩基酸ま
たはそのエステル形成性誘導体とポリオールまたはその
エステル形成性誘導体とから合成される、実質的に線状
のポリエステルである。
【0025】このポリエステル樹脂の多塩基酸成分とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6
―ナフタレンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、ダイマー酸等を例示することがで
きる。これら成分は2種以上を用いることができる。更
に、これら成分と共にマレイン酸、フマール酸、イタコ
ン酸等の如き不飽和多塩基酸やp―ヒドロキシ安息香
酸、p―(β―ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の如き
ヒドロキシカルボン酸を小割合用いることができる。不
飽和多塩基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分の割合は
高々10モル%、好ましくは5モル%以下である。
【0026】また、ポリオール成分としては、エチレン
グリコール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,6―ヘキサンジオール、1,4―シクロヘキ
サンジメタノール、キシリレングリコール、ジメチロー
ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テト
ラメチレンオキシド)グリコール等を例示することがで
きる。これらは2種以上を用いることができる。
【0027】上記水性ポリエステル樹脂は、例えば分子
内に有機スルホン酸塩、カルボン酸塩、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等の如き親水性基含有化合物を共重合したも
のが水性液を作るのに有利となり、好ましい。このカル
ボン酸塩の導入は、通常三官能以上のカルボン酸を用い
るが、このカルボン酸は重合の工程で分岐が起り、ゲル
化しやすいのでその共重合割合を小さくすることが望ま
しい。この点、スルホン酸塩、ジエチレングリコール、
ポリアルキレンエーテルグリコール等による親水性基の
導入はカルボン酸塩のときの問題が生ぜず、より有利で
ある。
【0028】スルホン酸塩の基をポリエステル分子内に
導入するためには、例えば5―Naスルホイソフタル
酸、5―アンモニウムスルホイソフタル酸、4―Naス
ルホイソフタル酸、4―メチルアンモニウムスルホイソ
フタル酸、2―Naスルホテレフタル酸、5―Kスルホ
イソフタル酸、4―Kスルホイソフタル酸、2―Kスル
ホイソフタル酸、Naスルホコハク酸等のスルホン酸ア
ルカリ金属塩系又はスルホン酸アミン塩系化合物等を用
いることが好ましい。スルホン酸塩の基を有する多価カ
ルボン酸又は多価アルコールは全塩基酸成分又はポリオ
ール成分中0.5〜20モル%、更には1〜18モル%
を占めることが好ましい。
【0029】また、カルボン酸塩の基をポリエステル分
子内に導入するためには、例えば無水トリメリット酸、
トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット
酸、トリメシン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、ジ
メチロールプロピオン酸等の化合物を用いることができ
る。また、カルボン酸塩基はカルボン酸基をアミノ化合
物、アンモニア、アルカリ金属等で中和することによっ
て得ることができる。
【0030】親水性基含有化合物をポリエステル分子内
に導入する場合には公知の種々な方法を採用することが
できる。カルボン酸塩や有機スルホン酸塩の基を導入す
る場合について更に説明すると、例えば 分子内にカルボン酸塩または有機スルホン酸塩の基
を有する化合物を出発原料の1成分としてポリエステル
樹脂を合成する方法、 分子内にカルボキシル基を3個以上有する化合物を
出発原料の1成分としてポリエステル樹脂を合成した後
に該ポリエステル樹脂中の遊離のカルボキシル基をアン
モニア、アミン、アルカリ金属化合物等で媒体中に中和
させる方法等の方法がある。
【0031】の方法を更に説明すると、例えば無水ト
リメリット酸をポリエステル樹脂の原料の1成分として
用いて側鎖に遊離のカルボキシル基を有するポリマーを
造り、反応終了後にアンモニア水を添加して中和し、水
性ポリエステル樹脂を造ることができる。ポリエステル
樹脂は溶融重合法で製造することが好ましい。
【0032】本発明におけるスルホン酸塩基を有する帯
電防止剤としては、例えばスルホン酸塩基を有する不飽
和単量体(例えばビニルスルホン酸ソーダ、メタリルス
ルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソーダ、ビニルス
ルホン酸アンモニウム、メタクリルスルホン酸カリウ
ム、スチレンスルホン酸リチウム等)の1種以上の重合
体からなる高分子型帯電防止剤、R―SO3 X(ここ
で、Rはアルキル基、アリール基、又はアルキル基を有
する芳香族基を、Xは金属イオン(例えばLi,Na,
K等)、アンモニウムイオン、アミンイオン又はリン酸
エステルイオンを示す。)の低分子型帯電防止剤が挙げ
られる。さらに具体的には、アルキルスルホン酸塩とし
てはペンタンスルホン酸ソーダ、オクタンスルホン酸ソ
ーダ、オクタンスルホン酸リチウム、オクタンスルホン
酸カリ、テトラデシルスルホン酸ソーダ等を、アリール
スルホン酸塩としてはベンジルスルホン酸ソーダ、トル
イルスルホン酸ソーダ、ナフチルスルホン酸ソーダ等
を、アルキル基を有する芳香族スルホン酸塩としてはア
ルキル(C8 〜C20)ベンゼンスルホン酸金属塩(例え
ばLi,K,Na等);例えばドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ等、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、
アルキルフェニールエーテルジスルホン酸ソーダ等を、
それぞれ例示することができる。
【0033】これらの中でもアルキルスルホン酸塩及び
アルキル基を有する芳香族スルホン酸塩が好ましく、更
に好ましくはアルキル基を有する芳香族スルホン酸塩で
ある。
【0034】本発明でいうHLBとは、Hydroph
ile―Lipophile Balanceの略でA
tlas社のGriffin氏によって提案され、界面
活性剤の分子中に占める親油性部分と親水性部分のバラ
ンスを数字で表わしたものである。このHLBは下記式
で求められる。
【0035】
【数1】HLB=20(1−M0 /M) (ここで、M0 は疎水基の分子量、Mは界面活性剤の分
子量)上記式から理解できるように、HLBの値が大き
い程親水性が強く、一方小さい程親油性が強くなる。
【0036】本発明における界面活性剤はHLBが1
2.0以下の界面活性剤である。このHLBは10.0
以下が好ましく、さらには7.0以下が好ましい。HL
Bが12.0より大きい界面活性剤では帯電防止層のハ
ジキ塗布斑をなくすことができない。
【0037】界面活性剤の種類としてはノニオン型のも
のが好ましく、例えばポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンモノアルキレートソルビタンモノ
(ポリ)アルキレート、グリセロールモノアルキレート
等を挙げることができる。これらは種々のHLBをとり
うるが、その中でHLBが12.0以下のもののみが本
発明の界面活性剤として用いることができる。
【0038】本発明における帯電防止層は、バインダ
ー、帯電防止剤及び界面活性剤の総量を100wt%と
したとき、バインダーが40〜85wt%、帯電防止剤
が10〜40wt%、界面活性剤が5〜20wt%の割
合を占めることが好ましい。
【0039】更に本発明の効果を消失させない範囲にお
いて、例えば紫外線吸収剤、顔料、有機フィラー、無機
フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤、メラミン、エ
ポキシ、アジリジン等の架橋剤等の他の添加剤を混合す
ることができる。また帯電性を向上される目的で若干量
の吸湿剤例えばポリエチレングリコール等を添加しても
よい。
【0040】この帯電防止層の水性塗液の固形分濃度
は、通常30重量%以下であり、10重量%以下が更に
好ましい。塗付量は走行しているフイルム1m2 当り
0.5〜20g、さらには1〜10gが好ましい。
【0041】塗布方法としては、公知の任意の塗布法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレー
コート法、エアーナイフコート法、含浸法及びカーテン
コート法などを単独又は組み合わせて適用するとよい。
この水性塗液には、塗液の安定性又は塗液の塗布性を助
ける目的で若干量の有機溶剤を含んでもよい。
【0042】水性塗液の塗布はポリエステルフイルムの
製造工程中で行ってもよく、また二軸配向処理の完了し
たポリエステルフイルムに行ってもよいが、好ましくは
前者である。
【0043】水性塗液の塗布後は、乾燥処理することで
帯電防止層が形成されるが、ポリエステルフイルムの配
向結晶化が完了していない場合、例えば水性塗液を塗布
した縦延伸されたポリエステルフイルムは、乾燥され、
横延伸、熱固定等の工程に導かれる。水性塗液を塗布し
た縦延伸ポリエステルフイルムは、例えばステンターに
導かれて横延伸及び熱固定される。この間塗布液は乾燥
し、フイルム上に斑のない連続皮膜を形成する。乾燥は
横延伸前或いは横延伸時に行なうと良い。また、延伸熱
固定の処理は従来から知られている、または当業界に蓄
積されている方法、条件で行なうことができる。
【0044】このようにして得られた、斑のない帯電防
止層を塗設したポリエステルフイルムは帯電防止性に優
れており、この低帯電性によって塵埃付着や静電気障害
を防止でき、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディス
ク、磁気カード等)、印刷材料、包装材料、印刷材料、
グラフィック材料(OHP、カラープルーフ、製版貼合
わせ用台紙等)、離型フイルム、易滑フイルム等に有用
である。
【0045】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。なお、例中の「部」は「重量部」を意味する。また
フイルムの各特性は次の方法で測定した。
【0046】1.接着性 帯電防止層塗設ポリエステルフイルムに評価塗料をマイ
ヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになるように塗布
し、100℃で3分間乾燥する。その後60℃で24時
間エージングし、次いでスコッチテープ No.600(3
M社製)幅12.7mm、長さ15cmを気泡の入らない
ように粘着し、この上をJIS C2701(197
5)記載の手動式荷重ロールでならし密着させ、テープ
巾に切り出す。これを180度剥離した時の強力を測定
する。
【0047】[評価用塗料]固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 25部 (日本ポリウレタン製) 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA(積水化学製)50部 分散剤 レシオンP(理研ビタミン製) 1部 磁性剤 CTX―860(戸田化学製) 500部 をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶剤に溶解し、40%液にし、サンドグライダーで2
時間分散する。その後架橋剤のコロネートL 25部
(固形分換算)を添加し、よく撹拌して磁性塗料を得
る。
【0048】2.帯電性 片面帯電防止層塗設フイルム(10μm×500mm×
3000m)ロールを23℃×75%RHの雰囲気下で
150m/min のスピードで巻き返し、そのロールの剥
離帯電量をヒューグルエレクトロニクス(株)製のデジ
タル式試験電気測定器Model―203を用いて測定
する。
【0049】3.表面抵抗 帯電防止層塗設ポリエステルフイルムを23℃×60%
RHで24hr放置後、振動容量型電位差測定器TR―
84M型(タケダ理研社製)で測定する。
【0050】
【実施例1〜3】35℃のO―クロロフェノール中で測
定した固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート
を溶融押出して厚み158μmの未延伸フイルムを得、
次いでこれを機械軸方向に3.5倍延伸した後表1に示
す組成の水性帯電防止塗液(固形分4wt%)を一軸延
伸フイルムの片面に塗布した。その後、105℃で3.
9倍に横方向に延伸し、200℃で4.2秒間熱処理を
施し、平均塗布量50mg/m2 で厚さ12.2μmの
二軸延伸帯電防止層塗設ポリエステルフイルムを得た。
このフイルムの処理面(帯電防止層表面)の接着性、帯
電性等を測定した。その結果を表2に示す。
【0051】
【比較例1】水性帯電防止塗液を塗布しなかった以外
は、実施例1と全く同様の方法でプレーン二軸延伸ポリ
エステルフイルムを得た。このフイルムの特性を表2に
示す。
【0052】
【比較例2】実施例1の水性帯電防止塗液の代りに固型
分で日本合成化学工業(株)社のWR―901とドデシ
ルベンゼンスルホン酸リチウムの比が85/15wt%
の水性塗液を用いる以外は全く実施例1と同様な方法で
帯電防止層塗設ポリエステルフイルムを得たが、この帯
電防止層の塗膜には、目視観察の結果、塗膜のハジキ斑
が多発していた。
【0053】
【表1】
【0054】ここで、 WR―901;Tg=70℃の水性ポリエステル樹脂
(日本合成化学工業(株)社製) DBSLi;ドデシルベンゼンスルホン酸Li O―SO3 Na;オクタンスルホン酸ソーダ SAA;エチレングリコールノニルフェニールエーテル
(HLB=5.7)
【0055】
【表2】
【0056】表2から明らかの如く、実施例の帯電防止
性ポリエステルフイルムは、ハジキ塗布斑もなく、低い
帯電性と良好な接着性を示す。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ハジキ塗布斑がなく、
低い帯電性のポリエステルフイルム及びその製造方法を
提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    にスルホン酸塩基を有する帯電防止剤及びHLBが1
    2.0以下の界面活性剤を含有する帯電防止剤を設けて
    なることを特徴とする帯電防止性ポリエステルフイル
    ム。
  2. 【請求項2】 配向結晶化が完了する前のポリエステル
    フイルムの少なくとも片面にスルホン酸塩基を有する帯
    電防止剤及びHLBが12.0以下の界面活性剤を含有
    する帯電防止水性塗液を塗布し、次いで乾燥、延伸、熱
    固定処理を施してフイルムの配向結晶化を完了させるこ
    とを特徴とする帯電防止性ポリエステルフイルムの製造
    方法。
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